JP4260460B2 - 小型滑走艇およびそのエンジン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型滑走艇およびその小型滑走艇に搭載されるエンジンに関する。さらに詳しくは、小型滑走艇およびその船体内に設置されるドライサンプ式のエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
レジャー、スポーツ、およびレスキュー等の用途として、近年ではいわゆるジェット推進型の小型滑走艇が多用されている。上記小型滑走艇では、エンジンはデッキおよびハルからなる船体内に内蔵されている。また、小型滑走艇の多くは騎乗型または立ち乗り型である。いずれのタイプも船体は小さいものであり、船体内部のエンジンを収容するスペース(以下、エンジンルームという)も狭いものとなる。
【0003】
一方、小型滑走艇は、水面をローリング、ヨーイング、ピッチングしたり、水面上にジャンプしたりするスポーツ的な操縦を楽しむ場合が多い。したがって、エンジンの潤滑方式は一般にオイルタンクがシリンダブロックおよびクランクケースから独立して区画形成されたドライサンプ式が望まれる。なお、この明細書において、ドライサンプ式エンジンとは、エンジン内を潤滑するオイルを収容するオイルタンクが、エンジンのクランクケースから独立して区画形成された形態のエンジンをいう。
【0004】
しかしながら、前述のとおり小型滑走艇のエンジンルームは狭いため、クランクケース等から独立して区画してオイルタンクを設け、このオイルタンクとエンジン側との間にオイルの循環用の配管を配設する場合には、それらの配置に関する自由度が大きく制限される。一方、エンジンルーム内には、クランクケースから独立したオイルタンクなどを配置するには狭すぎるような、利用されない空間(デッドスペース)も存在する。
【0005】
また、ドライサンプ式のエンジンであってシリンダヘッドのカム回りに潤滑油を供給する構造のものでは、シリンダヘッドに送ったオイルをオイルタンクへ戻す必要がある。かかる場合、シリンダヘッドから一旦クランクケースへオイルを落下させ、そこからスカベンジングポンプによってオイルタンクまで戻すことがおこなわれる。また、別の手法として、クランクケースとは別にシリンダヘッドからオイルを戻すオイル室を設けて、そこから別のポンプによってオイルタンクまで戻す場合もある。このような構成では構造が複雑となり、所要スペースが拡大する。この種の関連する先行技術として、特許第3004917号がある。
【0006】
【特許文献1】
特許第3004917号公報
【0007】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、船体の狭いエンジンルームに効率よく収容することができ、また、エンジンルーム内のデッドスペースを効果的に活用し得るエンジンおよびこのエンジンを搭載した小型滑走艇を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る小型滑走艇用エンジンは、小型滑走艇の船体内に設置される、シリンダヘッドおよびオイルタンクを有するドライサンプ式のエンジンであって、該オイルタンクがクランクケースと独立して区画形成されており、このオイルタンクがシリンダヘッドより低い位置に配設されており、シリンダヘッドからオイルが自重によってオイルタンクに戻るように構成されてなることを特徴としている。
【0009】
かかる構成により、シリンダヘッドのオイルが自重によって直接オイルタンクに戻るため、かかるシリンダヘッドから戻ったオイルをオイルタンク側に戻すための所謂「スカベンジングポンプ」が不要となる。その結果、必要となるスカベンジングポンプはシリンダブロックあるいはクランクシャフト側等(シリンダヘッド以外の部分)に供給したオイルを戻すためだけの、小型のスカベンジングポンプであればよい。つまり、スカベンジングポンプを小型化することができる。また、オイルが戻る通路を利用して、オイルタンク内の空気圧をシリンダヘッドへ逃がし、最終的にエンジン外へ逃がすことができる。それため、オイルタンクにブリーザ管を設ける必要がなくなる。
【0010】
そして、上記シリンダヘッドからオイルタンクまで連通するオイル経路をエンジン壁部(例えば、エンジンのシリンダブロック内およびクランクケースの壁内)に形成するのが好ましい。このように構成すると、オイル経路がエンジン壁部に内蔵されることから、エンジンをコンパクトにすることができる。
【0011】
上記エンジンにおいて、上記オイル経路とカムチェーントンネルとが、平面視において、相互にエンジンの離れた位置に形成されていると、加速時あるいは減速時、または左右いずれかにローリングしたときにも、該オイル経路とカムチェーントンネルのいずれかによって、シリンダヘッドに供給したオイルを、オイルタンク側へ戻すことができる構成となる。
【0012】
上記エンジンにおいて、該エンジンの端部にカムチェーントンネルがさらに形成されており、上記オイル経路が該カムチェーントンネルと平面視において反対側の端部に形成されていると、シリンダヘッド側から下方のオイルタンクへオイルを戻す通路がエンジンの両側の端部に形成されることになり、仮にエンジンの長手方向が艇の前後方向に沿うように搭載すると、加速時や減速時にシリンダヘッドのオイルが前方あるいは後方に移動しても、オイルがその自重によって上記カムチェーントンネルあるいはオイル経路のいずれかを経て、円滑にシリンダヘッドからオイルタンクへ戻せる点で、好ましい構成となる。たとえば、上記カムチェーントンネルをエンジンの前端部に形成し、上記オイル経路をエンジンの後端部に形成すると、走行(航行)中にシリンダヘッドのオイルが後方へ移動しても、上記オイル経路を通して、シリンダヘッドのオイルをオイルタンクに戻すことが可能となる。
【0013】
本発明に係る他の小型滑走艇用エンジンは、小型滑走艇の船体内に設置される、クランクケースおよびオイルタンクを有するドライサンプ式のエンジンであって、
該クランクケースが、上部クランクケースと、下部クランクケースとを有しており、
該下部クランクケースがその上端近傍から外方へ延び且つ連続して下方へ延びるカバー部を有しており、該カバー部の底面を覆うように該カバーの下端周縁にオイルパンの上端周縁を接続されており、
上記下部クランクケースの底部、カバー部およびオイルパンによって、オイルタンクが、上記クランクケース下方に該クランクケースとは独立して区画形成されていることを特徴としている。
【0014】
かかる構成のエンジンによれば、ドライサンプ式でありながら船体の狭いエンジンルームに効率よくオイルタンクを配置することができ、また、従来はエンジンルーム内のデッドスペースであったエンジン下方の空間を有効に利用して配置することになる。また、エンジン底部の剛性も高めることができ、振動を低減させることにも寄与する。さらに、オイルタンクおよびクランクケースの製造が容易となり、さらに、これらの組立も容易となる。
【0015】
また、上記オイルタンク内に、エンジンの所要箇所にオイルを供給するためのフィードポンプを内蔵したエンジンが好ましい。このような構成によれば、狭いエンジンルーム内においてフィードポンプの配設スペースが節約でき、しかも、フィードポンプとオイルタンクとを接続する配管が不要となる。
【0016】
かかるフィードポンプを内蔵したオイルタンクが、上記クランクケースの前後方向に沿って延びる形状を有しており、上記フィードポンプの吸い込み口が、オイルタンク内における上記前後方向の中央またはそれより後部に配置されているような構成のエンジンが好ましい。
【0017】
ここで、「前後方向」とはエンジンのクランクシャフトの軸方向を意味し、クランクシャフトの出力端が「後端」、その逆方向の端が「前端」となる。エンジンの出力端が船体の前後方向で言う後端となる。従って、エンジンの前後方向は船体の前後方向と一致する。
【0018】
このようにオイルタンクをクランクケースの前後方向に沿って延びる形状にすることにより、該オイルタンクがエンジン本体(シリンダブロックやクランクケース等)に沿う形状となり、エンジン全体をコンパクトにすることができる。
【0019】
また、フィードポンプの吸い込み口をオイルタンク内における前後方向の中央より後部に配置することにより、小型滑走艇が発進したり走行中に急加速した場合にオイルタンク内のオイルが一時的に後方に移動するが、このときでもエンジン各部にオイルを供給することができる構成が実現できる。
【0020】
また、フィードポンプ内蔵のオイルタンクを備えたエンジンであって、このオイルタンクが、上記クランクケースの前後方向に沿って延びる形状を有しており、
オイルタンク内における上記フィードポンプの吸い込み口に近接した後方に、邪魔板を設けたオイル通路が設けられていると好ましい形態のエンジンとなる。前述のように小型滑走艇が発進等したときに、この邪魔板がオイルの急な後方への移動を抑制するからである。
【0021】
また、フィードポンプ内蔵のオイルタンクを備えたエンジンであって、フィードポンプの吸い込み口が、オイルタンク内におけるクランクケースの幅方向の実質的中央に配置されているような構成のエンジンが好ましい。このように構成すると、船体がローリングしたり急旋回したときにオイルタンク内のオイルが一時的に船体幅方向にも移動するが、このときでもエンジン各部にオイルを供給することができる。
【0022】
また、上記クランクケースとオイルタンクとの間に、クランクケースの内のオイルをオイルタンク側へ戻すためのスカベンジングポンプが配置されているような構成のエンジンが好ましい。このように構成すると、狭いエンジンルーム内におけるスカベンジングポンプの配設スペースが節約できるからであり、しかも、スカベンジングポンプとクランクケース、および該スカベンジングポンプとオイルタンクとを接続する配管が不要になるからである。
【0023】
かかるスカベンジングポンプをオイルタンクに備えたエンジンであって、このオイルタンクが、上記クランクケースの前後方向に沿って延びる形状を有しており、上記スカベンジングポンプからオイルタンク内への吐出口が、オイルタンク内における上記前後方向の中央より前側に配置されているような構成のエンジンが好ましい。
【0024】
このように構成すると、小型滑走艇が発進等することによりオイルタンク内のオイルが一時的に後方に移動しても、上記スカベンジングポンプの吐出口からオイルタンクの前部にクランクケース側からオイルが戻ってくるので、かかる状況下でもエンジン各部にオイルを供給することの一助となる。
【0025】
また、上記エンジンにおいて、上記クランクケースと上記オイルタンクとの間に連通路が形成され、
この連通路がクランクシャフトに配設されているクランクウェブの回転方向に略沿うように設けられるとともに、この連通路の吐出口となるオイルタンク側の開口が、クランクシャフトに配設されているクランクウェブの回転方向前方に略向かって上記オイルタンク側に開口していると、好ましいエンジンとなる。
【0026】
このように構成すると、公知のギヤポンプ式等のスカベンジポンプを別途設けなくとも、エンジン運転中においては、クランケース底部のオイルは、クランクウェブの回転による連れ回り等の掻き出し作用によって、また、ブローバイガスおよびピストンの下降等によるクランクケース内の圧力増加(クランクケース内の圧力がオイルタンク内に比べて高くなっていること)によって、クランクケース側から上記連通路を介して、オイルタンク側にオイルが戻される。従って、一般のギヤポンプ式等のスカベンジポンプは不要となる。
【0027】
従って、従来のギヤ式等の形式のスカベンジポンプを無くすことができるために、よりコンパクトにでき且つ軽量化が図れる。また、エンジンの出力のロスが低減できる。さらに、シンプルな構造となるため、信頼性も向上する。
【0028】
そして、上記連通路を備えたエンジンにおいて、該連通路が、上下方向の段差によって形成され、この段差が、上記クランクウェブの回転方向前方側でクランクシャフト中心に近接し、上記回転方向後方側でクランクシャフト中心から離間した段差であると好ましい。また、前記連通路の開口面積は、クランクケースの容積、エンジンの排気量(シリンダ容積)等々により、それぞれに応じた開口面積を有するように構成する。なお、前記「回転方向前方側」とは、これから回転しようとする方向の側であり、「回転方向後方」とは、すでに回転・通過した方向の側をいう。
【0029】
このように構成されていると、クランクウェブの回転による連れ回り等のクランクケース内のオイルの掻き出し作用が効率良くおこなわれるため、オイルタンク側へ、さらに有効にオイルを戻すことができる。
【0030】
さらに、上記連通路を備えたエンジンにおいて、該連通路のオイルタンク側が、上記吐出口を除いてカバーによって、覆われているような構成にすることが好ましい。
【0031】
このように構成されていると、上記連通路からオイルタンク側へ戻すオイルの流れが円滑になり、より効率的に、クランクケース側からオイルタンク側にオイルを戻すことができる。
【0032】
また、その側端部にカムチェーントンネルが形成されたエンジンであって、
このカムチェーントンネルの下端がオイルタンクと連通されており、カムチェーントンネルを通してオイルタンクにオイルを戻すように構成されているような構成のエンジンが好ましいエンジンとなる。
【0033】
このように構成すると、オイル補給のための経路や給油手段を特に設ける必要がない。
【0034】
また、上記オイルタンク内に、エンジンの所要箇所にオイルを供給するためのフィードポンプと、クランクケースの内部からオイルタンク内にオイルを戻すためのスカベンジングポンプとが内蔵されており、
フィードポンプとスカベンジングポンプとが共通の駆動軸を有しており、この駆動軸がクランクシャフトの回転によって駆動されるように構成されているような構成のエンジンが好ましい。
【0035】
このように構成すると、ポンプ駆動機構の構造が簡単になり、また、オイルタンクの容積をポンプ駆動機構が大きく占めることが防止される。
【0036】
上記フィードポンプの吸い込み口とスカベンジングポンプからのオイルタンク内への吐出口とが離間した位置に配置されてなるエンジンが好ましい。
【0037】
このように構成すると、スカベンジングポンプによって戻されたオイルの中にたとえ大きな気泡が生じていても、オイルがオイルタンク内の上記吐出口から上記吸い込み口まで移動する間にこの気泡は上部の空間に逃げてしまうため、フィードポンプに及ぼす気泡の影響を抑制することができる。この場合、エンジンの振動および艇の振動もオイル内の気泡をオイルと分離するのに寄与することになる。
【0038】
たとえば、前述したようにオイルタンク内の前部にスカベンジングポンプの吐出口を位置させ、後部にフィードポンプの吸い込み口を位置させればよい。このように構成すると、フィードポンプからエンジンの所要部位に、多くの量のオイルが必要となる加速時に、スカベンジングポンプからオイルはオイルタンクの前部へ吐出され、後方へ移動するが、オイルタンクの後部にフィードポンプの吸い込み口があるため、該加速時にオイルを円滑に供給することができる。
【0039】
また、上記オイルタンクに、外部からオイルタンク内に連通する吸引管が挿入されており、この吸引管を通してオイルタンク内のオイルを吸引排出し得るような構成のエンジンが好ましい。このように構成すると、オイルタンク内のオイルをほとんど全部排出したい「オイル交換時」に、エンジンをエンジンルームから取り出してオイルタンクの底部のドレイン孔から排油するなどのやっかいな作業が不要となる。
【0040】
上記吸引管を有するエンジンにおいて、この吸引管内にオイルレベルゲージが内装されていると、オイルレベルゲージを別途設ける必要がなく、スペースの有効利用や構造の簡素化が実現される点において好ましい。
【0041】
また、シリンダブロックと、このシリンダブロックの上方に配設されたヘッドカバーと、上記シリンダブロックの端部に形成されたカムチェーントンネルとを備えており、
該カムチェーントンネルの下端がオイルタンクと連通されており、上記オイルタンク内におけるカムチェーントンネルとの連通部の近傍、または、上記カムチェーントンネル内におけるオイルタンクとの連通部の近傍に、邪魔板が内装されたオイル通路が形成されていると、好ましいエンジンとなる。
【0042】
このように構成すると、船体が急に前傾したり転倒したりしてもオイルタンク内のオイルが大量にカムチェーントンネル内に移動することが抑制される。
【0043】
また、エンジンのシリンダに給気するための吸気管と、この吸気管に配設されたスロットルバルブと、上記オイルタンクに配設されたブリーザ管とを備えており、
このブリーザ管がオイルタンク内と上記スロットルバルブの上流側とを連通するように構成されているような構成のエンジンが好ましい。
【0044】
このように構成されていると、オイルタンク内のブローバイガスがこのブリーザ管を通してスロットルバルブの上流側に排出されるため、スロットルバルブの作動による圧力変動に影響されずに安定して排出することができる。
【0045】
また、たとえば、スロットルバルブの上流側から給気の一部を排気通路へ送るための二次エア供給装置を別途配設しておけば、これによりブローバイガスを給気の一部とともにエンジンの排気通路へ送って燃焼させることができる。
【0046】
また、上記オイルタンクに冷却水が流通する冷却室が形成されており、この冷却室に接するオイルタンクの内壁面に冷却用のフィンが形成されているような構成のエンジンが好ましい。
【0047】
このように構成すると、狭いエンジンルーム内に効率よくオイルの冷却装置を設けることができる。
【0048】
本発明に係る小型滑走艇は、小型滑走艇のハルとデッキとから構成される船体と、
該船体内に設置される、前述したうちのいずれか一のドライサンプ式エンジンとを備えており、
このエンジンのクランクケースと上記ハルとの間にオイルタンクが配置されていることを特徴とする。
【0049】
このように構成された小型滑走艇によれば、ドライサンプ式のエンジンを狭いエンジンルーム内に効率よく配置した小型滑走艇を実現できる。
【0050】
上記小型滑走艇において、エンジンが、そのクランクシャフトの出力端が船体の後方側になるように、船体の前後方向に沿って配置されていることが好ましい。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら本発明にかかる小型滑走艇用エンジンを説明する。
【0052】
図1は本発明にかかるエンジンが搭載される小型滑走艇の一部切欠き側面図であり、図2はその平面図であり、図3は図1におけるIII−III線断面図である。
【0053】
図1〜3において、Aは船体であり、この船体AはハルHとその上方を覆うデッキDとから構成されている。これらハルHとデッキDとを全周で接続するラインはガンネルラインGと呼ばれる。Lはある状態での喫水線を示している。
【0054】
図には騎乗式の艇を例示しており、上記デッキDの中央から後部にかけて船体Aの上面に前後方向に延びる騎乗型シートSが取り付けられている。以下、「前」は船体の進行方向を意味し、「後」はその逆方向を意味するものとする。上記シートS下方のハルHとデッキDとに囲まれた空間(エンジンルーム)R内にエンジン1が配置されている。操縦者は騎乗型シートSにまたがって、前方に配設されたバー式の操舵ハンドルBを握って艇を操縦する。
【0055】
上記エンジン1は複数のシリンダ(本実施形態では4シンリダ)を備えており、そのシリンダが船体Aの前後方向に沿って配置されている。以下、エンジン1自体の前後方向(オイルタンクの前後方向)は図4に示すように、クランクシャフト16の出力端とプロペラシャフト3(図1)との連結用のカップリング3aが接続された方が後方であり、その逆方向が前方である。エンジン1からの排気はエンジン1の横に接続された排気マニホールド15a(図3)から排気集合管15b(図3)を通して図示しないウォーターマフラに送られ、これらで消音された後に所定の排気管を通してトランサムボードから船外へ排出される。
【0056】
また、図1にはウォータージェットポンプ2によって推進する小型滑走艇を例示している。このタイプの艇ではエンジン1の出力端に連結されたプロペラシャフト3を介してウォータージェットポンプ2のインペラ4が回転する。これにより、ハルHの底面に形成された吸水口5から吸い込んだ水を加圧・加速してジェットノズル6から後方に噴出して小型滑走艇は推力を得る。
【0057】
図3に示すように、エンジン1はハルHの底面から突設されたエンジンマウント7上にそのクランクケース8の取付部分が取り付けられている。クランクケース8とハルHとの間の空間にはオイルタンク9が配設されている。本実施形態ではこのオイルタンク9はクランクケース8に一体に形成されている。もちろん、本発明では一体に形成することに限定されることはない。クランクケースから分離したオイルタンクであってもクランクケース8とハルHとの間の空間に配設されていればよい。
【0058】
図3に示すように、クランクケース8は、シリンダブロック11の下端に着脱可能に接続された上部クランクケース8aと、この上部クランクケース8aの下端に着脱可能に接続された下部クランクケース8bと、この下部クランクケース8bの下端に着脱可能に接続された底部材8cとによって、分解可能に、構成されている。底部材8cには後述する一個のフィードポンプ20と二個のスカベンジングポンプ21、22とが取り付けられている。このフィードポンプ20とスカベンジングポンプ21、22とを取り付けるために下部クランクケース8bと底部材8cとを別体に構成したが、とくに必要がなければ下部クランクケース8bと底部材8cとを鋳造等により一体に形成してもよい。
【0059】
ところで、上記下部クランクケース8bは、一方において、図3に図示のごとく、その上端から連続して外方へ延び且つそこから連続して下方へ延びるカバー部8dを有し、下部クランクケース8bの外面(底面)とカバー部8dの内面との間に空間S1が形成され、この空間S1も上記オイルタンク9の一部となる。上記カバー部8dの下端の周縁にはオイルパン10の上端周縁が密着するような状態で、該カバー部8dにオイルパン10が着脱可能に取り付けられている。このオイルパン10とカバー部8dと上記下部クランクケース8bとによってオイルタンク9が形成されている。このようにしてオイルタンク9はクランクケース8から独立して、該クランクケース8の下方に一体に区画形成される。したがって、この実施形態の場合、オイルタンク9とクランクケース8とを区画している(隔てている)のは下部クランクケース8bおよび底部材8cである。かかる構成によってクランクケース8とハルHとの間の空間を有効利用することができ、また、ドライサンプ式のオイルタンク9を効率よく狭いエンジンルームR内に収容することができる。
【0060】
このオイルタンク9は図3に示すようにクランクケース8より若干大きい寸法の幅を有しており、また、このオイルタンク9は、図4に示すように、エンジン1の長手方向(クランクシャフト16の長手方向)の長さ、つまりクランクケース8の長さとほぼ同一の寸法を有する。換言すれば、シリンダの並設方向が艇の前後方向と一致し、各シリンダ(クランクケース8)の下方に上記クランクケース8が配置されることから、オイルタンク9は船体Aの前後方向に長い形状となる。かかる形状により、オイルタンク9は、クランクケース8やシリンダブロック11より外方には大きく突出することがない。この結果、エンジン1全体がコンパクトになる。また、図示のごとくエンジン1が船体Aの幅方向中央に取り付けられている。換言すれば、クランクシャフト16の長手方向(中心軸方向)が船体の前後方向の中心線に沿っているため、オイルタンク9の前後方向中心線も船体Aの前後方向中心線とほぼ一致することになる。この結果、オイルタンク9も船体Aの幅方向中央に位置することになる。。
【0061】
図3において、11はシリンダブロック、12aはシリンダヘッド、12bはヘッドカバー、13aおよび13bはそれぞれ第一吸気管と第二吸気管、14aおよび14bはそれぞれ第一吸気ボックスと第二吸気ボックス、15aは排気マニホールド、15bは排気集合管である。燃焼用空気は、第一吸気ボックス14aの吸気孔14cから第一吸気管13aを通して第二吸気ボックス14bを経由し、第二吸気管13bを通してシリンダ内へ送り込まれる。第一吸気管13aにはスロットルバルブが取り付けられている(このスロットルバルブは、図3では紙面の反対側であるためこの図3には図示していない)。
【0062】
上記オイルタンク9にはブリーザ管17が取り付けられている。このブリーザ管17の一端は図示のごとく、オイルタンク9の上部、この実施形態では、該オイルタンク9の一部を形成する上記下部クランクケース8bの上端に連続して、上部クランクケース8aの下端のフランジ部18に形成されている凹所18aに開口し、他端は上記第一吸気ボックス14aに接続(開口)している。こうすることにより、オイルタンク9内のブローバイガスはこのブリーザ管17を通して第一吸気ボックス14a、すなわち図示しないスロットルバルブの上流側に排出される。このように排出されたブローバイガスは、たとえば、第一吸気ボックス14aから図示しない二次エア供給装置によって給気の一部とともに排気通路19へ送られて燃焼させられる。ブローバイガスはスロットルバルブの上流側に排出されるので、スロットルバルブの作動による圧力変動に影響されずに排出することができる。
【0063】
前述し、図3〜図5に示すように、オイルタンク9とクランクケース8との間には一個のフィードポンプ20と二個のスカベンジングポンプ21、22とが配設されている。これらポンプ20、21、22はそれぞれ上記底部材8c(8c1、8c2)(図3,図4,図8参照)に取り付けられている。また、上記フィードポンプ20と二個のスカベンジングポンプ21、22は、この実施形態では、底部材8cに取り付けられているが、クランケース8とオイルタンク9との間に位置させるのであれば、オイルタンク9側の部材に取り付けられてもよく、あるいは取り付けのために別の部材を設けてもよい。また、上記フィードポンプ20と二個のスカベンジングポンプ21、22は、形式的には、この実施形態では、底部材8cの上方であることからクランクケース8側に収納されているが、もちろん、オイルタンク9側に収納されていてもよい。また、スカベンジングポンプの個数は一例であり、一個でもよく、三個以上でもよい。図4はエンジン1の縦断面図であり、図5は図4のV−V線断面図である。フィードポンプ20はオイルタンク内のオイルを吸引してエンジン1のカム43(図3参照)やクランクシャフト16などの適宜箇所にオイルを送るものであり、スカベンジングポンプ21、22はクランクケース8内の底部に自重により溜まったオイルを吸引してオイルタンク9へ戻すためのものである。なお、図3におけるスカベンジングポンプ21の断面は、図5におけるZ−Z線断面を示すものである。
【0064】
図5において、符号23はフィードポンプ20によるオイルタンク9からのオイルの吸入通路である。図4,図5に図示するように、吸入通路23における吸入開口23aには第一フィルタ24aが配設されている。フィードポンプ20によって吸引されたオイルはメインギャラリ等の給油通路25(図5参照)を通し、第二フィルタ24b(図3参照)を経由してエンジン1の所定部位に送られる。図5において、25aは過圧のオイルをオイルタンク9に逃がすためのリリーフバルブである。
【0065】
上記吸入開口23aはオイルタンク9の前後方向の中央またはそれより後方に配置する。図示のものは前後方向のほぼ中央に位置している。こうすることにより、小型滑走艇が発進したり走行中に急加速した場合にオイルタンク9内のオイルが一時的に後方に移動するが、このときでも安定してエンジン各部にオイルを供給することができる。また、図5に二点鎖線で示すように、吸入開口23aのすぐ後方に邪魔板としてのバッフルプレート49を取り付けてもよい。このバッフルプレート49はオイルタンク9内の前後の空間をわずかなオイル通過部を残して仕切って、オイルタンク9内をこのバッフルプレート49で略閉止することにより、オイルの前後方向の急な移動を防止するものである。かかる構成によって、上記同様の作用(オイルの後方への急な移動の抑止し、発進および急加速時のオイル供給を円滑にする作用)を奏する。
【0066】
さらに、図5に示すように、上記吸入開口23aは船体の幅方向のほぼ中央に配置される。こうすることにより、船体Aがローリングしたり急旋回したときにもオイルタンク9内のオイルが一時的に船体幅方向に移動するが、このときでもエンジン各部にオイルを供給することができる。
【0067】
図4および図5において、26および27はそれぞれ両スカベンジングポンプ21、22によってクランクケース8底部からオイルを吸引するための戻り開口である。各戻り開口26、27には第三フィルタ26a、27aが配設されている。各スカベンジングポンプ21、22によって吸引されたオイルは共通の吐出通路28を通してオイルタンク9内に戻される。吐出通路28の出口28aは図示のごとくオイルタンク9の前後方向の中央より前方に配置されている。以上の構成から、オイルタンク9内のみを見てみればオイルは前部に戻され、その後方(オイルタンク9の中央部又は後部)から吸引されてエンジン各部に送られることになる。オイルタンク9に戻されたオイルの中にたとえ大きな気泡が生じていても、オイルがオイルタンク9内の前部から中央部(あるいは後部)まで移動する間にこの気泡は上部の空間に分離してしまい、その後に気泡が分離されたオイルのみがフィードポンプ20によって吸引されるため、ポンプに及ぶ気泡の影響を抑制することができる。
【0068】
この実施形態では、前述した吸入通路23、給油通路25、吐出通路28は上記底部材8cに形成されている。したがって、従来のドライサンプ式エンジンのようにエンジン外部に配管を施す必要がない。
【0069】
このように、クランクケース8とオイルタンク9とは、戻り開口26、27からスカベンジングポンプ21、22を通して連通されている部分を除いて、下部クランクケース8bおよび底部材8c(厳格には、さらに上部クランクケース8aの一部)によって仕切られている。したがって、ドライサンプ式と呼ぶのである。
【0070】
これらスカベンジングポンプ21、22は上記フィードポンプ20の後方に、前後に離間してフィードポンプ20とともに一列に整列されている。そして、この三つのポンプ20、21、22は共通の一本の駆動軸29によって駆動される。図4に示すように駆動軸29の回転駆動はクランクシャフト16によってなされる。すなわち、クランクシャフト16の端部に配設されたスプロケット16bと駆動軸29の端部に配設されたスプロケット29aとに掛け回された伝動用のチェーン30によってなされる。
【0071】
図4に示すように、エンジン1の端部、すなわち、シリンダヘッド12a、ヘッドカバー12b、シリンダブロック11およびクランクケース8に隣接してカムチェーントンネル31が形成されている。このカムチェーントンネル31はその下端がオイルタンク9内に開放している。カムチェーントンネル31内には、上記のポンプ駆動用のチェーン30、および、クランクシャフト16の回転をスプロケット16aを介して図示しないカムシャフトに伝えるためのチェーン32が配設されている。このカムチェーントンネル31の上端のヘッドカバー12b部分にはオイル補給口33が形成されており、この補給口33に閉止用のキャップ33aが着脱自在に取り付けられている。したがって、このオイル補給口33から減少分のオイルをオイルタンク9に補給することができる。
【0072】
図4あるいはオイルタンク9下部の拡大図である図8に図示するように、オイルタンク9内における、カムチェーントンネル31との連通部近傍には前述したと同様のバッフルプレート34が配設されている。このバッフルプレート34の下端とオイルパン10の底面との間にはオイルが通過するためのわずかな隙間34aが形成されている。したがって、船体Aが急に前傾したり転倒したりしてもオイルタンク9内のオイルが大量にカムチェーントンネル31内に移動することが抑制される。また、上記オイルのわずかな通過路はバッフルプレート34の下端とオイルパン10の底面との間の隙間34aによって構成されているが、本発明ではかかる構成に限定されない、たとえば、バッフルプレート34自体にオイル通過用の孔を設けてもよく、また、バッフルプレート34の上端とクランクケース8との間、または、バッフルプレート34の側縁とオイルタンク内側面との間に隙間を設けてもよい。しかし、オイル通過路はできるだけ下に設けるのが好ましい。
【0073】
なお、このバッフルプレート34の配置はオイルタンク9内におけるカムチェーントンネル31との連通部近傍に限定されることはなく、たとえば、カムチェーントンネル31内におけるオイルタンク9との連通部近傍であってもよい。本実施形態ではカムチェーントンネル31がエンジン1の前端部に形成されているが、後端部に形成されているエンジンについてもバッフルプレートはやはりオイルタンク9内におけるカムチェーントンネルとの連通部近傍に配置されてもよいし、カムチェーントンネル内におけるオイルタンク9との連通部近傍に配置されてもよい。この場合は前述したバッフルプレート49を兼用してもよい。
【0074】
図4および図6を併せて参照すれば明らかなように、このエンジン1の側面にはクランクケース8を経由せずにシリンダヘッド12aからオイルタンク9まで直接に連通するオイル経路50、51が形成されている。図6は図4におけるVI−VI線断面図である。このオイル経路50、51はエンジン1の側壁部内にトンネル状に形成されている。すなわち、エンジン(シリンダヘッド12a、シリンダブロック11およびクランクケース8)壁部内に一体に形成されている。
【0075】
本実施形態では、図6に示すように、上記オイル経路50、51のうちの一つのオイル経路50はカムチェーントンネル31の形成部位と前後方向において反対側端部の壁部に形成されている。具体的には図4の図中に矢印Mで示すように、シリンダヘッド12aの上記端部のオイル経路50からシリンダブロック11の同端部のオイル経路50に連通するように設けられ、ついでシリンダブロック11内で前後方向に形成されてるオイル経路50を経て、次に再び上下方向に設けられているオイル経路50を通って、最後にクランクケース8を通ってオイルタンク9に至る。もちろん、シリンダブロック11内部およびクランケース8の内部を上下にまっすぐ下方のオイルタンク9まで至るオイル経路を設けてもよい。図4に図示するように、他のオイル経路51は、矢印Nで示すように、カムチェーントンネル31と上記オイル経路50との中間部位をエンジン側壁部内をまっすぐ下方に向けて形成されている。
【0076】
この実施形態では、二つのオイル経路が形成されているが、本発明では、このオイル経路の数は限定されるものではない。しかし、少なくとも一つのオイル経路を、上記のごとくカムチェーントンネル31と反対側の端部に形成するのが好ましい。なぜなら、エンジンの両端にシリンダヘッド12a内とオイルタンク9内を連通する経路があることにより、艇の走行中にシリンダヘッドのオイルが後方へ移動してもあるいは前方に移動しても、オイル経路とカムチェーントンネル31のいずれか一方の経路を通って、オイルをオイルタンクに戻すことができるからである。
【0077】
また、オイルタンク9とシリンダヘッド12aとが直接に連通していることによりオイルタンク9にブリーザパイプを設ける必要がなくなる。オイルタンク9内のブローバイガスをシリンダヘッドに設けたブリーザを通して排出できるからである。しかし、この実施形態のように、さらにブリーザパイプを設けておくと、さらに大量のブローバイガス等をオイルタンク9からシリンダヘッド12aへ逃がすことができる。
【0078】
図7には上記実施形態とは異なる実施形態が示されている。図7はこの実施形態にかかるエンジン41の要部正面断面図である。このエンジン41は、メンテナンス等の際にオイルタンク9内のオイルをほとんど抜き取るための吸引管42を備えたものである。この吸引管42の配設以外の構成は図3〜5に示すエンジン1の構成と同じであるので、同一部材には同一符号を付して詳細な説明を省略する。この吸引管42はエンジン41の外部から、オイルタンク9の上部、すなわち前述したクランクケース8のフランジ部18におけるオイルタンク9内の凹所18aに形成された貫通孔を通してオイルタンク9の底部に延びている。そして、必要時に吸引管42に手動ポンプなどの吸引手段を接続してオイルタンク9内のオイルを排出する。たとえば、上記ポンプを操作して一度オイルをタンク外部に吸引し始めると、あとは上記ポンプの排出口をオイルタンク9より低い位置にセットするだけで、サイフォン効果によってオイルタンク9内のオイルをほとんど全て抜き取ることができる。こうすることにより、たとえばオイルパン10にドレン孔を設け、エンジンをエンジンルームから取り出してから排油するなどのやっかいな作業が不要となる。このことは、船体の底部とエンジンの底部との間の隙間寸法が小さい小型滑走艇の場合には、有効である。
【0079】
また、図示のごとく、この吸引管42にはオイルレベルゲージ52が装備されている。このオイルレベルゲージ52は、吸引管42内に挿入される可撓性を有する長尺部材52aと、長尺部材52aの上端に接続され且つ吸引管42の口に嵌着されるつまみ部52bとから構成されている。そして、適宜時にこのオイルレベルゲージ52を抜きとってオイルレベルやオイルの状態を確認することができる。
【0080】
図8および図9にはさらに異なる実施形態が示されている。図8はオイルタンク46の縦断面図であり、図9はこのオイルタンク46の底面図である。このエンジン45は、そのオイルタンク46にオイルタンク46内のオイルを冷却するための冷却装置47が配設されたものである。この冷却装置47の配設以外の構成は図3〜5に示すエンジン1の構成と同じであるので、同一部材には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0081】
冷却装置47は、オイルパン10の底外面の一部に形成された凹所48に、冷却水循環室47aを構成するウォータージャケットとして着脱自在に取り付けられた冷却装置47用のハウジング47bと、このハウジング47b内に冷却水を循環するための供給管47cおよび排出管47dと、オイルパン10の内面における上記冷却水循環室47aに対応する面に立設された冷却フィン47eとから構成されている。上記冷却水循環室47aに冷却水を循環させることにより、オイルパン10および冷却フィン47eを通してオイルの熱を吸収する。なお、この実施形態では冷却装置47はオイルパン10における後端部近傍に配設されているが、かかる位置に限定されない。場合に応じてオイルパン10の前端近傍、中央部、その他の任意の位置に配設してもよい。かかる構成により、狭いエンジンルーム内に効率よく冷却装置を配備することができる。この冷却装置47への冷却水は、上記ウォータージェットポンプ2から供給することが望ましいが、別途ポンプを設けてもよい。
【0082】
図10にはさらに異なる実施形態が示されている。図10はオイルタンク53の一部を示す縦断面図である。このオイルタンク53には一体に形成された冷却装置ではなく、内部に挿入して取り付けることができる冷却器54が備えられている。この冷却器54は図11に示すように、蛇行するように屈曲された冷却管55と、この冷却管55に固着された冷却フィン56とから構成されている。このような冷却器54は、たとえばオイルタンク53に孔を二個形成しておき、オイルタンク53内から上記孔を通して冷却管55の両端をシール部材を介して外方へ突出させる。そして、端部にそれぞれ冷却水供給管と排水管とを接続して冷却水をオイルタンク53内に供給し熱を吸収した冷却水を排出する。これは一例であるが、このようにオイルタンク内に装着する冷却器によれば冷却効果が一層向上する。
【0083】
次に、図12に基づいて、別の実施形態にかかるエンジンついて説明する。この実施形態にかかるエンジン101では、クランクケース108とオイルタンク109との間に連通路121が形成され、前述したギヤポンプ式等の公知のスカベンジグポンプが不要となっている点において特徴を有する。
具体的には、図12に図示するように、上記連通路121は、オイル通路が、クランクシャフト116に配設されているクランクウェブ(カウンターウェイト)116Aの回転方向に略沿うように設けられる。また、この連通路121の吐出口となるオイルタンク109側の開口121aが、クランクシャフト116に配設されているクランクウェブ116Aの回転方向R1前方(図において回転方向左)に略向かって上記オイルタンク側に開口している。
そして、上記連通路121は、この実施形態の場合には、オイルタンク側へのオイルの移送効率(ポンプ効率)を配慮して、クランクケース108の底壁部に上下方向の段差を設けることによって形成され、つまり上下方向の段差の間に形成され、この段差が、上記クランクウェブ116Aの回転方向R1前方108f(図において回転方向左)側でクランクシャフト回転中心Oaに近接し、上記回転方向R1後方108r(図において回転方向右)側でクランクシャフト回転中心Oaから離間したような段差となっている。
【0084】
そして、この連通路121のオイルタンク109側は、上記吐出口となる開口121aを除いてカバー139によって覆われている。
具体的には、図12に図示するように、上記開口121aのすぐ下方部分はカバー139が存在するが、その左側方(回転方向R1前方)に、該開口121aに連通しオイルの通路が狭められた排出口139aが形成されている。
【0085】
このように構成されたエンジン101によれば、図3〜5,図7,図8に図示するようなギヤポンプ式のスカベンジポンプを配置することなく、クランクケース108底部に溜まったオイルを、オイルタンク109側に戻すことができる。即ち、エンジン101が運転状態にあるときには、クランクシャフト116が図12において時計方向に回転し、該クランクシャフト116と一体に取着されて一体に回転する上記クランクウェブ116Aも時計方向に回転する。また、このクランクケース108内には、ピストン135とシリンダ138との間を通過して燃焼室側からブローバイガスが入ってくる。
このため、クランクケース108内の底部に溜まったオイルは、上記クランクウェブ116Aの回転による掻き出し作用と遠心作用と、上記ブローバイガスによってクランクケース108内の圧力が、下方のオイルタンク109内の圧力より高くなっている圧力差によって、上記連通路121を経て、カバー139の排出口139aから、オイルタンク109内に戻される。この際、上記カバー139が、上記排出口139a部分を除いて連通路121を下方から覆っていることから、また、該排出口139a部分で通路が狭められていることから、オイルタンク109内の圧力に起因する逆流がし難くなっているため、より効果的に、クランクケース108からオイルタンク109へ、オイルを戻すことが可能となっている。
また、上記排出口139aは、この実施形態の場合、効率を高くするために、クランクウェブ116Aの回転方向R1前側を向けて設けられているが、これに限定されるものでなく、例えば、図12において真下(オイルタンク109の底方)を向けて設けてもよく、あるいは他の方向であってもよい。
また、上記連通路121の向きについても、この実施形態に必ずしも限定されるものでなく、他の方向を向けて設けてもよく、あるいは他の部位に設けてもよい。
【0086】
このように構成されたエンジンでは、ドライサンプ式のエンジンであるにもかかわらず、クランクケースからオイルタンク側へオイルを戻すための、従来のギヤポンプ式等のオイルポンプを不要とすることができる。この結果、エンジンの構造がシンプルになり、コンパクトにでき、しかも、信頼性が向上し、且つ軽量化が促進できる。また、当然に製造コストを低減することも可能となる。
【0087】
なお、図12において、図3に示すエンジンの主な構成と同じ構成については同じ符号に100を加えた符号を付しそれらの説明を省略する。
【0088】
【発明の効果】
本発明に係る小型滑走艇およびそのエンジンによれば、ドライサンプ式でありながら船体の狭いエンジンルームに効率よく収容することができ、また、従来はエンジンルーム内のデッドスペースであった空間を有効に利用して配置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるエンジンが搭載される小型滑走艇の一部切欠き側面図である。
【図2】図1の小型滑走艇の平面図である。
【図3】図1におけるIII−III線断面図であり、図3に示されるオイルタンク部分はとくに図5におけるZ−Z線の位置で切った断面である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるエンジンを示しており、図1〜図3におけるエンジンの縦断面図である。
【図5】図4におけるV−V線断面図である。
【図6】図4におけるVI−VI線断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態にかかるエンジンの要部を示す正面断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態にかかるエンジンにおけるオイルタンクを示す縦断面図である。
【図9】図8のオイルタンクの底面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態にかかるエンジンにおけるオイルタンクを示す縦断面図である。
【図11】図11(a)は図10に示すオイルタンク内に取り付けられた冷却器を示す平面図であり、図11(b)はそのXI−XI線断面図である。
【図12】本発明の他の実施形態にかかるエンジンの要部を示す正面断面図である。
【符号の説明】
1、41、45、101・・・エンジン
2・・・ウォータージェットポンプ
3・・・プロペラシャフト
3a・・カップリング
4・・・インペラ
5・・・吸水口
6・・・ジェットノズル
7・・・エンジンマウント
8・・・クランクケース
8a・・上部クランクケース
8b・・下部クランクケース
8c、8c1、8c2・・底部材
8d・・カバー部
9・・・オイルタンク
10・・・オイルパン
11・・・シリンダブロック
12a・・シリンダヘッド
12b・・ヘッドカバー
13a・・第一吸気管
13b・・第二吸気管
14a・・第一吸気ボックス
14b・・第二吸気ボックス
14c・・給気孔
15a・・排気マニホールド
15b・・排気集合管
16・・・クランクシャフト
16a、16b・・スプロケット
17・・・ブリーザ管
18・・・フランジ部
18a・・凹所
19・・・排気通路
20・・・フィードポンプ
21、22・・・スカベンジングポンプ
23・・・吸入通路
23a・・吸入開口
24a・・第一フィルタ
24b・・第二フィルタ
25・・・給油通路
25a・・リリーフバルブ
26、27・・・戻り開口
26a、27a・・・第三フィルタ
28・・・吐出通路
28a・・(吐出通路の)出口
29・・・駆動軸
29a・・スプロケット
30・・・チェーン
31・・・カムチェーントンネル
32・・・(カムシャフト用)チェーン
33・・・オイル補給口
33a・・閉止用キャップ
34、49・・・バッフルプレート
34a・・隙間
42・・・吸引管
43・・・カム
46・・・オイルタンク
47・・・冷却装置
47a・・冷却水循環室
47b・・ハウジング
47c・・供給管
47d・・排出管
47e・・冷却フィン
48・・・凹所
50、51・・・オイル経路
52・・・オイルレベルゲージ
52a・・長尺部材
52b・・つまみ部
53・・・オイルタンク
54・・・冷却器
55・・・冷却管
56・・・冷却フィン
A・・・船体
B・・・操舵ハンドル
D・・・デッキ
G・・・ガンネルライン
H・・・ハル
L・・・喫水線
R・・・エンジンルーム
S・・・(騎乗型)シート
S1・・(クランクケース内の)空間

Claims (19)

  1. 小型滑走艇の船体内に設置される、シリンダヘッドおよびオイルタンクを有するドライサンプ式のエンジンであって、該オイルタンクがクランクケースと独立して区画形成されており、このオイルタンクがシリンダヘッドより低い位置に配設されており、シリンダヘッドからオイルが自重によって上記オイルタンクに戻るように構成されており、上記オイルタンクが、上記クランクケースの前後方向に沿って延びる形状を有しており、エンジンの所要箇所にオイルを供給するためのフィードポンプの、吸い込み口が、オイルタンク内における上記前後方向の中央またはそれより後部に配置されていることを特徴とする小型滑走艇用エンジン。
  2. 上記エンジン壁部に、上記シリンダヘッドからオイルタンクまで連通するオイル経路が形成されている請求項1記載の小型滑走艇用エンジン。
  3. 上記エンジンの端部にカムチェーントンネルがさらに形成されており、上記オイル経路が該カムチェーントンネルと平面視において離れた位置に設けられている請求項2記載の小型滑走艇用エンジン。
  4. 上記カムチェーントンネルがエンジンの前後方向の一方の端部に設けられるとともに、上記オイル経路が該カムチェーントンネルから前後方向に離れた位置に形成されていることを特徴とする請求項3記載の小型滑走艇用エンジン。
  5. 小型滑走艇の船体内に設置される、クランクケースおよびオイルタンクを有するドライサンプ式のエンジンであって、該クランクケースが、上部クランクケースと、下部クランクケースとを有しており、該下部クランクケースがその上端近傍から外方へ延び且つ連続して下方へ延びるカバー部を有しており、該カバー部の底面を覆うように該カバーの下端周縁にオイルパンの上端周縁を接続されており、上記下部クランクケースの底部、カバー部およびオイルパンによって、オイルタンクが、上記クランクケース下方に該クランクケースとは独立して区画形成されており、上記オイルタンクが、上記クランクケースの前後方向に沿って延びる形状を有しており、エンジンの所要箇所にオイルを供給するためのフィードポンプの、吸い込み口が、オイルタンク内における上記前後方向の中央またはそれより後部に配置されていることを特徴とする小型滑走艇用エンジン。
  6. 上記フィードポンプの吸い込み口が、オイルタンク内におけるクランクケースの幅方向の実質的中央に配置されている請求項5記載の小型滑走艇用エンジン。
  7. 上記クランクケースとオイルタンクとの間に、クランクケース内のオイルをオイルタンク側へ戻すためのスカベンジングポンプが配置されている請求項5記載の小型滑走艇用エンジン。
  8. 上記オイルタンクが、上記クランクケースの前後方向に沿って延びる形状を有しており、上記スカベンジングポンプからオイルタンク内への吐出口が、オイルタンク内における前後方向の中央より前側に配置されている請求項7記載の小型滑走艇用エンジン。
  9. 上記クランクケースとオイルタンクとの間に連通路が形成され、この連通路がクランクシャフトに配設されているクランクウェブの回転方向に略沿うように設けられるとともに、この連通路の吐出口となるオイルタンク側の開口がクランクシャフトに配設されているクランクウェブの回転方向前方に略向かって上記オイルタンク側に開口している請求項5記載の小型滑走艇用エンジン。
  10. 上記連通路が、クランクケースの壁部に上下方向の段差を設けることによって形成され、この段差が、上記クランクウェブの回転方向前方側でクランクシャフト中心に近接し、上記回転方向後方側でクランクシャフト中心から離間した段差である請求項9記載の小型滑走艇用エンジン。
  11. 上記連通路のオイルタンク側は、上記吐出口を除いてカバーによって、覆われている請求項9又は10記載の小型滑走艇用エンジン。
  12. エンジンの側端部にカムチェーントンネルが形成されており、該カムチェーントンネルの下端がオイルタンクと連通されており、カムチェーントンネルを通してオイルタンクにオイルを戻すように構成されている請求項1または5記載の小型滑走艇用エンジン。
  13. 上記オイルタンク内に、エンジンの所要箇所にオイルを供給するためのフィードポンプと、クランクケースの内部からオイルタンク内にオイルを戻すためのスカベンジングポンプとが内蔵されており、フィードポンプとスカベンジングポンプとが共通の駆動軸を有しており、該駆動軸がクランクシャフトの回転によって駆動されるように構成されている請求項5記載の小型滑走艇用エンジン。
  14. 上記オイルタンク内におけるフィードポンプへの吸い込み口とスカベンジングポンプからオイルタンク内への吐出口とが離間した位置に配置されている請求項13記載の小型滑走艇用エンジン。
  15. 上記オイルタンクに、外部からオイルタンク内に連通する吸引管が挿入されており、該吸引管を通してオイルタンク内のオイルを吸引排出し得るように構成されている請求項1または5記載の小型滑走艇用エンジン。
  16. 上記吸引管内にオイルレベルゲージが内装されている請求項15記載の小型滑走艇用エンジン。
  17. シリンダブロックと、該シリンダブロックの上方に配設されたヘッドカバーと、上記シリンダブロックの端部に形成されたカムチェーントンネルとを備えており、該カムチェーントンネルの下端がオイルタンクと連通されており、上記オイルタンク内におけるカムチェーントンネルとの連通部の近傍、または、上記カムチェーントンネル内におけるオイルタンクとの連通部の近傍に、邪魔板が内装されたオイル通路が形成されている請求項1または5記載の小型滑走艇用エンジン。
  18. 上記オイルタンクに冷却水が流通する冷却室が形成されており、該冷却室に接するオイルタンクの内壁面に冷却用のフィンが形成されている請求項1または5記載の小型滑走艇用エンジン。
  19. 小型滑走艇のハルとデッキとから構成される船体と、該船体内に設置される、請求項1〜18のうちのいずれか一の項に記載のドライサンプ式のエンジンとを備えており、該エンジンのクランクケースと上記ハルとの間にオイルタンクが配置されている小型滑走艇。
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