JP2002362523A - ワーク貼り付け方法およびその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 台紙から剥離されるワークが柔らかな多孔質
のシート状をなす場合でも、ワークを確実に吸着保持す
ることができるワーク貼り付け方法および装置。 【解決手段】 台紙１１に剥離可能に接合される接着面
を有するワーク１２を挟持するピンチローラ１４，１５
と、ここから引き出されるワーク１２を所定間隔毎に切
断するカッタ１７と、切断されたワーク１２を台紙１１
から剥離させる剥離手段１８と、剥離台紙１１を排出す
る排出手段１９，２０、台紙１１から剥離されるワーク
１２が送り込まれてその接着面を剥離可能に支持するワ
ーク支持面を有し、このワーク支持面がワークの搬送速
度とほぼ等速で移動するワーク受け手段３１と、切断さ
れたワーク１２の表面に当接してこれを吸着保持し得る
吸着手段２７と、この吸着手段２７をワークの搬送速度
とほほ等速で駆動し、切断されたワーク１２を貼り付け
部材２６に貼り付けるためのマニプレータ３０とを具え
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、帯状をなす剥離台
紙に対して剥離可能に接合された接着面を有するワーク
を剥離台紙から剥離させ、これを貼り付け部材の所定位
置に貼り付けるためのワーク貼り付け方法およびこの方
法を実施し得るワーク貼り付け装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】本発明は、ＬＢＰトナーカートリッジな
どのトナー漏れ防止のためのシールを加工および供給す
るためのシール加工供給装置に関するものである。

【０００３】レーザービームプリンタで用いられるトナ
ーを収納したトナーカートリッジなどにおいては、この
トナーカートリッジからのトナーの漏れを防ぐため、発
泡ウレタン樹脂などの弾性変形可能なシール材を適当な
形状に切断し、これを両面接着テープなどの粘着材を介
してトナーカートリッジの開口部に貼り付けている。こ
のようなシール材の貼り付け作業は、シール材自体の剛
性が脆弱なために機械による取り扱いが困難であること
から、従来では人手により行われている。

【０００４】しかしながら、近年になって人件費の上昇
や人手不足などが深刻化して来ており、軟質で剛性の低
いワークであっても機械で自動的に取り扱う必要性が高
まっている。特に、ワークの輪郭形状が単純な矩形のも
のでは、機械での取り扱いがそれほど困難ではないこと
から、図６に示すような貼り付け装置が提案されてい
る。すなわち、接着面が剥離台紙（離型紙）１０１に接
合された発泡ウレタン樹脂シートなどで構成されるワー
ク１０２は、コイル状となって繰り出しドラム１０３に
巻回され、ここから一対のピンチローラ１０４，１０５
を通り、ワーク切断装置１０６のカッタ１０７にて所定
間隔毎に剥離台紙１０１の上から切断され、剥離ブロッ
ク１０８にて剥離台紙１０１から剥離され、残った剥離
台紙１０１が一対の台紙排出プーリ１０９，１１０によ
り下流側へと排出されるようになっている。ワーク１０
２は、その断面形状を表す図１０に示すように、剥離台
紙１０１の表面に両面接着テープ１１１を介して剥離可
能に接合された３層構造をなし、切断時においてカッタ
１０７の先端を剥離台紙１０１の表層にまで到達させ、
ワーク１０２および両面接着テープ１１１が完全に切断
されるように配慮している。剥離台紙１０１は、両面接
着テープ１１１が押し付けられてもこれが剥離し易い図
示しない潤滑層を表面に形成したものである。また、両
面接着テープ１１１は基材である紙に粘着剤を含浸させ
たものであり、全体として粘着性を有する。カッタ１０
７による切断後に剥離ブロック１０８にて剥離台紙１０
１から剥離されるワーク１０２は、この剥離ブロック１
０８とワーク１０２が貼り付けられる貼り付け部材とし
てのトナーカートリッジ１１２との間を往復動する吸着
ブロック１１３によりその表面側が吸着保持され、剥離
台紙１０１から分離されるワーク１０２がトナーカート
リッジ１１２の所定箇所に貼り付けられる。

【０００５】図７〜図９を参照して剥離ブロック１０８
にて剥離台紙１０１からワーク１０２が剥離する過程を
説明すると、剥離台紙１０１から剥離される切断後のワ
ーク１０２が剥離ブロック１０８の先端に達すると、マ
ニプレータ１１４に支持された吸着ブロック１１３が下
降してワーク１０２の表面に押し当たってこれを真空引
きし（図７参照）、この状態のまま剥離台紙１０１の搬
送速度とほぼ等速で吸着ブロック１１３を平行移動さ
せ、吸着ブロック１１３に吸着されたワーク１０２から
剥離台紙１０１を剥離させる（図８参照）。この状態か
らさらに吸着ブロック１１３を平行移動させ、この吸着
ブロック１１３に吸着されたワーク１０２を次の剥離さ
れるべきワーク１０２から切り離し（図９参照）、トナ
ーカートリッジ１１２の所定箇所に貼り付けた後、再び
図７に示す状態に戻って上述した動作が繰り返される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】図６〜図９に示した従
来のワーク貼り付け装置においては、両面接着テープ１
１１自体も軟質で可撓性を有するため、図１１に示すよ
うにカッタ１０７の切断後であっても、切断面１１５が
相互に密着し合って粘着状態となってしまうため、吸着
ブロック１１３に吸着されたワーク１０２を次の剥離さ
れるべきワーク１０２から切り離す際に、吸着ブロック
１１３による吸着力が弱い場合には、ワーク１０２の吸
着位置がずれてしまい、トナーカートリッジ１１２にワ
ーク１０２を正確に貼り付けることができなくなるおそ
れがある。特に、ワーク１０２が軟質で剛性の低い多孔
質樹脂シートなどの場合には、かかる不具合が多発する
傾向にある。

【０００７】このような吸着ブロック１１３とワーク１
０２との位置ずれを防止するため、図１２に示すように
真空引きによる吸引に加え、機械的にワーク１０２を把
持し得る把持爪１１６を吸着ブロック１１３に組み付け
たものも提案されているが、ワーク１０２が軟質で剛性
の低い多孔質樹脂シートの場合には、この把持爪１１６
によってワーク１０２が亀裂１１７などの損傷を受けた
り、変形を生ずる可能性があった。なお、把持爪１１６
は枢支ピン１１８によって吸着ブロック１１３に対して
その先端部が開閉可能に取り付けられ、図示しない爪駆
動手段によりその開閉が制御されるようになっている。
また、図１２中の符号で１１９は吸着ブロック１１３内
に連通する多数の吸引孔、１２０は吸着ブロック１１３
内を減圧状態に保持するための排気ポンプであり、排気
管１２１を介して吸着ブロック１１３内に連通してい
る。

【０００８】つまり、従来のワーク貼り付け装置におい
ては、ワーク１０２が軟質で剛性の低い多孔質樹脂シー
トのような場合、これを吸着保持するための吸着ブロッ
ク１１３が充分な把持力を発揮することができず、吸着
ブロック１１３に吸着されたワーク１０２を次の剥離さ
れるべきワーク１０２から切り離す際に、ワーク１０２
の吸着位置がずれてしまったり、ワーク１０２が把持爪
１１６によって損傷を受けてしまうなどの不具合があっ
た。

【０００９】

【発明の目的】本発明の目的は、吸着ブロックに吸着さ
れたワークを次の剥離されるべきワークから切り離す際
に、ワークの吸着位置がずれるような不具合を生じない
ワーク貼り付け方法およびこの方法を実現し得るワーク
貼り付け装置を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の第１の形態は、
帯状をなす剥離台紙とこの剥離台紙に対して剥離可能に
接合された接着面を有する帯状のワークとを所定の張力
で搬送するステップと、前記ワークを前記剥離台紙上で
所定間隔毎に切断するステップと、切断された前記ワー
クの表面を前記剥離台紙の搬送速度とほぼ等速で移動さ
せながら吸着すると同時に前記ワークの前記接着面を前
記剥離台紙の搬送速度とほぼ等速で移動させながら剥離
可能に支持しつつ前記剥離台紙から分離させるステップ
と、前記剥離台紙から分離した前記ワークの前記表面を
吸着したまま貼り付け部材に貼り付けるステップとを具
えたことを特徴とするワーク貼り付け方法にある。

【００１１】本発明の第２の形態は、帯状をなす剥離台
紙に対して剥離可能に接合された接着面を有する帯状の
ワークを剥離台紙と共に挟持する一対のピンチローラ
と、この一対のピンチローラから引き出されるワークを
剥離台紙上で所定間隔毎に切断するカッタと、このカッ
タによって切断されたワークを剥離台紙から剥離させる
剥離手段と、ワークが剥離された剥離台紙を排出する排
出手段と、剥離台紙から剥離されるワークが送り込まれ
てこのワークの接着面を剥離可能に支持するワーク支持
面を有し、このワーク支持面が前記排出手段によるワー
クの搬送速度とほぼ等速で移動するワーク受け手段と、
切断されたワークの表面に当接してこれを吸着保持し得
る吸着手段と、この吸着手段を前記排出手段によるワー
クの搬送速度とほぼ等速で駆動し、切断されたワークの
接着面を貼り付け部材に貼り付けるためのマニプレータ
とを具えたことを特徴とするワーク貼り付け装置にあ
る。

【００１２】

【作用】本発明においては、一対のピンチローラにより
挟持されるワークが剥離台紙と共に所定の張力で排出手
段に向けて搬送され、この搬送途中でカッタによりワー
クが剥離台紙上で所定間隔毎に切断される。切断された
ワークは、剥離手段により剥離台紙から剥離されるが、
この時、排出手段による剥離台紙の搬送速度とほぼ等速
で駆動される吸着手段によりその表面が吸着され、同時
に排出手段による剥離台紙の搬送速度とほぼ等速で駆動
されるワーク受け手段のワーク支持面によりワークの接
着面を剥離可能に支持される。このようにして剥離台紙
から剥離されるワークは、ワーク受け手段のワーク支持
面と吸着手段とに挟持され、ワークの表面が吸着手段に
対して確実に密着した状態となり、吸着手段による吸着
力を有効に働かせた状態で、マニプレータにより貼り付
け部材の所定位置に貼り付けられる。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明の第１の形態によるワーク
貼り付け方法において、ワークを切断するステップは、
剥離台紙およびワークの搬送を一時停止した状態で行う
ことが可能である。この場合、ワークの表面を吸着する
ステップは、剥離台紙およびワークの搬送を一時停止し
た直後に開始することが好ましい。

【００１４】切断されたワークを剥離台紙から分離させ
るステップは、ワークと共に第１の方向に移動する剥離
台紙を第１の方向に対して鋭角をなす第２の方向に導く
ことにより、ワークを第１の方向に移動させ続けるステ
ップを有してよい。さらに、剥離台紙の搬送を一時停止
するステップを有するものであってよい。

【００１５】本発明の第２の形態によるワーク貼り付け
装置において、ワーク受け手段は、剥離手段に近接状態
で配列し、排出手段によるワークの搬送速度とほぼ等速
でそれぞれ回転する複数のローラを有し、これらローラ
の外周面がワーク支持面として機能するものであってよ
い。あるいは、このワーク受け手段は、剥離手段に近接
状態で配置され、排出手段によるワークの搬送速度とほ
ぼ等速で旋回する無端ベルトを有し、この無端ベルトの
表面がワーク支持面として機能するものであってよい。

【００１６】吸着手段は、ワークの表面を真空引きする
ことによってワークを吸着保持するものであってよい。

【００１７】剥離手段は、剥離台紙をワークと共に第１
の方向に導く案内面と、剥離台紙をこの案内面に対して
鋭角で交わる第２の方向に導く逃げ面とを持った楔状部
分を有するものであってよい。

【００１８】ワーク支持面は、案内面とほぼ同一平面上
にあってよい。

【００１９】マニプレータは、第１の方向と案内面との
対向方向とにそれぞれ往復動可能であってよい。

【００２０】ワークは、弾性変形可能な多孔質のシート
状をなすものであってよい。

【００２１】ワークの接着面は、このワークに接合され
た粘着剤により形成されているものであってよい。

【００２２】

【実施例】本発明によるワーク貼り付け方法を実現し得
る本発明によるワーク貼り付け装置の実施例について、
図１〜図５を参照しながら詳細に説明するが、本発明は
これらの実施例のみに限らず、これらをさらに組み合わ
せたり、この特許請求の範囲に記載された本発明の概念
に包含されるあらゆる変更や修正が可能であり、従って
本発明の精神に帰属する他の技術にも当然応用すること
ができる。

【００２３】本実施例におけるワーク貼り付け装置の概
略構成を図１に示す。すなわち、接着面が剥離台紙（離
型紙）１１に接合された発泡ウレタン樹脂シートなどで
構成されるワーク１２は、コイル状となって繰り出しド
ラム１３に巻回され、ここから一対のピンチローラ１
４，１５を通り、ワーク切断装置１６のカッタ１７にて
所定間隔毎に剥離台紙１１の上から切断され、剥離ブロ
ック１８にて剥離台紙１１から剥離され、残った剥離台
紙１１が一対の台紙排出プーリ１９，２０により下流側
へと排出されるようになっている。

【００２４】一対のピンチローラ１４，１５の一方に
は、ワーク１２と共にここから引き出される剥離台紙１
１の弛みを取るため、これらの搬送方向に対して逆方向
に駆動するローラ駆動モータ２１が取り付けられてい
る。また、本発明の排出手段としての一対の台紙排出プ
ーリ１９，２０の一方には、これを駆動するプーリ駆動
モータ２２が取り付けられている。これらローラ駆動モ
ータ２１およびプーリ駆動モータ２２は、相互に同期し
て間欠回転するが、プーリ駆動モータ２２による剥離台
紙１１の搬送力に対してローラ駆動モータ２１による剥
離台紙１１およびワーク１２の引き戻し力を小さめに設
定することにより、一対のピンチローラ１４，１５と一
対の台紙排出プーリ１９，２０との間に介在する剥離台
紙１１に所定の張力を与え、これら一対のピンチローラ
１４，１５と一対の台紙排出プーリ１９，２０との間で
剥離台紙１１をたるみなく所定速度で搬送できるように
配慮している。本実施例では、プーリ駆動モータ２２が
連結される一方の台紙排出プーリ１９の外周面をゴム状
弾性部材にて形成すると共に他方の台紙排出プーリ２０
の外周面をローレット掛けなどによって粗面に形成する
ことにより、剥離台紙１１に対して大きな摩擦力を発揮
させ、剥離台紙１１をワーク１２と共に確実に搬送でき
るように配慮している。

【００２５】本実施例におけるワーク切断装置１６は、
剥離台紙１１およびワーク１２の間欠搬送移動に同期し
てカッタ１７を往復動させるようになっており、剥離台
紙１１およびワーク１２の搬送停止の度にワーク１２を
剪断することにより、一定間隔でワーク１２が順次切断
される。本実施例におけるワーク１２は、図１０に示し
たものと同じであり、剥離台紙１１の表面に図示しない
両面接着テープを介して剥離可能に接合された３層構造
をなし、切断時においてカッタ１７の先端を剥離台紙１
１の表層にまで到達させ、ワーク１２および両面接着テ
ープが完全に切断されるように配慮している。

【００２６】本発明の剥離手段としての剥離ブロック１
８は、剥離台紙１１をワーク１２と共に第１の方向（図
１中、右方向）に導く案内面２３と、剥離台紙１１をこ
の案内面２３に対して鋭角で交わる第２の方向に導く逃
げ面２４とを持った楔状部分２５を有し、この楔状部分
２５で剥離台紙１１の搬送方向を急転換することによ
り、ワーク１２を剥離台紙１１から剥離させるようにな
っている。

【００２７】カッタ１７による切断後に剥離ブロック１
８にて剥離台紙１１から剥離されるワーク１２は、この
剥離ブロック１８とワーク１２が貼り付けられる貼り付
け部材としてのトナーカートリッジ２６との間を往復動
する吸着ブロック２７によりその表面側が吸着保持さ
れ、剥離台紙１１から分離されるワーク１２がトナーカ
ートリッジ２６の所定箇所に貼り付けられる。

【００２８】本発明の吸着手段としての吸着ブロック２
７は、ワーク１２の表面を真空引きすることによってワ
ーク１２を吸着保持するものであり、ワーク１２との対
向面に図示しない真空ポンプに連通する多数の吸引孔が
形成されている。この吸着ブロック２７は、これを剥離
ブロック１８の案内面２３との対向方向に往復動させる
ブロックホルダ２８に取り付けられ、このブロックホル
ダ２８はホルダガイド２９に沿って第１の方向に往復動
するようになっており、これらブロックホルダ２８およ
びホルダガイド２９が本発明のマニプレータ３０を構成
している。

【００２９】剥離ブロック１８の楔状部分２５の前方に
は、上端が剥離ブロック１８の案内面２３とほぼ同一面
状に位置する複数のワーク受けローラ３１が相互に近接
状態で配置されており、これらワーク受けローラ３１の
上端に剥離台紙１１から剥離されるワーク１２が送り込
まれるようになっている。ワーク受けローラ３１の外周
面には、剥離台紙１１の表面と同様に、ワーク１２の両
面接着テープが押し付けられてもこれを剥離し易くする
ための潤滑層がそれぞれ形成されており、ワーク受けロ
ーラ３１の外周面の上端が本発明のワーク支持面を構成
する。剥離ブロック１８からワーク受けローラ３１への
ワーク１２の移載が円滑に行われるように、ワーク受け
ローラ３１は可能な限り剥離ブロック１８の楔状部分２
５の尖端部に近接させることが好ましい。同様に、隣接
するワーク受けローラ３１を可能な限り近接させるた
め、個々のワーク受けローラ３１を櫛歯状に形成し、隣
接するワーク受けローラ３１をこれら櫛歯状の部分の隙
間に挟み込むようにすることも有効である。これらワー
ク受けローラ３１は、図示しない駆動装置によりその外
周面の周速が剥離台紙１１の搬送速度と同じとなるよう
に駆動回転され、これらワーク受けローラ３１が本発明
のワーク受け手段として機能する。

【００３０】トナーカートリッジ２６は、図示しない搬
送装置により作業テーブル３２の所定位置に位置決めさ
れ、吸着ブロック２７に保持されたワーク１２が所定位
置に貼り付けられる度に新たなトナーカートリッジ２６
と交換されるようになっている。

【００３１】従って、剥離台紙１１からワーク１２を分
離する際の手順を図２〜図４を用いて説明すると、カッ
タ１７により所定間隔で切断されたワーク１２が剥離ブ
ロック１８の案内面２３の末端に達すると、剥離台紙１
１の搬送が一時停止され、カッタ１７による切断作業が
行われる一方、マニプレータ３０に支持された吸着ブロ
ック２７が下降を開始し（図２参照）、ワーク１２の表
面に押し当たってこれを真空引きする。この状態のまま
剥離台紙１１の搬送が再開され、この搬送台紙１１の搬
送速度と等速で吸着ブロック２７がワーク受けローラ３
１側に平行移動すると共にワーク受けローラ３１も同期
回転し、吸着ブロック２７に吸着されたワーク１２から
剥離台紙１１を剥離させる（図３参照）。次回に分離さ
れるべきワーク１２が剥離ブロック１８の案内面２３の
末端に達した時点で、剥離台紙１１の搬送が一時停止さ
れるが、吸着ブロック２７およびワーク受けローラ３１
が作動し続けるため、吸着ブロック２７に吸着されたワ
ーク１２が次回に分離されるべきワーク１２から切り離
される（図４参照）。この場合、ワーク１２はワーク受
けローラ３１と吸着ブロック２７とで挟持された状態と
なっており、吸着ブロック２７をワーク受けローラ３１
側に押し付けることにより、分離の際に吸着ブロック２
７に対する位置ずれをなくすことができる。

【００３２】このようにして剥離台紙１１から切り離し
たワーク１２をマニプレータ３０によりワーク受けロー
ラ３１から引き上げ、トナーカートリッジ２６の所定箇
所に貼り付けた後、図２に示すように待機状態にある剥
離ブロック１８の案内面２３の末端に位置するワーク１
２の上まで吸着ブロック２７を戻し、再び上述した操作
を繰り返すことにより、作業テーブル３２に送り込まれ
るトナーカートリッジ２６の所定位置にワーク１２が順
次貼り付けられる。

【００３３】上述した実施例では、ワーク受け手段とし
て複数のワーク受けローラ３１を採用したが、剥離台紙
１１の搬送速度と等速で旋回する無端ベルトをワーク受
け手段として採用することも可能である。

【００３４】このような本発明によるワーク貼り付け装
置の他の実施例の概略構造を図５に示すが、先の実施例
と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止め、重
複する説明は省略するものとする。すなわち、剥離ブロ
ック１８の楔状部分２５の前方には、上面が剥離ブロッ
ク１８の案内面２３とほぼ同一面状に位置する無端ベル
ト３３と、この無端ベルト３３が巻き付けられる一対の
ローラ３４，３５とが配置されており、無端ベルト３３
の上面に剥離台紙１１から剥離されるワーク１２が送り
込まれるようになっている。剥離ブロック１８の楔状部
分２５の尖端部に対して可能な限り近接状態で配置され
る一方のローラ３４には、無端ベルト３３を剥離台紙１
１の搬送速度と等速で旋回させるためのベルト駆動モー
タ３６が連結されている。無端ベルト３３の表面には、
剥離台紙１１の表面と同様に、ワーク１２の両面接着テ
ープが押し付けられてもこれを剥離し易くするための潤
滑層が形成され、この無端ベルト３３の上面が前述した
ように本発明のワーク支持面を構成する。

【００３５】本実施例においても、ワーク１２は無端ベ
ルト３３の上面と吸着ブロック２７とで挟持された状態
となるため、剥離台紙１１からワーク１２を分離する際
に吸着ブロック２７に対するワーク１２の位置ずれをな
くすことができるが、面接触によりワーク１２との接触
面積が先の実施例よりも大きくすることができる分、吸
着ブロック２７とでより強力にワーク１２を挟持するこ
とが可能である。

【００３６】

【発明の効果】本発明のワーク貼り付け方法によると、
切断されたワークの表面を剥離台紙の搬送に同期して移
動させながら吸着すると同時にワークの接着面を剥離台
紙の搬送に同期して移動させながら剥離可能に支持しつ
つ剥離台紙から剥離させるようにしたので、ワークが弾
性変形可能な多孔質のシート状をなす発泡ウレタン樹脂
などであっても、剥離台紙から剥離されるワークに対し
て有効に吸着力を働かせることが可能となり、ワークを
剥離台紙から確実に分離してこれを貼り付け部材に貼り
付けることができ、その稼働率を向上させることが可能
である。

【００３７】ワークを切断するステップが剥離台紙およ
びワークの搬送を一時停止した状態で行われる場合、切
断装置を簡単な構成のものにすることができる。

【００３８】ワークの表面を吸着するステップが剥離台
紙およびワークの搬送を一時停止した直後に開始される
場合、吸着装置の駆動機構を簡単な構成のものにするこ
とができる。

【００３９】切断されたワークを剥離台紙から剥離させ
るステップがワークと共に第１の方向に移動する剥離台
紙を第１の方向に対して鋭角をなす第２の方向に導くこ
とにより、ワークを第１の方向に移動させ続けるステッ
プを有する場合、ワークを剥離台紙からより確実に剥離
させることができる。

【００４０】本発明のワーク貼り付け装置によると、剥
離台紙から剥離されるワークが送り込まれてこのワーク
の接着面を剥離可能に支持し、排出手段に同期して移動
するワーク支持面を持ったワーク受け手段と、切断され
たワークの表面に当接してこれを吸着保持し得る吸着手
段とで剥離台紙から剥離されたワークを支持すると同時
に吸着するようにしたので、ワークが弾性変形可能な多
孔質のシート状をなす発泡ウレタン樹脂などであって
も、剥離台紙から剥離されるワークをワーク支持面と吸
着手段とで挟持することにより、ワークの表面に対して
吸着手段による吸着力を有効に働かせることができる。
この結果、ワークを剥離台紙から確実に分離してこれを
貼り付け部材に貼り付けることが可能であり、その稼働
率を向上させることができる。

【００４１】ワーク受け手段が剥離手段に近接状態で配
列し、排出手段に同期してそれぞれ回転する複数のロー
ラを有し、これらローラの外周面をワーク支持面として
機能させた場合には、ワークの接着面とワーク支持面と
を線接触状態にすることにより、ワーク支持面からワー
クを離脱させる際の力を最小限に抑えることが可能とな
り、吸着手段による吸引負荷を軽減することができる。

【００４２】ワーク受け手段が剥離手段に近接状態で配
置され、排出手段に同期して旋回する無端ベルトを有
し、この無端ベルトの表面をワーク支持面として機能さ
せた場合には、吸着手段とワークの表面との密着性を確
実に高めて吸着手段による吸着力を有効に働かせること
ができる。

【００４３】吸着手段がワークの表面を真空引きするこ
とによってワークを吸着保持する場合には、この吸着保
持動作によってワークが損傷を受けるような不具合を未
然に防止することができる。

【００４４】剥離手段が剥離台紙をワークと共に第１の
方向に導く案内面と、剥離台紙をこの案内面に対して鋭
角で交わる第２の方向に導く逃げ面とを持った楔状部分
を有する場合には、ワークを剥離台紙からより確実に剥
離させることができる。

【００４５】ワーク支持面が案内面とほぼ同一平面上に
ある場合には、剥離台紙から剥離し始めたワークを確実
にワーク支持面側へ導くことができる。

【００４６】マニプレータが第１の方向と案内面との対
向方向とにそれぞれ往復動可能である場合には、簡単な
構成の駆動機構を持ったマニプレータを採用することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるワーク貼り付け装置の一実施例の
概念図である。

【図２】図１に示したワーク貼り付け装置における剥離
台紙に対するワークの剥離過程を図３および図４と共に
示す作業工程図であり、剥離前の状態を表す。

【図３】図１に示したワーク貼り付け装置における剥離
台紙に対するワークの剥離過程を図２および図４と共に
示す作業工程図であり、剥離中の状態を表す。

【図４】図１に示したワーク貼り付け装置における剥離
台紙に対するワークの剥離過程を図２および図３と共に
示す作業工程図であり、剥離完了状態を表す。

【図５】本発明によるワーク貼り付け装置の他の実施例
の概念図である。

【図６】従来のワーク貼り付け装置の一例を表す概念図
である。

【図７】図６に示したワーク貼り付け装置における剥離
台紙に対するワークの剥離過程を図８および図９と共に
示す作業工程図であり、剥離前の状態を表す。

【図８】図６に示したワーク貼り付け装置における剥離
台紙に対するワークの剥離過程を図７および図９と共に
示す作業工程図であり、剥離中の状態を表す。

【図９】図６に示したワーク貼り付け装置における剥離
台紙に対するワークの剥離過程を図８および図９と共に
示す作業工程図であり、剥離完了状態を表す。

【図１０】本発明の対象となったワークの切断状態を表
す断面図である。

【図１１】図１０に示すワークからカッタを抜き外した
状態の断面図である。

【図１２】従来のワーク吸着手段の概念図である。

【符号の説明】

１１ 剥離台紙 １２ ワーク １３ 繰り出しドラム １４，１５ ピンチローラ １６ ワーク切断装置 １７ カッタ １８ 剥離ブロック １９，２０ 台紙排出プーリ ２１ ローラ駆動モータ ２２ プーリ駆動モータ ２３ 案内面 ２４ 逃げ面 ２５ 楔状部分 ２６ トナーカートリッジ ２７ 吸着ブロック ２８ ブロックホルダ ２９ ホルダガイド ３０ マニプレータ ３１ ワーク受けローラ ３２ 作業テーブル ３３ 無端ベルト ３４，３５ ローラ ３６ ベルト駆動モータ

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 帯状をなす剥離台紙とこの剥離台紙に対
   して剥離可能に接合された接着面を有する帯状のワーク
   とを所定の張力で搬送するステップと、 前記ワークを前記剥離台紙上で所定間隔毎に切断するス
   テップと、 切断された前記ワークの表面を前記剥離台紙の搬送速度
   とほぼ等速で移動させながら吸着すると同時に前記ワー
   クの前記接着面を前記剥離台紙の搬送速度とほぼ等速で
   移動させながら剥離可能に支持しつつ前記剥離台紙から
   前記ワークを分離させるステップと、 前記剥離台紙から分離した前記ワークの前記表面を吸着
   したまま貼り付け部材に貼り付けるステップとを具えた
   ことを特徴とするワーク貼り付け方法。
2. 【請求項２】 前記ワークを切断するステップは、前記
   剥離台紙および前記ワークの搬送を一時停止した状態で
   行われることを特徴とする請求項１に記載のワーク貼り
   付け方法。
3. 【請求項３】 前記ワークの前記表面を吸着するステッ
   プは、前記剥離台紙および前記ワークの搬送を一時停止
   した直後に開始されることを特徴とする請求項２に記載
   のワーク貼り付け方法。
4. 【請求項４】 切断された前記ワークを前記剥離台紙か
   ら分離させるステップは、前記ワークと共に第１の方向
   に移動する前記剥離台紙を第１の方向に対して鋭角をな
   す第２の方向に導くことにより、前記ワークを前記第１
   の方向に移動させ続けるステップを有することを特徴と
   する請求項１から請求項３の何れかに記載のワーク貼り
   付け方法。
5. 【請求項５】 切断された前記ワークを前記剥離台紙か
   ら分離させるステップは、前記剥離台紙の搬送を一時停
   止するステップを有することを特徴とする請求項１から
   請求項４の何れかに記載のワーク貼り付け方法。
6. 【請求項６】 帯状をなす剥離台紙に対して剥離可能に
   接合された接着面を有する帯状のワークを剥離台紙と共
   に挟持する一対のピンチローラと、 この一対のピンチローラから引き出されるワークを剥離
   台紙上で所定間隔毎に切断するカッタと、 このカッタによって切断されたワークを剥離台紙から剥
   離させる剥離手段と、 ワークが剥離された剥離台紙を排出する排出手段と、 剥離台紙から剥離されるワークが送り込まれてこのワー
   クの接着面を剥離可能に支持するワーク支持面を有し、
   このワーク支持面が前記排出手段によるワークの搬送速
   度とほぼ等速で移動するワーク受け手段と、 切断されたワークの表面に当接してこれを吸着保持し得
   る吸着手段と、 この吸着手段を前記排出手段によるワークの搬送速度と
   ほぼ等速で駆動し、切断されたワークの接着面を貼り付
   け部材に貼り付けるためのマニプレータとを具えたこと
   を特徴とするワーク貼り付け装置。
7. 【請求項７】 前記ワーク受け手段は、前記剥離手段に
   近接状態で配列し、前記排出手段によるワークの搬送速
   度とほぼ等速でそれぞれ回転する複数のローラを有し、
   これらローラの外周面が前記ワーク支持面として機能す
   ることを特徴とする請求項６に記載のワーク貼り付け装
   置。
8. 【請求項８】 前記ワーク受け手段は、前記剥離手段に
   近接状態で配置され、前記排出手段によるワークの搬送
   速度とほぼ等速で旋回する無端ベルトを有し、この無端
   ベルトの表面が前記ワーク支持面として機能することを
   特徴とする請求項６に記載のワーク貼り付け装置。
9. 【請求項９】 前記吸着手段は、ワークの表面を真空引
   きすることによってワークを吸着保持することを特徴と
   する請求項６から請求項８の何れかに記載のワーク貼り
   付け装置。
10. 【請求項１０】 前記剥離手段は、剥離台紙をワークと
    共に第１の方向に導く案内面と、剥離台紙をこの案内面
    に対して鋭角で交わる第２の方向に導く逃げ面とを持っ
    た楔状部分を有することを特徴とする請求項６から請求
    項９の何れかに記載のワーク貼り付け装置。
11. 【請求項１１】 前記ワーク支持面は、前記案内面とほ
    ぼ同一平面上にあることを特徴とする請求項１０に記載
    のワーク貼り付け装置。
12. 【請求項１２】 前記マニプレータは、前記第１の方向
    と前記案内面との対向方向とにそれぞれ往復動可能であ
    ることを特徴とする請求項１０または請求項１１に記載
    のワーク貼り付け装置。
13. 【請求項１３】 ワークは、弾性変形可能な多孔質のシ
    ート状をなしていることを特徴とする請求項６から請求
    項１２の何れかに記載のワーク貼り付け装置。
14. 【請求項１４】 ワークの接着面は、このワークに接合
    された粘着剤により形成されていることを特徴とする請
    求項６から請求項１３の何れかに記載のワーク貼り付け
    装置。