JP2002356804A - 弾性舗装体およびその施工方法 - Google Patents
弾性舗装体およびその施工方法Info
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Abstract
行路に要求される平坦性および物性の均一性がともに高
い弾性舗装体を得る。 【解決手段】 下地基盤1上に軟質骨材を含む骨材21
およびバインダー22からなる弾性舗装材2を供給して
敷き均した後、さらに転圧ローラなどで十分に加圧し
て、弾性舗装材内の空隙を減少させて骨材21を密に詰
め込む。
Description
ダーとを含む弾性舗装材からなる弾性舗装体の施工技術
に関し、さらに詳しくいえば、平坦性および物性の均一
性がともに高く、車輌走行路にも適した弾性舗装体の施
工技術に関するものである。
を含む弾性舗装材からなり、その構造は多孔質であって
骨材間に空隙を有している。空隙も弾力性発現要素の一
つであり、その空隙率は使用する骨材やバインダーによ
りある程度決定されるが、施工方法や温度条件などによ
っても多少異なってくる。
さや転倒時に対する高い安全性が得られる。また、多孔
質体であることから弾性体自体が排水性を有し、屋外で
使用しても雨などによって水たまりができにくいなどの
特徴があり、各種運動施設や歩道など弾力性を必要とす
る各種舗装面に広く普及している。
場施工タイプの2通りに大別される。前者、すなわちプ
レキャストタイプは、プレス成形などで作成されたブロ
ック状やパネル状の弾性舗装体をあらかじめ工場など施
工現場外で作製しておき、それを施工現場に運び入れ
て、接着材を介しての貼り付けや置き敷きによって下地
基盤上に敷設する方法である。
同一条件下で舗装体を作製することができ、圧縮特性や
摩耗特性などの各種物性値が均一に管理できる。第2
に、既に硬化済みの状態であるため、接着材を介する場
合でもその硬化時間さえ待てば、すぐに使用可能でき
る。
の作業を現場にて行う方法である。すなわち、軟質骨材
とバインダーとを現場にて混合・攪拌し、下地基盤上に
打設した後、施工面を仕上げる方法である。現場施工タ
イプによれば、その舗装材面をスキージなどで平坦に仕
上げるため、下地基盤に高精度な平坦性が必要とされな
い。
な研究成果の一つとして、弾性舗装材の弾力性と多孔質
性とにより、車輌走行時の騒音が低減されるという報告
がなされており、現在では車道用としての実用化に向け
ての研究も行われている。
比べものにならない位に移動対象物のスピードが速く、
しかもその速度域も低速運転から高速運転まで幅広いた
め、凹凸の感じ方や物性値の違いがより敏感に現れる。
を高負荷で走行するため、平坦性が損なわれていると、
ハンドルが取られて走行が不安定になったり、また舗装
面に硬い部分と柔らかい部分などがあると、車輌の姿勢
が崩れて不安定になるなど走行性の面で問題が生ずる。
りかねないという深刻な問題が生じる。このように、車
輌走行路用の弾性舗装体には、その舗装材の施工方向
(車輌の通行方向)に対して歩道とは比較にならない位
に高い平坦性と物性の均一性が要求される。
は、それぞれが1枚ものの製品であるために、温度によ
って各ブロック毎に熱膨張・熱収縮する。したがって、
例え施工時につなぎ目同士をぴったりと突き合わせて施
工したとしても、季節や気候の変化によって、つなぎ目
に隙間や段差が生じてしまう。
することにより、ある程度は解決されるが、ロット違い
のものを同一舗装面内に混在させた場合、舗装面全体の
物性値(弾性)に違いが出てくるおそれがある。また、
プレキャストは工場で管理しながら生産するため、成形
に時間がかかり、高コスト化が避けられない。また、実
際問題として、プレキャストタイプは施工距離の長い車
輌走行路には不適である。
プが適用されるが、従来技術では十分な平坦性が得られ
にくい。これは従来の現場施工タイプが均し工程を中心
とした仕上げであるためである。すなわち、舗装材を投
入後にスキージにより一様に仕上げ均しを行うが、例え
ば大量の舗装材を一度に均す場合と、少量の舗装材を均
す場合とでは、同じ施工条件でも仕上がりの密度が異な
ることがある。
分と、しばらく時間が経ってから均された部分とでは、
バインダーの反応状態に違いが出てくるため、均しが不
均一になりやすく、結果として施工方向において巨視的
なうねりや凹凸が生じてしまうことがある。
部分的に異なるため、表面的な均一性は得られても、均
一な密度が得られにくい。一方、施工機側の問題とし
て、施工機のスキージに付着したバインダーの硬化によ
り、スキージ面自体の平坦性が損なわれ、結果的にその
スキージ面によって舗装面に凹凸が生じるといった課題
もある。また、現場施工タイプは、とにかく作業速度が
遅い。
でありながら、例えば車輌走行路に要求される平坦性お
よび物性の均一性をともに高くすることができる弾性舗
装体を提供することにある。
ため、本発明は、下地基盤上に軟質骨材とバインダーと
を含む弾性舗装材からなる表層部を形成する弾性舗装体
の施工方法において、上記弾性舗装材を上記下地基盤上
に供給して敷き均す均し工程と、上記弾性舗装材内の空
隙を減少させて上記軟質骨材が密に詰め込まれるように
上記弾性舗装材を所定の加圧手段により加圧して上記表
層部を形成する加圧工程とを含むことを特徴としてい
る。
加圧することにより、バインダーの硬化状態によること
なく、平坦性および物性の均一性がともに高い設計どお
りの弾性舗装体を形成できる。また、均し工程で均し切
れなかった不均一さを吸収できる。
えられる圧力とは、弾性舗装材内の空隙を減少させて軟
質骨材が密に詰め込まれた状態となるような圧力である
が、その指標としては、例えば直径80cm,幅80c
mで,重さ50kg以上のローラによる転圧荷重が一つ
の目安になる。
ラであっても、加熱手段を併用したり、ローラ掛けを繰
り返すことにより、弾性舗装材内の空隙を減少させて軟
質骨材を密に詰め込むことができる。
部の硬さも、上記加圧工程で弾性舗装材に加えられる圧
力の指標とすることができる。この指標にはバネ定数が
用いられ、本発明において、表層部の硬さが20kg/
cm/cm2以上(好適には50kg/cm/cm2以
上)となるように圧力を加えることが好ましい。
とが好ましい。より好ましくは、上記均し工程と上記加
圧工程との間、または、上記加圧工程と同時に上記弾性
舗装材を加熱する加熱工程をさらに備えるとよい。これ
によれば、弾性舗装材に対して効果的に圧力を加えて表
層部を均一に仕上げることができるとともに、施工現場
でプレキャストを作製しているような状態となる。すな
わち、現場施工タイプで問題とされていた「硬化促進」
が図れる。
が好適である。なお、ローラに代えて、単位面積当たり
の重量が重いプレートを載せて弾性舗装材を加圧しても
よい。また、必要に応じてプレートにヒータを組み込む
ことにより、加圧と加熱とを同時に行うことができる。
ただし、プレートの場合には、バインダーが完全に硬化
するまでは、引きずることは好ましくない。
部の平坦性および均一性が確保されるため、下地基盤上
に打設された弾性舗装材に対する均し工程を1回だけと
することができ、工期の短縮化が図れる。
とする場合、これを1層で構築することは均し不足の問
題が生ずるため困難とされていたが、本発明では厚さ1
5mm以上であっても単一層で表層部を構築することが
でき、この点も本発明の特徴の一つである。
盤上に構築された表層部を有する弾性舗装体も含まれ
る。本発明の弾性舗装体は、平坦性および物性の均一性
がともに高いため、歩道や各種運動施設などの従来の用
途に加えて、車両走行路にも適用可能である。
性舗装材よりなる表層部2を形成してなる弾性舗装体の
模式的断面図を示し、これに基づいて本発明の実施の形
態を説明する。
クリート、砕石、モルタル、簡易安定化処理面などであ
ってよく、必ずしも高度に安定化された地面である必要
はないが、一様に安定化された下地面であることが好ま
しい。
に例えば50mm程度の層厚でアスファルトなどからな
る平滑化層を構築し、その上に弾性舗装材2を施工して
もよい。また、下地基盤1と表層部2との接合にプライ
マーとしてウレタンやエポキシなどの未硬化物を塗布
し、その硬化前に表層部2を施工してもよい。
これら骨材21を結合するバインダー22とからなる弾
性舗装材により構成されている。なお、必要に応じて、
骨材21中に軟質骨材だけでなく、硬質骨材やその他の
添加物を配合してもよい。
BR,EDPM,BR,CRなどの各種ゴムの単体もし
くはそれらの混合物、またはゴムで被覆された骨材、ウ
レタンなどの各種エラストマーなどゴム弾性を有するも
のであれば適用可能である。これらは、各種ゴムの粉砕
物、研磨粉、破砕物などであってもよいし、タイヤ廃材
などが用いられてもよい。
ど特に制限はないが、とりわけ施工性や耐久性の面から
ヒジキ状のゴムが好ましく、また材料の混合のしやすさ
から考えるとチップ状であってもよく、ヒジキ状とチッ
プ状をブレンドしてもよい。なお、大きさおよび色など
も特定されない。
従来より用いられている自然石,木片,クルミ,竹く
ず,貝殻,けい砂,人工石,スラグ,セラミックス粒
子,硬質プラスチックなどがそのまま使用可能である。
形状、大きさおよび色は任意であってよいが、特に粒径
が2mm以下の小骨材を使用すると、攪拌や均し、転圧
作業が容易になる場合がある。
機の各種繊維、樹脂片や顔料などを混合してもよく、骨
材の分散を促すための前処理剤を添加してもよい。
バインダーが用いられる。例えば、ポリウレタン樹脂、
エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メタ
アクリル樹脂、各種一液ウレタン、二液ウレタン、エポ
キシ、各種エマルジョンなどが使用可能である。また、
添加剤として各種溶剤や酸化防止剤、耐候性剤を添加し
てもよく、鉛系やリン系の触媒を添加してもよい。
より異なるが、少なくとも骨材21を結合するに足りれ
ばよい。目安として重量比で、バインダー:骨材=1:
2〜1:10の範囲が好ましい。すなわち、1:2未満
であると、骨材間がバインダーで満たされ骨材の特性が
出ない。また、1:10を超えると、強度不足となるの
で好ましくない。
について説明する。本発明の施工方法は、施工現場で弾
性舗装材2を混合し、それを下地基盤1上に供給して均
した後に加圧する、いわゆる現場打ち施工法である。こ
の現場打ち施工によれば、下地基盤1の凹凸(不陸)や
傾斜、カーブなどにも迅速に対応可能である。
合がなされた骨材21と、少なくともこの骨材21を結
合するに足りるバインダー22とを攪拌機30に投入し
て、舗装材を混合する。この攪拌機30は、エンジン
式、モーター式など問わず、いわゆるモルタルミキサの
ような攪拌容器内で攪拌羽根を回して混合するものであ
ってよい。
弾性舗装材を下地基盤1上に好ましくは一様に散布(供
給)し、その表面を均して表層部2を形成する(均し工
程)。舗装材の散布施工機40としては、弾性舗装材の
表面をすり取って表面を均一に均すスキージ41を有す
る例えば住友ゴム社製ゴムチップ施工機P700、P2
00などがある。なお、高精度な平坦性が要求される場
合には、スキージ41を下地基盤1と平行に往復動させ
ることが好ましい。
た表層部2を所定の加圧手段によって、均一な密度にな
るように加圧する。加圧手段は、図2(c)に示すよう
な転圧ローラ50を用いることが好ましい。なお、転圧
作業はバインダーが硬化する前であれば、必要に応じて
何度でも行ってよい。
一つとして、直径80cm,幅80cmで,重さ50k
g以上のローラを1往復させたときの状態を挙げること
ができる。また、別の観点として、加圧後の表層部2の
バネ定数が20kg/cm/cm2以上、より好ましく
は50kg/cm/cm2以上となるように加圧するこ
とにより、余分な空隙が少なく骨材が密に詰め込まれた
状態が得られる。
定された押圧プレートを表層部2上に載置してもよい。
また場合によっては、加圧状態で回転円盤などを舗装面
上に接触させてもよい。なお、特に押圧プレートを用い
る場合には、バインダーの硬化前にそれを引きずると、
表層部2の一部がはぎ取られて凹凸ができることがある
ため注意を要する。
は、加圧工程と同時に表層部2を加熱する加熱工程を実
施することにより、バインダーの硬化を促進させること
ができる。加熱ローラもしくは加熱押圧プレートを用い
ることにより、加熱工程と加圧工程とを同時に実施する
ことができる。
盤上に構築された表層部を有する弾性舗装体も含まれ
る。本発明の弾性舗装体は、平坦性および物性の均一性
がともに高いため、車両走行路にも適用可能である。
について説明する。まず、各例ともに、転圧などにより
ある程度の平坦性を有する路盤上に、開粒アスファルト
を打設し、その上にセメントミルクを流し込んで1週間
養生させて半たわみ性舗装の下地を得た。次に、下地表
面を研磨・清掃した後、住友ゴム工業社製プライマーC
916Bを下地上に塗布し完全硬化前に、次の仕様より
なる弾性舗装材にて表層部を形成した。
住友ゴム工業社製ゴムチップ1KAを用い、硬質骨材に
は住友ゴム工業社製シリカサンド6号を用いた。また、
樹脂バインダーには、住友バイエルウレタン社製一液硬
化型ウレタン樹脂を用いた。そして、軟質骨材:硬質骨
材:バインダー=100kg:50kg:27kgの配
合比でブレンドし、万能攪拌機(住友ゴム工業社製6切
ミキサ)にて均一に攪拌した。
00ゴムチップ施工機にて上記半たわみ性舗装の下地上
に、幅1m、厚み20mmで、長さ約50mにわたって
敷き均した後、実施例1〜3については加圧工程を実施
し、比較例1については加圧工程を行わず上記施工機に
よる均し工程のみとした。
一性を、歩行時と自動車での40km/h走行時と
に分けてそれぞれ評価した。平坦性の評価は、◎;きわ
めて平坦性に富んでいる,〇;平坦である,△;やや凹
凸を感じる,×;凹凸を感じる,の4段階とした。均一
性の評価は、◎;弾力性がきわめて均一である,〇;弾
力性が均一である,△;弾力性にやや不均一さを感じ
る,×;弾力性が不均一である,の4段階とした。
転圧した。 〔評価〕 平坦性 歩行時,40km/h走行時ともに「◎」
で、特に車両走行時に平坦性が良好であることを顕著に
感じられた。 均一性 歩行時,40km/h走行時ともに「○」
であった。
30分間載置した。 〔評価〕 平坦性 歩行時,40km/h走行時ともに◎で、
特に車両走行時に平坦性の良好さが顕著に感じられた。 均一性 歩行時,40km/h走行時ともに○であ
った。
kg/m2の平板を30分間載置した。 〔評価〕 平坦性 歩行時,40km/h走行時ともに◎で、
特に車両走行時に顕著に感じられた。 均一性 歩行時,40km/h走行時ともに◎〜○
であった。
特に車両走行時にやや凹凸が感じられた。 均一性 歩行時,40km/h走行時ともに○〜△
であった。
例1の評価結果を表1に示す。
弾性舗装材を下地基盤上に供給して敷き均した後、弾性
舗装材内の空隙を減少させて軟質骨材が密に詰め込まれ
るように弾性舗装材を十分に加圧するようにしたことに
より、弾性舗装材よりなる表層部の平坦性および均一性
をともに高めることができ、特に車両走行路にも適用可
能な弾性舗装体が得られる。
図。
式図。
Claims (6)
- 【請求項1】 下地基盤上に、軟質骨材とバインダーと
を含む弾性舗装材からなる表層部を形成する弾性舗装体
の施工方法において、 上記弾性舗装材を上記下地基盤上に供給して敷き均す均
し工程と、上記弾性舗装材内の空隙を減少させて上記軟
質骨材が密に詰め込まれるように上記弾性舗装材を所定
の加圧手段により加圧して上記表層部を形成する加圧工
程とを含むことを特徴とする弾性舗装体の施工方法。 - 【請求項2】 上記加圧工程は、転圧によって行われる
請求項1に記載の弾性舗装体の施工方法。 - 【請求項3】 上記均し工程と上記加圧工程との間、ま
たは、上記加圧工程と同時に上記弾性舗装材を加熱する
加熱工程をさらに備える請求項1または2に記載の弾性
舗装体の施工方法。 - 【請求項4】 上記下地基盤上に打設された上記弾性舗
装材に対する上記均し工程を1回だけとする請求項1な
いし3のいずれか1項に記載の弾性舗装体の施工方法。 - 【請求項5】 下地基盤上に上記請求項1ないし4のい
ずれか1項に記載の施工方法により形成された表層部を
有する弾性舗装体。 - 【請求項6】 上記表層部は、厚さが15mm以上であ
る請求項5に記載の弾性舗装体。
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---|---|---|---|
JP2001161868A JP2002356804A (ja) | 2001-05-30 | 2001-05-30 | 弾性舗装体およびその施工方法 |
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- 2001-05-30 JP JP2001161868A patent/JP2002356804A/ja active Pending
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