JP2003064609A - 弾性舗装材、弾性舗装体およびその舗装方法 - Google Patents

弾性舗装材、弾性舗装体およびその舗装方法

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JP2003064609A
JP2003064609A JP2001251252A JP2001251252A JP2003064609A JP 2003064609 A JP2003064609 A JP 2003064609A JP 2001251252 A JP2001251252 A JP 2001251252A JP 2001251252 A JP2001251252 A JP 2001251252A JP 2003064609 A JP2003064609 A JP 2003064609A
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Japan
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elastic
elastic pavement
binder
pavement material
paving
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JP2001251252A
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Yoshihisa Mizumoto
善久 水本
Toshiaki Matsuo
俊朗 松尾
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性舗装材により車道などの広い面積を短期
間で均一な面に仕上げることができる弾性舗装技術を提
供する。 【解決手段】 骨材をバインダーで結合してなり、あら
かじめ長尺のシート状に成型された弾性舗装材3を、ロ
ール状もしくは平板状態で施工現場に搬入し、その下地
2面上に広げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレキャスト方式
で製造された弾性舗装材の舗装技術に関し、さらに詳し
くいえば、弾性舗装材により車道などの広い面積を短期
間で均一な面に仕上げることを可能とする弾性舗装技術
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】弾性舗装体は、ゴムなどの軟質骨材とバ
インダーとを主成分とする弾性舗装材を下地上に敷設し
たものからなり、その構造は骨材間に空隙を有する多孔
質構造である。したがって、この弾性舗装体は歩行感の
良さや転倒時に対する高い安全性が得られるとともに、
排水性を有するため、屋外で使用しても雨などによって
水たまりができにくい。
【0003】また、最近では様々な研究成果の一つとし
て、弾性舗装材の弾力性と多孔質性とにより、車輌走行
時の騒音が低減されるという報告がなされており、車道
用としての実用化に向けての最終段階に来ている。
【0004】弾性舗装体の施工方法は、プレキャスト方
式と現場施工方式の2通りに大別される。前者、すなわ
ちプレキャスト方式は、あらかじめ工場などで作製され
たブロック状やパネル状の弾性舗装体を施工現場に運び
入れて、接着材を介しての貼り付けや置き敷きによって
下地上に敷設する方法である。
【0005】プレキャスト方式は、まず第1に同一条件
下で舗装体を作製することができ、平坦性や透水性など
の各種物性値が均一に管理できる。第2に、既に硬化済
みの状態であるため、接着材を介する場合でもその硬化
時間さえ待てば、すぐに使用できる。
【0006】これに対し、後者の現場施工方式は全ての
作業を現場にて行う方法である。すなわち、軟質骨材と
バインダーとを現場にて混合・攪拌し、下地上に打設し
た後、施工面を仕上げる。この現場施工方式は、一度に
施工できる面積が大きく、スキージなどで均すことによ
り、ある程度の平坦面が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プレキ
ャスト方式の場合は、それぞれが1枚ものの製品である
ために、温度によって各ブロック毎が伸縮する。したが
って、たとえ施工時に継ぎ目同士をぴったりと突き合わ
せて施工したとしても、季節や気候の変化によって、継
ぎ目簡間に隙間や段差が生じてしまう。
【0008】この課題は、同一ロット品で舗装面を統一
することにより、ある程度は解決されるが、ロット違い
のものを同一舗装面内に混在させた場合、舗装面全体の
物性値(弾性)に違いが出てくるおそれがある。また、
プレキャスト方式は工場で管理しながら生産するため、
成形に時間がかかり、高コスト化が避けられない。ま
た、重量などの制限から1つのブロック体の大きさは1
m角程度が限度であった。
【0009】したがって、車輌走行路などの広い面積の
弾性舗装には、多くの場合現場施工方式が採用される
が、従来技術では十分な平坦性が得られにくい。これは
従来の現場施工方式が均し工程を中心とした仕上げであ
るためである。すなわち、舗装材を投入後にスキージに
より一様に仕上げ均しを行うが、例えば大量の舗装材を
一度に均す場合と、少量の舗装材を均す場合とでは、同
じ施工条件でも仕上がりの密度が異なることがある。
【0010】また、舗装材の投入後、すぐに均された部
分と、しばらく時間が経ってから均された部分とでは、
バインダーの反応状態に違いが出てくるため、均しが不
均一になりやすく、結果として施工方向において巨視的
なうねりや凹凸が生じてしまうことがある。また、現場
施工方式は、天候に左右されるなど、とにかく作業速度
が遅い。
【0011】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであって、その目的は、基本的にはプレキ
ャスト方式でありながら、弾性舗装材により車道などの
広い面積を短期間で均一な面に仕上げることができる弾
性舗装技術を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明は、骨材をバインダーで結合してなり、あ
らかじめ長尺のシート状に成型された弾性舗装材を、施
工現場の下地面上に広げて敷設する工程を含むことを特
徴としている。
【0013】より具体的な方法としては、上記弾性舗装
材を、1ロット(1枚)当たり継ぎ目なしで10m以上
の長さを有するシート状に成型し、ロール状もしくは長
尺シート(平板)状態で上記施工現場に搬入し、その下
地面上に広げる。
【0014】これによれば、プレキャスト方式によって
あらかじめ長尺なシート体に形成された弾性舗装材を例
えばロール状に巻き取って施工現場に運搬し、下地面上
に広げて敷設することにより、広い施工面積を短期間で
舗装でき、しかも継ぎ目の少ない均一な施工面が得られ
る。
【0015】なお、ロール状の弾性舗装材を被舗装面上
に敷設するに当たっては、ロール体を回転可能に保持
し、走行しながらロール体からシートを繰り出して敷設
する、例えば人工芝の施工・回収装置を適用できる。
【0016】本発明のいう「下地面」とは、本発明の弾
性舗装体の被施工面で、一様に平坦であることが好まし
い。
【0017】弾性舗装材を施工するに当たり、シート体
の単位面積当たりの重量が重い場合、置き敷きも可能で
あり、また、シート体の敷設面に接着剤を塗布する、い
わゆる点付け方式も可能であるが、車輌通行路など動的
負荷が大きい場合には、上記下地面上にプライマーを介
して上記弾性舗装材を敷設することが好ましい。
【0018】舗装する対象が車両走行路である場合、上
記弾性舗装材をその車両走行路の延在方向に沿って広げ
て敷設することにより、路面上の継ぎ目をできるだけ少
なくすることができる。
【0019】上記弾性舗装材を上記施工現場に運び入れ
るまでは上記バインダーを未硬化状態もしくは半硬化状
態とし、上記弾性舗装材を上記下地面上に広げた後、上
記バインダーを硬化させてもよい。これによれば、シー
ト体は柔軟に変形できる状態であるため、敷設面上の凹
凸(不陸)を吸収できる。また、場合によっては、各シ
ート体間の継ぎ目処理が不要になる。
【0020】バインダーを未硬化状態に維持する方法に
は、一例として反応ポリマーをマイクロカプセル化した
ものや光反応活性剤などを弾性舗装材に混合しておく方
法がある。この場合には、施工時に熱や加圧、または光
照射などよってバインダーを硬化させる。
【0021】また、バインダーが半硬化状態の弾性舗装
材を施工するには、例えばセメントの硬化剤のように、
あらかじめ設定された施工期日から逆算して工場で弾性
舗装材を製造すればよい。敷設後は加熱してバインダー
を硬化させてもよいが、自然放置してバインダーの硬化
を待ってもよい。
【0022】なお、弾性舗装材の成型と同時に加熱など
によりバインダーを硬化させてもよく、これによれば、
離型ライナーなどの補助資材を必要とすることなく、弾
性舗装材をロール状もしくは長尺シート(平板)状態で
保管することができ、より安価に製造することができ
る。
【0023】本発明の弾性舗装材は、骨材をバインダー
で結合してなり、1ロット当たり継ぎ目なしで10m以
上の長尺のシート状に成型される。厚さは、ロール状に
巻き取ることを考慮して5〜40mmが好ましい。な
お、例えば40mm以上の舗装厚を必要とする場合に
は、2枚重ねて敷設すればよい。
【0024】さらに、本発明には、上記弾性舗装材を所
定の下地面上に広げて敷設してなる弾性舗装体も含まれ
る。すなわち、本発明の弾性舗装材は、例えば一般道路
や高速道路、テスト路などの各種車輌通行路や歩道およ
び各種橋架類、または倉庫や大型展示場などの各種建築
構造物の床面など、特に場所を限定することなく適用で
きる。
【0025】この弾性舗装体を降雨時などにおいても安
全な車輌走行路として使用するためには、湿潤状態での
60km/h走行時における、DFテスタ(ダイナミッ
ク・フリクション・テスタ)にて測定した表面の動的摩
擦係数が0.4以上であることが好ましい。
【0026】この弾性舗装体の空隙率は、20〜60%
であることが好ましい。すなわち、空隙率が20%未満
であると排水性が悪くなり、水たまりなどができやすく
なる。逆に、空隙率が60%を越えると骨材間の結合力
が弱くなり、耐久性が落ちるおそれがある。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1には、あらかじめ路盤1上に構築され
た所定の下地2上に本発明のロール状に巻回されたシー
ト体からなる弾性舗装材3を敷設して、表層部30を形
成した弾性舗装体の模式図およびその部分拡大図が示さ
れている。
【0028】なお、図面上は下地2および表層部30
は、バインダーが一様に充填されているように見える
が、実際には、各骨材間には空隙が設けられており、下
地2および表層部30ともに透水性を有している。
【0029】下地2は、例えばアスファルト/コンクリ
ート、砕石、モルタル、半たわみ舗装、簡易安定化処理
面などであってよく、必ずしも高度に安定化された処理
面である必要はないが、一様に安定化された面であるこ
とが好ましい。
【0030】この実施形態において、路盤1上には、あ
らかじめ下地2が設けられているが、路盤1の表面が一
様に安定化された面であれば、下地2を設けずに路盤1
上に表層部30を直接施工してもよい。
【0031】また、表層部30との接合面での剥がれを
確実に防止するためには、プライマーを施すことが好ま
しい。その場合、例えばウレタンやエポキシなどの未硬
化物を塗布して、それが完全に固化する前に表層部30
を施工する。
【0032】この実施形態において、弾性舗装材3は、
骨材をバインダーで結合してなり、所定の長さを有する
巻取可能なシート体に形成されている。このシート体
は、あらかじめ工場などにおいて、いわゆるプレキャス
ト方式によって製造される。
【0033】なお、製造に当たっては、シート体をロー
ル状に巻き取る際に、シート体にかけられる引張応力な
どによってシート体が切れたり、折れ曲がったりするこ
とがないように、バインダーの種類や配合量が調節され
る。
【0034】また、このシート体を巻き取らずに、例え
ば長尺シート状のとしたまま施工現場に運び入れ、下地
2上に敷設してもよいし、折り畳んで保管して、施工現
場で広げてもよい。
【0035】バインダーは、弾性舗装材の成型と同時に
硬化させてもよいし、未硬化状態または半硬化状態とし
てもよい。バインダーを成型時に硬化させた場合は、離
型ライナーなどの補助資材を必要とすることなく、ロー
ル状に巻き取るか、もしくは長尺シート状として保管で
き、その分製造コストが安価になる。バインダーを未硬
化状態(または半硬化状態)にした場合は、シート体が
柔軟に変形するので、凹凸(不陸)やカーブなどの複雑
な形状に対応させることができる。
【0036】シート体の長さは、1回の作業当たりの施
工面積を大きくし、また継ぎ目を極力少なくすることか
らすればできるだけ長い方がよいが、例えばロール状に
巻いた場合の巻径などを考慮すると、輸送に適した長さ
が好ましい。このようなことからして、シート体の長さ
は10m以上が好適で、上限は100m程度が目安とさ
れる。上記シート体の平均的な厚さが、巻き取る場合の
ことを考慮すると5〜40mmであることが好ましい。
また、このシート体の上面および/または下面に凹凸や
溝などを形成してもよい。
【0037】なお、表層部30の厚さが50mm必要な
場合には、40mm厚と10mm厚の2種類の弾性舗装
材3をプレキャスト製造しておき、それらを施工現場に
て下地面上に積層することにより、所望の厚さを備えた
弾性舗装体が構築できる。このような態様も本発明に含
まれる。
【0038】この実施形態において、弾性舗装材3は軟
質骨材31と硬質骨材32の2種類の骨材を含む。
【0039】軟質骨材31は、天然ゴム、SBR、NB
R、EDPM、BR、CRなどの各種ゴム材料の単体物
もしくは混合物、またはこれらゴム材料で被覆された骨
材、ウレタンなどの各種エラストマーなどからなり、基
本的にゴム弾性を有するものであれば、材質を選ばすに
適用可能である。
【0040】また、軟質骨材31は新規に製造されたも
のであってもよいし、再生品や廃材などを用いてもよ
い。形状は、例えば粒状のチップゴムやファイバー状の
ひじきゴムなどがよく用いられるが、これ以外のもので
あってもよく、その粒径やアスペクト比は施工面の仕様
によって適宜選択できる。なお、複数の異なる材質の軟
質骨材31をブレンドして用いてもよい。
【0041】特に、ファイバー状のひじきゴムを使用し
た場合、その形状が複雑かつ不規則的であるため、ひじ
きゴム同士が絡み合って亀裂や破断が生じにくくなる。
本発明において、軟質骨材31としてひじきゴムを用い
ることが最も効果的である。
【0042】硬質骨材32は、例えば石、砂、粘土、金
属粉または各種セラミックス類などの無機系材料が好適
に用いられるが、実際には、無機、有機を問わず、弾性
舗装材の仕様や性状によって適宜選択可能である。
【0043】なお、軟質骨材31にひじきゴムを使用す
る場合には、硬質骨材32として粒径が2mm以下のも
のを使用し、その配合量を軟質骨材100に対して5重
量%以上含ませることにより、製造時の攪拌性や転圧作
業が容易となる。
【0044】バインダーには、好ましくは樹脂系のバイ
ンダーが用いられる。例えば、一液ウレタン、二液ウレ
タン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、または各種エマル
ジョンなどが使用可能である。
【0045】この実施形態において、バインダーを未硬
化状態にするには、反応ポリマーをマイクロカプセル化
したものや、光反応活性剤などを弾性舗装材に混合す
る。そして、施工時に熱や加圧、または光照射などよっ
てバインダーを硬化させる。
【0046】また、例えばセメントの硬化剤のように、
あらかじめ設定された施工期間から逆算して工場でバイ
ンダーを添加することにより、施工時は半硬化状態で、
施工後に完全硬化状態にすることができる。
【0047】バインダーが未硬化状態および半硬化状態
の場合は、施工作業性が低下する。そこで、このような
場合には、シート体の最外面を硬化またはほぼ硬化させ
ることにより、作業効率を向上できる。また、シート体
の両面もしくは片面に離型シートを張り付けておき、施
工時に離型シートを剥がし取ることで作業性を向上させ
る方法もある。さらに、施工現場もしくはその近傍にて
シート状に仕上げて、これを下地2上に敷設する方法も
ある。このような態様も本発明に含まれる。
【0048】この実施形態において、弾性舗装材3は、
主に骨材とバインダーとを主成分として構成されている
が、これ以外に、有機無機の繊維や樹脂片、顔料などを
添加してもよいし、各種溶剤や酸化防止剤、耐候性剤な
どの添加剤、または鉛系やスズ系の触媒を添加してもよ
く、構築される弾性舗装体3の仕様によって適宜選択で
きる。
【0049】次に、弾性舗装材3の製造方法について説
明する。本発明の弾性舗装材3の製造方法は、材料の混
合から成型の一連の工程を工場などであらかじめ行う、
いわゆるプレキャスト方式である。このプレキャスト方
式によれば、各種物性値を均一に管理でき、敷設から使
用開始までの時間を短縮できる。
【0050】まず、所定の重量配合がなされた軟質骨材
31と硬質骨材32とを含む骨材をバインダーとともに
攪拌機に投入して、弾性舗装材3を混合する。攪拌機
は、エンジン式、モーター式など問わず、いわゆるモル
タルミキサのような攪拌容器内で攪拌羽根を回して混合
するものであってよい。
【0051】このとき、敷設時までバインダーを未硬化
状態もしくは半硬化状態に維持するには、上述した反応
ポリマーや光反応活性剤などをさらに添加する。その配
合量は、硬化時間や、硬化工程の方法などによって、適
宜選択される。
【0052】次に、簡易な方法としては、両サイドに高
さ調節用の枠を平行に敷き並べた離型マイラー上に、そ
の間に攪拌した弾性舗装材3を供給して、こてなどで均
した後、例えば加熱ローラーで転圧し、平坦なシート体
に仕上げる。舗装材の均し機としては、例えば現場施工
に用いる施工機などを転用することができる。例えば住
友ゴム社製ゴムチップ施工機P700、P200など弾
性舗装材の表面をすり取って表面を均一に均すスキージ
を有するものがある。
【0053】次に、シート体を硬化させる。硬化させる
に当たっては、例えば一液バインダーの場合は自然硬化
を待ってもよいが、加熱プレスやオーブンなどを使用し
てもよい。また、ベルトやローラーなどを介して加熱し
てもよい。例えば、一液ウレタンをバインダーとして用
いた場合、150℃程度で15分ほどベルトを移動させ
ながら、大型の加熱ラインにシート体を投入する方法が
ある。
【0054】特に、攪拌工程から硬化工程までは、でき
るだけ連続的に行うことが効率性、均一性の面において
極めて良好である。したがって、材料を搬送するライン
は、例えばベルトなどの駆動による連続ラインを形成す
る方式が望ましい。
【0055】すなわち、図2に示すように、図面左方向
から右方向に向かって移動するベルトコンベア100上
に弾性舗装材3を攪拌する攪拌機200を配置し、攪拌
機200からベルトコンベア100上に弾性舗装材3を
投入する。投入された弾性舗装材3は、右方向に移動し
ながらスキージ300によって均一に敷き均された後、
所定面圧の転圧ローラ400によって平坦なシート体に
仕上げられる。次に、弾性舗装材3(シート体)は、ベ
ルトコンベア100の搬送路上に設けられたオーブン5
00に投入され、バインダーを一定の硬さなるまで硬化
させる。
【0056】しかる後、シート体を長手方向の一端から
他端にかけてロール状に巻き上げる(巻取作業)。巻取
作業は、例えば人工芝の敷設・回収装置などのように、
巻取機能を有する巻取装置を用いて巻き取る方法が好ま
しいが、これ以外の巻取装置であってもよい。なお、上
述した図2の装置に巻取装置を組み込んでもよい。
【0057】また、巻取作業を工場で行わず、長尺シー
ト状態のまま施工現場に運搬して施工してもよい。な
お、シート体の製造装置が連続製造可能な場合には、施
工面の長さなどに応じて、シート体を適宜切断したり、
加工してもよい。
【0058】このようにして得られた弾性舗装体3を施
工現場に運び入れ下地2上に敷設する。このとき、被舗
装面が車道の場合には、その路面上の継ぎ目をできるだ
け少なくするため、弾性舗装材3を通路の延在方向(車
輌走行方向)に沿って敷設することが好ましい。
【0059】弾性舗装材3を下地2上に敷設するには、
上述の巻取作業で使用した人工芝の施工回収装置など一
定の速度で弾性舗装材を繰り出すことができる敷設装置
などが好適である。
【0060】敷設された弾性舗装材3の表面を均一にす
るため、弾性舗装材3の表面を所定の加圧手段によっ
て、均一な密度になるように加圧してもよい。加圧手段
としては、転圧ローラや押圧プレートを用いることがで
きる。
【0061】なお、弾性舗装材3のバインダーが半硬化
状態もしくは未硬化状態である場合には、バインダーを
完全に硬化させる(硬化工程)。例えば、上述した硬化
促進剤をマイクロカプセル化してバインダーに混合した
場合は、加圧にて、マイクロカプセルを破壊することに
より、所定時間経過後、バインダーが完全に硬化する。
【0062】また、光反応活性剤を用いた場合には、第
1には紫外線照射することによりバインダーが硬化する
が、これ以外に直射日光に一定時間晒してもよい。な
お、これ以外のバインダーの硬化法としては、加水する
など方法がある。この硬化工程はバインダーの種類によ
って適宜選択される。
【0063】さらには、硬化速度が極めて遅い反応型ポ
リマーをバインダーとして用いて、完全に硬化する前に
施工を行い、施工の際に触媒を液状などにして弾性舗装
材に染みこませて硬化させることも可能である。この際
に、シート体の最外面が、ほぼ硬化していると作業が容
易になる。
【0064】以上のようにして構成された弾性舗装体
は、湿潤状態での60km/h走行時における、DFテ
スタ(ダイナミック・フリクション・テスタ)にて測定
した表面の動摩擦係数が0.4以上になることが好まし
い。これによれば、降雨などによってスリップの危険性
が小さくなり、より安全な舗装面が得られる。なお、動
摩擦係数を高めるには、軟質骨材31にひじきゴムを用
いればよい。
【0065】さらに、弾性舗装材3の空隙率は20〜6
0%以下であることが好ましい。すなわち、空隙率が2
0%未満であると排水性が悪くなり、水たまりなどがで
きやすくなる。逆に、空隙率が60%を越えると骨材間
の結合力が弱くなり、耐久性が落ちるおそれがある。
【0066】また、バインダーが半硬化状態または未硬
化状態の場合は、空隙率が高いほど(より好ましくは、
空隙率が25%以上)硬化工程に施す操作の効果が大き
くなる。すなわち、骨材間に加熱空気や紫外線が入り込
みやすくなるためである。
【0067】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について、比
較例とともに説明する。まず準備作業として、路盤上に
開粒アスファルトを所定厚さに敷き詰めて敷き均し、セ
メントミルクを流し込んで1週間経過した半たわみ性舗
装からなる下地を形成し、その表面を研磨などによって
レベル出しし、住友ゴム工業社製プライマーC918B
にてプライマー処理を行った。
【0068】しかる後、プライマー硬化前に本発明の弾
性舗装材(実施例1)と、従来の現場施工方式およびプ
レキャスト方式の弾性舗装材(比較例1、2)とによ
り、下地上に表層部をそれぞれ構築した。
【0069】なお、各例ともに、軟質骨材(骨材)に
はひじきゴム(住友ゴム工業社製ひじきゴムFR24:
概寸で幅2〜4、長さ2〜40mm)を用い、硬質骨材
(骨材)には住友ゴム工業社製シリカサンド7号を用
い、樹脂バインダーには、一液硬化型ウレタン樹脂(住
友ゴム工業社製GB0007、粘度:6500cps)
を用いた。配合重量比は、骨材:骨材:バインダー
=100:40:27とし、万能攪拌機で均一に攪拌し
た。
【0070】実施例1の場合、両サイドに高さ調節用の
枠を配置した離型マイラー上に攪拌混合物を供給し、こ
てで均した後、加熱ローラーで転圧して、平坦なシート
体(幅1m×長さ10m×厚さ20mm)に仕上げた。
バインダーが硬化後、シート体をロール状に巻き取り、
それを施工現場に運び入れて下地上に敷設した。
【0071】比較例1(現場施工方式)の場合、施工現
場にて攪拌、混合を行い、その攪拌混合物を住友ゴム社
製P200ゴムチップ施工機を使って、下地上に直接供
給し、打設した。
【0072】比較例2(プレキャスト方式)の場合、そ
の攪拌混合物を1m角で厚さ20mmになるようにプレ
ス加圧したプレキャスト版を製造し、このプレキャスト
版を下地上にプライマーを介して施工した。
【0073】その結果得られた弾性舗装体について、以
下の各種評価を行った。 仕上がり時間 敷設開始から使用開始(走行開始)可能な状態になるま
での時間を測定した。 継ぎ目の違和感 弾性舗装体間の継ぎ目の違和感を評価した。評価方法
は、10名の被験者が舗装面上を原付バイクで走行した
ときの、継ぎ目の違和感を聞き取り調査した。評価は、
継ぎ目感じないを◎とし、やや感じるが違和感なしを○
とし、継ぎ目、違和感ともにやや感じるを△とし、継ぎ
目に危険を感じるを×の4段階とした。 仕上がり状態 上記の評価と併せて、路面の仕上がり状態を評価し
た。
【0074】《実施例1》 [施工方法] 本発明(ロール状に仕上げた弾性
舗装材) 〔仕上がり時間〕 走行可能まで、約0.5日 〔継ぎ目の違和感〕 ○ 〔仕上がり状態〕 施工面均一 〔総合評価〕 ◎〜○
【0075】〈比較例1〉 [施工方法] 現場施工方式 〔仕上がり時間〕 走行可能まで、約3日 〔継ぎ目の違和感〕 ◎ 〔仕上がり状態〕 施工面やや均一 〔総合評価〕 △
【0076】〈比較例2〉 [施工方法] プレキャスト方式 〔仕上がり時間〕 走行可能まで、約0.5日 〔継ぎ目の違和感〕 △〜× 〔仕上がり状態〕 施工面均一 〔総合評価〕 △
【0077】参考までに、上記実施例1および比較例
1、2の弾性舗装材の仕様と評価結果を表1に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
骨材をバインダーで結合してなり、あらかじめ長尺のシ
ート状に成型された弾性舗装材を、施工現場の下地面上
に広げて敷設することにより、車道などの広い面積を短
期間で、継ぎ目の少ない均一な面に仕上げることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性舗装材とこの弾性舗装材によって
構築された弾性舗装体の模式図。
【図2】弾性舗装材の製造方法の一例を説明する説明
図。
【符号の説明】
1 路盤 2 下地 3 弾性舗装材 30 表層部 31 軟質骨材 32 硬質骨材 100 ベルトコンベア 200 攪拌機 300 スキージ 400 転圧ローラ 500 オーブン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D051 AF01 AF07 AF11 AG03 AG13 AG14 AG17 AH02 AH03 DA13 DB06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨材をバインダーで結合してなり、あら
    かじめ長尺のシート状に成型された弾性舗装材を、施工
    現場の下地面上に広げて敷設する工程を含むことを特徴
    とする弾性舗装方法。
  2. 【請求項2】 上記弾性舗装材を、1ロット当たり継ぎ
    目なしで10m以上の長さを有するシート状に成型し、
    ロール状もしくは長尺シート状態で上記施工現場に搬入
    し、その下地面上に広げる請求項1に記載の弾性舗装方
    法。
  3. 【請求項3】 上記下地面上にプライマーを介して上記
    弾性舗装材を敷設する請求項1または2に記載の弾性舗
    装方法。
  4. 【請求項4】 舗装する対象が車両走行路である場合、
    上記弾性舗装材をその車両走行路の延在方向に沿って広
    げて敷設する請求項1,2または3に記載の弾性舗装方
    法。
  5. 【請求項5】 上記弾性舗装材を上記施工現場に運び入
    れるまでは上記バインダーを半硬化状態もしくは未硬化
    状態とし、上記弾性舗装材を上記下地面上に広げた後、
    上記バインダーを硬化させる請求項1ないし4のいずれ
    か1項に記載の弾性舗装方法。
  6. 【請求項6】 骨材をバインダーで結合してなり、1ロ
    ット当たりつなぎ目なしで10m以上の長尺のシート状
    に成型されることを特徴とする弾性舗装材。
  7. 【請求項7】 厚みが5〜40mmである請求項6に記
    載の弾性舗装材。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載の弾性舗装材を
    所定の下地面上に広げて敷設してなることを特徴とする
    弾性舗装体。
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