JP2002356467A - 付着重合物の除去方法 - Google Patents

付着重合物の除去方法

Info

Publication number
JP2002356467A
JP2002356467A JP2001159879A JP2001159879A JP2002356467A JP 2002356467 A JP2002356467 A JP 2002356467A JP 2001159879 A JP2001159879 A JP 2001159879A JP 2001159879 A JP2001159879 A JP 2001159879A JP 2002356467 A JP2002356467 A JP 2002356467A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactor
reaction
acrylonitrile
alkali metal
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001159879A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4598987B2 (ja
Inventor
Isao Fukada
深田  功
Hiroharu Kageyama
弘春 景山
Akio Numa
晃生 沼
Sukeyoshi Mizutani
祐喜 水谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2001159879A priority Critical patent/JP4598987B2/ja
Publication of JP2002356467A publication Critical patent/JP2002356467A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4598987B2 publication Critical patent/JP4598987B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 共役ジオレフィンとアクリロニトリルを反応
させて共役ジオレフィンとアクリロニトリルとのディー
ルス・アルダー付加体を製造するに際し、反応に使用し
た反応器の内壁に付着した重合物を、反応器の内壁面を
傷つけることなしに完全に除去することのできる、工業
的にも十分採用し得る製造方法を提供することにある。 【解決手段】 反応に使用した反応器の内壁に付着した
重合物をアルカリ金属化合物を溶解した有機化合物溶液
を使用して加熱洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共役ジオレフィン
とアクリロニトリルとのディールス・アルダー付加体の
製造における反応器に付着した重合物の除去方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】共役ジオレフィンとアクリロニトリルの
ディールス・アルダー反応により共役ジオレフィンとア
クリロニトリルとのディールス・アルダー付加体を製造
する方法は公知である。この反応は熱的に進行するため
高温にするほど望ましいが、高温下で反応させた場合
は、反応液中の重合物の量が増大することが知られてい
る。この重合物は反応器の原料導入部付近、反応液出口
部付近、又は内壁などに、反応液には不溶性となって付
着ないしは堆積し、操業に問題を生じさせる。これを回
避するために、例えば、反応時の重合物副生を抑制する
方法として、種々の重合禁止剤を添加する方法(特開昭
61-165338号公報、 特公昭57-7131号公報、特開昭62- 1
67733号公報、特開平7-188147号公報)や、反応器の構
造若しくは態様を最適化する方法(特開平9-263574号公
報、特開平11-100362号公報) が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、共役ジ
オレフィンとアクリロニトリルを反応させて共役ジオレ
フィンとアクリロニトリルとのディールス・アルダー付
加体を製造する際の目的、付加体の用途及び製造規模等
によって、使用する重合禁止剤を選択したり、反応器の
構造や態様も選択する。一方、最適な重合禁止剤を使用
し、また反応器の構造や態様が最適な条件を選択した場
合においても、現実の製造においては種々のトラブルが
引き金となって最適な条件を逸脱することがある。
【0004】本発明者らは、共役ジオレフィンとアクリ
ロニトリルの反応を、重合物が副生し易い条件として、
重合禁止剤として一般的なハイドロキノンを使用して実
施したり、 220℃以上の高温で実施したり、螺旋形状の
配管内で加熱して反応させるいわゆるチューブラー方式
を使用して実施した。その結果、いずれにおいても重合
物が副生し、反応終了後に反応器を点検すると、反応器
の内壁面に重合物が非常に強固に付着しており、削り取
るなどの物理的な方法や、一般的な溶剤による洗浄では
除去できないことが判明した。
【0005】本発明者らは、先に、共役ジオレフィンと
アクリロニトリルを、反応器内壁の表面あらさが5μm
以下である内壁面が平滑な槽型の反応器を用いると、反
応時に重合物の副生が抑制されることを開示した(特開
平11-100362号公報)。 この方法は反応時の重合物の副
生を抑制するには非常に効果的な方法であるが、しかし
ながら、ひとたびこの様な反応器の内壁に重合物が付着
した場合には、削り取るなどの物理的な方法は内壁面を
傷つける原因となるため使用することができない。
【0006】以上のように、共役ジオレフィンとアクリ
ロニトリルとのディールス・アルダー付加体の製造にお
いては、重合物が反応器の内壁に付着した場合に備え、
付着重合物を除去する方法を開発しておくことが工業的
に非常に重要である。しかしながら、従来、反応時にお
いて、重合物の副生を抑制することを目的としたものは
前記のように見られるものの、反応器の内壁に付着して
しまった重合物を除去するための方法について、記載し
たものは全く見られなかった。
【0007】本発明の課題は、共役ジオレフィンとアク
リロニトリルのディールス・アルダー反応により共役ジ
オレフィンとアクリロニトリルとのディールス・アルダ
ー付加体を製造する際に、反応に使用した反応器の内壁
に強固に付着した重合物を、反応器の内壁面を傷つける
ことなしに除去することができる、工業的にも十分採用
し得る重合物の除去方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意検討した結果、本発明を完成する
に至ったものである。すなわち、本発明は、 共役ジ
オレフィンとアクリロニトリルを反応させて共役ジオレ
フィンとアクリロリロニトリルとのディールス・アルダ
ー付加体を製造する方法において、反応に使用した反応
器の内壁に付着した重合物を、アルカリ金属化合物を溶
解した有機化合物溶液を使用して加熱洗浄することを特
徴とする付着重合物の除去方法であり、また、 加熱
洗浄温度が、80℃〜200℃ である記載の除去方法であ
り、また、 アルカリ金属化合物を溶解する有機化合
物が非プロトン性の極性溶媒である記載の除去方法で
あり、また、 アルカリ金属化合物が、リチウム、ナ
トリウム、カリウム、ルビジウム、又はセシウムの群か
ら選ばれるアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、
又はアルコラートである請求項1記載の除去方法であ
り、また、 有機化合物に溶解したアルカリ金属化合
物の濃度が、0.01重量%〜1重量%である記載の除去
方法であり、また、 非プロトン性の極性溶媒が、N-
メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-
ジエチルホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジ
メチルアセトアミド、N-メチルプロピオンアミド、ジメ
チルスルホキシド、スルホラン、炭酸エチレン、炭酸プ
ロピレン、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミ
ダゾリジノン及び1,3-ジプロピル-2-イミダゾリジノン
である記載の除去方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用するアルカリ金属化
合物のアルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム及びセシウムの群から選ばれる元素であ
り、これらアルカリ金属の化合物は、水酸化物、炭酸
塩、酢酸塩、又はアルコラートである。また、これらア
ルカリ金属化合物は一種でも、あるいは二種以上が用い
られても何ら構わない。また、アルカリ金属化合物を有
機化合物溶液に溶解する濃度は、好ましくは0.01重量%
〜1重量%であり、さらに好ましくは、0.05重量%〜0.
5重量% である。 0.01重量%以上の濃度では高い洗浄
効果が得られる。経済性、有機化合物溶液の安定性か
ら、1重量%以下の濃度が好ましい。 本発明でアルカ
リ金属化合物を溶解する有機化合物は、アルカリ金属化
合物を溶解することができ、且つ加熱下、アルカリ性に
おいて安定であれば特に限定されないが、非プロトン性
の極性溶媒を使用することが好ましい。この非プロトン
性の極性溶媒は、例えばN-メチルホルムアミド、N,N-ジ
メチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N-メ
チルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチ
ルプロピオンアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラ
ン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、N-メチルピロリド
ン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン及び1,3-ジプロ
ピル-2-イミダゾリジノン等である。また、これら非プ
ロトン性の極性溶媒は一種でも、あるいは二種以上が用
いられても何ら構わない。
【0010】本発明において、アルカリ金属化合物を溶
解した有機化合物溶液で加熱洗浄する温度は、好ましく
は80℃〜200℃ であり、より好ましくは100℃〜180℃、
さらに好ましくは120℃〜160℃である。80℃以上では高
い洗浄効果が得られる。200℃以下では有機化合物溶液
の安定性の面で好ましい。
【0011】加熱洗浄する時間は、重合物の反応器内壁
への付着状況や付着量、或いは加熱する温度にもよる
が、通常、0.5時間〜10時間 の間で行われる。なお、必
要に応じて反応時間をこれより短くしたり、あるいは更
に長くすることは一向に差し支えない。
【0012】本発明においては、アルカリ金属化合物を
溶解した有機化合物溶液で加熱洗浄した後、洗浄液を抜
き取ることで、通常、反応器内壁に付着した重合物は除
去できるが、未だ付着がある場合には、水を使用して、
水洗やジェット洗浄することで簡単に除去することがで
きる。
【0013】本発明の共役ジオレフィンとアクリロニト
リルの反応に使用する共役ジオレフィンは、例えばシク
ロペンタジエン、イソプレン及びブタジエン等のジエン
化合物である。また、ジシクロペンタジエンのように、
反応器内に供給することで共役ジオレフィンを発生する
化合物も使用することができる。
【0014】本発明の共役ジオレフィンとアクリロニト
リルの反応温度は、好ましくは、180〜220℃の範囲で行
われる。反応温度が 180℃に満たない場合は、重合物の
生成を抑制することが可能であるものの、得られる共役
ジオレフィンとアクリロニトリルとの付加体の収率が低
下するとともに反応液中に未反応物も多量に残存するよ
うになる。また、 220℃を越えて反応を行わせる場合
は、重合物の副生が顕著になる傾向がある。
【0015】本発明の原料である共役ジオレフィンとア
クリロニトリルとのモル比は、理論的には共役ジオレフ
ィンの1モルに対しアクリロニトリル1モルの反応であ
るが、通常は共役ジオレフィンの1モルに対してアクリ
ロニトリル1〜1.5 モルの範囲として反応を行わせるの
が好ましい。これが1モル未満では副生物の生成量が増
大することになり、また 1.5モルを越えては反応後にお
いて、未反応アクリロニトリルが多く残存することにな
り、ともに精製操作において煩雑となる傾向がある。従
って、反応器内で共役ジオレフィンを発生する化合物と
してジシクロペンタジエンを使用する場合は、ジシクロ
ペンタジエンの1モルに対してアクリロニトリル2〜3
モルの範囲として反応を行わせるのが好ましい。
【0016】反応時間は、反応温度にもよるが、共役ジ
オレフィンとアクリロニトリルとの付加体を収率よく得
ることと、その生産性を考慮した場合、通常は 0.1〜6
時間の範囲である。なお、必要に応じて反応時間をこれ
より短くしたり、あるいは更に長くすることは一向に差
し支えない。
【0017】本発明の共役ジオレフィンとアクリロニト
リルの反応形式は、特に規定されず、連続式や回分式等
で行われる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明の有用性を更に詳
細に説明する。 実施例1 反応器の内壁、攪拌翼および攪拌軸の表面あらさが20μ
mである内容積1500mlの耐圧型攪拌機付ステンレス製オ
ートクレーブを反応器として用いた。
【0019】まず反応を開始する前に、オートクレーブ
内にシアノノルボルネン 1015mlを充填し、600rpmの 回
転数で撹拌しながら、反応器内の温度を 180℃に昇温し
た。次に、ジシクロペンタジエンとアクリロニトリルを
1:2.5 のモル比で混合し、この混合液にN-ニトロソジ
フェニルアミンを 0.1重量%となるように添加したもの
を原料液とし、定量ポンプにて連続的に供給した。滞留
時間は 2.5時間となるように供給流量を調節した。反応
中は反応液上層の気相部の容積が、反応器内の全容積に
対し30%となるよう、反応器内の液面を保持させながら
反応させた。また、同時に、反応器内の圧力が0.8MPa・
G となるように窒素ガスを送入して圧力調整し、更に、
液温が 185℃を保つよう調整し、連続的に反応を行わせ
た。
【0020】この結果、原料のジシクロペンタジエンの
分解で得られるシクロペンタジエン基準で平均収率90モ
ル%をもってシアノノルボルネンが連続的に得られた。
連続運転開始後30日を過ぎたころから徐々に原料供給に
支障が出始めており、40日を経過した後に運転を停止し
た。オートクレーブを開放して反応器内部を調べたとこ
ろ、原料供給口付近及び内壁に多量の不溶性重合物の付
着しているのが確認された。
【0021】そこで次に、上記の連続反応に使用し不溶
性重合物が付着した反応器にジメチルスルホキシドを 1
100g充填し、600rpmの回転数で攪拌しながら水酸化カ
リウム 5.5gを溶解した。その後、反応器内の温度を 1
40℃に昇温し、4時間の加熱処理を行った。
【0022】加熱処理終了後、室温まで冷却し、上記水
酸化カリウムのジメチルスルホキシド溶液を抜き取り水
洗浄したところ、原料供給口付近及び内壁に付着してい
た重合物はすべて除去された。 実施例2 反応器の内壁、攪拌翼および攪拌軸の表面あらさが 0.4
μmである内容積1500mlの耐圧型攪拌機付ステンレス製
オートクレーブを反応器として用いた。
【0023】まず反応を開始する前に、オートクレーブ
内にシアノノルボルネン 1015mlを充填し、600rpmの 回
転数で撹拌しながら、反応器内の温度を 220℃に昇温し
た。次に、ジシクロペンタジエンとアクリロニトリルを
1:2.5 のモル比で混合し、この混合液にN-ニトロソジ
フェニルアミンを 0.1重量%となるように添加したもの
を原料液とし、定量ポンプにて連続的に供給した。滞留
時間は 1.2時間となるように供給流量を調節した。反応
中は反応液上層の気相部の容積が、反応器内の全容積に
対し30%となるよう、反応器内の液面を保持させながら
反応させた。また、同時に、反応器内の圧力が0.6MPa・
G となるように窒素ガスを送入して圧力調整し、更に、
液温が 230℃を保つよう調整し、連続的に反応を行わせ
た。
【0024】この結果、原料のジシクロペンタジエンの
分解で得られるシクロペンタジエン基準で平均収率95モ
ル%をもってシアノノルボルネンが連続的に得られた。
連続運転開始後10日を過ぎたころから徐々に原料供給に
支障が出始めており、15日を経過した後に運転を停止し
た。オートクレーブを開放して反応器内部を調べたとこ
ろ、原料供給口付近及び内壁に多量の不溶性重合物の付
着しているのが確認された。
【0025】そこで次に、上記の連続反応に使用し不溶
性重合物が付着した反応器に1,3-ジメチル-2-イミダゾ
リジノンを 1100g充填し、 600rpmの回転数で攪拌しな
がら水酸化ナトリウム0.22gを溶解した。その後、反応
器内の温度を 200℃に昇温し、5時間の加熱処理を行っ
た。
【0026】加熱処理終了後、室温まで冷却し、上記水
酸化ナトリウムの1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン溶
液を抜き取り水洗浄したところ、原料供給口付近及び内
壁に付着していた重合物はすべて除去された。実施例3
反応器の内壁、攪拌翼および攪拌軸の表面あらさが 0.4
μmである内容積1500mlの耐圧型攪拌機付ステンレス製
オートクレーブを反応器として用いた。
【0027】まず反応を開始する前に、オートクレーブ
内にシアノノルボルネン 1015mlを充填し、600rpmの 回
転数で撹拌しながら、反応器内の温度を 190℃に昇温し
た。次に、ジシクロペンタジエンとアクリロニトリルを
1:2.5 のモル比で混合し、この混合液にハイドロキノ
ンを 0.1重量%となるように添加したものを原料液と
し、定量ポンプにて連続的に供給した。滞留時間は 1.2
時間となるように供給流量を調節した。反応中は反応液
上層の気相部の容積が、反応器内の全容積に対し 30%
となるよう、反応器内の液面を保持させながら反応させ
た。また、同時に、反応器内の圧力が0.8MPa・G となる
ように窒素ガスを送入して圧力調整し、更に、液温が 1
95℃を保つよう調整し、連続的に反応を行わせた。
【0028】この結果、原料のジシクロペンタジエンの
分解で得られるシクロペンタジエン基準で平均収率92モ
ル%をもってシアノノルボルネンが連続的に得られた。
連続運転開始後30日を過ぎたころから徐々に原料供給に
支障が出始めており、40日を経過した後に運転を停止し
た。オートクレーブを開放して反応器内部を調べたとこ
ろ、原料供給口付近及び内壁に多量の不溶性重合物の付
着しているのが確認された。
【0029】そこで次に、上記の連続反応に使用し不溶
性重合物が付着した反応器にN-メチルピロリドンを 110
0g充填し、600rpmの回転数で攪拌しながら炭酸カリウ
ム11gを溶解した。その後、反応器内の温度を 120℃に
昇温し、8時間の加熱処理を行った。
【0030】加熱処理終了後、室温まで冷却し、上記炭
酸カリウムのN-メチルピロリドン溶液を抜き取り水洗浄
したところ、原料供給口付近及び内壁に付着していた重
合物はすべて除去された。
【0031】実施例4 反応器の内壁、攪拌翼および攪拌軸の表面あらさが20μ
mである攪拌機およびジャケット付きの内容積 150Lの
耐圧型ステンレス製反応器を用いた。
【0032】まず反応を開始する前に、反応器内にシア
ノノルボルネン 100Lを充填し、120rpmの 回転数で撹
拌しながら、反応器ジャケットに電気ヒーターで加熱し
た熱媒オイルを通液し、反応器内の温度を 185℃に昇温
した。次に、ジシクロペンタジエンとアクリロニトリル
を1:2.5 のモル比で混合し、この混合液にN-ニトロソ
ジフェニルアミンを 0.1重量%となるように添加したも
のを原料液とし、定量ポンプにて上記原料供給ノズルか
ら反応器内液相部へ連続的に供給した。滞留時間は 1.2
時間となるように供給流量を調節した。反応中は反応液
上層の気相部の容積が、反応器内の全容積に対し30%と
なるよう、反応器内の液面を保持させながら反応させ
た。また、同時に、反応器内の圧力が0.7MPa・G となる
ように窒素ガスを送入して圧力調整し、更に、液温が 1
90℃を保つよう調整し、連続的に反応を行わせた。
【0033】この結果、原料のジシクロペンタジエンの
分解で得られるシクロペンタジエン基準で平均収率91モ
ル%をもってシアノノルボルネンが連続的に得られた。
連続運転開始後30日を過ぎたころから徐々に原料供給に
支障が出始めており、50日を経過した後に運転を停止し
た。反応液を抜き取りファイバースコープを用いて反応
器内部を調べたところ、原料供給口付近及び内壁に多量
の不溶性重合物の付着しているのが確認された。
【0034】そこで次に、上記の連続反応に使用し不溶
性重合物が付着した反応器にN,N-ジメチルホルムアミド
を 110kg充填し、 120rpmの回転数で攪拌しながら水酸
化カリウム 110gを溶解した。その後、反応器ジャケッ
トに電気ヒーターで加熱した熱媒オイルを通液して反応
器内の温度を 160℃に昇温し、2時間の加熱処理を行っ
た。
【0035】加熱処理終了後、室温まで冷却し、上記水
酸化カリウムのN,N-ジメチルホルムアミド溶液を抜き取
り水洗浄したところ、原料供給口付近及び内壁に付着し
ていた重合物はすべて除去された。
【0036】比較例1 実施例1において、水酸化カリウムのジメチルスルホキ
シド溶液の代りに水酸化カリウムを含有しないジメチル
スルホキシドを使用した以外は同様に加熱処理、水洗浄
を行った。その結果、原料供給口付近及び内壁に付着し
ていた重合物は除去されず、強固に付着したままであっ
た。
【0037】
【発明の効果】本発明の方法により、共役ジオレフィン
とアクリロニトリルのディールス・アルダー反応により
共役ジオレフィンとアクリロニトリルとのディールス・
アルダー付加体を製造する際、反応に使用した反応器の
内壁に付着した重合物を、アルカリ金属化合物を溶解し
た有機化合物溶液を使用して加熱洗浄するで、反応器の
内壁面を傷つけることなしに除去することが可能とな
る。従って、本発明に記載の方法は、特に工業的に共役
ジオレフィンとアクリロニトリルとのディールス・アル
ダー付加体の製造を行う場合において、極めて有益な方
法であると言える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 祐喜 千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 3B201 AA47 BB01 BB21 BB82 BB87 BB90 BB92 BB95 4H006 AA02 AC28 AC54 BA94 QN30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジオレフィンとアクリロニトリルを
    反応させて共役ジオレフィンとアクリロニトリルとのデ
    ィールス・アルダー付加体を製造する方法において、反
    応に使用した反応器の内壁に付着した重合物を、アルカ
    リ金属化合物を溶解した有機化合物溶液を使用して加熱
    洗浄することを特徴とする付着重合物の除去方法。
  2. 【請求項2】 加熱洗浄温度が、80℃〜200℃ である請
    求項1記載の除去方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属化合物を溶解する有機化合
    物が非プロトン性の極性溶媒である請求項1記載の除去
    方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ金属化合物が、リチウム、ナト
    リウム、カリウム、ルビジウム、又はセシウムの群から
    選ばれるアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、又
    はアルコラートである請求項1記載の除去方法。
  5. 【請求項5】 有機化合物に溶解したアルカリ金属化合
    物の濃度が、0.01重量%〜1重量%である請求項1記載
    の除去方法。
  6. 【請求項6】 非プロトン性の極性溶媒が、N-メチルホ
    ルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチル
    ホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルア
    セトアミド、N-メチルプロピオンアミド、ジメチルスル
    ホキシド、スルホラン、炭酸エチレン、炭酸プロピレ
    ン、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリ
    ジノン及び1,3-ジプロピル-2-イミダゾリジノンである
    請求項3記載の除去方法。
JP2001159879A 2001-05-29 2001-05-29 付着重合物の除去方法 Expired - Fee Related JP4598987B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001159879A JP4598987B2 (ja) 2001-05-29 2001-05-29 付着重合物の除去方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001159879A JP4598987B2 (ja) 2001-05-29 2001-05-29 付着重合物の除去方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002356467A true JP2002356467A (ja) 2002-12-13
JP4598987B2 JP4598987B2 (ja) 2010-12-15

Family

ID=19003384

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001159879A Expired - Fee Related JP4598987B2 (ja) 2001-05-29 2001-05-29 付着重合物の除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4598987B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104384132A (zh) * 2014-11-05 2015-03-04 华玉叶 反应器除垢的方法
WO2017126652A1 (ja) * 2016-01-20 2017-07-27 日揮プラントイノベーション株式会社 重質炭化水素又は分子に極性を与える元素を含む系に生成したスラッジ及び硬質化皮膜除去用の洗浄液組成物、ならびにそれを用いた洗浄方法
CN115889369A (zh) * 2023-02-24 2023-04-04 山西钢科碳材料有限公司 丙烯腈聚合反应釜凝胶的清洗方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52156846A (en) * 1976-06-21 1977-12-27 Showa Denko Kk Preparation of cyanonorbornene
JPS558087B2 (ja) * 1977-03-04 1980-03-01
JPS59184202A (ja) * 1983-04-04 1984-10-19 Shin Etsu Chem Co Ltd 重合槽内の付着重合体除去方法
JPH07188147A (ja) * 1993-12-28 1995-07-25 Mitsui Toatsu Chem Inc シアノノルボルネンの製造方法
JPH09227489A (ja) * 1996-02-28 1997-09-02 Mitsui Toatsu Chem Inc シアノノルボルネンの製造方法
JPH09263574A (ja) * 1996-01-22 1997-10-07 Mitsui Toatsu Chem Inc 共役ジオレフィンとアクリロニトリルとのディールス・アルダー付加体の製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52156846A (en) * 1976-06-21 1977-12-27 Showa Denko Kk Preparation of cyanonorbornene
JPS558087B2 (ja) * 1977-03-04 1980-03-01
JPS59184202A (ja) * 1983-04-04 1984-10-19 Shin Etsu Chem Co Ltd 重合槽内の付着重合体除去方法
JPH07188147A (ja) * 1993-12-28 1995-07-25 Mitsui Toatsu Chem Inc シアノノルボルネンの製造方法
JPH09263574A (ja) * 1996-01-22 1997-10-07 Mitsui Toatsu Chem Inc 共役ジオレフィンとアクリロニトリルとのディールス・アルダー付加体の製造方法
JPH09227489A (ja) * 1996-02-28 1997-09-02 Mitsui Toatsu Chem Inc シアノノルボルネンの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104384132A (zh) * 2014-11-05 2015-03-04 华玉叶 反应器除垢的方法
WO2017126652A1 (ja) * 2016-01-20 2017-07-27 日揮プラントイノベーション株式会社 重質炭化水素又は分子に極性を与える元素を含む系に生成したスラッジ及び硬質化皮膜除去用の洗浄液組成物、ならびにそれを用いた洗浄方法
CN115889369A (zh) * 2023-02-24 2023-04-04 山西钢科碳材料有限公司 丙烯腈聚合反应釜凝胶的清洗方法
CN115889369B (zh) * 2023-02-24 2023-07-18 山西钢科碳材料有限公司 丙烯腈聚合反应釜凝胶的清洗方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4598987B2 (ja) 2010-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20120038997A (ko) 특정 조건 하에서 알케논의 할로겐화 전구체를 제조하는 방법
JPH0354940B2 (ja)
JP7166911B2 (ja) シクロブテンの製造方法
JP4598987B2 (ja) 付着重合物の除去方法
JP4852206B2 (ja) シクロブタンテトラカルボン酸二無水物化合物の製造法
JP2002538130A (ja) ジアセトキシブテンの連続製造方法
JP5588130B2 (ja) メチレンビス(ベンゾトリアゾリルフェノール)化合物の製造方法
JP5599271B2 (ja) クロロプロパンの製造方法
JP5360806B2 (ja) フッ化シクロブタン化合物の製造方法
JP5585445B2 (ja) ラウロラクタムの製造方法
JPH06122667A (ja) 3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの連続的製造方法
HU203075B (en) Process for producing 4-halogen-3-oxo-2-alkoxyiminobutyric acid esters
US5714650A (en) Continuous manufacture of 1,1-difluoroethane
JPH04257532A (ja) 1,1,1−トリフルオロ−2,2−ジクロロエタンの製造方法
JP3216912B2 (ja) 2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−3−オンの製造法
JPS62129242A (ja) 含フツ素α,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JPS5951533B2 (ja) シアノノルボルネンの製造方法
JP2685563B2 (ja) 弗化ジアゾニウムの連続分解
CN106673978A (zh) 3,5‑二氯‑2‑戊酮的连续化合成方法
JP5008311B2 (ja) 六員環ラクトン(メタ)アクリル酸エステルの製造方法
JP3717277B2 (ja) 高純度の1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンおよびその製造方法
JPH08268985A (ja) 不飽和第4級アンモニウム塩の製造法
JP3722530B2 (ja) 含フッ素ビニルエーテルの製造方法
WO2002020444A1 (fr) Procede de production de fluoroalcanol
WO2002070474A1 (en) Process for producing lactam

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070706

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20071023

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100623

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100915

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100927

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4598987

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131001

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131001

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees