JP2002355944A - 樹脂シートの印刷方法及び樹脂シート印刷機 - Google Patents

樹脂シートの印刷方法及び樹脂シート印刷機

Info

Publication number
JP2002355944A
JP2002355944A JP2001162504A JP2001162504A JP2002355944A JP 2002355944 A JP2002355944 A JP 2002355944A JP 2001162504 A JP2001162504 A JP 2001162504A JP 2001162504 A JP2001162504 A JP 2001162504A JP 2002355944 A JP2002355944 A JP 2002355944A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin sheet
ink
printing
intaglio
plate cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001162504A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3454508B2 (ja
Inventor
Toshiyuki Oishi
敏行 大石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nakamoto Packs Co Ltd
Original Assignee
Nakamoto Packs Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nakamoto Packs Co Ltd filed Critical Nakamoto Packs Co Ltd
Priority to JP2001162504A priority Critical patent/JP3454508B2/ja
Publication of JP2002355944A publication Critical patent/JP2002355944A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3454508B2 publication Critical patent/JP3454508B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、樹脂シートに印刷を施す際に生じ
るフィッシュアイ現象を補修しながら印刷を行うことが
でき、該補修に伴う色調整を必要としない樹脂シートの
印刷方法と該印刷方法にかかる樹脂シート印刷機を提供
することを課題とする。 【解決手段】 本発明にかかる樹脂シート印刷機は、第
一凹版に塗布された第一インキを樹脂シートにインキ転
移させる第一印刷装置と、前記第一印刷装置によって印
刷された樹脂シートの第一インキ上に、第二凹版に塗布
された第二インキを間接的にインキ転移させる第二印刷
装置とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品包装材に使用
される樹脂シートの印刷方法及び該方法にかかる印刷機
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、食品などの容器とされる樹脂
シートにデザインや商品名などを印刷する方法としてグ
ラビア印刷方式が採用されている。グラビア印刷方式に
かかる印刷機(以下、グラビア印刷機という)は、印刷
の型となる凹版が外周面に設けられた円柱状の版胴と、
印刷対象物である樹脂シートに印圧を生じさせる外周面
がゴムで形成された円柱状の圧胴と、インキを溜めるイ
ンキパンと、該インキパンに溜められたインキを前記版
胴の凹版に接触しながら塗布する円柱状のファニッシャ
ーロールと、該ファニッシャーロールによって版胴に塗
布された余分なインキを欠き落とすスクレーパーとを備
えたものである。
【0003】通常、一台の上記構成のグラビア印刷機で
樹脂シートに印刷を施しても、樹脂シート上に薄いイン
キの被膜を形成した状態となり、インキの色よりも薄い
色となってしまう。したがって、濃い色が必要な場合に
は、同色のインキを重ね塗りするようにして、色の濃さ
を調整する必要がある。つまり、インキの膜を厚くして
色の濃さを濃くするのである。このようにするために、
通常、インキパンに同色のインキが入れられた上記構成
のグラビア印刷機を複数台直列に配置し、該複数のグラ
ビア印刷機に樹脂シートが連続的に送給され、該樹脂シ
ートの一面が印刷されている。
【0004】また、樹脂シートに印刷されるデザインが
複数色で構成された場合、直列且つ連続的に配置された
複数のグラビア印刷機の夫々のインキパンに異なる色の
インキを入れて印刷する。また、複数色で印刷された場
合に、色の濃さなどの色調整を行うために、各色毎に複
数のグラビア印刷機を、直列且つ連続的に配置し、この
各色毎に形成されたグラビア印刷機の群同士を、さらに
直列且つ連続的に配置する。このように配置されたグラ
ビア印刷機で樹脂シートを印刷した場合、最初のグラビ
ア印刷機の群で最初のインキを重ね塗りするように印刷
し、その後に更に後段のグラビア印刷機の群で別のイン
キを重ね塗りするように連続して印刷するするのであ
る。つまり、色の数に対応した数のグラビア印刷機の群
によって印刷されるのである。このとき、凹版は、各色
毎に対応したデザインの一部が施されたものとされてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、被印刷
物である樹脂シートは、融点の異なる樹脂を共重合させ
て製造された耐熱ポリスチレン等をシート状にしたもの
であり、樹脂を共重合させたときに樹脂が溶けきらず、
樹脂の塊(ゲル)が出来る場合がある。このゲルによ
り、樹脂シートの面に微小な凸部形成されて均一な面を
形成することができないのである。
【0006】この樹脂シートをグラビア印刷機で印刷し
た場合、グラビア印刷機の凹版が複数の微小な凹部で形
成さているため、この複数の微小な凹部を形成する複数
の微小な凸部が、ゲルによって形成された樹脂シートの
凸部と接触し、樹脂シートの平面と凸部との間に、凹版
の凹部に充填されたインキが樹脂シートに転移せず、ド
ーナツ状の非塗布部が形成される場合があった。いわゆ
るフィッシュアイ現象が生じるのである。
【0007】また、印刷される樹脂シートは、数千メー
トルにもおよぶ長さを有した帯体であり、該帯体を芯管
に巻き回されてロール状をなしたものが印刷機にセット
される。したがって、数千メートルもの長さの樹脂シー
トの全てが印刷された後に、非塗布部(フィッシュアイ
現象が生じた部分)にインキを載せて補修することは困
難であった。また、樹脂シートのロールの全てが印刷さ
れた後に、フィッシュアイ現象の補修のためにその樹脂
シートを再度印刷した場合、樹脂シートの印刷の色の濃
さが変化してしまうのである。つまり、樹脂シートに施
される印刷の色が想定されていた最終製品の色と異なっ
てしまい、印刷された樹脂シートが不良品となることが
あった。
【0008】そこで、本発明は、樹脂シートに印刷を施
す際に生じるフィッシュアイ現象を補修しながら印刷を
行うことができ、該補修に伴う色調整を必要としない樹
脂シートの印刷方法と該印刷方法にかかる樹脂シート印
刷機を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
請求項1記載の樹脂シートの印刷方法は、第一凹版1に
塗布された第一インキAを樹脂シートSにインキ転移さ
せる第一印刷装置2と、前記第一印刷装置2によって印
刷された樹脂シートSの第一インキA上に、第二凹版3
に塗布された第二インキBを間接的にインキ転移させる
第二印刷装置4とを備えた樹脂シート印刷機の印刷方法
であって、外周面に第一凹版1が設けられた円柱状の第
一版胴5を回転させて第一凹版1に第一インキAを塗布
し、該第一インキAが塗布された第一版胴5上に長尺の
樹脂シートSを連続的に送給するとともに、該送給され
た樹脂シートSに印圧が生じるように、樹脂シートSを
介して第一版胴5の回転と同期をとって回転する円柱状
の第一圧胴6で樹脂シートSを押圧して前記第一版胴5
の第一インキAを樹脂シートS上にインキ転移させる一
方、外周面に第二凹版3が設けられた円柱状の第二版胴
7を回転させて第二凹版3に第二インキBを塗布し、該
第二インキBを第二版胴7の回転と同期をとって回転す
る円柱状の転写ロール8の外周面に転移させ、該第二イ
ンキBが転移した転写ロール8上に第一インキAを転移
させた樹脂シートSを連続的に送給するとともに、該送
給された樹脂シートSに印圧が生じるように、樹脂シー
トSを介して転写ロール8の回転と同期をとって回転す
る円柱状の第二圧胴9で樹脂シートSを押圧し、該樹脂
シートSの第一インキA上に前記転写ロール8の第二イ
ンキBをインキ転移させることを特徴とする。
【0010】上記方法によって樹脂シートSに印刷が施
されれば、第一凹版1の第一インキAが樹脂シートSに
インキ転移しきれずに、フィッシュアイ現象が生じて
も、転写ロール8の外周面の転移させて第二インキBが
フィッシュアイ現象が生じた部分に第二インキBがイン
キ転移し、フィッシュアイ現象を解消することができ
る。
【0011】詳しくは、樹脂シートSに直接インキを転
移させる第一凹版1は、複数の微小な凹部を形成する複
数の微小な凸部を有している。したがって、従来通り、
フィッシュアイ現象が生じる。一方、転写ロール8は、
凹凸の無い外周面を有しており、第二凹版3の第二イン
キBが転写ロール8の外周面に転移される。したがっ
て、転写ロール8の外周面は、液状の第二インキBのみ
が盛り上がって付着している状態となっている。このよ
うな状態の転写ロール8上に、フィッシュアイ現象が生
じた樹脂シートSを送給し、第二圧胴9で該樹脂シート
Sを印圧すれば、転写ロール8の外周面に盛り上がって
付着した第二インキBが押しつぶされた状態となり、フ
ィッシュアイ現象の生じた部分にインキが流れ込み、フ
ィッシュアイ現象が解消される。
【0012】また、上記工程でフィッシュアイ現象が解
消されるので、ロール状に巻かれた樹脂シートSの最初
の部分だけを上記工程で印刷(試し刷り)すれば色調整
ができる。つまり、樹脂シートSのロールの全てが印刷
された後に、フィッシュアイ現象の補修を行わないの
で、上記工程で最終製品の色の濃さに調整しておけば、
その後に色調整を行う必要がない。そして、上記工程
(第一印刷装置2と第二印刷装置4)の一工程だけで濃
い色がだせない場合には、上記工程と同一の工程を連続
して繰り返し、樹脂シートSを連続して印刷すれば樹脂
シートSにさらに濃い色を施すことができる。また、複
数の色によって構成されたデザインを印刷する場合に
は、異なる色のインキを備えた上記工程と同一工程を色
の数に対応させて行えばよい。
【0013】また、樹脂シートの印刷方法は、請求項2
記載の如く、第一凹版1に塗布された第一インキAを樹
脂シートSにインキ転移させる第一印刷装置2と、該第
一印刷装置2によって印刷された樹脂シートSの第一イ
ンキAを強制乾燥させる第一乾燥装置10と、該第一乾
燥装置10によって乾燥された樹脂シートSの第一イン
キA上に、第二凹版3に塗布された第二インキBを間接
的にインキ転移させる第二印刷装置4と、該第二印刷装
置4によって印刷された樹脂シートSの第二インキBを
強制乾燥させる第二乾燥装置11とを備えた樹脂シート
印刷機の印刷方法であって、外周面に第一凹版1が設け
られた円柱状の第一版胴5を回転させて第一凹版1に第
一インキAを塗布し、該第一インキAが塗布された第一
版胴5上に長尺の樹脂シートSを連続的に送給するとと
もに、該送給された樹脂シートSに印圧が生じるよう
に、樹脂シートSを介して第一版胴5の回転と同期をと
って回転する円柱状の第一圧胴6で樹脂シートSを押圧
して前記第一版胴5の第一インキAを樹脂シートSにイ
ンキ転移させた後に、該第一インキAを強制乾燥させる
一方、外周面に第二凹版3が施された円柱状の第二版胴
7を回転させて第二凹版3に第二インキBを塗布し、該
第二インキBを前記第二版胴7の回転と同期をとって回
転する円柱状の転写ロール8の外周面に転移させ、該第
二インキBが転移した転写ロール8上に、強制乾燥によ
って第一インキAが乾燥された樹脂シートSを連続的に
送給するとともに、該送給された樹脂シートSに印圧が
生じるように、転写ロール8の回転と同期をとって回転
する円柱状の第二圧胴9で転写ロール8上に送給された
前記樹脂シートSを押圧し、該樹脂シートSの乾燥した
第一インキA上に第二インキBをインキ転移させた後
に、該第二インキBを強制乾燥させてもよい。
【0014】上記方法を採用すれば、樹脂シートSに転
移された第一インキAを強制的に乾燥させることで、転
写ロール8の第二インキBが効率よく転移する。また、
第二インキBを強制乾燥させれば、印刷時間の短縮を図
ることができる。したがって、フィッシュアイ現象が解
消されることは勿論のこと、樹脂シートSの高速印刷も
可能となる。
【0015】また、上記方法にかかる樹脂シート印刷機
は、請求項3記載の如く、第一凹版1に塗布された第一
インキAを樹脂シートSにインキ転移させる第一印刷装
置2と、前記第一印刷装置2によって印刷された樹脂シ
ートSの第一インキA上に、第二凹版3に塗布された第
二インキBを間接的にインキ転移させる第二印刷装置4
とを備えた樹脂シート印刷機であって、前記第一印刷装
置2は、両端が枢支された円柱状の第一版胴5と、該第
一版胴5の外周面に着脱自在に設けられた第一凹版1
と、樹脂シートSに印圧を生じさせて第一凹版1の第一
インキAが樹脂シートSにインキ転移するように両端が
枢支された円柱状の第一圧胴6とを備える一方、前記第
二印刷装置4は、両端が枢支された円柱状の第二版胴7
と、該第二版胴7の外周面に着脱自在に設けられた第二
凹版3と、該第二凹版3に塗布された第二インキBが外
周面に転移するように両端が枢支された円柱状の転写ロ
ール8と、樹脂シートSに印圧が生じさせて転写ロール
8の第二インキBが樹脂シートSにインキ転移するよう
に両端が枢支された円柱状の第二圧胴9とを備えたこと
を特徴とする。
【0016】上記構成の樹脂シート印刷機によって樹脂
シートを印刷する場合、ロール状に巻かれた樹脂シート
Sの先端部分を引き出し、該樹脂シートSの先端部分
が、第一凹版1と第一圧胴6とで挟持されるようにセッ
トされる。その後、両端が枢支された円柱状の第一凹版
1を回転させる。この時、第一圧胴6は、樹脂シートS
に印圧をかけた状態をなしているので、第一版胴5の回
転と同期をとって回転する。
【0017】また、第一版胴5は、回転しながら該第一
版胴5の第一凹版1に第一インキAが塗布される。かか
る第一凹版1は、複数の微小な凹部によって版を形成し
ているので、該凹部に第一インキAが充填されるように
第一インキAが塗布されるのである。したがって、第一
版胴5と第一圧胴6との回転で、樹脂シートSが送られ
ながら該樹脂シートSの一表面に、第一インキAがイン
キ転移される。このように印刷された樹脂シートSは、
転写ロール8上に送給される。
【0018】かかる転写ロール8は、第二版胴7の回転
と同期をとって回転している。そして、第二版胴7の第
二凹版3と転写ロール8の外周面が略接触しているの
で、第二版胴7に塗布された第二インキBが転写ロール
8の外周面に転移される。換言すれば、転写ロール8の
外周面に第二凹版3に対応した形で第二インキBが付着
するのである。この時、第二圧胴9は、転写ロール8上
に送給された樹脂シートSに印圧をかけた状態をなして
いるので、転写ロール8の回転と同期をとって回転す
る。かかる転写ロール8付着させた第二インキBは、転
写ロール8の外周面に対して盛り上がった状態で付着し
ているので、第二圧胴9で印圧をかけながら送給される
樹脂シートSの一表面に、転写ロール8の外周面上に盛
り上がった第二インキBを押しつぶすようにインキ転移
させるのである。したがって、第一凹版1によってイン
キ転移された樹脂シートSにフィッシュアイ現象が生じ
ても、該フィッシュアイ現象部分に第二インキBが流れ
込み、フィッシュアイ現象を解消するのである。
【0019】また、第一印刷装置2と第二印刷装置4に
よって、フィッシュアイ現象を解消することが出来るの
で、第二印刷装置4で印刷した状態をみて印刷の色調整
を行うことができる。したがって、樹脂シートSの全て
を印刷する必要もなく、最小限の樹脂シートSを試し刷
りして色合わせをすればよいのである。
【0020】そして、請求項4記載の如く、前記第一圧
胴6及び転写ロール8の少なくとも外周面が弾性体12
とされれば、樹脂シートSへのインキ転移を効率良く行
うことができる。
【0021】また、請求項5記載の如く、第一印刷装置
2によって樹脂シートSに転移された第一インキA又は
第二印刷装置4によって樹脂シートSに転移された第二
インキBの少なくとも何れか一方を強制乾燥する乾燥装
置10,11をさらに加えれば、印刷時間を短縮するこ
とができる。そして、第一印刷装置2で転移された第一
インキAを強制乾燥すれば、第一印刷装置2の後段に配
置された第二印刷装置4で印刷する時に、第二インキB
が転移しやすくなる。また、樹脂シートS上の第一イン
キAが流れてしまうことが防止できる。さらに、第二イ
ンキBを強制乾燥すれば、樹脂シートSの巻取りも容易
になる。また、第二印刷装置4の後段に更に別の印刷機
を配置して樹脂シートSを連続的に印刷しても、第二イ
ンキBが乾燥しているので、別の印刷機によるインキ転
移が良好なものとなる。
【0022】また、請求項6記載の如く、前記乾燥装置
10,11が熱風乾燥装置とされれば第一インキA及び
第二インキBの表面が速く乾く。
【0023】さらに、インキが赤外線によって硬化が速
まる物の場合には、請求項7記載の如く、前記乾燥装置
10,11が赤外線乾燥装置とされてもよい。赤外線乾
燥装置を採用して、所定の波長の赤外線又は遠赤外線を
インキに照射すれば、インキ中の分子が振動し、インキ
の内部温度が上昇するのでインキの乾燥、硬化を速める
ことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる樹脂シート
印刷機の一実施形態について、図面を参酌しつつ説明す
る。
【0025】図1は、本実施形態にかかる樹脂シート印
刷機の概略構成図である。かかる樹脂シート印刷機は、
被印刷物である樹脂シートSのロール13が配置される
ロール装着装置14と、該ロール装着装置14に配置さ
れたロール13から引き出された樹脂シートSを第一イ
ンキAで印刷する第一印刷装置2と、該第一印刷装置2
によって施された印刷を乾燥する第一乾燥装置10と、
該第一乾燥装置10によって乾燥された印刷面をさらに
第二インキBで印刷する第二印刷装置4と、該第二印刷
装置4によって施された印刷を乾燥する第二乾燥装置1
1と、該第二乾燥装置11で印刷が乾燥された樹脂シー
トS(印刷済樹脂シート)をロール状に巻き取る巻取り
部(図示せず)とで構成されている。ここで、樹脂シー
トSのロール13とは、両端に開口を形成する紙管(以
下、芯という)の外周に未印刷の樹脂シートSが巻き回
されたものをいう。また、第一インキAとは、第一印刷
装置2で使用するインキを言い、第二インキBとは、第
二印刷装置4で使用するインキのことをいう。そして、
第一インキAと第二インキBは、同色のインキである。
【0026】まず、ロール装着装置14について説明す
ると、前記ロール装着装置14は、樹脂シートSのロー
ル13の芯が水平となるように、該ロール13の両端開
口の夫々に位置決めして取付けられた軸を着脱自在且つ
回転自在に枢支する一対の枢支部がロールの長さに対応
した間隔で配置されている。
【0027】次に、第一印刷装置2について説明する
と、前記第一印刷装置2は、第一インキAが塗布される
とともに、該第一インキAを樹脂シートSにインキ転移
させる印刷のデザインとなる第一凹版1を取りつけた第
一版胴5と、第一インキAを前記第一凹版1上に塗布す
るファニッシャーロール15と、第一インキAを溜める
第一インキパン16と、第一版胴5の第一凹版1に付着
した余分な第一インキAを欠き取る第一スクレーパー1
7と、第一版胴5上に樹脂シートSが位置した時に、樹
脂シートSに印圧をかける第一圧胴6と、該第一圧胴6
が樹脂シートSに印圧を生じさせるように、第一圧胴6
を押圧するバックアップロール18とで構成されてい
る。
【0028】前記第一版胴5は、円柱状をなしており、
該第一版胴5の両端には、該第一版胴5の軸心と同一軸
心の軸が第一版胴5の両端面から突出するように設けら
れている。また、一方の軸には、第一版胴5を樹脂シー
トSの送給方向に対応させて回転させるように、減速器
を介してモータ(図示せず)が連結されている。さら
に、第一版胴5の外周面の全面には、第一凹版1が着脱
自在に取りつけられている。ここで、第一凹版1は、折
り曲げ可能な板材の一面に、複数の微小な凹部によって
樹脂シートSに印刷するデザインと同一の形が施された
凹版である。このように構成された第一版胴5は、軸心
が水平をなすように、第一印刷装置2のフレーム(図示
せず)に両端の軸が枢支された状態で取りつけられてい
る。
【0029】前記ファニッシャーロール15は、円柱状
をなしており、長さが、前記第一版胴5と略同等の長さ
とされる一方、直径が前記第一版胴5よりも小さくされ
ている。また、ファニッシャーロール15の両端には、
該ファニッシャーロール15と同一軸心となるようにフ
ァニッシャーロール15の両端面から突出した軸が設け
られている。そして、上記構成のファニッシャーロール
15は、該ファニッシャーロール15の軸心と前記第一
版胴5の軸心とが平行をなし、且つファニッシャーロー
ル15の外周面と第一版胴5の第一凹版1とが接触する
ように第一版胴5の下方に配置されるとともに、軸方向
のファニッシャーロール15の外周面に第一インキAが
適度に付着するように第一インキパン16の第一インキ
Aに外周面の一部を浸漬した状態で、第一印刷装置2の
フレーム(図示せず)に両端の軸が回転自在に枢支され
た状態で取りつけられている。
【0030】前記第一インキパン16は、ファニッシャ
ーロール15の長さ以上の奥行き有している。また、フ
ァニッシャーロール15の外径が納まり、且つ第一スク
レーパー17によって欠き落とされた第一凹版1の余分
なインキを受けることができる幅を有している。そし
て、奥行き及び幅を考慮して所定の液量の第一インキA
を溜めることが出来る深さを有している。
【0031】前記第一スクレーパー17は、平面視が略
長方形状をなしており、第一凹版1に付着した余分なイ
ンキを欠き落とすために、長辺が第一版胴5の長さと略
同等とされている。また、一方の長辺には、鋭く尖った
エッジが形成されている。そして、第一スクレーパー1
7は、前記第一版胴5の軸心とエッジとが平行をなし、
且つ第一インキAが塗布された第一版胴5の外周面にエ
ッジが接触するように、第一印刷装置2のフレーム(図
示せず)に固定されている。
【0032】前記第一圧胴6は、円柱状をなしており、
外周面が弾性体であるゴム12によって形成されてい
る。かかる第一圧胴6は、長さが前記第一版胴5と略同
等の長さとされ、直径が前記第一版胴5よりも小さく、
ファニッシャーロール15よりも大きくされている。ま
た、第一圧胴6の両端には、該第一圧胴6と同一軸心と
なるように、第一圧胴6の両端面から突出した軸が設け
られている。そして、第一圧胴6は、該第一圧胴6の軸
心と前記第一版胴5の軸心とが平行をなし、且つ第一圧
胴6の外周面と第一版胴5の第一凹版1とが略接触する
ように前記第一版胴5の上方に位置させた状態で、第一
印刷装置2のフレーム(図示せず)に両端の軸が上下方
向に変移可能に枢支されている。
【0033】前記バックアップロール18は、円柱状を
なしており、長さが前記第一版胴5と略同等の長さとさ
れ、直径が前記第一版胴5よりも小さく、第一圧胴6よ
りも大きくされている。また、バックアップロール18
の両端には、該第バックアップロール18と同一軸心と
なるように、バックアップロール18の両端面から突出
した軸が設けられている。そして、上記構成のバックア
ップロール18は、該バックアップロール18の軸心と
前記第一圧胴6の軸心とが平行をなし、且つバックアッ
プロール18の外周面と第一圧胴6の外周面とが常に接
触するように前記第一圧胴6上に配置され、第一印刷装
置2のフレーム(図示せず)に両端の軸が枢支されてい
る。詳しくは、バックアップロール18は、前記第一圧
胴6の上下方向の変移に対応するように変移可能に取り
つけられ、しかも第一圧胴6が樹脂シートSに印圧を生
じさせるように、押圧手段(図示せず)によって押圧さ
れている。つまり、押圧手段によって発生させた押圧力
がバックアップロール18を介して第一圧胴6に伝達さ
れた力が印圧となるように構成されている。
【0034】次に、第一乾燥装置10を説明すると、第
一乾燥装置10は、熱源とされるヒータ23と、該ヒー
タ23によって暖められた空気を送風するブロア24
と、該ブロア24によって送風された熱風で樹脂シート
Sの印刷を乾燥させる乾燥室25とで構成されている。
【0035】前記ヒータ23は、電気抵抗の高い熱線に
通電することで、ジュール熱を発生させる電熱ヒータで
ある。そして、前記ブロア24は、ターボファンが採用
されており、該ブロア24の送風口と前記ヒータ23と
が配管接続されている。
【0036】前記乾燥室25は、箱体で形成されてお
り、印刷された樹脂シートSが箱体内を通過可能なよう
に、該箱体の一対の対向面の各々に開口が形成されてい
る。また、かかる開口を形成した面と直角をなした面に
は、箱体内を通過する樹脂シートSに四方から熱風を吹
きかけるように複数の熱風排出口26が設けられてい
る。そして、該複数の熱風排出口26の各々は、前記ヒ
ータ23からの送風管と接続されている。
【0037】したがって、上記構成の第一乾燥装置10
は、ヒータ23を介して、ブロア24で発生させた風を
熱風にして乾燥室25内に排出するようになっている。
【0038】次に、第二印刷装置4について説明する。
前記第二印刷装置4は、第二インキBが塗布される印刷
のデザインとなる第二凹版3を取りつけた第二版胴7
と、第二凹版3に塗布された第二インキBを樹脂シート
Sにインキ転移させる転写ロール8と、第二インキBを
溜める第二インキパン19と、第二凹版3に付着した余
分な第二インキBを欠き取る第二スクレーパー20と、
転写ロール8上に樹脂シートSが位置した時に、樹脂シ
ートSに適度な印圧をかける第二圧胴9とで構成されて
いる。
【0039】前記第二版胴7は、円柱状をなしており、
長さ及び外径が前記第一版胴5と略同等とされている。
該第二版胴7の両端には、該第二版胴7の軸心と同一軸
心の軸が第二版胴7の両端面から突出するように設けら
れている。また、一方の軸には、第二版胴7を前記第一
版胴5と略同回転数で前記第一版胴5の回転方向の逆方
向に回転させるように、減速器を介してモータ(図示せ
ず)が連結されている。さらに、第二版胴7の外周面の
全面には、第二凹版3が着脱自在に取りつけられてい
る。ここで、第二凹版3は、折り曲げ可能な板材の一面
に、複数の微小な凹部によって樹脂シートSに印刷する
デザインが反転した形が施された凹版である。そして、
第二版胴7は、軸方向の第二版胴7の第二凹版3に第二
インキBが適度に付着するように第二インキパン19の
第二インキBに第二凹版3の一部を浸漬した状態で、第
二印刷装置4のフレーム(図示せず)に、水平をなして
両端の軸が回転自在に枢支された状態で取りつけられて
いる。
【0040】前記転写ロール8は、円柱状をなしてお
り、長さ及び外径が前記第二凹版3を装着した第二版胴
7と略同等とされている。そして、転写ロール8の外周
面は、弾性体であるゴム12によって形成されている。
また、転写ロール8の両端には、該転写ロール8と同一
軸心となるように、転写ロール8の両端面から突出した
軸が設けられている。そして、転写ロール8は、該転写
ロール8の外周面に、第二凹版3に付着した第二インキ
Bが転移するように、第二版胴7の軸心と前記第一版胴
5の軸心とが平行をなし、且つ転写ロール8の外周面と
第二凹版3とが接触するように前記第二版胴7の上方に
位置させた状態で、第二印刷装置4のフレーム(図示せ
ず)に両端の軸が枢支されている。
【0041】前記第二インキパン19は、第二版胴7の
長さ以上の奥行き有している。また、第二版胴7の外径
が納まり、且つ第二スクレーパー20によって欠き落と
された第二凹版3の余分な第二インキBを受けることが
できる幅を有している。そして、奥行き及び幅を考慮し
て所定の液量の第二インキBを溜めることが出来る深さ
を有している。
【0042】前記第二スクレーパー20は、前記第一ス
クレーパー17と同様に、平面視が略長方形状をなして
おり、第二版胴7に付着した余分なインキを欠き落とす
ために、長辺が第二版胴7の長さと略同等とされてい
る。また、一方の長辺には、鋭く尖ったエッジが形成さ
れている。そして、第二スクレーパー20は、前記第二
版胴7の軸心とエッジとが平行をなし、且つ第二凹版3
にエッジが接触するように、第二印刷装置4のフレーム
(図示せず)に固定されている。
【0043】前記第二圧胴9は、円柱状をなしており、
長さが前記転写ロール8と略同等の長さとされ、直径が
前記転写ロール8よりも小さくされている。また、第二
圧胴9の両端には、該第二圧胴9と同一軸心となるよう
に、第二圧胴9の両端面から突出した軸が設けられてい
る。そして、第二圧胴9は、該第二圧胴9の軸心と前記
転写ロール8の軸心とが平行をなし、且つ第二圧胴9の
外周面と転写ロール8の外周面とが略接触するように前
記転写ロール8の上方に位置させた状態で、第二印刷装
置4のフレーム(図示せず)に両端の軸が枢支されてい
る。
【0044】そして、第二乾燥装置11は、前記第一乾
燥装置10と同じものが採用されている。
【0045】次に、前記巻取り装置は、印刷済の樹脂シ
ートSの巻取り用に用意された紙管の両端開口に取りつ
けた軸を枢支するとともに、樹脂シートSの巻取り方向
に対応して紙管を回転させるようになっている。
【0046】そして、ロール装着装置14、第一印刷装
置2、第一乾燥装置10、第二印刷装置4、第二乾燥装
置11、巻取り部の夫々の装置間には、樹脂シートSの
送給によって各装置でトラブルが発生しにくいように、
樹脂シートSの張りや、送給方向の調整を行う複数のガ
イドローラー21が設けられている。そして、第一印刷
装置2と第二印刷装置4との間には、第一印刷装置2と
第二印刷装置4の印刷処理能力を対応させるように、樹
脂シートSに引っ張りを生じさせるテンショナー22が
設けられている。つまり、テンショナー22は、第一印
刷装置2の第一凹版1によってインキ転移された場所
に、第二印刷装置4の転写ロール8に転移された第二イ
ンキBがずれることなくインキ転移されるように、樹脂
シートSの送給を調整するために設けられているのであ
る。
【0047】上記構成の樹脂シート印刷装置に樹脂シー
トSをセットする場合、ロール装着装置14にセットさ
れたロール13から樹脂シートSの先端を引き出し、そ
の樹脂シートSの先端を複数のガイドローラー21を介
して、第一凹版1と第一圧胴6の間に送給する。さら
に、乾燥室25の開口に樹脂シートSを挿通したのち
に、複数のガイドローラー21及びテンショナー22を
介し、転写ロール8と第二圧胴9の間に送給する。そし
て、第一乾燥装置10の場合と同様に、樹脂シートSを
乾燥室25の開口に挿通し、ガイドローラー21を介し
て巻取り部にセットされた紙管に巻きつける。
【0048】このようにセットされた樹脂シートSを印
刷する場合、まず、試し刷りが行われる。このとき、樹
脂シートSに転移したインキの色合い、濃さが調整され
る。したがって、第一印刷装置2及び第二印刷装置4を
通過して印刷された樹脂シートSのロール13の巻き終
わり部分で確認する。
【0049】印刷の色あい、濃さが調整されると、次に
連続的な印刷が行われる。印刷が開始されるときは、前
記第一版胴5及び第二版胴7の夫々が、減速機を介して
モータによって回転を開始する。また、巻取り部も紙管
を回転させて巻取りを開始する。
【0050】ロール装着装置14にセットされたロール
13は、第一版胴5の回転に伴って、引き出され、順次
第一版胴5上と通過する。このとき、第一凹版1銅の回
転によって、第一インキパン16の第一インキAに一部
が浸漬さえたファニッシャーロール15も回転し、該フ
ァニッシャーロール15の外周面に第一インキAが付着
する。そして、外周面を接触させてファニッシャーロー
ル15を回転させている第一版胴5に取りつけた第一凹
版1上に第一インキAが転移する。そして、凹版である
第一凹版1の凹部に納まりきらなかった余分な第一イン
キAが、第一凹版1に接触している第一スクレーパー1
7によって欠き落とされる。つまり、第一凹版1の凹部
には、必要最小限の第一インキAのみが充填された状態
となっているのである。そして、バックアップロール1
8が第一圧胴6を押圧しているので、第一版胴5上に位
置した樹脂シートSに印圧を加える。印圧が加えられた
樹脂シートSは、第一凹版1の凹部に充填されていた第
一インキAが転移される。このように、上記工程が連続
して行われて、樹脂シートSの一表面を連続的に印刷さ
れるのである。
【0051】そして、第一印刷装置2で印刷された部分
が第一乾燥装置10を通過する際に、熱風によって第一
インキAが、乾燥されるのである。
【0052】そして、第一乾燥装置10を通過した樹脂
シートSは、ガイドローラー21及びテンショナー22
を介して、第二印刷装置4に送給される。このとき、第
二インキパン19の第二インキBに浸漬された第二版胴
7が回転し、第二版胴7の第二凹版3上に第二インキB
が直接付着する。そして、第二凹版3に接触している第
二スクレーパー20によって、第二凹版3上に付着した
余分な第二インキBが欠き取られ、第二凹版3の凹部に
のみ、第二インキBが充填された状態にする。そして、
該第二凹版3に接触した転写ロール8の外周面に第二凹
版3の凹部に充填されていた第二インキBが転移され
る。つまり、転写ロール8の外周面に対して盛り上がっ
た状態で、第二インキBが付着する。そして、転写ロー
ル8上に送給された樹脂シートS上に、第二圧胴9が印
刷を生じさせ、転写ロール8の外周面に付着していた第
二インキBを樹脂シートSに転移させる。
【0053】このように印刷された樹脂シートSは、さ
らに第二乾燥装置11によって、樹脂シートSに転移し
た第二インキBを乾燥させたのち、ガイドローラー21
を介して巻取り部に送給され、巻取り部にセットされた
紙管の外周に巻き回されて印刷が完了する。
【0054】樹脂シートSに塊状のゲルがある場合、第
一印刷装置2では、図2示す如く、第一版胴5と第一圧
胴6との接触部付近で、ゲルGが挟まれた状態となり、
樹脂シートSの平らな部分とゲルGとの境界部分に、第
一版胴5の第一凹版1の凹部に充填された第一インキA
が接触しない状態となる。つまり、フィッシュアイ現象
が生じる。
【0055】しかし、第一印刷装置2の後段に配置され
た第二印刷装置4では、かかるフィッシュアイ現象の生
じた部分が転写ロール8上を通過するときに、図3
(イ)に示す如く、転写ロール8上に盛り上がったよう
に付着した第二インキBが第二圧胴9による印圧により
押し潰されたようになり、フィッシュアイ現象が生じた
部分に第二インキBが流れ込むのである。また、転写ロ
ール8及び第二圧胴9の軸心間をゲルが通過したとき
も、図3(ロ)に示す如く、転写ロール8上に盛り上が
ったように付着した第二インキBが第二圧胴9による印
圧により押し潰されるように樹脂シートSにインキ転移
するのである。
【0056】したがって、ロールの全ての印刷が完了し
た時には、樹脂シートSは、印刷の色あい、濃さ調整が
なされ、フィッシュアイ現象も解消された状態となるの
である。
【0057】以上のように、第一印刷装置2及び第二印
刷装置4によって樹脂シートSを連続的に印刷するの
で、これまで困難であったフィッシュアイ現象の補修に
伴う、印刷の色調整が必要とせず、しかも、印刷開始時
に必要最小限の樹脂シートSの試し刷りを行うことで印
刷の色あい、色の濃さを調整することができ、しかもフ
ィッシュアイ現象も解消することができる。つまり、高
品質な印刷が可能となり、しかもフィッシュアイ現象に
伴う補修、色調整を必要としないので、製造工程が短縮
され、印刷コストのコストダウンが可能となった。
【0058】なお、本発明にかかる樹脂シート印刷機
は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の
趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0059】また、本実施形態においては、第一印刷装
置2及び第二印刷装置4のみでの印刷工程を説明した
が、印刷の色を濃くする場合や、複数の色によって印刷
される場合には、第一印刷装置2及び第二印刷装置4を
備えた樹脂シート印刷機を複数直列に設けて印刷するよ
うにしてもよい。つまり、第一印刷装置2が最前段に位
置し、第二印刷装置4が最後段に位置するように複数の
第一印刷装置2及び第二印刷装置4を交互に配置したも
のとすればよいのである。
【0060】さらに、本実施形態においては、第一印刷
装置2及び第二印刷装置4の一対で構成された樹脂シー
ト印刷機について説明したが、第一印刷装置2及び第二
印刷装置4の一対で構成されるものに限定されるもので
はなく、例えば、二台以上の第一印刷装置2を配置し、
その後段に一台の第二印刷装置4を設けたものであって
もよい。詳しくは、一台の第二印刷装置4の印刷で形成
される第二インキBの塗膜によって、フィッシュアイ現
象を補修することのできる範囲であれば、第一印刷装置
を二台以上設けてもよい。また、一台の第一印刷装置2
の印刷で生じたフィッシュアイ現象を一台の第二印刷装
置4の印刷で補修できない場合には、第二印刷装置4を
二台以上設けてもよい。つまり、第一印刷装置2及び第
二印刷装置4の連続した一工程でフィッシュアイ現象の
補修が行えるとともに、色調整ができる範囲内であれ
ば、第一印刷装置2又は第二印刷装置4の何れか一方を
一台とし、他方を二台以上設けてもよい。
【0061】また、第一凹版1及び第二凹版3にインキ
を塗布する場合、インキパンに第一凹版1版および第二
凹版3を直接浸漬する方法、ファニッシャーロール15
を介して塗布する方法のいずれであってもよい。
【0062】そして、第一乾燥装置10及び第二乾燥装
置11は、熱線ヒータを用いたものに限定されるもので
はなく、ボイラを用いたものでもよい。つまり、熱風を
発生させ、インキを乾燥させることができればよいので
ある。
【0063】また、第一乾燥装置10及び第二乾燥装置
11は、熱風乾燥装置に限定されるものではなく、赤外
線乾燥装置であってもよい。乾燥機の方式は、印刷に用
いられるインキの性状に応じて変更すればよいのであ
る。
【0064】そして、各装置間に設けられた複数のガイ
ドローラー21及びテンショナー22は、樹脂シートS
の送給速度などに応じて適宜配置すればよい。
【0065】また、本実施形態において、第一圧胴6及
び転写ロール8の外周面を弾性体であるゴム12で形成
したが、軟質性樹脂で形成してもよい。つまり、第一凹
版1及び第二凹版3が、第一インキA及び第二インキB
を円滑に転移できるように、樹脂シートSを破損させる
ことなく、適度に変形可能な弾性体であればよい。
【0066】また、本実施形態において、第一印刷装置
2の第一版胴5及び第二印刷装置4の第二版胴7の夫々
に、独立した減速機及びモータを設けたが、分配軸を有
した減速機を設けたり、ベルトを介すなどして、一つの
モータで第一版胴5と第二版胴7を駆動してもよい。
【0067】
【発明の効果】以上のように、本発明の効果として、第
一凹版に塗布した第一インキを直接樹脂シートに転移さ
せる第一印刷装置を設け、その後段に連続して第二凹版
に塗布した第二インキを転写ロールを介して間接的に樹
脂シートに転移させる第二印刷装置を設けたので、第一
印刷装置で、フィッシュアイ現象が生じても一連の印刷
工程でフィッシュアイ現象を補修することができるよう
になった。
【0068】第一印刷装置と第二印刷装置とで連続して
樹脂シートを印刷することで、フィッシュアイ現象を解
消するので、印刷の色調整を行う場合であっても、必要
最小限の樹脂シート(樹脂シートの巻き終わり部分)を
試し刷りするだけで確認することができるようになっ
た。これにより、印刷完了後に印刷の色合わせを再度行
う必要がなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる樹脂シート印刷機
の概略構成図。
【図2】同実施形態にかかる樹脂シート印刷機の第一印
刷装置でゲルを形成する樹脂シートにインキ転移させた
ときの拡大状況図。
【図3】同実施形態にかかる樹脂シート印刷機の第二印
刷装置でゲルを形成する樹脂シートにインキ転移させた
ときの拡大状況図(イ:転写ロールと第二圧胴の軸心間
をゲルが通過する前の樹脂シートにインキ転移させた状
況図、ロ:転写ロールと第二圧胴の軸心間をゲルが通過
した後の樹脂シートにインキ転移させた状況図)。
【符号の説明】
1…第一凹版、2…第一印刷装置、3…第二凹版、4…
第二印刷装置、5…第一版胴、6…第一圧胴、7…第二
版胴、8…転写ロール、9…第二圧胴、10,11…乾
燥装置(10…第一乾燥装置、11…第二乾燥装置)、
12…弾性体(ゴム)、13…ロール、14…ロール装
着部、15…ファニッシャーロール、16…第一インキ
パン、17…第一スクレーパー、18…バックアップロ
ール、19…第二インキパン、20…第二スクレーパ
ー、21…ガイドローラー、22…テンショナー、23
…ヒータ、24…ブロア、25…乾燥室、26…熱風排
出口

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一凹版(1)に塗布された第一インキ
    (A)を樹脂シート(S)にインキ転移させる第一印刷
    装置(2)と、前記第一印刷装置(2)によって印刷さ
    れた樹脂シート(S)の第一インキ(A)上に、第二凹
    版(3)に塗布された第二インキ(B)を間接的にイン
    キ転移させる第二印刷装置(4)とを備えた樹脂シート
    印刷機の印刷方法であって、外周面に第一凹版(1)が
    設けられた円柱状の第一版胴(5)を回転させて第一凹
    版(1)に第一インキ(A)を塗布し、該第一インキ
    (A)が塗布された第一版胴(5)上に長尺の樹脂シー
    ト(S)を連続的に送給するとともに、該送給された樹
    脂シート(S)に印圧が生じるように、樹脂シート
    (S)を介して第一版胴(5)の回転と同期をとって回
    転する円柱状の第一圧胴(6)で樹脂シート(S)を押
    圧して前記第一版胴(5)の第一インキ(A)を樹脂シ
    ート(S)上にインキ転移させる一方、外周面に第二凹
    版(3)が設けられた円柱状の第二版胴(7)を回転さ
    せて第二凹版(3)に第二インキ(B)を塗布し、該第
    二インキ(B)を第二版胴(7)の回転と同期をとって
    回転する円柱状の転写ロール(8)の外周面に転移さ
    せ、該第二インキ(B)が転移した転写ロール(8)上
    に第一インキ(A)を転移させた樹脂シート(S)を連
    続的に送給するとともに、該送給された樹脂シート
    (S)に印圧が生じるように、樹脂シート(S)を介し
    て転写ロール(8)の回転と同期をとって回転する円柱
    状の第二圧胴(9)で樹脂シート(S)を押圧し、該樹
    脂シート(S)の第一インキ(A)上に前記転写ロール
    (8)の第二インキ(B)をインキ転移させることを特
    徴とする樹脂シートの印刷方法。
  2. 【請求項2】 第一凹版(1)に塗布された第一インキ
    (A)を樹脂シート(S)にインキ転移させる第一印刷
    装置(2)と、該第一印刷装置(2)によって印刷され
    た樹脂シート(S)の第一インキ(A)を強制乾燥させ
    る第一乾燥装置(10)と、該第一乾燥装置(10)に
    よって乾燥された樹脂シート(S)の第一インキ(A)
    上に、第二凹版(3)に塗布された第二インキ(B)を
    間接的にインキ転移させる第二印刷装置(4)と、該第
    二印刷装置(4)によって印刷された樹脂シート(S)
    の第二インキ(B)を強制乾燥させる第二乾燥装置(1
    1)とを備えた樹脂シート印刷機の印刷方法であって、
    外周面に第一凹版(1)が設けられた円柱状の第一版胴
    (5)を回転させて第一凹版(1)に第一インキ(A)
    を塗布し、該第一インキ(A)が塗布された第一版胴
    (5)上に長尺の樹脂シート(S)を連続的に送給する
    とともに、該送給された樹脂シート(S)に印圧が生じ
    るように、樹脂シート(S)を介して第一版胴(5)の
    回転と同期をとって回転する円柱状の第一圧胴(6)で
    樹脂シート(S)を押圧して前記第一版胴(5)の第一
    インキ(A)を樹脂シート(S)にインキ転移させた後
    に、該第一インキ(A)を強制乾燥させる一方、外周面
    に第二凹版(3)が施された円柱状の第二版胴(7)を
    回転させて第二凹版(3)に第二インキ(B)を塗布
    し、該第二インキ(B)を前記第二版胴(7)の回転と
    同期をとって回転する円柱状の転写ロール(8)の外周
    面に転移させ、該第二インキ(B)が転移した転写ロー
    ル(8)上に、強制乾燥によって第一インキ(A)が乾
    燥された樹脂シート(S)を連続的に送給するととも
    に、該送給された樹脂シート(S)に印圧が生じるよう
    に、転写ロール(8)の回転と同期をとって回転する円
    柱状の第二圧胴(9)で転写ロール(8)上に送給され
    た前記樹脂シート(S)を押圧し、該樹脂シート(S)
    の乾燥した第一インキ(A)上に第二インキ(B)をイ
    ンキ転移させた後に、該第二インキ(B)を強制乾燥さ
    せることを特徴とする樹脂シートの印刷方法。
  3. 【請求項3】 第一凹版(1)に塗布された第一インキ
    (A)を樹脂シート(S)にインキ転移させる第一印刷
    装置(2)と、前記第一印刷装置(2)によって印刷さ
    れた樹脂シート(S)の第一インキ(A)上に、第二凹
    版(3)に塗布された第二インキ(B)を間接的にイン
    キ転移させる第二印刷装置(4)とを備えた樹脂シート
    印刷機であって、前記第一印刷装置(2)は、両端が枢
    支された円柱状の第一版胴(5)と、該第一版胴(5)
    の外周面に着脱自在に設けられた第一凹版(1)と、樹
    脂シート(S)に印圧を生じさせて第一凹版(1)の第
    一インキ(A)が樹脂シート(S)にインキ転移するよ
    うに両端が枢支された円柱状の第一圧胴(6)とを備え
    る一方、前記第二印刷装置(4)は、両端が枢支された
    円柱状の第二版胴(7)と、該第二版胴(7)の外周面
    に着脱自在に設けられた第二凹版(3)と、該第二凹版
    (3)に塗布された第二インキ(B)が外周面に転移す
    るように両端が枢支された円柱状の転写ロール(8)
    と、樹脂シート(S)に印圧が生じさせて転写ロール
    (8)の第二インキ(B)が樹脂シート(S)にインキ
    転移するように両端が枢支された円柱状の第二圧胴
    (9)とを備えたことを特徴とする樹脂シート印刷機。
  4. 【請求項4】 前記第一圧胴(6)及び転写ロール
    (8)の外周面が弾性体(12)とされた請求項3記載
    の樹脂シート印刷機。
  5. 【請求項5】 第一印刷装置(2)によって樹脂シート
    (S)に転移された第一インキ(A)又は第二印刷装置
    (4)によって樹脂シート(S)に転移された第二イン
    キ(B)の少なくとも何れか一方を強制乾燥する乾燥装
    置(10,11)をさらに加えた請求項3又は4記載の
    樹脂シート印刷機。
  6. 【請求項6】 前記乾燥装置(10,11)が熱風乾燥
    装置とされた請求項5記載の樹脂シート印刷機。
  7. 【請求項7】 前記乾燥装置(10,11)が赤外線乾
    燥装置とされた請求項5記載の樹脂シート印刷機。
JP2001162504A 2001-05-30 2001-05-30 樹脂シートの印刷方法及び樹脂シート印刷機 Expired - Fee Related JP3454508B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001162504A JP3454508B2 (ja) 2001-05-30 2001-05-30 樹脂シートの印刷方法及び樹脂シート印刷機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001162504A JP3454508B2 (ja) 2001-05-30 2001-05-30 樹脂シートの印刷方法及び樹脂シート印刷機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002355944A true JP2002355944A (ja) 2002-12-10
JP3454508B2 JP3454508B2 (ja) 2003-10-06

Family

ID=19005612

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001162504A Expired - Fee Related JP3454508B2 (ja) 2001-05-30 2001-05-30 樹脂シートの印刷方法及び樹脂シート印刷機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3454508B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009126139A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Gunze Ltd スクリーン印刷装置、及びその印刷方法
KR100912685B1 (ko) * 2008-06-24 2009-08-19 주식회사 이테크 합성수지시트용 인쇄장치
KR101002248B1 (ko) * 2010-06-03 2010-12-20 김정현 엠보싱이 동조 처리된 인테리어 데코시트의 제조방법
JP2011240568A (ja) * 2010-05-18 2011-12-01 Komori Corp グラビアオフセット印刷機
KR101122218B1 (ko) * 2010-06-09 2012-03-20 김정현 엠보싱이 동조 처리된 발포 데코시트의 제조방법
KR101320997B1 (ko) * 2013-04-02 2013-10-23 김성수 프로폴리스 포장재 필름 및 이를 제조하는 그라비아 인쇄 장치

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101804724A (zh) * 2010-03-12 2010-08-18 张伟公 一种地板革专用pvc以及pet塑料花膜的制备方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009126139A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Gunze Ltd スクリーン印刷装置、及びその印刷方法
KR100912685B1 (ko) * 2008-06-24 2009-08-19 주식회사 이테크 합성수지시트용 인쇄장치
JP2011240568A (ja) * 2010-05-18 2011-12-01 Komori Corp グラビアオフセット印刷機
KR101002248B1 (ko) * 2010-06-03 2010-12-20 김정현 엠보싱이 동조 처리된 인테리어 데코시트의 제조방법
KR101122218B1 (ko) * 2010-06-09 2012-03-20 김정현 엠보싱이 동조 처리된 발포 데코시트의 제조방법
KR101320997B1 (ko) * 2013-04-02 2013-10-23 김성수 프로폴리스 포장재 필름 및 이를 제조하는 그라비아 인쇄 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP3454508B2 (ja) 2003-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4512132B2 (ja) 熱現像フレキソ印刷スリーブ装置及び方法
JP4871120B2 (ja) 凹版印刷機
CN101283314A (zh) 浮雕图像印刷组件的动态uv曝光和热显影
JPH11254638A (ja) オフセット印刷機
JPH11342583A (ja) 完全解放ブランケット
JP2002355944A (ja) 樹脂シートの印刷方法及び樹脂シート印刷機
EP3112179B1 (en) Method for manufacturing sleeve printing plate
JP4826181B2 (ja) パターン形成方法およびパターン形成装置
KR20090117152A (ko) 유성 잉크용 병렬 인쇄장치
CN113733716A (zh) 用于加工高灵敏度发色热敏纸的柔印机及热敏纸加工工艺
JP2005059340A (ja) 箔押し装置
JP2004279542A (ja) 粉体加熱冷却装置、定着装置、および画像形成装置
JP2640233B2 (ja) スリツタマシン
JP2626793B2 (ja) スリッタマシン
JP2575342B2 (ja) スリッタマシン
JPH0724991A (ja) 両面輪転印刷方法及び両面輪転印刷機
JP3020786B2 (ja) 無端ベルトの精度矯正方法及び装置
JPH08118469A (ja) エンボスシートの製造方法及び製造装置
JPH0839778A (ja) 枚葉印刷物ニス光沢機
JPH0919998A (ja) 印刷方法および印刷機
JPH03120073A (ja) 孔版印刷装置
KR200343760Y1 (ko) 다색 동시 인쇄기
JP3732571B2 (ja) 孔版印刷装置
JP2004299213A (ja) サーマルプリンタ
JP2559528Y2 (ja) 熱処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030711

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080725

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090725

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees