JP2004279542A - 粉体加熱冷却装置、定着装置、および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加熱無端ベルト10と加圧無端ベルト20(一対の回転搬送部材)を互いに接触してニップNを形成する搬送手段25と、そのニップを通して搬送する粉体26を加熱する加熱手段15と、その加熱体16で加熱後の粉体を冷却する冷却手段17とを備える。そのような粉体加熱冷却装置で、例えば冷却手段を冷却体で構成し、そのうち可動の冷却体18を加熱無端ベルト10に近付けたり遠退けたりする。また、冷却体を回動して回転搬送部材に対向する面の長さを変えたり、冷却体をヒートパイプとしてその中を流れる冷却媒体の流速を調整したりするなどして、冷却手段による冷却度合を変更可能とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。および、そのような画像形成装置などにおいて、用紙・OHPフィルム等の記録媒体上に形成した未定着転写画像を記録媒体に定着する定着装置に関する。および、そのような定着装置などに用い、トナー・ホットメルトなどの、樹脂または樹脂とワックスの混合物よりなる粉体を加熱冷却してトナー画像を定着したり、顆粒状のホットメルト製品をつくったり、シート状のホットメルト製品をつくったり、張り合わせたホットメルト製品をつくったりする粉体加熱冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ホットメルト製品をつくるときは、樹脂または樹脂とワックスの混合物よりなるホットメルトを溶解槽で加熱しながら攪拌して熱溶融し、そののち冷却してから、顆粒状の製品のときは金属板や水中に滴下したりし、またシート状の製品のときは圧延機で圧延加工したりしていた。
【0003】
張り合わせた製品をつくるときは、例えば、紙やフィルム等の基材シート上にあらかじめホットメルトをコーティングし、その上に熱溶融したホットメルトを、T−ダイを使用したカーテンコーティングで塗布し、またホットメルトを有機溶媒で溶解し、ローラやロッドにてコーティングしてのち乾燥したものを熱ローラにて熱と圧力とを加えて張り合わせたりしていた。
【0004】
しかしながら、これら従来の製造方法では、溶解槽や押し出し機などに付着し、またそれらを駆動するのに最低限のホットメルトを必要とし、ホットメルトを無駄に消費して歩留まりが悪い問題があった。また、溶解槽や押し出し機などを設置するのに広いスペースを必要とするとともに、それらの機器を維持するのに多くの熱エネルギを必要とし、加えて熱溶融したホットメルトが大量に生じて危険が大きいなどの問題があった。
【0005】
張り合わせた製品をつくるときも、基材シート上にあらかじめホットメルトをコーティングするから、熱コーティングや溶剤コーティングの液を作成する装置が必要となり、またコーティングマシンの設備投資や工程費等に大きな経費がかかった。
【0006】
また、冷却が不足すると、ホットメルトがローラやベルト等の回転搬送部材に付着したり、例えば張り合わせた製品の場合、張り合わせた面でずれたりする問題があった。反対に、冷却し過ぎると、ホットメルトに収縮を生じてカールしたりねじれを発生したりする問題があった。
【0007】
【特許文献1】特公昭51−29825号公報
一方、従来の画像形成装置に備える定着装置の中には、例えば図6に示すように、一対の回転搬送部材を互いに接触してニップnを形成する搬送手段aと、その搬送手段aのニップnを通して搬送する粉体tを加熱する加熱手段bと、その加熱手段bで加熱後の粉体tを冷却する冷却手段cとを備えるものがある(特許文献1参照)。
【0008】
この定着装置では、一方の回転搬送部材を加熱ローラ1と案内ローラ2とに掛け回したベルト3で構成し、他方の回転搬送部材を加熱ローラ4で構成する。そして、それらの加熱ローラ1・4内には、それぞれ加熱手段bとしてヒータを備える。粉体tは、記録媒体5上に転写して形成したトナー画像のトナーである。冷却手段cは、2つの案内ローラ6・7にベルト8を掛け回し、そのベルト8に複数の開口を設けてその開口を通して風を当てて粉体tを冷却するようになっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の定着装置では、冷却手段cの冷却温度が固定であるので、一様な冷却しか行うことができず、例えば記録媒体5がビジネス文書であるか写真であるかなどによって冷却条件を変更するなど、記録媒体の種類に応じて最適な定着を行うことができなかった。
【0010】
そして、冷却温度が高いと、写真などでは、冷却が不足して低光沢となり、反対に冷却温度が低いと、ビジネス文書などでは、冷却し過ぎて高光沢となり、照り返しが大きくなって読みずらくなる問題があった。
【0011】
そこで、この発明の第1の目的は、歩留まりを良好にして、小規模で設備投資が小さくて済み、その後の維持コストも低く、危険も少ないとともに、粉体や記録媒体などの種類に応じて粉体を最適に加熱冷却する粉体加熱冷却装置を提供することにある。
【0012】
この発明の第2の目的は、特に簡単な構成で、粉体や記録媒体などの種類に応じて粉体を最適に加熱冷却する粉体加熱冷却装置を提供することにある。
【0013】
この発明の第3の目的は、粉体の安定的な加熱冷却を可能とする粉体加熱冷却装置を提供することにある。
【0014】
この発明の第4の目的は、熱伝導がよく熱効率のよい粉体加熱冷却装置を提供することにある。
【0015】
この発明の第5の目的は、長寿命な粉体加熱冷却装置を提供することにある。
【0016】
この発明の第6の目的は、上記各目的を達成した粉体加熱冷却装置を備える定着装置を提供することにある。
【0017】
この発明の第7の目的は、第6の目的を達成した定着装置を備える画像形成装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、一対の回転搬送部材を互いに接触してニップを形成する搬送手段と、その搬送手段のニップを通して搬送する粉体を加熱する加熱手段と、その加熱手段で加熱後の粉体を冷却する冷却手段とを備える粉体加熱冷却装置において、冷却手段による冷却度合を変更可能とする、ことを特徴とする。
【0019】
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的も達成すべく、請求項1に記載の粉体加熱冷却装置において、冷却手段を冷却体で構成し、その冷却体を回転搬送部材に近付けたり遠退けたりして冷却度合を変更可能とする、ことを特徴とする。
【0020】
請求項3に記載の発明は、上述した第2の目的も達成すべく、請求項1に記載の粉体加熱冷却装置において、冷却手段を冷却体で構成し、その冷却体を回動することにより回転搬送部材と対向する面を変更して冷却度合を変更可能とする、ことを特徴とする。
【0021】
請求項4に記載の発明は、上述した第2の目的も達成すべく、請求項3に記載の粉体加熱冷却装置において、冷却体として多面体を用い、その多面体の、回転搬送部材と対向する面を変更することにより冷却度合を変更可能とする、ことを特徴とする。
【0022】
請求項5に記載の発明は、上述した第2の目的も達成すべく、請求項1に記載の粉体加熱冷却装置において、冷却手段を冷却体で構成し、その冷却体をヒートパイプとしてそのヒートパイプ内を流れる冷却媒体の流速を変更することにより冷却度合を変更可能とする、ことを特徴とする。
【0023】
請求項6に記載の発明は、上述した第3の目的も達成すべく、請求項1ないし5のいずれか1に記載の粉体加熱冷却装置において、一対の回転搬送部材の少なくとも一方を無端ベルトとし、その無端ベルトの張力を一定とする、ことを特徴とする。
【0024】
請求項7に記載の発明は、上述した第2の目的も達成すべく、請求項1に記載の粉体加熱冷却装置において、冷却手段を送風装置としてその送風装置の送風量を変更することにより冷却度合を変更可能とする、ことを特徴とする。
【0025】
請求項8に記載の発明は、上述した第4の目的も達成すべく、請求項1ないし7のいずれか1に記載の粉体加熱冷却装置において、一対の回転搬送部材の少なくとも一方を金属製の無端ベルトとする、ことを特徴とする。
【0026】
請求項9に記載の発明は、上述した第5の目的も達成すべく、請求項1ないし7のいずれか1に記載の粉体加熱冷却装置において、一対の回転搬送部材の少なくとも一方を耐熱樹脂製の無端ベルトとする、ことを特徴とする。
【0027】
請求項10に記載の発明は、上述した第6の目的を達成すべく、請求項1ないし9のいずれか1に記載の粉体加熱冷却装置を用い、粉体であるトナーで未定着トナー画像を形成した記録媒体を搬送手段でニップを通して搬送し、加熱手段で加熱してその加熱後の粉体を冷却手段で冷却し、未定着トナー画像を記録媒体に定着することを特徴とする、定着装置である。
【0028】
請求項11に記載の発明は、上述した第7の目的を達成すべく、請求項10に記載の定着装置を備えることを特徴とする、画像形成装置である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。
図1には、顆粒状のホットメルト製品をつくるこの発明による粉体加熱冷却装置の概略構成を示す。
【0030】
図中符号10は、一対の回転搬送部材の一方を構成する加熱無端ベルトである。加熱無端ベルト10は、駆動ローラ11と従動ローラ12・13とに掛け回し、外側からテンションローラ14を押し当てている。そして、加熱無端ベルト10の内側には、駆動ローラ11と従動ローラ13との間の水平に張り渡した部分に沿って、加熱手段15である加熱体16と、冷却手段17である2つの冷却体18・19を配置する。
【0031】
一方の冷却体18は、可動とし、不図示のソレノイド・マイクロモータ等の駆動手段や、カム等を用いて図中上下に移動し、加熱無端ベルト10に対し近付けたり遠退けたりすることができるようにする。他方の冷却体19は、ねじ等を用いて不図示のブラケット等に固定して移動調整不能とする。
【0032】
図中符号20は、一対の回転搬送部材の他方を構成する加圧無端ベルトである。加圧無端ベルト20は、駆動ローラ21と従動ローラ22・23とに掛け回す。一方の従動ローラ22は、スプリング24で付勢して無端ベルト10・20を介して加熱体16に押し当てている。これにより、一対の回転搬送部材を構成する加熱無端ベルト10と加圧無端ベルト20とを互いに接触してニップNを形成する搬送手段25を備える。加熱無端ベルト10上であって加圧無端ベルト20の横には、ホットメルト樹脂粉末26を供給する供給ノズル27を設ける。
【0033】
そして、不図示の駆動手段で駆動ローラ11・21をともに回転して従動ローラ12・13および従動ローラ22・23をそれぞれ従動回転し、加熱無端ベルト10を反時計まわりに、加圧無端ベルト20を時計まわりに各々連続的に走行する。それとともに、供給ノズル27から加熱無端ベルト10上にホットメルト樹脂粉末26を間欠的に所定量ずつ供給し、断続的に樹脂粉末26の小山を形成する。
【0034】
これにより、その樹脂粉末26の小山を両無端ベルト10・20の走行とともに搬送手段25でニップNを通して搬送し、両無端ベルト10・20間で加圧しながら加熱手段15で加熱して溶融し、その加熱手段15で加熱後の樹脂粉体26を冷却手段17で冷却する。
【0035】
このとき、加熱無端ベルト10に対して可動の冷却体18を近付けたり遠退けたりすることにより冷却度合を変更可能とし、特に簡単な構成で、粉体26の種類に応じて近退移動調整して粉体26を最適に加熱冷却することができる。固定の冷却体19だけでは冷却不十分の場合には、可動の冷却体18も加熱無端ベルト10に押し当て、双方の冷却体18・19で冷却して顆粒状のホットメルト製品30を形成し、両無端ベルト10・20間から排出するようにする。
【0036】
図2には、図1に示す粉体加熱冷却装置を用いてシート状のホットメルト製品をつくる場合を示す。
【0037】
シート状のホットメルト製品をつくるときは、両無端ベルト10・20の走行とともに、供給ノズル27からホットメルト樹脂粉末26を連続的に所定量ずつ供給し、加熱無端ベルト10上に樹脂粉末26の層を形成する。
【0038】
そして、その樹脂粉末26の層を両無端ベルト10・20の走行とともに搬送手段25でニップNを通して搬送し、両無端ベルト10・20間で加圧しながら加熱手段15で加熱して溶融し、その加熱手段15で加熱後の粉体26を冷却手段17で冷却する。
【0039】
このとき、同様に加熱無端ベルト10に対して可動の冷却体18を近付けたり遠退けたりすることにより冷却度合を変更可能とし、特に簡単な構成で、粉体26の種類に応じて近退移動調整して粉体26を最適に加熱冷却することができる。固定の冷却体19だけでは冷却不十分の場合には、可動の冷却体18も加えて双方の冷却体18・19で冷却し、シート状のホットメルト製品31を形成して両無端ベルト10・20間から排出する。
【0040】
図3には、図1に示す粉体加熱冷却装置を用い、張り合わせたホットメルト製品をつくる場合を示す。この場合は、加熱無端ベルト10のニップ上流位置に搬送ローラ33を、加圧無端ベルト20のニップ上流位置に供給ローラ34を設ける。
【0041】
そして、搬送ローラ33で加熱無端ベルト10上にシート35を供給し、そのシート35上に供給ノズル27からホットメルト樹脂粉末26を連続的に所定量ずつ供給して樹脂粉末26の層を形成し、そののちホットメルト樹脂粉末26上に供給ローラ34で別のシート36を供給する。
【0042】
それから、両無端ベルト10・20の走行とともに搬送手段25でニップNを通して搬送し、両無端ベルト10・20間で加圧しながら加熱手段15で加熱して溶融し、樹脂粉末26でシート35とシート36を張り合わせ、その加熱手段15で加熱後の粉体26を冷却手段17で冷却する。
【0043】
このとき、同様に回転搬送部材である加熱無端ベルト10に対して可動の冷却体18を近付けたり遠退けたりすることにより冷却度合を変更可能とし、特に簡単な構成で、粉体26の種類に応じて近退移動調整して粉体26を最適に加熱冷却することができる。固定の冷却体19だけでは冷却不十分の場合には、可動の冷却体18も加えて双方の冷却体18・19で冷却し、張り合わせたホットメルト製品37を形成して両無端ベルト10・20間から排出する。
【0044】
なお、上述した例では、可動の冷却体18を近付けたり遠退けたりすることにより冷却度合を変更可能としたが、冷却体に長い面と短い面とを設けるとともに、その冷却体を回動可能とし、冷却体を回動することにより選択的に、加熱無端ベルト10と対向する面を変更して冷却度合を変更可能としてもよい。
【0045】
例えば図4(A)に示すように、冷却手段17を直方体形状の冷却体40で構成し、その冷却体40に長さL1の長い面40aと長さL2の短い面40bとを設けるとともに、その冷却体40を軸41を中心として回動可能に支持する。そして、冷却体40を回動することにより加熱無端ベルト10と対向する面を変更して冷却度合を変更可能するようにする。すなわち、加熱無端ベルト10に対して、冷却不十分な場合は図のように長い面40aを、冷却過剰な場合は短い面40bを押し当てる。図中符号42は、冷却体40を加熱無端ベルト10に押し当てるスプリングである。
【0046】
図4(A)に示す例では、冷却体40を直方体形状として長い面と短い面の2面用意したが、(B)に示すように冷却体43として多角形体よりなる多面体を用い、3面以上の長さの異なる面43aを複数設けてその冷却体43を軸44を中心として回動可能に支持する。
【0047】
そして、冷却体43を回動して適宜長さの面を選択し、多面体の、加熱無端ベルト10と対向する面を変更することにより粉体26の種類に応じて最適に冷却し得るように加熱無端ベルト10に押し当てるようにしてもよい。すなわち、加熱無端ベルト10に対して、冷却不十分な場合はより長い面43aを、冷却過剰な場合はより短い面43aを押し当てる。図中符号45は、冷却体43を加熱無端ベルト10に押し当てるスプリングである。
【0048】
図5には、この発明による粉体加熱冷却装置を画像形成装置の定着装置に適用した場合を示す。
【0049】
同様に、加熱無端ベルト10は、駆動ローラ11と従動ローラ12とに掛け回し、外側からテンションローラ14を押し当てている。そして、加熱無端ベルト10の内側には、駆動ローラ11と従動ローラ12との間で加熱無端ベルト10を水平に張り渡すように、加熱手段15である加熱体16と、冷却手段17である2つの冷却体18・19を配置する。
【0050】
一方の冷却体18は、可動とし、不図示のソレノイド・マイクロモータ等の駆動手段や、カム等を用いて図中上下に移動し、加熱無端ベルト10に対し近付けたり遠退けたりすることができるようにする。他方の冷却体19は、ねじ等を用いて不図示のブラケット等に固定して移動調整不能とする。
【0051】
加圧無端ベルト20は、駆動ローラ21と従動ローラ22・23とに掛け回す。一方の従動ローラ22は、スプリング24で付勢して無端ベルト10・20を介して加熱体16に押し当てている。これにより、一対の回転搬送部材を構成する加熱無端ベルト10と加圧無端ベルト20とを互いに接触してニップNを形成する搬送手段25を備える。
【0052】
そして、不図示の駆動手段で駆動ローラ11・21をともに回転して従動ローラ12および従動ローラ22・23をそれぞれ従動回転し、加熱無端ベルト10を時計まわりに、加圧無端ベルト20を反時計まわりに各々連続的に走行し、ニップNに、粉体であるトナー50を転写して未定着トナー画像を形成した記録媒体51を挿入する。
【0053】
これにより、その記録媒体51を両無端ベルト10・20の走行とともに搬送手段25でニップNを通して搬送し、両無端ベルト10・20間で加圧しながら加熱手段15で加熱して溶融し、その加熱手段15で加熱後のトナー50を冷却手段17で冷却して未定着トナー画像を記録媒体51に定着する。
【0054】
このとき、回転搬送部材である加熱無端ベルト10に対して可動の冷却体18を近付けたり遠退けたりすることにより冷却度合を変更可能とし、特に簡単な構成で、記録媒体51の種類に応じて近退移動調整してトナー50を最適に加熱冷却することができる。すなわち、写真の場合など、高光沢が望ましい場合には、固定の冷却体19だけでは冷却不十分であり、可動の冷却体18も加熱無端ベルト10に押し当て、双方の冷却体18・19で冷却することで定着して排出する。ビジネス文書など、低光沢が望ましい場合には、可動の冷却体18を離して固定の冷却体19だけで冷却することで定着して排出する。
【0055】
さて、上述した例では、冷却手段17を、それぞれ冷却体18・19・40・43で構成した。冷却体は、例えば、ろう付けしたり圧入したりして固定した冷却パイプに、水などの冷却媒体を流すように構成する。冷却体をヒートパイプとしてそのヒートパイプ内を流れる冷却媒体の流速を変更することにより冷却度合を変更可能とする構成としてもよい。
【0056】
また、冷却手段17は、上述したように回転搬送部材に対して冷却体を接触したり離したり、回動して回転搬送部材に対向する面の長さを変えたりして冷却時間を変え、またヒートパイプ内を流れる冷却媒体の流速を調整するなどして冷却度合を変更可能とする場合に限らず、例えば送風装置とし、その送風装置の送風量を変更することにより冷却度合を変更可能としてもよい。
【0057】
なお、上述した例では、回転搬送部材である加熱無端ベルト10に冷却体18・19・40・43を押し当てたり、押し当てを解除したり、接触する面を変更したりするが、例えばダンサローラなどを用いて、加熱無端ベルト10の張力が変動しないように常に一定となるように保持するとよい。加熱無端ベルト10に限らず、加圧無端ローラ20の張力も一定となるようにするとよい。
【0058】
無端ベルト10・20は、金属製でも耐熱樹脂製でもよく、ニッケル・ステンレスなどの金属製とすると、熱伝導率を高めて熱効率を向上し、ポリイミド系樹脂・ポリベンゾイミダゾール系樹脂などの耐熱樹脂製とすると、寿命を長くすることができる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1に係る発明によれば、一対の回転搬送部材を互いに接触してニップを形成する搬送手段と、その搬送手段のニップを通して搬送する粉体を加熱する加熱手段と、その加熱手段で加熱後の粉体を冷却する冷却手段とを備えるので、搬送手段でニップを通して粉体を搬送しながら、加熱手段で加熱して後、冷却手段で冷却し、使用した粉体をほぼ100%に近く製品に用いることができ、歩留まりを改善することができる。
【0060】
そして、溶解槽や押し出し機などの大きな機器を必要としないから、小さな設置スペースで済むとともに、ホットメルトをあらかじめ加熱溶融しておく必要もないから、小規模で設備投資が小さくて済む。しかも、機器の維持に多くのエネルギを必要とせず、かつ保温し続ける必要がないから、熱エネルギも小さくて済み、維持管理コストも安くなる。また、大量の熱溶融したホットメルトを取り扱う必要もないから、安全性も向上し、危険も少ない。
【0061】
請求項1に係る発明によれば、さらに、冷却手段による冷却度合を変更可能とするので、粉体や記録媒体などの種類に応じて粉体を最適に加熱冷却し、冷却不足により粉体が回転搬送部材に付着したり、例えば張り合わせた製品の場合に張り合わせ面がずれたりするおそれを防止することができる。反対に、冷却過剰によりホットメルトが収縮して製品にカールやねじれを生じることを防止することができる。また、仕上がり状態を調整して、例えばビジネス文書か写真かなどにより画像の光沢を変えたりすることができる。
【0062】
請求項2に係る発明によれば、上記請求項1に係る発明の効果に加えて、冷却手段を冷却体で構成し、その冷却体を回転搬送部材に近付けたり遠退けたりして冷却度合を変更可能とするので、特に簡単な構成で、粉体や記録媒体などの種類に応じて近退移動調整して粉体を最適に加熱冷却することができる。
【0063】
請求項3に係る発明によれば、上記請求項1に係る発明の効果に加えて、冷却手段を冷却体で構成し、その冷却体を回動することにより回転搬送部材と対向する面を変更して冷却度合を変更可能とするので、特に簡単な構成で、粉体や記録媒体などの種類に応じて回動調整して粉体を最適に加熱冷却することができる。
【0064】
請求項4に係る発明によれば、上記請求項1に係る発明の効果に加えて、冷却体として多面体を用い、その多面体の、回転搬送部材と対向する面を変更することにより冷却度合を変更可能とするので、特に簡単な構成で、粉体や記録媒体などの種類に応じて多段に回動調整して粉体を最適に加熱冷却することができる。
【0065】
請求項5に係る発明によれば、上記請求項1に係る発明の効果に加えて、冷却手段を冷却体で構成し、その冷却体をヒートパイプとしてそのヒートパイプ内を流れる冷却媒体の流速を変更することにより冷却度合を変更可能とするので、特に簡単な構成で、粉体や記録媒体などの種類に応じて冷却媒体の流速を変更して粉体を最適に加熱冷却することができる。
【0066】
請求項6に係る発明によれば、上記請求項3に係る発明の効果に加えて、一対の回転搬送部材の少なくとも一方を無端ベルトとし、その無端ベルトの張力を一定とするので、粉体をばらつきなく安定して加熱冷却することができる。
【0067】
請求項7に係る発明によれば、上記請求項1に係る発明の効果に加えて、冷却手段を送風装置としてその送風装置の送風量を変更することにより冷却度合を変更可能とするので、特に簡単な構成で、粉体や記録媒体などの種類に応じて風量を調整して粉体を最適に加熱冷却することができる。
【0068】
請求項8に係る発明によれば、上記発明の効果に加えて、一対の回転搬送部材の少なくとも一方を金属製の無端ベルトとするので、熱伝導がよく熱効率を向上して粉体の加熱冷却を可能とすることができる。
【0069】
請求項9に係る発明によれば、上記発明の効果に加えて、一対の回転搬送部材の少なくとも一方を耐熱樹脂製の無端ベルトとするので、耐久性を向上して粉体の加熱冷却を可能とすることができる。
【0070】
請求項10に係る発明によれば、請求項1ないし9のいずれか1に記載の粉体加熱冷却装置を用い、粉体であるトナーで未定着トナー画像を形成した記録媒体を搬送手段でニップを通して搬送し、加熱手段で加熱してその加熱後の粉体を冷却手段で冷却し、未定着トナー画像を記録媒体に定着するので、上記各効果を有する粉体加熱冷却装置を備えた定着装置を提供することができる。
【0071】
そして、定着装置でトナー画像の光沢を調整可能とし、例えば写真画像であれば、高光沢として品位を高め、ビジネス文書であれば、低光沢として照り返しを少なくし、読み易くすることができる。
【0072】
請求項11に係る発明によれば、そのような効果を有する定着装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】顆粒状のホットメルト製品を形成するこの発明による粉体加熱冷却装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す粉体加熱冷却装置を用い、シート状のホットメルト製品を形成する場合を示す。
【図3】図1に示す粉体加熱冷却装置を用い、張り合わせたホットメルト製品を形成する場合を示す。
【図4】冷却手段の使用説明図であり、(A)は直方体形状の冷却体を用いる場合、(B)は多面体形状の冷却体を用いる場合を示す。
【図5】画像形成装置の定着装置に適用したこの発明による粉体加熱冷却装置の概略構成図である。
【図6】従来の粉体加熱冷却装置の概略構成図である。
【符号の説明】
10 加熱無端ベルト(回転搬送部材)
15 加熱手段
16 加熱体
17 冷却手段
18 可動の冷却体
19 固定の冷却体
20 加圧無端ベルト(回転搬送部材)
25 搬送手段
26 粉体
40 冷却体(冷却手段)
43 冷却体(冷却手段)
50 トナー(粉体)
51 記録媒体
N ニップ
Claims (11)
- 一対の回転搬送部材を互いに接触してニップを形成する搬送手段と、その搬送手段の前記ニップを通して搬送する粉体を加熱する加熱手段と、その加熱手段で加熱後の粉体を冷却する冷却手段とを備える粉体加熱冷却装置において、前記冷却手段による冷却度合を変更可能とすることを特徴とする、粉体加熱冷却装置。
- 前記冷却手段を冷却体で構成し、その冷却体を前記回転搬送部材に近付けたり遠退けたりして冷却度合を変更可能とすることを特徴とする、請求項1に記載の粉体加熱冷却装置。
- 前記冷却手段を冷却体で構成し、その冷却体を回動することにより前記回転搬送部材と対向する面を変更して冷却度合を変更可能とすることを特徴とする、請求項1に記載の粉体加熱冷却装置。
- 前記冷却体として多面体を用い、その多面体の、前記回転搬送部材と対向する面を変更することにより冷却度合を変更可能とすることを特徴とする、請求項3に記載の粉体加熱冷却装置。
- 前記冷却手段を冷却体で構成し、その冷却体をヒートパイプとしてそのヒートパイプ内を流れる冷却媒体の流速を変更することにより冷却度合を変更可能とすることを特徴とする、請求項1に記載の粉体加熱冷却装置。
- 前記一対の回転搬送部材の少なくとも一方を無端ベルトとし、その無端ベルトの張力を一定とすることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1に記載の粉体加熱冷却装置。
- 前記冷却手段を送風装置としてその送風装置の送風量を変更することにより冷却度合を変更可能とすることを特徴とする、請求項1に記載の粉体加熱冷却装置。
- 前記一対の回転搬送部材の少なくとも一方を金属製の無端ベルトとすることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1に記載の粉体加熱冷却装置。
- 前記一対の回転搬送部材の少なくとも一方を耐熱樹脂製の無端ベルトとすることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1に記載の粉体加熱冷却装置。
- 請求項1ないし9のいずれか1に記載の粉体加熱冷却装置を用い、粉体であるトナーで未定着トナー画像を形成した記録媒体を前記搬送手段で前記ニップを通して搬送し、前記加熱手段で加熱してその加熱後の粉体を前記冷却手段で冷却し、未定着トナー画像を記録媒体に定着することを特徴とする、定着装置。
- 請求項10に記載の定着装置を備えることを特徴とする、画像形成装置。
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