JP2002352955A - 表示装置の製造方法及び表示装置並びに電子機器 - Google Patents

表示装置の製造方法及び表示装置並びに電子機器

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JP2002352955A JP2002077162A JP2002077162A JP2002352955A JP 2002352955 A JP2002352955 A JP 2002352955A JP 2002077162 A JP2002077162 A JP 2002077162A JP 2002077162 A JP2002077162 A JP 2002077162A JP 2002352955 A JP2002352955 A JP 2002352955A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストの低減を図りつつ、各画素におけ
る開口率が高く且つ開口率のばらつきが低減された有機
EL発光素子等を備えた表示装置を製造する。 【解決手段】 光透過性の基板上に、平面的に配列され
た複数の発光素子層と、該発光素子層に接続された駆動
素子と、複数の発光素子層相互間の境界領域に配置され
たバンク層と、駆動素子に接続された配線とを備えた表
示装置を製造する表示装置の製造方法であって、基板上
で、遮光性の導電膜をバンク層の平面形状に対応する平
面形状にパターニングすることにより配線を形成し、こ
の配線をマスクとして基板の裏側から露光することによ
り、配線の上方に、バンク層を自己整合的に形成する。
その後、バンク層で囲まれた領域内に発光素子層を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレクトロルミネ
ッセンス(Electro-Luminescence、以下ELという)素
子、LED(Light Emitting Diode)素子等の発光素子
を備えた表示装置を製造する表示装置の製造方法の技術
分野及びそのような製造方法により製造される表示装置
の技術分野に属する。
【0002】
【背景技術】有機EL素子、LED素子等の電流制御型
発光素子を用いたアクティブマトリクス型の表示装置
は、発光素子が自己発光するため、液晶表示装置等の場
合と異なり、バックライトを必要とせず、視野角依存性
が小さいなどの利点もある。
【0003】この種の表示装置では、一般に複数の発光
素子がマトリクス状に配列されている。そして特に相隣
接する発光素子相互間の境界領域にはバンク層と呼ばれ
る絶縁性且つ遮光性の凸部が形成されている。
【0004】係る表示装置を製造する際には、バンク層
で区切られた各区画内即ち各画素内に、例えばインクジ
ェット法により正孔注入層を構成するための液状の材料
を吐出し、更に有機EL膜或いは有機半導体膜を構成す
るための液状の材料を吐出することにより、正孔注入層
及び有機EL膜或いは有機半導体膜を各区画内に積層形
成する。このような吐出の際に、凸状のバンク層によっ
て、各前駆体が隣接する区画内にはみ出す事態を防止で
きる。
【0005】更に、製品完成後の動作の際に、遮光性を
有するバンク層によって、各画素の間隙における光抜け
や隣接画素間における混色を防止することにより、コン
トラスト比を高めることも可能である。
【0006】他方、発光素子相互間の境界領域には、発
光素子を駆動するための薄膜トランジスタ(以下適宜、
TFTと称す)等の駆動素子が作り込まれ、更に、この
ような駆動素子に接続される、例えばAl(アルミニウ
ム)等からなる各種配線が配置される。加えて、このよ
うな境界領域には、当該TFTにおける光リーク電流の
発生を防止するための遮光膜が形成されたりする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この種の表示装置の製
造方法においても、製造コストの削減及び画質の向上と
いう一般的要請は強い。
【0008】しかしながら、前述した背景技術における
製造方法によれば、バンク層を形成するために専用のフ
ォトマスクが必要となる。このため、バンク層を形成す
るために製造コストが上昇するという問題点がある。
【0009】更に、前述した背景技術における表示装置
によれば、バンク層を専用のフォトマスクで形成するた
めに、遮光性を有する各種配線や駆動素子とバンク層と
の間における位置合わせ精度に応じて、各画素における
開口率が低下したり、開口率がばらつくことになり、明
るく高品位の画像表示を行なうことが困難になるという
問題点がある。
【0010】本発明は上述した問題点に鑑みなされたも
のであり、製造コストの低減を図りつつ、各画素におけ
る開口率が高く且つ開口率のばらつきが低減された表示
装置を製造することができる表示装置の製造方法及び明
るく高品位の画像表示を行なうことができる表示装置を
提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の表示装置
の製造方法は、光透過性の基板上に、平面的に配列され
た複数の発光素子層と、前記発光素子層に接続された駆
動素子と、前記複数の発光素子層相互間の境界領域に配
置されたバンク層と、前記駆動素子に接続された配線と
を備えた表示装置を製造する表示装置の製造方法であっ
て、前記基板上に、遮光性の導電膜を前記バンク層の平
面形状に対応する平面形状にパターニングすることによ
り前記配線を形成する配線形成工程と、前記配線をマス
クとして前記基板の裏側から露光することにより、前記
基板上における前記配線の上方に、前記バンク層を自己
整合的に形成するバンク層形成工程と、前記バンク層で
囲まれた領域内に前記発光素子層を形成する発光素子層
形成工程とを含む。
【0012】本発明の第1の表示装置の製造方法によれ
ば、配線形成工程では、光透過性基板上で、遮光性の導
電膜をバンク層の平面形状に対応する平面形状にパター
ニングすることにより、配線を形成する。その後、バン
ク層形成工程では、遮光性の配線をマスクとして基板の
裏側から露光することにより、配線の上方に、バンク層
を自己整合的に形成する。より具体的には、例えば、黒
色のレジストに対するフォトリソグラフィ及びエッチン
グにより、配線をマスクとしてバンク層を自己整合的に
形成する。従って、バンク層を形成するために専用のフ
ォトマスクは必要ない。その後、発光素子層形成工程で
は、バンク層で囲まれた領域内に、発光素子層を形成す
る。従って、バンク層で囲まれた領域外に発光素子層が
はみ出ないようにできる。しかも、装置完成後には、配
線とバンク層とは、平面形状が殆ど同じとなるので、背
景技術の如く両者間の位置合わせ精度に応じて画素の開
口率が低下することは殆ど無くなり且つ各画素における
開口率のばらつきも低減される。これらの結果、明るく
高品位の画像表示可能なアクティブマトリクス駆動型の
表示装置を、比較的低コストで製造できる。
【0013】尚、本発明に係る発光素子としては、例え
ば、有機EL膜或いは有機半導体膜等を備えてなる有機E
L素子、LEDなどの発光素子が挙げられる。
【0014】また、バンク層は、発光素子層のはみ出し
を防止する観点からは、例えば、1μm以上の、発光素
子層と比較して厚い膜厚を持つように形成するのが好ま
しく、或いは、撥水性の材料から形成するのが好まし
い。更に、駆動素子の形成された領域上に発光素子層を
形成しても、表示に寄与しないばかりか、無効電流の増
加につながるので、駆動素子の形成された領域に、バン
ク層を形成することにより、発光素子層を形成しない方
が有利である。
【0015】本発明の第1の表示装置の製造方法の一態
様では、前記配線形成工程と前記バンク層形成工程との
間に、前記境界領域に前記駆動素子を形成する駆動素子
形成工程を含む。
【0016】この態様によれば、配線及びバンク層間
に、TFT等の駆動素子が積層形成された構造を有する
表示装置を比較的低コストで製造できる。
【0017】本発明の第2の表示装置の製造方法は、光
透過性の基板上に、平面的に配列された複数の発光素子
層と、該発光素子層に接続された駆動素子と、前記複数
の発光素子層相互間の境界領域に配置されたバンク層
と、前記駆動素子を少なくとも部分的に遮光する遮光膜
とを備えた表示装置を製造する表示装置の製造方法であ
って、前記基板上に、で、前記遮光膜を前記バンク層の
平面形状に対応する平面形状にパターニングする遮光膜
形成工程と、前記遮光膜をマスクとして前記基板の裏側
から露光することにより、前記基板上における前記遮光
膜の上方に、前記バンク層を自己整合的に形成するバン
ク層形成工程と、前記バンク層で囲まれた領域内に前記
発光素子層を形成する発光素子層形成工程とを含む。
【0018】本発明の第2の表示装置の製造方法によれ
ば、遮光膜形成工程では、光透過性基板上で、遮光膜を
バンク層の平面形状に対応する平面形状にパターニング
する。その後、バンク層形成工程では、パターニング後
の遮光膜をマスクとして基板の裏側から露光することに
より、遮光膜の上方に、バンク層を自己整合的に形成す
る。より具体的には、例えば、黒色のレジストに対する
フォトリソグラフィ及びエッチングにより、遮光膜をマ
スクとしてバンク層を自己整合的に形成する。従って、
バンク層を形成するために専用のフォトマスクは必要な
い。その後、発光素子層形成工程では、バンク層で囲ま
れた領域内に、発光素子層を形成する。従って、バンク
層で囲まれた領域外に発光素子層がはみ出ないようにで
きる。しかも、装置完成後には、遮光膜とバンク層と
は、平面形状が殆ど同じとなるので、背景技術の如く両
者間の位置合わせ精度に応じて画素の開口率が低下する
ことは殆ど無くなり且つ各画素における開口率のばらつ
きも低減される。これらの結果、明るく高品位の画像表
示可能なアクティブマトリクス駆動型の表示装置を、比
較的低コストで製造できる。
【0019】本発明の第2の表示装置の製造方法の一態
様では、前記遮光膜形成工程と前記バンク層形成工程と
の間に、前記境界領域に前記駆動素子を形成する駆動素
子形成工程を含む。
【0020】この態様によれば、遮光膜及びバンク層間
に、TFT等の駆動素子が積層形成された構造を有する
表示装置を比較的低コストで製造できる。
【0021】本発明の第2の表示装置の製造方法の他の
態様では、前記駆動素子は、薄膜トランジスタを含み、
前記遮光膜形成工程では、前記薄膜トランジスタの少な
くともチャネル領域を前記基板側から覆うように前記遮
光膜をパターニングする。
【0022】この態様によれば、基板上における薄膜ト
ランジスタの上方或いは下方からその少なくともチャネ
ル領域を遮光膜により覆う構造を持ち、当該薄膜トラン
ジスタにおける光リーク電流の発生が低減されており、
優れたトランジスタ特性を持つ薄膜トランジスタで発光
素子を駆動可能な表示装置を比較的低コストで製造でき
る。
【0023】本発明の第2の表示装置の製造方法の他の
態様では、前記遮光膜形成工程では、前記遮光膜とし
て、配線の機能を有する導電性の遮光膜を形成する。
【0024】この態様によれば、遮光膜本来の機能に加
えて配線としての機能をも有する遮光膜を備えており、
積層構造が簡略化された表示装置を比較的容易に製造で
きる。例えば、このような遮光膜を定電位配線とすれ
ば、駆動素子の近傍における電位安定により、駆動素子
の動作をより良好とすることも可能となる。
【0025】本発明の第1又は第2の表示装置の製造方
法の他の態様では、前記発光素子層形成工程は、インク
ジェット法により前記発光素子層の少なくとも一部を形
成する工程を含む。
【0026】この態様によれば、インクジェット法によ
りバンク層で区切られた各区画内に、例えば、正孔注入
層を構成するための液状の材料たる一の前駆体を吐出
し、更に有機EL膜或いは有機半導体膜を構成するため
の液状の材料たる他の前駆体を吐出することにより、正
孔注入層及び有機EL膜或いは有機半導体膜を各区画内
に積層形成できる。
【0027】本発明の第1又は第2の表示装置の製造方
法の他の態様では、前記発光素子層形成工程は、有機E
L膜或いは有機半導体膜を形成する工程を含む。
【0028】この態様によれば、バンク層によって有機
EL膜或いは有機半導体膜が隣接する区画内にはみ出す
事態を防止しつつ、比較的簡単に有機EL素子、LED
等を備えた表示装置を製造できる。
【0029】本発明の第1の表示装置は、光透過性の基
板上に、平面的に配列された複数の発光素子層と、該発
光素子層に接続された駆動素子と、前記複数の発光素子
層相互間の境界領域に配置されたバンク層と、遮光性の
導電膜からなり前記駆動素子に接続された配線とを備え
ており、前記バンク層は、前記基板上における前記配線
の上方に、前記配線をマスクとして前記基板の裏側から
露光することにより自己整合的に形成されている。
【0030】本発明の第1の表示装置によれば、配線と
バンク層とは、平面形状が殆ど同じであるので、背景技
術の如く両者間の位置合わせ精度に応じて画素の開口率
が低下することは殆ど無く且つ各画素における開口率の
ばらつきも低減されている。これらの結果、明るく高品
位の画像表示が可能となる。本発明の第2の表示装置
は、光透過性の基板上に、平面的に配列された複数の発
光素子層と、該発光素子層に接続された駆動素子と、前
記複数の発光素子層相互間の境界領域に配置されたバン
ク層と、遮光性の導電膜からなり前記駆動素子に接続さ
れた配線とを備えており、前記配線の少なくとも一部の
平面形状は、前記バンク層の平面形状に対応してなる。
【0031】本発明の第1または第2の表示装置の一態
様では、前記配線は、データ線、走査線、容量線及び共
通給電線のうち少なくとも一つを含む。
【0032】この態様によれば、データ線、走査線、容
量線や共通給電線により比較的複雑なアクティブマトリ
クス駆動を行なうことが可能となる。そして、データ
線、走査線、容量線や共通給電線とほぼ同一の平面形状
を有するバンク層の存在により、明るく高品位の画像表
示が可能となる。
【0033】本発明の第3の表示装置は、光透過性の基
板上に、平面的に配列された複数の発光素子層と、該発
光素子層に接続された駆動素子と、前記複数の発光素子
層相互間の境界領域に配置されたバンク層と、前記駆動
素子を少なくとも部分的に遮光する遮光膜とを備えてお
り、前記バンク層は、前記基板上における前記遮光膜の
上方に、前記遮光膜をマスクとして前記基板の裏側から
露光することにより自己整合的に形成されている。
【0034】本発明の第3の表示装置によれば、遮光膜
とバンク層とは、平面形状が殆ど同じであるので、背景
技術の如く両者間の位置合わせ精度に応じて画素の開口
率が低下することは殆ど無く且つ各画素における開口率
のばらつきも低減されている。これらの結果、明るく高
品位の画像表示が可能となる。本発明の第4の表示装置
は、光透過性の基板上に、平面的に配列された複数の発
光素子層と、該発光素子層に接続された駆動素子と、前
記複数の発光素子層相互間の境界領域に配置されたバン
ク層と、前記駆動素子を少なくとも部分的に遮光する遮
光膜とを備えており、前記遮光膜の平面形状は、前記バ
ンク層の平面形状に対応してなる。
【0035】本発明の第3または第4の表示装置の一の
態様では、前記駆動素子は、薄膜トランジスタを含み、
前記遮光膜は、前記薄膜トランジスタの少なくともチャ
ネル領域を下側から覆う。
【0036】この態様によれば、基板上における薄膜ト
ランジスタの下側からその少なくともチャネル領域を遮
光膜により覆っているので、当該薄膜トランジスタにお
ける光リーク電流の発生が低減されており、優れたトラ
ンジスタ特性の薄膜トランジスタにより発光素子を駆動
できる。この結果、より高品位の画像表示が可能とな
る。
【0037】本発明の第3または第4の表示装置の他の
態様では、前記駆動素子は、薄膜トランジスタを含み、
前記遮光膜は、前記薄膜トランジスタの少なくともチャ
ネル領域を上側から覆う。
【0038】この態様によれば、基板上における薄膜ト
ランジスタの上側からその少なくともチャネル領域を遮
光膜により覆っているので、当該薄膜トランジスタにお
ける光リーク電流の発生が低減されており、優れたトラ
ンジスタ特性の薄膜トランジスタにより発光素子を駆動
できる。この結果、より高品位の画像表示が可能とな
る。
【0039】尚、このような遮光膜を薄膜トランジスタ
の上側及び下側の両方に設けてもよい。
【0040】本発明の第1から第4の表示装置の他の態
様では、前記発光素子層は、有機EL膜或いは有機半導
体膜からなる。
【0041】この態様によれば、バンク層によって有機
EL膜或いは有機半導体膜が隣接する区画内にはみ出す
事態が防止されており、高信頼性の有機EL素子、LE
D等を用いて高品位の画像表示が可能となる。
【0042】本発明の第1から第4の表示装置の他の態
様では、前記駆動素子は、前記発光素子層毎に複数の薄
膜トランジスタからなる。
【0043】この態様によれば、例えば、2つの薄膜ト
ランジスタを組み合わせることにより、各画素における
有機EL素子等の電流制御型の発光素子を制御可能とな
る。
【0044】本発明の第1から第4の表示装置の他の態
様では、前記基板上における周辺領域に、前記駆動素子
又は前記配線と接続された周辺回路を更に備えており、
前記配線又は遮光膜と同一層から、前記周辺回路におけ
る配線の少なくとも一部が形成されている。
【0045】この態様によれば、画像表示領域における
配線や遮光膜と同一層からなる配線を有する走査線駆動
回路、データ線駆動回路等の周辺回路を内蔵した所謂周
辺回路内蔵型の表示装置が実現される。本発明の電子機
器は、上記第1から第4のいずれかの表示装置を備えて
なる。
【0046】本発明のこのような作用及び他の利得は次
に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。以下の実施形態は、本発明の表示装
置を、電流制御型発光素子の一例たる電荷注入型の有機
薄膜EL素子を用いたアクティブマトリクス駆動方式の
表示装置に適用したものである。
【0048】(表示装置の全体構成)図1は、本実施形
態における表示装置の全体のレイアウトを模式的に示す
平面図であり、図2は、表示装置の画像表示領域を構成
するマトリクス状に形成された複数の画素における各種
素子、配線等の等価回路を、駆動回路と共に示すブロッ
ク図である。
【0049】図1に示すように、表示装置1では、その
基体たる光透過性の透明基板10の中央領域が画像表示
領域2とされている。透明基板10における画像表示領
域2の周辺に位置する周辺領域のうち、データ線76の
両端側には画像信号を出力するデータ線駆動回路3及び
検査回路5が設けられている。周辺領域のうち、走査線
73の両端側には走査信号を出力する走査線駆動回路4
が構成されている。データ線駆動回路3及び走査線駆動
回路4内には、N型のTFTとP型のTFTとによって
相補型TFTが多数設けられており、これらの相補型T
FTから、シフトレジスタ、レベルシフタ、アナログス
イッチなどが構成されている。なお、透明基板10上に
おいて、データ線駆動回路3よりも外周の領域には、画
像信号や各種の電位、パルス信号を入力するための端子
群とされる実装用パッド6が形成されている。
【0050】このように構成した表示装置1では、透明
基板10上に、複数の走査線73と、該走査線73の延
設方向に対して交差する方向に延設された複数のデータ
線76とが設けられ、これらのデータ線76と走査線7
3との各交点に対応して、マトリクス状に配列された複
数の画素が規定されている。
【0051】また、データ線76と横並びに、共通給電
線78が設けられている。共通給電線78には、各画素
における有機EL発光素子を発光させるための電流が供
給される。
【0052】図2に示すように、各画素領域7には、走
査線73を介して走査信号がゲート電極21(第1のゲ
ート電極)に供給される第1のTFT20が構成されて
いる。このTFT20のソース領域及びドレイン領域の
一方は、データ線76に電気的に接続され、他方は電位
保持電極74に電気的に接続されている。更に、走査線
73に対しては容量線71が横並びに配線されており、
この容量線71の一部と、電位保持電極74とが誘電体
膜を介して対向配置されることにより、蓄積容量70が
形成されている。従って、走査信号によって選択されて
第1のTFT20がオン状態になると、データ線76か
ら画像信号が第1のTFT20を介して蓄積容量70に
書き込まれる。
【0053】尚、図2では、図1で画像表示領域2の下
側に図示したデータ線駆動回路3を便宜上、上側に図示
している。
【0054】電位保持電極74には第2のTFT30の
ゲート電極31(第2のゲート電極)が電気的に接続さ
れている。第2のTFT30のソース領域及びドレイン
領域の一方は、共通給電線78に電気的に接続されてお
り、他方は発光素子40の一方の電極(後述する画素電
極)に電気的に接続されている。共通給電線78は、定
電位に保持されている。従って、第2のTFT30がオ
ン状態になったときに、第2のTFT30を介して共通
給電線78の電流が発光素子40に流れ、発光素子40
を発光させる。
【0055】本実施形態で、共通給電線78の両側に
は、共通給電線78との間で駆動電流の供給が行われる
発光素子40を有する画素領域7が配置され、これらの
画素領域7に対して共通給電線78とは反対側を2本の
データ線76が通っている。すなわち、データ線76、
それに接続する画素群、1本の共通給電線78、それに
接続する画素群、及び該画素群に画素信号を供給するデ
ータ線76を1つの単位としてそれを走査線73の延設
方向に繰り返してあり、共通給電線78は、1本で2列
分の画素に対して駆動電流を供給する。従って、1列の
画素群ごとに共通給電線78を形成する場合と比較し
て、共通給電線78の形成領域が狭くて済み、発光面積
を増やすことができるので、輝度、コントラスト比など
の表示性能を向上させることができる。なお、このよう
に1本の共通給電線78に2列分の画素が接続される構
成としたため、データ線76は2本ずつ並列する状態に
あって、夫々の列の画素群に対して画像信号を供給する
ことになる。
【0056】但し、本発明に適用可能な共通給電線、容
量線、データ線等の配置については、各種形態が考えら
れる。例えば、TFTを構成するための半導体膜を低抵
抗化した導電膜を利用して蓄積容量70を構成してもよ
いし、共通給電線78を容量線として利用してもよい。
【0057】(各画素における構成)次に、以上の如く
構成された実施形態の表示装置1の画像表示領域2内に
おける各画素における構成について、図3から図6を参
照して説明する。図3は、データ線、走査線、発光素
子、TFT等が形成された透明基上における相隣接する
複数の画素群の平面図である。図4は、図3のA−A’
断面図であり、図5は、図3のB−B’断面図であり、
図6は、図3のC−C’断面図である。尚、図4から図
6においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度
の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならし
めてある。
【0058】先ず図3におけるA−A′線に相当する位
置では、図4に示すように、透明基板10上に、後に詳
述する下側遮光膜11及び下地絶縁膜12を介して、各
画素領域7の各々に第1のTFT20を形成するための
島状のシリコン膜200が形成され、その表面にはゲー
ト絶縁膜50が形成されている。また、ゲート絶縁膜5
0の表面にはゲート電極21が形成され、該ゲート電極
21に対して自己整合的に高濃度の不純物が導入された
ドレイン領域22及びソース領域23が形成されてい
る。尚、ソース領域とドレイン領域とは、本実施形態に
おけるTFTでは逆でも構わないが、ここでは図4で外
側に位置するソース及びドレイン領域の一方をドレイン
領域22とし、内側に位置するソース及びドレイン領域
の他方をソース領域23として説明を続ける。ゲート絶
縁膜50の表面側には第1の層間絶縁膜51が形成さ
れ、この層間絶縁膜51に開孔されたコンタクトホール
61及び62を介して、ドレイン領域22及びソース領
域23には、電位保持電極74及びデータ線76が夫々
電気的に接続されている。
【0059】各画素領域7には走査線73と並列するよ
うに、走査線73やゲート電極21と同一の層間(ゲー
ト絶縁膜50と第1の層間絶縁膜51との間)には容量
線71が形成されており、この容量線71に対しては、
第1の層間絶縁膜51を介して電位保持電極74の延設
部分75が重なっている。このため、容量線71と電位
保持電極74の延設部分75とは、第1の層間絶縁膜5
1を誘電体膜とする蓄積容量70を構成している。な
お、電位保持電極74及びデータ線76の表面側には第
2の層間絶縁膜52が形成されている。
【0060】図3におけるB−B′線に相当する位置で
は、図5に示すように、透明基板10上に、後に詳述す
る下側遮光膜11及び下地絶縁膜12を介して、形成さ
れた第1の層間絶縁膜51及び第2の層間絶縁膜52の
表面に各画素領域7に対応するデータ線76が2本、並
列している状態にある。
【0061】図3におけるC−C′線に相当する位置で
は、図6に示すように、透明基板10上には、後に詳述
する下側遮光膜11及び下地絶縁膜12を介して、共通
給電線78を挟む2つの画素領域7に跨がるように、第
2のTFT30を形成するための島状のシリコン膜30
0が形成され、その表面にはゲート絶縁膜50が形成さ
れている。また、ゲート絶縁膜50の表面には、共通給
電線78を挟むように、各画素領域7の各々にゲート電
極31が夫々形成され、このゲート電極31に対して自
己整合的に高濃度の不純物が導入されたドレイン領域3
2及びソース領域33が形成されている。ゲート絶縁膜
50の表面側には第1の層間絶縁膜51が形成され、こ
の層間絶縁膜51に形成されたコンタクトホール63を
介して、ドレイン領域32に中継電極35が電気的に接
続されている。一方、シリコン膜300の中央の2つの
画素領域7において共通のソース領域33となる部分に
対しては、第1の層間絶縁膜51のコンタクトホール6
4を介して、共通給電線78が電気的に接続されてい
る。これらの共通給電線78、及び中継電極35の表面
には第2の層間絶縁膜52が形成されている。第2の層
間絶縁膜52の表面にはITO膜からなる画素電極41
が形成されている。この画素電極41は、第2の層間絶
縁膜52に形成されたコンタクトホール65を介して中
継電極35に電気的に接続され、また中継電極35を介
して第2のTFT30のドレイン領域32に電気的に接
続されている。
【0062】ここで、画素電極41は発光素子40の一
方の電極を構成している。すなわち、画素電極41の表
面には正孔注入層42及び有機半導体膜43が積層さ
れ、さらに有機半導体膜43の表面には、リチウム含有
アルミニウム、カルシウムなどの金属膜からなる対向電
極90が形成されている。この対向電極90は、少なく
とも画素電極41の全面に対向して、あるいはストライ
プ状に形成された共通の電極であって、一定の電位に保
持されている。
【0063】このように構成された発光素子40では、
対向電極90及び画素電極41を夫々正極及び負極とし
て電圧が印加され、印加電圧がしきい値電圧を越えた領
域で有機半導体膜43に流れる電流(駆動電流)が急激
に増大する。その結果、発光素子40は、エレクトロル
ミネッセンス素子あるいはLED素子として発光し、発
光素子40の光は、対向電極90に反射されて透明な画
素電極41及び透明基板10を透過して出射される。
【0064】このような発光を行うための駆動電流は、
対向電極90、有機半導体膜43、正孔注入層42、画
素電極41、第2のTFT30、及び共通給電線78か
ら構成される電流経路を流れるため、第2のTFT30
がオフ状態になると、流れなくなる。但し、本形態の表
示装置1では、走査信号によって選択されて第1のTF
T20がオン状態になると、データ線76から画像信号
が第1のTFT20を介して蓄積容量70に書き込まれ
る。従って、第2のTFT30のゲート電極は、第1の
TFT20がオフ状態になっても、蓄積容量70によっ
て画像信号に相当する電位に保持されるので、第2のT
FT30はオン状態のままである。それ故、発光素子4
0には駆動電流が流れ続け、この画素は点灯状態のまま
である。この状態は、新たな画像データが蓄積容量70
に書き込まれて、第2のTFT30がオフ状態になるま
で維持される。
【0065】尚、共通給電線78には、各発光素子40
を駆動するための駆動電流が流れるので、データ線76
に比較して大きな電流が流れる。そこで、共通給電線7
8の単位長さ当たりの抵抗値を、データ線76の単位長
さ当たりの抵抗値よりも小さくするのが望ましい。例え
ば、共通給電線78とデータ線76とを同一材料から形
成するのであれば、前者の線幅や膜厚を後者より大きく
するのが望ましい。
【0066】本実施形態では特に図3から図6に示すよ
うに、駆動素子の一例たるTFT20及び30を、透明
基板10における下側から遮光する導電性の下側遮光膜
11を透明基板10上に備えて構成されている。下側遮
光膜11は、例えばTi(チタン)、Cr(クロム)、
W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブ
デン)、Pb(鉛)等の高融点金属のうち少なくとも一
つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリ
サイド、これらを積層したもの等から形成される。そし
て、バンク層80は、透明基板10上における下側遮光
膜11の上方に、後述の製造方法の如く下側遮光膜11
をマスクとして透明基板10の裏側から露光することに
より自己整合的に形成されている。即ち、下側遮光膜1
1とバンク層80とは、相互にほぼ同一の平面形状を有
する。
【0067】下側遮光膜11上には、下地絶縁膜12が
形成されており、下地絶縁膜12上に、上述したTFT
20及び30を夫々構成する半導体層200及び300
が形成されている。下地絶縁膜12は、下側遮光膜11
からTFT20及び30を層間絶縁する機能の他、透明
基板10の全面に形成されることにより、透明基板10
の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で
TFT20及び30の特性の変化を防止する機能を有す
る。
【0068】従って、本実施形態によれば、下側遮光膜
11とバンク層80とは、図3に示した如く平面形状が
殆ど同じであるので、背景技術の如く両者間の位置合わ
せ精度に応じて各画素の開口率が低下することは殆ど無
く且つ各画素における開口率のばらつきも低減されてい
る。
【0069】加えて、本実施形態では、透明基板10上
におけるTFT20及び30の下側からそれらのチャネ
ル領域を下側遮光膜11により覆っているので、当該T
FT20及び30における光リーク電流の発生が低減さ
れており、優れたトランジスタ特性のTFT20及び3
0により発光素子40を駆動できる。
【0070】更に、本実施形態では、TFT20及び3
0のみならず、平面的に見てデータ線76、共通給電線
78、走査線73、容量線71等の配線の形成領域に
も、下側遮光膜11及びこれとほぼ同一平面形状のバン
ク層80が形成されている。そして、これらの下側遮光
膜11及びバンク層80により各画素の開口領域を規定
すると共に、表示に寄与しない領域で発光素子40に駆
動電流が流れることを阻止することで無効電流の発生を
効果的に防止できる。特に、バンク層80は黒色のレジ
ストからなり、下側遮光膜11は高融点金属膜等の遮光
膜からなるので、ほぼ同一の平面形状を有する下側遮光
膜11とバンク層80との両者がブラックマトリクスと
して機能し、表示画像におけるコントラスト比が向上す
る。または、バンク層80を、ポリイミド等の樹脂によ
り形成してもよく、2層以上の構造にしてもよい。
【0071】尚、本実施形態では、下側遮光膜11を周
辺領域において、固定電位に落とすことが好ましい。こ
のように構成すれば、下地絶縁膜12の膜厚によらず
に、TFT20及び30に対して、下地絶縁膜12を介
して直下に位置する導電性の下地遮光膜11の電位変動
が及ぼす悪影響を低減できる。
【0072】但し、例えば、下地絶縁膜12の膜厚をあ
る程度厚くすることにより、導電性の下側遮光膜11を
画像表示領域2内における配線として利用することも可
能である。更に、このような導電性の下側遮光膜11
は、少なくとも周辺領域(図1参照)における配線とし
て利用することは可能である。
【0073】以上の結果、本実施形態の表示装置によれ
ば、明るく高品位の画像表示が可能となる。
【0074】以上説明した実施形態では、下側遮光膜1
1とバンク層80とを同一平面形状にしたが、TFT2
0及び30を透明基板10上において上側から覆う上側
遮光膜を設け、この上側遮光膜と自己整合的にバンク層
80を形成してもよい。このように構成すれば、上側か
らの光入射によるTFT20及び30における光リーク
電流の発生を防ぐことができ、更に各画素の開口率を低
下させない利益や、各画素における開口率のばらつきを
低減する利益は得られる。尚、このような遮光膜を薄膜
トランジスタの上側及び下側の両方に設けてもよいし、
上側遮光膜は、例えば高融点金属を含む膜等の下側遮光
膜11と同一材料から形成してもよい。
【0075】更に、上述の如き下側遮光膜11或いは上
側遮光膜に加えて又は代えて、若しくは部分的に代え
て、遮光性の導電膜からなりTFT20及び30に接続
されたデータ線76等の配線をマスクとして透明基板1
0の裏側から露光することによりバンク層80を自己整
合的に形成することも可能である。このように構成して
も、各画素の開口率を低下させない利益や、各画素にお
ける開口率のばらつきを低減する利益は得られる。ま
た、基板は必ずしも透明基板でなくてもよく、裏面から
の露光が十分に行える程度の光透過性を有する基板であ
ればよい。
【0076】(製造プロセス)次に、上述した実施形態
の表示装置の製造プロセスについて図7を参照して説明
する。ここに図7は、製造プロセスの各工程における表
示装置の積層構造を、TFT20及び30、容量線71
並びにゲート電極31の延設部分310を含む断面で順
を追って示す工程図である。
【0077】先ず図7の工程(1)に示すように、石英
基板、ハードガラス等の透明基板10を用意する。ここ
で、好ましくはN(窒素)等の不活性ガス雰囲気且つ
約900〜1300℃の高温でアニール処理し、後に実
施される高温プロセスにおける透明基板10に生じる歪
みが少なくなるように前処理しておく。
【0078】続いて、このように処理された透明基板1
0の全面に、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPb等の
金属や金属シリサイド等の金属合金膜を、スパッタリン
グにより、100〜500nm程度の膜厚、好ましくは
約200nmの膜厚の遮光膜11’を形成する。
【0079】次に工程(2)に示すように、フォトリソ
グラフィ及びエッチングにより、バンク層80と同一平
面形状を有する格子状の下側遮光膜11を形成する。続
いて、下側遮光膜11上に、例えば、常圧又は減圧CV
D法等によりTEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリ
ケート)ガス、TEB(テトラ・エチル・ボートレー
ト)ガス、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フォス
レート)ガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、B
PSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸
化シリコン膜等からなる下地絶縁膜12を形成する。こ
の下地絶縁膜12の膜厚は、例えば約200〜2000
nm程度とする。
【0080】次に工程(3)に示すように、基板の温度
を約350℃に設定して、下地絶縁膜12の表面にプラ
ズマCVD法により厚さが約30〜70nmのアモルフ
ァスのシリコン膜からなる半導体膜100を形成する。
次にアモルファスのシリコン膜からなる半導体膜100
に対して、レーザアニールまたは固相成長法などの結晶
化工程を行い、半導体膜100をポリシリコン膜に結晶
化する。レーザアニール法では、たとえば、エキシマレ
ーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用
い、その出力強度はたとえば200mJ/cm2 であ
る。ラインビームについてはその短寸方向におけるレー
ザ強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に
重なるようにラインビームを走査していく。
【0081】次に工程(4)に示すように、半導体膜1
00をパターニングして島状の半導体膜200及び30
0とし、その表面に対して、TEOSや酸素ガスなどを
原料ガスとしてプラズマCVD法により厚さが約60〜
150nmのシリコン酸化膜または窒化膜からなるゲー
ト絶縁膜50を形成する。
【0082】次に工程(5)に示すように、アルミニウ
ム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなど
の金属膜からなる導電膜をスパッタ法により形成した
後、パターニングし、ゲート電極21及び31を形成す
る。この工程では、走査線73及び容量線71も形成す
る。なお、図中、310は、ゲート電極31の延設部分
である。
【0083】この状態で、高濃度のリンイオンを打ち込
んで、シリコン薄膜200及び300にはゲート電極2
1及び31に対して自己整合的にドレイン領域22、ソ
ース領域23、ドレイン領域32及びソース領域33を
夫々形成する。なお、不純物が導入されなかった部分が
チャネル領域27及び37となる。
【0084】次に工程(6)に示すように、第1の層間
絶縁膜51を形成した後、コンタクトホール61、6
2、63、64及び69をドライエッチング、ウエット
エッチング若しくはドライエッチングとウエットエッチ
ングとの組み合わせにより開孔し、データ線76、容量
線71及びゲート電極31の延設部分310に重なる延
設部分75を備える電位保持電極74、共通給電線7
8、及び中継電極35を形成する。その結果、電位保持
電極74はコンタクトホール69及び延設部分310を
介してゲート電極31に電気的に接続する。このように
して第1のTFT20及び第2のTFT30を形成す
る。また、容量線71と電位保持電極74の延設部分7
5とによって蓄積容量70が形成される。
【0085】次に工程(7)に示すように、第2の層間
絶縁膜52を形成し、この層間絶縁膜には、中継電極3
5に相当する部分にコンタクトホール65を開孔する。
次に、第2の層間絶縁膜52の表面全体にITO(Indi
um Tin Oxide)膜を形成した後、パターニングし、コン
タクトホール65を介して第2のTFT30のドレイン
領域32に電気的に接続する画素電極41を形成する。
【0086】次に工程(8)に示すように、第2の層間
絶縁膜52の表面側に黒色のレジスト層を形成した後、
このレジストを発光素子40の正孔注入層42及び有機
半導体膜43を形成して発光領域とすべき領域を囲むよ
うに残し、バンク層80をフォトリソグラフィ及びエッ
チングに形成する。
【0087】本実施形態では特に、このようなバンク層
80を形成するために、専用のフォトマスクを用いず、
予め工程(2)において、バンク層80を形成すべき領
域に形成しておいた下側遮光膜11をフォトマスクとし
て、透明基板10の裏側から露光することにより、この
ようなバンク層80を自己整合的に形成する。
【0088】続いて、バンク層80の内側領域に対して
インクジェットヘッド500から、正孔注入層42を構
成するための液状の材料(前駆体)を吐出し、バンク層
80の内側領域に正孔注入層42を形成する。同様に、
バンク層80の内側領域に対してインクジェットヘッド
500から、有機半導体膜43を構成するための液状の
材料(前駆体)を吐出し、バンク層80の内側領域に有
機半導体膜43を形成する。ここで、バンク層80はレ
ジストから構成されているため、撥水性である。これに
対して、有機半導体膜43の前駆体は親水性の溶媒を用
いているため、有機半導体膜43の塗布領域はバンク層
80によって確実に規定され、隣接する画素にはみ出る
ことがない。それ故、有機半導体膜43などを所定領域
内だけに形成できる。但し、予めバンク層80からなる
隔壁が1μmほどの高さであれば、バンク層80が撥水
性でなくても、バンク層80は隔壁として十分に機能す
る。なお、バンク層80を形成しておけば、インクジェ
ット法に代えて、塗布法で正孔注入層42や有機半導体
膜43を形成する場合でもその形成領域を規定できる。
【0089】次に工程(9)に示すように、透明基板1
0の表面全体に対して、あるいはストライプ状に対向電
極90を形成する。
【0090】以上説明したように本実施形態の製造プロ
セスによれば、工程(2)でパターニングした下側遮光
膜11をマスクとして、工程(8)で透明基板10の裏
側から露光することによりバンク層80を自己整合的に
形成する。このため、装置完成後には、下側遮光膜11
とバンク層80とは、平面形状が殆ど同じとなるので、
画素の開口率が高く且つ各画素における開口率のばらつ
きも低減された明るく高品位の画像表示可能なアクティ
ブマトリクス駆動型の表示装置を、比較的低コストで製
造できる。
【0091】他方、図1に示すデータ線駆動回路3や走
査線駆動回路4にもTFTが形成されるが、これらのT
FTは画素領域7にTFTを形成していく工程の全部あ
るいは一部を援用して行われる。それ故、駆動回路を構
成するTFTも、画素領域7のTFTと同一の層間に形
成されることになる。
【0092】尚、前記第1のTFT20、及び第2のT
FT30については、双方がN型、双方がP型、一方が
N型で他方がP型のいずれでもよいが、このようないず
れの組合せであっても周知の方法でTFTを形成してい
けるので、その説明を省略する。
【0093】また発光素子40としては、発光効率(正
孔注入率)がやや低下するものの、正孔注入層42を省
くこともある。また、正孔注入層42に代えて電子注入
層を有機半導体膜43に対して正孔注入層42とは反対
側に形成する場合、正孔注入層42及び電子注入層の双
方を形成する場合がある。
【0094】また特に、下側遮光膜11に代えて、上側
遮光膜或いは遮光性の配線と自己整合的にバンク層80
を形成する場合には、予め、このような上側遮光膜等を
バンク層80を形成すべき領域に形成しておき、図7の
工程(8)で、このような上側遮光膜等をマスクとして
透明基板10の裏側から露光すれば、バンク層80を自
己整合的に形成可能である。上述した表示装置は、例え
ば、モバイル型のパーソナルコンピュータ、携帯電話、
ディジタルスチルカメラ等の各種電子機器に適用するこ
とができる。図8は、モバイル型のパーソナルコンピュ
ータの構成を示す斜視図である。図8において、パーソ
ナルコンピュータ100は、キーボード102を備えた
本体部104と、上述した表示装置からなる表示ユニッ
ト106とから構成されている。図9は、携帯電話の斜
視図である。図9において、携帯電話200は、複数の
操作ボタン202の他、受話口204、送話口206と
共に、上述した表示装置208を備えている。なお、上
述した表示装置を表示部等として適用できる電子機器と
しては、図8のパーソナルコンピュータ、図9の携帯電
話の他にも、デジタルカメラ、テレビ、ビューファイン
ダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カー
ナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワー
ドプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、PO
S端末、およびタッチパネルを備えた機器等を挙げるこ
とができる。
【0095】本発明は、上述した実施形態に限られるも
のではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる
発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能で
あり、そのような変更を伴なう表示装置の製造方法及び
表示装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における表示装置の全体のレ
イアウトを模式的に示す平面図である。
【図2】実施形態の表示装置の画像表示領域を構成する
マトリクス状に形成された複数の画素における各種素
子、配線等の等価回路を、駆動回路と共に示すブロック
図である。
【図3】実施形態の表示装置の画素領域を拡大して示す
平面図である。
【図4】図3のA−A′断面図である。
【図5】図3のB−B′断面図である。
【図6】図3のC−C′断面図である。
【図7】実施形態に係る表示装置の製造プロセスの各工
程における透明基板上の積層構造を順を追って示す工程
図である。
【図8】実施形態の表示装置を適用した電子機器の一例
に相当するパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図
である。
【図9】実施形態の表示装置を適用した電子機器の一例
に相当する携帯電話の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】 1 表示装置 2 画像表示領域 3 データ線駆動回路 4 走査線駆動回路 5 検査回路 6 実装用パッド 7 画素領域 10 透明基板 11 下側遮光膜 12 下地絶縁膜 20 第1のTFT 21 第1のTFTのゲート電極 30 第2のTFT 31 第2のTFTのゲート電極 40 発光素子 41 画素電極 42 正孔注入層 43 有機半導体膜 50 ゲート絶縁膜 51 第1の層間絶縁膜 52 第2の層間絶縁膜 70 蓄積容量 71 容量線 73 走査線 74 電位保持電極 75 延設部 76 データ線 78 共通給電線 80 バンク層 90 対向電極 500 インクジェットヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/30 365 G09F 9/30 365Z H05B 33/12 H05B 33/12 B 33/14 33/14 A 33/22 33/22 Z Fターム(参考) 3K007 AB17 AB18 DB03 FA01 5C094 AA03 AA10 AA25 AA43 AA44 AA48 AA55 BA03 BA27 CA19 DA09 DA13 DA15 DB01 DB04 EA04 EA07 EA10 EB02 ED15 FA01 FA02 FB01 FB12 FB15 FB20 GB10 5G435 AA03 AA17 BB05 CC09 EE37 FF13 HH12 KK05

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性の基板上に、平面的に配列され
    た複数の発光素子層と、前記発光素子層に接続された駆
    動素子と、前記複数の発光素子層相互間の境界領域に配
    置されたバンク層と、前記駆動素子に接続された配線と
    を備えた表示装置を製造する表示装置の製造方法であっ
    て、 前記基板上に、遮光性の導電膜を前記バンク層の平面形
    状に対応する平面形状にパターニングすることにより前
    記配線を形成する配線形成工程と、 前記配線をマスクとして前記基板の裏側から露光するこ
    とにより、前記基板上における前記配線の上方に、前記
    バンク層を自己整合的に形成するバンク層形成工程と、 前記バンク層で囲まれた領域内に前記発光素子層を形成
    する発光素子層形成工程と、 を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記配線形成工程と前記バンク層形成工
    程との間に、前記境界領域に前記駆動素子を形成する駆
    動素子形成工程を含むことを特徴とする請求項1に記載
    の表示装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 光透過性の基板上に、平面的に配列され
    た複数の発光素子層と、該発光素子層に接続された駆動
    素子と、前記複数の発光素子層相互間の境界領域に配置
    されたバンク層と、前記駆動素子を少なくとも部分的に
    遮光する遮光膜とを備えた表示装置を製造する表示装置
    の製造方法であって、 前記基板上に、前記遮光膜を前記バンク層の平面形状に
    対応する平面形状にパターニングする遮光膜形成工程
    と、 前記遮光膜をマスクとして前記基板の裏側から露光する
    ことにより、前記基板上における前記遮光膜の上方に、
    前記バンク層を自己整合的に形成するバンク層形成工程
    と、 前記バンク層で囲まれた領域内に前記発光素子層を形成
    する発光素子層形成工程と、 を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記遮光膜形成工程と前記バンク層形成
    工程との間に、前記境界領域に前記駆動素子を形成する
    駆動素子形成工程を含むことを特徴とする請求項3に記
    載の表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記駆動素子は、薄膜トランジスタを含
    み、 前記遮光膜形成工程では、前記薄膜トランジスタの少な
    くともチャネル領域を前記透明基板側から覆うように前
    記遮光膜をパターニングすることを特徴とする請求項3
    又は4に記載の表示装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記遮光膜形成工程では、前記遮光膜と
    して、配線の機能を有する導電性の遮光膜を形成するこ
    とを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の
    表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記発光素子層形成工程は、インクジェ
    ット法により前記発光素子層の少なくとも一部を形成す
    る工程を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれ
    か一項に記載の表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記発光素子層形成工程は、有機エレク
    トロルミネッセンス膜或いは有機半導体膜を形成する工
    程を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか一
    項に記載の表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 光透過性の基板上に、 平面的に配列された複数の発光素子層と、 該発光素子層に接続された駆動素子と、 前記複数の発光素子層相互間の境界領域に配置されたバ
    ンク層と、 遮光性の導電膜からなり前記駆動素子に接続された配線
    とを備えており、 前記バンク層は、前記基板上における前記配線の上方
    に、前記配線をマスクとして前記基板の裏側から露光す
    ることにより自己整合的に形成されていることを特徴と
    する表示装置。
  10. 【請求項10】 光透過性の基板上に、 平面的に配列された複数の発光素子層と、 該発光素子層に接続された駆動素子と、 前記複数の発光素子層相互間の境界領域に配置されたバ
    ンク層と、 遮光性の導電膜からなり前記駆動素子に接続された配線
    とを備えており、 前記配線の少なくとも一部の平面形状は、前記バンク層
    の平面形状に対応してなることを特徴とする表示装置。
  11. 【請求項11】 前記配線は、データ線、走査線、容量
    線及び共通給電線のうち少なくとも一つを含むことを特
    徴とする請求項9または10に記載の表示装置。
  12. 【請求項12】 光透過性の基板上に、 平面的に配列された複数の発光素子層と、 該発光素子層に接続された駆動素子と、 前記複数の発光素子層相互間の境界領域に配置されたバ
    ンク層と、 前記駆動素子を少なくとも部分的に遮光する遮光膜とを
    備えており、 前記バンク層は、前記基板上における前記遮光膜の上方
    に、前記遮光膜をマスクとして前記基板の裏側から露光
    することにより自己整合的に形成されていることを特徴
    とする表示装置。
  13. 【請求項13】 光透過性の基板上に、 平面的に配列された複数の発光素子層と、 該発光素子層に接続された駆動素子と、 前記複数の発光素子層相互間の境界領域に配置されたバ
    ンク層と、 前記駆動素子を少なくとも部分的に遮光する遮光膜とを
    備えており、 前記遮光膜の平面形状は、前記バンク層の平面形状に対
    応してなることを特徴とする表示装置。
  14. 【請求項14】 前記駆動素子は、薄膜トランジスタを
    含み、 前記遮光膜は、前記薄膜トランジスタの少なくともチャ
    ネル領域を下側から覆うことを特徴とする請求項12ま
    たは13に記載の表示装置。
  15. 【請求項15】 前記駆動素子は、薄膜トランジスタを
    含み、 前記遮光膜は、前記薄膜トランジスタの少なくともチャ
    ネル領域を上側から覆うことを特徴とする請求項12ま
    たは13に記載の表示装置。
  16. 【請求項16】 前記発光素子層は、有機エレクトロル
    ミネッセンス膜或いは有機半導体膜からなることを特徴
    とする請求項9から15のいずれか一項に記載の表示装
    置。
  17. 【請求項17】 前記駆動素子は、前記発光素子層毎に
    複数の薄膜トランジスタからなることを特徴とする請求
    項9から16のいずれか一項に記載の表示装置。
  18. 【請求項18】 前記基板上における周辺領域に、前記
    駆動素子又は前記配線と接続された周辺回路を更に備え
    ており、 前記配線又は前記遮光膜と同一層から、前記周辺回路に
    おける配線の少なくとも一部が形成されていることを特
    徴とする請求項9から17のいずれか一項に記載の表示
    装置。
  19. 【請求項19】 請求項9から18のいずれか一項に記
    載の表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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