JP2002352858A - 重合性化合物、電気化学デバイス用電解質および重合性化合物の製造方法 - Google Patents
重合性化合物、電気化学デバイス用電解質および重合性化合物の製造方法Info
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Abstract
二次電池やコンデンサ等の電気化学デバイス用の材料と
して有用な重合性化合物、その重合物、その重合物を含
有する高分子電解質およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 塩素含有量が100ppm以下である式
(1)で示される重合性化合物、その重合物を含有する
電気化学デバイス用電解質およびその重合性化合物の製
造方法。 XO(AO)nH (1) (Xはアクリロイル基またはメタクリロイル基であり、
AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、n=1〜1
00である。)
Description
いオキシアルキレン基を有する重合性化合物、該重合性
化合物の重合物を用いた電気化学デバイス用電解質、二
次電池用電解質、二次電池および該重合性化合物の製造
方法に関する。
する要求が強く、そのエネルギー源である電池材料に対
しても、小型化、軽量化でかつ高容量、高エネルギー密
度が求められ、種々の研究開発が行われている。近年そ
のような要求に応える目的から、従来の電解質溶液に代
わる新しいイオン伝導体として、固体電解質が全固体一
次電池、二次電池、コンデンサ等の電気化学デバイスへ
の応用が試みられている。従来の電解液を使用した電気
化学デバイスでは、液漏れや溶質の染みだしの問題から
安全性や信頼性に問題がある。このような電解液を用い
た場合の欠点を克服するために、高分子化合物を電解質
に使用したいわゆる高分子電解質が種々検討されてい
る。高分子電解質は可堯性を有し、機械的衝撃にも追従
し、さらに電極−電解質間でのイオン電子交換反応に際
して生じる電極の体積変化にも追従し得る特徴を有して
いる。このような高分子電解質としては、米国特許第4
303748号明細書ではポリアルキレンオキシドにア
ルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を溶解した固体
電解質が提案されているが、イオン伝導度が不十分で、
さらに極材との接触抵抗が高いといった課題が残されて
いる。このようにイオン伝導度が不十分であった場合に
は、充電および放電時の電流密度が充分に得られず、大
電流を必要とする用途には適用できず、用途が限定され
てしまう。上記の固体電解質の欠点を克服するため、ポ
リ(メタ)アクリレートを主鎖として側鎖または/かつ
架橋鎖としてポリアルキレングリコール鎖を導入した高
分子にアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を溶解
した固体電解質が数多く提案されている。このような高
分子の基質となるポリアルキレングリコール(メタ)ア
クリレートとしては、活性水素を有する(メタ)アクリ
レート誘導体を基質として、特公昭43−9071号公
報に示されているルイス酸触媒を用いたカチオン重合の
製法にてアルキレンオキシドを開環重合させて得ること
ができるが、反応触媒に含まれる塩素分の除去が難し
く、得られるポリアルキレングリコール誘導体中に残存
することから、電解質として用いる際に、溶解している
金属塩との反応や極材または集電体の腐食、または内部
での火花発生や短絡が発生し、容量の保持や安全性およ
び安定性その他特性の低下を引き起こしてしまう。また
通常知られているアルカリ金属水酸化物やアルカリ金属
アルコラート等のアニオン重合触媒では、反応温度を通
常は100℃以上と高くする必要があることやアルカリ
金属が重合性基である(メタ)アクリロイル基の重合を
引き起こす可能性があることから、適用することができ
ない。
の少ないオキシアルキレン基を有する重合性化合物、該
重合性化合物の重合物であり、高いイオン伝導度を示
し、かつ安全性に優れた二次電池やコンデンサ等の電気
化学デバイス用の材料として有用な重合物、その重合物
を含有する高分子電解質および重合性化合物の製造方法
を提供することを目的とする。
示される重合性化合物。 XO(AO)nH (1) (Xはアクリロイル基またはメタクリロイル基であり、
AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、n=1〜1
00である。) (B) (A)記載の重合性化合物の重合物を含有する
電気化学デバイス用電解質。 (C) (A)記載の重合性化合物の重合物を含有する
二次電池用電解質。 (D) (C)記載の二次電池用電解質を用いる二次電
池。 (E) 触媒として三フッ化ホウ素化合物を用いて、活
性水素含有重合性化合物にアルキレンオキシドを開環重
合させた後に、活性水素含有重合性化合物とアルキレン
オキシドの合計量100重量部に対して0.1〜10重
量部の酸化マグネシウム20〜80重量%および酸化ア
ルミニウム5〜50重量%を含有する複合金属酸化物で
処理する(A)記載の重合性化合物の製造方法である。
性化合物は、塩素含有量100ppm以下であり、好ま
しくは25ppm以下であり、より好ましくは10pp
m以下である。塩素含有量が100ppmより多いと、
電気特性が劣る。塩素含有量は以下の方法で測定するこ
とができる。例えば、日本工業規格JIS K2241
5.3.3に準拠した塩素分析方法や、ISO103
04−1に準拠したイオンクロマトグラムによる陰イオ
ン分析法等が挙げられる。これらの分析方法を用いるに
あたっては、予め有機物質を白金るつぼなどで燃焼さ
せ、そのガスを捕集し、かつ燃焼残分を収集し、これを
上記分析方法に充当する形でも分析することが可能であ
る。また、式(1)で示される重合性化合物のCPR値
が30以下のものが好ましく、15以下のものがより好
ましく、5以下のものがさらに好ましい。CPR値が3
0以下であると電気特性に優れる。CPR値はJIS
K1557 6.8に準じて測定することができる。
有量が少ないため電気特性に優れることから、特に電気
化学デバイス用重合性化合物として好適に使用すること
ができる。式(1)で示される重合性化合物の重合物は
塩素含有量が少ないため電気特性に優れることから、特
に電気化学デバイス用電解質として好適に使用すること
ができる。式(1)で示される重合性化合物をホウ酸ま
たは無水ホウ酸によりエステル化することによって得ら
れる重合性ホウ酸エステル化合物を製造して、さらに重
合性ホウ酸エステル化合物を重合することにより電気化
学デバイス用電解質として使用することができる。電気
化学デバイス用電解質としては、二次電池、電解コンデ
ンサ等の電解質として使用することができ、イオン性化
合物および有機高分子化合物からなる二次電池用電解質
の有機高分子化合物として有用であり、特にリチウムイ
オン二次電池用電解質として有用である。さらに、その
二次電池用電解質を用いた二次電池に使用することがで
きる。
化合物において、Xはアクリロイル基またはメタクリロ
イル基である。式(1)においてAOで示される炭素数
2〜4のオキシアルキレン基は、オキシエチレン基、オ
キシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシテトラメ
チレン基などが挙げられ、好ましくはオキシエチレン基
またはオキシプロピレン基である。またこれらの1種ま
たは2種以上の混合物でもよく、2種以上の時の重合形
式はブロック状、ランダム状のいずれでもよい。nは炭
素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数であ
り、1〜100であり、イオン伝導度を得る目的から好
ましくは5〜100である。100を超えると重合性基
の導入量が少なく、マトリクスとしての機械的強度が得
難くなる。
合性化合物は、三フッ化ホウ素化合物を触媒として使用
し、原料である活性水素含有重合性化合物1モルにアル
キレンオキシド1〜100モルを開環重合させた後に、
活性水素含有重合性化合物とアルキレンオキシドの合計
量100重量部に対して0.1〜10重量部の複合金属
酸化物で処理することにより得ることができる。また、
式(1)で示される重合性化合物は、活性水素を2つ含
有する化合物であるジオール化合物に、アクリル酸クロ
リドやメタクリル酸クロリドを脱塩酸反応することで、
もしくはジオール化合物にアクリル酸やメタクリル酸を
エステル化反応させることでも得ることができる。しか
し、式(1)で示される片末端が重合性基で、かつもう
一方が水酸基である構造の化合物の収率が低いため成形
性が劣ることなどがあり、塩素やその他不純物の残存も
多いことから好ましくない。
(2)で示される化合物である。 XO(A1O)mH (2) (Xはアクリロイル基またはメタクリロイル基であり、
A1Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、m=0〜
99である。) 式(2)において、Xはアクリロイル基またはメタクリ
ロイル基である。式(2)においてA1Oで示される炭
素数2〜4のオキシアルキレン基は、オキシエチレン
基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシテ
トラメチレン基などが挙げられ、好ましくはオキシエチ
レン基またはオキシプロピレン基である。またこれらの
1種または2種以上の混合物でもよく、2種以上の時の
重合形式はブロック状、ランダム状のいずれでもよい。
mは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル
数であり、0〜99である。好ましくは0〜49であ
る。
アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、
メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−
ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシブチ
ル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸4
−ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコールモノアク
リレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ
プロピレングリコールモノメタクリレート、ポリブチレ
ングリコールモノアクリレート、ポリブチレングリコー
ルモノメタクリレート、ポリテトラメチレングリコール
モノアクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ
メタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピ
レングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコ
ール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート等
が挙げられる。好ましくはアクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸
2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシ
プロピルである。
化合物としては、例えば三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ
素ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素ジn−ブチル
エーテル錯体、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯
体、三フッ化ホウ素フェノール錯体、三フッ化ホウ素酢
酸錯体等の三フッ化ホウ素化合物等が挙げられる。好ま
しくは三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三フッ化
ホウ素ジn−ブチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素テト
ラヒドロフラン錯体である。三フッ化ホウ素化合物の添
加量は、従来から知られているように、活性水素含有重
合性化合物およびアルキレンオキシドの総重量に対し
て、0.01〜1.00重量%の範囲で用いることが好
ましい。
化物としては、酸化マグネシウム20〜80重量%およ
び酸化アルミニウム5〜50重量%を含有するものであ
る。好ましくは酸化マグネシウム30〜70重量%およ
び酸化アルミニウム10〜40重量%含有するものであ
り、より好ましくは酸化マグネシウム50〜70重量%
および酸化アルミニウム25〜40重量%含有するもの
である。この範囲にある複合金属酸化物を使用すると塩
素分の低減に有効である。また、複合金属酸化物を焼成
活性化したものも使用することができ、さらに塩素分の
低減に効果的である。焼成活性化する場合、焼成活性化
温度は200〜1000℃で2〜6時間処理することが
一般的である。
はないが粉体状であるものが好ましい。さらに、複合金
属酸化物は、乾燥減量が10重量%未満が好ましく、5
重量%未満がより好ましい。乾燥減量が10重量%以上
であると、酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムの
相対的な含有量が低下する場合があり好ましくない。こ
こで言う乾燥減量とは、複合金属酸化物を105±2℃
の恒温乾燥機にて3時間乾燥した後の減少重量を、乾燥
前の複合金属酸化物に対する重量百分率で表したもので
ある。
イ素が含まれていても良いが、その含有量は10重量%
未満が好ましく、5重量%未満がより好ましい。二酸化
ケイ素の含有量が10重量%以上であると、酸化マグネ
シウムおよび酸化アルミニウムの相対的な含有量が低下
し、さらに、効率的な反応触媒等の除去が困難となり好
ましくない。酸化マグネシウム20〜80重量%および
酸化アルミニウム5〜50重量%を含有する複合金属酸
化物は、市販品としては、例えば協和化学工業(株)製
のキョーワード300、キョーワード500、キョーワ
ード1000、キョーワード2000、富田製薬(株)
製のトミックスAD500などが挙げられる。
は以下の通りである。キョーワード300(酸化マグネ
シウム26.4重量%、酸化アルミニウム26.3重量
%、二酸化ケイ素含有しない)、キョーワード500
(酸化マグネシウム38.2重量%、酸化アルミニウム
16.1重量%、二酸化ケイ素含有しない)、キョーワ
ード1000(酸化マグネシウム35.2重量%、酸化
アルミニウム19.1重量%、二酸化ケイ素含有しな
い)、キョーワード2000(酸化マグネシウム59.
2重量%、酸化アルミニウム33.0重量%、二酸化ケ
イ素含有しない)、トミックスAD500(酸化マグネ
シウム37.4重量%、酸化アルミニウム17.2重量
%、二酸化ケイ素含有しない)である。本発明では、複
合金属酸化物を1種または2種以上組み合わせて用いる
ことができる。酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウ
ムを含有する複合金属酸化物の使用量は、活性水素含有
重合性化合物とアルキレンオキシドの合計量100重量
部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5
重量部である。0.1重量部より少ない場合には塩素分
の低減が十分ではなく、10重量部より多い場合には除
去することが困難で、かつポリアルキレングリコール誘
導体の収量が低下するため好ましくない。
重合を行って得られた重合性化合物、複合金属酸化物を
任意の方法で混合または接触させることができるが、攪
拌しながら接触させるのが好ましい。また、添加順序は
特に限定されないが、通常は開環重合を行って得られた
重合性化合物に複合金属酸化物を添加する。処理温度は
通常50〜90℃であり、好ましくは60〜80℃であ
る。50℃を下回ると塩素分の低減が十分でなく、90
℃より高いとポリアルキレングリコール誘導体の劣化も
しくは重合性基の安定性に問題を生じる原因となること
もある。処理時間は通常30分〜6時間である。30分
より短いと塩素分の低減が十分ではない可能性があり、
6時間より長くてもそれ以上の効果は見られないことも
ある。また、同時に減圧処理をすることもでき、さらに
効果的である。処理後、濾過、遠心分離などによって複
合金属酸化物を除去することが好ましい。また複合金属
化合物による処理では、遷移金属、アルカリ土類金属、
アルカリ金属、これらの塩およびイオンの低減効果も併
せて得ることができる。これらのうちアルカリ土類金
属、アルカリ金属に由来する成分の存在は、電気デバイ
ス用の材料として用いる場合に障害となり得るため、よ
り低減することが望ましい。これらの存在量について
は、JIS K1557 6.8に従って算出される含
有する塩基性物質の量を示すCPR値から計り知ること
が可能である。
を、ホウ酸または無水ホウ酸によりエステル化すること
によって得られる重合性ホウ酸エステル化合物は電気特
性が良好である。特に好適に電気化学デバイスに用いる
ことができる。さらに重合性ホウ酸エステル化合物を重
合することにより電気化学デバイス用電解質として好適
に使用することができる。電気化学デバイス用電解質と
しては、二次電池、電解コンデンサ等の電解質として使
用することができ、イオン性化合物および有機高分子化
合物からなる二次電池用電解質の有機高分子化合物とし
て有用であり、特にリチウムイオン二次電池用電解質と
して有用である。さらに、その二次電池用電解質を用い
た二次電池に使用することができる。
合性ホウ酸エステル化合物(以下、重合性ホウ酸エステ
ル化合物と称する)は、好ましくは塩素含有量100p
pm以下であり、より好ましくは25ppm以下であ
り、さらに好ましくは10ppm以下である。塩素含有
量が100ppm以下であると、電気特性に優れる。ま
た、重合性ホウ酸エステル化合物のCPR値が30以下
のものが好ましく、15以下のものがより好ましく、5
以下のものがさらに好ましい。CPR値が30以下であ
ると電気特性に優れる。本発明に用いられる重合性ホウ
酸エステル化合物は、式(1)で示される重合性化合物
にオルトホウ酸、メタホウ酸、ピロホウ酸などのホウ酸
または無水ホウ酸を加え、50〜90℃にて空気通気下
で真空による脱水反応することで得られる。例えば反応
温度50〜90℃、0.133〜6.67kPa(1〜
50mmHg)の真空下において、空気を適当量通気し
つつ、撹拌しながら2〜30時間脱水反応することで重
合性ホウ酸エステル化合物が生成する。反応温度は50
〜90℃であり、好ましくは60〜90℃である。50
℃より低いと脱水によるエステル化反応の進行が困難で
あり、90℃より高いと重合性基の保持が困難である。
エステル化反応は、0.133〜6.67kPaの減圧
下で行うのが好ましく、0.133〜4.00kPaで
行うのがより好ましい。0.133kPaより低いとエ
ステル化反応に付帯して発生する水によって突沸する可
能性があり、6.67kPaより高いと脱水によるエス
テル化反応の進行が困難である。反応中に系内に通じる
空気は、特に制限はないものの、好ましくは凝縮型エア
ードライヤー等によって乾燥させたものである。反応時
間は2〜30時間であり、好ましくは2〜20時間であ
る。2時間より短いと発生する水の除去が困難であり、
30時間を超えると重合性基の保持が困難である。
1モルに対して、ホウ素原子1/3モルの比率におい
て、ホウ酸トリエステルが生成する。ホウ酸エステル化
の割合は、水酸基とホウ素原子のモル比率によって任意
に調整可能であるが、式(1)で示される重合性化合物
の水酸基とホウ素原子のモル比率は、好ましくは6/1
〜3/1の範囲である。エステル化反応に際しては、エ
ステル化反応に関わらない溶剤を適宜用いることができ
る。また重合性基の保護のために、従来知られているヒ
ドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ジ−t
−ブチル−ヒドロキシトルエン、フェノチアジン等の重
合禁止剤を20〜1000ppmの添加量で用いること
ができる。
合性化合物および重合性ホウ酸エステル化合物は、これ
に含まれる重合性基を重合させた形で使用する。重合
は、加熱、紫外線、可視光、電子線などのエネルギーに
よってなされるが、適宜、公知の重合開始剤を使用して
も良い。重合後の数平均分子量は50,000〜10,
000,000であるのが好ましく、50,000を下
回ると得られるフィルムの自立性や可堯性の発現が得難
くなることもあり得る。
合性ホウ酸エステル化合物は、1種または2種以上を混
合して使用することができる。配合によっては、混合し
て使用することにより機械的特性の向上や電気化学デバ
イス用材料として使用した際のイオン伝導度の向上が望
まれる。本発明に用いられる式(1)で示される重合性
化合物の重合物または重合性ホウ酸エステル化合物の重
合物は、電気化学デバイス用材料として使用する際に、
イオン性化合物を除いた成分の中で、良好なイオン伝導
度と機械的特性の両立の点から、5〜100重量%の比
率において用いるのが好ましく、10〜90重量%の比
率において用いるのがより好ましい。
た電解質では、イオン伝導性を有するポリアルキレング
リコール鎖が、ポリ(メタ)アクリル酸主鎖に対してグ
ラフト鎖または架橋鎖として導入されるため、高いイオ
ン伝導度と両立して、フィルム安定性が優れる。さらに
式(1)で示される重合性化合物を2種以上使用するこ
とで、重合性基の導入量(架橋密度)、イオン伝導を担
うポリアルキレングリコール鎖の種類および長さを任意
に制御することができ、材料設計の点からも非常に有用
である。重合性ホウ酸エステル化合物の重合物を使用し
た電解質では、ホウ素によるカチオン輸率の向上によっ
てイオン伝導度の向上と、それに伴う電気化学デバイス
用電解質としての性能改善が達成できる。そして、ホウ
酸エステル基がポリマーマトリクスと同一分子中に固定
されているために、高いイオン伝導度と両立して、フィ
ルム安定性が優れる。また、ホウ酸エステルが同一分子
中にあるため、イオン性化合物以外の第三成分を添加す
ることなく使用することもでき、電解質フィルムを得る
際の工程の単純化が可能であり、非常に有用である。さ
らに基質となる式(1)で示される重合性化合物を2種
以上使用することで、重合性基の導入量、ホウ酸エステ
ル基の導入量を任意に制御することができ、材料設計の
点からも非常に有用である。
られるイオン性化合物は、本発明に用いられる有機高分
子化合物に対して任意の比率で混合することができる。
本発明に用いられるイオン性化合物に含まれるアルカリ
金属1モルに対して、本発明に用いられる有機高分子化
合物に含まれるオキシアルキレン単位の総数2〜30モ
ルの比率となるように混合するのが好ましく、アルカリ
金属1モルに対してオキシアルキレン単位の総数2〜2
0モルの比率となるように混合するのが、有機高分子化
合物のガラス転移温度低下によるイオン伝導度への寄与
の点からより好ましく、アルカリ金属1モルに対してオ
キシアルキレン単位の総数2〜15モルの比率となるよ
うに混合するのが、有機高分子化合物のガラス転移温度
低下によるイオン伝導度への寄与およびキャリア数の増
大によるイオン伝導度向上の点からさらに好ましい。
られるイオン性化合物の種類は特に限定されるものでは
なく、コンデンサ用途においては、例えば(CH3)4N
BF 4、(CH3CH2)4NBF4等の4級アンモニウム
塩、AgClO4等の遷移金属塩、(CH3)4PBF4等
の4級ホスホニウム塩、LiClO4、LiAsF6、L
iPF6、LiBF4、LiCF3SO3、Li(CF3S
O2)2N、Li(C2F 5SO2)2N、Li(CF3S
O2)3C、LiI、LiSCN、NaBr、NaI、N
aSCN、KI、KSCNなどのアルカリ金属塩、p−
トルエンスルホン酸等の有機酸およびその塩などが挙げ
られ、好ましくは出力電圧が高く得られ、解離定数が大
きい点から、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム
塩、アルカリ金属塩である。
オン性化合物としては、例えばLiClO4、LiAs
F6、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、Li
(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N、Li
(CF3SO2)3C、LiI、LiSCN、NaBr、
NaI、NaSCN、KI、KSCNなどのアルカリ金
属塩が挙げられ、好ましくはLiClO4、LiAs
F6、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、Li
(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N、Li
(CF3SO2)3C、LiI、LiSCNなどのリチウ
ム塩である。さらに本発明の二次電池用電解質には、イ
オン伝導性または強誘電性の塩、ガラスの粉末などを添
加することができる。このような塩またはガラスの粉末
としては、例えばSnO2、BaTiO3、Al2O3、L
i2O・3B2O3、LaTiO3などが挙げられる。
々の方法で調製可能である。その調製方法は特に限定さ
れないが、例えば、本発明に用いられる式(1)で示さ
れる重合性化合物または重合性ホウ酸エステル化合物
は、多くの低沸点有機溶剤に溶解するため、これとイオ
ン性化合物を低沸点溶剤に溶解して溶液を調製し、これ
を加熱によりキャスティングして低沸点溶剤を除去しつ
つ重合性有機化合物を熱重合させることで、力学的強度
を有する高分子電解質薄膜を得ることができる。なお必
要に応じて、紫外線、可視光、電子線等の電磁波を照射
することで重合性化合物の重合による薄膜を得ることも
できる。また、例えば、式(1)で示される重合性化合
物または重合性ホウ酸エステル化合物の重合物とイオン
性化合物を良く混練し成形することで、電気化学デバイ
ス用電解質薄膜を得ることができる。
ければ、他の有機高分子化合物を混合して使用しても問
題ない。他の有機高分子化合物としては、例えばポリア
クリロニトリル、アクリロニトリル−メタクリル酸共重
合体、アクリロニトリル−メタクリル酸メチル共重合
体、メタクリル酸−スチレン共重合体、アクリロニトリ
ル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−
メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−スチレン−
メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−マレイン酸共
重合体、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレー
ト共重合体等が挙げられるが、特にこれらに限定される
ものではない。本発明に用いられる式(1)で示される
重合性化合物および重合性ホウ酸エステル化合物を予め
混合し、イオン性化合物を溶解させて、かかる後に重合
しても良い。式(1)で示される重合性化合物に他の重
合性化合物を混合し、イオン性化合物を溶解させて、か
かる後に重合させて使用しても良い。または本発明に用
いられる式(1)で示される重合性化合物、重合性ホウ
酸エステル化合物および他の重合性化合物を予め混合
し、イオン性化合物を溶解させて、かかる後に重合して
も良い。
ル酸メチル、アクリル酸ブチル等のアルキルアクリレー
ト、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のアル
キルメタクリレート、下記式(3)で示されるポリアル
キレングリコールアクリレート、下記式(3)で示され
るポリアルキレングリコールメタクリレート、アクリロ
ニトリル、スチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられ
るが、特にこれらに限定されるものではない。 Y[(A2O)k−R]a (3) (Yは1〜4個の水酸基を持つ化合物の残基または水酸
基であり、A2Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基
の1種または2種以上の混合物であり、k=0〜15
0、a=1〜4であり、かつk×a=0〜300であ
り、Rは水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、シアノ
エチル基、アクリロイル基またはメタクリロイル基であ
り、分子中に少なくとも一つはアクリロイル基またはメ
タクリロイル基を含む。) 式(3)で示される化合物において、Yは1〜4個の水
酸基を持つ化合物の残基または水酸基である。式(3)
においてA2Oで示される炭素数2〜4のオキシアルキ
レン基は、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オ
キシブチレン基、オキシテトラメチレン基などが挙げら
れ、好ましくはオキシエチレン基またはオキシプロピレ
ン基である。またこれらの1種または2種以上の混合物
でもよく、2種以上の時の重合形式はブロック状、ラン
ダム状のいずれでもよい。Rは水素原子、炭素数1〜8
の炭化水素基、シアノエチル基、アクリロイル基または
メタクリロイル基である。式(3)で示される化合物は
分子中に少なくとも一つはアクリロイル基またはメタク
リロイル基をもつ。
状カーボネート、環状エーテル、鎖状エーテル等の有機
溶剤、ポリアルキレングリコール誘導体、ポリアルキレ
ングリコール誘導体のホウ酸エステル化物を混合使用し
ても良い。ポリアルキレングリコール誘導体としては、
下記式(4)で示される化合物であり、式(4)で示さ
れるポリアルキレングリコール誘導体のホウ酸エステル
としては、下記式(4)で示される化合物をホウ酸また
は無水ホウ酸によりエステル化することによって得られ
る化合物である。 Z[(A3O)l−H]b (4) (Zは1〜6個の水酸基を持つ化合物の残基、A3Oは
炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以
上の混合物であり、l=0〜600,b=1〜6であ
り、かつl×b=0〜600である。)
ている正極材料、負極材料を組み合わせることで、イオ
ン伝導度、充放電サイクル特性、安全性に優れた二次電
池を得ることが可能である。
る。なお、以下文中においてLiTFSIはリチウムビ
ス(トリフルオロメタンスルホネート)イミドを示す。
電解質組成物のイオン性化合物としてのLiTFSIの
添加量は、各実施例とも電解質組成物中に含まれるアル
キレンオキシドのエーテル酸素8モルに対して、Liイ
オン濃度が1モルの比率となっている。
容のオートクレーブに2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート260g(2.0モル)、ヒドロキノンモノメチル
エーテル0.028gおよび三フッ化ホウ素ジエチルエ
ーテル錯体0.621gを入れ、系内を窒素ガスにて置
換した後エチレンオキシド308g(7.0モル)を圧
力1MPa(10.0kg/cm2)以下、温度55℃
以下の条件で3時間かけて圧入し、さらに1時間反応を
継続した。次に空気を通じて未反応のエチレンオキシド
を除去した。その後、協和化学工業(株)製キョーワー
ド500(酸化マグネシウム38.2重量%、酸化アル
ミニウム16.1重量%、二酸化ケイ素含有しない)を
22.7g(活性水素含有重合性化合物とアルキレンオ
キシドの合計量100重量部に対して4重量部)を加
え、空気バブリングしながら、5kPa、70℃の条件
にて4時間処理した。次にキョーワード500を濾別
し、実施例1の重合性化合物(ポリエチレングリコール
(EO4.5)モノメタクリレート)511gを得た。 実施例2 攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル
容のオートクレーブに2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト116g(1.0モル)、ヒドロキノンモノメチルエ
ーテル0.023gおよび三フッ化ホウ素ジエチルエー
テル錯体0.468gを入れ、系内を窒素ガスにて置換
した後エチレンオキシド352g(8.0モル)を圧力
1MPa(10.0kg/cm2)以下、温度55℃以
下の条件で4時間かけて圧入し、さらに1時間反応を継
続した。次に空気を通じて未反応のエチレンオキシドを
除去した。その後、協和化学工業(株)製キョーワード
500(酸化マグネシウム38.2重量%、酸化アルミ
ニウム16.1重量%、二酸化ケイ素含有しない)を2
3.4g(活性水素含有重合性化合物とアルキレンオキ
シドの合計量100重量部に対して5重量重量部)加
え、空気バブリングしながら、5kPa、70℃の条件
にて4時間処理した。次にキョーワード500を濾別
し、実施例2の重合性化合物(ポリエチレングリコール
(EO9)モノアクリレート)421gを得た。
容のオートクレーブに2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート144g(1.0モル)、ヒドロキノンモノメチ
ルエーテル0.043gおよび三フッ化ホウ素ジエチル
エーテル錯体0.87gを入れ、系内を窒素ガスにて置
換した後プロピレンオキシド725g(12.5モル)
を圧力1MPa(10.0kg/cm2)以下、温度5
5℃以下の条件で6時間かけて圧入し、さらに2時間反
応を継続した。次に空気を通じて未反応のプロピレンオ
キシドを除去した。その後、協和化学工業(株)製キョ
ーワード2000(酸化マグネシウム59.2重量%、
酸化アルミニウム33.0重量%、二酸化ケイ素含有し
ない)を43.5g(活性水素含有重合性化合物とアル
キレンオキシドの合計量100重量部に対して5重量
部)加え、空気バブリングしながら、5kPa、70℃
の条件にて4時間処理した。次にキョーワード2000
を濾別し、実施例3の重合性化合物(ポリプロピレング
リコール(PO13.5)モノメタクリレート)782
gを得た。 比較例1 攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル
容のオートクレーブに2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート260g(2.0モル)、ヒドロキノンモノメチル
エーテル0.028gおよび四塩化錫3.41gを入
れ、系内を窒素ガスにて置換した後エチレンオキシド3
08g(7.0モル)を圧力1MPa(10.0kg/
cm2)以下、温度55℃以下の条件で4時間かけて圧
入し、さらに1時間反応を継続した。次に空気を通じて
未反応のエチレンオキシドを除去した。次に5重量%水
酸化ナトリウム水溶液34.1gを投入して、空気バブ
リングしながら、5kPa、70℃の条件にて4時間脱
水処理した。その後に生成した中和塩を濾別し、比較例
1の重合性化合物(ポリエチレングリコール(EO4.
5)モノメタクリレート)511gを得た。
容のオートクレーブに2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト116g(1.0モル)、ヒドロキノンモノメチルエ
ーテル0.023gおよび四塩化錫2.81gを入れ、
系内を窒素ガスにて置換した後エチレンオキシド352
g(8.0モル)を圧力1MPa(10.0kg/cm
2)以下、温度55℃以下の条件で5時間かけて圧入
し、さらに1時間反応を継続した。次に空気を通じて未
反応のエチレンオキシドを除去した。次に5重量%水酸
化ナトリウム水溶液28.1gを投入して、空気バブリ
ングしながら、5kPa、70℃の条件にて4時間脱水
処理した。その後に生成した中和塩を濾別し、比較例2
の重合性化合物(ポリエチレングリコール(EO9)モ
ノアクリレート)421gを得た。
化合物99.0gを混合して、混合物である実施例4の
重合性化合物100gを得た。 比較例3 比較例2の重合性化合物10.0gと実施例2の重合性
化合物90.0gを混合して、混合物である比較例3の
重合性化合物100gを得た。
ホウ酸11.6g(0.167モル)を加え、乾燥空気
雰囲気下80℃まで昇温した。80℃となったのちに系
内を徐々に減圧し、乾燥空気(乾燥空気は凝縮型エアー
ドライヤーを通じて脱水した空気である。以下同様であ
る。)通気下にて圧力2.67kPa(20mmHg)
以下の状態を12時間保持し、反応の進行に伴って発生
する水を除去した。その後濾過することで重合性ホウ酸
エステル化合物(1)を275g得た。 製造例2 実施例2の重合性化合物468g(1.0モル)に無水
ホウ酸11.6g(0.167モル)を加え、乾燥空気
雰囲気下80℃まで昇温した。80℃となったのちに系
内を徐々に減圧し、乾燥空気通気下にて圧力2.67k
Pa(20mmHg)以下の状態を12時間保持し、反
応の進行に伴って発生する水を除去した。その後濾過す
ることで重合性ホウ酸エステル化合物(2)を460g
得た。
ホウ酸11.6g(0.167モル)を加え、乾燥空気
雰囲気下80℃まで昇温した。80℃となったのちに系
内を徐々に減圧し、乾燥空気通気下にて圧力2.67k
Pa(20mmHg)以下の状態を12時間保持し、反
応の進行に伴って発生する水を除去した。その後濾過す
ることで重合性ホウ酸エステル化合物(3)を860g
得た。 製造例4 実施例4の重合性化合物468g(1.0モル)に無水
ホウ酸11.6g(0.167モル)を加え、乾燥空気
雰囲気下80℃まで昇温した。80℃となったのちに系
内を徐々に減圧し、乾燥空気通気下にて圧力2.67k
Pa(20mmHg)以下の状態を12時間保持し、反
応の進行に伴って発生する水を除去した。その後濾過す
ることで重合性ホウ酸エステル化合物(4)を460g
得た。
施例3の重合性化合物290g(0.33モル)に無水
ホウ酸11.6g(0.167モル)を加え、乾燥空気
雰囲気下80℃まで昇温した。80℃となったのちに系
内を徐々に減圧し、乾燥空気通気下にて圧力2.67k
Pa(20mmHg)以下の状態を12時間保持し、反
応の進行に伴って発生する水を除去した。その後濾過す
ることで重合性ホウ酸エステル化合物(5)を470g
得た。 比較製造例1 比較例1の重合性化合物284g(1.0モル)に無水
ホウ酸11.6g(0.167モル)を加え、乾燥空気
雰囲気下80℃まで昇温した。80℃となったのちに系
内を徐々に減圧し、乾燥空気通気下にて圧力2.67k
Pa(20mmHg)以下の状態を12時間保持し、反
応の進行に伴って発生する水を除去した。その後濾過す
ることで重合性ホウ酸エステル化合物(比1)を275
g得た。
ホウ酸11.6g(0.167モル)を加え、乾燥空気
雰囲気下80℃まで昇温した。80℃となったのちに系
内を徐々に減圧し、乾燥空気通気下にて圧力2.67k
Pa(20mmHg)以下の状態を12時間保持し、反
応の進行に伴って発生する水を除去した。その後濾過す
ることで重合性ホウ酸エステル化合物(比2)を460
g得た。 比較製造例3 比較例3の重合性化合物468g(1.0モル)に無水
ホウ酸11.6g(0.167モル)を加え、乾燥空気
雰囲気下80℃まで昇温した。80℃となったのちに系
内を徐々に減圧し、乾燥空気通気下にて圧力2.67k
Pa(20mmHg)以下の状態を12時間保持し、反
応の進行に伴って発生する水を除去した。その後濾過す
ることで重合性ホウ酸エステル化合物(比3)を460
g得た。
の重合性化合物および重合性ホウ酸エステル化合物の塩
素含有量を、イオンクロマトグラムを用いて算出した。
イオンクロマトグラムによる塩素分の測定に際しては、
重合性化合物または重合性ホウ酸エステル化合物をJI
S K0102等に記載の方法に準拠して、N/2水酸
化カリウムエタノール溶液の存在下にて灰化した上で測
定し、JIS K0029に規定された塩化物イオン標
準液によって作成した塩化物イオン濃度の検量線により
塩素の含有量を算出した。CPR値はJIS K155
7 6.8に準拠して、重合性化合物または重合性ホウ
酸エステル化合物をメタノールに溶解させ、N/100
塩酸を滴定液として電位差滴定を行い、滴定に要したN
/100塩酸の量から求めた。
iTFSIを2.27g添加し、均一に溶解させた後、
ポリテトラフルオロエチレン製ボート中に流し込み、ア
ルゴン雰囲気下、ホットプレート熱重合させ、真空によ
り乾燥することで厚さ0.50mmのイオン伝導性高分
子組成物(高分子電解質)を得た。 実施例6 実施例2の重合性化合物4.00gに、支持塩としてL
iTFSIを2.76g添加し、均一に溶解させた後、
ポリテトラフルオロエチレン製ボート中に流し込み、ア
ルゴン雰囲気下、ホットプレート熱重合させ、真空によ
り乾燥することで厚さ0.50mmのイオン伝導性高分
子組成物(高分子電解質)を得た。
iTFSIを2.23g添加し、均一に溶解させた後、
ポリテトラフルオロエチレン製ボート中に流し込み、ア
ルゴン雰囲気下、ホットプレート熱重合させ、真空によ
り乾燥することで厚さ0.50mmのイオン伝導性高分
子組成物(高分子電解質)を得た。 実施例8 実施例4の重合性化合物4.00gに、支持塩としてL
iTFSIを2.76g添加し、均一に溶解させた後、
ポリテトラフルオロエチレン製ボート中に流し込み、ア
ルゴン雰囲気下、ホットプレート熱重合させ、真空によ
り乾燥することで厚さ0.50mmのイオン伝導性高分
子組成物(高分子電解質)を得た。
4.00gに、支持塩としてLiTFSIを2.29g
添加し、均一に溶解させた後、ポリテトラフルオロエチ
レン製ボート中に流し込み、アルゴン雰囲気下、ホット
プレート熱重合させ、真空により乾燥することで厚さ
0.50mmのイオン伝導性高分子組成物(高分子電解
質)を得た。 実施例10 製造例3で得られた重合性ホウ酸エステル化合物(3)
4.00gに、支持塩としてLiTFSIを2.24g
添加し、均一に溶解させた後、ポリテトラフルオロエチ
レン製ボート中に流し込み、アルゴン雰囲気下、ホット
プレート熱重合させ、真空により乾燥することで厚さ
0.50mmのイオン伝導性高分子組成物(高分子電解
質)を得た。
4.00gに、支持塩としてLiTFSIを2.78g
添加し、均一に溶解させた後、ポリテトラフルオロエチ
レン製ボート中に流し込み、アルゴン雰囲気下、ホット
プレート熱重合させ、真空により乾燥することで厚さ
0.50mmのイオン伝導性高分子組成物(高分子電解
質)を得た。 実施例12 製造例5で得られた重合性ホウ酸エステル化合物(5)
4.00gに、支持塩としてLiTFSIを2.28g
添加し、均一に溶解させた後、ポリテトラフルオロエチ
レン製ボート中に流し込み、アルゴン雰囲気下、ホット
プレート熱重合させ、真空により乾燥することで厚さ
0.50mmのイオン伝導性高分子組成物(高分子電解
質)を得た。
た重合性ホウ酸エステル化合物(1)2.00gに、支
持塩としてLiTFSIを2.77g添加し、均一に溶
解させた後、ポリテトラフルオロエチレン製ボート中に
流し込み、アルゴン雰囲気下、ホットプレート熱重合さ
せ、真空により乾燥することで厚さ0.50mmのイオ
ン伝導性高分子組成物(高分子電解質)を得た。 比較例4 比較例1の重合性化合物4.00gに、支持塩としてL
iTFSIを2.27g添加し、均一に溶解させた後、
ポリテトラフルオロエチレン製ボート中に流し込み、ア
ルゴン雰囲気下、ホットプレート熱重合させ、真空によ
り乾燥することで厚さ0.50mmのイオン伝導性高分
子組成物(高分子電解質)を得た。
iTFSIを2.76g添加し、均一に溶解させた後、
ポリテトラフルオロエチレン製ボート中に流し込み、ア
ルゴン雰囲気下、ホットプレート熱重合させ、真空によ
り乾燥することで厚さ0.50mmのイオン伝導性高分
子組成物(高分子電解質)を得た。
iTFSIを2.76g添加し、均一に溶解させた後、
ポリテトラフルオロエチレン製ボート中に流し込み、ア
ルゴン雰囲気下、ホットプレート熱重合させ、真空によ
り乾燥することで厚さ0.50mmのイオン伝導性高分
子組成物(高分子電解質)を得た。 比較例7 比較製造例2で得られた重合性ホウ酸エステル化合物
(比2)4.00gに、支持塩としてLiTFSIを
2.78g添加し、均一に溶解させた後、ポリテトラフ
ルオロエチレン製ボート中に流し込み、アルゴン雰囲気
下、ホットプレート熱重合させ、真空により乾燥するこ
とで厚さ0.50mmのイオン伝導性高分子組成物(高
分子電解質)を得た。
(比3)4.00gに、支持塩としてLiTFSIを
2.78g添加し、均一に溶解させた後、ポリテトラフ
ルオロエチレン製ボート中に流し込み、アルゴン雰囲気
下、ホットプレート熱重合させ、真空により乾燥するこ
とで厚さ0.50mmのイオン伝導性高分子組成物(高
分子電解質)を得た。
高分子電解質のフィルム成形性および安定性は、自立す
るフィルムが得られ、−5〜120℃の温度範囲にて柔
軟性および形状を保ち、電気化学デバイス用電解質とし
て使用するにあたって良好なものが得られた。実施例
5、7、9、比較例4、7で得られた高分子電解質のイ
オン伝導度の評価は次のようにおこなった。各高分子電
解質フィルムをステンレス電極に挟み込み、アルゴン雰
囲気下、温度を変化させ、各温度における交流複素イン
ピーダンス測定を行い、得られた複素平面上のプロット
(Cole−Coleプロット)のバルク抵抗成分の半
円の直径からイオン伝導度として求めた。
と、バインダーポリマーとしてポリフッ化ビニリデン粉
末5重量部、導電材として炭素粉末20重量部を良く混
練し、銅箔上にホットプレス法にて厚さ0.10mm、
直径10mmの正極材料を得た。アルカリ金属イオン吸
蔵材として厚さ約0.08mm、直径10mmの金属リ
チウム箔を負極材料とした。実施例5の高分子電解質を
直径10mmに打ち抜き、前述の正極材料および負極材
料にて挟み込み、さらにステンレス電極にて挟み込んで
二次電池を得た。得られた二次電池について、50℃お
よび80℃において、電流密度200mA/m2の条件
で4.15Vまで充電した後、電流密度220mA/m
2の条件で3.50Vまで放電する充放電を300サイ
クル繰り返し、各電池の初期容量(1サイクル目)、1
00サイクル目および300サイクル目の正極1kg当
たりの放電容量を、初期容量に対する百分率にて評価し
た。 ◎:初期容量の70%以上の放電容量を有する ○:初期容量の40%以上70%未満の放電容量を有す
る △:初期容量の40%未満の放電容量を有する ×:内部短絡発生あるいは極材の劣化、または伝導度が
十分に得られない等の理由により評価不可
他は、実施例14と同じ組成にて二次電池を組み、実施
例14と同様の条件にて充放電サイクル試験を行った。 実施例16 高分子電解質として実施例8の高分子電解質を使用した
他は、実施例14と同じ組成にて二次電池を組み、実施
例14と同様の条件にて充放電サイクル試験を行った。 実施例17 高分子電解質として実施例9の高分子電解質を使用した
他は、実施例14と同じ組成にて二次電池を組み、実施
例14と同様の条件にて充放電サイクル試験を行った。 実施例18 高分子電解質として実施例12の高分子電解質を使用し
た他は、実施例14と同じ組成にて二次電池を組み、実
施例14と同様の条件にて充放電サイクル試験を行っ
た。 実施例19 高分子電解質として実施例13の高分子電解質を使用し
た他は、実施例14と同じ組成にて二次電池を組み、実
施例14と同様の条件にて充放電サイクル試験を行っ
た。
他は、実施例14と同じ組成にて二次電池を組み、実施
例14と同様の条件にて充放電サイクル試験を行った。 比較例10 高分子電解質として比較例6の高分子電解質を使用した
他は、実施例14と同じ組成にて二次電池を組み、実施
例14と同様の条件にて充放電サイクル試験を行った。 比較例11 高分子電解質として比較例7の高分子電解質を使用した
他は、実施例14と同じ組成にて二次電池を組み、実施
例14と同様の条件にて充放電サイクル試験を行った。
6の高分子電解質を直径10mmの円形に打ち抜き、極
板2枚の間に挟み込んだものを測定セルとした。この測
定セルを温度80℃のアルゴンガス雰囲気下にて、両極
板より周波数0.1Hz、振幅100mVの交流を継続
して与え、10日後、30日後の極板の高分子電解質と
の接触面を観察した。 ○:接触面の表面状態が試験開始時と全く変化していな
い。 △:接触面の一部分に白化した部分が見られるものの、
殆ど変化していない。 ×:接触面のほぼ全面が明らかに腐食している。
た他は、実施例20と同様に交流電圧印加状態でのアル
ミニウム腐食試験を行った。 実施例22 高分子電解質として実施例11の高分子電解質を使用し
た他は、実施例20と同様に交流電圧印加状態でのアル
ミニウム腐食試験を行った。
他は、実施例20と同様に交流電圧印加状態でのアルミ
ニウム腐食試験を行った。 比較例13 高分子電解質として比較例8の高分子電解質を使用した
他は、実施例20と同様に交流電圧印加状態でのアルミ
ニウム腐食試験を行った。
物、各製造例、比較製造例で得られた重合性ホウ酸エス
テル化合物の塩素分のイオンクロマトグラムによる分析
値およびCPR値を表1に、実施例および比較例の電解
質組成およびイオン性化合物の種類を表2、25℃およ
び80℃におけるイオン伝導度の評価結果を表3、50
℃および80℃における充放電試験の評価結果を表4、
交流電圧印加状態でのアルミニウム腐食試験結果を表5
に示す。
Aはアクリロイル基を示す。
PR値とも高いのに対し、本発明の重合性化合物では塩
素含有量が極めて少なく、CPR値も低いことが確かめ
られた。また本発明の重合性化合物を重合して用いた電
気化学デバイス用電解質では、イオン伝導度が高く、二
次電池用電解質としても優れたサイクル特性を示し、金
属製極板を腐食せず安定性の高いことが確かめられた。
めて少なく、CPRも低い。本発明の重合性化合物を重
合して高分子電解質として用いた場合には高いイオン伝
導度が得られ、高温条件での負荷においても金属製極板
を腐食しないため電気化学デバイス用の材料として有用
であり、この電解質を用いた場合に、広い温度範囲に亘
って高いイオン伝導度を有し、サイクル特性および安全
性および安定性に優れた電気化学デバイスを得ることが
できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 塩素含有量が100ppm以下である式
(1)で示される重合性化合物。 XO(AO)nH (1) (Xはアクリロイル基またはメタクリロイル基であり、
AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、n=1〜1
00である。) - 【請求項2】 請求項1記載の重合性化合物の重合物を
含有する電気化学デバイス用電解質。 - 【請求項3】 請求項1記載の重合性化合物の重合物を
含有する二次電池用電解質。 - 【請求項4】 請求項3記載の二次電池用電解質を用い
る二次電池。 - 【請求項5】 請求項1記載の重合性化合物の製造方法
であって、触媒として三フッ化ホウ素化合物を用いて、
活性水素含有重合性化合物にアルキレンオキシドを開環
重合させた後に、活性水素含有重合性化合物とアルキレ
ンオキシドの合計量100重量部に対して0.1〜10
重量部の酸化マグネシウム20〜80重量%および酸化
アルミニウム5〜50重量%を含有する複合金属酸化物
で処理する重合性化合物の製造方法。
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---|---|---|---|
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JP2001153803A JP5017748B2 (ja) | 2001-05-23 | 2001-05-23 | 重合性化合物、電気化学デバイス用電解質および重合性化合物の製造方法 |
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