JP2002352857A - 二次電池電解質用ホウ酸エステル化合物、二次電池電解質および二次電池 - Google Patents

二次電池電解質用ホウ酸エステル化合物、二次電池電解質および二次電池

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JP2002352857A
JP2002352857A JP2001153802A JP2001153802A JP2002352857A JP 2002352857 A JP2002352857 A JP 2002352857A JP 2001153802 A JP2001153802 A JP 2001153802A JP 2001153802 A JP2001153802 A JP 2001153802A JP 2002352857 A JP2002352857 A JP 2002352857A
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secondary battery
compound
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battery electrolyte
mol
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English (en)
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Takeshi Yabe
健 矢部
Shoichi Yokoyama
晶一 横山
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引火もしくは継続的に燃焼しない安全性に優
れた二次電池等の電気化学デバイス用の材料として有用
な高分子電解質である二次電池電解質およびこの電解質
を用いた安全性に優れた二次電池を提供する。 【解決手段】 式(1)で示される重合性官能基含有オ
キシアルキレン誘導体をホウ酸または無水ホウ酸により
エステル化することによって得られるホウ酸エステル化
合物であって、ホウ素濃度が0.07〜1.00重量%
である二次電池電解質用ホウ酸エステル化合物、それを
含有する二次電池電解質および二次電池。 RO(AO)nH (1) (式中、Rはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニ
ル基またはアリル基、AOは炭素数2〜4のオキシアル
キレン基、nは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平
均付加モル数で1〜110である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子電解質であ
る二次電池電解質に用いるホウ酸エステル化合物、二次
電池電解質およびそれを用いた二次電池に関し、詳しく
は引火もしくは継続的に燃焼しない安全性の高い二次電
池電解質に用いるホウ酸エステル化合物、二次電池電解
質およびそれを用いた二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子製品の高性能化、小型化に対
する要求が強く、そのエネルギー源である電池材料に対
しても、小型化、軽量化でかつ高容量、高エネルギー密
度が求められ、種々の研究開発が行われている。近年そ
のような電子製品のエネルギー源としてリチウムイオン
二次電池が用いられている。リチウムイオン二次電池は
一般的に金属酸化物を正極、炭素材料等を負極に、そし
て極間にセパレーターと電解液を挟んだ構造をしてい
る。これは高エネルギー密度を有する二次電池である
が、電解液を使用するために、液漏れの問題から安全性
に課題があり、さらに液漏れを防ぐために金属缶を外装
として用いる必要があるため、軽量化が困難となってい
る。電解液を用いた場合の欠点を克服するために、高分
子化合物を電解質に使用したいわゆる高分子電解質が種
々検討されている。高分子電解質は可撓性を有し、機械
的衝撃にも追従し、さらに電極−電解質間でのイオン電
子交換反応に際して生じる電極の体積変化にも追従しう
る特徴を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような高分子電解
質としては、米国特許第4303748号明細書ではポ
リアルキレンオキシドにアルカリ金属塩またはアルカリ
土類金属塩を溶解した固体電解質が提案されているが、
イオン伝導度が不十分で、さらに極材との接触抵抗が高
い、カチオン輸率が低いといった課題が残されている。
このような電解質を用いた場合には、充電および放電時
の電流密度が充分に得られず、大電流を必要とする用途
には適用できず、用途が限定される。これらの問題を解
決するために、様々な高分子電解質が提案されている。
特開2001−72876号公報や特開2001−72
877号公報にカチオン輸率が向上するホウ素含有イオ
ン伝導性高分子電解質が提案されている。また、特公昭
61−23945号公報、特公昭61−23947号公
報、米国特許第4830939号明細書および米国特許
5429891号明細書には、高分子に溶媒を含有させ
高分子ゲルにすることにより伝導度を向上させる電解質
が提案されている。しかしながら、カチオン輸率、伝導
度といった電池特性を向上した電解質においては、電解
液保持性の低下やひいては液漏れ発生の可能性が懸念さ
れ、また引火・燃焼といった安全性においても十分では
ない。本発明は、高いイオン伝導度を示し、引火もしく
は継続的に燃焼しない安全性に優れた二次電池等の電気
化学デバイス用の材料として有用な高分子電解質である
二次電池電解質およびこの電解質を用いた安全性に優れ
た二次電池を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 (A) 式(1)で示される重合性官能基含有オキシア
ルキレン誘導体をホウ酸または無水ホウ酸によりエステ
ル化することによって得られるホウ酸エステル化合物で
あって、ホウ素濃度が0.07〜1.00重量%である
二次電池電解質用ホウ酸エステル化合物。 RO(AO)nH (1) (式中、Rはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニ
ル基またはアリル基、AOは炭素数2〜4のオキシアル
キレン基、nは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平
均付加モル数で1〜110である。) (B) ホウ酸エステル化合物1分子中の炭素数2〜4
であるオキシアルキレン基の平均付加モル数の合計が1
8〜330である(A)の二次電池電解質用ホウ酸エス
テル化合物。 (C) 式(2)で示される化合物にオキシアルキレン
基を付加することによって得られる式(1)で示される
重合性官能基含有オキシアルキレン誘導体を用いる
(A)または(B)の二次電池電解質ホウ酸エステル化
合物。 RO(AO)mH (2) (式中、Rはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニ
ル基またはアリル基、AOは炭素数2〜4のオキシアル
キレン基、mは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平
均付加モル数で0〜99である。) (D) 有機化合物およびイオン性化合物からなる二次
電池電解質において、有機化合物が(A)、(B)また
は(C)の二次電池電解質用ホウ酸エステル化合物の重
合体を含有し、ホウ素濃度が0.07〜1.00重量%
である二次電池電解質。 (E) イオン性化合物が45重量%以下である(D)
の二次電池電解質。 (F) イオン性化合物がリチウム塩である(D)また
は(E)の二次電池電解質。 (G) (D)、(E)または(F)の二次電池電解質
を用いる二次電池である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いるホウ酸エステル化
合物の基質となる重合性官能基含有オキシアルキレン誘
導体は分子中にオキシアルキレン基を持ち、末端に重合
性官能基と水酸基を持つ化合物であり、式(1)で示さ
れる重合性官能基含有オキシアルキレン誘導体である。
重合性官能基を持たない水酸基含有化合物を用いてホウ
酸エステル化反応を行った場合、重合性官能基を持たな
いホウ酸エステル化合物が生成する。この場合、ホウ酸
エステルが電解質内を移動し、カチオン輸率が低くなる
可能性があり、またホウ酸エステル部が偏る可能性があ
り、性能が経時的に変化することがある。そのため、本
発明のホウ酸エステル化合物のような高分子内にホウ酸
エステル部が均一に分散し、かつ固定化することのでき
る化合物が好ましい。
【0006】Rは熱、光等により重合可能な重合性官能
基であり、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル
基、アリル基が挙げられ、好ましくはアクリロイル基、
メタクリロイル基またはアリル基である。AOは炭素数
2〜4のオキシアルキレン基であり、オキシエチレン
基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシテ
トラメチレン基等が挙げられ、好ましくはオキシエチレ
ン基またはオキシプロピレン基である。また、これらの
1種または2種以上の混合物でもよく、2種以上のとき
の重合形式はブロック状、ランダム状のいずれでもよ
い。nは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加
モル数であり、1〜110、好ましくは3〜100であ
る。110を超えるとホウ酸エステル結合の導入量が少
なくなり、難燃性が得られにくく、また粘度が高くなり
塩の溶解に時間がかかる。
【0007】本発明に用いられるホウ酸エステル化合物
の基質となる式(1)で示される重合性官能基含有オキ
シアルキレン誘導体は式(2)で示される化合物にオキ
シアルキレン基を付加重合させることによって得られる
化合物を用いることが好ましい。式(2)で示される化
合物にオキシアルキレン基を付加重合させることによっ
て得られる式(1)で示される重合性官能基含有オキシ
アルキレン誘導体を用いると、副生成物であるジオール
類が少なく、ホウ酸エステル化の際にホウ素とジオール
成分による架橋副生成物が少なく好ましい。両末端が水
酸基であるポリオキシアルキレン化合物の一方の末端を
エステル化またはエーテル化を行うと、副生成物として
両末端重合性官能基含有化合物等が多量に生成し、ジオ
ール類が残存するため好ましくない。
【0008】式(2)で示される化合物において、Rは
熱、光等により重合可能な重合性官能基であり、例え
ば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、ア
リル基が挙げられ、好ましくはアクリロイル基、メタク
リロイル基またはアリル基である。AOは炭素数2〜4
のオキシアルキレン基であり、オキシエチレン基、オキ
シプロピレン基、オキシブチレン基、オキシテトラメチ
レン基等が挙げられ、好ましくはオキシエチレン基また
はオキシプロピレン基である。また、これらの1種また
は2種以上の混合物でもよく、2種以上のときの重合形
式はブロック状、ランダム状のいずれでもよい。mは炭
素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数であ
り、0〜99、好ましくは1〜80である。
【0009】例えば、式(2)で示される水酸基を持つ
化合物に、従来から知られている水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム、ナトリウムメチラート
等のアルカリ金属触媒、三フッ化ホウ素エーテラート、
四塩化錫、三塩化アルミニウム等のルイス酸等の開環重
合触媒を用いて、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの炭素
数2〜4のアルキレンオキシドを所定のモル比で重合さ
せることで合成することができる。反応温度は、式
(1)で示される化合物のR、AOおよびnにより異な
るが、20〜150℃であり、式(1)で示される化合
物のRがアクリロイル基、メタクリロイル基である場合
は、好ましくは30〜90℃である。式(1)で示され
る化合物のRがアリル基、ビニル基である場合は、好ま
しくは40〜130℃である。反応温度が高いと重合性
官能基の変性が起きやすく、反応温度が低いと開環重合
反応の進行が困難である。
【0010】反応時間は、製造しようとする式(1)で
示される化合物のR、AO、およびnにより異なるが、
0.5〜80時間である。0.5時間より短いと開環重
合反応の進行が不十分であり、80時間を超えると重合
性官能基の変性が起きやすくなる。また、反応、精製お
よび保管時に化合物中の重合性官能基を保護する目的
で、重合禁止剤を添加することもできる。重合禁止剤と
しては例えば、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ヒド
ロキノン、ブチルヒドロキシトルエン、フェノチアジン
等が挙げられる。反応後、触媒等を除く目的で種々の処
理を行うことが可能である。例えば、中和、溶媒留去、
濾過等の処理を行うことができる。
【0011】本発明に用いるホウ酸エステル化合物は式
(1)で示される化合物1種または2種以上を混合し、
ホウ酸または無水ホウ酸によりエステル化することによ
って得られる化合物である。本発明に用いるホウ酸エス
テル化合物は、重合性官能基により重合した際、ホウ酸
エステル部が高分子マトリックス中に均一に分散し、か
つ固定化されていることから二次電池電解質に用いるこ
とが好ましい。ホウ酸エステル化合物中のホウ素濃度は
0.07〜1.00重量%である。ホウ素濃度が0.0
7重量%より低くなると、二次電池電解質としたとき難
燃性が得られなくなり、1.00重量%を超えるとイオ
ン性化合物の溶解度が低くなり、二次電池電解質に用い
るホウ酸エステル化合物としては好ましくない。ホウ酸
エステル化合物1分子中の炭素数2〜4であるオキシア
ルキレン基の平均付加モル数の合計は好ましくは18〜
330であり、より好ましくは18〜300である。1
8以上の場合はオキシアルキレン基の数が多くなり、イ
オン性化合物の溶解性やイオン伝導度が良好になる。3
30以下であるとホウ酸エステル結合の導入量が多くな
るため、難燃性に優れ、粘度も低く取り扱いが容易であ
る。また、ホウ酸エステル化合物1分子中の炭素数2〜
4であるオキシアルキレン基の平均付加モル数の合計が
18モルより少なくないと、フィルム成形時に成形性が
劣ったり、得られたフィルム物性が脆い傾向があり好ま
しくない。さらにイオン性化合物の金属イオンがホウ酸
エステル化合物に配位しにくくイオン性化合物の解離度
が低くなる傾向がある。イオン性化合物の解離度が低く
なると、イオン伝導度が減少し、二次電池電解質として
好ましくない。
【0012】本発明に用いられるホウ酸エステル化合物
は、式(1)で示される化合物にオルトホウ酸、メタホ
ウ酸、ピロホウ酸などのホウ酸または無水ホウ酸を加
え、40〜150℃にて系内を減圧することにより副生
する水を留去しながら反応することで得られる。例えば
反応温度50〜90℃、1〜100kPaの圧力下にお
いて、攪拌しながら2〜30時間脱水反応することでホ
ウ酸エステル化合物が生成する。反応温度は40〜15
0℃であり、式(1)で示される化合物のRがアクリロ
イル基、メタクリロイル基である場合は、好ましくは5
0〜100℃である。式(1)で示される化合物のRが
アリル基、ビニル基である場合は、好ましくは50〜1
30℃である。反応温度が高いと重合性官能基の変性が
起きやすく、反応温度が低いと脱水によるエステル化反
応の進行が困難である。反応時間は2〜30時間であ
り、好ましくは2〜20時間である。2時間より短いと
発生する水の除去が困難であり、30時間を超えると重
合性官能基の変性が起きやすくなる。
【0013】式(1)で示される化合物のRがアクリロ
イル基、メタクリロイル基である場合は、系内に空気を
通気しながら反応を行うことが好ましく、凝縮型エアー
ドライヤー等によって大気圧露点20℃以下に乾燥され
た空気を用いることがより好ましい。式(1)で示され
る化合物のRがアリル基、ビニル基である場合はアルゴ
ン、窒素などの不活性ガスを用いることが好ましい。ま
た、反応、精製および保管時に化合物中の重合性官能基
を保護する目的で、重合禁止剤を添加することもでき
る。重合禁止剤としては例えば、ヒドロキノンモノメチ
ルエーテル、ヒドロキノン、ブチルヒドロキシトルエ
ン、フェノチアジン等が挙げられる。
【0014】式(1)で示される化合物1モルに対し
て、ホウ素原子1/3モルの比率において、ホウ酸トリ
エステルが生成する。ホウ酸エステル化の割合は、式
(1)で示される化合物とホウ素原子のモル比率によっ
て任意に調整可能であるが、式(1)で示される化合物
の水酸基とホウ素原子のモル比率は、好ましくは6/1
〜3/1の範囲である。また、式(1)で示される化合
物が高分子量である場合は、反応系の流動性を保持する
ためにエステル化反応に関わらない溶剤を適宜用いるこ
ともできる。
【0015】本発明に用いられる二次電池電解質は、有
機化合物とイオン性化合物からなり、有機化合物に二次
電池電解質用ホウ酸エステル化合物の重合体を含有する
ものである。有機化合物中のホウ素濃度は0.07〜
1.00重量%である。0.07重量%より少ない場
合、ホウ酸エステル結合の導入量が少なくなり、難燃性
が得られにくなる。1.00重量%を超える場合、イオ
ン性化合物の溶解性やイオン伝導度が低くなる。
【0016】さらに本発明の二次電池電解質には、発明
の効果を妨げない範囲で非水系の有機溶媒や有機高分子
化合物を有機化合物に加えることもできる。このような
非水系の有機溶媒としては、例えばエチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、
1,2−ジメトキシエタン、スルホラン、γ−ブチロラ
クトン、ジオキソランなどが挙げられる。有機高分子化
合物としては、例えばポリアクリロニトリル、アクリロ
ニトリル−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−
メタクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸−スチレン
共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アク
リロニトリル−スチレン−メタクリル酸共重合体、アク
リロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリアルキレング
リコール(メタ)アクリレート共重合体、ポリアルキレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート共重合体、ポリア
ルキレングリコールトリ(メタ)アクリレート共重合
体、ポリアルキレングリコールテトラ(メタ)アクリレ
ート共重合体等が挙げられる。((メタ)アクリレート
はメタクリレートまたはアクリレートを示す。)また、
発明の効果を妨げない範囲で有機化合物に他の重合性官
能基を有する化合物をホウ酸エステル化合物と共重合し
て使用することもできる。他の重合性官能基を有する化
合物としては、例えばアクリロニトリル、メタクリル酸
メチル、スチレン、ポリアルキレングリコール(メタ)
アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリアルキレングリコールトリ(メタ)ア
クリレート、ポリアルキレングリコールテトラ(メタ)
アクリレート、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げら
れる。また、発明の効果を妨げない範囲で他の成分を加
えることもできる。
【0017】電解質中のイオン性化合物は、好ましくは
45重量%以下であり、より好ましくは40重量%以下
である。イオン性化合物の濃度が45重量%を超えると
イオン性化合物が電解質中に完全に溶解しない場合があ
り、好ましくない。十分なイオン伝導度を得るためにイ
オン性化合物は1重量%以上用いることが好ましい。イ
オン性化合物としては、例えばLi、Na、Mg、C
a、Sr、Baなどのアルカリ金属塩やアルカリ土類金
属塩が挙げられ、例えばLiClO4、LiAsF6、L
iPF6、LiBF4、LiCF3SO3、Li(CF3
22N、Li(C25SO22N、Li(CF3
23C、LiI、LiSCN、NaBr、NaI、N
aSCN、KI、KSCNなどのアルカリ金属塩が挙げ
られ、好ましくはLiClO4、LiAsF6、LiPF
6、LiBF4、LiCF3SO3、Li(CF3SO22
N、Li(C25SO22N、Li(CF3SO2
3C、LiI、LiSCN等のリチウム塩である。さら
に本発明の二次電池電解質には、イオン伝導性または強
誘電性の塩、ガラス粉末などを添加することができる。
このような塩またはガラスの粉末としては、例えばSn
2、BaTiO3、Al23、Li2O・3B23、L
aTiO3などが挙げられる。
【0018】本発明に用いられるホウ酸エステル化合物
は、これに含まれる重合性官能基を重合させた形で使用
する。重合は、加熱、紫外線、可視光、電子線などのエ
ネルギーによってなされるが、適宜、既に知られている
重合開始剤を使用しても良い。重合後の数平均分子量は
50,000以上であるのが好ましく、50,000を
下回ると得られるフィルムの自立性や可撓性が得難くな
ることもあり得る。本発明に用いられる電解質は、種々
の方法で調整可能である。その調整方法は特に限定され
ないが、例えば、本発明に用いられるホウ酸エステル化
合物は、多くの低沸点有機溶剤に溶解するため、ホウ酸
エステル化合物、イオン性化合物その他の有機化合物を
低沸点溶剤に溶解して溶液を調整し、これをキャスティ
ングして低沸点溶剤を除去し熱重合させることで、力学
的強度を有する二次電池電解質薄膜を得ることができ
る。また、例えば、本発明のホウ酸エステル化合物を含
有する有機化合物にイオン性化合物を溶解させた溶液
を、薄膜状にし、紫外光を照射することによって重合さ
せ、二次電池電解質薄膜を得ることができる。
【0019】本発明の高分子電解質と、従来から知られ
ている正極材料、負極材料を組み合わせることで、イオ
ン伝導度、安全性に優れた二次電池を得ることが可能で
ある。二次電池としては、リチウムイオン二次電池が好
ましい。
【0020】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。
なお、以下文中においてオキシエチレン基はEO、オキ
シプロピレン基はPO、オキシブチレン基はBO、リチ
ウムビス(トリフルオロメタンスルホネート)イミドは
LiTFSIを示す。
【0021】製造例1−1 攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル
容のオートクレーブにアリルアルコール29g(0.5
モル)およびナトリウムメチラート4.6gを入れ、系
内を窒素ガスにて置換した後、エチレンオキシド154
0g(35モル)およびプロピレンオキシド870g
(15モル)の混合物を圧力1MPa(10.0kg/
cm2)以下、温度130℃以下の条件で30時間かけ
て圧入し、さらに2時間反応を継続した。次に窒素ガス
を通じて未反応のエチレンオキシドおよびプロピレンオ
キシドを除去した。その後、塩酸でアルカリ触媒を中和
し、80℃で圧力3.0kPa以下の状態を5時間保持
し脱水を行った。塩を濾過により取り除き、重合性官能
基含有オキシアルキレン誘導体であるポリ{エチレング
リコール(70モル)プロピレングリコール(30モ
ル)ランダム状付加物}モノアリルエーテル2100g
を得た。 製造例1−2 攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル
容のオートクレーブにアリルアルコール29g(0.5
モル)およびナトリウムメチラート3.0gを入れ、系
内を窒素ガスにて置換した後、エチレンオキシド880
g(20モル)およびプロピレンオキシド580g(1
0モル)の混合物を圧力1MPa(10.0kg/cm
2)以下、温度130℃以下の条件で40時間かけて圧
入し、さらに2時間反応を継続した。次に窒素ガスを通
じて未反応のエチレンオキシドおよびプロピレンオキシ
ドを除去した。その後、塩酸でアルカリ触媒を中和し、
80℃で圧力3.0kPa以下の状態を5時間保持し脱
水を行った。塩を濾過により取り除き、重合性官能基含
有オキシアルキレン誘導体であるポリ{エチレングリコ
ール(40モル)プロピレングリコール(20モル)ラ
ンダム状付加物}モノアリルエーテル1300gを得
た。
【0022】製造例1−3 攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル
容のオートクレーブにアリルアルコール116g(2.
0モル)およびナトリウムメチラート5.8gを入れ、
系内を窒素ガスにて置換した後、エチレンオキシド13
20g(30モル)、プロピレンオキシド1160g
(20モル)およびブチレンオキシド288g(4モ
ル)の混合物を圧力1MPa(10.0kg/cm2
以下、温度130℃以下の条件で10時間かけて圧入
し、さらに2時間反応を継続した。次に窒素ガスを通じ
て未反応のエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよ
びブチレンオキシドを除去した。その後、塩酸でアルカ
リ触媒を中和し、80℃で圧力3.0kPa以下の状態
を5時間保持し脱水を行った。塩を濾過により取り除
き、重合性官能基含有オキシアルキレン誘導体であるポ
リ{エチレングリコール(15モル)プロピレングリコ
ール(10モル)ブチレングリコール(2モル)ランダ
ム状付加物}モノアリルエーテル2590gを得た。 製造例1−4 攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル
容のオートクレーブに2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート390g(3.0モル)、ヒドロキノンモノメチル
エーテル0.090gおよび三フッ化ホウ素エーテラー
ト1.80gを入れ、系内を窒素ガスにて置換した後エ
チレンオキシド528g(12.0モル)およびプロピ
レンオキシド870g(15.0モル)の混合物を圧力
1MPa(10.0kg/cm2)以下、温度55℃以
下の条件で7時間かけて圧入し、さらに1時間反応を継
続した。次に乾燥空気を通じて未反応のエチレンオキシ
ドおよびプロピレンオキシドを除去した。その後、協和
化学(株)製キョーワード500を90.3gを加え、
乾燥空気バブリングの下、減圧下(5kPa)70℃の
条件にて4時間処理した。次にキョーワード500を濾
別し、重合性官能基含有オキシアルキレン誘導体である
ポリ{エチレングリコール(5モル)プロピレングリコ
ール(5モル)ランダム状付加物}モノメタクリレート
1600gを得た。
【0023】製造例1−5 攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル
容のオートクレーブに2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト464g(3.0モル)、ヒドロキノンモノメチルエ
ーテル0.090gおよび三フッ化ホウ素エーテラート
1.80gを入れ、系内を窒素ガスにて置換した後エチ
レンオキシド1100g(20.0モル)を圧力1MP
a(10.0kg/cm2)以下、温度55℃以下の条
件で4時間かけて圧入し、さらに1時間反応を継続し
た。その後プロピレンオキシド232g(8.0モル)
を圧力1MPa(10.0kg/cm2)以下、温度5
5℃以下の条件で2時間かけて圧入し、さらに1時間反
応を継続した。次に乾燥空気を通じて未反応のエチレン
オキシドおよびプロピレンオキシドを除去した。その
後、協和化学(株)製キョーワード500を90.3g
を加え、乾燥空気でバブリングを行いながら、5kP
a、70℃の条件にて4時間処理した。次にキョーワー
ド500を濾別し、重合性官能基含有オキシアルキレン
誘導体であるポリ{エチレングリコール(6モル)プロ
ピレングリコール(2モル)ランダム状付加物}モノア
クリレート1600gを得た。 製造例1−6 攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル
容のオートクレーブに2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト580g(5.0モル)、ヒドロキノンモノメチルエ
ーテル0.095gおよび三フッ化ホウ素エーテラート
1.90gを入れ、系内を窒素ガスにて置換した後エチ
レンオキシド1320g(30.0モル)を圧力1MP
a(10.0kg/cm2)以下、温度55℃以下の条
件で3時間かけて圧入し、さらに1時間反応を継続し
た。次に乾燥空気を通じて未反応のエチレンオキシドを
除去した。その後、協和化学(株)製キョーワード50
0を94.5gを加え、乾燥空気でバブリングしなが
ら、5kPa、70℃の条件にて4時間処理した。次に
キョーワード500を濾別し、重合性官能基含有オキシ
アルキレン誘導体であるポリエチレングリコール(7モ
ル)モノアクリレート1700gを得た。
【0024】製造例1−7 攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル
容のオートクレーブにアリルアルコール11.6g
(0.2モル)およびナトリウムメチラート2.6gを
入れ、系内を窒素ガスにて置換した後、エチレンオキシ
ド616g(14モル)およびプロピレンオキシド81
2g(14モル)の混合物を圧力1MPa(10.0k
g/cm2以下)、温度130℃以下の条件で40時間
かけて圧入し、さらに2時間反応を継続した。次に窒素
ガスを通じて未反応のエチレンオキシドおよびプロピレ
ンオキシドを除去した。その後、塩酸でアルカリ触媒を
中和し、80℃で圧力3.0kPa以下の状態を5時間
保持し脱水を行った。塩を濾過により取り除き、重合性
官能基含有オキシアルキレン誘導体であるポリ{エチレ
ングリコール(70モル)プロピレングリコール(70
モル)ランダム状付加物}モノアリルエーテル1200
gを得た。 製造例1−8 攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル
容のオートクレーブにアリルアルコール11.6g
(0.2モル)およびナトリウムメチラート2.3gを
入れ、系内を窒素ガスにて置換した後、エチレンオキシ
ド1144g(26モル)を圧力1MPa(10.0k
g/cm2)以下、温度130℃以下の条件で40時間
かけて圧入し、さらに2時間反応を継続した。次に窒素
ガスを通じて未反応のエチレンオキシドを除去した。そ
の後、塩酸でアルカリ触媒を中和し、80℃で圧力3.
0kPa以下の状態を5時間保持し脱水を行った。塩を
濾過により取り除き、重合性官能基含有オキシアルキレ
ン誘導体であるポリエチレングリコール(130モル)
モノアリルエーテル1000gを得た。
【0025】製造例1−9 攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル
容のオートクレーブに2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート650g(5.0モル)、ヒドロキノンモノメチル
エーテル0.073gおよび三フッ化ホウ素エーテラー
ト1.45gを入れ、系内を窒素ガスにて置換した後プ
ロピレンオキシド870g(15.0モル)を圧力1M
Pa(10.0kg/cm2)以下、温度55℃以下の
条件で3時間かけて圧入し、さらに1時間反応を継続し
た。次に乾燥空気を通じて未反応のプロピレンオキシド
を除去した。その後、協和化学(株)製キョーワード5
00を72.3gを加え、乾燥空気でバブリングしなが
ら、5kPa、70℃の条件にて4時間処理した。次に
キョーワード500を濾別し、重合性官能基含有オキシ
アルキレン誘導体であるポリ{エチレングリコール(1
モル)プロピレングリコール(3モル)ブロック状付加
物}モノメタクリレート1300gを得た。 製造例1−10 攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル
容のオートクレーブに2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート650g(5.0モル)、ヒドロキノンモノメチル
エーテル0.074gおよび三フッ化ホウ素エーテラー
ト1.50gを入れ、系内を窒素ガスにて置換した後ブ
チレンオキシド720g(10.0モル)を圧力1MP
a(10.0kg/cm2)以下、温度55℃以下の条
件で3時間かけて圧入し、さらに1時間反応を継続し
た。次に乾燥空気を通じて未反応のブチレンオキシドを
除去した。その後、協和化学(株)製キョーワード50
0を72.4gを加え、乾燥空気でバブリングしなが
ら、5kPa、70℃の条件にて4時間処理した。次に
キョーワード500を濾別し、重合性官能基含有オキシ
アルキレン誘導体であるポリ{プロピレングリコール
(1モル)ブチレングリコール(2モル)ブロック状付
加物}モノアクリレート1300gを得た。
【0026】製造例1−11 攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル
容のオートクレーブにアリルアルコール580g(10
モル)およびナトリウムメチラート4.6gを入れ、系
内を窒素ガスにて置換した後、プロピレンオキシド17
40g(30モル)を圧力1MPa(10.0kg/c
2以下)、温度130℃以下の条件で5時間かけて圧
入し、さらに2時間反応を継続した。次に窒素ガスを通
じて未反応のプロピレンオキシドを除去した。その後、
塩酸でアルカリ触媒を中和し、80℃で圧力3.0kP
a以下の状態を5時間保持し脱水を行った。塩を濾過に
より取り除き、重合性官能基含有オキシアルキレン誘導
体であるポリプロピレングリコール(3モル)モノアリ
ルエーテル2000gを得た。
【0027】製造例2−1 製造例1−1の重合性官能基含有オキシアルキレン誘導
体4878g(1.0モル)に無水ホウ酸11.6g
(0.167モル)を加え、窒素通気下100℃まで昇
温した。100℃となったのちに系内を徐々に減圧し、
圧力3.0kPa以下の状態を15時間保持し、系内に
窒素を吹き込みながら反応の進行に伴って発生する水を
除去した。その後濾過することでホウ酸エステル化合物
(1)を得た。 製造例2−2 製造例1−2の重合性官能基含有オキシアルキレン誘導
体2978g(1.0モル)に反応溶剤としてトルエン
3000mlを加えた後に、無水ホウ酸11.6g
(0.167モル)を加え、窒素通気下100℃まで昇
温した。なお、反応系には還流管および油水分離管を取
りつけ、トルエンと水を油水分離管で分離し、系内に窒
素を吹き込みながら生成してくる水を取り除きながら反
応を15時間行った。反応後、系内を徐々に減圧し、温
度100℃、圧力3.0kPa以下の状態までトルエン
を留去した。その後濾過することでホウ酸エステル化合
物(2)を得た。
【0028】製造例2−3 製造例1−3の重合性官能基含有オキシアルキレン誘導
体1442g(1.0モル)にオルトホウ酸20.6g
(0.333モル)を加え、窒素ガス雰囲気下110℃
まで昇温した。110℃となったのちに系内を徐々に減
圧し、圧力3.0kPa以下の状態を10時間保持し、
反応の進行に伴って発生する水を除去した。その後濾過
することでホウ酸エステル化合物(3)を得た。 製造例2−4 製造例1−4の重合性官能基含有オキシアルキレン誘導
体596g(1.0モル)に無水ホウ酸11.6g
(0.167モル)、フェノチアジン0.060gを加
え、乾燥空気通気下80℃まで昇温した。80℃となっ
たのちに系内を徐々に減圧し、圧力3.0kPa以下の
状態を20時間保持し、系内に乾燥空気を吹き込みなが
ら反応の進行に伴って発生する水を除去した。その後濾
過することでホウ酸エステル化合物(4)を得た。
【0029】製造例2−5 製造例1−5の重合性官能基含有オキシアルキレン誘導
体452g(1.0モル)にオルトホウ酸20.6g
(0.333モル)、ブチルヒドロキシトルエン0.0
45gを加え、乾燥空気雰囲気下70℃まで昇温した。
70℃となったのちに系内を徐々に減圧し、圧力3.0
kPa以下の状態を18時間保持し、反応の進行に伴っ
て発生する水を除去した。その後濾過することでホウ酸
エステル化合物(5)を得た。 製造例2−6 製造例1−6の重合性官能基含有オキシアルキレン誘導
体380g(1.0モル)に無水ホウ酸11.6g
(0.167モル)、ヒドロキノンモノメチルエーテル
0.076gを加え、乾燥空気通気下70℃まで昇温し
た。70℃となったのちに系内を徐々に減圧し、圧力
3.0kPa以下の状態を15時間保持し、系内に乾燥
空気を吹き込みながら反応の進行に伴って発生する水を
除去した。その後濾過することでホウ酸エステル化合物
(6)を得た。
【0030】製造例2−7 製造例1−7の重合性官能基含有オキシアルキレン誘導
体7198g(1.0モル)に無水ホウ酸11.6g
(0.167モル)を加え、窒素通気下100℃まで昇
温した。100℃となったのちに系内を徐々に減圧し、
圧力3.0kPa以下の状態を15時間保持し、系内に
窒素を吹き込みながら反応の進行に伴って発生する水を
除去した。その後濾過することでホウ酸エステル化合物
(7)を得た。 製造例2−8 製造例1−8の重合性官能基含有オキシアルキレン誘導
体5778g(1.0モル)に反応溶剤としてトルエン
5000mlを加えた後に、無水ホウ酸11.6g
(0.167モル)を加え、窒素通気下100℃まで昇
温した。なお、反応系には還流管および油水分離管を取
りつけ、トルエンと水を油水分離管で分離し、系内に窒
素を吹き込みながら生成してくる水を取り除きながら反
応を15時間行った。反応後、系内を徐々に減圧し、温
度100℃、圧力3.0kPa以下の状態までトルエン
を留去した。その後濾過することでホウ酸エステル化合
物(8)を得た。
【0031】製造例2−9 製造例1−9の重合性官能基含有オキシアルキレン誘導
体304g(1.0モル)に無水ホウ酸11.6g
(0.167モル)、フェノチアジン0.030gを加
え、乾燥空気通気下80℃まで昇温した。80℃となっ
たのちに系内を徐々に減圧し、圧力3.0kPa以下の
状態を20時間保持し、系内に乾燥空気を吹き込みなが
ら反応の進行に伴って発生する水を除去した。その後濾
過することでホウ酸エステル化合物(9)を得た。 製造例2−10 製造例1−10の重合性官能基含有オキシアルキレン誘
導体274g(1.0モル)に無水ホウ酸11.6g
(0.167モル)、フェノチアジン0.027gを加
え、乾燥空気通気下80℃まで昇温した。80℃となっ
たのちに系内を徐々に減圧し、圧力3.0kPa以下の
状態を20時間保持し、系内に乾燥空気を吹き込みなが
ら反応の進行に伴って発生する水を除去した。その後濾
過することでホウ酸エステル化合物(10)を得た。
【0032】製造例2−11 製造例1−11の重合性官能基含有オキシアルキレン誘
導体232g(1.0モル)にオルトホウ酸20.6g
(0.333モル)を加え、窒素雰囲気下100℃まで
昇温した。100℃となったのちに系内を徐々に減圧
し、圧力3.0kPa以下の状態を20時間保持し、反
応の進行に伴って発生する水を除去した。その後濾過す
ることでホウ酸エステル化合物(11)を得た。製造例
2−1〜11で得られたホウ酸エステル化合物を表1に
示す。
【0033】
【表1】
【0034】注.”/”はランダム状付加を示し、”
−”はブロック状付加を示す。 実施例1 製造例2−1で得られたホウ酸エステル化合物(1)
4.00gに、支持塩としてLiTFSIを1.00g
添加し、均一に溶解させた後、ポリテトラフルオロエチ
レン製ボート中に流し込み、アルゴン雰囲気下、ホット
プレート熱重合させ、真空により乾燥することで厚さ
0.50mmの高分子電解質を得た。 実施例2 製造例2−2で得られたホウ酸エステル化合物(2)
4.00gに、支持塩としてLiTFSIを1.00g
添加し、均一に溶解させた後、ポリテトラフルオロエチ
レン製ボート中に流し込み、アルゴン雰囲気下、ホット
プレート熱重合させ、真空により乾燥することで厚さ
0.50mmの高分子電解質を得た。
【0035】実施例3 製造例2−3で得られたホウ酸エステル化合物(3)
4.00gに、支持塩としてLiTFSIを1.00g
添加し、均一に溶解させた後、ポリテトラフルオロエチ
レン製ボート中に流し込み、アルゴン雰囲気下、ホット
プレート熱重合させ、真空により乾燥することで厚さ
0.50mmの高分子電解質を得た。 実施例4 製造例2−4で得られたホウ酸エステル化合物(4)
4.00gに、支持塩としてLiTFSIを1.00g
添加し、均一に溶解させた後、ポリテトラフルオロエチ
レン製ボート中に流し込み、アルゴン雰囲気下、ホット
プレート熱重合させ、真空により乾燥することで厚さ
0.50mmの高分子電解質を得た。
【0036】実施例5 製造例2−5で得られたホウ酸エステル化合物(5)
3.00gに、エチレンカーボネート1.00g、支持
塩としてLiTFSIを1.00g、添加し、均一に溶
解させた後、ポリテトラフルオロエチレン製ボート中に
流し込み、アルゴン雰囲気下、ホットプレート熱重合さ
せ、厚さ0.50mmの高分子電解質を得た。 実施例6 製造例2−6で得られたホウ酸エステル化合物(6)
4.00gに、支持塩としてLiTFSIを1.00g
添加し、均一に溶解させた後、ポリテトラフルオロエチ
レン製ボート中に流し込み、アルゴン雰囲気下、ホット
プレート熱重合させ、真空により乾燥することで厚さ
0.50mmの高分子電解質を得た。
【0037】比較例1 製造例2−7で得られたホウ酸エステル化合物(7)
4.00gに、支持塩としてLiTFSIを1.00g
添加し、均一に溶解させた後、ポリテトラフルオロエチ
レン製ボート中に流し込み、アルゴン雰囲気下、ホット
プレート熱重合させ、真空により乾燥することで厚さ
0.50mmの高分子電解質を得た。 比較例2 製造例2−8で得られたホウ酸エステル化合物(8)
4.00gに、支持塩としてLiTFSIを1.00g
添加し、均一に溶解させた後、ポリテトラフルオロエチ
レン製ボート中に流し込み、アルゴン雰囲気下、ホット
プレート熱重合させ、真空により乾燥することで厚さ
0.50mmの高分子電解質を得た。
【0038】比較例3 製造例2−9で得られたホウ酸エステル化合物(9)
4.00gに、支持塩としてLiTFSIを1.00g
添加し、均一に溶解させた後、ポリテトラフルオロエチ
レン製ボート中に流し込み、アルゴン雰囲気下、ホット
プレート熱重合させ、真空により乾燥することで厚さ
0.50mmの高分子電解質を得た。 比較例4 製造例2−10で得られたホウ酸エステル化合物(1
0)4.00gに、エチレンカーボネート1.00g、
支持塩としてLiTFSIを1.00g添加し、均一に
溶解させた後、ポリテトラフルオロエチレン製ボート中
に流し込み、アルゴン雰囲気下、ホットプレート熱重合
させ、厚さ0.50mmの高分子電解質を得た。
【0039】比較例5 製造例2−11で得られたホウ酸エステル化合物(1
1)4.00gに、支持塩としてLiTFSIを1.0
0g添加し、均一に溶解させた後、ポリテトラフルオロ
エチレン製ボート中に流し込み、アルゴン雰囲気下、ホ
ットプレート熱重合させ、真空により乾燥することで厚
さ0.50mmの高分子電解質を得た。実施例および比
較例で得られた電解質の評価を下記の方法で行った。
【0040】(1)難燃性試験 各実施例および比較例で用いた電解質からイオン性化合
物を除いた配合により1cm3の立方体形状に電解質を形
成した。その電解質にバーナーの炎を5秒間近づけ、バ
ーナーの炎を離した後の炎の様子を評価した。 ◎:電解質に炎がつかない。 ○:電解質に炎がつき、10秒後までには消火する。 ×:電解質に炎がつき、10秒以上炎がついている。 (2)イオン伝導度 各実施例および比較例で作製した電解質をステンレス電
極に挟み、アルゴン雰囲気下、20℃および60℃にお
いて交流複素インピーダンス測定を行い、得られた複素
平面上のプロット(Cole−Coleプロット)のバ
ルク抵抗成分の半円の直径をイオン伝導度として求め
た。 (3)リチウム塩溶解性試験 50ミリリットルの容器に各実施例および比較例で用い
たホウ酸エステル化合物を14g量り、LiClO4を6
gを投入し、長さ1cmの攪拌子を用いて回転数500rpm
で攪拌を行った。リチウム塩の溶解性を溶液の外観から
以下のように評価した。 ○:1時間以内に透明液体になる。 △:3時間攪拌後では透明液体になるが1時間攪拌後で
は濁りがある。 ×:3時間攪拌後も濁りがある。 実施例および比較例の電解質について、難燃性試験、イ
オン伝導度およびリチウム塩溶解性試験の評価結果を表
2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】注.EC エチレンカーボネート 実施例においては、高いイオン伝導度が得られ、引火も
しくは継続的に燃焼しない安全性に優れている二次電解
質を得ることができる。比較例1〜2はホウ酸エステル
化合物および電解質中のホウ素濃度が本発明の範囲より
低いため、燃焼性が高く、リチウム塩の溶解性も悪い。
比較例3〜5はホウ酸エステル化合物および電解質中の
ホウ素濃度が本発明の範囲より高いため、燃焼性が低い
ものもあるが、リチウム塩の溶解性が悪い。比較例は実
施例と比較して、全ての項目を満足するものは得られな
かった。
【0043】
【発明の効果】本発明のホウ酸エステル化合物を用いた
二次電池電解質は、高いイオン伝導度が得られ、引火も
しくは継続的に燃焼しない安全性に優れているため電池
等の電気化学デバイス用の材料として有用であり、この
電解質を用いた場合に、高いイオン伝導度を有し、引火
もしくは継続的に燃焼しない安全性に優れた二次電池デ
バイスを得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 71/02 C08L 71/02 // C08F 30/06 C08F 30/06 Fターム(参考) 4J002 BE041 BG071 BQ001 CH021 DE186 GD00 GQ02 4J005 AA02 AA03 BD04 4J100 AE09P AE18P AL08P BA08P BA87P JA43 JA45 5H029 AJ12 AK00 AL00 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 CJ11 EJ11 EJ12 HJ01 HJ02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で示される重合性官能基含有オ
    キシアルキレン誘導体をホウ酸または無水ホウ酸により
    エステル化することによって得られるホウ酸エステル化
    合物であって、ホウ素濃度が0.07〜1.00重量%
    である二次電池電解質用ホウ酸エステル化合物。 RO(AO)nH (1) (式中、Rはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニ
    ル基またはアリル基、AOは炭素数2〜4のオキシアル
    キレン基、nは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平
    均付加モル数で1〜110である。)
  2. 【請求項2】 ホウ酸エステル化合物1分子中の炭素数
    2〜4であるオキシアルキレン基の平均付加モル数の合
    計が18〜330である請求項1記載の二次電池電解質
    用ホウ酸エステル化合物。
  3. 【請求項3】 式(2)で示される化合物にオキシアル
    キレン基を付加することによって得られる式(1)で示
    される重合性官能基含有オキシアルキレン誘導体を用い
    る請求項1または請求項2記載の二次電池電解質用ホウ
    酸エステル化合物。 RO(AO)mH (2) (式中、Rはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニ
    ル基またはアリル基、AOは炭素数2〜4のオキシアル
    キレン基、mは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平
    均付加モル数で0〜99である。)
  4. 【請求項4】 有機化合物およびイオン性化合物からな
    る二次電池電解質において、有機化合物が請求項1、請
    求項2または請求項3記載の二次電池電解質用ホウ酸エ
    ステル化合物の重合体を含有し、ホウ素濃度が0.07
    〜1.00重量%である二次電池電解質。
  5. 【請求項5】 イオン性化合物が45重量%以下である
    請求項4記載の二次電池電解質。
  6. 【請求項6】 イオン性化合物がリチウム塩である請求
    項4または請求項5記載の二次電池電解質。
  7. 【請求項7】請求項4、請求項5または請求項6記載の
    二次電池電解質を用いる二次電池。
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