JP4506237B2 - ポリエチレングリコールモノアクリレートの製造方法 - Google Patents

ポリエチレングリコールモノアクリレートの製造方法 Download PDF

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本発明は、純度の高いポリエチレングリコールモノアクリレートの製造方法に関する。
ポリエチレングリコールモノアクリレートは、アクリル系樹脂、光硬化性樹脂などの原料の一つであり、これらの樹脂に可堯性の付与、密着性の向上、親媒性の付与等の改質や機能性の付与を目的として使用されている。2−ヒドロキシエチルアクリレート等のエチレンオキシドの平均付加モル数が3.5以下のポリエチレングリコールモノアクリレートは、低粘度であることから自己乳化型の反応性希釈剤などに利用されている。このような自己乳化型の反応性希釈剤を用いた乳化重合では、エチレンオキシドの付加モル数により乳化性を制御して樹脂を製造することが可能である。また、エチレンオキシドの平均付加モル数が3.5以下のポリエチレングリコールモノアクリレートは、1分子中に含まれる重合性基の濃度が高いことから、容易に他の重合性基をもつモノマーと共重合して、硬化物に柔軟性を付与したり、密着性を向上させることが可能である。
従来のエチレンオキシドの平均付加モル数が3.5以下のポリエチレングリコールモノアクリレート(モノオール)には、副生成物としてジエステル(ポリエチレングリコールジアクリレート)やジオール(ポリエチレングリコール)が多量に含まれている。モノオール純度の高いエチレンオキシドの平均付加モル数が3.5以下のポリエチレングリコールモノアクリレートは、2−ヒドロキシエチルアクリレート以外知られていなかった。
このようなポリエチレングリコールモノアクリレートの製造方法として、特許文献1に示されているように、ルイス酸触媒を用いたカチオン重合によるアルキレンオキシドを開環重合させる方法がある。しかし、反応触媒として四塩化錫を使用すると、触媒の除去が難しく、得られるポリエチレングリコールモノアクリレートに触媒由来の無機物が残存してしまい、ポリエチレングリコールモノアクリレートに「にごり」が発生する。また、触媒由来の無機物が残存したポリエチレングリコールモノアクリレートを原料として樹脂を製造すると、重合時に不均一なゲル化を起こしたり、あるいは透明性を損なうなど、得られる樹脂に悪影響を及ぼす。また、触媒由来の無機物が残存したポリエチレングリコールモノアクリレートを使用してウレタン樹脂を製造すると、得られたウレタン樹脂の熱安定性が悪くなる。
特公昭52−30489号公報
この触媒の除去方法として、特許文献2に示されているように無機塩を利用した凝析法があるが、この凝析法では過剰の無機塩を添加するため、その除去が難しく、得られるポリエチレングリコールモノアクリレート中に無機物が残存してしまうことから、ポリエチレングリコールモノアクリレートの純度を低下させ、樹脂原料として用いた場合に特性を損なってしまう。また、特許文献1および特許文献3に示されているように、反応触媒として三フッ化ホウ素化合物を使用する方法もある。
特公昭61−23779号公報 特開2002−352858号公報
しかし、特許文献1、3に記載の、反応触媒として三フッ化ホウ素化合物を使用する方法では、副生成物であるジエステルやジオールが多量に生成し、モノオール純度が低下する。また、エチレンオキシドの平均付加モル数が3.5以下のポリエチレングリコールモノアクリレートであっても、三フッ化ホウ素化合物を除去する吸着剤を添加して処理する場合の温度が高い場合は、ジエステルの含有量が大幅に増加してしまう。特に、副生成物であるジエステルの含有量が多いと、硬化後の樹脂の架橋密度が高くなり、得られる樹脂の物性に影響を与えたり、溶液重合にて重合物を合成する場合に使用すると重合時にゲル化を引き起こし、目的としている重合物が得られない。
このように、従来の製造方法にて製造した2−ヒドロキシエチルアクリレート以外のエチレンオキシドの平均付加モル数3.5以下のポリエチレングリコールモノアクリレートは、ジエステルが多いことから、自己乳化型の反応性希釈剤などに利用したり、硬化後の樹脂に柔軟性を付与する場合に目的とする物性を与えるには不十分であった。
また、従来の製造方法にて製造した2−ヒドロキシエチルアクリレート以外のエチレンオキシドの平均付加モル数3.5以下のポリエチレングリコールモノアクリレートは、重合物の貯蔵弾性率(G’)の温度依存性が小さく、この点で電子材料などの樹脂原料として好適ではない場合がある。
本発明の課題は、無機物が少なく、かつジエステルが少ない、高純度なポリエチレングリコールモノアクリレートを製造する方法を提供することである。
また、本発明の課題は、無機物が少なく、かつジエステルが少なく、貯蔵弾性率(G’)の温度依存性が大きい重合物を製造可能なポリエチレングリコールモノアクリレートを提供することである。
本発明は、以下に示すものである。
(A) 触媒として三フッ化ホウ素化合物を用い、2−ヒドロキシエチルアクリレートにエチレンオキシドを開環重合させた後に、三フッ化ホウ素化合物を除去する吸着剤を添加し、0〜50℃で処理することを特徴とする、式(1)で示されるポリエチレングリコールモノアクリレートの製造方法。
CH=CHCOO(CHCHO)H (1)
(nはエチレンオキシドの平均付加モル数であり、n=1.6〜3.5である)
(B) 2−ヒドロキシエチルアクリレートの水分含有量が0.20重量%以下であることを特徴とする前記のポリエチレングリコールモノアクリレートの製造方法。
(C) 触媒として使用する三フッ化ホウ素化合物の使用量が、0.01〜0.3重量%であることを特徴とする、前記のポリエチレングリコールモノアクリレートの製造方法。
本発明の製造方法によれば、ジエステルやジオールなどの副生成物が少なく、純度の高いポリエチレングリコールモノアクリレートを得ることができる。
また、本発明に係るポリエチレングリコールモノアクリレートは、モノオール純度が高く、ジエステルの含有量および塩素含有量が少ないことから、電子材料などの樹脂原料として好適であり、このようなポリエチレングリコールモノアクリレートを原料とすることにより、重合物の貯蔵弾性率(G’)の温度依存性を大きくすることができるので、成形性が良好となり、電子材料などの樹脂原料として好適である。
更に、このように、塩素含有量が少なく、n=3.5以下と短鎖であって、かつモノオール純度が高く、ジエステルやジオールの含有量が少ないポリエチレングリコールモノアクリレートは、従来製法によって製造されてきたポリエチレングリコールモノアクリレートとは異なるものである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係る製造方法においては、式(1)で示されるポリエチレングリコールモノアクリレートにおいて、nはエチレンオキシドの平均付加モル数であり、1.6〜3.5である。nが3.5を超えると、エチレンオキシドを反応させるために触媒量を多くする必要が生じるが、反応初期の触媒濃度が高くなるため、副反応が起こりやすく、得られるポリエチレングリコールモノアクリレートの純度が低下する。この観点からは、nが3.5以下であることが好ましく、3.0以下であることが更に好ましく、2.5以下であることが最も好ましい。
本発明の製造方法で使用される三フッ化ホウ素化合物としては、例えば三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素ジn−ブチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体、三フッ化ホウ素フェノール錯体、三フッ化ホウ素酢酸錯体等の三フッ化ホウ素化合物が挙げられる。好ましくは三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素ジn−ブチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体であり、さらに好ましくは三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体である。
本発明の製造方法で使用される三フッ化ホウ素化合物の添加量としては、2−ヒドロキシエチルアクリレートに対し、0.01〜0.3重量%である。0.01重量%より少ないと触媒としての能力が発現せず、エチレンオキシドの反応性が低くなり、0.3重量%より多いと反応初期の触媒濃度が高くなるため副反応が起こり、得られるポリエチレングリコールモノアクリレートの純度を低下させる。
反応の際、本発明の効果を妨げない範囲でその他の添加剤を使用してもよい。例えば、重合禁止剤としてヒドロキノン(HQ)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MQ)、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ジ−tert−ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロールなどを添加することができ、好ましくはMQとBHTであり、より好ましくはBHTである。添加量としては、2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対し、0.001〜0.1重量%が好ましい。0.001重量%より少ないと、重合禁止剤として機能せずにエチレンオキシドの開環重合中にゲル化してしまう可能性があり、0.1重量%より多いと得られるポリエチレングリコールモノアクリレートの純度が低くなる。
反応容器への仕込みの順序としては、通常は2−ヒドロキシエチルアクリレート、重合禁止剤などの添加剤、三フッ化ホウ素化合物の順番が好ましい。仕込み温度は2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合などを抑制するために25℃以下が好ましい。仕込み温度が25℃を超える場合は、三フッ化ホウ素化合物を投入後に重合などの副反応を起こし、反応器内の粘度が経時的に上昇する。
本発明の製法において、原料である2−ヒドロキシエチルアクリレートの水分含有量は0.20重量%以下が好ましく、0.10重量%以下がより好ましい。0.20重量%より多いと副生成物であるジオールが多量に生成し、得られるポリエチレングリコールモノアクリレートの純度が低下する傾向がある。水分含有量が多い場合は、反応前に脱水を行っても良い。
脱水は、25℃以下にて反応容器に2−ヒドロキシエチルアクリレート、重合禁止剤などの添加剤を仕込んだ後、反応容器内を乾燥空気で置換し、温度0〜90℃、好ましくは30〜70℃にて行う。0℃を下回ると水分の低減が十分でなく、90℃より高いと2−ヒドロキシエチルアクリレートが重合するなどの副反応が発生する原因となる。脱水時間は通常30分〜20時間である。30分より短いと水分の低減が十分ではなく、20時間より長くてもそれ以上の水分の低減効果が発現しない。脱水に際しては、乾燥空気を適当量通気しても良い。
エチレンオキシドの反応は、25℃以下にて反応容器に2−ヒドロキシエチルアクリレート、重合禁止剤などの添加剤、三フッ化ホウ素化合物を全て仕込んだ後、反応容器内を窒素ガス等の不活性ガスで置換し、系内を撹拌しながら温度−20〜90℃、好ましくは10〜70℃にて、1〜20時間程度でエチレンオキシドを圧入して行う。反応温度が−20℃より低いと反応速度が非常に小さく、90℃より高いと重合などの副反応や、着色などの問題が生じる。
本発明の製造方法としては、触媒として用いる三フッ化ホウ素化合物を除去するために、吸着剤を用いる。吸着剤とは微細孔活性点を持ち、塩酸、ステアリン酸、三フッ化ホウ素化合物などアニオンや遊離酸を吸着除去するものである。
三フッ化ホウ素化合物を除去するための吸着剤としては、Mgの酸化物、Mgの水酸化物、Alの酸化物、Alの水酸化物、Siの酸化物、Siの水酸化物、あるいはMg、Al、Siのうちの二種類または三種類の元素の複合酸化物、複合水酸化物を含む吸着剤を例示できる。
三フッ化ホウ素化合物を除去するための吸着剤としては、30mgの塩酸を含むジプロピレングリコール100gに吸着剤を0.25g添加し、60℃にて60分処理した場合に塩酸を10mg以上除去する能力を有する吸着剤が好ましい。
具体例としては、MgO、Al(OH)・xHO(xは結晶水の数である)、2.5MgO・Al・xHO(xは結晶水の数である)、Al(OH)・NaHCO、MgAl(OH)16CO・4HO、2MgO・6SiO・xHO(xは結晶水の数である)、Al・9SiO・HO、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO、Mg0.7Al0.31.15などがあり、好ましくはMgAl(OH)16CO・4HO、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO、Mg0.7Al0.31.15、Al・xHO(xは結晶水の数である)、MgO・Al・2SiO・xHO(xは結晶水の数である)、6MgO・Al・CO・xHO(xは結晶水の数である)、MgO・3SiO・xHO(xは結晶水の数である)、Al・10SiO・xHO(xは結晶水の数である)、NaO・Al・13SiO・xHO(xは結晶水の数である)が挙げられる。本発明では、これらの吸着剤を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
三フッ化ホウ素化合物を除去するための吸着剤は、市販品としては、例えば協和化学工業(株)製のキョーワード100(MgO)、キョーワード200(Al(OH)・xHO(xは結晶水の数である))、キョーワード300(2.5MgO・Al・xHO(xは結晶水の数である))、キョーワード400(Al(OH)・NaHCO)、キョーワード500(MgAl(OH)16CO・4HO)、キョーワード600(2MgO・6SiO・xHO(xは結晶水の数である))、キョーワード700(Al・9SiO・HO)、キョーワード1000(Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO)、キョーワード2000(Mg0.7Al0.31.15)などや、富田製薬(株)製のトミックス−AD100(MgO)、トミックス−AD200(Al・xHO(xは結晶水の数である))、トミックス−AD300(MgO・Al・2SiO・xHO(xは結晶水の数である))、トミックス−AD400(Al(OH)・NaHCO)、トミックス−AD500(6MgO・Al・CO・xHO(xは結晶水の数である))、トミックス−AD600(MgO・3SiO・xHO(xは結晶水の数である))、トミックス−AD700(Al・10SiO・xHO(xは結晶水の数である))、トミックス−AD900(NaO・Al・13SiO・xHO(xは結晶水の数である))が挙げられる。
また、吸着剤としては、これらの化合物を焼成活性化したものも使用することができ、さらに触媒の除去に効果的である。焼成活性化する場合、焼成活性化温度は200〜1000℃で2〜6時間処理することが一般的である。
吸着剤の形状は特に制限はないが、粉体状であるものが好ましい。さらに、吸着剤は、乾燥減量が10重量%以下のものが好ましく、5重量%以下のものがより好ましい。乾燥減量が10重量%を超えると、吸着能が低下する場合があり好ましくない。ここで言う乾燥減量とは、吸着剤を105±2℃の恒温乾燥機にて3時間乾燥した後の減少重量を、乾燥前の吸着剤に対する重量百分率で表したものである。
三フッ化ホウ素化合物を除去するための吸着処理の際、本発明の効果を妨げない範囲でその他の添加剤を添加してもよい。例えば、重合禁止剤としてヒドロキノン(HQ)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MQ)、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ジ−tert−ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロールなどを添加することができ、好ましくはMQとBHTであり、より好ましくはBHTである。添加量としては、2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対し、0.001〜0.1重量%が好ましい。0.001重量%より少ないと、重合禁止剤として機能せずに三フッ化ホウ素化合物を除去する吸着剤を添加して処理する場合にゲル化してしまう可能性があり、0.1重量%より多いと得られるポリエチレングリコールモノアクリレートの純度が低くなる。
吸着剤の使用量は、2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドの合計重量に対して0.1〜10重量%であり、好ましくは0.1〜5重量%である。0.1重量%より少ない場合には触媒の除去が十分ではなく、10重量%より多い場合には処理後の吸着剤を反応系から取り除くことが困難であり、かつポリエチレングリコールモノアクリレートの収量が低下するため好ましくない。
吸着剤を用いた処理方法は、開環重合を行って得られたポリエチレングリコールモノアクリレートと吸着剤とを任意の方法で混合または接触させることができるが、攪拌しながら接触させるのが好ましい。また、添加順序は特に限定されないが、通常は開環重合を行って得られたポリエチレングリコールモノアクリレートに吸着剤を添加する。
処理温度は0〜50℃である。0℃を下回ると触媒の除去が十分ではなく、50℃より高いとジエステルが増加してしまい、場合によってはゲル化してしまうことがある。処理時間は通常30分〜10時間である。30分より短いと触媒の除去が十分ではなく、10時間より長くしても、それ以上の効果が見られない。また、同時に減圧処理をすることもでき、さらに効果的である。処理後、濾過、遠心分離などによって吸着剤を除去することが好ましい。
本発明の製造方法によって得られたポリエチレングリコールモノアクリレートのモノオール純度およびジエステル含有量は、一般的に用いられているガスクロマトグラフィー(GC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)および、薄層クロマトグラフィー(TLC)などを用いることにより測定可能である。
本発明の製造法で製造したポリエチレングリコールモノアクリレートの純度は、85%以上である。
即ち、モノオール純度は、nの増加につれて低下するが、nが3.5以下ではモノオール純度の低下の度合いは小さく、85%以上の値となる。しかし、nが3.5を超えると、モノオール純度の低下が顕著に増大し85%よりも低くなる。
また、本発明の製造法で製造したポリエチレングリコールモノアクリレートのジエステル含有量は8%以下である。
即ち、ジエステル含有量は、nの増加につれて上昇するが、nが3.5以下ではジエステル含有量の上昇の度合いは小さく、8%以下となる。しかし、nが3.5を超えると、ジエステル含有量の上昇が顕著に増大し8%よりも大きくなる。
また、本発明の製造法で製造したポリエチレングリコールモノアクリレートは、触媒として四塩化錫を用いないため、塩素含有量が少なく、電子材料などに利用される樹脂原料として用いる際に電気特性が低下しないため有用である。塩素含有量は100ppm以下であり、好ましくは25ppm以下であり、より好ましくは10ppm以下である。
塩素含有量は、イオンクロマトグラフィー(IC)を用いることにより測定することができる。
本発明に係るポリエチレングリコールモノアクリレートにおいては、エチレンオキシドの付加モル数nは1.6〜3.5であり、かつ塩素含有量が低い。特にnを3.5以下とすることによって、副生成物であるジエステルが多いことによる樹脂の架橋密度の過度の上昇を押さえ、貯蔵弾性率(G’)の温度依存性を大きくすることができる。即ち、−20℃における貯蔵弾性率(G’)に比べて、60℃での貯蔵弾性率(G’)が顕著に小さくなるようにできる。言い換えると、樹脂に熱可塑性を付与することが可能である。この観点からは、nを3.5以下とすることが好ましく、3.0以下とすることが更に好ましく、2.5以下とすることが最も好ましい。
また、このポリエチレングリコールモノアクリレートを原料として、電子材料などに利用されるウレタンアクリレートを合成すると、塩素による反応阻害がなく、ジオールやジエステルによる粘度の増加やゲル化などが起こらず、熱安定性の良好な、目的とするウレタンアクリレートを得ることができる。
重合物としては、ポリエチレングリコールモノアクリレート単独重合でもよく、他の重合性化合物と共重合しても良い。他の重合性化合物としては、例えば、アクリル酸メチルやメタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、ブタジエンなどが挙げられる。重合に際してはポリエチレングリコールモノアクリレートの使用量は用途によって異なるものの、通常は10%以上、好ましくは50%以上含有することができる。
本発明の重合物を得るには、溶液重合、乳化重合、バルク重合などの重合の形式は適宜選択でき、公知の方法で行うことができる。例えば熱重合や、光重合や、電子線重合、その他の方法が挙げられる。重合物を得るには重合開始剤を使用しても、使用しなくても良く、作業性や重合の速度の点からラジカル重合開始剤を使用した熱重合、光重合開始剤を用いた光重合が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等の有機過酸化物や、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチル−バレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2′−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2′−アゾビス[N−ヒドロキシフェニル]−2−メチルプロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2′−アゾビス[2メチル−Nー(2−プロペニル)プロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2′−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2′−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2′−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2′−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2′−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2′−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドレート、2,2′−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパン)、ジメチルー2,2′−アゾビスイソブチレート、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等のアゾ化合物が挙げられる。
ラジカル重合開始剤を用いた重合体の作製は、通常行われている温度範囲および重合時間で行うことができる。ラジカル重合開始剤配合量は、通常は前記重合性官能基1モルに対し0.01モル%以上10モル%以下であるが、重合の形式によってはラジカル重合開始剤の添加方法や配合量を適宜選択できる。
光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−1−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン等のアルキルフェノン化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド化合物、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゼン、3,3’、4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン等の芳香族過酸エステル化合物が挙げられる。
光重合開始剤を用いた重合体の作製は、通常行われている光の波長範囲および照射時間で行うことができる。光重合開始剤配合量は、通常は前記重合性官能基1モルに対し0.01モル%以上10モル%以下であるが、色素を用いた増感を行っても良く、その際には光重合開始剤の配合量を適宜選択できる。
以下、本発明にかかる実施例および比較例について説明する。得られたポリエチレングリコールモノアクリレートの分析方法を下記に示した。
(A)モノオール純度とジエステル含有量の測定方法
ガスクロマトグラフィーを用いて、下記の条件にて検出されたピークの面積比からモノオール純度とジエステル含有量を算出した。
機種:HEWLETT PACKARD社製「HP−6890」
カラム:J&W SCIENTIFIC社製「キャピラリーカラムDB−1」
キャリアーガス:ヘリウム
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
(B)pHの測定方法
日本工業規格 JIS Z 8802に記載のpHの測定方法に準じて測定した。
(C)水酸基価の測定方法
日本工業規格 JIS K 1557 6.4に記載の水酸基価の測定方法に準じて測定した。
(D)ケン化価の方法
日本工業規格 JIS K 0070 4.1に記載のケン化価の測定方法に準じて測定した。
(E)総不飽和度の測定方法
日本工業規格 JIS K 1557 6.7に記載の総不飽和度の測定方法に準じて測定した。
(F)貯蔵弾性率(G’)の測定方法
(試験片の作成)
ポリエチレングリコールモノアクリレート1モルに対して重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂株式会社製、パーヘキシルPV)0.03モルを加え、溶液とした。この溶液10gを開口部10cmのポリテトラフルオロエチレン製の型に投入し、窒素雰囲気下にて80℃、2時間加熱することにより厚さ1.0mmの硬化物を得た。この硬化物を直径25mmの円形ポンチにて打ち抜き、試験片を得た。
(貯蔵弾性率(G’)の測定)
下記に示した測定装置および条件にて、貯蔵弾性率(G’)の測定を行い、−20℃および60℃における貯蔵弾性率(G’)の値を読み取った。
機種:PaarPhysica社製「MCR300」
測定プローブ直径:25mm
測定プローブ角:2°
測定周波数:1.0Hz
振幅:0.1%
(G)塩素含有量の測定方法
ICを用いて、下記の条件にて測定検出されたピークの面積比から塩素含有量を算出した。
機種:ダイオネクス社製「DX−320」
カラム:ダイオネクス社製「IonPac AS11−HC」
溶離液:水酸化カリウム水溶液
検出器:電気伝導度検出器
(実施例1)
攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル容のオートクレーブに、2−ヒドロキシエチルアクリレート718.0g(6.2モル、水分0.10重量%)、BHT0.099g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対し、0.01重量%)および三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.46g(2−ヒドロキシエチルアクリレートに対し、0.06重量%)を入れ、系内を窒素ガスにて置換した後、エチレンオキシド272.0g(6.2モル、2−ヒドロキシエチルアクリレートに対して1.0倍モル)を圧力1MPa(10.0kgf/cm)以下、温度20℃以下の条件で3.5時間かけて圧入し、さらに1.5時間反応を継続した。次に乾燥空気を通じて未反応のエチレンオキシドを除去した。その後、協和化学工業(株)製キョーワード500を29.7g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対して3.0重量%)、BHT0.297g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対し、0.03重量%)、MQ0.09g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対し、0.01重量%)を加え、乾燥空気をバブリングしながら、5kPa、30℃の条件にて2時間処理した。次にキョーワード500を濾別し、ポリエチレングリコール(EO2.0)モノアクリレート890.3gを得た。
(実施例2)
攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル容のオートクレーブに、2−ヒドロキシエチルアクリレート660.0g(5.7モル、水分0.10重量%)、BHT0.128g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対し、0.01重量%)および三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体1.98g(2−ヒドロキシエチルアクリレートに対し、0.3重量%)を入れ、系内を窒素ガスにて置換した後、エチレンオキシド625.0g(14.2モル、2−ヒドロキシエチルアクリレートに対して2.5倍モル)を圧力1MPa(10.0kgf/cm)以下、温度20℃以下の条件で3時間かけて圧入し、さらに4時間反応を継続した。次に乾燥空気を通じて未反応のエチレンオキシドを除去した。その後、協和化学工業(株)製キョーワード500を51.4g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対して4.0重量%)、BHT0.386g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対し、0.03重量%)、MQ0.128g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対し、0.01重量%)を加え、乾燥空気をバブリングしながら、5kPa、30℃の条件にて2時間処理した。次にキョーワード500を濾別し、ポリエチレングリコール(EO3.5)モノアクリレート1134.6gを得た。
(比較例1)
攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル容のオートクレーブに2−ヒドロキシエチルアクリレート931.1g(8.0モル、水分0.10重量%)、BHT0.128g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対し、0.01重量%)および三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体6.52g(2−ヒドロキシエチルアクリレートに対し、0.7重量%)を入れ、系内を窒素ガスにて置換した後、エチレンオキシド353.0g(8.0モル、2−ヒドロキシエチルアクリレートに対して1.0倍モル)を圧力1MPa(10.0kgf/cm)以下、温度55℃以下の条件で3時間かけて圧入し、さらに1.5時間反応を継続した。次に乾燥空気を通じて未反応のエチレンオキシドを除去した。その後、協和化学工業(株)製キョーワード500を51.0g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対して4.0重量%)、BHT0.385g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対し、0.03重量%)、MQ0.128g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対し、0.01重量%)を加え、乾燥空気をバブリングしながら、5kPa、70℃の条件にて4時間処理した。次にキョーワード500を濾別し、ポリエチレングリコール(EO2.0)モノアクリレート1116.2gを得た。
(比較例2)
攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル容のオートクレーブに2−ヒドロキシエチルアクリレート235.3g(2.0モル、水分0.10重量%)、BHT0.059g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対し、0.01重量%)および三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体1.65g(2−ヒドロキシエチルアクリレートに対し、0.7重量%)を入れ、系内を窒素ガスにて置換した後、エチレンオキシド356.7g(8.1モル、2−ヒドロキシエチルアクリレートに対して4.0倍モル)を圧力1MPa(10.0kgf/cm)以下、温度55℃以下の条件で3時間かけて圧入し、さらに1.5時間反応を継続した。次に乾燥空気を通じて未反応のエチレンオキシドを除去した。その後、協和化学工業(株)製キョーワード500を17.8g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対して3.0重量%)、BHT0.178g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対し、0.03重量%)、MQ0.059g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対し、0.01重量%)を加え、乾燥空気をバブリングしながら、5kPa、70℃の条件にて2時間処理した。次にキョーワード500を濾別し、ポリエチレングリコール(EO5.0)モノアクリレート526.9gを得た。
(比較例3)
攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル容のオートクレーブに2−ヒドロキシエチルアクリレート718.0g(6.2モル、水分0.30重量%)、BHT0.181g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対し、0.01重量%)および四塩化錫5.03g(2−ヒドロキシエチルアクリレートに対し、0.7重量%)を入れ、系内を窒素ガスにて置換した後、エチレンオキシド1088.1g(24.7モル、2−ヒドロキシエチルアクリレートに対して4.0倍モル)を圧力1MPa(10.0kgf/cm)以下、温度55℃以下の条件で3.5時間かけて圧入し、さらに1.5時間反応を継続した。次に乾燥空気を通じて未反応のエチレンオキシドを除去した。その後、協和化学工業(株)製キョーワード500を72.2g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対して4.0重量%)、BHT0.542g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対し、0.03重量%)、MQ0.181g(2−ヒドロキシエチルアクリレートとエチレンオキシドとの合計重量に対し、0.01重量%)を加え、乾燥空気をバブリングしながら、5kPa、70℃の条件にて4時間処理した。次にキョーワード500を濾別し、ポリエチレングリコール(EO5.0)モノアクリレート1614.3gを得た。
Figure 0004506237
実施例1、2においては、水酸基価から目的の分子量のポリエチレングリコールモノアクリレートであり、ケン化価から目的のエステル含量であるポリエチレングリコールモノアクリレート、総不飽和度から目的の重合性基を有しているポリエチレングリコールモノアクリレートであることが確認できる。そして、モノオール純度が高い上、ジエステル含有量が少なくて、−20℃におけるG’に比べて、60℃におけるG’が顕著に小さく、熱可塑性が発現していることが判る。
比較例1、2においては、水酸基価から目的の分子量のポリエチレングリコールモノアクリレートであり、ケン化価から目的のエステル含量であるポリエチレングリコールモノアクリレート、総不飽和度から目的の重合性基を有しているポリエチレングリコールモノアクリレートであることが確認できる。しかし、実施例に比べてモノオール純度が低下しており、ジエステル含有量も多い。また、−20℃におけるG’に比べて、60℃におけるG’の低下がみられず、熱可塑性が発現していない。
比較例3においては、モノオール純度が低い上、ジエステル含有量も多くて、塩素含有量が高い。
なお、比較例1においては、吸着温度は70℃であり、n=2.0であり、モノオール純度は78.1%、ジエステル含有量は10.7%である。比較例2においては、吸着温度は70℃であり、n=5.0であり、モノオール純度は79.7%、ジエステル含有量は15.5%である。即ち、nを5.0から2.0へと減少させたときに、ジエステル含有量は4.8%減少するが、しかしモノオール純度はかえって1.6%低下してしまう。即ち、70℃の吸着温度を採用した場合には、副生成物であるジエステル含有量が全体として増大するだけでなく、nを小さくして短鎖としても、モノオール純度は向上せず、かえって低下する傾向が見られた。
これに対して、実施例1においては、吸着温度は30℃であり、n=2.0であり、モノオール純度は96.8%、ジエステル含有量は1.8%である。実施例2においては、吸着温度は30℃であり、n=3.5であり、モノオール純度は89.9%、ジエステル含有量は7.2%である。即ち、nを3.5から2.0へと減少させたときに、ジエステル含有量は5.4%減少すると共に、モノオール純度も6.9%向上した。即ち、30℃の吸着温度を採用した場合には、副生成物であるジエステル含有量が全体として減少するだけでなく、nを小さくして短鎖としたときに、ジエステル含有量が小さくなり、かつモノオール純度も向上することが判明した。即ち、本発明の作用効果は、吸着処理温度を50℃以下に限定したことと、nを3.5以下に限定したこととが相まって初めて発現するものである。

Claims (3)

  1. 触媒として三フッ化ホウ素化合物を用い、2−ヒドロキシエチルアクリレートにエチレンオキシドを開環重合させた後に、三フッ化ホウ素化合物を除去する吸着剤を添加し、0〜50℃で処理することを特徴とする、式(1)で示されるポリエチレングリコールモノアクリレートの製造方法。
    CH=CHCOO(CHCHO)H (1)
    (nはエチレンオキシドの平均付加モル数であり、n=1.6〜3.5である)
  2. 2−ヒドロキシエチルアクリレートの水分含有量が0.20重量%以下であることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
  3. 三フッ化ホウ素化合物の使用量が、0.01〜0.3重量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
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