JPH05114419A - 固体電解質二次電池 - Google Patents

固体電解質二次電池

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JPH05114419A
JPH05114419A JP3302621A JP30262191A JPH05114419A JP H05114419 A JPH05114419 A JP H05114419A JP 3302621 A JP3302621 A JP 3302621A JP 30262191 A JP30262191 A JP 30262191A JP H05114419 A JPH05114419 A JP H05114419A
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JP
Japan
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solid electrolyte
carbon atoms
positive electrode
lithium
liquid
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JP3302621A
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English (en)
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Kenji Tsuchiya
謙二 土屋
Yoshikazu Kobayashi
義和 小林
Masanobu Suga
雅信 須賀
Seiichi Akita
成一 秋田
Nobuyuki Kuroda
信行 黒田
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FDK Twicell Co Ltd
Eneos Corp
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
Nippon Oil Corp
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
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    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
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    • H01M10/056Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
    • H01M10/0564Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of organic materials only
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 リチウム系の負極と、金属カルコゲン化合物
系の正極と、固体電解質とを備えた二次電池において、
固体電解質は、(A)置換または非置換アクリル酸のア
ルコキシポリエチレングリコールエステルにラジカル重
合開始加速剤が溶解した溶液と、(B)ポリアルキレン
グリコールジアルキルエーテルおよび/または有機非水
溶媒にラジカル重合開始剤が溶解した溶液(ただし、
(A)、(B)のいずれか一方にはアルカリ金属塩を含
む)とを混合硬化させて得た生成物である固体電解質二
次電池。 【効果】 溶媒除去の工程を必要とせず、容易に固体電
解質層の形成が可能であり、しかも、得られた固体電解
質は電極との密着性、柔軟性および機械的強度に優れて
いる。電池は、従来の電池に比べて低温充放電特性に優
れ、かつ充放電サイクル寿命が長い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体電解質二次電池に
関し、さらに詳しくは、低温充放電特性が優れ、充放電
サイクル寿命が長く、生産性に優れた新規な固体二次電
池に関する。
【0002】
【従来の技術】負極活物質としてリチウム、ナトリウ
ム、アルミニウムなどの軽金属を、正極活物質としてM
oS2 、TiS2 のような遷移金蔵のカルコゲン化合物
を、また電解質として固体電解質を用いた固体電解質二
次電池は、エネルギー密度が高く、かつ漏液の発生がな
く、従来の電池では不可能な長期間の使用が可能である
ため、活発な研究開発の対象になっている。
【0003】このような二次電池の一例を図2に示す。
図2はコイン形の固体電解質二次電池の縦断面図であ
る。
【0004】図2において、1は正極端子を兼ねる正極
缶であり、たとえばステンレス鋼の表面にニッケルメッ
キを施したものが用いられる。この正極缶1の内部に
は、正極2が載置されている。正極2は、金属カルコゲ
ン化合物のような正極活物質、黒鉛のような導電剤、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチ
レンのような結着剤などからなる正極合剤が、ニッケ
ル、ステンレス鋼などからなる金網、パンチドメタル、
エキスパンドメタル、フォームメタルのような金属芯体
上に着設されて構成される。この金属芯体7を正極缶内
面にあらかじめスポット溶接などの手段を用いて着設一
体化しておき、そこに正極合剤を着設するか、または正
極合剤を金属芯体の片面または両面に着設して一体化し
た後、板状、シート状などの所定形状に裁断または打ち
抜き加工して、正極2を製造する。
【0005】3は固体電解質であるイオン伝導性ポリマ
ー薄膜であり、たとえば、ポリエチレングリコール、ポ
リホスファゼンなどの高分子材料と、LiClO4 ,L
iBF4 ,LiPF6 、LiCF3 SO4 のようなリチ
ウム塩やNaClO4 のようなナトリウム塩などの電解
質との混合物が使用される。
【0006】負極4は、固体電解質薄膜2を介して正極
1に載置され、負極活物質であるリチルム箔またはリチ
ウムを主体とするアルカリ金属箔で構成されている。5
は負極端子板も兼ねる負極缶で、たとえば、ステンレス
鋼の表面にニッケルメッキを施したものが用いられる。
【0007】負極缶5は、絶縁パッキング6を介して正
極缶1に嵌合され、正極缶1の周縁部が内側に折曲して
全体が封口されることによって、電池が形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構造の従
来からある二次電池においては、次のような問題が生じ
ており、その改善が求められている。
【0009】すなわち前述のような従来の固体電解質
は、これ自体の導電率が10-7S/cm以下であり、低温で
はさらに導電率が低下するため、これを用いた従来の二
次電池は、低温における充放電特性の劣化が大きい。ま
た、固体電解質と電極との密着性が良くないため、充放
電電流の不均一化が起こり、リチウムデンドライトが発
生し易い。そのため、このうな二次電池は、充放電サイ
クル寿命が短いという問題があった。さらに、この固体
電解質は、固体電解質を溶媒中に溶解させた後に成形面
上に流延させ、ついで溶媒を乾燥除去する、いわゆる、
キャスト法により成膜化して製造されるため、その製造
方法が複雑であり、生産性が低いという問題があった。
【0010】このため、フィルム強度を強くするために
三官能性ポリエチレングリコールとジイソシアネート誘
導体の反応によって架橋したり(特開昭62−4871
6号公報)、ポリエチレングリコールジアクリレートの
重合反応によって架橋する方法(特開昭62−2859
54号公報)などが開示されているが、いずれも導電
率、ならびに電極との密着性が十分ではなく、また、反
応の際に溶媒を用いているため、反応の終了後の残存す
る溶媒の乾燥除去の工程が不可欠であって生産性が低
く、一層の改良が望まれている。
【0011】そこで、本発明は、上記の問題を解消し
て、低温充放電特性に優れ、充放電サイクル寿命が長
く、生産性に優れた固体電解質二次電池を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らに、上記の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、固体電解質二次
電池において、下記のA液およびB液の少なくともいず
れか一方がアルカリ金属塩を含み、A液とB液とを混合
することによって硬化させて得た生成物を固体電解質と
して用いることにより、上記の目的が達成できることを
見出して、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明の固体電解質二次電池
は、リチウムまたはリチウム合金からなる負極と、金属
カルコゲン化合物またはリチウムと金属カルコゲン化合
物との複合化合物からなる正極と、固体電解質とを備え
た固体電解質二次電池において、前記固体電解質は、下
記A液およびB液の少なくともいずれかの一方がアルカ
リ金属塩を含み、A液とB液とを混合することによって
硬化させて得た生成物であることを特徴とする。
【0014】A液は、一般式(1)で示される置換また
は非置換アクリル酸のアルコキシポリエチレングリコー
ルエステルにラジカル重合開始加速剤が溶解した溶液で
あり、
【0015】
【化5】
【0016】(式中、R1 は水素または炭素数1〜5の
アルキル基を表わし、R2 は炭素数1〜5のアルキル基
を表わし、mは2≦m≦30の整数を表わす) B液は、一般式(2)で示されるポリアルキレングリコ
ールジアルキルエーテル
【0017】
【化6】
【0018】(式中、R3 およびR5 は、たがいに同一
であっても異なっていてもよく、炭素数1〜5のアルキ
ル基を表わし、R4 は水素または炭素数1〜3のアルキ
ル基を表わし、nは2≦n≦30の整数を表わす); および/または一般式(3)で示される有機非水溶媒
【0019】
【化7】
【0020】(式中、Xは
【0021】
【化8】
【0022】を表わし、R6 は炭素数1〜6の一価の炭
化水素基を表わし、R7 およびR8はたがいに同一であ
っても異なっていてもよく、一重結合または炭素数1〜
6の二価の炭化水素基を表わし、R9 は炭素数1〜6の
一価の炭化水素基またはシアノ基を表わし、R6 および
9 は相互に連結して環を形成してもよく、p、qおよ
びrは0または1を表わし、R9 が一価の炭化水素基で
ある場合はp+q+r>0である)中にラジカル重合開
始剤が溶解した溶液である。
【0023】本発明に用いる固体電解質は、一般式
(1)で示される化合物中にラジカル重合開始加速剤が
溶解している溶液であるA液と、一般式(2)で示され
る化合物および/または一般式(3)で示される化合物
中にラジカル重合開始剤が溶解している溶液であるB液
とを混合することにより、硬化させて得た生成物であ
る。さらに、このA液かB液の少なくともいずれか一方
の液中には、アルカリ金属塩を含有している。
【0024】さらにまた、A液またはB液の少なくとも
いずれか一方の液には、所望に応じて、ラジカル重合遅
延剤を含有していてもよい。
【0025】この発明において使用される一般式(1)
で示される化合物は、その構造式が示すとおり、アクリ
ル酸またはアルキル置換アクリル酸のモノアルコキシポ
リエチレングリコールエステルであり、すなわち、分子
中にオキシエチレンユニットを含むポリエーテル系マク
ロモノマーである。該マクロモノマーは、常温において
液状を呈する。
【0026】一般式(1)中、R1 は、水素原子または
炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキル基を表わ
す。アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、ペンチルなどが挙げられて、好
ましくは、水素原子、およびメチル、エチルのアルキル
基である。R2 は、炭素数1〜5、好ましくは1〜3の
アルキル基であり、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、ペンチルなどが挙げられ、好ましく
は、メチル、エチル、プロピルなどである。また、一般
式(1)によって表示される化合物中のオキシエチレン
ユニットの数、すなわちmの値は、2≦m≦30、好ま
しくは2≦m≦20、さらに好ましくは3≦m≦15で
ある。
【0027】一般式(1)で示されるアクリル酸または
アルキル置換アクリル酸のモノアルコキシポリエチレン
グリコールエステルとして、具体的には、上記範囲内の
オキシエチレンユニット数を有するメトキシポリエチレ
ングリコールメタクリレート、エトキシポリエチレング
リコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコ
ールアクリレート、エトキシポリエチレングリコールア
クリレートなどが例示される。これらを単独で用いて
も、2種以上を併用してもよい。
【0028】この発明において使用されるラジカル重合
開始加速剤は、一般式(1)の化合物に可溶性のもので
あり、後述のラジカル重合開始剤を還元する作用を有す
るものであれば、特に限定されることはなく、各種のア
ニリン類、アミン類、還元性遷移金属化合物、含イオウ
化合物などが例示される。
【0029】具体的には、例えば、アニリン、N,N−
ジメチルアニリン、N,N,−ジエチルアニリン、N,
N,−ジブチルアニリンなどのアニリン類;トリエチル
アミン、ジエチルアミン、ピペリジン、1,2−ジアミ
ンエタンなどのアミン類;FeCl2 ・nH2 O、Fe
S、FeSO4 などのFe(II)塩;CoCl2 、Co
Br2 、CoSO4 、CoSなどのCo(II)塩;Mo
Cl5 などのMo(V)塩;メタンチオール、エタンチ
オール、ベンゼンチオール、フェニルメタンチオール、
1,4−ブタンジチオール、p−メルカプト安息香酸な
どのチオール類;カリウムエタンチオラート、ナトリウ
ムエタンチオラートなどのチオール塩類;ジエチルスル
フィド、エチルチオベンゼン、1,2−ビス(メチルチ
オ)エタン、4,4´−チオ二安息香酸、3−(メチル
チオ)プロパノール、ビス(エチルチオメチル)スルフ
ィド、チアシクロオクタン、1,2−ジチアン、2,3
−ジヒドロ−1,4−ジチアナフタレンなどのスルフィ
ド類;または各種亜硫酸塩;スルフィン酸などが例示さ
れ、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジ
エチルアニリン、トリエチルアミン、FeSO4 、Fe
Cl2 ・nH2 O、エタンチオール、ベンゼンチオー
ル、ナトリウムエタンチオラート、ジエチルスルフィド
などが好ましい。これらを単独で用いても、2種以上を
併用してもよい。
【0030】A液は、一般式(1)の化合物中に、これ
らのラジカル重合開始加速剤が溶解しているものであ
る。A液中のラジカル重合開始加速剤の濃度は0.00
01〜10重量%が好ましく、0.005〜5重量%が
より好ましい。
【0031】なお、A液の中に、さらに分子末端に2〜
4個のアルキル置換または非置換のアクリロイル基を有
する直鎖状又は分岐状の化合物を配合することが好まし
い。その配合量は、一般式(1)で表わされる化合物1
00重量部に対して、通常、50重量部以下であり、好
ましくは1〜50重量部、さらに好ましくは2〜30重
量部である。
【0032】このようなアルキル置換または非置換のア
クリロイル基を有する化合物としては、たとえば、一般
式(4)で示される、両末端に合計2個の該アルキル置
換または非置換のアクリロイル基を有する直鎖状ポリエ
チレングリコールのジエステル
【0033】
【化9】
【0034】(式中、R10及びR11は、たがいに同一で
あっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数1
〜5、好ましくは1〜3のアルキル基を表わし、sは4
〜30、好ましくは5〜20を表わす)が好ましく、と
くに両末端にアクリル基またはメタクリル基を有する化
合物が、適当な物質として例示される。
【0035】3個、または4個の末端にアルキル置換ま
たは非置換のアクリロイル基を有する化合物として、一
般式(5)で示される化合物が好ましく、末端にアクリ
ル基またはメタクリル基を有する化合物がとくに好まし
い。具体的には、トリメチロールプロパントリメタクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラアクリレートなどが例示される。
【0036】
【化10】
【0037】(式中、R12は炭素数1〜5のアルキル基
を表わし、aは0または1であり、R13は水素または炭
素数1〜5のアルキル基を表わす。)
【0038】この発明に使用される一般式(2)で示さ
れる化合物は、その構造式から知られるとおり、両末端
がアルキルエーテル化されたポリエーテルオリゴマーで
あり、うち、常温において液状を呈するものである。
【0039】式中のR4 は、水素原子または炭素数1〜
3のアルキル基を表わし、オキシアルキレンユニットと
しては、たとえば、オキシエチレンユニット、オキシプ
ロピレンユニット、オキシブチレンユニットなどが挙げ
られ、また2種類以上のオキシアルキレンユニットが共
存していてもよい。これらのオキシアルキレンユニット
数nは、2≦n≦30、好ましくは2≦n≦20、さら
に好ましくは3≦n≦15である。また、式中のR3
よびR5 は、たがいに同一であっても異なっていてもよ
く、炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキル基であ
って、たとえば、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピルなどが挙げられる。
【0040】このようなポリアルキレングリコールジア
ルキルエーテルとして、具体的には、ジメトキシポリエ
チレングリコール、ジエトキシポリエチレングリコー
ル、ジプロポキシポリエチレングリコール、ジメトキシ
ポリプロピレングリコール、ジエトキシポリプロピレン
グリコール、ジメトキシポリエチレン−プロピレングリ
コール、ジメトキシポリエチレン−ブチレングリコール
などが例示される。これらを単独で用いても、2種以上
を併用してもよい。
【0041】一般式(3)で示される化合物は、常温に
おいては液状を呈する有機非水溶媒である。
【0042】式中のR6 は炭素数1〜6、好ましくは1
〜4の炭化水素基であって、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、イソブチル、ペンチルなどのアルキル基;フェニル
などのアリール基などが例示される。R7 およびR8
たがいに同一であっても異なっていてもよく、一重結合
か、または炭素数1〜6の二価の炭化水素基であって、
メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレンなどの
アルキレン基;フェニレンなどのアリーレン基などが例
示される。
【0043】R9 はシアノ基または炭素数1〜6、好ま
しくは1〜3の一価の炭化水素基であって、この炭化水
素基については、R6 と同様のものが例示される。ま
た、R6 とR9 は相互に連結して環を形成していてもよ
く、この場合のR6 とR9 は、それぞれ、二価の炭化水
素基の一部を構成する。このような二価の炭化水素基
は、通常、炭素数2〜6のものであり、エチレン、トリ
メチレン、プロピレン、テトラメチレンなどのアルキレ
ン基が例示される。p、qおよびrは、各々、0又は1
であって、R4 が一価の炭化水素基である場合はp+q
+r>0である。
【0044】また、Xは次のような二価の基を示す。
【0045】
【化11】
【0046】一般式(3)で示される有機非水溶媒とし
ては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネー
ト、γ−ブチロラクトン、ジメトキシエタン、アセトニ
トリル、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホ
ランなどが例示される。これらを単独で用いても、2種
以上を併用してもよい。この有機非水溶媒は、その誘電
率の値に関係なく使用が可能であるが、特に、誘電率が
30以上のものが好ましい。
【0047】この発明に使用されるラジカル重合開始剤
は、一般式(2)で示される化合物および/または一般
式(3)で示される化合物に可溶性のものであり、容易
にラジカルを発生するものであれば、特に限定されるも
のではない。有機過酸化物などが好適な物質として例示
される。有機過酸化物としては、ジアルキルペルオキシ
ド、ジアシルペルオキサイド、ペルオキシエステル、ヒ
ドロペルオキシド、ケトンペルオキシドなどが用いら
れ、具体的には、ベンゾイルペルオキシド、2,4−ジ
クロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシ
ド、ジクミルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオ
キシド、シクロヘキサノンペルオキシド、クメンヒドロ
ペルオキシド、tert- ブチルペルオキシアセテート、te
rt−ブチルペルオキシイソブチレート、tert−ブチルペ
ルオキシピバレート、アセチルペルオキシド、ジイソプ
ロピルペルオキシカーボネート、p−メンタンヒドロペ
ルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシ
ド、プロピオニルペルオキシドなどが例示される。ベン
ゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシイソブチ
レート、アセチルペルオキシド、メチルエチルケトンペ
ルオキシドなどが好ましい。これらを単独で用いても、
2種以上を併用してもよい。
【0048】B液は、一般式(2)の化合物および/ま
たは一般式(3)の化合物の中に上記のラジカル重合開
始剤が溶解しているものである。B液中のラジカル重合
開始剤の濃度は、0.0001〜10重量%が好まし
く、0.0005〜5重量%がより好ましい。
【0049】また、一般式(2)の化合物と一般式
(3)の化合物を併用する場合の両者の使用比率は、特
に限定されないが、通常、一般式(2)の化合物対一般
式(3)の化合物の重量比は、99:1〜1:99の範
囲内が好ましく、90:10〜10:90の範囲内がよ
り好ましい。
【0050】この発明においては、前記のA液および/
またはB液中に、アルカリ金属塩を含有する。さらにラ
ジカル重合遅延剤を選択的に付加的に含有してもよい。
【0051】アルカリ金属塩は、一般式(1)の化合
物、一般式(2)の化合物、または一般式(3)の化合
物に可溶性のものであれば、特に限定されることはな
く、たとえば、アルカリ金属塩としては、過塩素酸リチ
ウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウムなどの過
塩素酸アルカリ金属塩;テトラフルオロホウ酸リチウ
ム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、テトラフルオロ
ホウ酸カリウムなどのテトラフルオロホウ酸のアルカリ
金属塩;ヘキサフルオロリン酸リチウム、ヘキサフルオ
ロリン酸カリウムなどのヘキサフルオロリン酸のアルカ
リ金属塩;トリフルオロ酢酸リチウムなどのトリフルオ
ロ酢酸のアルカリ金属塩;トリフルオロメタンスルホン
酸リチウムなどのトリフルオロメタンスルホン酸のアル
カリ金属塩などが例示される。これらを単独で用いて
も、2種以上を併用してもよい。
【0052】上記のアルカリ金属塩の含有量は、A液と
B液の総量100重量部に対して、1〜30重量部が好
ましく、3〜20重量部がさらに好ましい。
【0053】ラジカル重合遅延剤は、ラジカル重合反応
を禁止または抑制する作用を有するものであれば、特に
限定されることはなく、好適な例としては、1,1−ジ
フェニル−2−ピクリルヒドラジン(DPPH)、1,
3,5−トリフェニルフェルダジル(VDZ)、2,6
−ジ−tert−ブチル−α−(3,5−ジ−tert−ブチル
−4−オキソ−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリ
デン−p−トリルオキシル(Galvinoxyl) 、2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリドン−1−オキシ
ル、N−(3−N−オキシアニリノ−1,3−ジメチル
ブチリデン)−アニリンオキシド、トリ(p−ニトロフ
ェニル)メチルなどの有機酸素ラジカルまたは有機窒素
ラジカルなどの安定有機ラジカル類;塩化第二鉄、臭化
第二鉄、塩化第二銅などの高原子価金属塩;ジクロロキ
ノン、ヒドロキノンなどのキノン類;ジチオベンゾイル
ジスルフィドなどの有機イオウ化合物が例示され、DP
PHなどの安定ラジカル類が特に好ましい。なお、この
発明では、安定ラジカル類における安定とは、通常0〜
50℃、好ましくは5〜40℃の範囲で安定であること
を意味する。
【0054】上記のラジカル重合遅延剤の添加量は、ラ
ジカル重合遅延剤/ラジカル重合開始剤(モル比)が通
常2以下であり、好ましくは0.001〜1.5であ
り、特に好ましくは0.01〜1.0の範囲内である。
もちろん、2種以上のラジカル重合遅延剤を併用するこ
とも可能である。
【0055】この発明に用いられる高分子固体電解質
は、A液とB液が混合されることによって硬化する。こ
の際に、A液とB液の混合比率は、発明の目的が損なわ
れない限り特に限定されないが、通常、A液対B液の重
量比が1:99〜90:10であり、5:95〜85:
15の範囲内であることがさらに好ましい。A液が過多
であれば、生成する高分子固体電解質の低温でのイオン
伝導度が低下し易く、またB液で過多であれば、生成す
る高分子固体電解質のフィルムの強度が劣弱になり易
い。
【0056】A液とB液を混合するときの温度は、通常
は、0〜50℃の範囲内であって、5〜40℃の範囲内
が好ましい。また、これら両液の取扱い操作は、乾燥雰
囲気下で行われることが好ましい。
【0057】ラジカル重合遅延剤を使用する場合は、A
液とB液を混合した後、しばらくの誘導期間が経過して
から、硬化が開始するので、他には特別の処置は必要で
はない。硬化時の温度は、通常、0〜50℃、好ましく
は5〜40℃の範囲内であり、また、硬化時間は、各成
分の仕込量、温度などの諸条件によって適宜決定される
が、生産性の観点から、通常、1分間〜24時間が好ま
しく、5分間〜12時間の範囲内がさらに好ましい。
【0058】なお、A液中にエチレンカーボネート、プ
ロピレンカーボネート、ジメトキシエタン、ジメチルス
ルホキシドなどの有機非親水性溶媒を、この発明の目的
を損なわない限りにおいて共存させてもよい。このとき
の共存量は、通常、全体量の98重量%以下、好ましく
は1〜95重量%、さらに好ましくは5〜92重量%で
ある。
【0059】この発明においては、固体電解質を生成さ
せる際に、ポリエチレン、ポリプロピレンなどからなる
不織布や多孔性フィルムを共存させることも、好適に実
施される。
【0060】上記の不織布や多孔性フィルムを共存させ
る方法としては、A液とB液の混合液は混合直後は液体
であるので、混合した液をただちに不織布や多孔性フィ
ルムに含浸させて硬化させる。この方法によって、上記
の不織布や多孔性フィルムを容易に共存させることがで
きる。
【0061】この発明に用いる正極活性物質としては、
金属カルコゲン化合物やリチウムと金属カルコゲン化合
物の複合化合物が用いられる。金属カルコゲン化合物と
しては、たとえば、チタン(Ti)、バナジウム
(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニオブ
(Nb)などの金属の酸化物、硫化物、セレン化物が例
示され、具体的には、MnO2 、V25 、Cr3
8 、V613などの酸化物;TiS2 、V22 などの
硫化物;VSe2 、NbSe3 などのセレン化物が例示
される。また、リチウムと金属カルコゲン化合物との複
合化合物としては、たとえば、LiCoO2 、LiMn
24 などが例示される。これらは、それぞれ単独で用
いてもよいし、または2種以上を適宜選択して用いても
よい。また、上記化合物は、結晶質であっても非晶質で
あってもよい。
【0062】また、この発明に用いる正極は、上記の正
極活物質にポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体などの結着剤、さら
に必要に応じてカーボンブラック、アセチレンブラック
などの導電剤を混合した後、成形、またはシート化する
ことにより作成される。ここで、結着剤としては、高分
子固体電解質、たとえばポリエチレングリコールとアル
カリ金属塩の混合物などを用いてもよい。また、この固
体電解質と上記結着剤を併用してもよい。
【0063】この発明に用いる負極活物質としては、リ
チウムまたはリチウム合金が好ましい。リチウム合金と
しては、Li−Al合金、Li−In合金、Li−Al
−Mn合金などが例示される。
【0064】この発明に用いる負極は、上記のリチウム
またはリチウム合金を、箔またはペレット状に加工して
作成される。
【0065】
【作用】このようにして、A液とB液を混合することに
よって生成させた固体電解質は、0℃において10-5S/
cm以上の高いイオン伝導度を示し、また、柔軟性に富ん
だ膜として得られるため、電極との密着性が良好であ
る。さらに、電極上に直接的に成膜させることも可能で
あり、この成膜法を用いると、電極との密着性はさらに
良好になる。
【0066】また、この固体電解質はA液とB液を混合
することによって、室温において硬化させて得られるの
で、除去すべき溶媒が実質的に存在せず、重合反応が終
了した後に残存溶媒の乾燥除去を必要とする従来のキャ
スト法と比較して、極めて容易に電解質層を作成できる
ため、生産性も優れている。
【0067】
【発明の効果】この発明によれば、A液とB液を混合す
ることによって生成した、低温でのイオン伝導度が高
く、電極との密着性が良好な固体電解質を用いることに
より、従来の電池に比べて低温充放電特性に優れ、充放
電サイクル寿命が長い固体電解質二次電池を得ることが
可能になる。
【0068】また、この固体電解質は、室温において二
液を混合するだけの簡単な工程で作成でき、溶媒除去な
どの操作を必要としないため、これを用いることによっ
て、固体電解質二次電池の生産性を高めることが可能に
なる。
【0069】さらに、高分子からなる不織布や多孔性フ
ィルムを容易に共存させることができるため、固体電解
質の機械的強度が強く、正負極板を渦巻状に巻回して作
成する、円筒形の固体電解質二次電池に用いることがで
きる。それゆえ、この発明の工業的価値は大きい。
【0070】
【実施例】以下、この発明を実施例によって具体的に説
明する。この発明はこれらの記載によって、なんら限定
されるものではない。
【0071】図2に示すコイン形固体電解質二次電池
を、次のように作成して、実施例に用いた。
【0072】まず、正極活物質として、スピネル型リチ
ウムマンガン酸化物(LiMn24 )を用い、この活
物質80重量部に、導電剤としてのアセチレンブラック
15重量部、及び結着剤としてポリテトレラフルオロエ
チレン粉末5重量部を混合した。この混合物に、ポリエ
チレングルコールと過塩素酸リチウムを溶解したアセト
ニトリル溶液を加え、撹拌混合した後、減圧乾燥して溶
媒を除去したものをペレット状にプレス成形して、直径
15.5mmの正極2を作成した。
【0073】負極活物質としてリチウム箔を用い、この
リチウム箔を直径15.5mmに打ち抜いて負極4を作成
した。
【0074】以下に示す実施例1〜6及び比較例の方法
を用いて、ゲル状態及び固体電解質を得た。正極缶1に
金属芯体7をスポット溶接により一体化し、その上に上
記正極2、上記の二液混合液を硬化して得られたゲル状
膜、または従来のキャスト法を用いて作成した固体電解
質3、上記負極4をこの順序に載置し、絶縁パッキング
6を介して負極缶を嵌合し、正極缶1の周縁部をかしめ
て封口し、外径20mm、高さ1.6mmのコイン形固体電
解質二次電池を作成した。
【0075】実施例1 メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート
(新中村化学工業株式会社製 M90G)[オキシエチ
レンユニット数 9]10.0g に、N,N−ジメチル
アニリン0.1g を加えたものをA液とした。ポリエチ
レングリコールジメチルエーテル(ライオン製ユーノッ
クス DM200)[オキシエチレンユニット数 約
4]10.0g に過塩素酸リチウム0.83g 、ベンゾ
イルペルオキシド0.06g を加えたものをB液とし
た。これらA、B両液を25℃の室温下に1:1の重量
比で混合し、室温において、ただちにポリプロピレン板
面上にキャストした。そのまま放置し、15分後に、ブ
リードがない厚さ50μm のゲル状膜を得た。この膜を
膜(1)とした。また、この膜を用いて図2に示すコイ
ン形固体電解質二次電池を作成した。この電池を電池
(1)とした。
【0076】実施例2 B液として、ポリエチレングリコールジメチルエーテル
5.0g とプロピレンカーボネート5.0g の混合液に
過塩素酸リチウム0.83g およびクメンヒドロペルオ
キシド0.06g を加えたものを用いた以外は、実施例
1と同様にして、ゲル状膜と電池を作成した。得られた
膜はブリードのない厚さ50μm のゲル状膜で、キャス
トした30分後に得られた。この膜と電池をそれぞれ膜
(2)、電池(2)とした。
【0077】実施例3 B液として、プロピレンカーボネート10.0g に過塩
素酸リチウム0.85g およびベンゾイルペルオキシド
0.07g を加えたものを用いた以外は、実施例1と同
様にして、ゲル状膜と電池を作成した。得られた膜はブ
リードのない厚さ50μm のゲル状膜で、キャストした
30分後に得られた。この膜と電池をそれぞれ膜
(3)、電池(3)とした。
【0078】実施例4 実施例3と同様のA液とB液を用い、この2液を1:1
の重量比で混合した後、室温において、厚さ50μm の
ポリプロピレン製不織布中に含浸させた。含浸後、不織
布の表面上の残留液を拭き取り、放置して、45分後に
ブリードのない、不織布を共存した厚さ50μm のゲル
状膜を得た。この膜を用いて、実施例1と同様にして電
池を作成した。この膜と電池をそれぞれ(4)、電池
(4)とした。
【0079】実施例5 実施例3と同様のA液とB液を用い、この2液を1:1
の重量比で混合した後、室温において、外径15.5mm
のリチウム箔上にキャストした。そのまま放置し、5分
後にブリードのないゲル状膜とリチウム箔の一体化物を
得た。ゲル状膜の厚さは50μm であった。この一体化
物を用いて、実施例1と同様にして電池を作成した。こ
の電池を電池(5)とした。また、この一体化物からゲ
ル状膜を剥離し、この膜を膜(5)とした。
【0080】実施例6 B液として、プロピレンカーボネート10.0g に過塩
素酸リチウム0.85g 、ベンゾイルペルオキシド0.
07g および1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラ
ジル(DPPH)3mgを加えたものを用いた以外は実施
例1と同様にして、ゲル状膜と電池を作成した。得られ
た膜はブリードのない厚さ50μm のゲル状膜で、キャ
ストした120分後に得られた。このB液を用いた2液
混合液は、キャスト後40分間は粘度の上昇が起きず、
誘導期間内であることを示した。その後、粘度が上昇し
はじめ、硬化した。誘導期間があったため、極めて容易
にゲル状膜を作成することができた。この膜と電池をそ
れぞれ膜(6)、電池(6)とした。
【0081】比較例 平均分子量60,000のポリエチレングリコール10
g と過塩素酸リチウム0.85g をアセトニリル50ml
に溶解し、得られた粘性溶液をポリテトラフルオロエチ
レン板面上にキャストし、5時間放置したのち、減圧
下、100℃で10時間処理してアセトニトリルを蒸発
除去し、厚さ50μmの固体電解質シートを得た。この
固体電解質を用いて、実施例1と同様にして電池を作成
した。この固体電解質と電池をそれぞれ比較例とした。
【0082】上記の実施例1〜6および比較例ゲル状
膜、固体電解質、およびこれらを用ちいた電池の性能を
調べるために、以下に示すイオン伝導度試験、および電
池特性試験を行った。
【0083】<イオン伝導度試験>実施例1〜6および
比較例の各ゲル状膜、固体電解質をリチウムシートでサ
ンドイッチ状に挟み、交流インピーダンス法を用いて、
25℃、0℃でのイオン伝導度を測定した。この結果を
表1に示す。
【0084】
【表1】
【0085】<電池特性試験>実施例1〜6および比較
例の各電池について、25μAの定電流で、電池電圧
2.0Vまで放電し、3.5Vまで充電する充放電サイ
クル試験を、25℃、0℃の各温度で5サイクル行い、
低温充放電特性を評価した。5サイクル目の各温度にお
ける放電容量の測定値を用いて、次式を用いて0℃にお
ける放電容量維持率を算定した。
【0086】
【数1】
【0087】その結果を表2に示す。
【0088】
【表2】
【0089】次に、各電池について、50μAの定電流
で、電池電圧2.0Vまで放電し、3.5Vまで充電す
る充放電サイクル試験を25℃で行い、充放電サイクル
特性を評価した。すなわち、各サイクルにおける放電容
量の初期放電容量に対する維持率を測定した。その結果
を図1に示す。
【0090】表1のイオン伝導度試験の結果から明らか
なように、この発明の実施例1〜6のゲル状膜は、25
℃におけるイオン伝導度が3.3×10-3〜1.3×1
-4S/cmであって、比較例の固体電解質に比較して高い
イオン伝導度を示した。さらに、0℃の低温において
は、4.5×10-4〜2.3×10-5S/cmであって、比
較例の固体電解質に比較して3〜4桁高いイオン伝導度
を示した。このため、この発明の実施例1〜6のゲル状
膜を用いた電池(1)〜電池(6)は、表2に示すよう
に、0℃における放電容量維持率が40〜60%であっ
て、比較例の電池に比較して高く、低温放充電特性が著
しく向上している。さらに、この発明の電池(1)〜電
池(6)は、ゲル状膜と電極との密着性が良いため、図
1から明なように、比較例の電池に比較して、充放電サ
イクル寿命も向上している。また、本発明の電池は、2
液を混合する操作のみで作成したゲル状膜を用いている
ため、比較例の電池の固体電解質のような、溶媒の除去
などの操作が必要ないので、生産性が優れている。
【0091】なお、上記の実施例では、コイン形構造の
固体電解質二次電池に適用した例について説明したが、
これに限定されるものではない。たとえば、円筒型、シ
ート型、角型などの固体電解質二次電池についても、こ
の発明は同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例と比較例における電池の充放
電サイクル−放電容量維持率を示す図である。
【図2】コイン形固体電解質二次電池の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 正極缶 2 正極 3 固体電解質 4 負極 5 負極缶 6 絶縁パッキング 7 金属芯体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須賀 雅信 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 秋田 成一 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 黒田 信行 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムまたはリチウム合金かならる負
    極と、金属カルコゲン化合物またはリチウムと金属カル
    コゲン化合物との複合化合物からなる正極と、固体電解
    質とを備えた固体電解質二次電池において、前記固体電
    解質は、下記A液およびB液の少なくともいずれか一方
    がアルカリ金属塩を含み、A液とB液とを混合すること
    によって硬化させて得た生成物であることを特徴とする
    固体電解質二次電池。A液は、一般式(1)で示される
    置換または非置換アクリル酸のアルコキシポリエチレン
    グリコールエステルにラジカル重合開始加速剤が溶解し
    た溶液であり、 【化1】 (式中、R1 は水素または炭素数1〜5のアルキル基を
    表わし、R2 は炭素数1〜5のアルキル基を表わし、m
    は2≦m≦30の整数を表わす) B液は、一般式(2)で示されるポリアルキレングリコ
    ールジアルキルエーテル 【化2】 (式中、R3 およびR5 は、たがいに同一であっても異
    なっていてもよく、炭素数1〜5のアルキル基を表わ
    し、R4 は水素または炭素数1〜3のアルキル基を表わ
    し、nは2≦30≦の整数を表わす); および/または一般式(3)で示される有機非水溶媒 【化3】 (式中、Xは 【化4】 を表わし、R6 は炭素数1〜6の一価の炭化水素基を表
    わし、R7 およびR8 はたがいに同一であっても異なっ
    ていてもよく、一重結合または炭素数1〜6の二価の炭
    化水素基を表わし、R9は炭素数1〜6の一価の炭化水
    素基またはシアノ基を表わし、R6 およびR9 は相互に
    連結して環を形成していてもよく、p、qおよびrはそ
    れぞれ独立して0または1を表わし、R9 が一価の炭化
    水素基である場合はq+p+r>0である)中にラジカ
    ル重合開始剤が溶解した溶液である。
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