JP2934655B2 - 高分子固体電解質の製造方法 - Google Patents

高分子固体電解質の製造方法

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JP2934655B2
JP2934655B2 JP3016893A JP1689391A JP2934655B2 JP 2934655 B2 JP2934655 B2 JP 2934655B2 JP 3016893 A JP3016893 A JP 3016893A JP 1689391 A JP1689391 A JP 1689391A JP 2934655 B2 JP2934655 B2 JP 2934655B2
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拡 小林
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一雄 松浦
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、イオン伝導性ポリマ
ー、即ち、高分子固体電解質に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、無
機固体電解質と比較して、1)成形性があり、大面積薄
膜化が容易であり、2)フレキシビリティがあり、電極
との密着性が優れているなどの特長を有する有機高分子
固体電解質の開発が進展している。
【0003】高分子固体電解質としては、 M.B.Armand
らによってポリエチレンオキシドとアルカリ金属塩の混
合物が提案された。("Fast Ion Transport in Solids"
Page131、 1979 North Holland Publishing Co.刊行を参
照。)
【0004】しかし、その固体電解質の製造方法は、固
体電解質を溶媒中に溶解させた後に成形面の上に流延さ
せ、次いで溶媒が乾燥除去される、所謂、キャスト法に
より成膜化されるために、その加工操作は複雑であり、
得られる膜は、常温において導電率が 10-6 S/cm以下で
あり、電極との密着性も満足すべきものではなく改良が
望まれていた。
【0005】その他のものとして、特開昭 62 - 48716
の三官能性ポリエチレングリコールとジイソシアネート
誘導体との反応により架橋する方法、特開昭 62 -28595
4 のポリエチレングリコールジアクリレートの重合反応
によって架橋する方法などが提供されているが、いずれ
も溶媒が使用されているため、溶媒の乾燥除去の工程が
不可欠であり、また、イオン伝導度、電極との密着性そ
の他との均衡上一層の改良が必要とされていた。
【0006】他方、一般に高分子の固体電解質は常温以
下の低温領域において、そのイオン伝導度が顕著に低下
するのであり、この点にも強くその改善が要求されてい
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】これら障害を解消するた
めに、発明者らは研究と実験に注力した結果、溶媒を全
然利用することなく、高分子の固体電解質が製造され得
ることを見出し、これに加えて、得た高分子固体電解質
のイオン伝導度が 0℃において 10-6 S / cm を超え得
ること、更に、これらは電極との密着性が良好であり得
ることも見出し得て、幸いにも、この発明を完成するこ
とを得た。
【0008】この発明は少なくとも、いずれか一液が
アルカリ金属塩および/またはアンモニウム塩を含有し
ている下記のA液とB液を混合されたのち40℃以下で
硬化されることを包含する高分子固体電解質の製造方法
である。
【0009】A液:一般式(1)を以て表示される化合
物にラジカル重合開始加速剤が溶解させられた溶液
【化5】 (式中、R1は水素、または炭素数1〜5のアルキル
基、R2は炭素数1〜5のアルキル基であり、mは2≦
m≦30の整数を示す。)、B液:一般式(2)を以て
表示される化合物
【化6】 (式中、R3、R5は炭素数1〜5のアルキル基R4は水
素、または炭素数1〜3のアルキル基であり、nは2≦
n≦30の整数を示す)および/または一般式(3)を
以て示される化合物
【化7】
【0010】(式中、
【化8】 を示し、 R6 は炭素数 1〜6 の炭化水素基、 R7 および
R8 は単なる結合または単素数 1〜3 の二価炭化水素
基、 R9 は炭素数 1〜6 の炭化水素基またはシアノ基を
示し R6 および R9 は相互に連結して環を形成してもよ
く、p 、q および rは各々0か1であって R4 がシアノ
基の場合を除き、p + q +r >0である。)にラジカル
重合開始剤が溶解した溶液。
【0011】以下に、この発明について詳細に説明す
る。
【0012】この発明の製造方法は、アルカリ金属塩お
よびまたはアンモニウム塩を少なくともいずれかその一
液中に含有するAとBの両液、即ち、Aは一般式の
(1) により表示される化合物にラジカル重合開始加速
剤が溶解した溶液であって、Bは一般式の(2)により
表示される化合物および/または一般式(3)により表
示される化合物にラジカル重合開始剤が溶解した溶液で
あるが、この両液の混合によって高分子固体電解質が製
造される方法である。
【0013】まず、A液について説明する。
【0014】この発明において使用される一般式が
(1)によって示される化合物は、その構造式から明ら
かな通り側鎖にオキシエチレンユニットを有するポリエ
ーテル系マクロモノマーであり、常温にあって液相状態
を呈しているものである。
【0015】式中、 R1 は水素原子、または炭素数 1〜
5 、好ましくは 1〜3 のアルキル基であり、水素原子、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、ペンチル基などであって、好ましくは、水素原
子、メチル基、エチル基などである。
【0016】R2 は、炭素数 1〜5 、好ましくは、1〜3
のアルキル基であり、水素原子、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基な
どであり、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル
基などである。
【0017】また、一般式(1)により表示される化合
物中のオキシエチレンユニットの数即ち、m の値は 2≦
m≦ 30 、好ましくは、 2≦ m≦ 20 、更に好ましく
は、 3≦ m≦ 15 である。
【0018】一般式(1)により表示される化合物とし
ては、具体的に云えば、上記範囲内のオキシエチレンユ
ニット数を有するメトキシポリエチレングリコールメタ
クリレート、エトキシポリエチレングリコールメタクリ
レート、メトキシポリエチレングリコールアクリレー
ト、エトキシポリエチレングリコールアクリレートなど
が例示される。
【0019】この発明において使用されるラジカル重合
開始加速剤は一般式(1)の化合物に可溶性のものであ
り、後述のラジカル重合開始剤を還元する作用を有する
ものであれば、特に限定されることなく、各種のアニリ
ン類、アミン類、還元性遷移金属化合物、含イオウ化合
物などが例示される。具体的に云えば、例えば、アニリ
ン、 N,N−ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、
N,N-ジブチルアニリンなどのアニリン類、トリエチルア
ミン、ジエチルアミン、ピペリジン、1,2-ジアミノエタ
ンなどのアミン類、 FeCl2・nH2O、FeS 、FeSO4 などの
Fe(2)塩、CoCl2 、CoBr2 、CoSO4 、CoS など Co
(2)塩、MoCl5など Mo(5)塩、メタンチオール、
エタンチオール、ベンゼンチオール、フェニルメタンチ
オール、1,4-ブタンジチオール、p-メルカプト安息香酸
などチオール類、カリウムエタンチオラート、ナトリウ
ムエタンチオラートなどチオール塩類、ジエチルスルフ
ィド、エチルチオベンゼン、1,2-ビス(メチルチオ)エ
タン、4,4'- チオ二安息香酸、 3-(メチルチオ)プロパ
ノール、ビス[(エチルチオ) メチル] スルフィド、チア
シクロオクタン、1,2-ジチアン、2,3-ジヒドロ -1,4-ジ
チアフタレンなどのスルフィド類、または各種の亜硫酸
塩、スルフィン酸など例示され、好ましくはアニリン、
N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、トリエ
チルアミン、FeSO4 、 FeCl2・nH2O 、エタンチオール、
ベンゼンチオール、ナトリウムエタンチオラート、ジエ
チルスルフィドなどが例示される。
【0020】A液は、一般式(1)により表示される化
合物中に、これらラジカル重合開始加速剤が溶解してい
るものであって、A液中のラジカル重合開始加速剤の濃
度は0.01〜10 wt.%の範囲内であり0.05〜5 wt.%の範
囲内であることが好ましい。
【0021】なお、A液の中に更に両末端にアクリロイ
ル基を有するポリエーテル化合物の添加も好ましく実施
され、その添加量としては一般式(1)の化合物100 重
量部に対して、通常、 50 重量部以下であって、好まし
くは、 1〜 50 重量部、更に好ましくは、2 〜 30 重量
部の範囲内であることが望ましい。また、これらポリエ
ーテル化合物としては、例えば、一般式(4)の化合物
【化9】 (式中、 R1 、 R2 は炭素数 1〜5 、好ましくは、 1〜
3 のアルキル基、または水素原子であり、 R1 と R2
同一であっても異なっていてもよく、p は 4〜30好まし
くは 5〜 20 である。)などが好ましく、特に両末端に
アクリル基またはメタクリル基を有する化合物などが適
当物質として例示される。
【0022】次にB液について説明する。
【0023】この発明方法に使用される一般式(2)に
より表示される化合物は、その構造式からも明らかな通
りに、その両末端がアルキルエーテル化されたポリエー
テルオリゴマーであり、常温においては液相状態を呈し
ているものである。
【0024】式中の R4 は、水素原子または炭素数 1〜
3 のアルキル基であり、オキシアルキレンユニットとし
ては、例えば、オキシエチレンユニット、オキシプロピ
レンユニット、オキシブチレンユニットなどが例示さ
れ、また、二種類以上のオキシアルキレンユニットが共
存していてもよい。
【0025】これらのオキシアルキレンユニット数、即
ち、n は 2≦ n≦ 30 、好ましくは2≦ n≦ 20 、更に
好ましくは 3≦ n≦ 15 である。また、式中の R3 、R5
は炭素数 1〜5 、好ましくは、 1〜3 のアルキル基で
あって、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基などが例示される。これら化合物として具
体的には、ジメトキシポリエチレングリコール、ジエト
キシポリエチレングリコール、ジプロポキシポリエチレ
ングリコール、ジメトキシポリプロピレングリコール、
ジエトキシポリプロピレングリコール、ジメトキシポリ
エチレン−プロピレングリコール、ジメトキシポリエチ
レン−ブチレングリコールその他が例示される。
【0026】一般式(3)を以て表示される化合物
【化10】 は常温においては液相状態を呈している、所謂、有機非
水溶媒である。式中にてR6 は炭素数 1〜6 、好ましく
は 1〜4 の炭化水素基であって、メチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-
ブチル基、イソブチル基、ベンチル基などのアルキル
基、フェニル基などのアリール基などを挙げることがで
きる。 R7 と R8 は単なる結合、または炭素数 1〜3 の
二価炭化水素基であって、メチレン基、エチレン基、ト
リメチレン基、プロピレン基などのアルキレン基、フェ
ニレン基などのアリーレン基などを挙げることができ
る。 R9 はシアノ基、または炭素数 1〜6、好ましくは
1〜3 であって、この炭化水素基については R6 と同様
である。また、 R6 と R9 は相互に連結し環を形成して
いてもよく、このときの R6 と R9 は上記に例示の炭化
水素基に加え、それぞれ二価の炭化水素基の一部を構成
するものである。このような二価の炭化水素基として
は、炭素数 2〜6 のものであり、エチレン基、トリメチ
レン基、プロピレン基、テトラメチレン基などのアルキ
レン基を例示できる。 p 、 q およびr は各々0または
1であって R4 がシアノ基である場合を除き、p + q +
r >0である。また、
【化11】
【0027】を示すものである。一般式(3)により表
される化合物としては、具体的には、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、
ジメトキシエタン、アセトニトリル、ジメチルスルホキ
シド、ジオキソラン、スルホランなどが例示される。
【0028】この発明において使用される一般式(3)
により表される化合物は、その誘電率の値に関係なく使
用可能であるが、特に誘電率 30 以上のものが好まし
い。
【0029】この発明方法に使用されるラジカル重合開
始剤は一般式(2)により示される化合物および/また
は一般式(3)により示される化合物に可溶性のもので
あり容易にラジカルを発生するものであるならば、特に
限定されないが、有機過酸化物などが好適物質として例
示され、有機過酸化物としては、ジアルキルパーオキサ
イド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、
ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオキサイドなどで
あり、具体的に云えば、ベンゾイルパーオキシド、 2,4
−ジクロロベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオ
キシド、ジクミルパーオキシド、メチルエチルパーオキ
シド、シクロヘキサノンパーオキシド、クメンハイドロ
パーオキシド、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチ
ルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシピバ
レート、アセチルパーオキシド、ジイソプロピルパーオ
キシカーボネート、パラメタンハイドロパーオキシド、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、プロピ
オニルパーオキシドなどが例示されるのであって、好ま
しくは、ベンゾイルパーオキシド、t-ブチルパーオキシ
イソブチレート、アセチルパーオキシド、メチルエチル
パーオキシドなどが例示される。
【0030】B液は、一般式(2)の化合物および/ま
たは一般式(3)の化合物の中に、これらのラジカル重
合開始剤が溶解しているものであり、B液中のラジカル
重合開始剤の濃度は、0.01〜10wt. %の範囲内であっ
て、0.05〜 5 wt.%の範囲内がより好ましい。
【0031】また、一般式(2)の化合物と一般式
(3)の化合物を併用する場合の両者の使用比率は、特
に限定されないが、通常、一般式(2)の化合物対一般
式(3)の化合物の重量比が、 99 : 1 〜 1 : 99 の範
囲内の程度、好ましくは 90 : 10〜10 : 90 の範囲内で
あることが望ましい。
【0032】この発明においては、前記のA液中および
/またはB液中に、アルカリ金属塩および/またはアン
モニウム塩が更に含有させられているものである。アル
カリ金属塩およびアンモニウム塩としては一般式(1)
化合物、一般式(2)化合物または一般式(3)化合物
に可溶性のものであれば、特に限定されることはなく例
えば、アルカリ金属塩としては過塩素酸リチウム、過塩
素酸ナトリウム、過塩素酸カリウムなど過塩素酸アルカ
リ金属塩、テトラフロロ硼酸リチウム、テトラフロロ硼
酸ナトリウム、テトラフロロ硼酸カリウムなどテトラフ
ロロ硼酸のアルカリ金属塩、ヘキサフロロ燐酸リチウ
ム、ヘキサフロロ燐酸カリウムなどヘキサフロロ燐酸ア
ルカリ金属塩、トリフロロ酢酸リチウムなどトリフロロ
酢酸アルカリ金属塩、トリフロロメタンスルホン酸リチ
ウムなどトリフロロメタンスルホン酸アルカリ金属塩な
どが例示される。アンモニウム塩としては、過塩素酸テ
トライソプロピルアンモニウム、過塩素酸テトラ n- ブ
チルアンモニウムなど過塩素酸四級アンモニウム塩、テ
トラフロロ硼酸テトラ n- ブチルアンモニウム、ヘキサ
フロロ燐酸テトラ n- ブチルアンモニウムなどテトラフ
ロロ硼酸またはヘキサフロロ燐酸四級アンモニウム塩、
トリフロロメタンスルホン酸テトラ n- ブチルアンモニ
ウムなどのトリフロロメタンスルホン酸四級アンモニウ
ム塩などが例示される。
【0033】上記アルカリ金属塩かアンモニウム塩の含
有量はA液とB液の総量 100重量部に対して、 1〜 30
重量部の範囲内が好ましく、3 〜 20 重量部の範囲内が
更に好ましい。
【0034】この発明の高分子固体電解質の製造法にお
いては、A液とB液とを混合して、その後に硬化させる
ものであり、この際に、A液とB液の混合比率はこの発
明の目的が損なわれない限りは、特に限定されないが、
通常、A液対B液の重量比は1 : 10 〜 10 : 1 の範囲
内であり 1 : 5〜 5 : 1 の範囲内であることが更に好
ましい。A液が過多であれば、生成高分子固体電解質の
低温でのイオン伝導度が低下し易く、B液が過多であれ
ば、生成高分子固体電解質のフィルムの強度が劣弱化し
易い。A液とB液を混合するときの温度は、通常、0 〜
50 ℃の範囲内であり、5 〜 40 ℃の範囲内が好まし
い。勿論、これら両液の取扱い操作は、N2Ar などの不
活性ガス雰囲気下で行われることが必要である。この発
明の方法においては、A液とB液が単に混合させられる
と同時に硬化が開始するのであり、他に特別の処置を必
要としないが、硬化時温度は、通常、0 〜 50 ℃、好ま
しくは 5〜 40 ℃の範囲内とするのであり、また、硬化
時間も各成分の仕込量、温度などの諸条件によって適宜
に決定されるのであるが、生産性の観点から、通常、5
分間〜5 時間、好ましくは 10 分間〜3 時間の範囲内と
することが望ましい。なお、この発明においてはA液の
中にプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、
ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシドなどの有機非
水溶媒が、この発明の目的を損なわない限りにおいて共
存させられてもよく、この際の共存量は通常、全体の量
の 80 wt. %以下、好ましくは 1〜 80 wt. %、更に好
ましくは5 〜 60 wt. %の範囲内が好ましい。この発明
の方法によればA液とB液が単に混合されることのみに
よって低温において混合物は硬化させられ得るのであ
り、高分子固体電解質の製造の工程として極めて有利で
ある。即ち、従来の溶媒使用のキャスト法においては溶
媒の乾燥除去の工程が不可欠であったが、この発明の方
法においては除去すべき溶媒が実質的にないのであっ
て、溶媒駆出工程は当然不要であり更に所望に応じて、
電極上に直接に成膜させられ得るのであり、電極との密
着性も良好となる。この発明の高分子固体電解質を製造
するに当っては、電池用セパレーターに汎用されている
多孔性ポリプロピレン、ポリプロピレン製不織布など多
孔性合成樹脂フィルムの共存下にA液およびB液を混合
することも好適に実施される。
【0035】
【実施例】以下に、この発明を実施例によって具体的に
説明するが、この発明はこれらの実施例により何ら限定
されるものではない。
【0036】実施例1
【0037】メトキシポリエチレングリコールモノメタ
クリレート(新中村化学工業製 M90G )[オキシエチレン
ユニット数 9]10.0gに、 N,N- ジメチルアニリン 0.1g
を加え、これをA液とした。ポリエチレングリコール
ジメチルエーテル(ライオン製ユーノックス DM 200 )
[オキシエチレンユニット数約 4 ] 10.0gに、過塩素酸
リチウム 0.83gを加えて、更にベンゾイルパーオキシド
0.06gを加えて、これをB液とした。これらAB二液を
25 ℃の室温下に1:1の重量比を以て混合して直ち
に、室温下に、ポリプロピレン板面上にキャストした。
15 分間後にブリードがないゲル状の膜が得られた。交
流インピーダンス法により、この膜のイオン伝導度を測
定した。3.0 ℃において、測定値は 2.3× 10-5S/cm で
あった。
【0038】実施例2
【0039】実施例1同様のメトキシポリエチレングリ
コールモノメタクリレート 10.0gにトリエチルアミン
0.1g を加えて、これをA液とした。実施例1同様のポ
リエチレングリコールジメチルエーテル 5.0gとプロピ
レンカーボネート 5.0g を混合したものに過塩素酸リチ
ウム 0.83gを加え、更にクメンハイドロパーオキサイド
0.06g を加えて、これをB液とした。これらの二液を室
温下に1:1の重量比を以て混合して直ちに、室温下に
ポリプロピレン板面上にキャストし、60分間後にゲル状
の膜が得られた。そのイオン伝導度を実施例1と同様方
法により測定したところ、0℃において 5.1×10-5S/cm
であった。
【0040】実施例3
【0041】実施例1同様のメトキシポリエチレングリ
コールモノメタクリレート 5.0g とメトキシポリエチレ
ングリコールジメタクリレート (新中村化学工業製 9G
)[オキシエチレンユニット数 9]を混合したものに、
エタンチオール 0.1g を加え、これをA液とした。実施
例1と同様のポリエチレングリコールジメチルエーテル
10.0g に、過塩素酸リチウム 0.83gを加え、更にベンゾ
イルパーオキシド 0.06gを加えて、これをB液とした。
これらの二液を1:1の重量比を以て混合して直ちにポ
リプロピレン板面上にキャストした。 30 分間後に、実
施例1のものよりも更に強靱な膜が得られた。この膜の
イオン伝導度を実施例1と同様方法により測定したとこ
ろ、0℃において1.0 × 10-5 S/cmであった。
【0042】比較例
【0043】実施例1同様のメトキシポリエチレングリ
コールモノメタクレレート 10.0gと実施例1同様のポリ
エチレングリコールジメチルエーテル 10gを混合したも
のに過塩素酸リチウム 0.83gを溶解させて、更に過酸化
ベンゾイル 0.06gを加えた。この液をポリプロピレン板
の面上にキャストしたが、常温においては成膜不能であ
った。
【0044】実施例4
【0045】実施例2において得られたA液とB液を重
量比1:1を以て混合した後、室温下に厚さ 50ミクロン の
ポリプロピレン製不織布中へ含浸させた。充分に含浸さ
せた後、不織布の表面上の残留液を拭き取った後、 45
分間、放置した。その後に、得られた膜状物のイオン伝
導度を実施例1に同様の方法により測定したところ、0
℃において 3.2 X 10-5 S / cm であった。
【0046】実施例5
【0047】メトキシポリエチレングリコールモノメタ
クリレート(新中村化学工業製 M90G )[オキシエチレン
ユニット数 9] 10g に N,N- ジメチルアニリン 0.1g を
加えこれをA液とした。プロピレンカーボネート10.0g
に、過塩素酸リチウム 0.85gを加え、更にベンゾイルパ
ーオキシド0.07g を加えて、これをB液とした。この
A、B両液を 25 ℃の室温下に1:1の重量比を以て混
合して、直ちに室温下にポリプロピレン板の面上にキャ
ストした。 15 分間後、ブリードがないゲル状の膜が得
られた。交流インピーダンス法によってイオン伝導度を
測定したところ、0℃において 4 X 10-4 S/cm であっ
た。
【0048】実施例6
【0049】メトキシポリエチレングリコールモノメタ
クリレート(新中村化学工業製 M90G )[オキシエチレン
ユニット数 9] 10.0g に、 N,N- ジメチルアニリン 0.1
g を加えて、これをA液とした。スルホラン10.0g に過
塩素酸リチウム0.75g を加え更にベンゾイルパーオキシ
ド0.06g を加え、これをB液とした。このA、B両液を
25 ℃の室温下に1:1の重量比を以て混合して、直ち
に室温下にポリプロピレン板面上にキャストした。 15
分間後、ブリードがないゲル状膜が得られた。交流イン
ピーダンス法によって、そのイオン伝導度を測定したと
ころ、0℃にて7.8 X 10-5 S/cm であった。
【0050】実施例7
【0051】メトキシポリエチレングリコールモノメタ
クリレート(新中村化学工業製 M90G )[オキシエチレン
ユニット数 9] 10.0g に、 N,N- ジメチルアニリン 0.1
g を加えて、これをA液とした。プロピレンカーボネー
トとエチレンカーボネートの重量比4:1の混合物10.0
g に過塩素酸リチウム0.77g を加え、更にベンゾイルパ
ーオキシド0.05g を加え、これをB液とした。このA、
B両液を 25 ℃の室温下に1:1の重量比を以て混合し
て、直ちに室温下にポリプロピレン板の面上にキャスト
した。 15 分間後、ブリードがないゲル状膜が得られ
た。交流インピーダンス法により、イオン伝導度を測定
したところ、0℃にて7 X 10-4 S/cm であった。
【0052】
【発明の効果】この発明による高分子固体電解質の製造
方法は、常温において二液を混合するのみでよいのであ
って製造工程として極めて有利であり、また、得られる
高分子固体電解質は、そのイオン伝導度が 0℃において
10-6S/cm 以上と高く、電極との密着性が良好であるこ
とにより、リチウム電池、プラスチック電池、大容量の
コンデンサー、エレクトロクロミックディスプレーなど
の全固体化用などの目的の固体イオニクス素子として広
範な用途への応用が可能な製品である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 299/02 C08F 299/02 C08L 33/14 C08L 33/14 55/00 55/00 H01B 1/06 H01B 1/06 A H01M 6/18 H01M 6/18 E 10/40 10/40 B (72)発明者 松浦 一雄 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本 石油株式会社中央技術研究所内 (56)参考文献 特開 平1−307103(JP,A) 特開 平1−169807(JP,A) 特開 昭62−285954(JP,A) 特開 平2−298504(JP,A) 特開 平2−298505(JP,A) 特開 平2−267809(JP,A) 特開 平3−24162(JP,A) 特開 平4−184811(JP,A) 特開 平3−156803(JP,A) 特開 平3−84806(JP,A) 特開 平3−88209(JP,A) 特開 平2−163110(JP,A) 特開 平2−300211(JP,A) 特開 昭63−117055(JP,A) 特開 昭61−47713(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 20/00 - 20/70 C08F 120/00 - 120/70 C08F 220/00 - 220/70 C08F 2/00 - 2/60 C08F 4/00 - 4/82 C08F 299/00 - 299/08 C08F 290/00 - 290/14 C08L 1/00 - 101/14 H01B 1/00 - 1/24 H01M 6/00 - 6/52 H01M 10/00 - 10/54

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、いずれか一液が、アルカリ
    金属塩および/またはアンモニウム塩を含有している下
    記のAとBの両液が混合されたのち40℃以下で硬化さ
    ることを包含することを特徴とする高分子固体電解質
    の製造方法。A液:(1)を以て表示される化合物にラ
    ジカル重合開始加速剤が溶解した溶液 【化1】 (式中、R1は水素、または炭素数1〜5のアルキル
    基、R2は炭素数1〜5のアルキル基であり、mは2≦
    m≦30の整数を示す。)、B液:一般式(2)を以て
    示される化合物 【化2】 (式中、R3、R5は炭素数1〜5のアルキル基、R4
    水素、または炭素数1〜3のアルキル基であり、nは2
    ≦n≦30の整数を示す。)、および/または一般式
    (3)を以て示される化合物 【化3】 (式中、 【化4】 を示しR6は炭素数1〜6の炭化水素基、R7およびR8
    は単なる結合または炭素数1〜3の二価炭化水素基、R
    9は炭素数1〜6の炭化水素基またはシアノ基を示し、
    6およびR9は壮語に連結して環を形成してもよく、
    p、qおよびrは各々0または1であってR4がシアノ
    基である場合を除き、p+q+r>0である。)にラジ
    カル重合開始剤が溶解した溶液。
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