JP2006344504A - 末端高分岐型高分子固体電解質 - Google Patents

末端高分岐型高分子固体電解質 Download PDF

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Abstract

【課題】PEO系高分子固体電解質のイオン導電率は、50℃以下の低温で低下するという問題点があり、本発明の課題はこの問題点を解決する手段を提供することにある。
【解決手段】PEOMAを添加することにより、架橋型高分子固体電解質の高い機械的強度を保持したままイオン導電率を向上させることができる。重合性基とエチレンオキシド鎖の両方を有するPEOMAはアクリル化HBPの架橋制御剤として働くことにより、架橋によるイオン導電率の低下を抑制する。
【選択図】なし

Description

本発明は、高分岐ポリマー型高分子固体電解質に関し、さらに詳しくは高分岐ポリマー、オリゴエチレンオキシド鎖含有メタクリル酸エステル、ポリエチレンオキシド及びリチウム塩をからなる末端高分岐型高分子固体電解質に関わる。
現在、小型電子・電気機器用に市販されているリチウム二次電池の多くは、可燃性の有機溶媒を電解液として使用しており、この有機溶媒電解液の液漏れおよびそれに伴う発火などの危険性を有している。従って、このようなリチウム二次電池を電気自動車のような大型用途に用いることは、安全性の観点から好ましくない。よって、より安全な電解質材料が求められ、その解決策のひとつとして電解質に固体ポリマーを用いる高分子固体電解質電池が注目されている。
固体状態でイオンを高速かつ選択的に伝導できる高分子固体電解質の研究は、1973年のWrightらの報告に端を発している。すなわちポリエチレンオキシドが固体状態でアルカリ金属塩と錯体を形成し、室温でイオン導電性を示すことが見出された。1979年にはArmandらによって、高分子固体電解質を用いた全固体ポリマー電池の可能性がはじめて示唆され、それ以来、今日に至るまで多岐にわたるポリマー電解質の研究が進められてきた。
ところで、高分子固体電解質に要求される性質として次のようなものが上げられる。
第1に、溶液型電解質に匹敵する高いイオン伝導度と小さな温度依存性を有することである。ここで、 高いイオン伝導度を得るには電荷キャリア濃度が高く、固体中のキャリアの移動速度が大きいことが必要である。キャリア濃度はポリマー中への塩の溶解度とイオン解離のしやすさで決まる。一方、イオンの移動はポリマー複合体の非晶質部分の熱運動と連動して起こるので、高いイオン移動度を得るには、セグメント運動しやすいポリマーの構造を持っていることが望ましい。又、 熱的および化学的安定性に優れることが必要である。電解質として、広い安定電位窓を有していて長期間物理的に安定であることや、耐熱性、機械的強度に優れていることも電池としての実用性上、重要な要素である。
これまで研究されてきた高分子固体電解質のマトリックスポリマー骨格としては、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアミン系及びポリスルフィド系がある。これらの中でも比較的高いイオン導電性を示すことが知られているポリエーテル系のポリマーが注目を集め、直鎖状のポリエチレンオキシド(以下、PEOと略称する)あるいはその構造中にPEO構造を含むものについて数多くの報告がなされている。
しかし、PEOは結晶性が高いため、イオン導電率は温度によって大きく変化し、融点以上では
10−3S/cmという高いイオン導電率を示すが、融点以下では結晶化に伴う鎖の運動性の低下により導電率が急激に低下してしまうという問題点がある。さらにPEOをベースにした錯体は、酸素-リチウム間の相互作用が強いためにリチウムイオンのみならずアニオンの移動もおきる両イオン導電体であるという欠点も持っている。
リチウムイオンのみならずアニオンの移動も起こる両イオン伝導体の場合、リチウム電極はアニオンに対してブロッキング電極であるため、直流電場ではアニオンの電極上への移動と堆積に伴って、膜の伝導度が時間と共に減少する。この現象は電池に用いた場合、放電直後に急速に電流が低下するという問題点が生ずる。 よって、全イオン輸送に対するリチウムイオン輸送の割合 (リチウムイオン輸率) ができるだけ1に近いシングルイオン伝導体が望ましい。
上述の課題を達成するため、これまでに幾つかの検討がなされてきた。先ず第1は、PEOの結晶性を低下させることを目的としたベースポリマーの改質であり、ベースポリマーに側鎖を導入したり、ポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと略称する)など結晶性の異なる他のポリマーと共重合させたり、主鎖間に架橋構造を導入することなどによってPEOの結晶性を低下させる検討である。又、側鎖にもPEO鎖を持つコポリマーは、室温で10−4S/cmという高いイオン導電率を示すことが報告されている(非特許文献1)。
次に、側鎖にPEO鎖を有するホスファゼン環を組み込んだポリマーは、10−5S/cmという導電率を示したと報告されている(非特許文献2)。
エーテル系高分子のPEOとリチウム塩との錯体は、一般にリチウムイオン輸率が0.5以下である。そこで、本発明者の一人は、リチウムイオン輸率の向上を目的としたアニオンのポリマー鎖への固定化や、アニオン捕捉剤の添加を検討し、アニオン捕捉効果を有するボロキシンポリマーを用いることで10−5S/cmという導電率と、0.8という高いリチウムイオン輸率を見出した(特許文献1)。
A.Nishimoto,et al, Electrochimica Act, 43, 1177(1998) Harry R.Allcock, et al,Macromolecules, 36, 3563(2003) 特開2004−6237号公報
PEO系高分子固体電解質のイオン導電率は、50℃以下の低温で低下するという問題点があり、本発明の課題はこの問題点を解決する手段を提供することにある。
以上の課題を解決するため、本発明者等は高分岐ポリマー(HBP)を用いた高分子固体電解質について検討を行ってきた。HBPは完全に非晶質であり、セグメント運動性に優れた多くの自由な鎖を持つことより、イオン導電性を改善することが期待される。実際にベースポリマーをPEOとし、アセチル化HBPを可塑剤として用い、リチウム塩、及び、無機フィラーであるチタン酸バリウムからなる電解質のイオン導電率は、高温領域で非常に高い導電率を示した。
さらに、アセチル化HBPがPEOの結晶化を完全に抑制するため、低温領域における導電率の低下が小さいことを見出した。また、HBPの末端に重合性基を導入した化2に示す Acrylated Poly[bis(ethylene glycol)benzonate](以下、アクリル化HBPと略称する)を用いることにより、高い機械的強度を有する非晶質な架橋型高分子固体電解質も開発した。しかし、アクリル化HBPを用いた架橋型電解質は、架橋に伴う鎖末端の運動性の低下により、アセチル化HBPと比較するとイオン導電率が低下するという問題点が生じてきた。
そこで本発明等は、架橋型高分子固体電解質の高い機械的強度を保持したままイオン導電率を向上させることを目的に、Poly(ethylene glycol) methyl ether methacrylate(以下、PEOMAと略称する)(化1)を添加することに思い至った。重合性基とエチレンオキシド鎖の両方を有するPEOMAはアクリル化HBPの架橋間のスペーサーとして働くことにより、架橋によるイオン導電率の低下を抑制することが期待できるためである。
本発明は、より詳しくは、ポリエチレンオキシドを主鎖として側鎖の末端に重合性基を導入した高分岐ポリマー及びリチウム塩とで構成される高分子固体電解質において、架橋制御剤として(化1)で示されるオリゴエチレンオキシド鎖含有メタクリル酸エステルを添加してなる末端高分岐型高分子固体電解質に関わる。そして、前記のリチウム塩がLiN(SOCF、LiBF、LiClO、又はLiN(SOCFの何れか1種から選択され、又、末端に重合性基を導入した高分岐ポリマーが化2で示されるアクリル化HBPであることを特徴とする。
更には、アクリル化HBPが化2のx=3とする Acrylated Poly[bis(triethylene glycol)benzonate](以下、ATEBと略称する)であり、リチウムと酸素のモル比がリチウム1に対して酸素が5−20であり、又、ATEBとPEOMAとのモル比が、AREB1に対しPEOMAが1−10であり、更には、ATEBとPEOMAの合計量に対するPEOの重量比が、2−9であることを特徴とする。
本発明の架橋制御型高分子固体電解質は、高いイオン導電率(1×10−4S/cm 以上 at 60℃)と良好な機械的強度を有し、リチウム二次電池用全固体電解質に好適に用いられる。
以下に本発明の好適な一実施の形態を実施例によって説明するが、本発明の技術的範囲は下記の実施形態によって限定されるものでなく、その要旨を変更することなく様々に改変して実施することができる。
<アクリル化HBPの合成>
マグネティックスターラー、ジムロートを装備した300 ml ナスフラスコにMethyl 3,5-Dihydroxybenzoate (5.3 g, 30 mmol), Triethylene glycol
monochlorohydrin (12.0 g, 70 mmol), Potassium carbonate (48.0 g, 350
mmol), 18-Crown-6 (0.18 g, 0.70 mmol), CH3CN 130 mlを測り取り、フラスコ内を窒素置換し48時間還流した。白色固体を吸引濾過により取り除き、濾液から溶媒を減圧留去して淡黄色オイルを得た。得られたオイルを、CH2Cl2を用いて充填したシリカゲルカラムに通し、未反応物を含む第1, 2バンドをAcOEtにより取り除き、CH3OHにより第3バンドを集め、溶媒を減圧留去することにより、Methyl 3,5-Bis[(8’-hydroxy-3’,6’-dioxaoctyl)oxy]benzoate を淡黄色透明オイルとして得た。
次に、マグネティックスターラーを装備した30 ml ナスフラスコにMethyl 3,5-Bis[(8’-hydroxy-3’,6’-dioxaoctyl)oxy]benzoate
(5.00 g, 11.5 mmol) を測り取り、フラスコ内を窒素気流下にし、200℃に加熱して120分間重合した。得られた粘性液体を少量のTHFに溶解し、CH3OHに再沈殿させた。上澄み液から溶媒を減圧留去し得られたオイルを少量のTHFに溶解しIPEに沈殿させ、低分子量オリゴマーを上澄み液として除いた。沈殿を減圧下で乾燥させることにより、ATEBすなわちPoly[bis(triethylene glycol)benzoate] (分子量3,000)
を黄色粘性液体として得た。
次に、マグネティックスターラーを装備した100 ml 二口ナスフラスコにPoly[bis(triethylene
glycol)benzoate] (4.05 g, 9.35 mmol), Acryloyl Chloride (4.00 ml, 28.1 mmol),
CH2Cl2 10 mlを測り取り、攪拌しながら, CH2Cl2
15 mlに溶解したTriethylamine (2.30 ml, 28.1 mmol) を滴下し、室温で24時間攪拌した。溶液を分液漏斗に入れ、 CH2Cl2 と飽和食塩水を加えて分液し、抽出したCH2Cl2 層を硫酸マグネシウム乾燥した後、濾過により硫酸マグネシウムを除去した。溶媒を減圧留去し得られたオイルを少量のCH2Cl2 に溶解し、IPEに沈殿させ精製した後、減圧下で乾燥させることによりATEB (分子量3,200) を黄色粘性液体として得た。
<Poly[poly(ethylene
glycol) methyl ether methacrylate]の合成 >
アンプル管にpoly(ethylene glycol)methyl ether
methacrylate](PEOMA) (1.198 g, 4.0 mmol), α,α’-azobisisobutyronitrile
(AIBN) (0.033 g, 0.2 mmol), トルエン 4 ml を量り取り、Freeze-thaw法を数回行い脱気した後、60 ℃で24時間反応させた。反応終了後、CHCl3 / Hex で再沈殿を行い、無色透明粘性液体としてMn = 6400の Poly[poly(ethylene glycol)methyl
ether methacrylate] (Poly(PEOMA)) (Mn = 6400, Mn/Mw = 3.72) を得た。
<高分子固体電解質フィルムの作成>
PEO /ATEB /PEOMA/ LiN(SO2CF3)2 系電解質フィルムを以下の作成手順で実施した。
1. 真空ポンプで残留溶媒を留去したATEB、PEOMA,精製過酸化ベンゾイル (ATEB
+ PEOMA の10 wt%) をサンプル瓶へ測り入れた後、Dry
Boxへサンプル瓶を入れた。
2. CH3CNを適量加えてATEB、PEOMAを溶かし、サンプル瓶にチップを入れて攪拌し、そこにPEOを加えて約6時間攪拌した。
3. 十分混ざっているのを確認した後、LiN(SO2CF3)2を加え更に6時間攪拌した。
4.混合物をテフロンシャーレ (直径:3.3
cm、深さ:1.0 cm) に注ぎ、乾燥炉に入れゆっくり減圧し、最大減圧まで達した後、この状態を一晩続けた。
5. 乾燥炉を90 ℃まで徐々に加熱し24時間乾燥及び加熱架橋を行った。
6. 乾燥炉が室温になるまで放冷し、ピンセットでテフロンシャーレよりフィルムをはがし、高分子固体電解質フィルムを完成した。
<イオン導電率の測定法>
イオン導電率の測定用サンプルは、前記の方法により調製した高分子固体電解質フィルムをドライボックス中で直径5mmのポンチでくり抜き、UFOセルに組み込んだ。作成したセルを複素交流インピーダンス測定装置に銅線を用いて接続し、その抵抗を測定した。測定はセルを80℃に設定した恒温槽に12時間放置し、電解質とステンレス電極を十分になじませた後、80℃から10℃ずつ温度を下げ、各温度で1時間放置した後に行った。イオン導電率σ
(S/cm) は次のように定義される。
σ = C/R
(C = l/s)
ここでlは試料の厚さ、sはその面積、Rは抵抗を示す。
架橋型高分子固体電解質のイオン導電率に対するPEOMA添加効果を調査するため、様々な量のPEOMAを添加した電解質を調製した。
各電解質のイオン導電率の温度依存性の結果を、図1に示す。
PEOMA添加量の増加と共に導電率は増加する傾向を示し、ATEB / PEOMA = 1 / 3 (ATEBの割合は電解質の総重量の5 wt%) の時に最大値を示した。後に示す機械的強度の測定において、PEOMAの割合の増加と共に電解質の強度は低下する傾向を示したことから、PEOMAの添加により、ATEBの架橋密度が低下していると考えられる。また図1に示すように、アクリル化HBP / PEOMA = 1 / 3の電解質の導電率は、Acetylated
Poly[bis(triethylene glycol) benzoate]を用いた非架橋型電解質より高いことが確認された。
ATEB / PEOMA = 1
/ 3 とし、リチウム塩濃度を変化させた電解質を調製した。
各電解質のイオン導電率の温度依存性を図2に示す。図に示すように、リチウム塩濃度Li/O = 1/12の時が全温度範囲に於いて高い導電率を示した。リチウム塩濃度は高すぎる場合 (Li/O = 1/8)、エチレンオキシド鎖とのイオン架橋が生じ、鎖のセグメント運動性が低下するため、イオン導電率が低下したと考えられる。
PEOMA添加量と、リチウム塩濃度を固定し、PEO/(ATEB + PEOMA) 比について検討した。その結果を図3に示す。
ATEB + PEOMAの割合はPEO/(ATEB + PEOMA) = 80/20から多くした時、少なくした時、どちらも導電率は若干低下する傾向を示した。ATEB + PEOMA比の増加はHBP添加量の増加でもあり、架橋密度の増加がイオン導電率の低下を引き起こしていると考えられる。
一方PEO/(ATEB + PEOMA) = 90/10とした場合もイオン導電率は低下したが、これは電解質に対するATEBの添加量が少なく、可塑化効果が少ないためであると考えられる。
PEOMAを予め単独ラジカル重合させておき、スペーサーとして機能しないPoly(PEOMA) ブレンド型電解質を調製し、PEOMAをスペーサーとして用いた場合とイオン導電率の比較を行った。各電解質のイオン導電率の温度依存性を、図4に示す。
全温度範囲に於いてPEOMAをスペーサーとして用いた電解質の方が高い導電率を示した。ATEBとPEOMAを架橋、共重合させた場合、ATEBの架橋密度が低下し、イオン導電が促進されるのに対し、Poly(PEOMA) をブレンドしただけでは
ATEBの架橋密度を低下させる効果はないためであると考えられる。
スペーサーとしての機能を有するが、側鎖がメチレン鎖であるDodecyl Acrylateをスペーサーとして用いた電解質を調製し、側鎖がエチレンオキシド鎖のPEOMAの場合と比較した。その結果を図5に示す。
全温度範囲に於いてPEOMAをスペーサーとして用いた電解質の方が高い導電率を示した。Dodecyl Acrylate 側鎖のメチレン鎖はLiイオンと相互作用する極性基が無いため、イオン伝導を促す効果が少ないと考えられる。また、Dodecyl Acrylateをスペーサーとして用いた電解質の方が、スペーサーを添加しない電解質より導電率が若干高いのは、Dodecyl Acrylate の架橋密度低下効果が働いているためだと考えられる。実際 Dodecyl Acrylate を添加した電解質の強度は無添加の電解質よりも低いことが確認されている。
以上からLiイオンと相互作用するエチレンオキシド鎖を有するPEOMAを架橋制御剤として用いることがイオン導電率の向上に極めて有用であることを確認した。
<機械的強度の測定>
ポリマー電解質の性質として問題になるものの一つに、寸法安定性がある。電池を作製した時にポリマー電解質は負極と正極の間に圧着されており、セパレーターとしての役割もあるといえる。その時、負極と正極が接触してショートしない為にはポリマー電解質はある程度の強度を持つことが望まれる。本研究では、引っ張り試験によりポリマー電解質の引張り強度を調査し、その寸法安定性を評価した。
Dry Box中電解質フィルムを適当な大きさ (約1 cm × 1 cm) にカットし、試料の幅、厚さから電解質フィルムの断面積 を計算した。
機械的強度に対するPEOMAの添加効果を調査するため、PEO/(ATEB + PEOMA) = 80/20, リチウム塩濃度Li/O =
1/12系電解質に様々な量のPEOMAを添加した電解質及び、ATEB
/Additive = 1/3 でAdditiveを変えた電解質の引っ張り試験を30 ℃、2.5 mm / secにて行った。
図6からもわかるように、PEOMA添加量の増加に伴い、機械的強度が低下していく傾向が見られ、PEOMAが架橋制御剤として有効に働き架橋密度を低下させていると考えられる。
イオン導電率が最も高いATEB
/PEOMA = 1/3 電解質の機械的強度は1.391 MPaであり、PEOMA無添加の電解質の6割程度であるが、非架橋型電解質の値 (0.3 MPa) の4倍以上高い値であり、充分な強度を保っていると考えられる。
PEO/ATEB/PEOMA/LiN(SO2CF3)2 架橋型高分子固体電解質のイオン導電率に対する温度依存性を示す図である。 PEO/ATEB/PEOMA/LiN(SO2CF3)2 架橋型高分子固体電解質において、ATEB/PEOMA 比を1/3とし、Li/O比率を変えた場合の、イオン導電率に対する温度依存性を示す図である。 PEO/ATEB/PEOMA/LiN(SO2CF3)2 架橋型高分子固体電解質において、PEO/(ATEB+PEOMA)比を変えた場合の、イオン導電率に対する温度依存性を示す図である。 PEO/ATEB/LiN(SO2CF3)2 架橋型高分子固体電解質において、PEOMA又はPoly(PEOMA)の添加有無による、イオン導電率に対する温度依存性を示す図である。 PEO/ATEB/LiN(SO2CF3)2 架橋型高分子固体電解質において、PEOMA又はDodecyl Acrylateの添加有無による、イオン導電率に対する温度依存性を示す図である。

Claims (6)

  1. ポリエチレンオキシドを主鎖として側鎖の末端に重合性基を導入した高分岐ポリマーとリチウム塩とで構成される高分子固体電解質において、架橋制御剤として下記の化学式1で示されるオリゴエチレンオキシド鎖含有メタクリル酸エステルを添加してなる末端高分岐型高分子固体電解質。
    Figure 2006344504
  2. 前記のリチウム塩がLiN(SOCF、LiBF、LiClO、又はLiN(SOCFの何れか1種から選ばれ、又、末端に重合性基を導入した高分岐ポリマーが下記の化学式2で示されるアクリル化高分岐ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の末端高分岐型高分子固体電解質。
    Figure 2006344504
  3. 前記のアクリル化高分岐ポリマーが、Acrylated
    Poly[bis(triethylene glycol)benzonate]であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の末端高分岐型高分子固体電解質。
  4. 前記において、リチウムと酸素のモル比がリチウム1に対して酸素が5−20であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の末端高分岐型高分子固体電解質。
  5. 前記において、Acrylated
    Poly[bis(triethylene glycol)benzonate]とオリゴエチレンオキシド鎖含有メタクリル酸エステルとのモル比が、Acrylated Poly[bis(triethylene glycol)benzonate]1に対しオリゴエチレンオキシド鎖含有メタクリル酸エステルが1−10であることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の末端高分岐型高分子固体電解質。
  6. 前記において、Acrylated Poly[bis(triethylene glycol)benzonate]とオリゴエチレンオキシド鎖含有メタクリル酸エステルの合計量に対するポリエチレンオキシドの重量比が、2−9であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の末端高分岐型高分子固体電解質。











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