JP2002352808A - 固体電解質型燃料電池用空気極への電極活性酸化物の導入方法 - Google Patents
固体電解質型燃料電池用空気極への電極活性酸化物の導入方法Info
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Abstract
体を電解質との界面付近に導入し且つ劣化物を生じない
作製方法を提供する。 【解決手段】空気極及び固体電解質を焼結形成した後、
多孔質の空気極内部に電子伝導と酸素イオン伝導を共に
有する電極活性酸化物を有機金属溶液、または無機金属
塩溶液の形で含浸させたのち熱分解酸化反応により、所
望の組成の電極活性酸化物を固体電解質との界面付近へ
導入する。 【効果】焼成過程にあまり制約を受けずに高性能な固体
電解質型燃料電池用空気極を得ることに成功した。
Description
用空気極への電極活性酸化物の導入方法に関するもので
ある。
用いた固体電解質型燃料電池に関心が高まりつつある。
特にエネルギーの有効利用という観点から、固体燃料電
池はカルノー効率の制約を受けないため本質的に高いエ
ネルギー変換効率を有し、さらに良好な環境保全が期待
されるなどの優れた特長を持っている。
主要部分がセラミックで構成されているため、製造コス
トが高い。これが固体電解質型燃料電池の普及を妨げて
いる。ここで、この電池の動作温度を現在の1000℃
から800℃またはそれ以下にすることで、金属の使用
が可能となる。これにより、主要な体積を占めるインタ
ーコネクタ部分を安価な金属に替えることができ、大幅
なコスト低減につながる。
上、電解質の薄膜化などが検討されている。固体電解質
としては、希土類添加ジルコニア((1−x)ZrO2
−xA2O3,AはLa,Pr,Ce,Nd,Sm,E
u,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Yb,Lu,Y,
Sc,Al,Gaの中から選ばれる少なくとも1種類の
元素で、0.025≦x≦0.15)及び、ランタンガ
レート系電解質Ln1-xAxB1-yMgyO3(LnはL
a,Pr,Nd,Smの中の一種類以上の元素でその総
量が1−x,AはSrまたはCaまたは両方の元素でそ
の総量xが0.1≦x≦0.4、BはGaまたはAlま
たはその両方で、Mgの総量yは0.1≦y≦0.3)
が主に検討されている。これらの他に、空気極などの電
極の性能の大幅な向上が必要である。これは、低温化に
より電気化学反応速度が急激に低下するためである。
燃料極が設けられているが、これらの電極は、ガスと電
子を電解質まで供給し、電解質との界面において電気化
学反応を起こす場を提供している。この反応場は、ガス
と電子そしてイオンが接するため三相界面と呼ばれてい
る。電子と酸素イオンに対して共に伝導体である電極活
性酸化物がこの電解質に接している場合、反応場、すな
わち三相界面が著しく拡大し、電極特性が改善されると
されている。
a(Sr)CoO3,La(Sr)Fe(Co)O3,C
e0.8Sm0.2O2などが知られている。これらを従来材
料であるLa(Sr)MnO3などに混合した原料粉末
を用いて、空気極を焼結形成することもできる。
程度の高温に曝され、これらの材料と電解質とが反応し
界面に劣化物を生成する。たとえばジルコニア系電解質
とランタン系ペロブスカイト酸化物では絶縁体のLa2
Zr2O7、またはSrZrO3、セリアとジルコニアと
は酸素イオン電導度が非常に低いCe0.5Zr0.5O2が
生じる。
ブスカイト酸化物は固溶体を生じやすく、これは特にイ
オン電導度の低下をもたらすためセル特性を損なう。ジ
ルコニアとの界面が1300℃まで安定なのはLa
1-d-xSrxMnO3、La1-d-xCaxMnO3(0.05
≦x≦0.25、d〜0.02)が知られているのみで
ある。この様に、セルの電極と電解質は、動作温度の7
00℃から1000℃に比べ、かなり高い温度域につい
ても劣化反応を抑制することが求められ、この結果、使
用できる材料が限定されてしまっている。
求められている、空気極の電極特性を改善するために、
混合導電体を電解質との界面付近に導入し且つ劣化物を
生じない作製方法を提供することを目的とする。
ため、本発明による固体電解質型燃料電池用空気極への
電極活性酸化物の導入方法は、緻密な固体電解質とその
両面に設けられた多孔質の燃料極と空気極で構成された
燃料電池セルを備えた燃料電池の前記空気極への電極活
性酸化物の導入方法において、前記空気極及び固体電解
質を焼結形成した後、多孔質の空気極内部に電子伝導と
酸素イオン伝導を共に有する電極活性酸化物を有機金属
溶液、または無機金属塩溶液の形で含浸させたのち熱分
解酸化反応により、所望の組成の電極活性酸化物を固体
電解質との界面付近へ導入することを特徴とする。
温の焼成過程である固体電解質の焼成が終了した後に、
空気極内に有機金属溶液または無機金属塩溶液の形で電
極活性酸化物を形成させる液を含浸させる。この後に劣
化反応の起きない適当な温度でこれに熱分解酸化反応を
生じさせて固体電解質界面付近に所望の混合導電体、す
なわち電極活性酸化物を導入するものである。
に空気極を形成しその上に電解質、燃料極を形成する場
合は、電解質を作製した直後または燃料極を作製した後
に溶液を含浸させる。空気極を最後に形成する場合は、
空気極を形成した後に含浸させる。インターコネクタな
ど全てを一体焼成する場合は、その焼成後に含浸させ
る。
ンタンガレート系電解質などと反応劣化しにくいAサイ
トのランタンが2at%程度欠損した不定比組成のLa
(Sr)MnO3などの粉体を焼成したものを用いる。
充分高い温度とすることができ、機械強度の充分に高い
空気極、そして緻密な固体電解質が得られる。これらの
焼成を終えた後に、有機金属溶液、または無機金属塩溶
液を含浸させる。空気極は多孔質体とはいえ微細な気孔
を有しているため、通常の粉体を溶液に展開したスラリ
では電解質界面まで充分に浸透させることが難しい。
成させる溶液は固形物を含まないため空気極を浸透し電
解質と空気極の界面付近まで到達する。この溶液が熱分
解酸化反応によりLaCoO3などの電極活性酸化物が
生じる。ここで電極活性酸化物の組成は溶液に含まれる
金属元素の量をあらかじめ制御することで容易に制御す
ることができる。
共に伝導させることができるため電極反応に寄与する三
相界面がこの電極活性酸化物全体に広がる。このため空
気極の電極特性が大幅に向上する。
る焼成温度の制約をあまり受けずに電極活性な電極活性
酸化物を空気極内部に導入することができ、高性能な固
体電解質型燃料電池用の空気極を実現できる。
然のことであるが本発明は以下の実施例に限定されるも
のではない。
を用いて組み立てた燃料電池を図1および図2に示す。
図1および図2より明らかなように、緻密な固体電解質
1の一方の面に空気極2が、他方の面に燃料極3が形成
されており、前記空気極2及び燃料極3には白金の集電
メッシュ4が設けられた構造になっている。なお図にお
いて、5は白金端子、6はガスシールである。
mm厚Sc2O3、Al2O3添加ジルコニア(SASZま
たは、0.895ZrO2−0.10Sc2O3−0.0
05Al2O3)固体電解質基板1の片面にNiO−SA
SZのスラリ(10mol%Sc2O3、0.5mol%
Al2O3添加ジルコニア、NiOが60wt%)を塗布
しこの上に白金の集電メッシュ4の集電体を乗せて13
00℃1時間焼成し燃料極3を設けた。
0.2MnO3)のスラリを塗布し、1200℃1時間の条
件で焼成し空気極2とした。燃料極3、空気極2ともに
6mm径とした。この燃料電池セルをセル#0−1とす
る。
1(La0.78Ca0.2MnO3)を用いたセルをセル#0
−2、同様の条件でLSM−1に替えて電極活性酸化物
として電極活性酸化物であるLC(LaCoO3)を用
いたセルをセル#0−3、LSM−1に替えてLSC
(La0.8Sr0.2CoO3)を用いたセルをセル#0−
4、LCM−1に替えてLCC(La0.8Ca0.2CoO
3)を用いたセルをセル#0−5、LSM−1に替えて
LSM−1と電極活性酸化物LSC(La0.8Sr0.2C
oO3)をモル比9:1で混合したスラリを用いたセル
をセル#0−6、LSM−1に替えてLCM−1と電極
活性酸化物LCC(La0.8Ca0.2CoO 3)をモル比
9:1で混合したスラリを用いたセルをセル#0−7、
とする。これらを比較例とする。
PSM−1(Pr0.78Sr0.2MnO3)、NSM−1
(Nd0.73Sr0.25MnO3)、SSM−1(Sm0.73
Sr0. 25MnO3)、ESM−1(Er0.73Sr0.25M
nO3)を電極活性酸化物として用いたセルを#0−8
〜#0−11とした。
1:1のモル比で4wt%含むアルコキシドのトルエン
溶液を先のセル#0−1と同じ型のセルの空気極に含浸
させ、900℃の条件で焼成してセル#1−1とした。
1となるアルコキシド溶液を含浸させて900℃で焼成
し、セル#1−2とした。
のモル比が0.8:0.2:1.0となるアルコキシド
溶液を含浸させて900℃で焼成し、セル#1−3とし
た。
のモル比が0.8:0.2:1.0となるアルコキシド
溶液を含浸させて900℃で焼成し、セル#1−4とし
た。
が0.8:0.2:1.0となるアルコキシド溶液を含
浸させて900℃で焼成し、セル#1−5とした。
が0.8:0.2:1.0となるアルコキシド溶液を含
浸させて900℃で焼成し、セル#1−6とした。
酸化反応により電極活性酸化物となる電極活性酸化物の
LaCoO3などの酸化物微粒子が空気極内に形成され
た。
立て800℃においてセルの発電試験を行った。ここ
で、燃料極3には水素ガス、空気極2には酸素ガスを流
した。開放起電力としては、1.13Vが得られた。
および300mA/cm2における出力電圧を表1に示
す。セル#1−1〜#1−6は#0−1〜#0−11に
比べて高いセル出力が得られた。
#0−1セルに比べても低い出力にとどまったのはジル
コニア電解質と空気極内のLa(Sr)CoO3などと
反応し劣化物La2Zr2O7が生成されたためと考えら
れる。
方法に比べて優れた特性のセルを作製することに成功し
た。
性酸化物としてLaCoO3に替えてLa0.6Sr0.4C
oO3,La0.2Sr0.8CoO3,PrCoO3,Pr0.6
Sr 0.4CoO3,Pr0.2Sr0.8CoO3,Nd0.6Sr
0.4CoO3,Sm0.6Sr0.4CoO3,Eu0.5Sr0.5
CoO3,Gd0.5Sr0.5CoO3,Tb0.5Sr0.5Co
O3の組成となる様に溶液を調製して含浸させて実施例
1と同様の実験を行った。
0に示す。いずれも比較例であるセル#0−1〜#0−
11に比べ良好なセル出力特性が得られた。
性酸化物としてLa0.6Ca0.4CoO3,La0.2Ca
0.8CoO3,PrCoO3,Pr0.6Ca0.4CoO3,P
r0.2Ca0.8CoO3,Nd0.6Ca0.4CoO3,Sm
0.6Ca0.4CoO3,Eu0.5Ca0.5CoO3,Gd0.5
Ca0.5CoO3,Tb0.5Ca0.5CoO3の組成となる
様に溶液を調製して含浸させて実施例1と同様の実験を
行った。
0に示す。いずれも比較例であるセル#0−1〜#0−
11に比べ良好なセル出力特性が得られた。
性酸化物としてLa0.6Sr0.4Co 0.8Mn0.2O3,L
a0.6Sr0.4Co0.6Mn0.4O3,La0.6Sr0.4Co
0.8Fe0.2O3,La0.6Sr0.4Co0.4Fe0.6O3,L
a0.6Sr0.4Co0.8Ni0.2O3,La0.9Sr0.1Co
0.5Ni0.5O3,La0.6Sr0.4Co0.7Ga0.3O3,L
a0.6Sr0.4Co0.1Ga0.9O3,La0.6Sr0.4Co
0.85Al0.15O3,La 0.6Sr0.4Co0.1Al0.9O3,
LaGa0.6Ni0.4O3,La0.9Sr0.1Ca0. 7Ni
0.3O3,LaCo0.3Ni0.7O3,La0.6Sr0.4Co
0.5Mn0.10Fe0.1 0Ni0.10Ga0.10Al0.10O3,L
a0.6Ca0.4Co0.5Mn0.10Fe0.10Ni0 .10Ga
0.10Al0.10O3,Pr0.6Sr0.4Co0.5Mn0.10Fe
0.10Ni0.10Ga0.10Al0.10O3,Tb0.6Sr0.4C
o0.5Mn0.10Fe0.10Ni0.10Ga0.10Al0.10O3の
組成となる様に溶液を調製して含浸させて実施例1と同
様の実験を行った。
7に示す。いずれも比較例であるセル#0−1〜#0−
11に比べ良好なセル出力特性が得られた。
性酸化物としてLa0.8Sr0.2FeO3,La0.6Sr
0.4FeO3,La0.2Sr0.8FeO3,La0.6Sr0.4
Fe0.8Mn0.2O3,La0.6Sr0.4Fe0.8Co
0.2O3,La0.6Sr0.4Fe0.8Ni0. 2O3,LaFe
0.3Ni0.7O3,La0.6Sr0.4Fe0.7Ga0.3O3,L
a0.6Sr0.4Fe0.1Ga0.9O3,La0.6Sr0.4Fe
0.85Al0.15O3,La0.6Sr0. 4Fe0.1Al0.9O3,
La0.6Sr0.4Fe0.5Mn0.10Co0.10Ni0.10Ga
0.1 0Al0.10O3,La0.6Ca0.4Fe0.5Mn0.10Co
0.10Ni0.10Ga0.10Al0 .10O3,Pr0.6Sr0.4F
e0.5Mn0.10Co0.10Ni0.10Ga0.10Al0.10O3,
Tb0.6Sr0.4Fe0.5Mn0.10Co0.10Ni0.10Ga
0.10Al0.10O3の組成となる様に溶液を調製して含浸
させて実施例1と同様の実験を行った。
5に示す。いずれも比較例であるセル#0−1〜#0−
11に比べ良好なセル出力特性が得られた。
性酸化物としてLaCoO3に替えてLa0.64Sr0.35
MnO3,La0.49Sr0.5MnO3,La0.19Sr0.8M
nO 3,Pr0.49Sr0.5MnO3,Pr0.49Sr0.5Mn
O3,Nd0.49Sr0.5MnO 3,Sm0.49Sr0.5MnO
3,Eu0.49Sr0.5MnO3,Gd0.49Sr0.5Mn
O 3,La0.49Ca0.5MnO3,Gd0.49Ca0.5MnO
3,La0.49Ba0.5MnO 3,Gd0.49Ba0.5Mn
O3,La0.59Sr0.40Mn0.90Fe0.10O3,La0.59
Sr0.40Mn0.90Co0.10O3,La0.59Sr0.40Mn
0.90Co0.10O3,La0. 59Sr0.40Mn0.90Ga0.10
O3,La0.59Sr0.40Mn0.90Al0.10O3,La 0.59
Sr0.40Mn0.90Mg0.10O3の組成となる様に溶液を
調製して含浸させて実施例1と同様の実験を行った。
9に示す。いずれも比較例であるセル#0−1〜#0−
11に比べ良好なセル出力特性が得られた。
性酸化物としてCe0.9Sm0.1O2,Ce0.8Sm
0.2O2,Ce0.6Sm0.4O2,Ce0.8La0.2O2,Ce
0.8Pr0. 2O2,Ce0.8Nd0.2O2,Ce0.8Eu0.2O
2,Ce0.8Gd0.2O2,Ce0.8Tb0.2O2,Ce0.8D
y0.2O2,Ce0.8Ho0.2O2,Ce0.8Er0.2O2,C
e0 .8Yb0.2O2,Ce0.8Lu0.2O2,Ce0.8Y0.2O
2,Ce0.8Sm0.1Y0.1O2,Ce0.8Sm0.1Sc0.1O
2,Ce0.8Sm0.1Y0.1O2,Ce0.7Sm0.2Ti0. 1O
2,Ce0.6Sm0.2Ti0.2O2,Ce0.6Sm0.1Y0.1T
i0.2O2の組成となる様に溶液を調製して含浸させて実
施例1と同様の実験を行った。ただし、含浸後の熱分解
のための熱処理条件を1100℃とした。
0に示す。いずれも比較例であるセル#0−1〜#0−
11に比べ良好なセル出力特性が得られた。
性酸化物としてBi2O3,Bi1.7La0.3O3,Bi1.7
Ce0.3O3,Bi1.6Nd0.3O3,Bi1.8Lu0.2O3,
Bi1.8Y0.2O3,Bi1.8Nb0.2O3,Bi1.8Ta0.2
O3,Bi1.8W0.2O3,Bi1.8Mo0.2O3,Bi1.8Z
r0.2O3の組成となる様に溶液を調製して含浸させて実
施例1と同様の実験を行った。
1mm厚の安定化ジルコニアの固体電解質基板上に実施
例1と同様の方法で燃料極と空気極を焼き付けたものを
用いている。
8−0−2は、実施例1のセル#0−1と#0−2と同
じ条件で作製したセルを700℃で測定したものであ
る。この他のセルについては含浸後の熱分解のための熱
処理条件を750℃とした。セルの測定温度はやはり7
00℃とした。
1に示す。いずれも比較例であるセル#8−0−1〜#
8−0−3の700℃での特性に比べ良好な結果が得ら
れた。
La0.8Sr0.2Ga0.85Mg0.15O 3粉末を26mm径
のペレット状にプレス成形し、1500℃で焼成した。
これを0.3mm厚まで研磨し固体電解質基板とした。
この片面にNiO−YSZのスラリ(8mol%Y2O3
添加ジルコニア、NiOが60wt%)を塗布しこの上
に白金メッシュの集電体を乗せて1200℃1時間焼成
し燃料極を設けた。
0.2MnO3)のスラリを塗布し、1200℃1時間の条
件で焼成し空気極とした。燃料極、空気極ともに6mm
径とした。この燃料電池セルをセル#9−0−1とす
る。
1(La0.78Ca0.2MnO3)を用いたセルをセル#9
−0−2、同様の条件でLSM−1に替えて電極活性酸
化物であるLC(LaCoO3)を用いたセルをセル#
9−0−3、LSM−1に替えてLSC(La0.8Sr
0.2CoO3)を用いたセルをセル#9−0−4、LSM
−1に替えてLCC(La0.8Ca0.2CoO3)を用い
たセルをセル#9−0−5、LSM−1に替えてLSM
−1と電極活性酸化物LSC(La0.8Sr0.2Co
O3)をモル比9:1で混合したスラリを用いたセルを
セル#9−0−6、LSM−1に替えてLCM−1と電
極活性酸化物LCC(La0.8Ca0.2CoO 3)をモル
比9:1で混合したスラリを用いたセルをセル#9−0
−7、とする。これらを比較例とした。
1:1のモル比で4wt%含むアルコキシドのトルエン
溶液を先のセル#9−0−1と同じ型のセルの空気極に
含浸させ、900℃の条件で焼成してセル#9−1−1
とした。
1:1となるアルコキシド溶液を含浸させて900℃で
焼成し、セル#9−1−2とした。
oがモル比で0.8:0.2:1.0となるアルコキシ
ド溶液を調製して含浸させて900℃で焼成し、セル#
9−1−3とした。
Coがモル比で0.8:0.2:1.0となるアルコキ
シド溶液を調製して含浸させて900℃で焼成し、セル
#9−1−4とした。
ル比で0.8:0.2:1.0となるアルコキシド溶液
を含浸させて900℃で焼成し、セル#9−1−5とし
た。
0.8:0.2:1.0となるアルコキシド溶液を調製
して含浸させて900℃で焼成し、セル#9−1−6と
した。
6:0.4:0.8:0.2のモル比で4wt%含むア
ルコキシドのトルエン溶液を先のセル#9−0−1と同
じ型のセルの空気極に含浸させ、900℃の条件で焼成
してセル#9−1−7とした。
を含む溶液を含浸させたセル、La,Sr,Co,Ni
を含む溶液を含浸させたセル、La,Sr,Co,Ga
を含む溶液を含浸させたセルをそれぞれ#9−1−8、
#9−1−9、#9−1−10とした。
6:0.4:0.85:0.15のモル比で含む溶液を
調製して含浸させて同様に作製したセルを#9−1−1
1とした。
0のモル比で含む溶液を調製し、またLa,Sr,F
e,Mn及びLa,Sr,Fe,Co及びLa,Sr,
Fe,Ni及びLa,Sr,Fe,Gaを0.6:0.
4:0.80:0.20のモル比で、La,Sr,F
e,Alを0.6:0.4:0.85:0.15のモル
比で、そして、La,Sr,Mnを0.5:0.5:
1.0のモル比で含む溶液を調製して含浸させて同様の
方法で作製したセルを#9−1−12、#9−1−1
3、#9−1−14、#9−1−15、#9−1−1
6、#9−1−17、#9−1−18とした。
eとSmを0.8:0.2のモル比で含む溶液を調製し
たものを用いて同様の方法でセルを作製した。
とした。焼成により先のアルコキシド液は熱分解し酸化
反応により電極活性酸化物となる電極活性酸化物のLa
CoO3などの酸化物微粒子が空気極内に形成された。
を組立て800℃においてセルの発電試験を行った。こ
こで、燃料極には水素ガス、空気極には酸素ガスを流し
た。開放起電力としては、1.0Vが得られた。
圧を比較例と共に表9に示す。セル#9−1−1〜#9
−1−19は#9−0−1〜#9−0−7に比べて高い
セル出力が得られた。
eを1.7:0.3のモル組成比で含む溶液を用い、含
浸後の熱処理温度は750℃、セル特性の評価は700
℃で行った。このセルは比較例であるセル#9−0−8
(セル#9−0−1を用いて700℃で測定)に比べ優
れた特性を持っている。
方法に比べて優れた特性のセルを作製することに成功し
た。
て含浸させる溶液を硝酸ランタン水溶液と硝酸コバルト
水溶液の混合体とし、そのモル組成比La:Coを1:
1とした溶液に替えて、実施例1と同様の熱処理行程で
作製したセルをセル#10−1とした。
含浸させる溶液を硝酸セリウム水溶液と硝酸サマリウム
水溶液の混合体とし、そのモル組成比Ce:Smを0.
8:0.2とした溶液に替えて、実施例7と同様の熱処
理行程で作製したセルをセル#10−2とした。
験を800℃で行った。この結果を表10に示す。比較
例であるセル#0−1〜#0−7に比べ優れたセル特性
を示した。
方法に比べて優れた特性のセルを作製することに成功し
た。
質を焼成した後に混合導電体酸化物を構成するための金
属元素を含む有機属塩または無機塩の溶液を空気極に含
浸させ、その後熱分解反応によりこの酸化物を電解質と
の界面付近に形成した。これにより焼成過程にあまり制
約を受けずに高性能な固体電解質型燃料電池用空気極を
得ることに成功した。本発明は固体燃料電池の高効率化
に大きな貢献をなすものである。
造を示す図。
Claims (8)
- 【請求項1】 緻密な固体電解質とその両面に設けられ
た多孔質の燃料極と空気極で構成された燃料電池セルを
備えた燃料電池の固体電解質型燃料電池用空気極への電
極活性酸化物の導入方法において、前記空気極及び固体
電解質を焼結形成した後、多孔質の空気極内部に電子伝
導と酸素イオン伝導を共に有する電極活性酸化物の材料
を有機金属溶液、または無機金属塩溶液の形で含浸させ
たのち熱分解酸化反応により、所望の組成の電極活性酸
化物を固体電解質との界面付近へ導入することを特徴と
する固体電解質型燃料電池用空気極への電極活性酸化物
の導入方法。 - 【請求項2】 請求項1において、前記固体電解質は、
希土類元素、Al,Gaの群より選択された一種以上を
添加したジルコニア系固体電解質、またはランタンガレ
ート系固体解質で、かつ空気極がLnyAxMnO3(L
nはLa,Pr,Nd,Smの中の一種類以上の元素で
その総量yが0.999−xと0.950−xの間で、
AはSrまたはCaまたは両方の元素でその総量xが
0.05≦x≦0.25)であることを特徴とする固体
電解質型燃料電池用空気極への電極活性酸化物の導入方
法。 - 【請求項3】 請求項2において、電極活性酸化物の組
成が、Ln1-xAxCo1-yByO3(LnはLa,Pr,
Nd,Sm,Eu,Gdの中の一種類以上の元素でその
総量が1−xで、AはSrまたはCaまたは両方の元素
でその総量xが0.0≦x≦0.8、BはMn,Fe,
Ni,Ga、Al、Mgから選ばれた1種類以上の元素
でBの総量yは0.0≦y≦0.9、そして、その総量
yに占めるMnの量は0.4以下、Feの場合は0.7
以下、Niの場合は0.7以下で、Ga,Alの場合は
0.9以下、Mgの場合は0.3以下)であることを特
徴とする固体電解質型燃料電池用空気極への電極活性酸
化物の導入方法。 - 【請求項4】 請求項2において、電極活性酸化物の組
成が、Ln1-xAxFe1-yByO3(LnはLa,Pr,
Nd,Sm,Eu,Gdの中の一種類以上の元素でその
総量が1−x、AはSrまたはCaまたは両方の元素で
その総量xが0.0≦x≦0.8、BはMn,Ni,C
o,Ga,Al,Mgから選ばれた1種類以上の元素
で、Bの総量yは0.0≦y≦0.9、そして、その総
量yに占めるMnの量は0.4以下、Niの場合は0.
7以下、Coの場合は0.8以下、Ga,Alの場合は
0.9以下、Mgの場合は0.3以下)であることを特
徴とする固体電解質型燃料電池用空気極への電極活性酸
化物の導入方法。 - 【請求項5】 請求項2において、電極活性酸化物の組
成が、LnzAxMn1-yByO3(LnはLa,Pr,N
d,Sm,Eu,Gdの中の一種類以上の元素でその総
量zが0.999−x≦z≦0.95−xで、AはS
r,Ca,Baの中の1つ以上の元素で、その総量xが
0.35≦x≦0.80、BはCo,Fe,Ni,G
a,Al,Mgから選ばれた一種類以上の元素でBの総
量yは0.0≦y≦0.2)であることを特徴とする固
体電解質型燃料電池用空気極への電極活性酸化物の導入
方法。 - 【請求項6】 請求項2において、電極活性酸化物の組
成がCe1-x-yAxTiyO2(AはLa,Pr,Nd,S
m,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Yb,L
u,Y,Scの中の一種類以上の元素でその総量xが
0.10と0.4の間で、yは0と0.2との間)であ
ることを特徴とする固体電解質型燃料電池用空気極への
電極活性酸化物の導入方法。 - 【請求項7】 請求項2において、電極活性酸化物の組
成がBi1-xAxO 1.5(Aは希土類または遷移金属の中
の一種類以上の元素でその総量xが0.3以下)である
ことを特徴とする固体電解質型燃料電池用空気極への電
極活性酸化物の導入方法。 - 【請求項8】 請求項1から7のいずれかにおいて、前
記電極活性酸化物を形成する電極活性酸化物材料を、ア
ルコキシド溶液または硝酸溶液の形で前記多孔質の空気
極に含浸させることを特徴とする固体電解質型燃料電池
用空気極への電極活性酸化物の導入方法。
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