JP2009140694A - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ジルコニア系の材料から構成された電解質101と、電解質101の一方の面に形成された燃料極102とを備える。また、電解質101の他方に形成され、ペロブスカイト型の金属酸化物(ペロブスカイト酸化物:第1材料)と、プラセオジム(Pr)が添加されたセリウム酸化物(セリア化合物:第2材料)とを含んで構成された空気極103を備える。
【選択図】 図1
Description
始めに、本発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における固体酸化物形燃料電池の構成例を模式的に示す断面図である。この固体酸化物燃料電池は、ジルコニア系の材料から構成された電解質101と、電解質101の一方の面に形成された燃料極102とを備える。また、本実施の形態の固体酸化物形燃料電池は、電解質101の他方に形成され、ペロブスカイト型の金属酸化物(ペロブスカイト酸化物:第1材料)と、プラセオジム(Pr)が添加されたセリウム酸化物(セリア化合物:第2材料)とを含んで構成された空気極103を備える。空気極103は、ペロブスカイト酸化物及びプラセオジムが添加されたセリア化合物が混合されて構成されていればよい。
次に、本発明の実施の形態2について図2を用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態2における固体酸化物形燃料電池の構成例を模式的に示す断面図である。この固体酸化物燃料電池は、電解質101と、電解質101の一方の面に形成された燃料極102と、電解質101の他方に形成された空気極103とを備える。本実施の形態では、空気極103が、電解質101の側に配置されてPrが添加されたセリア化合物から構成されたバッファ層(第1の層)103aと、バッファ層103aに接して配置された電極層(第2の層)103bとを備えるようにしたものである。
次に、本発明の実施の形態3について図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態3における固体酸化物形燃料電池の構成例を模式的に示す断面図である。この固体酸化物燃料電池は、電解質101と、電解質101の一方の面に形成された燃料極102と、電解質101の他方に形成された空気極103とを備える。空気極103は、バッファ層103a及び電極層103bを備える。また、この固体酸化物形燃料電池は、集電層201を備える。これらは、前述した実施の形態2の固体酸化物形燃料電池と同様である。
始めに、測定について説明する。後述するように各々作製した試料セルにおいて、電極性能の指標である界面抵抗を交流インピーダンス法で測定する。測定時は、開放電圧の条件で行い、空気極と燃料極との間に微小な交流信号を印加し、空気極と参照極(燃料極)との間の微小電位変化を測定し、この測定結果よりインピーダンスを求める。なお、測定において、燃料極には室温(23℃程度)とした加湿水素ガスを燃料ガスとして供給し、空気極には酸素を供給した。また、開放起電力としては、800℃で1.13V以上の値が得られる。
次に、比較試料となる固体酸化物形燃料電池セル(比較試料セル:#1-0-0)を例にとり、単セルの作製について説明する。まず、よく知られたドクターブレード法でシート状に成形して焼成したSc2O3,Al2O3添加ジルコニア(0.89ZrO2−0.10Sc2O3−0.01Al2O3:SASZ)からなる電解質基板を用意する。電解質基板は、厚さ0.2mmに形成する。次に、8mol%Y2O3が添加された平均粒径が約0.3μmのジルコニアの粉末(40wt%)に平均粒径が0.8μmのNiO粉末(60wt%)を混合した混合粉末のスラリを作製し、このスラリを上述した電解質基板の一方の面に、よく知られたスクリーン印刷法(非特許文献3参照)により塗布して燃料極塗布膜を形成する。加えて、この燃料極塗布膜の上に白金のメッシュよりなる集電体を配置し、これらを、1400℃・4時間の熱処理条件で、空気中で焼成し、上記混合粉末の焼結体からなる厚さ60μmの燃料極が形成された状態とする。
次に、実施例1として、試料となる固体酸化物形燃料電池セル(試料セル:#1-1-1〜#1-1-5,#1-2-1〜#1-2-4,#1-3-1〜#1-3-3,#1-4-1〜#1-4-3)の作成について説明する。この試料セルは、上述した比較試料セルの空気極に用いたGDCにPrを添加し、GDCを構成している一部のGdをPrに置換したセリア化合物粉末を用い、この他は比較試料セルと同様に作製する。
比較試料セル(#1-2-0)と試料セル(#1-2-1〜#1-2-4)を比較し、比較試料セル(#1-3-0)と試料セル(#1-3-1〜#1-3-3)を比較し、比較試料セル(#1-4-0)と試料セル(#1-4-1〜#1-4-3)を比較する。比較試料セル(#1-0-0)及び試料セル(#1-1-1〜#1-1-5)では、添加する希土類元素の合計が0.3であり、比較試料セル(#1-2-0)及び試料セル(#1-2-1〜#1-2-4)では、添加する希土類元素の合計が0.2であり、比較試料セル(#1-3-0)及び試料セル(#1-3-1〜#1-3-3)では、添加する希土類元素の合計が0.1であり、比較試料セル(#1-4-0)及び試料セル(#1-4-1〜#1-4-3)では、添加する希土類元素の合計が0.08である。
次に、実施例2として、試料となる固体酸化物形燃料電池セル(試料セル:#2-1-1〜#2-1-6)の作成について説明する。この試料セルは、上述した比較試料セルの空気極を、電解質の側に配置されてPrが添加されたセリア化合物から構成されたバッファ層と、バッファ層に接して配置されてPrが添加されたセリア化合物を含む電極層とから構成したものである。実施例2では、セリア化合物としてGDCを用いる。また、これらに対する比較試料セル(#2-1-0)としては、Prを添加していないGDC(Ce0.8Gd0.2O2)よりバッファ層を構成し、電極層において、含まれているセリア化合物はPrを添加していないGDC(Ce0.7Gd0.3O2)とする。
次に、実施例3として、試料となる固体酸化物形燃料電池セル(試料セル:#3-1-1〜#3-1-6)の作成について説明する。この試料セルは、上述した実施例2におけるバッファ層及び電極層のGDCに代えてSDCとしたものである。これらに対する比較試料セル(#3-1-0)としては、バッファ層にはPrを添加していないSDC(Ce0.8Sm0.2O2)を用い、電極層にはPrを添加していないSDC(Ce0.7Sm0.3O2)を用いる。
次に、実施例4として、試料となる固体酸化物形燃料電池セル(試料セル:#4-1-1〜#4-1-6)の作成について説明する。この試料セルは、上述した実施例3におけるバッファ層及び電極層のSDCに代えてYDCとしたものである。これらに対する比較試料セル(#4-1-0)としては、バッファ層にはPrを添加していないYDC(Ce0.8Y0.2O2)を用い、電極層にはPrを添加していないYDC(Ce0.7Y0.3O2)を用いる。
次に、実施例5として、試料となる固体酸化物形燃料電池セル(試料セル:#5-1-1〜#5-1-6)の作成について説明する。この試料セルは、上述した実施例2における空気極を構成している電極層を、セリア化合物を含まずにペロブスカイト酸化物から構成する。電極層を構成するペロブスカイト酸化物としては、LNFを用いる。これらに対する比較試料セル(#5-1-0)としては、バッファ層にPrを添加していないGDC(Ce0.7Ge0.3O2)を用いる。
次に、実施例6として、試料となる固体酸化物形燃料電池セル(試料セル:#6-1-1〜#6-1-5)の作成について説明する。この試料セルは、上述した実施例2における電極層のLNFを、LSFC,LSC,LC,SSCに代えたものである。また、電極層においては、セリア化合物(GDC)の組成比を40wt%とする。これらに対する比較試料セル(#6-0-1〜#6-0-5)としては、バッファ層にはPrを添加していないGDC(Ce0.8Gd0.2O2)を用い、電極層にはPrを添加していないGDC(Ce0.8Gd0.2O2)を用いる。
次に、実施例7として、試料となる固体酸化物形燃料電池セル(試料セル:#7-1-1〜#7-1-6)の作成について説明する。この試料セルは、上述した実施例2における電極層のLNFを、LSFC,LSC,LC,SSCに代えたものである。また、電極層においては、セリア化合物(GDC)の組成比を40wt%とする。加えて、空気極(バッファ層)と電解質基板との間に、Pr以外の希土類が添加されたセリウム酸化物(Ce0.8Gd0.2O2)より構成された中間層を備える。中間層の厚さは4μmである。各層は、実施例2と同様に作製する。
Claims (11)
- 燃料極,電解質,及び空気極を備える固体酸化物形燃料電池において、
前記空気極は、
ペロブスカイト型の金属酸化物からなる第1材料と、
プラセオジムが添加されたセリウム酸化物からなる第2材料と
を含んでいることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項1記載の固体酸化物形燃料電池において、
前記空気極は、前記第1材料及び前記第2材料が混合されて構成されている
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項2記載の固体酸化物形燃料電池において、
前記空気極は、
前記第1材料からなる第1粉体と前記第2材料からなる第2粉体とが混合された混合粉体の焼結体から構成されている
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項1記載の固体酸化物形燃料電池において、
前記空気極は、
前記電解質の側に配置され、前記第2材料より構成された第1の層と、
この第1の層に接して配置された第2の層とを備える
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項4記載の固体酸化物形燃料電池において、
前記空気極の前記第2の層は、
前記第1材料及び前記第2材料より構成されている
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項4記載の固体酸化物形燃料電池において、
前記空気極の前記第2の層は、
前記第1材料及びプラセオジム以外の希土類元素が添加されたセリウム酸化物より構成されている
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項4〜6のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池において、
前記第1の層は、
前記第2材料からなる第2粉体の焼結体から構成されている
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池において、
前記電解質と前記空気極との間に配置されてプラセオジム以外の希土類が添加されたセリウム酸化物より構成された中間層を備える
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池において、
前記空気極の前記電解質と反対側に配置され、
前記第1材料より構成された集電層を備える
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池において、
前記第2材料は、
Ce1-x-yRxPryO2(R=Gd,Sm,Y;0≦y≦0.3;0.02≦x≦0.3;0.07≦x+y≦0.30)である
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池において、
前記第1材料は、
La1-xRxMO3(R=Sr,Ca;0≦x≦0.6;Mは、Fe,Co,及びNiの少なくとも1つ)及びLaNi1-yFeyO3(0.3≦y≦0.8)の中より選択されたものである
ことを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
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