JP4450179B2 - NiO−セリウム含有酸化物の混合材料およびこれを備えた固体酸化物形燃料電池 - Google Patents
NiO−セリウム含有酸化物の混合材料およびこれを備えた固体酸化物形燃料電池 Download PDFInfo
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Description
H2 + O2- → H2O + 2e- (2)
CO + O2- → CO2 + 2e- (3)
1/2O2 + 2e- → O2- (1)
H2 + O2- → H2O + 2e- (2)
CO + O2- → CO2 + 2e- (3)
(プレス体による材料の焼結性の測定)
NiO-セリウム含有酸化物の混合材料粉末を作製して、粉末を圧縮成型し、所定の温度で焼結させることでプレス体とした。プレス体の気孔率と電子導電率を測定することで焼結性の度合いを確認した。以下に詳細を記す。
セリウム含有酸化物の組成がCe0.9Gd0.075In0.025O2-δとなるようにCeO2粉末、Gd2O3粉末、In2O3粉末を秤量し、エタノール中ボールミルで混合後、80℃でエタノールを蒸発させ、電気炉にて大気中1500℃を10時間保持して仮焼した。得られたセリウム含有酸化物粉末を粉末X線回折測定にて5°〜80°の角度範囲で結晶構造の同定を行い、CeO2の結晶構造で面指数をつけることができたので単一相であることを確認した。単一相セリウム含有酸化物とNiOを60:40の重量比率で秤量し、エタノール中ボールミルで十分混合したのち、80℃でエタノールを蒸発させ、電気炉にて大気中1000℃を10時間保持して仮焼した。得られたNiO-セリウム含有酸化物との混合材料を、エタノール中ボールミルで所定の粉末粒径に粉砕したのち、80℃でエタノールを蒸発させてNiO-Ce0.9Gd0.075In0.025O2-δの混合粉末を得た。該粉末の平均粒子径は0.5μmであった。
得られた角柱形状のNiO-Ce0.9Gd0.075In0.025O2-δの混合材料プレス体をアルキメデス法により測定した。
1300℃で焼成した角柱形状のNiO-Ce0.9Gd0.075In0.025O2-δの混合材料プレス体をH2雰囲気で700℃を1時間保持して還元熱処理を施した。還元熱処理を施した角柱形状のプレス体にNi線を4端子結線し、4端子法によりH2雰囲気での導電率測定を行った。
セリウム含有酸化物をCe0.9Gd0.05In0.05O2-δとした以外は、実施例1と同様とした。
セリウム含有酸化物をCe0.9Gd0.025In0.075O2-δとした以外は、実施例1と同様とした。
セリウム含有酸化物をCe0.9Gd0.1O2-δとした以外は、実施例1と同様とした。
(実施例4)
上記作製したNiO-Ce0.9Gd0.075In0.025O2-δの混合材料を燃料極反応触媒層として平板型固体酸化物形燃料電池を作製した。図3に平板型固体酸化物形燃料電池の概略を示す。平板型の固体電解質ペレット5、片面に形成された空気極反応触媒層6、空気極反応触媒層の反対面に形成された燃料極反応触媒層3、反応触媒層の上に白金電極7を形成、空気極側の固体電解質ペレット5に参照電極8を形成した構成となっている。
(固体電解質の作製)
固体電解質の材料は、La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2O3の組成の粉末(以下LSGMと略称する)を用いた。共沈法で作製したLSGM粉末に、PVAをバインダー10重量%添加し、十分混合した。バインダーを添加したLSGM粉末を外径22mmのペレット形状の金型で200kgf/cm2の静水圧プレス成形した後、1500℃で5時間保持して焼結させた。焼結後のペレットを厚さ1mmに研削し、固体電解質ペレットとした。なお、ペレットの気孔率をアルキメデス法で測定した結果、0.5%であり、緻密であることが確認された。
上記作製したNiO-Ce0.9Gd0.075In0.025O2-δの混合粉末5重量部に、ポリビニルブチラールを0.5重量部、αテルピネオールを4重量部添加し、十分混合した。得られた燃料極反応触媒層粉末ペーストをLSGM固体電解質ペレットの片側にスクリーン印刷法により製膜し、1300℃で焼結させ、燃料極反応触媒層を形成した。形成された燃料極反応触媒層の面積は0.4cm2で、膜厚は10μmであった。
空気極反応触媒層の材料は、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3(以下LSCFと略称する)を用いた。共沈法で作製したLSCF粉末5重量部に、ポリビニルブチラールを0.5重量部、αテルピネオールを4重量部添加し、十分混合した。得られた空気極反応触媒層粉末ペーストを、形成された燃料極反応触媒層の反対面にスクリーン印刷法により製膜し、1200℃で焼結させ、空気極反応触媒層を形成した。形成された空気極反応触媒層の面積は0.4cm2で、膜厚は10μmであった。
燃料極および空気極には白金電極を用いた。形成された燃料極反応触媒層および空気極反応触媒層の上にそれぞれ白金ペーストをスクリーン印刷法により製膜し、1000℃で焼結させた。また参照電極として空気極側のLSGM固体電解質ペレット上に、白金リード線を白金ペーストで固定し1000℃で焼き付けた。
得られた平板型固体酸化物形燃料電池セルを図4のようにセッティングした。燃料極側に3%加湿水素、空気極側に空気を供給し、燃料極側をガラスシール9でシールした。それぞれの電極に白金メッシュ10で集電させて、白金端子11により外部回路へ接続した。温度は電気炉により制御され、カレントインタラプション法により参照電極と燃料極との間の電位を測定し、電極過電圧の評価を行った。
セリウム含有酸化物をCe0.9Gd0.05In0.05O2-δとした以外は、実施例4と同様とした。
セリウム含有酸化物をCe0.9Gd0.025In0.075O2-δとした以外は、実施例4と同様とした。
セリウム含有酸化物をCe0.9Gd0.1O2-δとした以外は、実施例4と同様とした。
セリウム含有酸化物をCe0.9Gd0.01In0.09O2-δとした以外は、実施例4と同様とした。
(実施例7)
上記作製したNiO-Ce0.9Gd0.075In0.025O2-δの混合材料を燃料極反応触媒層として円筒型固体酸化物形燃料電池を作製した。図5に円筒型固体酸化物形燃料電池の断面斜図を示す。円筒状の空気極支持体12上に帯状のインターコネクター13、固体電解質2、さらに固体電解質膜の上にインターコネクターと接触しないように燃料極3から構成されたものを用いた。
(空気極支持体の作製)
空気極支持体の材料は、La0.75Sr0.25MnO3組成のものを用い、押し出し成形法によって円筒状成形体を作製した。さらに、1500℃で焼成を行い、空気極支持体とした。なお空気極支持体は、外径15mm、肉厚1.5mm、セル長200mmとした。
空気極反応触媒層の材料は、LSCFと Ce0.9Gd0.1O2-δ(以下GDCと略称する)とが均一に混合された粉末(以下LSCF-GDCと略称する)を用いた。LSCFとGDCの重量比率は50:50とした。作製方法はLSCF、およびGDCを各々共沈法で作製後、エタノール中ボールミルで混合後、80℃でエタノールを蒸発させ、電気炉にて大気中で熱処理を施した。得られたLSCF-GDCを再度エタノール中ボールミルで粉砕して粒子径を調整した。このときの平均粒子径は5μmとした。この空気極反応触媒層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。前記スラリーを、空気極支持体上にスラリーコート法により成膜した後に1400℃で焼結させた。得られた空気極反応触媒層の厚さは15μmであった。なお、後工程でインターコネクターを成膜する部分についてはマスキングを施し、膜が塗布されないようにしておいた。
固体電解質の材料は、LSGM粉末を用いた。共沈法で作製したLSGM粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、固体電解質層としてスラリーコート法により成膜し、1430℃で焼結させた。固体電解質層の膜厚は30μmとした。なお、後工程でインターコネクターを成膜する部分についてはマスキングを施し、膜が塗布されないようにしておいた。
インターコネクターの材料は、La0.80Ca0.20CrO3の組成の粉末を用いた。噴霧熱分解法で作製したLa0.80Ca0.20CrO3の組成の粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、スラリーコート法によりインターコネクターを成膜し、1400℃で焼結させた。インターコネクターの厚みは40μmとした。なお、後工程で燃料極反応触媒層および燃料極を製膜する部分についてはマスキングを施し、膜が塗布されないようにしておいた。
燃料極反応触媒層の材料は、上記作製したNiO-Ce0.9Gd0.075In0.025O2-δの混合材料を用いた。NiOとCe0.9Gd0.075In0.025O2-δの重量比率は40:60とし、該粉末の平均粒子径は約0.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)10重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極反応触媒層の面積が20cm2になるようにセルへマスキングを施し、燃料極反応触媒層としてスラリーコート法により成膜した。燃料極反応触媒層の厚み(焼成後)は10μmとした。
燃料極の材料は、NiOとGDCとが均一に混合された粉末(以下NiO-GDCと略称する)を用いた。共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiOとGDCの重量比率は、70:30とした。なお粉末の粒子径は1.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)20重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極反応触媒層上に、燃料極をスラリーコート法により成膜した。燃料極の厚み(焼成後)は90μmとした。次に、燃料極反応触媒層と燃料極を1300℃で共焼結させた。
得られた円筒型セルの燃料極および燃料極反応触媒層の製膜状態の外観を評価した。燃料極および燃料極反応触媒層の表面にひび割れが生じたり、固体電解質から剥がれたりしたかどうかを目視で評価した。
燃料極反応触媒層をNiO-Ce0.9Gd0.05In0.05O2-δとした以外は、実施例7と同様とした。
燃料極反応触媒層をNiO-Ce0.9Gd0.025In0.075O2-δとした以外は、実施例7と同様とした。
燃料極反応触媒層をNiO-Ce0.9Gd0.1O2-δとした以外は、実施例7と同様とした。
燃料極材料をNiO-Ce0.9Gd0.075In0.025O2-δとし、該重量比率を70:30とした。さらに、燃料極反応触媒層を設けないこととした以外は実施例7と同様とした。
燃料極材料をNiO-Ce0.9Gd0.05In0.05O2-δとし、該重量比率を70:30とした。さらに、燃料極反応触媒層を設けないこととした以外は実施例7と同様とした。
燃料極材料をNiO-Ce0.9Gd0.025In0.075O2-δとし、該重量比率を70:30とした。さらに燃料極反応触媒層を設けないこととした以外は実施例7と同様とした。
燃料極材料をNiO-GDCとし、燃料極反応触媒層を設けないこととした。それ以外は実施例7と同様とした。
2:固体電解質
3:燃料極
4:燃料極反応触媒層
5:固体電解質ペレット
6:空気極反応触媒層
7:白金
8:参照電極
9:ガラスシール
10:白金メッシュ集電
11:白金端子
12:空気極支持体
13:インターコネクター
Claims (6)
- NiOとCe1-x-yLnxInyO2-δ(Lnは3価の稀土類元素、0.01≦x≦0.3、0.025≦y≦0.075)と、から構成されたNiO-セリウム含有酸化物の混合材料。
- 前記LnはSm,Gdのいずれか1種であることを特徴とする請求項1に記載のNiO-セリウム含有酸化物の混合材料。
- 空気極と、固体電解質と、燃料極と、を備えた固体酸化物形燃料電池であって、前記燃料極が請求項1または2に記載のNiO-セリウム含有酸化物の混合材料からなることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
- 前記NiO-セリウム含有酸化物の混合材料中のNiOの重量比率が30〜70重量%であることを特徴とする請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池。
- 空気極と、固体電解質と、燃料極と、を備え、前記固体電解質と前記燃料極との間に燃料極反応触媒層を備えた固体酸化物形燃料電池であって、前記燃料極反応触媒層が請求項1または2に記載のNiO-セリウム含有酸化物の混合材料からなることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
- 前記NiO-セリウム含有酸化物の混合材料中のNiOの重量比率が10〜50重量%であることを特徴とする請求項5に記載の固体酸化物形燃料電池。
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