JP3381544B2 - 低温動作固体燃料電池用複合型空気極材料 - Google Patents
低温動作固体燃料電池用複合型空気極材料Info
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Description
複合型空気極材料に関するものである。
用いた固体電解質燃料電池に関心が高まりつつある。特
にエネルギーの有効利用という観点から、固体燃料電池
はカルノー効率の制約を受けないため本質的に高いエネ
ルギー変換効率を有し、さらに良好な環境保全が期待さ
れるなどの優れた特徴を持っている。
温で動作させる必要があるため、セルは、セラミック材
によって構成されている。セルは、酸素イオン伝導体で
ある固体電解質を挟んで電子伝導体である空気極と燃料
極が配置されている。これらの電極は、ガスが拡散しや
すくする為に多孔質体を用いる。このセルを積み重ねる
為にセル間に電子伝導体であるインターコネクタ材を使
用する。従来検討されてきた、これら要素材を表1に示
した。
ウム安定化ジルコニア)が最も有望視されているが、十
分な酸素イオン伝導度を得るには1000℃の高温で動
作させる必要があるが、このような高温では電極と電解
質の界面での劣化反応等が生じ、部品寿命の劣化が激し
く信頼性の高い電池の実現が難しい。
燃料電池の開発が求められている。低温動作時に十分な
酸素イオン伝導度を得るためにジルコニア−スカンジウ
ム系、セリア系およびYSZの薄層化などの検討が行わ
れている。
電気伝導性の低下、および空気極の電極活性が低下する
ため空気極における通電圧の上昇がおこり、発電効率の
低下などの問題が生じる。
電極活性が高い空気極が求められている。一般に空気極
における電極反応は、図5に示すように固体電解質1と
電子伝導体2である空気極材(典型的にはLa0.8Sr
0.2MnO3)、そして、空気の接する三相界面に限定さ
れている(空気極上における反応過程はO2→2O、2
O→2O2-)。
ニア系固体電解質材ZrO2−Y2O3を分散させること
で、三相界面長を増やし電極活性を高める検討がなされ
ている。しかし、ジルコニアと空気極材とは、界面にお
いて不導体であるパイロクア相(La2Zr2O7)やS
rZrO3などを形成し易い。これらの相ができると電
極反応が妨げられ、結局セル特性が低下してしまう。
に関するもので、従来のマンガン系材料に比べ電極活性
が高い空気極材料を提供することを目的とする。
ため、本発明による低温動作固体燃料電池用複合型空気
極材料は、固体電解質とそれに隣接して設けられた多孔
質な空気極および燃料極からなるセル、そして、それら
を電気的に接続するインターコネクタを有し、燃料ガス
と空気または酸素ガスとの化学反応を電気エネルギーに
変換する固体燃料電池において、前記空気極がイオン伝
導体A1-XBXGa1-YMgYO3(0.05<X<0.3
0、0.05<Y<0.30、0.10<X+Y<0.
50)と、電子伝導体C1-XDXMnO3(0.05<X
<0.30)の複合材からなり、且つA及びCはLa、
Pr、Nd、Smの何れかであり、且つB及びDは、S
r、Caの何れか、または、両方を含み、その合計の含
有率が0.05〜0.30であることを特徴とする。
用複合型空気極材料は、固体電解質とそれに隣接して設
けられた多孔質な空気極および燃料極からなるセル、そ
して、それらを電気的に接続するインターコネクタを有
し、燃料ガスと空気または酸素ガスとの化学反応を電気
エネルギーに変換する固体燃料電池において、前記空気
極がイオン伝導体に遷移金属元素を添加した混合伝導体
A1−XBX(Ga1−ZMgZ)1−YMYO3、
(0.05<X<0.30、0.005<Y<0.30
0、0.05<Z<0.300、M=Cr、Mn、F
e、Co、Ni)と、電子伝導体C1−XDXMnO3
(0.05<X<0.30)との複合材からなり、且つ
A及びCはLa、Pr、Nd、Smの何れかであり、且
つB及びDは、Sr、Caの何れか、または、両方を含
み、その合計の含有率が0.05〜0.30であること
を特徴とする。
空気極材料は、従来の空気極材と同じ結晶系(ペロブス
カイト系)に属し且つ、イオン伝導性の高いLaGaO
3系の材料を、従来材であるLaMnO3系の電極材中に
分散させて複合型電極とする。これにより、電極と電解
質の三相界面長を増やし電極活性を高め、かつ安定な三
相界面を形成することができる。また、先のイオン伝導
体に遷移金属元素を添加することで電子伝導性も併せて
発現させ、電極活性を向上させている(混合伝導体)。
これにより800℃程度の比較的低温においても電極活
性が充分高い空気極材料となることを特徴とする。
−Sr)(Ga−Mg)O3あるいは混合伝導体(La
−Sr)(Ga−Mg−M)O3(M=Cr,MnC
o,Fe,Ni)を従来材である(La−Sr)MnO
3に分散させ、イオン伝導体(混合伝導体)−電子伝導
体の複合系とすることで、電極反応のおこる三相界面長
が大幅に増え、電極特性が改善される。即ち、大きな電
流を流しても、セル端子電圧の低下が少ない。
はイオン伝導体3と電子伝導体2とガス(空気)の3つ
の相が接する三相界面にのみ限定されている。ここで、
酸素イオン伝導体3を混合させ、複合材とすることで、
図1に示すごとく、この三相界面長を拡大することがで
きる。
3は、高い酸素イオン伝導性を有しているため、この様
な複合体を形成するのに適している。さらに酸素イオン
伝導体である(La−Sr)(Ga−Mg)O3に、C
r,Mn,Co,Fe,Ni等の遷移金属元素を添加
し、(La−Sr)(Ga−Mg−M)O3(M=C
r,MnCo,Fe,Ni)とすることで、電子伝導性
を付与することができる。これにより電極反応を粒内部
にも拡大することができるため、特性が更に改善する。
また、この系は、電極材料であるLa0.8Sr0.2MnO
3と同じ結晶系(ペロブスカイト系)であるため接触面
における相互拡散が起こった場合でも不導体相ができる
ことは無いため、特性の劣化がほとんど無い。この材料
を空気極に用いることで、電極特性従来材に比べ向上
し、800℃程度の低温でも1000℃動作に近い発電
特性を有する固体燃料電池用空気極材料を実現できる。
また、この三相界面が安定に存在するため、セルの作製
時、および動作時に受ける熱履歴に対してセル特性の劣
化が生じない。
然のことであるが本発明は以下の実施例に限定されるも
のではない。
示す構造の単セルで試験を行なった。図2は前記単セル
の断面図、図3は平面図であり、図中、4は燃料極、5
は固体電解質、6は空気極、7はリファレンス極(白金
ペースト)、8は集電用白金メッシュ(6mmφ)であ
る。
て(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.1 05(Al2O3)
0.005なる組成よりなる酸化物を、燃料極4にはNi−
YSZ(Ni:60mol%)(寸法18mmφ)を、
そして空気極(寸法6mmφ)6に平均粒径10ミクロ
ンのイオン伝導体A1-XBXGa1-YMgYO3(0.05
<X<0.30、0.05<Y<0.30、0.10<
X+Y<0.50)と、平均粒径1ミクロンの電子伝導
体C1-XDXMnO3(0.05<X<0.30)の複合
材を用いた。燃料極の面積を空気極に比べ大きくするこ
とで、燃料極の影響を少なくしている。
す。また、混合比は体積比で、イオン伝導体:電子伝導
体=1:2とした。本実施例に使用した単セルの作製方
法を以下に示す。まずドクターブレード法により固体電
解質のセラミックス薄板のグリーンシートを形成し16
00℃で焼上げる。これにスクリーンプリントで燃料極
にNi−YSZを塗布し(18mm径)1400℃で焼
き、この後、上記の空気極を塗布し(6mm径)110
0℃で焼き付けた。図2の空気極、燃料極の厚みは0.
1mm、固体電解質の厚みを0.3mmとし、10mm
φの単セルを形成した。
g0.15O3とLa0.8Sr0.2MnO3の複合体とした時の
単セルの水素−酸素雰囲気800℃における電流密度−
電圧特性を示す。ここで、電流密度は、空気極の面積を
基にして求めた値である。比較のために上記の単セルの
空気極だけをLa0.8Sr0.2MnO3としたセルの特性
も同時に示す。表2−1及び表2−2に空気極における
セル端子電圧の空気極におけるイオン伝導体の組成依存
性を示す。ここで、セル端子電圧は電流密度が1.0A
/cm2時の値である。表1−1では、複合型空気極の
イオン伝導材の組成を変化させ、表1−2では、複合型
空気極の電子伝導材の組成を変化させた時のセル端子電
圧を示してある。これら本発明の空気極を用いた時は、
いずれも従来のLa0.8Sr0.2MnO3を空気極に用い
たセルに比べ良好な特性を示した。
導体組成への依存性
の材料のイオン伝導体に遷移金属を添加した組成にして
実施例1と同様の実験を行った。表3−1及び表3−2
に示す様に実施例1に比べても更にセル特性が改善さ
れ、従来材料であるLa0.8Sr0.2MnO3に比べいず
れも良好な結果を得た。
導体組成への依存性
値。 ** 電子伝導体として、La0.8Sr0.2MnO
3を用い、 混合比はイオン伝導体:電子伝導体=1:2とした。
導体組成への依存性(添加遷移金属元素依存性)
値。 ** 電子伝導体として、La0.8Sr0.2MnO
3を用い、 混合比はイオン伝導体:電子伝導体=1:2とした。
の組成をLa0.8Sr0.2(Ga0.85Mg0.15)0.9Co
0.1O3に固定し、混合伝導体と電子伝導体との混合比だ
けを1:0.5から1:20まで変化させて実施例2と
同様の実験を行った。表4に示す様に実施例2とほぼ同
様に従来材料であるLa0.8Sr0.2MnO3に比べいず
れも良好な結果を得た。またイオン導電体と電子伝導体
の混合比を上記の範囲に変化させた場合も場合でも同様
な結果を示した。
池の空気極材料を、イオン伝導体A1- XBXGa1-YMgY
O3(0.05<X<0.30、0.05<Y<0.3
0、0.10<X+Y<0.50)あるいはA1-XB
X(Ga1-ZMgZ)1-YMYO3、(0.05<X<0.3
0、0.005<Y<0.300、0.05<Z<0.
300、M=Cr、Mn、Fe、Co、Ni)と、電子
伝導体C1-XDXMnO3(0.05<X<0.30)
(A及びCはLa、Pr、Nd、Smの何れか、で且
つ、Dは、Sr、Caの何れか、または、両方を含む)
の複合材とすることで、電極活性が高く800℃でも小
さな通電圧で、従来材料のLa0.8Sr0.2MnO3に比
べ優れた特性を有するセルを得ることに成功した。本発
明は固体燃料電池の高効率動作化に大きな貢献をなすも
のである。
す図。
Claims (4)
- 【請求項1】固体電解質とそれに隣接して設けられた多
孔質な空気極および燃料極からなるセル、そして、それ
らを電気的に接続するインターコネクタを有し、燃料ガ
スと空気または酸素ガスとの化学反応を電気エネルギー
に変換する低温動作固体燃料電池用空気極材料におい
て、前記空気極がイオン伝導体A1−XBXGa1−Y
MgYO3(0.05<X<0.30、0.05<Y<
0.30、0.10<X+Y<0.50)と、電子伝導
体C1−XDXMnO3(0.05<X<0.30)の
複合材からなり、且つA及びCはLa、Pr、Nd、S
mの何れかであり、且つB及びDは、Sr、Caの何れ
か、または、両方を含み、その合計の含有率が0.05
〜0.30であることを特徴とする低温動作固体燃料電
池用複合型空気極材料。 - 【請求項2】請求項1において、イオン伝導体A1−X
BXGa1−YMgYO3と電子伝導体C1−XDXM
nO3の混合比が、体積比で、1:0.5〜1:20で
あることを特徴とする低温動作固体燃料電池用複合型空
気極材料。 - 【請求項3】固体電解質とそれに隣接して設けられた多
孔質な空気極および燃料極からなるセル、そして、それ
らを電気的に接続するインターコネクタを有し、燃料ガ
スと空気または酸素ガスとの化学反応を電気エネルギー
に変換する低温動作固体燃料電池用空気極材料におい
て、前記空気極がイオン伝導体に遷移金属元素を添加し
た混合伝導体A1−XBX(Ga1−ZMgZ)1−Y
MYO3、(0.05<X<0.30、0.005<Y
<0.300、0.05<Z<0.300、M=Cr、
Mn、Fe、Co、Ni)と、電子伝導体C1−XDX
MnO3(0.05<X<0.30)との複合材からな
り、且つA及びCはLa、Pr、Nd、Smの何れかで
あり、且つB及びDは、Sr、Caの何れか、または、
両方を含み、その合計の含有率が0.05〜0.30で
あることを特徴とする低温動作固体燃料電池用複合型空
気極材料。 - 【請求項4】請求項3において、イオン伝導体に遷移金
属元素を添加した混合伝導体A1−XBX(Ga1−Z
MgZ)1−YMYO3と電子伝導体C1−XDXMn
O3の混合比が、体積比で、1:0.5〜1:20であ
ることを特徴とする低温動作固体燃料電池用複合型空気
極材料。
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JP07447397A JP3381544B2 (ja) | 1997-03-11 | 1997-03-11 | 低温動作固体燃料電池用複合型空気極材料 |
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JP07447397A Expired - Fee Related JP3381544B2 (ja) | 1997-03-11 | 1997-03-11 | 低温動作固体燃料電池用複合型空気極材料 |
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- 1997-03-11 JP JP07447397A patent/JP3381544B2/ja not_active Expired - Fee Related
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