JP2002337640A - 自動車用エアバッグドアの表皮 - Google Patents

自動車用エアバッグドアの表皮

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JP2002337640A
JP2002337640A JP2001148862A JP2001148862A JP2002337640A JP 2002337640 A JP2002337640 A JP 2002337640A JP 2001148862 A JP2001148862 A JP 2001148862A JP 2001148862 A JP2001148862 A JP 2001148862A JP 2002337640 A JP2002337640 A JP 2002337640A
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airbag door
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slit
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Toshikiyo Miho
豪心 三保
Hozumi Noda
穂積 野田
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Daikyo Nishikawa Corp
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Nishikawa Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアバッグドア部の意匠性を阻害することな
くその開動作の応答性を良くする。 【解決手段】 エアバッグドア部35に対応する部分に
形成された表皮破断予定部37が自動車の衝突時に破断
してエアバッグドア部35を開くようにした弾性を有す
る熱可塑性樹脂からなる表皮3において、多数の垂直針
穴39を貫通形成し、これら垂直針穴39で表皮破断予
定部37を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車の衝突時
に作動して展開するエアバッグの展開圧力で表皮破断予
定部が破断してエアバッグドア部を開くようにした自動
車用エアバッグドアの表皮に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車に設けられているエアバッグドア
においては、エアバッグドア部が開き易いように表皮の
裏側にエアバッグドア部に対応して脆弱部からなる表皮
破断予定部を形成することが行われている。この表皮破
断予定部を形成するやり方として、例えば特開平10−
119690号公報では、スリットを表皮裏側に表皮表
面に達しないように形成している。また、特開平10−
119691号公報では、上記のスリットの例に加え
て、多数の針穴を表皮裏側に表皮表面に達しないように
形成している。さらに、特開2000−95056号公
報では、多数の点状に凹んだ凹陥部を表皮裏側に表皮表
面に達しないように形成している。このようにスリッ
ト、針穴及び凹陥部を表皮表面に達しないようにしてい
るのは、これらが表皮表側から見えるとエアバッグドア
部の意匠性を阻害するからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の三例
共、脆弱部からなる表皮破断予定部によりエアバッグド
ア部を開き易くしてはいるものの、表皮破断予定部を形
成しているスリット、針穴及び凹陥部はいずれも表皮表
面に達しておらず、これらスリット等が形成されていな
い表皮表側部分は破断し難いため、エアバッグドア部を
さらに開き易くするためには改善の余地がある。
【0004】この発明はかかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、エアバッグドア部の
意匠性を阻害することなくその開動作の応答性を良くす
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明は、表皮に貫通形成した針穴等の脆弱部か
らなる表皮破断予定部を表皮表側から見えないようにし
たことを特徴とする。
【0006】具体的には、この発明は、エアバッグドア
部を有する自動車用エアバッグドアの意匠面を構成し、
上記エアバッグドア部に対応する部分に表皮破断予定部
が形成され、自動車の衝突時に上記表皮破断予定部が破
断して上記エアバッグドア部を開くようにした弾性を有
する熱可塑性樹脂からなる表皮を前提とし、次のような
解決手段を講じた。
【0007】すなわち、請求項1に記載の発明は、上記
前提において、上記表皮破断予定部は、所定間隔をあけ
て貫通形成された多数の針穴で構成されていることを特
徴とする。
【0008】上記の構成により、請求項1に記載の発明
では、多数の針穴が表皮を貫通しているため、針穴が途
中までしか形成されていない場合に比べて表皮が表皮破
断予定部に沿って破断し易くなり、エアバッグドア部が
速やかに開く。
【0009】また、表皮を貫通する針穴は表皮の弾性復
元力により塞がるため表皮表側から見えず、エアバッグ
ドア部の意匠性が向上する。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、各針穴は、表皮表面に対して略垂直に
貫通する垂直針穴であり、相隣る垂直針穴間には、一方
の垂直針穴の表皮表側と他方の垂直針穴の表皮裏側とを
橋絡するように傾斜針穴が形成されていることを特徴と
する。
【0011】上記の構成により、請求項2に記載の発明
では、垂直針穴と傾斜針穴とが交互に連続した状態とな
って並んでいるため、表皮が表皮破断予定部に沿ってよ
り破断し易くなり、エアバッグドア部が一層速やかに開
く。
【0012】請求項3に記載の発明は、上記前提におい
て、上記表皮破断予定部は、表皮表側に所定間隔をあけ
て貫通形成された多数の小穴と、上記各小穴と連通し表
皮裏側から表皮肉厚方向中間まで形成されたスリットと
で構成されていることを特徴とする。
【0013】上記の構成により、請求項3に記載の発明
では、表皮裏側が表皮肉厚方向中間まで切れているた
め、表皮が表皮破断予定部に沿ってさらに破断し易くな
り、エアバッグドア部がより一層速やかに開く。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、スリットは、表皮裏面視で略くの字形
に形成された多数の短寸スリットで構成され、相隣る短
寸スリットは相互に交差して連続したスリットを形成し
ていることを特徴とする。
【0015】上記の構成により、請求項4に記載の発明
では、スリットは略くの字形の多数の短寸スリットで形
成されているため、個々の短寸スリットが表皮破断予定
部から位置ずれしていても、短寸スリットの略くの字形
の形状によって相隣る短寸スリットが連続し、表皮破断
予定部の破断性能が確保される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面に基づいて説明する。
【0017】(実施形態1)図2は自動車のインストル
メントパネル1を示し、このインストルメントパネル1
は後述するエアバッグ装置15(図1に現れる)を備え
ている。本例では、エアバッグ装置15が運転席側方の
助手席前方に配置されたフロントエアバッグ装置であ
り、エアバッグ装置15が車体前後方向からの衝撃から
助手席の乗員を保護するようになっているが、運転者を
保護するためにステアリングハンドルのパッドにも適用
することができるものである。その他、センターピラー
ガーニッシュ等の車両用内装品にエアバッグ装置15を
装備した場合にも適用することができる。
【0018】図1に示すように、上記インストルメント
パネル1は、弾性を有するポリ塩化ビニル(PVC)等
の熱可塑性樹脂からなる表皮3と、ポリプロピレン(P
P)等からなる芯材5と、該芯材5と上記表皮3との間
に発泡ウレタン樹脂原料等を注入して発泡硬化させて一
体成形したウレタンフォーム等からなる発泡層7とで構
成され、上記表皮3には発泡層7があることで感触の良
いソフト感が付与されている。
【0019】上記芯材5のエアバッグ装置15の装着箇
所には矩形開口部9が形成され、この矩形開口部9には
ドア芯材5aが嵌合され、該ドア芯材5aに突設された
車両前後方向の係止爪11を上記矩形開口部9周縁に係
止させることで、上記ドア芯材5aが矩形開口部9に取
り付けられている。上記ドア芯材5aの裏面には、車両
前後方向に取付プレート13が突設され、これら取付プ
レート13にエアバッグ装置15が装着されている。な
お、図1中、17は芯材5と発泡層7と表皮3との一体
成形時に原料漏れを防止するために芯材5の矩形開口部
9周縁とドア芯材5a周縁とに跨って貼着されたシール
テープである。
【0020】上記エアバッグ装置15は、折り畳んだ状
態のエアバッグ19と、インフレータ20とが収納され
たエアバッグケース21を備え、このエアバッグケース
21の前後には、係止爪23aを有する係止プレート2
3が設けられていて、上記前後の取付プレート13の係
合孔13aに上記係止プレート23の係止爪23aを係
合させることで上記エアバッグケース21が取付プレー
ト13に取り付けられ、上記エアバッグ装置15がイン
ストルメントパネル1の裏側に配置されている。
【0021】そして、上記エアバッグ装置15の装着箇
所に対応するインストルメントパネル1部分をエアバッ
グドア25としている。つまり、このエアバッグドア2
5は、上記表皮3、ドア芯材5a及び発泡層7の三者で
もって構成され、上記表皮3はエアバッグドア25の意
匠面を構成するとともに、インストルメントパネル1の
意匠面を構成している。
【0022】上記エアバッグドア25のドア芯材5a裏
側には、図2に一点鎖線で示すように、車両前方側と後
方側とで車幅方向に延びる断面V字形の2つの横長凹部
27が凹設され、この横長凹部27が凹設されることで
薄肉となった部分によりヒンジ29が構成されている。
また、上記2つの横長凹部27間には、図2に破線で示
すように、断面V字形の横長H字形凹部31が上記横長
凹部27よりも深く凹設され、この横長H字形凹部31
が凹設されることで薄肉となった部分により芯材破断予
定部33が構成されている。上記横長H字形凹部31
は、車幅方向に延びる横長凹部31aと、この横長凹部
31aの両端から車両前後方向に延びる2つの縦長凹部
31bとからなる。これら2つの縦長凹部31bの両端
は、上記ヒンジ29を構成する2つの横長凹部27の両
端に連結され、これらにより囲まれる矩形領域をエアバ
ッグドア25のエアバッグドア部35としている。
【0023】一方、上記表皮3のエアバッグドア部35
に対応する部分には、横長H字形の表皮破断予定部37
が上記芯材破断予定部33に重なるように形成され、こ
れら芯材破断予定部33及び表皮破断予定部37とヒン
ジ29とで区画される車両前方側の矩形領域により車両
前方側ドア部35aが、車両後方側の矩形領域により車
両後方側ドア部35bがそれぞれ形成され、自動車が衝
突すると、エアバッグ19がインフレータ20の作動に
よって展開し、その展開圧力で上記芯材破断予定部33
及び表皮破断予定部37が破断することにより、上記車
両前方側ドア部35aが車両前方上向きに、上記車両後
方側ドア部35bが車両後方上向きにそれぞれヒンジ2
9を支点として開くようになっている。
【0024】この実施形態1の特徴として、上記表皮破
断予定部37は、所定間隔(例えば0.5mm間隔)を
あけて表皮3表面に対して略垂直に貫通形成された多数
の垂直針穴39で構成されている(図1の拡大図参
照)。これら垂直針穴39は、図4に示すように、表皮
セット治具41と針駆動装置43とを備えた表皮破断予
定部形成装置45で形成される。その形成の要領は、表
皮3を表皮セット治具41にセットし、針駆動装置43
を起動させて針47を上下に駆動させながら上記表皮3
又は表皮セット治具41を水平に移動させ、ミシン掛け
の要領にて行われる。図3(a)は針47を表皮3に貫
通した状態であり、この垂直針穴39を上記表皮破断予
定部形成装置45で図3(c)のように所定間隔をあけ
て貫通形成する。図3(b)は上記貫通した針47を表
皮3から抜いた状態である。各図共、上側が表皮3裏側
であり、下側が表皮3表側である。
【0025】図3(a)では針47が表皮3を貫通して
いるため、垂直針穴39は径方向に拡がった状態となっ
ているが、図3(b)では針47が抜かれているため、
表皮3の弾性復元力により垂直針穴39は塞がって表皮
3表側から見えず、恰も垂直針穴39がないかの如き状
態となっていてエアバッグドア部35の意匠性を向上さ
せることができる。また、上述の如く多数の垂直針穴3
9が表皮3を貫通していることから、針穴が途中までし
か形成されていない場合に比べて表皮3を表皮破断予定
部37に沿って破断し易くすることができ、エアバッグ
ドア部35を速やかに開くことができる。
【0026】(実施形態2)図5はこの発明の実施形態
2に係るエアバッグドア25の表皮3を示す。図5は図
3(c)に相当する図面であり、上記の実施形態1の垂
直針穴39に加えて傾斜針穴49を形成して表皮破断予
定部37を構成している。つまり、多数の垂直針穴39
を表皮3表面に対して略垂直に貫通形成するとともに、
相隣る垂直針穴39間に一方の垂直針穴39の表皮3表
側と他方の垂直針穴39の表皮3裏側とを橋絡するよう
に傾斜針穴49を形成している。
【0027】したがって、この実施形態2では、実施形
態1で述べた作用効果を奏することができるものであ
る。加えて、垂直針穴39と傾斜針穴49とが交互に連
続した状態となって並んでいることから、表皮3を表皮
破断予定部37に沿ってより破断し易くすることがで
き、エアバッグドア部35を一層速やかに開くことがで
きる。
【0028】(実施形態3)図6はこの発明の実施形態
3に係るエアバッグドア25の表皮3を示す。この実施
形態3では、表皮破断予定部37を、図6(a),
(b)に示すように、表皮3表側に所定間隔をあけて貫
通形成された多数の小穴51と、上記各小穴51と連通
し表皮3裏側から表皮3肉厚方向中間まで形成された直
線形のスリット53とで構成している。図6(a)は上
側が表皮3裏側であり、下側が表皮3表側である。図6
(b)は表皮を裏側から見た裏面図である。その形成の
要領は、図6(e)に示すように、偏平なプレート部5
5aの下端に錐状の突起55bが突設された表皮破断予
定部形成刃55を用いて行われる。この表皮破断予定部
形成刃55のプレート部55aの厚みは、下端に行くに
従って次第に薄くなっている。
【0029】上記スリット53は、表皮3裏面視で直線
形に形成された多数の短寸スリット53aで構成され、
相隣る短寸スリット53aは相互に重なって連続したス
リット53を形成している。
【0030】このようなスリット53は次のようにして
形成される。つまり、図6(c),(d)に示すよう
に、上記表皮破断予定部形成刃55を表皮3の表皮破断
予定部37となる箇所に表皮3裏側から順に押し付けて
上記突起55bを表皮3表側に貫通させる。この際、上
記プレート部55aで形成される相隣る直線形の短寸ス
リット53aが互いに重なるように上記表皮破断予定部
形成刃55を表皮3裏側に押し付ける。
【0031】したがって、この実施形態3では、実施形
態1で述べた作用効果を奏することができるものであ
る。加えて、表皮3裏側をスリット53により表皮破断
予定部37に沿って長尺の溝状に形成していることか
ら、表皮3を表皮破断予定部37に沿って実施形態2の
場合よりも破断し易くすることが、エアバッグドア部3
5をより一層速やかに開くことができる。
【0032】(実施形態4)図7はこの発明の実施形態
4に係るエアバッグドア25の表皮3を示す。この実施
形態3では、表皮破断予定部37を、図7(a),
(b)に示すように、表皮3表側に所定間隔をあけて貫
通形成された多数の小穴51と、上記各小穴51と連通
し表皮3裏側から表皮3肉厚方向中間まで形成されたジ
グザグに蛇行するスリット53とで構成している。図7
(a)は上側が表皮3裏側であり、下側が表皮3表側で
ある。図7(b)は表皮を裏側から見た裏面図である。
その形成の要領は、図7(e)に示すように、略くの字
形に折れ曲がったプレート部55aの下端に錐状の突起
55bが突設された表皮破断予定部形成刃55を用いて
行われる。この表皮破断予定部形成刃55のプレート部
55aの厚みも、実施形態3の場合と同様に、下端に行
くに従って次第に薄くなっている。
【0033】上記スリット53は、表皮3裏面視で略く
の字形に形成された多数の短寸スリット53aで構成さ
れ、相隣る短寸スリット53aは相互に交差して連続し
たスリット53を形成している。
【0034】このようなスリット53は次のようにして
形成される。つまり、図7(c),(d)に示すよう
に、上記表皮破断予定部形成刃55を表皮3の表皮破断
予定部37となる箇所に表皮3裏側から順に押し付けて
上記突起55bを表皮3表側に貫通させる。この際、上
記プレート部55aで形成される相隣る略くの字形の短
寸スリット53aが互いに重なるように上記表皮破断予
定部形成刃55を表皮3裏側に押し付ける。
【0035】したがって、この実施形態4では、実施形
態1で述べた作用効果を奏することができるものであ
る。加えて、表皮3裏側をスリット53により表皮破断
予定部37に沿って長尺の溝状に形成していることか
ら、表皮3を表皮破断予定部37に沿って実施形態2の
場合よりも破断し易くすることが、エアバッグドア部3
5をより一層速やかに開くことができることは実施形態
3と同様である。さらに、スリット53を略くの字形の
多数の短寸スリット53aで形成していることから、個
々の短寸スリット53aが表皮破断予定部37から位置
ずれしていても、短寸スリット53aの略くの字形の形
状によって相隣る短寸スリット53aが連続し、表皮破
断予定部37の破断性能を確保することができる。
【0036】図8は実施形態3において、表皮3表側に
貫通する小穴51がない状態の表皮破断予定部37が形
成されたエアバッグドア25の表皮3を示す。つまり、
表皮破断予定部37を、図8(a),(b)に示すよう
に、表皮3裏側から表皮3肉厚方向中間まで形成された
直線形のスリット53のみで構成している。図8(a)
は上側が表皮3裏側であり、下側が表皮3表側である。
図8(b)は表皮を裏側から見た裏面図である。その形
成の要領は、図8(e)に示すように、偏平なプレート
状の表皮破断予定部形成刃55を用いて行われる。この
表皮破断予定部形成刃55の厚みも、実施形態3のプレ
ート部55aのように下端に行くに従って次第に薄くな
っている。
【0037】上記スリット53は、表皮3裏面視で直線
形に形成された多数の短寸スリット53aで構成され、
相隣る短寸スリット53aは相互に重なって連続したス
リット53を形成している。
【0038】このようなスリット53は次のようにして
形成される。つまり、図8(c),(d)に示すよう
に、上記表皮破断予定部形成刃55を表皮3の表皮破断
予定部37となる箇所に表皮3裏側から順に押し付けて
上記突起55bを表皮3表側に貫通させる。この際、上
記プレート部55aで形成される相隣る直線形の短寸ス
リット53aが互いに重なるように上記表皮破断予定部
形成刃55を表皮3裏側に押し付ける。
【0039】したがって、本例では、実施形態1〜4の
垂直針穴39及び小穴51による表皮貫通効果はない
が、表皮3裏側をスリット53により表皮破断予定部3
7に沿って長尺の溝状に形成することによる破断効果は
実施形態3,4と同様に得ることができる。
【0040】なお、上記の各例では、表皮破断予定部3
7を横長H字形に形成して2枚のエアバッグドア部と
し、その車両前方側ドア部35aと車両後方側ドア部3
5bとが車両前後方向に上向きに開くようにしたが、表
皮破断予定部37をU字形に形成して1枚のエアバッグ
ドア部を車両前方に上向きに開くようにした場合や、表
皮破断予定部37を横倒しH字形に形成して左側ドア部
と右側ドア部とが車幅方向に上向きに開くようにした場
合にも適用することができるものである。
【0041】また、エアバッグドア部35のドア芯材5
aをインストルメントパネル1のドア芯材5aと別体に
形成したが、芯材5がパネル全体に亘って一体に連続し
た一枚物であってもよく、さらには、表皮3と芯材5だ
けで発泡層7のないインストルメントパネル1にも適用
することができるものである。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、表皮を貫通する多数の針穴で表皮破断予定
部を構成したので、表皮を表皮破断予定部に沿って破断
し易くしてエアバッグドア部を速やかに開くことができ
る。また、上記針穴を表皮の弾性復元力により塞いで表
皮表側から見えないようにしているので、エアバッグド
ア部の意匠性を向上させることができる。
【0043】請求項2に係る発明によれば、針穴を表皮
表面に対して略垂直に貫通する垂直針穴と、相隣る垂直
針穴間に一方の垂直針穴の表皮表側と他方の垂直針穴の
表皮裏側とを橋絡するように形成された傾斜針穴とで構
成したので、垂直針穴と傾斜針穴とが連続して表皮を表
皮破断予定部に沿ってより破断し易くしてエアバッグド
ア部を一層速やかに開くことができる。
【0044】請求項3に係る発明によれば、表皮破断予
定部を表皮表側に貫通する多数の小穴と、上記各小穴と
連通し表皮裏側から表皮肉厚方向中間まで形成されたス
リットとで構成したので、表皮裏側がスリットにより表
皮肉厚方向中間まで切れており、表皮を表皮破断予定部
に沿ってさらに破断し易くしてエアバッグドア部をより
一層速やかに開くことができる。
【0045】請求項4に係る発明によれば、スリットを
表皮裏面視で略くの字形に形成された多数の短寸スリッ
トで構成し、相隣る短寸スリットを相互に交差させて連
続したスリットとしているので、個々の短寸スリットが
表皮破断予定部から位置ずれしていても、短寸スリット
の略くの字形の形状によって相隣る短寸スリットを連続
させて表皮破断予定部の破断性能を確保することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI−I線における断面図である。
【図2】この発明の実施形態1に係る表皮が適用された
エアバッグドアを備えたインストルメントパネルの斜視
図である。
【図3】実施形態1において表皮破断予定部の形成要領
を説明する断面図であり、(a)は針を表皮に裏側から
貫通した状態の断面図、(b)は貫通した針を表皮から
抜いた状態の断面図、(c)は多数の針穴からなる表皮
破断予定部が形成された状態の断面図をそれぞれ示す。
【図4】表皮破断予定部形成装置の概略図である。
【図5】実施形態2において多数の針穴からなる表皮破
断予定部が形成された状態の断面図である。
【図6】実施形態3において表皮破断予定部の形成要領
を説明する図面であり、(a)は多数の小穴とスリット
とからなる表皮破断予定部が形成された状態の断面図、
(b)はその裏面図、(c)は表皮破断予定部の形成要
領を説明する断面図、(d)はその裏面図、(e)は表
皮破断予定部形成刃の斜視図である。
【図7】実施形態4において表皮破断予定部の形成要領
を説明する図面であり、(a)は多数の小穴とスリット
とからなる表皮破断予定部が形成された状態の断面図、
(b)はその裏面図、(c)は表皮破断予定部の形成要
領を説明する断面図、(d)はその裏面図、(e)は表
皮破断予定部形成刃の斜視図である。
【図8】表皮を表面から貫通する小穴がなくスリットの
みからなる表皮破断予定部の形成要領を説明する図面で
あり、(a)は表皮破断予定部が形成された状態の断面
図、(b)はその裏面図、(c)は表皮破断予定部の形
成要領を説明する断面図、(d)はその裏面図、(e)
は表皮破断予定部形成刃の斜視図である。
【符号の説明】
3 表皮 25 エアバッグドア 35 エアバッグドア部 37 表皮破断予定部 39 垂直針穴 49 傾斜針穴 51 小穴 53 スリット 53a 短寸スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D044 BA01 BA07 BC03 BC13 3D054 AA03 AA14 AA18 BB09 BB10 BB16 BB23 BB24 BB30 DD13 EE20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアバッグドア部を有する自動車用エア
    バッグドアの意匠面を構成し、上記エアバッグドア部に
    対応する部分に表皮破断予定部が形成され、自動車の衝
    突時に上記表皮破断予定部が破断して上記エアバッグド
    ア部を開くようにした弾性を有する熱可塑性樹脂からな
    る表皮であって、 上記表皮破断予定部は、所定間隔をあけて貫通形成され
    た多数の針穴で構成されていることを特徴とする自動車
    用エアバッグドアの表皮。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動車用エアバッグドア
    の表皮において、 各針穴は、表皮表面に対して略垂直に貫通する垂直針穴
    であり、 相隣る垂直針穴間には、一方の垂直針穴の表皮表側と他
    方の垂直針穴の表皮裏側とを橋絡するように傾斜針穴が
    形成されていることを特徴とする自動車用エアバッグド
    アの表皮。
  3. 【請求項3】 エアバッグドア部を有する自動車用エア
    バッグドアの意匠面を構成し、上記エアバッグドア部に
    対応する部分に表皮破断予定部が形成され、自動車の衝
    突時に上記表皮破断予定部が破断して上記エアバッグド
    ア部を開くようにした弾性を有する熱可塑性樹脂からな
    る表皮であって、 上記表皮破断予定部は、表皮表側に所定間隔をあけて貫
    通形成された多数の小穴と、 上記各小穴と連通し表皮裏側から表皮肉厚方向中間まで
    形成されたスリットとで構成されていることを特徴とす
    る自動車用エアバッグドアの表皮。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の自動車用エアバッグドア
    の表皮において、 スリットは、表皮裏面視で略くの字形に形成された多数
    の短寸スリットで構成され、相隣る短寸スリットは相互
    に交差して連続したスリットを形成していることを特徴
    とする自動車用エアバッグドアの表皮。
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