JP2002337266A - 耐カジリ性,塗膜密着性に優れた塗装鋼板及び塗料組成物 - Google Patents

耐カジリ性,塗膜密着性に優れた塗装鋼板及び塗料組成物

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JP2002337266A JP2001151969A JP2001151969A JP2002337266A JP 2002337266 A JP2002337266 A JP 2002337266A JP 2001151969 A JP2001151969 A JP 2001151969A JP 2001151969 A JP2001151969 A JP 2001151969A JP 2002337266 A JP2002337266 A JP 2002337266A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 下地鋼板/樹脂塗膜の界面にエポキシ変性ア
クリル樹脂を濃化させることにより塗膜密着性,加工性
に優れ、プレス成形時にカジリ疵の発生が抑制された塗
装鋼板を得る。 【構成】 この塗装鋼板は、ウレタン樹脂及びエポキシ
変性アクリル樹脂からなる混合樹脂の単層塗膜が直接又
は化成処理皮膜を介して下地鋼板の表面に形成されてお
り、単層塗膜と下地鋼板との界面又は単層塗膜と化成処
理皮膜との界面にエポキシ変性アクリル樹脂が濃化して
いる。混合樹脂塗膜には、ワックス,合成樹脂粉末,金
属石鹸等の有機潤滑剤やシリカ,アルミナ,二硫化モリ
ブデン,二硫化タングステン,黒鉛等の無機潤滑剤を分
散させてもよい。混合樹脂塗膜は、エポキシ変性アクリ
ル樹脂及びウレタン樹脂を混合・調整した塗料組成物か
ら作製される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレス加工等の際に金
型が昇温しても塗膜にカジリが発生することなく、表面
状態が良好な成形品に加工できる塗装鋼板及び該塗装鋼
板製造に使用される塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塗膜によって種々の色調や模様が塗膜に
付与された塗装鋼板は、外装材,内装材,表装材,自動
車部品等として広範な分野で使用されている。なかで
も、ステンレス鋼板を塗装原板とする塗装鋼板は、基材
が耐食性に優れていることを活用し、過酷な腐食雰囲気
に曝される機材,機器等として使用されている。鋼板表
面に形成される塗膜は、プレス成形等の加工時における
保護膜としても機能する。たとえば、潤滑性に優れたア
ルカリ可溶型の塗膜を設けたステンレス鋼板をプレス加
工すると、プレス金型との接触に起因する疵付きから鋼
板表面が保護され、成形後のアルカリ洗浄によってステ
ンレス鋼特有の美麗な表面をもった成形品が得られる。
【0003】アルカリ可溶型樹脂塗膜としては、耐カジ
リ性に優れたエポキシ変性アクリル樹脂皮膜を下層、耐
ブロッキング性に優れたアクリル樹脂を上層とする2層
塗膜が知られている(特開平8−252887号公
報)。酸価40〜90,弾性率1000〜40000N
/cm2のカルボキシル基含有ウレタン樹脂塗料を使用
すると、塗膜の形成作業が複雑な2コートを必要とせ
ず、耐カジリ性の良好な1層塗膜が形成される(特開平
9−254312号公報)。
【0004】本発明者等も、酸価40〜300,ガラス
転移温度0〜20℃のエポキシ変性アクリル樹脂を下層
塗膜とし、酸価40〜300,ガラス転移温度40〜8
0℃のの上層塗膜を設けることにより、耐カジリ性が改
善された塗装鋼板を特開平8−252887号公報で紹
介した。また、酸価40〜90,イソシアネート換算の
ウレタン含有量12〜20質量%,弾性率1000〜6
0000N/cm2(100℃),流動開始温度75〜
170℃の樹脂を含む塗料組成物を用いて塗膜を形成す
ると、1層塗膜であっても温間加工時にカジリが発生し
ない塗装鋼板が得られることを見出し、特開平11−2
68184号公報で紹介した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】エポキシ変性アクリル
樹脂/アクリル樹脂の二層構造をもつ塗膜は、エポキシ
変性アクリル樹脂塗膜(下層)によって下地鋼に対する
密着性が確保され、アクリル樹脂塗膜(上層)によって
加工性が改善される。しかし、塗装ラインの膜厚制御と
の関係から薄膜化が困難であり、安定した耐カジリ性,
加工性を発現させるために、ある程度の膜厚が要求され
る。厚い塗膜では、スポット溶接時に樹脂成分の分解に
起因して作業環境を悪化するばかりか、溶接条件自体も
不安定になる。
【0006】他方、ウレタン樹脂の単層塗膜は、熱安定
性に優れ、プレス加工時においても鋼板の変形に追従で
きる柔軟性及び皮膜強度を備えている。しかし、金型温
度が40℃以下となる加工条件では、エポキシ変性アク
リル樹脂/アクリル樹脂の二層塗膜に比較して耐カジリ
性が劣る場合がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題を解消すべく案出されたものであり、エポキシ変性ア
クリル樹脂塗膜,ウレタン樹脂塗膜それぞれのを長所を
発現させることによって、単層塗膜であっても下地鋼に
対する密着性に優れ、加工性,耐カジリ性も良好な塗膜
が形成された塗装鋼板を提供すること目的とする。
【0008】本発明の塗装鋼板は、その目的を達成する
ため、ウレタン樹脂及びエポキシ変性アクリル樹脂から
なる混合樹脂の単層塗膜が化成処理皮膜を介して下地鋼
板の表面に形成されており、単層塗膜と化成処理皮膜と
の界面にエポキシ変性アクリル樹脂が濃化していること
を特徴とする。混合樹脂の単層塗膜には、ワックス,合
成樹脂粉末,金属石鹸等の有機潤滑剤やシリカ,アルミ
ナ,二硫化モリブデン,二硫化タングステン,黒鉛等の
無機潤滑剤を分散させてもよい。界面にエポキシ変性ア
クリル樹脂が濃化した混合樹脂の単層塗膜は、エポキシ
変性アクリル樹脂及びウレタン樹脂を混合・調整した塗
料組成物を塗装原板に塗布し、焼き付けることによって
形成される。
【0009】また、塗料組成物は、互いに相溶性のある
ウレタン樹脂とエポキシ変性アクリル樹脂とを混合して
調製され、エポキシ変性アクリル樹脂を1〜60質量%
の範囲で含む。ウレタン樹脂としては、ウレタン結合含
有量がイソシアネート換算で12〜20質量%,100
℃での弾性率が1000〜60000N/cm2,流動
開始温度が75〜170℃の範囲にあるものが使用され
る。エポキシ変性アクリル樹脂には、ガラス転移温度が
−10〜30℃,エポキシ変性量が1〜20質量%の範
囲にあるものが使用される。また、ウレタン樹脂の酸価
を40〜90,エポキシ変性アクリル樹脂の酸価を40
〜300の範囲に調整すると、アルカリ可溶性に優れた
塗膜が形成される。
【0010】
【作用】本発明者等は、耐カジリ性,加工性,塗膜密着
性に良好な塗膜を形成するため、塗料の組成,塗装原板
の表面状態等について種々調査検討した。その結果、エ
ポキシ変性アクリル樹脂とウレタン樹脂とを混合した塗
料組成物をアルカリ脱脂等で表面を清浄化した塗装原板
又は更に化成処理した塗装原板に塗布すると、下地鋼板
/樹脂塗膜の界面にエポキシ変性アクリル樹脂が濃化
し、単層塗膜であるにも拘らず2層近似の塗膜構成とな
り、優れた耐カジリ性,加工性,塗膜密着性を呈する塗
膜が形成されることを見出した。
【0011】下地鋼板/樹脂塗膜の界面でのエポキシ変
性アクリル樹脂の濃化は、従来の塗料組成物から予想で
きないことであるが、次のようなメカニズムでエポキシ
変性アクリル樹脂が濃化すると推察される。塗料組成物
の成分であるエポキシ変性アクリル樹脂は、極性の強い
官能基をもっているため、ウレタン樹脂に比較して表面
自由エネルギーが大きく、下地鋼板の表面との間で表面
エネルギー差がより小さくなる。そのため、エポキシ変
性アクリル樹脂,ウレタン樹脂を配合した塗料組成物を
鋼板表面に塗布すると、樹脂塗膜と下地鋼との界面にエ
ポキシ変性アクリル樹脂が濃化する。エポキシ変性アク
リル樹脂の濃化傾向は、鋼板表面に水酸基等の極性基が
配向して表面自由エネルギーが大きくなるほど強化さ
れ、下地鋼板の表面に設けた化成処理皮膜によっても助
長される。
【0012】下地鋼板/樹脂塗膜の界面に濃化したエポ
キシ変性アクリル樹脂は、化成処理皮膜の表面に配向し
ている水酸基と水素結合し、下地鋼板に対する樹脂塗膜
の密着性を向上させる。他方、塗装原板に塗布された塗
料組成物が空気に接触する状態で凝集することによって
形成される樹脂塗膜の表層では、エポキシ変性アクリル
樹脂よりもウレタン樹脂の方が表面を低いエネルギー状
態に維持できる。そのため、表層がウレタン樹脂リッチ
になり、ウレタン樹脂特有の熱安定性,柔軟性,高皮膜
強度等に優れた特性をもつ樹脂塗膜となる。
【0013】
【実施の形態】塗装原板には、普通鋼鋼板,低合金鋼
板,ステンレス鋼板,亜鉛めっき鋼板,アルミニウムめ
っき鋼板,Zn−Al合金めっき鋼板,Zn−Al−M
g合金めっき鋼板等、各種鋼板が使用される。塗装原板
は、常法に従って脱脂,酸洗,Ni析出処理等の表面調
整を施した後、化成処理される。化成処理には、クロメ
ート処理,リン酸塩処理,クロムフリー処理等が採用さ
れる。
【0014】クロメート処理には反応型,塗布型,電解
型等、何れの処理方法も採用可能であり、下地鋼板の表
面にクロム水酸化物が形成できる条件で処理される。ク
ロメート皮膜は、Cr6+とCr3+との比率に制約が加わ
るものではなく、シリカゾル等の無機ゾルや有機樹脂等
をクロメート皮膜に添加することも可能である。クロメ
ート皮膜は、Cr換算付着量1〜200mg/m2で形
成することが好ましい。1mg/m2未満のCr換算付
着量では塗膜/クロメート皮膜の界面でエポキシ変性ア
クリル樹脂の濃化促進効果が不十分となる。逆に、20
0mg/m2を超えるCr換算付着量では、加工時にク
ロメート皮膜に歪が加わると凝集剥離が生じてカジリが
発生する場合がある。
【0015】リン酸塩処理では、Zn,Ni,Mn等の
リン酸塩を含む処理液が使用される。リン酸塩皮膜の付
着量は0.1〜3.0mg/m2の範囲が好ましく、
0.1mg/m2未満の付着量では下地鋼板/塗膜の界
面におけるエポキシ変性アクリル樹脂の濃化促進効果が
不十分で、逆に3.0mg/m2を超える付着量ではリ
ン酸塩皮膜の凝集破壊により加工時に塗膜が剥離しやす
くなる。
【0016】クロムフリー処理では、Ti,Zr,H
f,V,Nb,Ta,Mo,W等のバルブメタルの酸化
物又は水酸化物とフッ化物が共存する皮膜を形成させ
る。クロムフリー皮膜の付着量としては、たとえばチタ
ン系では1〜200mg/m2のTi換算付着量で形成
することが好ましい。Ti換算付着量が1mg/m2
満では下地鋼板/塗膜の界面でエポキシ変性アクリル樹
脂の濃化促進効果が不十分となり、逆に200mg/m
2を超えるTi換算付着量ではクロムフリー皮膜の凝集
破壊によって加工時に塗膜が剥離する虞がある。クロム
フリー皮膜は、更に可溶性又は難溶性の金属リン酸塩,
複合リン酸塩等を含むことができる。可溶性の金属リン
酸塩,複合リン酸塩には、アルカリ金属塩,アルカリ土
類金属塩,Mn等の塩が挙げられる。難溶性の金属リン
酸塩,複合リン酸塩には、Al,Ti,Zr,Hf,Z
n等の金属塩が挙げられる。
【0017】ステンレス鋼板を塗装原板に使用する場
合、前述の化成処理以外に、リン酸塩処理液やリン酸又
はリン酸化合物を含む水溶液で鋼板表面を洗浄すると、
表層のクロム酸化物がクロム水酸化物に変化するため、
下地鋼板/塗膜の界面におけるエポキシ変性アクリル樹
脂の濃化反応を一層加速できる。
【0018】ステンレス鋼板表面の清浄程度は、XPS
分析により表面から10nm以内の深さにおけるFe2
3とFeとのFe2p3/2ピーク強度比をFe23/F
eで0.1〜0.9の範囲にできる時間での洗浄が好ま
しい。Fe2p3/2ピーク強度比がFe23/Feで
0.1未満になるまで洗浄すると、部分的にエッチング
過剰となって外観が損なわれる。逆に0.9を超える程
度に洗浄すると、下地鋼板/塗膜の界面でエポキシ変性
アクリル樹脂の濃化向上効果が不十分になる。リン酸又
はリン酸化合物の濃度は、洗浄時間を短縮し作業性を向
上する上で1g/l以上にすることが好ましい。更に、
リン酸又はリン酸化合物含有水溶液に硝酸を添加する
と、ステンレス鋼板表面のエッチング作用が向上し、一
層短時間の洗浄が可能になる。このような効果は、0.
1g/l以上の硝酸濃度で顕著になる。
【0019】本発明で使用する塗料組成物は、相溶性の
あるウレタン樹脂及びエポキシ変性アクリル樹脂を混合
することによって調製される。エポキシ変性アクリル樹
脂は、下地鋼板に対する塗膜の密着性及び塗膜の熱安定
性を確保するため、1〜60質量%の比率でウレタン樹
脂と混合される。塗膜密着性はエポキシ変性アクリル樹
脂の配合比率が増加するに従って向上するが、過剰量の
エポキシ変性アクリル樹脂を配合すると熱安定性が低下
する。ウレタン樹脂及びエポキシ変性アクリル樹脂の合
成方法は特に制約を受けるものではなく、本発明の効果
が損なわれない限り常法に従って合成できる。樹脂の形
態に関しても特段の制約はないが、塗装作業性を重視す
ると有機溶剤可溶型,水分散性,水溶性等が好ましく、
作業環境に与える影響を考慮すると水分散性,水溶性が
好ましい。
【0020】ウレタン樹脂は、ウレタン結合含有量がイ
ソシアネート基(NCO)換算で12〜20質量%,1
00℃での弾性率が1000〜60000N/cm2
流動開始温度が75〜170℃の範囲にあるものが好適
である。ウレタン結合含有量がイソシアネート基(NC
O)換算で12質量%に満たないと皮膜の熱安定性及び
強度が不足し、逆に20質量%を超えると塗膜の凝集力
が大きくなりすぎて柔軟性が低下し、耐カジリ性が劣る
塗膜になりやすい。100℃での弾性率が1000N/
cm2未満では塗膜強度が不足し、プレス加工時にカジ
リが発生しやすくなる。逆に60000N/cm2を超
える弾性率では、塗膜の柔軟性が低下して耐カジリ性が
不十分になる。流動開始温度が75℃未満ではプレス加
工時に金型との摺動によって材料温度が高くなると塗膜
が軟化してカジリが発生しやすくなり、逆に170℃を
超える流動開始温度ではウレタン樹脂の凝集力が強くな
り過ぎて塗膜の柔軟性が低下し耐カジリ性が不十分とな
る。
【0021】更に、塗膜をアルカリ水溶液に対して塗膜
を可溶にするためには、樹脂構造にカルボキシル基を導
入してウレタン樹脂の酸価を40〜90の範囲に調整す
ることが好ましい。ウレタン樹脂の酸価が40未満では
塗膜の溶解性が不十分で、90を超える酸価では塗膜が
脆弱になって耐カジリ性が低下する。
【0022】エポキシ変性アクリル樹脂は、アクリル樹
脂のガラス転移温度が−10〜30℃の範囲にあるもの
が好ましい。ガラス転移温度が−10℃より低いと塗膜
強度が不足し、30℃を超えるガラス転移温度では下地
鋼板に対する塗膜の密着性が低下しやすい。アルカリ可
溶な塗膜とする場合には、分子量500〜2000のエ
ポキシオリゴマーを用いエポキシ変性量1〜20質量%
で変性させ、樹脂の酸価を40〜300の範囲に調節す
ることが好ましい。分子量500未満のエポキシオリゴ
マーでは塗膜の密着性向上効果が不十分であり、200
0を超える分子量では塗膜のアルカリ可溶性が低下す
る。また、1質量%未満のエポキシ変性量では下地鋼板
に対する塗膜の密着性が不十分で、20質量%を超える
エポキシ変性量では塗膜のアルカリ可溶性が低下する。
エポキシ変性アクリル樹脂の酸価が40未満では塗膜の
溶解性が不十分で、300を超える酸価では塗膜が脆弱
となって耐カジリ性が低下する。
【0023】ウレタン樹脂及びエポキシ変性アクリル樹
脂を配合した塗料組成物に固形潤滑剤粒子を分散させる
と、耐カジリ性及び加工性を向上できる。固形潤滑剤粒
子としては、ポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂,
フッ素樹脂等の合成樹脂粉末や二硫化モリブデン,二硫
化タングステン,黒鉛等の無機粉末が使用される。耐カ
ジリ性及び加工性は、1質量%以上の割合で固形潤滑剤
粒子を分散させることによって顕著に改善される。しか
し、30質量%を超える過剰量の固形潤滑剤粒子を配合
すると、塗料組成物の安定性が低下する。そのため、固
形潤滑剤粒子を分散させる場合には、その配合量を1〜
30質量%の範囲に設定することが好ましい。
【0024】また、シリカゾル、アルミナゾル,ジルコ
ニアゾル等の無機ゾルを塗料組成物に配合すると、塗膜
の熱安定性が向上する。そのため、たとえば金型を10
0〜200℃に加熱する温間加工時等においても塗膜の
軟化が防止され,更に良好な耐カジリ性が発現される。
塗膜の熱安定性は,1質量%以上の割合で無機ゾルを配
合したとき顕著に向上する。しかし,30質量%を超え
る過剰量の無機ゾルを配合すると、塗料組成物がゲル化
しやすくなる。
【0025】塗料組成物には、目的に応じて各種添加材
を適宜添加できる。この種の添加材としては、カーボン
ブラック,二酸化チタン,フタロシアニンブルー等の着
色剤、炭酸カルシウム,クレー,タルク等の体質顔料や
各種潤滑剤が挙げられる。所定組成に調製された塗料組
成物は、常法に従って下地鋼板表面に塗布され、焼成・
乾燥することにより塗膜となる。塗布方法に関しては特
段の制約がなく、たとえばブラシ,ローラ,ロールコー
タ,バーコータ,フローコータ,シャワーリング,スプ
レー等から経済性及び生産性を考慮して塗装方法を選択
し、均一塗膜が形成されるように下地鋼板表面に塗料組
成物を塗布し、常温乾燥,強制乾燥等で乾燥することに
よって塗膜が形成される。
【0026】下地鋼板表面に形成される塗膜は、膜厚を
0.2〜10μmの範囲に調整することが好ましい。膜
厚が0.2μm未満では、塗装鋼板に高面圧が加わる加
工条件下でカジリが発生しやすい。逆に、10μmを超
える厚膜では、下地鋼板の変形に追従することで生じる
塗膜の内部応力が大きくなって塗膜が剥離しやすくなる
ため、耐カジリ性が低下する。
【0027】下地鋼板表面に形成された塗膜は、下地鋼
板/塗膜の界面にエポキシ変性アクリル樹脂が濃化し、
その上にウレタン樹脂,エポキシ変性アクリル樹脂が混
在した塗膜構造をもっている。このような塗膜構造は、
飛行時間型二次イオン質量分析計(TDF−SIMS)
を用いて塗膜を深さ方向に分析することにより確認でき
る。この分析法では、ウレタン樹脂及びエポキシ変性ア
クリル樹脂それぞれに特徴的なピークを予め求めてお
き、下地鋼板表面にある塗膜の断面についてそれぞれの
特徴的なピーク成分で二次イオンマッピングすることに
より、ウレタン樹脂及びエポキシ変性アクリル樹脂の分
布状態が把握される。たとえば、本発明者等による調査
結果では、アルカリ脱脂によって表面を清浄化したステ
ンレス鋼板,更にリン酸/硝酸の混酸で洗浄したステン
レス鋼板に塗料組成物を塗布・乾燥して形成した塗膜の
断面をTDF−SIMS分析すると、下地鋼板/塗膜の
界面に濃化したエポキシ変性アクリル樹脂が検出され
る。
【0028】
【実施例1】2,2-ジメチロールプロピオン酸,ヘキサメ
チレンジイソシアネート,アジピン酸,1,4-ブチレング
リコール,エチレングリコール系ポリエステルポリオー
ルの各成分を変化させて反応させることによりウレタン
結合含有量,100℃での弾性率,流動開始温度,酸価
を調整したウレタン樹脂のエマルジョン処理液を用意し
た。また、メチルメタクリレート,ブチルアクリレー
ト,メタクリル酸の各成分を変化させて共重合させるこ
とにより、ガラス転移温度,酸価が異なるアクリル樹脂
を合成し、ビスフェノールA型エポキシオリゴマーを反
応させることによりエポキシ変性アクリル樹脂のエマル
ジョン処理液を用意した。両エマルジョン処理液を混合
し、表1の組成をもつ塗料組成物を調整した。比較のた
め、ウレタン樹脂単独の塗料,ウレタン樹脂とアクリル
樹脂を混合した塗料も用意した。
【0029】
【0030】塗装原板には、BA仕上げした板厚0.8
mmのSUS304ステンレス鋼板を用い、アルカリ脱
脂によって表面を清浄化したステンレス鋼板,更にリン
酸/硝酸の混酸水溶液(リン酸12g/l,硝酸1.7
g/l,浴温60℃)に10秒間浸漬して水洗・乾燥す
ることにより鋼板表面から10nm以内の深さにおける
Fe23とFeのFe2p3/2ピーク強度比がFe23
/Feで0.3のステンレス鋼板を用意した。各塗装原
板に塗料組成物をロールコータで塗布し、到達板温が1
20℃となるように乾燥することにより塗膜を形成し
た。
【0031】各塗装鋼板から試験片を切り出し、カジリ
試験,加工試験,塗膜溶解試験に供した。カジリ試験で
は、金型温度を種々変化させてポンチ径40mm,絞り
比2.45,皺押え圧力20kNの条件下で円板状試験
片を円筒絞り加工し、加工部の塗膜残存率が80%以上
を◎,60〜80%を○,40〜60%を△,40%未
満を×として耐カジリ性を評価した。
【0032】加工試験では、金型温度20℃,ポンチ径
40mm,絞り比2.30,皺押え圧力18kNの条件
下で円板状試験片を円筒絞り加工し、加工前の試験片直
径D 1に対する加工後の試験片直径D2の比D2/D1
0.85未満を◎,0.85〜0.90を○,0.90
〜0.95を△,0.95以上を×として加工性を評価
した。塗膜溶解試験では、pH12,液温40℃のNa
OH溶液に試験片を浸漬し、2分以内で塗膜が溶解除去
されたものを○,塗膜の溶解除去に要した時間が2〜5
分を△,5分以上かかったものを×として塗膜のアルカ
リ可溶性を評価した。
【0033】表2の試験結果にみられるように、本発明
に従って塗膜を形成した試験番号1〜12では、何れも
耐カジリ性,加工性に優れ、短時間で溶解除去できた。
また、TOF−SIMS分析の結果、下地鋼板/塗膜の
界面に濃化したエポキシ変性アクリル樹脂が検出され
た。これに対し、ウレタン樹脂単独の塗膜を形成した試
験番号13,15は、下地鋼板に対する塗膜の密着性が
十分でなく、耐カジリ性,加工性に劣っていた。また、
エポキシ変性していないエポキシ変性アクリル樹脂をウ
レタン樹脂に配合した塗料組成物から作製された試験番
号14,16の塗膜でも、密着性向上効果が不十分で、
依然として耐カジリ性,加工性に劣っていた。
【0034】
【0035】
【実施例2】実施例1と同じステンレス鋼板を塗装原板
に使用し、アルカリ脱脂によって表面を清浄化した。塗
料組成物としては、表1の処理液No.2,3,4,6に
合成樹脂粉末を分散させることにより調製した。塗料組
成物をロールコータで塗装原板に塗布した後、乾燥オー
ブンに装入し、到達板温140℃で焼き付けることによ
り塗膜を形成した。
【0036】得られた塗膜の組成を表3に、実施例1と
同様な試験で調査した塗膜の物性を表4に示す。表4か
ら明らかなように、本発明に従って調整した混合樹脂に
潤滑剤を配合した試験番号20〜24は、何れも良好な
耐カジリ性,塗膜溶解性を維持しながら、加工性が一層
向上していることが判る。
【0037】
【0038】
【0039】
【実施例3】処理液No.4(表1)に平均粒径1.0μm
の合成樹脂粉末(ポリエチレン樹脂粉末/フッ素樹脂粉
末=9/1の混合物)を10質量%添加した後、更に表
5に示す割合でシリカ粉末を添加した塗料組成物を用意
した。塗装原板には実施例1と同じステンレス鋼板を使
用し、アルカリ脱脂によって表面を清浄化した。バーコ
ータで塗料組成物を塗装原板に塗布し、オーブンに装入
し、到達板温100℃で乾燥することにより乾燥膜厚3
μmの塗膜を形成した。得られた塗装鋼板の特性を実施
例1と同様の試験によって調査した。表5の調査結果に
みられるように、何れの塗装鋼板も良好な塗膜溶解性を
示すと共に、金型温度200℃でもカジリがほとんど発
生せず、優れた加工性を呈することが判った。
【0040】
【0041】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の塗装鋼
板は、エポキシ変性アクリル樹脂が濃化した界面を介し
てエポキシ変性アクリル樹脂/ウレタン樹脂の混合樹脂
塗膜が下地鋼板の表面に形成されている。そのため、単
層塗膜であるにも拘らず2層塗膜と同様な性状を呈し、
過酷な条件下で加工した場合にもカジリ疵が発生せず、
良好な表面状態をもつ成形品に加工できる。しかも、塗
膜密着性に優れているため、成形品の耐久性も向上す
る。このような長所を活用し、外装材,内装材,表装
材,自動車用部品等、広範な分野に使用される塗装鋼板
が提供される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 175/04 C09D 175/04 C23C 26/00 C23C 26/00 Z 28/00 28/00 Z (72)発明者 武津 博文 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 Fターム(参考) 4F100 AA19 AA19H AA20 AA20H AB03B AB04 AD11 AD11H AH08 AH08H AJ11 AJ11H AK25A AK51A AL05A AL06A AR00C BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B BA44 CA19A DE01 DE01H EH46 EJ68 EJ68C JA05A JB02 JK06 JL00 JL01 YY00A 4J038 CB012 CB082 CD092 CG001 CG002 CJ271 CJ272 DB451 DB452 DG001 DG002 GA06 HA036 HA356 KA07 KA20 MA12 MA13 NA11 NA12 PA07 PC02 4K044 AA02 AA03 AB02 BA10 BA15 BA17 BA21 BB01 BB03 BC01 BC04 BC05 CA11 CA16 CA18 CA53

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウレタン樹脂及びエポキシ変性アクリル
    樹脂からなる混合樹脂の単層塗膜が直接又は化成処理皮
    膜を介して下地鋼板の表面に形成されており、単層塗膜
    と下地鋼板との界面又は単層塗膜と化成処理皮膜との界
    面にエポキシ変性アクリル樹脂が濃化していることを特
    徴とする耐カジリ性,塗膜密着性に優れた塗装鋼板。
  2. 【請求項2】 単層塗膜に潤滑剤が分散している請求項
    1記載の塗装鋼板。
  3. 【請求項3】 ウレタン樹脂と、該ウレタン樹脂に相溶
    可能なエポキシ変性アクリル樹脂1〜60質量%とを混
    合した塗料組成物であり、前記ウレタン樹脂のウレタン
    結合含有量がイソシアネート換算で12〜20質量%,
    100℃での弾性率が1000〜60000N/c
    2,流動開始温度が75〜170℃の範囲にあり、前
    記エポキシ変性アクリル樹脂のガラス転移温度が−10
    〜30℃,エポキシ変性量が1〜20質量%の範囲にあ
    ることを特徴とする塗料組成物。
  4. 【請求項4】 ウレタン樹脂の酸価が40〜90,エポ
    キシ変性アクリル樹脂の酸価が40〜300の範囲に調
    整されている請求項3記載の塗料組成物。
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