JP2002332268A - 含ハロゲン芳香族化合物およびその製造方法 - Google Patents

含ハロゲン芳香族化合物およびその製造方法

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JP2002332268A
JP2002332268A JP2001142028A JP2001142028A JP2002332268A JP 2002332268 A JP2002332268 A JP 2002332268A JP 2001142028 A JP2001142028 A JP 2001142028A JP 2001142028 A JP2001142028 A JP 2001142028A JP 2002332268 A JP2002332268 A JP 2002332268A
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acid
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aromatic tetracarboxylic
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JP2001142028A
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English (en)
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Masayoshi Kuwabara
正芳 桑原
Yasunori Okumura
康則 奥村
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐薬品性、撥水性及び低誘電性に優
れる樹脂の材料として有用な含ハロゲン芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物、その原料として有用である含ハロゲ
ン芳香族テトラカルボン酸及び含ハロゲン芳香族テトラ
ニトリル化合物ならびにそれらの製造方法を提供する。 【解決手段】 下記式(1): 【化1】 ただし、Xは、塩素、臭素またはヨウ素原子を表わし;
mは、1〜4の整数であり;およびnは、0〜3の整数
であり、この際n及びmの合計は4である、 で示される含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線基板材料、感
光材料及び液晶材料などの中間原料として有用である含
ハロゲン芳香族テトラカルボン酸二無水物の原料として
有用である含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸及び含ハ
ロゲン芳香族テトラニトリル化合物ならびにそれらの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、含ハロゲン芳香族化合物、特に含
フッ素芳香族化合物は、例えば、耐熱性、耐薬品性、撥
水性及び低誘電性に優れた樹脂の原料として有用である
ことが知られている。これらの含ハロゲン芳香族化合物
を原料とするプラスチック材料は、従来使用されている
無機系の材料に比べて軽量であり、耐衝撃性や加工性に
優れ、取り扱いが容易であるなどの特徴を有しているた
め、これまでも配線基板材料、感光材料及び液晶材料な
どに用いられてきた。
【0003】しかしながら、これまで検討されてきた芳
香族化合物にハロゲンを導入する手段であるパーフルオ
ロアルキル基、パーフルオロアルケニル基等のハロゲン
化された直鎖状炭化水素基を芳香環に置換する方法で
は、直鎖状の置換基の導入により耐熱性が低下するとい
う問題があった。
【0004】耐熱性を低下させずにハロゲンを導入する
方法としては、芳香環に直接ハロゲンを置換する方法が
考えられるが、芳香環に直接ハロゲンを置換した化合物
の合成は従来あまり知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、上記事情を鑑みてなされたものであり、優れた耐熱
性、耐薬品性、撥水性及び低誘電性を有する樹脂の原料
として有用な含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸二無水
物の原料として有用である含ハロゲン芳香族テトラカル
ボン酸及び含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物なら
びにそれらの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の既
存の材料について鋭意検討を行った結果、1,4−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物
中の両側の無水フタル酸部分のC−H結合をすべて炭素
原子とフッ素原子との化学結合としかつ中央部のベンゼ
ン環のC−H結合をすべて炭素原子とフッ素原子および
/またはフッ素原子以外のハロゲン原子との化学結合と
する特定の構造を有する含ハロゲン芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物は、優れた耐熱性、耐薬品性、撥水性及び
低誘電性を有するため、このような構造を有する含ハロ
ゲン芳香族テトラカルボン酸二無水物は、配線基板材
料、感光材料及び液晶材料などの中間原料として有用で
あることを知得した。
【0007】本発明者らは、このような含ハロゲン芳香
族テトラカルボン酸二無水物を製造するのに使用される
原料についてさらに鋭意検討を行なった結果、特定の構
造を有する含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物を加
水分解し、さらにこのようにして得られた含ハロゲン芳
香族テトラカルボン酸を脱水することによって、上記し
たような優れた特性を有する含ハロゲン芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物を高収率で製造できることを見出し
た。加えて、本発明者らは、このような特定の構造を有
する含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物を製造する
のに使用される原料についてさらに鋭意検討を行なった
結果、テトラフルオロフタロニトリルと特定の構造を有
するヒドロキノン誘導体との反応によって得られる含ハ
ロゲン芳香族テトラニトリル化合物が特に好適に使用さ
れることを見出した。
【0008】上記知見に基づいて、本発明を完成するに
至った。
【0009】すなわち、上記諸目的は、下記(1)〜
(11)によって達成される。
【0010】(1) 下記式(1):
【0011】
【化5】
【0012】ただし、Xは、塩素、臭素またはヨウ素原
子を表わし;mは、1〜4の整数であり;およびnは、
0〜3の整数であり、この際n及びmの合計は4であ
る、 で示される含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物。
【0013】(2) 下記式:
【0014】
【化6】
【0015】ただし、Xは、塩素、臭素またはヨウ素原
子を表わし;mは、1〜4の整数であり;およびnは、
0〜3の整数であり、この際n及びmの合計は4であ
る、 で示される前記(1)に記載の含ハロゲン芳香族テトラ
ニトリル化合物。
【0016】(3) 下記式(2):
【0017】
【化7】
【0018】ただし、Xは、塩素、臭素またはヨウ素原
子を表わし;mは、1〜4の整数であり;およびnは、
0〜3の整数であり、この際n及びmの合計は4であ
る、 で示される含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸。
【0019】(4) 下記式:
【0020】
【化8】
【0021】ただし、Xは、塩素、臭素またはヨウ素原
子を表わし;mは、1〜4の整数であり;およびnは、
0〜3の整数であり、この際n及びmの合計は4であ
る、 で示される前記(3)に記載の含ハロゲン芳香族テトラ
カルボン酸。
【0022】(5) テトラフルオロフタロニトリルと
下記式(3):
【0023】
【化9】
【0024】ただし、Xは、塩素、臭素またはヨウ素原
子を表わし;mは、1〜4の整数であり;およびnは、
0〜3の整数であり、この際n及びmの合計は4であ
る、 で示されるヒドロキノン誘導体を反応させることからな
る前記(1)または(2)に記載の含ハロゲン芳香族テ
トラニトリル化合物の製造方法。
【0025】(6) 前記(1)に記載の含ハロゲン芳
香族テトラニトリル化合物を加水分解することからなる
前記(3)に記載の含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸
の製造方法。
【0026】(7) 前記(2)に記載の含ハロゲン芳
香族テトラニトリル化合物を加水分解することからなる
前記(4)に記載の含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸
の製造方法。
【0027】(8) 前記含ハロゲン芳香族テトラニト
リル化合物の加水分解を有機溶媒中で酸を用いて行なわ
れる、前記(6)または(7)に記載の方法。
【0028】(9) 前記有機溶媒が有機酸である、前
記(8)に記載の方法。
【0029】(10) 前記(3)に記載の含ハロゲン
芳香族テトラカルボン酸を脱水することからなる下記式
(4):
【0030】
【化10】
【0031】ただし、Xは、塩素、臭素またはヨウ素原
子を表わし;mは、1〜4の整数であり;およびnは、
0〜3の整数であり、この際n及びmの合計は4であ
る、 で示される含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸二無水物
の製造方法。
【0032】(11) 前記(4)に記載の含ハロゲン
芳香族テトラカルボン酸を脱水することからなる下記
式:
【0033】
【化11】
【0034】ただし、Xは、塩素、臭素またはヨウ素原
子を表わし;mは、1〜4の整数であり;およびnは、
0〜3の整数であり、この際n及びmの合計は4であ
る、 で示される含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸二無水物
の製造方法。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0036】第一の態様によると、本発明は、上記式
(1)で示される新規な含ハロゲン芳香族テトラニトリ
ル化合物を提供するものである。なお、上記式(1)で
示される含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物は、下
記式:
【0037】
【化12】
【0038】で示されるp−フェニルジオキシ基に、下
記式:
【0039】
【化13】
【0040】で示されるジシアノトリフルオロフェニル
基が結合したものである。
【0041】上記式(1)において、Xは、塩素、臭素
またはヨウ素原子を表わし、好ましくは塩素、臭素、最
も好ましくは塩素原子を表わす。また、mは、シアノ基
を有さない中央のベンゼン環へのXの結合数を表わし、
1〜4の整数であり、好ましくは2〜4の整数、最も好
ましくは4である。さらに、nは、シアノ基を有さない
中央のベンゼン環へのフッ素原子の結合数を表わし、0
〜3の整数であり、好ましくは0〜2の整数、最も好ま
しくは0である。なお、上記式(1)において、n及び
mの合計は必ず4である(即ち、n+m=4)。
【0042】上記式(1)で示される含ハロゲン芳香族
テトラニトリル化合物のうち、特に下記式:
【0043】
【化14】
【0044】で示される化合物が好ましい。
【0045】また、本発明の式(1)の含ハロゲン芳香
族テトラニトリル化合物のより好ましい例としては、下
記式:
【0046】
【化15】
【0047】で示される化合物が挙げられ、特に、1,
4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)
テトラクロロベンゼンであることが好ましい。
【0048】本発明の式(1)の含ハロゲン芳香族テト
ラニトリル化合物は、公知の技術の組み合わせによって
製造でき、その製造方法は、特に制限されるものではな
いものの、テトラフルオロフタロニトリルと上記式
(3)で示されるヒドロキノン誘導体を反応させる方法
が好ましく使用される。したがって、第二の態様による
と、本発明は、テトラフルオロフタロニトリルと上記式
(3)で示されるヒドロキノン誘導体(本明細書中で
は、単に「ヒドロキノン誘導体」とも称する)を反応さ
せることからなる本発明の第一の態様の含ハロゲン芳香
族テトラニトリル化合物の製造方法を提供するものであ
る。なお、上記式(3)において、X、m及びnは、上
記式(1)における定義と同様であるため、ここでの説
明を省略する。
【0049】第二の態様において原料として使用される
ヒドロキノン誘導体は、製造される式(1)の含ハロゲ
ン芳香族テトラニトリル化合物の種類によって適宜選択
されるものであるが、好ましくは、テトラクロロヒドロ
キノン、テトラブロモヒドロキノン、2−クロロ−3,
5,6−トリフルオロヒドロキノン、及び2−ブロモ−
3,5,6−トリフルオロヒドロキノンならびにこれら
の2ナトリウム塩や2カリウム塩等の金属塩などが挙げ
られ、特に好ましくはテトラクロロヒドロキノン及びこ
の2ナトリウム塩である。また、ヒドロキノン誘導体の
使用量は、化学量論的には他方の原料であるテトラフル
オロフタロニトリル2モルに対して、1モルであるが、
これらの反応効率及び反応選択性を考慮すると、テトラ
フルオロフタロニトリルが過剰に存在することが好まし
い。具体的には、テトラフルオロフタロニトリル100
モルに対して、好ましくは1〜50モル、より好ましく
は2〜50モルである。
【0050】第二の態様において、テトラフルオロフタ
ロニトリルとヒドロキノン誘導体との反応は、その反応
効率を考慮すると、塩基の存在下で行なわれることが好
ましい。この際、塩基としては、フッ化カリウム、フッ
化ナトリウム、フッ化リチウム、塩化カリウム、塩化ナ
トリウム及び塩化リチウム等のアルカリ金属塩;塩化カ
ルシウム及び塩化マグネシウム等のアルカリ土類金属
塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム及び炭酸カリ
ウム等のアルカリ金属の炭酸塩;炭酸カルシウム及び炭
酸マグネシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩;トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、
トリブチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリベ
ンジルアミン、トリフェニルアミン及びピリジン等の第
三級アミンなどが挙げられ、これらのうち、フッ化カリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン及びピリジンが好ましい。塩基
の添加量は、テトラフルオロフタロニトリルとヒドロキ
ノン誘導体との反応を効率良く進行できる量であれば特
に制限されないが、ヒドロキノン誘導体に対して、通
常、0.5〜20モル%、好ましくは2〜10モル%で
ある。
【0051】また、第二の態様において、テトラフルオ
ロフタロニトリルとヒドロキノン誘導体との反応は、無
溶媒下でまたは溶媒中のいずれで行なわれてもよいが、
その反応効率を考慮すると、溶媒中で行なわれることが
好ましい。この際使用できる溶媒としては、アセトニト
リル及びベンゾニトリル等のニトリル類;アセトン、メ
チルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケト
ン(MEK)及びシクロヘキサノン等のケトン類;クロ
ロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロエタン、
ジクロロエタン、トリクロロエタン及びテトラクロロエ
タン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン及
びキシレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン及びヘプタン等の炭化水素類;ジエ
チルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフ
ラン(THF)、ジオキサン、ジフェニルエーテル、ベ
ンジルエーテル及びtert−ブチルエーテル等のエー
テル類;蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸プロピル及び酢酸イソプロピル等のエステル
類;ならびにN−メチルピロリジノン(NMP)、ジメ
チルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド
(DMSO)及びジメチルアセトアミドなどが挙げら
れ、これらのうち、アセトニトリル、メチルイソブチル
ケトン(MIBK)、N−メチルピロリジノン(NM
P)、ジメチルホルムアミド(DMF)及びジメチルス
ルホキシド(DMSO)が好ましい。溶媒の量もまた、
上記反応を効率良く進行できる量であれば特に制限され
ないが、例えば、テトラフルオロフタロニトリルが溶媒
中に1〜80質量%、好ましくは5〜50質量%存在す
るような量である。
【0052】さらに、第二の態様において、テトラフル
オロフタロニトリルとヒドロキノン誘導体との反応条件
は、これらの反応を効率良く進行できる条件であれば特
に制限されないが、例えば、反応温度は、通常、−50
〜300℃、好ましくは−20〜200℃である。ま
た、反応時間は、通常、0.1〜40時間、好ましくは
0.1〜20時間である。さらに、上記反応は、減圧
下、常圧下または加圧下のいずれで行なわれてもよい
が、設備面などを考慮すると、常圧下で反応を行なうこ
とが好ましい。
【0053】第二の態様によると、テトラフルオロフタ
ロニトリルとヒドロキノン誘導体との反応により生成す
るフッ化水素を除去することが好ましい。この際、フッ
化水素の除去方法としては、特に制限されず公知の方法
を使用することができる。例えば、反応後含ハロゲン芳
香族テトラニトリル化合物を非水溶性の有機溶媒で抽出
し、水で洗浄する方法;および反応系中に予め塩基を入
れ、フッ化水素を塩としてトラップする方法などが挙げ
られる。なお、前者の方法において、非水溶性の有機溶
媒としては、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メ
チルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン等のケ
トン類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、ク
ロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テト
ラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、
ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類;
ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジフェニル
エーテル、ベンジルエーテル、tert−ブチルエーテ
ル等のエーテル類;ならびにギ酸メチル、ギ酸エチル、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロ
ピル等のエステル類などが挙げられ、これらのうち、メ
チルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケト
ン(MEK)、イソプロピルエーテル、及び酢酸エチル
が好ましく使用される。後者の方法において、塩基とし
ては、上記と同様の塩基が使用でき、これらのうち、塩
化カルシウム、炭酸カルシウム等のカルシウム化合物;
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン、トリブチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、
トリベンジルアミン、トリフェニルアミン及びピリジン
等の第三級アミンが好ましく使用され、特にカルシウム
化合物が好ましく使用される。カルシウム化合物を使用
すると、フッ化水素と反応してフッ化カルシウム(Ca
2)を沈殿物として形成するため、濾過などにより容
易に除去できるからである。
【0054】第三の態様によると、本発明は、上記式
(2)で示される新規な含ハロゲン芳香族テトラカルボ
ン酸を提供するものである。なお、上記第一の態様にお
ける場合と同様にして、上記式(2)で示される含ハロ
ゲン芳香族テトラカルボン酸は、上記式で示されるp−
フェニルジオキシ基に、下記式:
【0055】
【化16】
【0056】で示されるジカルボキシトリフルオロフェ
ニル基が結合したものである。
【0057】上記式(2)において、X、m及びnは、
上記式(1)における定義と同様であるため、ここでの
説明を省略する。
【0058】上記式(2)で示される含ハロゲン芳香族
テトラカルボン酸のうち、特に下記式:
【0059】
【化17】
【0060】で示される化合物が好ましい。
【0061】また、本発明の式(2)の含ハロゲン芳香
族テトラカルボン酸のより好ましい例としては、下記
式:
【0062】
【化18】
【0063】で示される化合物が挙げられ、特に、1,
4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキ
シ)テトラクロロベンゼンであることが好ましい。
【0064】本発明の式(2)の含ハロゲン芳香族テト
ラカルボン酸は、公知の技術の組み合わせによって製造
でき、その製造方法は、特に制限されるものではない
が、本発明の第一の態様の含ハロゲン芳香族テトラニト
リル化合物を加水分解する方法が好ましく使用される。
したがって、第四の態様によると、本発明は、本発明の
第一の態様の含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物
(本明細書中では、単に「含ハロゲン芳香族テトラニト
リル化合物」とも称する)を加水分解することからなる
本発明の第三の態様の含ハロゲン芳香族テトラカルボン
酸(本明細書中では、単に「含ハロゲン芳香族テトラカ
ルボン酸」とも称する)の製造方法を提供するものであ
る。
【0065】第四の態様において、含ハロゲン芳香族テ
トラニトリル化合物の加水分解は、酸の存在下で行なわ
れることが好ましく、より好ましくは有機溶媒中で酸を
用いて行なわれることが好ましい。この際使用される酸
としては、硫酸、塩酸、リン酸、及びシュウ酸などが挙
げられ、これらの酸はそのままで使用されてもまたは水
溶液の形態で使用されてもよく、後者の場合の濃度は、
含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物を十分加水分解
できる濃度であれば特に制限されず、反応温度や酸の種
類によっても異なるが、例えば、40〜85質量%であ
る。これらのうち、硫酸、特に50〜80質量%の硫酸
水溶液が酸として好ましく使用される。酸の添加量は、
含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物を十分加水分解
できる濃度であれば特に制限されず、反応温度や酸の種
類によっても異なるが、含ハロゲン芳香族テトラニトリ
ル化合物の酸に対する濃度が、通常、1〜60質量%、
好ましくは5〜50質量%になるような量である。
【0066】また、第四の態様において使用される有機
溶媒としては、含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物
を溶解できるものであれば特に制限されず、無機酸また
は有機酸のいずれでもよい。例えば、ギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸等の有機酸;無水ギ酸、無水酢酸、無水プロピ
オン酸等の酸無水物;アセトニトリル、ベンゾニトリル
等のニトリル類;アセトン、メチルイソブチルケトン
(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、シクロ
ヘキサノン等のケトン類;クロロホルム、塩化メチレ
ン、四塩化炭素、クロロエタン、ジクロロエタン、トリ
クロロエタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化
水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタ
ン等の炭化水素類;ジエチルエーテル、イソプロピルエ
ーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、
ジフェニルエーテル、ベンジルエーテル、tert−ブ
チルエーテル等のエーテル類;ギ酸メチル、ギ酸エチ
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソ
プロピル等のエステル類;ならびにN−メチルピロリジ
ノン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジ
メチルスルホキシド(DMSO)、及びジメチルアセト
アミドなどが挙げられる。これらのうち、有機酸及び酸
無水物が好ましく、酢酸、プロピオン酸、無水酢酸、及
び無水プロピオン酸が特に好ましく使用される。有機溶
媒の使用量は、含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物
を十分溶解できる量であれば特に制限されないが、有機
溶媒における含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物の
濃度が、通常、1〜60質量%、好ましくは5〜50質
量%となるような量である。なお、本発明において、有
機溶媒は、含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物の溶
解性や酸による加水分解を阻害しない限り、水を含んで
いてもよい。
【0067】第四の概念において、含ハロゲン芳香族テ
トラニトリル化合物、酸、及び添加する際には有機溶媒
の添加順序は特に制限されず、一括して投入されても、
有機溶媒に含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物を溶
解した後酸を添加しても、あるいは有機溶媒と酸とを混
合した後含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物を添加
しても、いずれの添加順序でもよいが、含ハロゲン芳香
族テトラニトリル化合物を効率良く酸で加水分解するた
めには、有機溶媒中に一旦含ハロゲン芳香族テトラニト
リル化合物を溶解して均一な溶液を得た後、これに酸を
添加することが好ましい。これは、酸のみを用いて加水
分解する従来の方法では、原料の酸水溶液中への溶解度
の低さから加水分解が十分行なわれず、ゆえに目的生成
物の純度が十分向上できないために、目的生成物の純度
を上げるためには酸による加水分解工程を複数回行なわ
なければならなかったが、含ハロゲン芳香族テトラニト
リル化合物を、当該含ハロゲン芳香族テトラニトリル化
合物を溶解できる有機溶媒中に予め溶解した状態で酸に
より加水分解すると、酸による加水分解工程を一回で十
分な純度の含ハロゲン芳香族化合物を製造できることが
判明した。また、この際、有機溶媒における含ハロゲン
芳香族テトラニトリル化合物溶液をより効率良く酸で加
水分解するためには、有機溶媒における含ハロゲン芳香
族テトラニトリル化合物溶液を攪拌しながら酸を添加す
ることがより好ましい。
【0068】本発明において、酸による含ハロゲン芳香
族テトラニトリル化合物の加水分解条件は、含ハロゲン
芳香族テトラニトリル化合物を十分加水分解できる条件
であれば特に制限されるものではない。例えば、加水分
解温度は、好ましくは20〜300℃、より好ましくは
50〜200℃である。また、加水分解時間は、通常、
0.1〜40時間、好ましくは0.5〜20時間であ
る。
【0069】以上、本発明の第四の態様の一実施態様を
説明したが、本発明の方法が上記実施態様に制限される
ものではないことはいうまでもない。以下に、本発明の
第四の態様の他の実施態様を説明する。
【0070】第四の態様の他の実施態様によると、含ハ
ロゲン芳香族テトラニトリル化合物を酸性水媒体中で加
熱して、含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸を含有する
反応液を得[工程(a)];この反応液にアルカリ性物
質を添加してアルカリ性とすると共に加熱し[工程
(b)];その後、得られたアルカリ性反応液に酸性物
質を加えて酸性として、反応液から含ハロゲン芳香族テ
トラカルボン酸を分離する[工程(c)]。この方法に
よると、目的とする含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸
が高純度で得られる。
【0071】上記工程(a)において、含ハロゲン芳香
族テトラニトリル化合物は、酸性水媒体と共に一括して
投入されてもまたは酸性水媒体中に逐次投入してもよ
く、後者の場合、含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合
物は、粉体のまま添加されても、あるいは、無水酢酸、
無水プロピオン酸、アセトニトリル等の溶媒に溶解させ
て添加されてもよい。また、酸性水媒体としては、シア
ノ基(−CN)をカルボキシル基(−COOH)に変換
する反応を行なうことができるものであれば有機酸水溶
液であってもあるいは無機酸水溶液であってもよいが、
好ましくは無機酸水溶液、例えば、リン酸、硫酸及び塩
酸等の水溶液が挙げられるが、これらのうち、効率よく
高収率で目的物を得ることを考慮すると、硫酸水溶液が
好ましく使用される。酸性水媒体の濃度は、40〜85
質量%、より好ましくは50〜80質量%の範囲である
ことが好ましい。含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合
物の使用量は、高純度の目的生成物が得られるような量
であればよいが、酸性水媒体に対して、5〜50質量%
であることが好ましい。本実施態様による反応条件は、
効率よく高収率で目的物が得られる条件であれば特に制
限されるものではないが、例えば、反応温度は、120
〜180℃、より好ましくは140〜170℃であるこ
とが好ましく、また、反応時間は、反応温度などによる
が、通常1〜24時間である。上記反応が終了した後、
反応液中に含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸が析出し
てくるが、このまま次工程に用いても、または濾過して
濾物のみを次工程に用いてもよい。
【0072】次に、上記工程(b)において、上記工程
(a)で析出した含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸を
このまま次工程に用いる場合には、反応液にアルカリ性
物質を固体、気体または水溶液として添加する。また
は、上記工程(a)で含ハロゲン芳香族テトラカルボン
酸を濾物として用いる場合には、瀘物を水で希釈した後
にアルカリ性物質を固体、気体若しくは水溶液として添
加する、または瀘物を希釈せずにそのままアルカリ性物
質の水溶液を添加する。この際使用されるアルカリ性物
質としては、特に限定されるわけではないが、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等の、アルカリ金属の水酸化
物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の、アルカリ金属
の炭酸塩;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の、ア
ルカリ金属の重炭酸塩;水酸化マグネシウム、水酸化カ
ルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等
の、アルカリ土類金属の水酸化物;炭酸マグネシウム、
炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等
の、アルカリ土類金属の炭酸塩;重炭酸マグネシウム、
重炭酸カルシウム、重炭酸ストロンチウム、重炭酸バリ
ウム等の、アルカリ土類金属の重炭酸塩;ならびにアン
モニアなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、
アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アル
カリ金属の重炭酸塩、特に好ましくは、アルカリ金属の
水酸化物が使用される。また、これらのアルカリ性物質
は、単独で用いてもよいしあるいは2種以上の混合物の
形態で用いてもよい。また、アルカリ性物質の添加量
は、目的物が高収率で得られるような量であればよく特
に制限されるものではないが、反応系のpHが9.5〜
12.5、より好ましくは11.0〜12.0となるよ
うに調整するのが好ましい。または、上記pHに調整し
た時のアルカリ性物質の添加量は、前工程で使用された
酸性水媒体における酸の中和に使用されるアルカリ性物
質の量と、反応に使用された含ハロゲン芳香族テトラカ
ルボン酸 1モルに対して1価のアルカリで3.5〜
4.5モル、より好ましくは3.8〜4.2モルのアル
カリ性物質に相当する量との合計となることが好まし
い。また、この際の反応条件は、効率よく高収率で目的
物が得られる条件であれば特に制限されるものではない
が、例えば、反応温度は、30〜150℃、より好まし
くは70〜130℃であることが好ましく、反応時間
は、反応温度などにより異なるが、通常8時間以下,好
ましくは1〜6時間である。
【0073】続いて、上記工程(c)において、アルカ
リ性反応液を酸性とするために添加される酸性物質は、
特に限定されず公知の有機酸または無機酸が使用される
が、好ましくは硫酸、塩酸、リン酸などの無機酸が挙げ
られる。また、酸性物質は、粉体のまま添加されてもま
たは水などの溶媒に溶解させて添加されてもよい。好ま
しくは、酸性物質は、硫酸水溶液の形態で使用され、よ
り好ましくは水における硫酸の濃度は、1〜50質量%
である。酸性物質の添加量は、工程(b)においてアル
カリ性物質で中和された全てのカルボキシル基を酸性化
できる量以上であればよい。通常、工程(b)で使用さ
れた全アルカリ量から酸の中和に要した量を差し引いた
アルカリ性物質の量に対応する量以上の酸性物質を加え
ればよい。酸性物質は、アルカリ性反応液中に所定量一
括して添加されてもあるいは逐次添加されてもよい。
【0074】このようにして酸性物質を添加した後、目
的物である含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸の塩が、
例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニ
ウム、塩化ナトリウムなどのように水に易溶性な塩であ
る場合には、瀘過、抽出等の方法によって容易に分離で
きる。または、酸性物質を添加した後に生成した目的物
の塩が、例えば、硫酸カルシウムなどのように水に難溶
性の塩である場合には、抽出等の方法によって、目的物
が分離される。瀘過により分離する場合、瀘過後に適当
量の水で洗浄し、加えた酸性物質と生成した塩を除去す
ることが好ましい。また、抽出により分離する場合に
は、目的物を適当な溶媒に溶解した後、生成した塩が溶
液の形態の場合にはそのまま分液を行なうことによっ
て、または、生成した塩が析出する場合には瀘過後に分
液を行なうことによって、目的物が分離される。なお、
目的物の純度を考慮すると、分液後、適当量の水で洗浄
し加えた酸と生成した塩を除去することが好ましい。こ
の際使用される溶媒は、水と混合したとき2層状態とな
り、目的物を溶解し得るものであれば特に限定されない
が、脂肪酸エステル類、ケトン類、エーテル類、ベンゾ
ニトリル類などが好ましく、特に脂肪酸エステル類、ケ
トン類が好ましい。より具体的には、酢酸エチル、酢酸
イソプロピル、メチルイソプロピルケトン、メチルイソ
ブチルケトンなどが挙げられる。
【0075】また、第四の態様の別の実施態様による
と、含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物を酸性水媒
体中で加熱して、含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸を
含有する反応液を得[工程(a)];この反応液を有機
溶媒を含有する媒体中に一旦溶解して、媒体中より生成
物を分離し[工程(b’)];上記工程(a)〜
(b’)を少なくとも2回以上繰り返すことによって、
反応液から含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸を分離す
る[工程(c)]。この方法によると、目的とする含ハ
ロゲン芳香族テトラカルボン酸が高純度で得られる。な
お、本実施態様において、工程(a)は、上記第四の態
様の他の実施態様におけるのと同様であるので、ここで
は説明を省略する。
【0076】次に、上記工程(b’)の具体例として
は、上記工程(a)で得られた反応液に水と2層状態と
なる有機溶媒を加えて、有機溶媒中に生成物を溶解させ
た後、有機層を分液し蒸発乾固することにより、含ハロ
ゲン芳香族テトラカルボン酸の内部に取り込まれたフタ
ルアミド誘導体などを固体の表面に析出させることがで
きる。この際使用される有機溶媒としては、水と2層状
態になり、生成物と反応しないものであれば特に限定さ
れるものではないが、具体的には、脂肪酸エステル類、
ケトン類、エーテル類、ベンゾニトリル類が好ましく、
特に脂肪酸エステル類、ケトン類が好ましい。例えば、
酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルイソブチルケト
ンが特に好ましく使用される。また、有機溶媒の使用量
は、生成物を溶解し得る量以上であれば特に限定される
ものではない。その後、媒体中より有機層を分液し、必
要であれば有機層を水洗してもよい。
【0077】または、上記別の実施態様において、上記
工程(a)で含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸を濾物
として用いる場合には、この濾物に有機溶媒及び水を添
加して、有機溶媒側に濾物を溶解させ、有機溶媒が水と
2層状態になるものであれば分液し、有機層を蒸発乾固
することによって目的生成物を得る;若しくは、加えた
有機溶媒が水と2層状態にならないものであれば、水を
固体が析出するまで加えて瀘過、乾燥により生成物を得
ることができる。この際、水と2層状態になる有機溶媒
の説明は上記と同様である。また、水と2層状態ならな
い有機溶媒としては、生成物と反応しないものであれば
特に限定されるものではないが、具体的には、アセトン
等のケトン類、アセトニトリル等のアセトニトリル類、
メタノール、エタノール等のアルコール類が挙げられ、
ケトン類が好ましい。また、水と2層状態ならない有機
溶媒の使用量は、生成物を溶解し得る量以上であればよ
い。その後、水を固体が析出するまで加え、瀘過、乾燥
により生成物を得る。また、水の量は、固体が析出する
量以上であれば特に制限されるものではないが、例え
ば、有機溶媒がアセトンの場合には、質量比で5倍以上
の水を用いればよい。
【0078】上記別の実施態様において、上記工程
(a)及び(b’)の繰り返し工程数は、少なくとも2
回以上でありかつかつ目的物の十分な純度が得られれば
特に制限されるものではないが、通常、2〜10回、好
ましくは3〜6回である。なお、上記工程(a)及び
(b’)は、各工程において、それぞれ、同一の条件で
あってもあるいは異なる条件であってもよい。
【0079】このようにして得られた含ハロゲン芳香族
テトラカルボン酸は、脱水されることによって、含ハロ
ゲン芳香族テトラカルボン酸二無水物が製造される。し
たがって、第五の態様によると、本発明は、本発明の第
三の概念の含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸を脱水す
ることからなる上記式(4)で示される含ハロゲン芳香
族テトラカルボン酸二無水物の製造方法を提供するもの
である。
【0080】第五の態様において、含ハロゲン芳香族テ
トラカルボン酸の脱水方法は、特に制限されず、公知の
脱水方法が使用され、例えば、(1)塩化チオニル、硫
酸、濃硫酸、リン酸、メタリン酸、ポリリン酸、無水フ
ッ化水素酸、五酸化二リン、硫酸水素ナトリウム、無水
塩化亜鉛、オキシ塩化リン、無水酢酸、塩化アセチル、
シュウ酸、スルホン酸や無水フタル酸等の脱水剤中で、
0〜200℃で0.5〜50時間、脱水する方法;
(2)アルミナ触媒、不活性担体(例えば、ケイソウ土
など)に付けたリン酸またはリン酸塩、シリカアルミナ
触媒、活性白土などの脱水用触媒を用いて気相接触反応
させる方法;ならびに(3)非水溶液若しくは固体の状
態で150〜300℃で加熱する方法等が挙げられる。
これらのうち、上記(1)の方法、特に塩化チオニル、
リン酸、ポリリン酸、無水酢酸、及び無水フタル酸等
の、脱水剤中で、50〜200℃で0.1〜20時間、
脱水する方法が好ましく使用される。
【0081】または、本発明において、1,4−ビス
(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラク
ロロベンゼンを酸中で、100〜300℃で0.5〜4
0時間、加熱することにより、加水分解と脱水を同時に
行なうことによって、目的とする含ハロゲン芳香族テト
ラカルボン酸二無水物を直接合成してもよい。この際、
酸としては、上記と同様の酸が使用できる。
【0082】このようにして得られた式(4)の含ハロ
ゲン芳香族テトラカルボン酸二無水物は、耐熱性、耐薬
品性、撥水性及び低誘電性に優れた樹脂の原料として有
用である。
【0083】
【実施例】以下、本発明の実施例により具体的に説明す
る。
【0084】実施例1:1,4-ヒ゛ス(3,4-シ゛シアノトリフルオロフェノキ
シ)テトラクロロヘ゛ンセ゛ンの合成 500mlの四ツ口フラスコに、テトラフルオロフタロ
ニトリル71.15g(355mmol)、フッ化カリ
ウム2.16g(37.1mmol)及びアセトニトリ
ル210gを仕込み、混合液を80℃に昇温した。この
混合液を80℃で撹拌しながら、テトラクロロヒドロキ
ノン4.40g(17.7mmol)のアセトニトリル
200ml溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、
80℃で6時間、反応を行なった後、反応溶液を冷却
し、結晶を瀘過して、瀘物をアセトニトリル30ml及
び15mlで洗浄した。また、瀘液をエバポレータ−で
濃縮して溶媒を留去した後、テトラフルオロフタロニト
リル62.34gを減圧下留去した。次に、トルエン2
7mlを加えて1時間還流し、冷却後、結晶を瀘過し、
トルエン5ml、25ml及び5mlで洗浄した。さら
に、瀘物をイオン交換水12mlで3回、洗浄した。最
後に、この瀘物を70℃で真空乾燥することによって、
9.08gの1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフル
オロフェノキシ)テトラクロロベンゼンを得た(テトラ
クロロヒドロキノンに対する収率:84%)。
【0085】このようにして得られた1,4−ビス
(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラク
ロロベンゼンについて、質量スペクトルを測定したとこ
ろ、M+=606であった。また、この反応生成物を、
19F−NMRスペクトルで分析したところ、図1に示さ
れる結果が得られた。
【0086】実施例2:1,4-ヒ゛ス(3,4-シ゛カルホ゛キシトリフルオロフェ
ノキシ)テトラクロロヘ゛ンセ゛ンの合成 100mlの三ツ口フラスコに、70質量%硫酸を6
9.2g、実施例1で得られた1,4−ビス(3,4−
ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラクロロベンゼ
ン4.2gを仕込んだ。内部温度を130℃まで加熱
し、6時間反応を行った後、氷水175gに反応溶液を
加え、析出した結晶を瀘過し、水30mlで2回洗浄し
た。次に、この結晶をさらに10質量%アセトン水溶液
400mlで再結晶した。
【0087】以上の作業を4回繰り返し、100℃で1
6時間真空乾燥し、8.63gの1,4−ビス(3,4
−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラクロロ
ベンゼンを得た(1,4−ビス(3,4−ジシアノトリ
フルオロフェノキシ)テトラクロロベンゼンに対する収
率:71%)。
【0088】このようにして得られた1,4−ビス
(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テト
ラクロロベンについて、質量スペクトルを測定したとこ
ろ、M+=682であった。また、この反応生成物を、
19F−NMRスペクトルで分析したところ、図2に示さ
れる結果が得られた。
【0089】実施例3 1リットルの四ツ口フラスコに、実施例1で合成された
1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキ
シ)テトラクロロベンゼン50g及び及びプロピオン酸
350mlを仕込んだ。この混合液に、130℃で攪拌
しながら、70質量%の硫酸150mlを1時間かけて
滴下した。滴下後6時間還流攪拌した後、冷却してから
反応液を氷水1.5リットル中に注ぎ込んだ。析出した
結晶を瀘別し、瀘物を100mlの水で洗浄した。次
に、この瀘物を10質量%アセトン水溶液500mlで
再結晶し、結晶を得た。上記と同様の再結晶工程をもう
一度繰り返し、得られた結晶を100℃で5時間乾燥す
ることにより、43.9gの1,4−ビス(3,4−ジ
カルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラクロロベン
ゼンを得た[1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフル
オロフェノキシ)テトラクロロベンゼンに対する収率:
78%]。
【0090】実施例4 3リットルの四ツ口フラスコに、実施例1で合成された
1,4−ビス(3,4−ジシアノトリフルオロフェノキ
シ)テトラクロロベンゼン50g及び及び酢酸700m
lを仕込んだ。この混合液に、100℃で攪拌しなが
ら、70質量%の硫酸300mlを1時間かけて滴下し
た。滴下後14時間還流攪拌した後、冷却してから反応
液を氷水1.5リットル中に注ぎ込んだ。析出した結晶
を瀘別し、瀘物を100mlの水で洗浄した。次に、こ
の瀘物を10質量%アセトン水溶液400mlで再結晶
を2回繰り返し、結晶を得た。得られた結晶を100℃
で5時間乾燥することにより、38.2gの1,4−ビ
ス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テ
トラクロロベンゼンを得た[1,4−ビス(3,4−ジ
シアノトリフルオロフェノキシ)テトラクロロベンゼン
に対する収率:68%]。
【0091】実施例5:1,4-ヒ゛ス(3,4-シ゛カルホ゛キシトリフルオロフェ
ノキシ)テトラクロロヘ゛ンセ゛ン二無水物の合成 100mlの三ツ口フラスコに、実施例2で得られた
1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェ
ノキシ)テトラクロロベンゼン3.45g(5.04m
mol)、塩化チオニル53.5g(mmol)を仕込
み、70℃に昇温した。この温度で3時間反応を行なっ
た後、反応溶液を冷却した。次に、Dean−Star
k管で塩化チオニル9.4gを留去し、アセトンを8m
l加えて攪拌した。結晶を瀘過した後、トルエン10m
l中で攪拌洗浄した。結晶を瀘過し、トルエン15ml
で洗浄した。得られた結晶を真空乾燥し(100℃、2
0時間)、8.4gの1,4−ビス(3,4−ジカルボ
キシトリフルオロフェノキシ)テトラクロロベンゼン二
無水物を得た(1,4−ビス(3,4−ジカルボキシト
リフルオロフェノキシ)テトラクロロベンゼンに対する
収率:72.9%)。
【0092】
【発明の効果】本発明は、(i)上記式(1)で示され
る新規な含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物;(i
i)上記式(2)で示される新規な含ハロゲン芳香族テ
トラカルボン酸;(iii)テトラフルオロフタロニト
リルと上記式(3)で示されるヒドロキノン誘導体を反
応させることからなる本発明の含ハロゲン芳香族テトラ
ニトリル化合物の製造方法;(iv)本発明の含ハロゲ
ン芳香族テトラニトリル化合物を加水分解することから
なる本発明の含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸の製造
方法;および(v)本発明の含ハロゲン芳香族テトラカ
ルボン酸を脱水することからなる上記式(4)で示され
る含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸二無水物の製造方
法を提供するものである。このようにして得られた含ハ
ロゲン芳香族テトラカルボン酸二無水物は、耐熱性、耐
薬品性、撥水性及び低誘電性に優れるため、本発明の含
ハロゲン芳香族テトラカルボン酸二無水物は、配線基板
材料、感光材料及び液晶材料などの中間原料として有用
であることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例1で得られた1,4−ビス(3,4
−ジシアノトリフルオロフェノキシ)テトラクロロベン
ゼンの19F−NMRスペクトルのチャートを示すグラフ
である。
【図2】は、実施例2で得られた1,4−ビス(3,4
−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラクロロ
ベンの19F−NMRスペクトルのチャートを示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 307/89 C07D 307/89 Z Fターム(参考) 4C037 RA11 4H006 AA01 AA02 AB64 AB76 AB84 AC43 AC46 AC47 BA66 BB17 BB21 BC10 BC31 4H039 CA65 CE20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1): 【化1】 ただし、Xは、塩素、臭素またはヨウ素原子を表わし;
    mは、1〜4の整数であり;およびnは、0〜3の整数
    であり、この際n及びmの合計は4である、 で示される含ハロゲン芳香族テトラニトリル化合物。
  2. 【請求項2】 下記式(2): 【化2】 ただし、Xは、塩素、臭素またはヨウ素原子を表わし;
    mは、1〜4の整数であり;およびnは、0〜3の整数
    であり、この際n及びmの合計は4である、 で示される含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸。
  3. 【請求項3】 テトラフルオロフタロニトリルと下記式
    (3): 【化3】 ただし、Xは、塩素、臭素またはヨウ素原子を表わし;
    mは、1〜4の整数であり;およびnは、0〜3の整数
    であり、この際n及びmの合計は4である、 で示されるヒドロキノン誘導体を反応させることからな
    る請求項1に記載の含ハロゲン芳香族テトラニトリル化
    合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の含ハロゲン芳香族テト
    ラニトリル化合物を加水分解することからなる請求項2
    に記載の含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の含ハロゲン芳香族テト
    ラカルボン酸を脱水することからなる下記式(4): 【化4】 ただし、Xは、塩素、臭素またはヨウ素原子を表わし;
    mは、1〜4の整数であり;およびnは、0〜3の整数
    であり、この際n及びmの合計は4である、 で示される含ハロゲン芳香族テトラカルボン酸二無水物
    の製造方法。
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