JP3543585B2 - 2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸前駆体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、耐熱性、低吸水性、低誘電率等に優れた高機能性フッ素化樹脂の中間原料として有用な2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸前駆体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、樹脂の高機能化への要求が益々高くなってきている。特に電子産業分野では高耐熱性、低吸水性、低誘電率などの物性を併せ持つ機能材料が切望されている。
【0003】
これらの要求に応え得る材料としてフッ素化ポリイミドを挙げることができ、その芳香族テトラカルボン酸成分としてフッ素化テトラカルボン酸二無水物が知られている。
その中の一つとして、下記式(3)で示される2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物が知られている。
【0004】
【化3】
【0005】
この2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物は通常2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸を無水化して製造される。
【0006】
これらの合成法としては、二件が知られているのみである。一つは米国特許第3440277号(1969年)明細書に記載の方法である。前記特許明細書には、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸テトラメチルエステル、および2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物の製造例が記載されている。しかし前記明細書に記載の方法は、合成途中でポリフルオロ芳香族リチウム化合物を経由する多段階を要する合成法であり、この化合物は取り扱いに特別の考慮が必要でありコスト高を招くため、工業的製造方法としては不利である。
【0007】
他の方法は特開平3−101673号公報に記載に記載の方法である。この方法は4−ブロモ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルと銅粉とを用い、ウルマン(Ullmann)反応で2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボニトリルを合成し、この化合物を加水分解、無水化し2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物を合成する方法である。
【0008】
しかし前記公報によれば、この方法では2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボニトリルの収率が18%程度と低く、精製法に関しても金属イオン含量が認識されておらず、工業的製造方法として満足のいくものではない。
【0009】
つまり、これまでは2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’4,4’−テトラカルボン酸二無水物及びその合成中間体として有用である2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4−テトラカルボニトリルや2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4−テトラカルボン酸テトラアルキルエステルなどの2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸前駆体を収率良く製造でき、工業的に実施可能な製造方法はなかったのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’4,4’−テトラカルボン酸二無水物の合成中間体として有用な前記の2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸前駆体を収率良く、また低金属イオン含量で製造でき、工業的に実施可能な製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明者らは、前記の課題を解決することを目的として研究した結果、前記のウルマン反応は銅粉を用いる不均一反応であり、反応の進行を促すには使用する銅粉の量を多くし、より高い反応温度あるいはより長い反応時間が必要になるが、これらは一旦生成した目的とする2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸前駆体の二次反応を促進し、著しく収率を低下させる。また、反応の誘導期が長くなると、副生成物である4−ヒドロ−3,5,6−トリフルオロベンゼン−1,2−ジカルボン酸前駆体の生成量も増加し、目的とする2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸前駆体の収率を低下させる一因になっていることが明らかになった。
そして、さらに研究を進めた結果、この発明を完成したものである。
【0012】
すなわち、この発明は、有機溶媒中、下記一般式(1)で示される4−ハロゲノ−3,5,6−トリフルオロベンゼン−1,2−ジカルボン酸前駆体と
【0013】
【化4】
【0014】
(Y=CNまたはCOOR、R=炭素数1−5のアルキル基)
(X=BrまたはI)
粒径が125μm以下(120メッシュ・アンダ−)の銅粉末とを反応させることを特徴とする下記一般式(2)
【0015】
【化5】
【0016】
(Y=CNまたはCOOR、R=炭素数1−5のアルキル基)
で示される2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸前駆体の製造方法に関する。
また、この発明は、前記の反応後、未反応の銅粉および析出した銅塩を濾別除去した反応液に水洗、抽出、分液および有機層への活性炭処理の各工程を加えて得られる有機層から再結晶処理する銅イオン含量の低い2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸前駆体の製造方法に関する。
【0017】
前記の一般式(1)で示される4−ハロゲノ−3,5,6−トリフルオロベンゼン−1,2−ジカルボン酸前駆体としては、例えば4−ブロモ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル、4−ヨ−ド−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル、4−ブロモ−3,5,6−トリフルオロフタル酸ジメチル、4−ブロモ−3,5,6−トリフルオロフタル酸ジエチル、4−ブロモ−3,5,6−トリフルオロフタル酸ジプロピル、4−ブロモ−3,5,6−トリフルオロフタル酸ジブチル、4−ヨ−ド−3,5,6−トリフルオロフタル酸ジメチル、4−ヨ−ド−3,5,6−トリフルオロフタル酸ジエチル、4−ヨ−ド−3,5,6−トリフルオロフタル酸ジプロピル、4−ヨ−ド−3,5,6−トリフルオロフタル酸ジブチル等が挙げられる。
これらの化合物は、市販されているテトラフルオロフタロニトリル、テトラフルオロフタル酸無水物、テトラフルオロフタル酸、あるいはこれらより誘導されるジエステルを原料に用い、4位のフッ素の求核置換反応により臭素あるいは沃素に置換する方法によって簡便に製造することができる。
【0018】
この発明において使用する銅粉は、粒子径が120メッシュアンダ−(125μm以下)、好ましくは200メッシュ・アンダ−(75μm以下)であることが必要である。
そして、その使用量は、4−ハロゲノ−3,5,6−トリフルオロベンゼン−1,2−ジカルボン酸前駆体1モルに対して0.5−10モル、特に1−5モルが好ましい。
【0019】
前記の有機溶媒としては非プロトン性極性溶媒が好ましく、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホランなどを挙げることができ、特にN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。また、これらの溶媒を使用する前に蒸留あるいはモレキュラ−シ−ブスなどの乾燥剤で脱水すると、前述の副生物である4−ヒドロ−3,5,6−トリフルオロベンゼン−1,2−ジカルボン酸前駆体の生成を抑制する効果があり好ましい。使用する有機溶媒の量は、前記の4−ハロゲノ−3,5,6−トリフルオロベンゼン−1,2−ジカルボン酸前駆体1モルに対して100〜10000ml、特に300〜5000mlが好ましい。
【0020】
また反応温度は通常40−120℃、特に50−100℃程度が好ましい。反応時間は0.5〜15時間程度、特に1〜8時間程度が好ましい。また、反応系は窒素などの不活性ガス置換して行うことが好ましい。
【0021】
反応終了、反応液と固形分とを濾別し、濾液に抽出溶媒、例えばエ−テル、酢酸エチル、クロロホルムあるいはトルエンなどを加え、水洗の後、分液することが必要である。この際希塩酸で洗浄し次いで水洗、分液することが好ましい。
反応終了後、速やかに反応容器を放冷、特に水冷等して強制冷却し、過剰の銅粉と共に析出した銅塩を濾別することが好ましい。
この反応後の処理法は、高収率で目的とする2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸前駆体を得るために重要である。前記の反応終了後に濃縮などの処理を行うと、一旦生成した2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸前駆体が銅粉や銅塩の共存下でさらに反応して消費されるため適当ではない。
【0022】
このようにして得られる有機層(前記の抽出溶媒溶液である有機層であってもよい)に、好適には乾燥剤、例えば硫酸マグネシウムなどの乾燥剤で脱水した後活性炭を加え活性炭処理する。この活性炭処理によって、有機層に含まれる溶存金属イオンを吸着除去することができる。活性炭処理を繰り返すことにより、溶存金属量を望ましい値以下まで調整することができる。
この活性炭処理に使用する活性炭としては、市販の粒状、粉末状のいずれであってもよい。その使用量は4−ハロゲノ−3,5,6−トリフルオロベンゼン−1,2−ジカルボン酸前駆体1モルに対し、1−50g、特に3−30gが好ましい。
前記の活性炭処理は、活性炭を添加した後、0.5−48時間程度、特に1−24時間程度攪拌あるいは静置することが好ましい。
その後、それ自体公知の方法、例えば活性炭を乾燥剤と共に濾別し、濾液を濃縮し、得られた残渣をアルコ−ル系、芳香族炭化水素系、あるいはハロゲン化炭化水素系溶媒で再結晶して2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸前駆体を得ることができる。
【0023】
この発明の方法によれば、得られる2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸前駆体の銅イオン含量が1−10ppm程度と少ないため、近年電子産業分野において要求される金属含量の低い原料として好適に使用することができる。
【0024】
【実施例】
以下、この発明の実施例を示す。
実施例1
還流冷却管を備え付けた100ml三つ口フラスコに4−ブロモ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル6.53g(25.0mmol)、および銅粉(和光純薬製1級、230メッシュアンダ−:63μm以下)3.2g(50mmol)を仕込み、フラスコ内を窒素置換した。これにN,N−ジメチルホルムアミド35mlを加え、オイルバヅで60℃に加熱した。3時間後、反応液の一部をサンプリングしガスクロマトグラフィ−(OV−17カラム、島津製作所製170−250℃、昇温速度5℃/分))で分析したところ、4−ブロモ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルの転化率96%、選択率84%で2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボニトリルが生成していた。
【0025】
反応開始後3.5時間後、反応混合物を室温まで冷却し、過剰の銅粉と析出した銅塩を吸引濾過で濾別した。濾液の一部をサンプリングし、上記と同様にガスクロマトグタフィ−で分析したところ、4−ブロモ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルの転化率99.7%、選択率85%で2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボニトリルが生成していた。また、副生成物である4−ヒドロ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルが選択率6.3%で生成していた。濾液には酢酸エチル200mlを加え、5%塩酸水溶液100ml、次いで水100mlで洗浄、分液した。得られた酢酸エチル溶液に硫酸マグネシウム及び活性炭粉末(和光純薬製)0.5gを加え、室温(25℃)で1時間攪拌した。硫酸マグネシウム及び活性炭を濾別した後、減圧下に酢酸エチルを留去し、残渣にエタノ−ル20mlを加え、再結晶して、3.214gの2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボニトリルを得た。収率は71%である。
この生成物の分析値は以下の通りである。
MS測定、M+ :362
F−NMR測定(400MHz:基準物質CF3 COOH、溶媒DMSO−d6)
δ=−104.60(2F)
−117.850−117.907(2F)
−129.069−129.119(2F)
ICP発光分析(京都光研製UOP−1 Mark−2型)による銅イオンの定量分析結果は、銅イオン含量が3.2ppmであった。
【0026】
実施例2
還流冷却管を備え付けた200ml三口フラスコにテトラフルオロフタロニトリル20.07g、臭化ナトリウム11.33g(110mmol)を仕込み、フラスコ内を窒素置換した。これにN,N−ジメチルホルムアミド100mlを加え、140℃で3時間反応した。放冷後、反応液にトルエン150ml、5%塩酸80ml、次いで水70mlで洗浄後、分液し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ガスクロマトグラフィ−(OV−17カラム、170−250℃、昇温速度5℃/分)で分析したところ、テトラフルオロフタロニトリルの転化率90%、選択率87%で4−ブロモ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルが生成していた。また、選択率12%でジブロモジフタロニトリルが副生していた。
【0027】
硫酸マグネシウムを濾別後、濾液を濃縮し、濃縮残渣を還流冷却管を備えた二00ml三つ口フラスコに仕込み、フラスコ内を窒素置換した。これに実施例1と同じ銅粉12.0g(200mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミフォ90mlを加え、60℃で3時間反応した。反応液の一部をサンプリングしガスクロマトグラフィ−(OV−17カラム、170−250℃、昇温速度5℃/分))で分析したところ、4−ブロモ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルの転化率99%、選択率80%で2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボニトリルが生成していた。また、副生成物である4−ヒドロ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルが選択率9%で生成していた。
【0028】
反応混合物を室温まで冷却し、過剰の銅粉と析出した銅塩を吸引濾過で濾別した後、濾液に酢酸エチル200mlを加え、5%塩酸水溶液100ml、次いで水100mlで洗浄し、分液した。得られた酢酸エチル溶液に硫酸マグネシウム3gおよび活性炭粉末1gを加えよく攪拌した後、室温(25℃)で1夜静置した。硫酸マグネシウム及び活性炭を濾別した後、減圧下に酢酸エチルを留去し、残渣にエタノ−ル50mlを加え、再結晶して、7.88gの2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボニトリルを得た。収率はテトラフルオロフタロニトリル基準で44%であった。ICP発光分析(京都光研製UOP−1 Mark−2型)による銅イオンの定量分析結果は、銅イオン含量が3.2ppmであった。
【0029】
比較例1
実施例1と同様の反応を100メッシュ・アンダ−(149μm以下)であって粒径の大きい銅粉を用いた他は実施例1と同様に反応を行った。
3時間反応した後、反応液の一部をサンプリングしガスクロマトグラフィ−(OV−17カラム、170−250℃、昇温速度5℃/分))で分析したところ、4−ブロモ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルの転化率72%、選択率65%で2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボニトリルが生成していた。また、副生成物である4−ヒドロ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルが選択率30%で生成していた。
さらに反応を続け、8時間後に同様の分析を行ったところ、4−ブロモ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルの転化率98.7%、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボニトリルの選択率45%であり、副生成物である4−ヒドロ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルが選択率52%で生成していた。
【0030】
比較例2
活性炭処理を行わなかった他は実施例1と同様に実施した。
得られた2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボニトリルの銅イオンの定量分析結果は、銅イオン含量が115.8ppmであった。
【0031】
【発明の効果】
この発明によって、高機能性フッ素化樹脂の中間原料として有望な2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸前駆体を工業的に実施可能な簡便な方法で高収率で製造することが可能である。
【0032】
また、この発明の方法によって、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸前駆体を低金属イオン含量で製造することができる。
Claims (2)
- 請求項1の反応後、未反応の銅粉および析出した銅塩を濾別除去した反応液に水洗、抽出、分液および有機層への活性炭処理の各工程を加えて得られる有機層から再結晶処理する銅イオン含量の低い2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸前駆体の製造方法。
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