JP2002329786A - 容量素子及びその製造方法 - Google Patents

容量素子及びその製造方法

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JP2002329786A
JP2002329786A JP2001131476A JP2001131476A JP2002329786A JP 2002329786 A JP2002329786 A JP 2002329786A JP 2001131476 A JP2001131476 A JP 2001131476A JP 2001131476 A JP2001131476 A JP 2001131476A JP 2002329786 A JP2002329786 A JP 2002329786A
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insulating film
lower electrode
film
electrode
iridium
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Yoshihiro Ishiguro
好裕 石黒
Takanobu Matsumura
尊信 松村
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Furuya Metal Co Ltd
Original Assignee
Furuya Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 拡散防止膜を設けずに製造過程における熱処
理時の容量絶縁膜からの拡散による反応を抑制し、性能
の延命と製造工程の簡素化を可能とした容量素子とその
製造方法を提供する。 【解決手段】イリジウム合金、又は、第二元素としてR
hを固溶範囲で含有し、更に第三元素と、この第二元素
と前記第三元素との含有総量を固溶範囲内に抑えてなる
イリジウム合金を用いて、絶縁性基板1上に形成される
下部電極2と、この下部電極2上に強誘電体薄膜よりな
る容量絶縁膜3を介して形成される上部電極4との双方
を形成することにより、従来構造の拡散防止膜18を設け
ずに製造過程における高温酸素雰囲気下での熱処理時に
容量絶縁膜3の強誘電材料が下部、上部両電極2,4中
に拡散することを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路装
置等に内蔵される高誘電率を有する誘電体又は強誘電体
を容量絶縁膜とする容量素子とその製造方法に係り、特
に容量素子を構成する下部、上部両電極の改善に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロコンピュータ等の高速
化、低消費電力が進む中で高誘電率を有する誘電体や強
誘電体を容量絶縁膜とする大容量の容量素子を半導体集
積回路装置等に内蔵する技術が急速に進められ、注目さ
れている。ところで、従来の容量素子は図3に示したよ
うに、絶縁性基板10上に下部電極11を形成すると共に、
この下部電極11上に高誘電率を有する強誘電体薄膜より
なる容量絶縁膜12を形成し、この容量絶縁膜12上には上
部電極13を形成してなる積層構造を成し、更にこの上部
電極13を含めた基板11上の容量絶縁膜12、下部電極11を
覆うようにシリコン窒化膜等からなる絶縁膜14を形成す
ると共に、この絶縁膜14に上部電極13及び下部電極12の
上面の一部に夫々達するコンタクトホール15,16を形成
し、その表面にはチタン、窒化チタン、アルミニウム合
金等の導電物質からなる配線層17を形成してなる。
【0003】そして、この種の容量素子は性能を向上さ
せるために、基板10上に前述した下部電極11、容量絶縁
膜12、そして上部電極13を順次に形成するその製造工程
において配線層17を形成した後に熱処理等が必要不可欠
となっている。つまり、容量絶縁膜を構成する強誘電体
材料の結晶化のために600〜800℃程度の熱処理が必要不
可欠である。即ち、強誘電体材料はチタン酸ジルコン酸
鉛(Pb(Zr、Ti)O3)、チタン酸鉛(Pb Ti O3)、チタ
ン酸ジルコニウム酸バリウム酸((Ba、Pb)(Zr、Ti)
O3)、ニオブ酸バリウム鉛((Ba、Pb)Nb2 O6)、タン
タル酸ストロンチウムビスマス(Sr Bi2 Ta2 O9)、チ
タン酸ビスマス・ストロンチウム(Bi4 Sr Ti3 O12)、
チタン酸ビスマス(Bi4 Ti3 O12)等の金属酸化物から
なり、強誘電体材料の結晶化を図る(一定の規則正しい
結晶方向に配向させる結晶化を図る(結晶を成長させ
る))には600〜800℃の温度(結晶化温度)による熱処
理等が必要とされている。
【0004】因みに、高誘電体材料としてはチタン酸ジ
ルコニウム酸バリウムストロンチウム((Ba、Sr)(Z
r、Ti)O3)、チタン酸ストロンチウム(Sr TiO3)、チ
タン酸バリウムストロンチウム((Ba、Sr)Ti O3)等
の金属酸化物が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、従来から
知られているこの種の容量素子を構成する特に下部電極
と上部電極は、主に白金又はイリジウムから形成されて
いる。従って、前述した600〜800℃の温度(結晶化温
度)による熱処理を行なった際に、容量絶縁膜を構成す
る金属酸化物強誘電体材料の一部が、下部、上部電極、
特に下部電極中に拡散し、該下部電極を構成する白金又
はイリジウムと反応して下部電極の接触抵抗を増大さ
せ、それが容量素子としての性能を低下させる問題とな
る。
【0006】又、従来では前述した構造の容量素子の白
金又はイリジウムからなる下部、上部両電極11,13を容
量絶縁膜12からの拡散による劣化を防ぐべく、図3に示
すように下部電極11と容量絶縁膜12との間、そして、容
量絶縁膜12と上部電極13との間にルテニウム酸ストロン
チウムや酸化イリジウム等の導電性酸化物からなる拡散
防止膜(バリア膜)18を夫々形成することで、熱処理時
の拡散問題を解消することが試みられていた。しかし乍
ら、この様な構造の容量素子を作るためには製造工程に
おいて拡散防止膜18を形成するための工程数が増加、即
ち余分な工程数が必要になるばかりか、ルテニウム酸ス
トロンチウムや酸化イリジウム等の導電性酸化物、即ち
余分な材料が必要になる等から、生産コストが高くなる
新たな問題を引き起こす要因となる。
【0007】本発明はこの様な従来事情に鑑み、長年に
亘り研究を重ねてきた結果、製造過程における熱処理時
に容量絶縁膜を構成する強誘電体材料からの拡散による
影響を受けず、しかも、耐酸化性にも優れた特性を有す
るイリジウム合金に着目し、本発明に至ったものであ
り、その目的とする処は、製造過程のおける熱処理時に
容量絶縁膜を構成する材料からの下部、上部両電極への
拡散を防止又は抑制し、しかも高温酸素雰囲気下での酸
素ガスの透過をも抑制して、性能の維持と製造工程の簡
素化を可能とした容量素子とその製造方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を達成するための手段】課題を達成するために本
発明は、少なくとも基板と、この基板上に形成される下
部電極と、この下部電極上に形成される高誘電率を有す
る強誘電体薄膜からなる容量絶縁膜と、この容量絶縁膜
上に形成される上部電極と、を備える容量素子におい
て、前記下部電極と上部電極のいずれか一方又は双方
を、イリジウムを主成分とし、ロジウム、白金、ルテニ
ウム、パラジウム、ニオブ、タンタル、ハフニウム、チ
タン、ジルコニウム、イットリウム、ランタン、レニウ
ム、クロム、バナジウム、モリブデンこれらいずれか一
種以上を固溶範囲(単相領域)内で含有するイリジウム
合金を用いて形成した容量素子である。そして、本発明
では前述いずれか一種からなる第二元素の含有量を0.1
〜50wt%の固溶範囲(単相領域)内に、又はこれら数種
の第二元素の含有総量を0.1〜50wt%の固溶範囲(単相
領域)内に抑えることが望ましく。特にいずれか一種か
らなる第二元素の含有量を10wt%以下の固溶範囲(単相
領域)内に、又はこれら数種の第二元素の含有総量を%
10wt%の固溶範囲(単相領域)内に抑えることが望まし
い。尚、容量素子は前述の基板、下部電極、容量絶縁膜
及び上部電極の他に、この上部電極を含めた基板上の下
部電極、容量絶縁膜を覆うように形成するシリコン窒化
膜等からなる絶縁膜と、この絶縁膜に上部及び下部両電
極の上面の一部に達するように夫々形成する第1,第2
のコンタクトホールと、更にこの絶縁膜の表面に形成す
るチタン、窒化チタン、アルミニウム合金等の導電物質
からなる配線層と、を備えている。
【0009】又、本発明では少なくとも基板と、この基
板上に形成される下部電極と、この下部電極上に形成さ
れる高誘電率を有する強誘電体薄膜からなる容量絶縁膜
と、この容量絶縁膜上に形成される上部電極と、を備え
る容量素子の製造方法において、下部電極と上部電極の
いずれか一方又は双方を、イリジウムを主成分とし、ロ
ジウム、白金、ルテニウム、パラジウム、ニオブ、タン
タル、ハフニウム、チタン、ジルコニウム、イットリウ
ム、ランタン、レニウム、クロム、バナジウム、モリブ
デンこれらいずれか一種以上を固溶範囲(単相領域)内
で含有するイリジウム合金を用いたスパッタリング法又
は電子ビーム蒸着法により形成するようにした容量素子
の製造方法である。
【0010】又、本発明では上記容量素子及びその製造
方法におけるイリジウム合金は、ロジウムを第二元素と
して固溶範囲(単相領域)内で含有し、更に第三元素と
して白金、ルテニウム、パラジウム、ニオブ、タンタ
ル、ハフニウム、チタン、ジルコニウム、イットリウ
ム、ランタン、レニウム、クロム、バナジウム、モリブ
デンこれらいずれか一種を固溶範囲(単相領域)内で含
有し、更にこの第三元素と前記第二元素との含有総量を
固溶範囲(単相領域)内に抑えたことである。又、前述
の第二元素を0.1〜30wt%の固溶範囲(単相領域)内、
第三元素を0.1〜20wt%の固溶範囲(単相領域)内、そ
してこの第二元素と第三元素との含有総量を0.2〜50wt
%の固溶範囲(単相領域)内に抑えることが望ましいも
のである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の具体例を図面に基
づいて説明する。図1は、本発明容量素子の構造の一例
を示す断面図であり、絶縁性の基板1と、この基板1上
に密着層5を介して形成される下部電極2と、この下部
電極2上に形成される高誘電率を有する強誘電体薄膜か
らなる容量絶縁膜3と、この容量絶縁膜3上に形成され
る上部電極4と、この上部電極4を含めた基板1上の下
部電極2、容量絶縁膜3を覆うように形成するシリコン
窒化膜等からなる絶縁膜6と、この絶縁膜6に下部、上
部両電極2,4の上面の一部に達するように夫々形成す
る第1,第2のコンタクトホール7,8と、更にこの絶
縁膜6の表面に形成するチタン、窒化チタン、アルミニ
ウム合金等の導電物質からなる配線層9とを備える構造
としてある。
【0012】そして、本発明では前述の下部電極2と上
部電極4とを後述組成からなるイリジウム合金を用いた
スパッタリング法又は電子ビーム蒸着法にて形成するこ
とにより、容量素子の性能を向上させるために行なう60
0〜800℃の熱処理時に容量絶縁膜3を構成する強誘電体
材料が下部、上部両電極2,4中に拡散することを防止
する。即ち、下部、上部電極2,4を酸化に対する安定
皮膜が表面に生成されるイリジウム合金から形成するこ
とにより、強誘電体材料との反応を防止する耐酸化性を
下部、上部両電極2,4に付与するものである。又、イ
リジウム合金は結晶構造が非晶質に保たれることによ
り、酸素雰囲気における酸素の透過、特に下部電極2か
ら基板1との間のチタンからなる密着層5への酸素の透
過による該密着層5の酸化を防ぐ。それにより、密着層
5が酸化されることで引き起こす下部電極2の接触抵抗
の増大を防いで、容量素子の性能低下を防ぐようにして
ある。
【0013】従って、本発明では下部電極2と上部電極
4を形成するイリジウム合金を、純イリジウム(Ir)
を主成分とし、ロジウム(Rh)、白金(Pt)、ルテ
ニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ニオブ(N
b)、タンタル(Ta)、ハフニウム(Hf)、チタン
(Ti)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム
(Y)、ランタン(La)、レニウム(Re)、クロム
(Cr)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、タ
ングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(O
s)これらいずれか一種からなる第二元素の含有量を0.
1〜50wt%の固溶範囲(単相領域)内に、又はこれら
の第二元素数種の含有総量を0.1〜50wt%の固溶範囲
(単相領域)内に抑えることが重要である。特に、イリ
ジウム基二元系合金の場合は前述した各種の元素の内、
Pt、Pd、Rh、Ru、Nb、Ta、Hf、Ti、Z
r、Y、La、Re、Cr、V、Mo、W、Re、Os
これらいずれか一種からなる第二元素にあってはその含
有量を10wt%以下の固溶範囲(単相領域)内に、又はこ
れら第二元素数種の含有総量を10wt%以下の固溶範囲
(単相領域)内に抑えることが望ましい。
【0014】そして、イリジウム基三元系合金の場合に
は前述した各種の元素の内、第二元素としてRhを選択
して0.1〜30wt%の固溶範囲(単相領域)内で含有し、
第三元素としてPt、Ru、Pd、Nb、Ta、Hf、
Ti、Zr、Y、La、Re、Cr、V、Mo、W、R
e、Osこれらいずれか一種を0.1〜20wt%の固溶範囲
(単相領域)で含有し、この第三元素と前記第二元素と
の含有総量を0.2〜50wt%の固溶範囲(単相領域)内に
抑えることが望ましい。
【0015】次に、イリジウム合金の具体的な組成につ
いて説明する。まず始めに、主成分となる純Irに対
し、含有量が10wt%以下の固溶範囲(単相領域)内で単
独含有されるように例えばNb、Hf、Y、Ta、Mo
の各第二元素を所定量坪取してアーク溶解法により溶製
したIr−10Nb系合金、Ir−10Hf系合金、Ir−10Y系合
金、Ir−10Ta系合金、Ir−10Mo系合金等これらのイリジ
ウム二元系合金が挙げられる。
【0016】そして、主成分となる純Irに、第二元素
として15wt%のRhを、第三元素として15wt%の白金を含
有し、この両元素の含有総量がIrに対し30wt%の固溶
範囲になるように坪取したIr−15Rh−15Pt系合金。又、
第二元素として2wt%のRhを、第三元素として3wt%の
Ruを含有し、この両元素の含有総量がIrに対し5wt
%の固溶範囲になるように坪取したIr−2Rh−3Ru系合
金。又、第二元素として2wt%のRhを、第三元素とし
て3wt%のReを含有し、この両元素の含有総量がIr
に対し5wt%の固溶範囲になるように坪取したIr−2Rh
−3Re系合金。又、第二元素として10wt%のRhを、第
三元素として1wt%のMoを含有し、この両元素の含有
総量がIrに対し11wt%の固溶範囲になるように坪取し
たIr−10Rh−1Mo系合金。又、第二元素として2wt%の
Rhを、第三元素として3wt%のCrを含有し、この両
元素の含有総量がIrに対し5wt%の固溶範囲になるよ
うに坪取したIr−2Rh−3Cr系合金。又、第二元素とし
て2wt%のRhを、第三元素として3wt%のVを含有し、
この両元素の含有総量がIrに対し5wt%の固溶範囲に
なるように坪取したIr−2Rh−3V系合金、等のこれら
のイリジウム三元系合金が挙げられる。
【0017】次に、以上の如く構成した構造の容量素子
の製造方法について図2に示した(a)〜(h)までの
工程図を参照しながら説明する。まず始めに、(a)に
示すように、絶縁性基板1上に20nmの膜厚を有する密着
層5をチタン(Ti)を用いたスパッタリング法により
堆積する。そして、この密着層5の上に140nmの膜厚を
有する下部電極2を前述組成からなる例えばIr−10Nb系
合金、Ir−10Y系合金、Ir−10Ta系合金、Ir−15Rh−15P
t系合金、Ir−2Rh−3Re系合金、Ir−10Rh−1Mo系合
金等これらのイリジウム二元系合金、三元系合金を用い
たスパッタリング法により堆積する。次に、この下部電
極2の上に170nmの膜厚を有する容量絶縁膜3をSrB
ixTaxOy等を用いた回転塗布法又はCVD法又は
スパッタリング法により堆積した後、この容量絶縁膜3
の上に上部電極4を前述のイリジウム二元系合金、三元
系合金を用いたスパッタリング法により200nmの膜厚に
て堆積する。
【0018】次に、(b)〜(d)に示すように、上部
電極4、容量絶縁膜3及び下部電極2をパターンニング
してエッチングを施すと共に、更に容量絶縁膜3の一部
には下部電極2に達するコンタクトホール用の開口部3a
を設ける。
【0019】次に、(e)〜(f)に示すように、上部
電極4を含めた基板1上の容量絶縁膜3、下部電極2を
覆うようにシリコン窒化膜等からなる絶縁膜6を形成し
た後、この絶縁膜6に下部電極2及び上部電極4の上面
の一部に夫々達するコンタクトホール7,8を形成す
る。
【0020】最後に、(g)〜(h)に示すように、絶
縁膜6の表面にチタン、窒化チタン、アルミニウム合金
等の導電物質からなる配線層9を形成すると共に、この
配線層9にパターンを施した後に、エッチングを行なう
ことにより、容量素子を作製する。
【0021】尚、前述の製造方法においてはイリジウム
合金を用いた下部、上部両電極2,4の堆積(薄膜生
成)をスパッタリング法により行なったが、電子ビーム
蒸着法でも良いことは言うまでもないであろう。
【0022】そして、本発明では電気抵抗の評価を行な
うために実施例1〜3と比較例1〜3を挙げて試験を行
なった。
【0023】実施例1 絶縁性基板上に、RFスパッタ装置を使用してTiから
なる密着層を形成し、その上に前述した各組成からなる
イリジウム合金、例えばIr−10Nb系合金、Ir−10Y系合
金、Ir−10Ta系合金等これらの二元系合金、そしてIr−
15Rh−15Pt系合金、Ir−2Rh−3Re系合金、Ir−10Rh−
1Mo系合金等これらの三元系合金からなるイリジウム合
金ターゲット材を用いたスパッタリング法により電極膜
(薄膜)を形成した試験片を作製した。この時の成膜条
件は、以下の通りである。 a.ターゲット材のサイズ:直径50.8mm、厚さ5mm b.ターゲット材と基板までの距離:約200mm c.到達真空度:9.0×10-4−Pa以下 d.成膜時の全圧:0.1〜0.7Pa e.RF投入電圧:100〜200W 尚、ここで、電極膜を成膜する際の各金属の含有量は、
各含有金属原子の放出量を制御することにより調整す
る。そして、この放出量の制御は各薄膜形成用のイリジ
ウム合金ターゲット材へのRF投入電力を調整すること
で行なうようにした。
【0024】比較例1 実施例1と同様にRFスパッタ装置を使用してTiから
なる密着層を基板上に形成し、その上にIr又はPtか
らなる電極膜を夫々形成した試験片を夫々作製した。こ
の時の成膜条件は実施例1と同様である。
【0025】実施例1と比較例1で準備した夫々の試験
片を常温酸素雰囲気中四端針法で電極膜の電気抵抗を測
定した。次に、この試験片を高温酸素雰囲気中において
400〜1000℃にて熱処理を行ない。その熱処理を所定時
間行なった後に、同じく四端針法で電極膜の電気抵抗を
測定して見たところ、本実施例1で得られたイリジウム
合金からなる電極膜を有する何れの試験片にも変化が見
られなかったが、比較例1のIr又はPaからなる電極
膜を夫々有する両試験片には酸素ガスの透過による密着
層の酸化が見られ、電極膜の接触抵抗が増大しているこ
とが分かった。
【0026】実施例2 実施例1と同様に絶縁性基板上に、RFスパッタ装置を
使用してTiOxからなる密着層を形成し、その上に実
施例1と同様にイリジウム合金ターゲット材を用いたス
パッタリング法により電極膜(薄膜)を形成した試験片
を作製した。この時の成膜条件は、以下の通りである。 a.ターゲット材のサイズ:直径50.8mm、厚さ5mm b.ターゲット材と基板までの距離:約200mm c.到達真空度:9.0×10-4−Pa以下 d.成膜時の全圧:0.1〜0.7Pa e.酸素分圧:5.0〜15% f.RF投入電圧:100〜200W 尚、ここで、電極膜を成膜する際の各金属の含有量は、
実施例1と同様に各含有金属原子の放出量を制御するこ
とにより調整し、この放出量の制御は各薄膜形成用のイ
リジウム合金ターゲット材へのRF投入電力を調整する
ことで行なうようにした。
【0027】比較例2 実施例2と同様にRFスパッタ装置を使用し、TiOx
からなる密着層を基板上に形成し、その上にIr又はP
tからなる電極膜を夫々形成した試験片を夫々作製し
た。この時の成膜条件は実施例2と同様である。
【0028】実施例2と比較例2で準備した夫々の試験
片を常温酸素雰囲気中四端針法で電極膜の電気抵抗を測
定した。次に、この試験片を高温酸素雰囲気中において
400〜1000℃にて熱処理を行ない。その熱処理を所定時
間行なった後に、同じく四端針法で電極膜の電気抵抗を
測定して見たところ、本実施例2で得られたイリジウム
合金からなる電極膜を有する何れの試験片にも変化が見
られなかったが、比較例2のIr又はPaからなる電極
膜を夫々有する両試験片には酸素ガスの透過による密着
層の酸化が見られ、電極膜の接触抵抗が増大しているこ
とが分かった。
【0029】実施例3 実施例1と同様に絶縁性基板上に、RFスパッタ装置を
使用してTiNxからなる密着層を基板上に形成し、そ
の上に実施例1と同様にイリジウム合金ターゲット材を
用いたスパッタリング法により電極膜(薄膜)を形成し
た試験片を作製した。この時の成膜条件は、以下の通り
である。 a.ターゲット材のサイズ:直径50.8mm、厚さ5mm b.ターゲット材と基板までの距離:約200mm c.到達真空度:9.0×10-4−Pa以下 d.成膜時の全圧:0.1〜0.7Pa e.窒素分圧:5.0〜15% f.RF投入電圧:100〜200W 尚、ここで、電極膜を前述のイリジウム合金ターゲット
材を用いて成膜する際の各金属の含有量は、実施例1と
同様に各含有金属原子の放出量を制御することにより調
整し、この放出量の制御は各薄膜形成用にイリジウム合
金ターゲット材へのRF投入電力を調整することで行な
うようにした。
【0030】比較例3 実施例1と同様にRFスパッタ装置を使用し、TiNx
からなる密着層を基板上に形成し、その上にIr又はP
tからなる電極膜を夫々形成した試験片を夫々作製し
た。この時の成膜条件は実施例3と同様である。
【0031】実施例3と比較例3で準備した夫々の試験
片を常温酸素雰囲気中四端針法で電極膜の電気抵抗を測
定した。次に、この試験片を高温酸素雰囲気中において
400〜1000℃にて熱処理を行ない。その熱処理を所定時
間行なった後に、同じく四端針法で電極膜の電気抵抗を
測定して見たところ、本実施例3で得られたイリジウム
合金からなる電極膜を有する何れの試験片にも変化が見
られなかったが、比較例3のIr又はPaからなる電極
膜を夫々有する両試験片には酸素ガスの透過による密着
層の酸化が見られ、電極膜の接触抵抗が増大しているこ
とが分かった。
【0032】尚、容量素子の構造としては前述の形態に
限定されるものではなく、例えば絶縁性基板1上に各種
のソース、ドレーン、ゲート電極、並びに酸化膜、絶縁
膜等を有し、その上に前述の下部電極2を有する構造等
の全ての容量素子について本発明は対称としているもの
である。
【0033】
【発明の効果】本発明の容量素子及びその製造方法は叙
上の如く構成してなることから下記の作用効果を奏す
る。本発明によれば、従来の容量素子の電極を形成する
白金又はイリジウムに比較しても容量絶縁膜を構成する
強誘電体材料の拡散による反応を防止又は抑制する耐酸
化性に優れたイリジウム合金を用いて下部、上部両電極
を形成してなることから、容量素子の製造工程において
該容量素子の性能を向上させるために行なわれる配線層
を形成した後に600〜800℃で熱処理する際に、強誘電体
材料の下部、上部両電極中への拡散を防止又は抑制する
ことができる。従って、従来の容量素子構造のように、
下部電極と容量絶縁膜との間、そして、容量絶縁膜と上
部電極との間にルテニウム酸ストロンチウムや酸化イリ
ジウム等の導電性酸化物からなる拡散防止膜を設ける必
要が無くなり、その分、製造工程の簡素化が図られ、し
かも、材料費を削減することができることにより、容量
素子を低コストで形成することができる。
【0034】又、本発明によれば、前述の熱処理時に、
該処理温度(結晶化温度)を受けない。即ち、600〜800
℃の熱影響により結晶化されずに非晶質状態に保たれる
イリジウム合金を用いて下部、上部両電極を形成してな
ることから、金属結晶が非晶質故に、熱処理時の高温酸
素雰囲気下での酸素ガスの透過、特に下部電極から基板
との間の密着層への酸素ガスの透過を防いで、該密着層
の酸化を防ぐことができる。加えて、前述の強誘電体材
料の下部、上部両電極中への拡散防止をより一層効果的
に図る拡散防止作用をも期待し得る。従って、密着層が
酸化されることで引き起こす下部電極の接触抵抗の増大
による容量素子の性能低下を防ぐことができる等の効果
が期待できる。
【0035】従って、本発明によれば、拡散防止膜を設
けずに製造過程における熱処理時の容量絶縁膜からの拡
散による反応を抑制し、しかも高温酸素雰囲気下での酸
素ガスの透過をも抑制することができる。よって、性能
の安定と延命による信頼性と製造工程の簡素化による低
コストでの製作を可能とする等の経済的効果が大きい容
量素子とその製造方法を提供することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明容量素子の実施形態の一例を示す構造
断面図
【図2】 (a)〜(h)は同容量素子の製造方法の一
例を示す工程図
【図3】 従来の容量素子を示す構造断面図
【符号の説明】
1:基板 2:下部電極 3:容量絶縁膜 4:上部電極 5:密着層 6:絶縁膜 7:第1のコンタクトホール 8:第2のコンタクトホール 9:配線層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E082 AB03 BB10 BC30 EE05 EE23 EE37 FG03 FG26 PP03 5F038 AC05 AC15 AC18 EZ14 EZ17 EZ20 5F083 FR01 GA02 GA25 HA00 JA17 JA36 JA38 JA39 JA40 PR22 PR23 PR33

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基板と、この基板上に形成さ
    れる下部電極と、この下部電極上に形成される高誘電率
    を有する強誘電体薄膜からなる容量絶縁膜と、この容量
    絶縁膜上に形成される上部電極と、を備える容量素子に
    おいて、 前記下部電極と上部電極のいずれか一方又は双方を、イ
    リジウムを主成分とし、ロジウム、白金、ルテニウム、
    パラジウム、ニオブ、タンタル、ハフニウム、チタン、
    ジルコニウム、イットリウム、ランタン、レニウム、ク
    ロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、レニウ
    ム、オスミウムこれらいずれか一種以上を固溶体範囲内
    で含有するイリジウム合金を用いて形成してなることを
    特徴とする容量素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のイリジウム合金が、ロジ
    ウムを第二元素として選択含有し、更に第三元素として
    白金、ルテニウム、パラジウム、ニオブ、タンタル、ハ
    フニウム、チタン、ジルコニウム、イットリウム、ラン
    タン、レニウム、クロム、バナジウム、モリブデン、タ
    ングステン、レニウム、オスミウムこれらいずれか一種
    を固溶範囲内で含有し、この第三元素と前記第二元素と
    の含有総量が固溶範囲内であることを特徴とする容量素
    子。
  3. 【請求項3】 少なくとも基板と、この基板上に形成さ
    れる下部電極と、この下部電極上に形成される高誘電率
    を有する強誘電体薄膜からなる容量絶縁膜と、この容量
    絶縁膜上に形成される上部電極と、を備える容量素子の
    製造方法において、 下部電極と上部電極のいずれか一方又は双方を、イリジ
    ウムを主成分とし、ロジウム、白金、ルテニウム、パラ
    ジウム、ニオブ、タンタル、ハフニウム、チタン、ジル
    コニウム、イットリウム、ランタン、レニウム、クロ
    ム、バナジウム、モリブデン、タングステン、レニウ
    ム、オスミウムこれらいずれか一種以上を含有するイリ
    ジウム合金を用いたスパッタリング法又は電子ビーム蒸
    着法により形成することを特徴とする容量素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のイリジウム合金が、ロジ
    ウムを第二元素として選択含有し、更に第三元素として
    白金、ルテニウム、パラジウム、ニオブ、タンタル、ハ
    フニウム、チタン、ジルコニウム、イットリウム、ラン
    タン、レニウム、クロム、バナジウム、モリブデン、タ
    ングステン、レニウム、オスミウムこれらいずれか一種
    を含有し、この第三元素と前記第二元素との含有総量が
    固溶範囲内であることを特徴とする容量素子の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004296735A (ja) * 2003-03-26 2004-10-21 Seiko Epson Corp 強誘電体キャパシタの製造方法、強誘電体キャパシタ、記憶素子、電子素子、メモリ装置及び電子機器
WO2011155210A1 (ja) * 2010-06-10 2011-12-15 パナソニック株式会社 不揮発性記憶素子およびそれを備えた不揮発性記憶装置

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