JP2002324580A - 非水系電解液二次電池 - Google Patents

非水系電解液二次電池

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JP2002324580A
JP2002324580A JP2002038703A JP2002038703A JP2002324580A JP 2002324580 A JP2002324580 A JP 2002324580A JP 2002038703 A JP2002038703 A JP 2002038703A JP 2002038703 A JP2002038703 A JP 2002038703A JP 2002324580 A JP2002324580 A JP 2002324580A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高容量で保存特性、サイクル特性に優れた非
水系電解液二次電池を提供する。 【解決手段】 リチウムを吸蔵・放出することが可能な
炭素質材料からなる負極と、正極と、非水溶媒にリチウ
ム塩を溶解してなる電解液とから少なくとも構成される
非水系電解液二次電池において、負極がX線回折におけ
るd002値が0.335〜0.338nmである炭素材
料を核材とし、その核材の表面の一部又は全部に前記核
材よりもd002値が大きい炭素質物が付着しており、か
つ核材と前記核材よりもd002値が大きい炭素質物が重
量比で99/1〜80/20の割合であり、更に前記非
水溶媒中にビニレンカーボネート化合物類とビニルエチ
レンカーボネート化合物類とを少なくとも一種ずつ含有
することを特徴とする非水系電解液二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水系電解液二次
電池に関する。本発明によれば、特定の負極と特定の構
造の化合物が添加された非水系電解液を使用することに
より、高容量で保存特性、サイクル特性に優れた非水系
電解液二次電池の提供が可能となる。
【0002】
【従来の技術】近年の電気製品の軽量化、小型化にとも
ない、高いエネルギー密度を持つリチウム二次電池の開
発が進められている。また、リチウム二次電池の適用分
野の拡大に伴い電池特性の改善も要望されている。金属
リチウムを負極とする二次電池は高容量化を達成できる
電池として古くから盛んに研究が行われている。しか
し、金属リチウムは充放電の繰り返しによりデンドライ
ト状に成長し、最終的には正極に達して電池内部におい
て短絡が生じてしまうという問題がある。この問題は金
属リチウム二次電池を実用化する際の最大の技術的な課
題となっている。
【0003】これに対しては負極に、例えばコークス、
人造黒鉛、天然黒鉛等のリチウムを吸蔵・放出すること
が可能な炭素質材料を用いた非水系電解液二次電池が提
案されている。このような非水系電解液二次電池では、
リチウムが金属状態で存在しないためデンドライトの形
成が抑制され、電池寿命と安全性を向上することができ
る。特に人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛系炭素質材料を用
いた非水系電解液二次電池は、高容量化の要求に応える
ものとして注目されている。
【0004】上記炭素質材料を使用するリチウム二次電
池においては、非水系電解液の高誘電率溶媒として通
常、プロピレンカーボネートやエチレンカーボネート等
の環状カーボネートが広く用いられている。コークスな
どの非黒鉛系炭素質材料を用いた非水系電解液二次電池
では、プロピレンカーボネートを含む溶媒が好適に用い
ることができる。一方、黒鉛系炭素質材料を単独で、或
いは、リチウムを吸蔵・放出可能な他の負極材と混合し
て負極とした非水系電解液二次電池では、プロピレンカ
ーボネートを含む溶媒を用いると、充電時に電極表面で
プロピレンカーボネートの分解反応が激しく進行して、
黒鉛系炭素質負極への円滑なリチウムの吸蔵・放出が不
可能になる。
【0005】一方、エチレンカーボネートはこのような
分解が少ないことから、黒鉛系炭素質負極を用いた非水
系電解液二次電池の電解液としては、エチレンカーボネ
ートが高誘電率溶媒として多用されている。しかしなが
ら、エチレンカーボネートを主溶媒としても、充放電過
程において電極表面で電解液が分解するために充放電効
率の低下、サイクル特性の低下、ガス発生による電池内
圧の上昇等の問題があった。
【0006】そこで黒鉛系炭素質材料と、電解液に対し
て分解活性の低い黒鉛よりも結晶性の低い炭素質材料を
組み合わせて用いることが提案されている。例えば黒鉛
系炭素質を炭素化可能な有機物で被覆し、その被覆体を
焼成することで炭素化した非晶質被覆黒鉛系炭素物質を
製造し、使用するものである。この炭素物質は、電解液
の分解抑制に効果が見られるが、更なる改良が望まれて
いる。
【0007】電解液については、非水系電解液二次電池
の特性向上のために種々の添加剤が提案されている。黒
鉛系負極を用いた非水系電解液二次電池の電解液の分解
を抑制するために、ビニレンカーボネート及びその誘導
体を含有する電解液(特開平8−45545号公報)や
側鎖に非共役不飽和結合を有するエチレンカーボネート
誘導体を含む電解液(特開2000−40526号公
報)が提案されている。これらの化合物を含む電解液
は、前記化合物が、負極表面で還元分解されて皮膜を形
成し、この皮膜により電解液の過度の分解が抑制され
る。しかしこれらの化合物は、80℃以上の高温環境下
での保存特性については、必ずしも満足できるものでは
ない。また、ビニレンカーボネート化合物は充電状態の
正極材とも反応しやすく、添加量が多くなると保存特性
が低下する傾向にある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点を
鑑みてなされたものであり、炭素質材料を含む負極を用
いた非水系電解液二次電池の電解液の分解を最小限に抑
えて、充放電効率が高く、高温下でも保存特性、サイク
ル特性の優れた高エネルギー密度の非水系電解液二次電
池を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために種々の検討を重ねた結果、特定の炭素
材料からなる負極と特定の電解液とを用いることで、電
解液の分解を最小限に抑えて充放電効率を向上させ、保
存特性、サイクル特性を向上させることができることを
見いだし、この発明を完成させるに至った。
【0010】本発明は、このような知見に基づいて完成
されたものであり、リチウムを吸蔵・放出することが可
能な炭素質材料からなる負極と、正極と、非水溶媒にリ
チウム塩を溶解してなる電解液とから少なくとも構成さ
れる非水系電解液二次電池において、負極がX線回折に
おける格子面(002面)のd値が0.335〜0.3
38nmである炭素材料を核材とし、その核材の表面の
一部又は全部に前記核材よりもX線回折における格子面
(002面)のd値が大きい炭素質物が付着しており、
かつ核材と前記核材よりもX線回折における格子面(0
02面)のd値が大きい炭素質物が重量比で99/1〜
80/20の割合であり、更に前記非水溶媒中に下記一
般式(I)で表されるビニレンカーボネート化合物と下
記一般式(II)で表されるビニルエチレンカーボネート
化合物とを少なくとも一種ずつ含有することを特徴とす
るものである。
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R1 、R2 は、それぞれ独立し
て、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R3 、R4 及びR5 は、それぞれ
独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表
し、R6 、R7 及びR8 は、それぞれ独立して、水素原
子又は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜7のア
ルケニル基を表す。) また本発明は、X線回折における格子面(002面)の
d値が0.335〜0.338nmである炭素材料を核
材とし、その核材の表面の一部又は全部に前記核材より
もX線回折における格子面(002面)のd値が大きい
炭素質物が付着しており、かつ核材と前記核材よりもX
線回折における格子面(002面)のd値が大きい炭素
質物が重量比で99/1〜80/20の割合である炭素
質材料を含むリチウムを吸蔵・放出することが可能な負
極と、正極とを少なくとも備えた非水系電解液二次電池
用の非水系電解液であって、該非水系電解液が非水溶媒
とリチウム塩とから少なくとも構成され、前記非水溶媒
中に下記一般式(I)で表されるビニレンカーボネート
化合物と下記一般式(II)で表されるビニルエチレンカ
ーボネート化合物とを少なくとも一種ずつ含有すること
を特徴とするものである。
【0015】
【化7】
【0016】(式中、R1、R2は、それぞれ独立して、
水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
【0017】
【化8】
【0018】(式中、R3、R4及びR5は、それぞれ独
立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表
し、R6,R7及びR8は、それぞれ独立して、水素原子
又は炭素数1〜4のアルキル基または炭素数2〜7のア
ルケニル基を表す。) 本発明において提供可能となる二次電池においては、初
期の充電時から、前記負極表面の電解液分解活性の高い
部位に、ビニレンカーボネート化合物由来の還元反応生
成物とビニルエチレンカーボネート化合物由来の還元反
応生成物の複合被膜が効率よく生成し、理由は明確でな
いがビニレンカーボネート化合物とビニルエチレンカー
ボネート化合物の還元反応生成物が異なるためにその複
合被膜が高温環境下でも安定であり、過度の電解液の分
解を抑制し、充放電効率や保存特性、サイクル特性を向
上させると思われる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、このような知見に基づ
いて完成されたものであり、リチウムを吸蔵・放出する
ことが可能な炭素質材料からなる負極と、正極と、非水
溶媒にリチウム塩を溶解してなる電解液とから少なくと
も構成される非水系電解液二次電池において、負極がX
線回折における格子面(002面)のd値が0.335
〜0.338nmである炭素材料を核材とし、その核材
の表面の一部又は全部に前記核材よりもX線回折におけ
る格子面(002面)のd値が大きい炭素質物が付着し
ており、かつ核材と前記核材よりもX線回折における格
子面(002面)のd値が大きい炭素質物が重量比で9
9/1〜80/20の割合であり、更に前記非水溶媒中
に一般式(I)で表されるビニレンカーボネート化合物
と一般式(II)で表されるビニルエチレンカーボネート
化合物とを少なくとも一種ずつ含有することを特徴とす
るものである。
【0020】核材として用いる炭素材料としては、黒鉛
系の炭素材料が好ましく、例えば好適には種々の原料か
ら得た易黒鉛性ピッチの高温熱処理によって製造された
人造黒鉛、天然黒鉛、これを高純度化した精製天然黒鉛
或いはキッシュ黒鉛が主として使用される。これらの炭
素材料は学振法によるX線回折で求めた格子面(002
面)のd値(層間距離)は0.335〜0.338nm
であり、0.335〜0.337nmであるのが好まし
い。灰分は1重量%以下であるのが好ましく、0.5重
量%以下であるのがより好ましく、0.1重量%以下で
あるのが特に好ましい。また、学振法によるX線回折で
求めた結晶子サイズ(Lc)は30nm以上であるのが
好ましく、50nm以上であるのがより好ましく、10
0nm以上であるのが特に好ましい。
【0021】また、レーザー回折・散乱法による炭素材
料粉体のメジアン径は、1〜100μmであるのが好ま
しく、3〜50μmであるのがより好ましく、5〜40
μmであるのが更に好ましく、7〜30μmであるのが
特に好ましい。BET法比表面積は、0.3〜25.0
2 /gであるのが好ましく、0.5〜20.0m2
gであるのがより好ましく、0.7〜15.0m2 /g
であるのが更に好ましく、0.8〜10.0m2 /gで
あるのが特に好ましい。また、前記径に調整された粉体
をアルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル
分析した場合、1570〜1620cm-1の範囲のピー
クPA (ピーク強度IA )及び1300〜1400cm
-1の範囲のピークPB (ピーク強度IB )の強度比R=
B /I A は0.01〜0.5が好ましく、1570〜
1620cm-1の範囲のピークの半値幅は26cm-1
下、特に25cm-1以下であるのが好ましい。
【0022】核材として用いる炭素材料よりもX線回折
における格子面(002面)のd値が大きい、該核材の
表面に付着している炭素質物については、核材として用
いる炭素材料より結晶性が低ければ特に限定されない
が、学振法によるX線回折で求めた格子面(002面)
のd値(層間距離)が0.338nmを越えるものが好
ましい。通常d値は、0.36nm程度までのものが使
用される。
【0023】核材と前記核材よりもX線回折における格
子面(002面)のd値が大きい炭素質物の割合(核材
/表面炭素質物)については、重量比で99/1〜80
/20、好ましくは99/1〜85/15、とするのが
エネルギー密度の向上とサイクル特性の点から好まし
い。核材と前記核材よりもX線回折における格子面(0
02面)のd値が大きい炭素質物の形態については特に
限定されないが、核材粒子の表面の一部又は全部に、前
記核材よりもX線回折における格子面(002面)のd
値が大きい炭素質物が付着又は被覆した形態である「多
相構造黒鉛系炭素質物」が好ましい。
【0024】上記多相構造黒鉛系炭素質物は、黒鉛系炭
素材料を有機物等と混合・焼成し、あるいはCVD法な
どを用いて表面に非晶質炭素を形成させることができ
る。有機物としては、軟ピッチから硬ピッチまでのコー
ルタールピッチや乾留液化油などの石炭系重質油や、常
圧残油、減圧残油等の直留系重質油、原油、ナフサなど
の熱分解時に副生するエチレンタール等分解系重質油等
の石油系重質油が挙げられる。また、これら重質油を2
00℃〜400℃で蒸留して得られた固体状残渣物を1
μm〜100μmに粉砕したものも用いることができ
る。さらに塩化ビニル樹脂や、フェノール樹脂やイミド
樹脂も用いられる。
【0025】黒鉛系炭素材料と有機物との混合は、回転
羽根を用いたかき混ぜ式混合機、ニーダー、かい形ねり
まぜ機、ロール形ねりまぜ機などのねりまぜ式混合装置
が使用でき、また、容器自身の回転により混合するV形
混合機、円筒形混合機、二重円錐形混合機、さらには、
混合羽根を用いたリボン形混合機や、回転パドルを用い
たパドルドライヤなども使用できる。
【0026】こうして得られた黒鉛系炭素材料と有機物
との混合物を不活性ガス雰囲気で焼成して表面に非晶質
炭素を形成させた炭素質材料である多相構造黒鉛系炭素
質物を得ることができる。不活性ガスとしては、窒素、
アルゴンなどを用いることができる。また、焼成温度と
しては400〜2000℃の範囲が好ましく、700〜
1500℃の範囲がなお好ましい。
【0027】焼成後の多相構造黒鉛系炭素質物は適当な
手段により粉砕、解砕、分級等の処理を行って粉体とし
ても良く、その場合、レーザー回折・散乱法による粉体
のメジアン径は、1〜100μmであるのが好ましく、
3〜50μmであるのがより好ましく、5〜40μmで
あるのが更に好ましく、7〜30μmであるのが特に好
ましい。BET法比表面積は、0.3〜25.0m2
gであるのが好ましく、0.5〜20.0m2 /gであ
るのがより好ましく、0.7〜15.0m2 /gである
のが更に好ましく、0.8〜10.0m2 /gであるの
が特に好ましい。また、前記径に調整された粉体をアル
ゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析し
た場合、1570〜1620cm-1の範囲のピークPA
(ピーク強度IA )及び1300〜1400cm-1の範
囲のピークPB (ピーク強度IB)の強度比R=IB
A は0.1〜1.2が好ましく、1570〜1620
cm-1の範囲のピークの半値幅は25〜45cm-1であ
るのが好ましい。
【0028】前記の核となる黒鉛系炭素材料又は上記で
得た多相構造黒鉛系炭素質物にその他のリチウムを吸蔵
・放出可能な負極材を更に混合して用いることもでき
る。その他のリチウムを吸蔵・放出可能な負極材として
は、酸化錫、酸化珪素等の金属酸化物材料、硫化錫等の
金属硫化物材料、リチウム金属、リチウムとアルミニウ
ム、珪素、錫、アンチモン等の種々の金属とのリチウム
合金及び、珪化マグネシウム、珪化銅等の金属珪化物を
例示することができる。これらの負極材料は二種類以上
混合して用いても良い。
【0029】これらの負極材料を用いて負極を製造する
方法については、特に限定されない。例えば、負極材料
に、必要に応じて結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加
えてスラリー状とし、集電体の基板に塗布し、乾燥する
ことにより負極を製造することができるし、また、該負
極材料をそのままロール成形してシート電極としたり、
圧縮成形によりペレット電極とすることもできる。
【0030】電極の製造に用いられる結着剤について
は、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な
材料であれば、特に限定されない。その具体例として
は、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタ
ジエンゴム等を挙げることができる。増粘剤としては、
カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒ
ドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビ
ニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、ガ
ゼイン等が挙げられる。
【0031】導電材としては、銅やニッケル等の金属材
料、グラファイト、カーボンブラック、カーボンファイ
バー等のような炭素材料が挙げられる。負極用集電体の
材質は、銅、ニッケル、ステンレス等の金属が使用さ
れ、これらの中で薄膜に加工しやすいという点とコスト
の点から銅箔が好ましい。本発明に使用される非水溶媒
は、下記一般式(I)で表されるビニレンカーボネート
化合物と下記一般式(II)で表されるビニルエチレンカ
ーボネート化合物とを含有する。
【0032】
【化9】
【0033】一般式(I)において、R1 、R2 は、そ
れぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基を表す。R1 、R2 が炭素数1〜4のアルキル基であ
る場合、その具体例としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec
−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。これら
の中、メチル基、エチル基が好ましい。
【0034】そして、このような一般式(I)で表され
るビニレンカーボネート化合物の具体例としては、ビニ
レンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチ
ルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカ
ーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネート等
を挙げることができる。中でもビニレンカーボネート、
4,5−ジメチルビニレンカーボネートが好ましく、ビ
ニレンカーボネートが特に好ましい。これらは2種以上
混合して用いてもよい。
【0035】一般式(II)において、R3 、R4 及びR
5 は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4の
アルキル基を表し、R6 、R7 及びR8 は、それぞれ独
立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基又は炭
素数2〜7のアルケニル基を表す。R3 、R4 、R5
6 、R7 及びR8 が炭素数1〜4のアルキル基である
場合、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−
ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。これらの
中、メチル基、エチル基が好ましい。
【0036】また、R6 、R7 及びR8 が炭素数2〜7
のアルケニル基である場合、その具体例としては、ビニ
ル基、1−メチルビニル基、2−メチルビニル基、プロ
ペニル基、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペ
ニル基、3−メチルプロペニル基、ブテニル基等が挙げ
られる。そしてこのような一般式(II)で表されるビニ
ルエチレンカーボネート化合物の具体例としては、4−
ビニルエチレンカーボネート、4−メチル−4−ビニル
エチレンカーボネート、4−エチル−4−ビニルエチレ
ンカーボネート、4−n−プロピル−4−ビニルエチレ
ンカーボネート、5−メチル−4−ビニルエチレンカー
ボネート、4,4−ジビニルエチレンカーボネート、
4,5−ジビニルエチレンカーボネート等を挙げること
ができる。
【0037】中でも4−ビニルエチレンカーボネート、
4−メチル−4−ビニルエチレンカーボネート、4,5
−ジビニルエチレンカーボネートが好ましく、4−ビニ
ルエチレンカーボネートが特に好ましい。これらは2種
以上混合して用いてもよい。本発明において、非水溶媒
中の一般式(I)で表されるビニレンカーボネート化合
物の含有量は0.05〜5重量%が好ましく、0.1〜
4重量%が特に好ましい。一般式(II)で表されるビニ
ルエチレンカーボネート化合物の含有量は0.05〜5
重量%が好ましく、0.1〜4重量%が特に好ましい。
本発明においては、上記一般式(I)と一般式(II)で
表される化合物は、その合計量が通常0.1〜6重量
%、好ましくは0.2〜5重量%である。
【0038】本発明に使用される非水溶媒では、特に限
定されず、例えば、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネ
ート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、
ジ−n−プロピルカーボネート、エチルメチルカーボネ
ート等のジアルキル(炭素数1〜4のものが好ましい)
カーボネート、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラ
ヒドロフラン等の環状エーテル、ジメトキシエタン、ジ
メトキシメタン等の鎖状エーテル、γ−ブチロラクト
ン、γ−バレロラクトン等の環状エステル、酢酸メチ
ル、プロピオン酸エチル等の鎖状エステル、スルフォラ
ン、ジエチルスルホン等の含硫黄有機溶媒、リン酸トリ
メチル、リン酸トリエチル等の含燐有機溶媒等が挙げら
れる。これらの溶媒は二種類以上混合して用いても良
い。
【0039】ここで非水溶媒が、アルキレン基の炭素数
が2〜4のアルキレンカーボネートからなる群から選ば
れた環状カーボネートと、アルキル基の炭素数が1〜4
であるジアルキルカーボネートよりなる群から選ばれた
鎖状カーボネートとをそれぞれ20容量%以上含有し、
且つこれらのカーボネートが全体の70容量%以上を占
める混合溶媒であるものが電解液の電気伝導率が高く、
サイクル特性と大電流放電特性が高く好ましい。
【0040】アルキレン基の炭素数が2〜4のアルキレ
ンカーボネートの具体例としては、例えばエチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネ
ート等を挙げることができ、これらの中、エチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネートが好ましい。アルキ
ル基の炭素数が1〜4であるジアルキルカーボネートの
具体例としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、エチルメチ
ルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、
エチル−n−プロピルカーボネート等を挙げることがで
きる。これらの中、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、エチルメチルカーボネートが好ましい。な
お混合非水溶媒中には、カーボネート以外の溶媒を含有
してもよい。
【0041】他の好ましい電解液の非水溶媒の態様とし
て、比誘電率25以上の1種又は2種以上の溶媒を60
容量%以上、特に85容量%以上の割合で含有するもの
が、溶媒自身の沸点が比較的高く、高温の使用において
も揮発や液漏れの問題が少なく好ましい。また、比誘電
率25以上の非水溶媒としてはエチレンカーボネート、
プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バ
レロラクトンが挙げられ、特にエチレンカーボネートを
含有するものが好ましく、その中でもエチレンカーボネ
ートを5容量%以上かつγ−ブチロラクトンを55容量
%以上占める混合溶媒や、エチレンカーボネートを30
容量%以上かつプロピレンカーボネートを30容量%以
上占める溶媒が、高温保存時のガス発生が少なく、サイ
クル特性と大電流放電特性等のバランスが良く更に好ま
しい。
【0042】本来、プロピレンカーボネートやγ−ブチ
ロラクトン等は黒鉛系炭素負極を用いた場合に黒鉛表面
で分解しやすいものであるが、ビニレンカーボネート化
合物とビニルエチレンカーボネート化合物とを少なくと
も一種ずつ含有させることにより、黒鉛系炭素表面に安
定な被膜が形成されることにより、分解を最小限に抑制
することができる。
【0043】非水溶媒には、更に、エチレンサルファイ
ト等のサルファイト、プロパンスルトン等のスルホン酸
エステル、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル
酸等のカルボン酸無水物、1‐メチル‐2‐ピロリジノ
ン、1‐メチル‐2‐ピペリドン、3‐メチル‐2‐オ
キサゾリジノン、1,3‐ジメチル‐2‐イミダゾリジ
ノン、N‐メチルスクシンイミド等の含窒素化合物から
なる群から選ばれる化合物を、非水溶媒に0.01〜3
重量%となるように添加すると、サイクル特性が向上す
る点で好ましい。
【0044】更に、非水系電解液には、セパレータや電
極材との塗れ性を良くするために、界面活性剤を非水溶
媒に0.01〜2重量%となるように添加してもよい。
本発明で使用される電解液の溶質としては、リチウム塩
が用いられる。リチウム塩については、溶質として使用
し得るものであれば特に限定はされないが、その具体例
としては例えば、LiClO4 、LiPF6 、LiBF
4 から選ばれる無機リチウム塩又はLiCF3 SO3
LiN(CF3 SO2 2 、LiN(CF3 CF2 SO
2 2 、LiN(CF3 SO2 )(C4 9 SO2 )、
LiC(CF3 SO2 3 等の含フッ素有機リチウム塩
が挙げられる。これらの中、LiPF6 、LiBF4
好ましい。なおこれらの溶質は2種類以上混合して用い
ても良い。
【0045】電解液中の溶質のリチウム塩モル濃度は、
0.5〜3モル/リットルであることが望ましい。0.
5モル/リットル未満もしくは3モル/リットルを超え
る場合は、電解液の電気伝導率が低下し、電池の性能が
低下するため好ましくない。本発明の電池を構成する正
極の材料としては、特に制限されず、公知の材料が使用
できるが、好ましくはリチウムコバルト酸化物、リチウ
ムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物等のリチウ
ム遷移金属複合酸化物材料等のリチウムを吸蔵及び放出
可能な材料を使用することができる。
【0046】正極の製造方法については、特に限定され
ず、上記の負極の製造方法に準じて製造することができ
る。また、その形状については、正極材料に必要に応じ
て公知の結着剤、導電材、溶媒等を加えて混合後、集電
体の基板に塗布してシート電極としたり、プレス成形を
施してペレット電極とすることができる。正極用集電体
の材質は、アルミニウム、チタン、タンタル等の金属又
はその合金が用いられる。これらの中で、特にアルミニ
ウム又はその合金が軽量であるためエネルギー密度の点
で望ましい。
【0047】本発明の電池に好ましく使用されるセパレ
ーターの材質や形状については、特に限定されない。但
し、電解液に対して安定で、保液性の優れた材料の中か
ら選ぶのが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィンを原料とする多孔性シート又は不織布
等を用いるのが好ましい。負極、正極及び非水系電解液
を少なくとも有する本発明の電池を製造する方法につい
ては、特に限定されず、通常採用されている方法の中か
ら適宜選択することができる。
【0048】また、電池の形状については特に限定され
ず、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシ
リンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合
わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレ
ット電極及びセパレータを積層したコインタイプ等が使
用可能である。
【0049】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えな
い限りこれらの実施例に限定されるものではない。 (実施例1)X線回折における格子面(002面)のd
値が0.336nm、晶子サイズ(Lc)が、100n
m以上(652nm)、灰分が0.07重量%、レーザ
ー回折・散乱法によるメジアン径が12μm、BET法
比表面積が7.5m2 /g、アルゴンイオンレーザー光
を用いたラマンスペクトル分析において1570〜16
20cm-1の範囲のピークPA (ピーク強度IA)及び
1300〜1400cm-1の範囲のピークPB (ピーク
強度IB )の強度比R=IB /IAが0.12、157
0〜1620cm-1の範囲のピークの半値幅が19.9
cm-1である天然黒鉛粉末2kgを石油系ピッチ1kg
と混合し、得られたスラリー状の混合物を回分式加熱炉
で不活性雰囲気下にて1100℃まで2時間で昇温、同
温度で2時間保持した。これを粉砕し、振動式篩いによ
り粒径を18〜22μmに整え、最終的に7%の非晶質
炭素で天然黒鉛表面を被覆した「多相構造黒鉛系炭素質
物」を得た。非晶質炭素部位のX線回折における格子面
(002面)のd値は0.345nmであった。
【0050】本「多相構造黒鉛系炭素質物」を負極活物
質として、「多相構造黒鉛系炭素質物」94重量部にポ
リフッ化ビニリデン6重量部を混合し、N−メチル−2
−ピロリドンで分散させスラリー状としたものを負極集
電体である厚さ18μmの銅箔上に均一に塗布し、乾燥
後、直径12.5mmの円盤状に打ち抜いて負極とし
た。
【0051】正極活物質としてLiCoO2 85重量部
にカーボンブラック6重量部、ポリフッ化ビニリデン
(呉羽化学社製、商品名:KF−1000)9重量部を
加え混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散し、ス
ラリー状としたものを正極集電体である厚さ20μmの
アルミニウム箔上に均一に塗布し、乾燥後、直径12.
5mmの円盤状に打ち抜いて正極とした。
【0052】電解液については、乾燥アルゴン雰囲気下
で、十分に乾燥を行ったLiPF6を溶質として用い、
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混
合物(3:7容量比)にビニレンカーボネート1重量%
とビニルエチレンカーボネート1重量%の割合で添加
し、更にLiPF6 を1モル/リットルの割合で溶解し
て調製した。
【0053】これらの正極、負極、電解液を用いて、正
極集電体を兼ねるステンレス鋼製の缶体に正極を収容
し、その上に電解液を含浸させたセパレーターを介して
負極を載置した。この缶体と負極導電体を兼ねる封口板
とを、絶縁用のガスケットを介してかしめて密封し、コ
イン型電池を作製した。 (比較例1)エチレンカーボネートとエチルメチルカー
ボネートの混合物(3:7容量比)にビニレンカーボネ
ートを2重量%割合で添加し、更にLiPF6 を1モル
/リットルの割合で溶解して調製した電解液を用いた以
外は実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
【0054】(比較例2)エチレンカーボネートとエチ
ルメチルカーボネートの混合物(3:7容量比)にビニ
ルエチレンカーボネートを2重量%割合で添加し、更に
LiPF6 を1モル/リットルの割合で溶解して調製し
た電解液を用いた以外は実施例1と同様にしてコイン型
電池を作製した。
【0055】(実施例2)エチレンカーボネートとγ−
ブチロラクトンの混合物(1:9容量比)にビニレンカ
ーボネートを1重量%とビニルエチレンカーボネート1
重量%の割合で添加し、更にLiBF4 を2モル/リッ
トルの割合で溶解して調製した。 (比較例3)エチレンカーボネートとγ−ブチロラクト
ンの混合物(1:9容量比)にビニレンカーボネートを
2重量%の割合で添加し、更にLiBF4 を2モル/リ
ットルの割合で溶解して調製した電解液を用いたこと以
外は実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
【0056】(比較例4)エチレンカーボネートとγ−
ブチロラクトンの混合物(1:9容量比)にビニルエチ
レンカーボネートを2重量%の割合で添加し、更にLi
BF4 を2モル/リットルの割合で溶解して調製した電
解液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型
電池を作製した。
【0057】(実施例3)エチレンカーボネートとプロ
ピレンカーボネートの混合物(5:5容量比)にビニレ
ンカーボネート1重量%とビニルエチレンカーボネート
1重量%の割合で添加し、更にLiPF6 を1モル/リ
ットルの割合で溶解して調製した電解液を用いた以外は
実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
【0058】(比較例5)エチレンカーボネートとプロ
ピレンカーボネートの混合物(5:5容量比)にビニレ
ンカーボネートを2重量%割合で添加し、更にLiPF
6 を1モル/リットルの割合で溶解して調製した電解液
を用いた以外は実施例1と同様にしてコイン型電池を作
製した。
【0059】(比較例6)エチレンカーボネートとプロ
ピレンカーボネートの混合物(5:5容量比)にビニル
エチレンカーボネートを2重量%割合で添加し、更にL
iPF6 を1モル/リットルの割合で溶解して調製した
電解液を用いた以外は実施例1と同様にしてコイン型電
池を作製した。
【0060】(実施例4)エチレンカーボネートとプロ
ピレンカーボネートとγ−ブチロラクトンの混合物
(2:1:7容量比)にビニレンカーボネート1重量%
とビニルエチレンカーボネート1重量%の割合で添加
し、更にLiBF4 を1.5モル/リットルの割合で溶
解して調製した電解液を用いた以外は実施例1と同様に
してコイン型電池を作製した。
【0061】(比較例7)エチレンカーボネートとプロ
ピレンカーボネートとγ−ブチロラクトンの混合物
(2:1:7容量比)にビニレンカーボネート2重量%
の割合で添加し、更にLiBF4 を1.5モル/リット
ルの割合で溶解して調製した電解液を用いた以外は実施
例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
【0062】(比較例8)エチレンカーボネートとプロ
ピレンカーボネートとγ−ブチロラクトンの混合物
(2:1:7容量比)にビニルエチレンカーボネート2
重量%の割合で添加し、更にLiBF4 を1.5モル/
リットルの割合で溶解して調製した電解液を用いた以外
は実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
【0063】(電池性能試験)これらの実施例1〜4及
び比較例1〜8の電池を25℃において、0.5mAの
定電流で充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3Vで充
放電を5サイクル行って安定させた後、充電状態で85
℃で3日間保存した。保存後の電池を25℃において
0.5mAの定電流で放電終止電圧3Vまで放電させた
後に、0.5mAの定電流で充電終止電圧4.2V、放
電終止電圧3Vで充放電を行って保存特性を検討した。
保存前の放電容量を100とした場合の保存後の放電容
量を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】表1から明らかなように、本実施例の電池
は、保存前の放電容量に対する保存後の放電容量が向上
しており、高温での保存特性の向上に効果がある。
【0066】
【発明の効果】炭素質材料を含む負極を備えた非水系電
解液二次電池において、負極がX線回折における格子面
(002面)のd値が0.335〜0.338nmであ
る炭素材料を核材とし、その核材の表面の一部又は全部
に前記核材よりもX線回折における格子面(002面)
のd値が大きい炭素質物が付着しており、かつ核材と前
記核材よりもX線回折における格子面(002面)のd
値が大きい炭素質物が重量比で99/1〜80/20の
割合であり、更に前記非水溶媒中に一般式(I)で表さ
れるビニレンカーボネート化合物と一般式(II)で表さ
れるビニルエチレンカーボネート化合物とを少なくとも
一種ずつ含有することにより、電解液の分解を最小限に
抑え、高い容量が得られると共に、高温下においても、
保存特性、サイクル特性の優れた電池を作製することが
でき、非水系電解液二次電池の小型化、高性能化に寄与
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 隆 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 (72)発明者 鈴木 仁 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ04 AJ05 AK03 AL06 AL07 AM03 AM05 AM07 BJ03 DJ16 DJ17 DJ18 HJ01 HJ13 5H050 AA07 AA08 AA09 BA17 CA08 CB07 CB08 FA17 FA18 FA19 FA20 HA01 HA13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムを吸蔵・放出することが可能な
    炭素質材料からなる負極と、正極と、非水溶媒にリチウ
    ム塩を溶解してなる電解液とから少なくとも構成される
    非水系電解液二次電池において、負極がX線回折におけ
    る格子面(002面)のd値が0.335〜0.338
    nmである炭素材料を核材とし、その核材の表面の一部
    又は全部に前記核材よりもX線回折における格子面(0
    02面)のd値が大きい炭素質物が付着しており、かつ
    核材と前記核材よりもX線回折における格子面(002
    面)のd値が大きい炭素質物が重量比で99/1〜80
    /20の割合であり、更に前記非水溶媒中に下記一般式
    (I)で表されるビニレンカーボネート化合物と下記一
    般式(II)で表されるビニルエチレンカーボネート化合
    物とを少なくとも一種ずつ含有することを特徴とする非
    水系電解液二次電池。 【化1】 (式中、R1 、R2 は、それぞれ独立して、水素原子又
    は炭素数1〜4のアルキル基を表す。) 【化2】 (式中、R3 、R4 及びR5 は、それぞれ独立して、水
    素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R6 、R
    7 及びR8 は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数
    1〜4のアルキル基又は炭素数2〜7のアルケニル基を
    表す。)
  2. 【請求項2】 X線回折における格子面(002面)の
    d値が0.335〜0.338nmである炭素材料を核
    材とし、その核材の表面の一部又は全部に前記核材より
    もX線回折における格子面(002面)のd値が大きい
    炭素質物が付着しており、かつ核材と前記核材よりもX
    線回折における格子面(002面)のd値が大きい炭素
    質物が重量比で99/1〜80/20の割合である炭素
    質材料を含むリチウムを吸蔵・放出することが可能な負
    極と、正極とを少なくとも備えた非水系電解液二次電池
    用の非水系電解液であって、該非水系電解液が非水溶媒
    とリチウム塩とから少なくとも構成され、前記非水溶媒
    中に下記一般式(I)で表されるビニレンカーボネート
    化合物と下記一般式(II)で表されるビニルエチレンカ
    ーボネート化合物とを少なくとも一種ずつ含有すること
    を特徴とする非水系電解液。 【化3】 (式中、R1、R2は、それぞれ独立して、水素原子又は
    炭素数1〜4のアルキル基を表す。) 【化4】 (式中、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素
    原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R6,R7
    びR8は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜
    4のアルキル基または炭素数2〜7のアルケニル基を表
    す。)
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