JP2003187866A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JP2003187866A
JP2003187866A JP2001388035A JP2001388035A JP2003187866A JP 2003187866 A JP2003187866 A JP 2003187866A JP 2001388035 A JP2001388035 A JP 2001388035A JP 2001388035 A JP2001388035 A JP 2001388035A JP 2003187866 A JP2003187866 A JP 2003187866A
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栄起 安川
Toru Fuse
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Hideji Sato
秀治 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 優れた電池充放電特性とともに、電池安全性
の極めて高いリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 リチウム二次電池において、(1)負極
が、面間隔d002が3.37Å未満の黒鉛系炭素質物と
3.37Å以上の炭素質物とを含み、(2)黒鉛系炭素
質物と炭素質物との重量比が、99.5:0.5〜5
0:50であり、(3)ラマンスペクトル分析におい
て、1570〜1620cm-1の範囲に存在するピークの
強度をIA、1350〜1370cm-1の範囲に存在する
ピークの強度をIBとしたとき、前記負極材のIB/I
Aで表されるR値が、0.2超、1.5以下であり、か
つ(4)前記非水系電解液が、リン酸エステルを含む非
水溶媒、前記非水溶媒に溶解されるリチウム塩、ビニレ
ンカーボネート化合物及び/又はビニルエチレンカーボ
ネート化合物、並びに環状アミド化合物、及び/又は環
状カーバメート化合物、及び/又は環状ヘテロ化合物を
含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
に関し、詳しくは、負極と非水系電解液の組合せが、X
線広角回折における格子面(002面)の面間隔d002
が3.37Å未満の黒鉛系炭素質物(A)と、3.37
Å以上の炭素質物(B)とを含む負極材を含有する負極
と、リン酸エステル、あるいはリン酸エステル及び環状
カルボン酸エステルを含む非水溶媒、前記非水溶媒に溶
解されるリチウム塩、ビニレンカーボネート化合物及び
/又はビニルエチレンカーボネート化合物、並びに、特
定構造の窒素含有化合物を含む非水系電解液であるリチ
ウム二次電池に関する。
【0002】本発明のリチウム二次電池の電解液は不燃
性(引火点なし)を有し、高い導電率及び電気化学的安
定性とを兼ね備えており、特定の負極との組合せによ
り、優れた電池充放電特性とともに、電池安全性の極め
て高い二次電池が提供可能となる。
【0003】
【従来の技術】負極活物質として黒鉛等の炭素質材料、
正極活物質としてLiCoO2、LiNiO2、LiMn
24等のリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウム
二次電池は、4V級の高い電圧と高エネルギー密度を有
する新しい小型の二次電池として急激に成長している。
このようなリチウム二次電池に用いられる電解液として
は、一般的に、エチレンカーボネート、プロピレンカー
ボネート等の高誘電率溶媒に、ジメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート等の低粘度溶媒を混合した有機溶
媒にリチウム塩を溶解したものが用いられている。
【0004】これらの有機非水系電解液を用いたリチウ
ム二次電池は、電池の破損、又は何らかの原因によって
電池内部における圧力が上昇して電解液が漏洩した場合
に、電解液が引火燃焼する危険性がある。
【0005】そこで、有機非水系電解液に難燃化剤を配
合し、難燃性を付与する研究が精力的に進められてい
る。リチウム電池用難燃性電解液として、リン酸エステ
ルを用いることは公知である。例えば、特開昭58−2
06078号公報、特開昭60−23973号公報、特
開昭61−227377号公報、特開昭61−2840
70号公報及び特開平4−184870号公報には、リ
ン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチ
ル、リン酸トリス(2−クロロエチル)のようなO=P
(OR)3型リン酸エステルを用いることが開示されて
いる。さらに、特開平8−88023号公報には、上記
Rの少なくとも1個がハロゲン置換アルキルである、自
己消火性を有する電解液が開示されている。
【0006】しかしながら、これらに用いられるリン酸
エステルのうち、リン酸トリメチルを配合した電解液
は、優れた難燃性を有するが、負極の材質(例えば天然
黒鉛や人造黒鉛)によっては、還元分解されやすい欠点
がある。そのため、リン酸トリメチル配合量を増やした
場合、電池の充放電特性、例えば充放電効率及び放電容
量は、最近要求される特性を満足するものではない。
【0007】また、リン酸エステルのうち、分子中に塩
素や臭素のようなハロゲン原子を有するリン酸エステル
を配合した電解液は、耐酸化還元性が劣り、高電圧を発
生する4V級二次電池等に適用した場合は、充分な充放
電特性をもつ電池が得られない。さらに、電解液中に不
純物として存在する微量の遊離ハロゲンイオンが、正極
集電体として用いられるアルミニウムを腐食させ、電池
特性を劣化させる原因となる。
【0008】また、先に引用した特開平4−18487
0号公報には、環状リン酸エステルを電解液として用い
ることが開示されている。さらに、特開平11−672
67号公報には、環状リン酸エステル20〜55容量%
を、環状炭酸エステルと併用するリチウム電池用電解液
が開示されているが、この系の電解液を難燃化するに
は、20容量%以上の環状リン酸エステルを配合する必
要があり、環状リン酸エステルの配合量の増大に伴い、
導電率が低下するという欠点がある。
【0009】特開平11−260401号公報及び特開
2000−12080号公報には、リン酸エステルをビ
ニレンカーボネート誘導体や特定の環状炭酸エステルと
併用することにより難燃性であって充放電特性が改善さ
れることが開示されている。
【0010】しかしながら、リチウム二次電池の誤用・
濫用時には、電池が高温雰囲気下に置かれる場合や、電
池の内部短絡や外部短絡などにより電池自身が高温状態
に達する場合が考えられ、電池の熱分解反応が起こるこ
とが示唆されている。これまでに提案されているよう
な、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等を主溶
媒とする電解液では、電池が100℃以上の高温状態に
置かれた場合には、極めて大きな発熱と分解ガスなどが
発生する可能性が示唆されており、電池の安全性を向上
する観点から不燃性(引火点なし)の電解液を使用した
電池が切望されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を解決するためになされたものであり、不燃性(引火
点なし)で、かつ、導電率が高く、電気化学的にも安定
なリチウム二次電池用の非水系電解液と、特定の負極材
を有する負極とを組み合わせることによって、充放電特
性に優れ、かつ電池の安全性と信頼性を兼ね備えたリチ
ウム二次電池を提供することを目的とする。なお、本発
明において、不燃性(引火点なし)とは、非水系電解液
の引火点を、JIS K−2265に準拠して測定した
場合に引火点ないことをいう。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み鋭意検討した結果、負極と非水系電解液の組合
せが、X線広角回折における格子面(002面)の面間
隔d002が3.37Å未満の黒鉛系炭素質物(A)と、
3.37Å以上の炭素質物(B)を含む負極材を含有す
る負極と、特定のリン酸エステルと環状カルボン酸エス
テル含む非水溶媒に、溶質のリチウム塩が溶解され、且
つ、特定構造のビニレンカーボネート化合物及び/又は
ビニルエチレンカーボネート化合物及び特定構造の含窒
素化合物を添加した電解液であるリチウム二次電池が、
不燃性であり、優れた電池充放電特性とともに、極めて
高い安全性を有する二次電池を見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0013】すなわち本発明は、リチウムの吸蔵・放出
が可能な正極及び負極と、非水系電解液を備えたリチウ
ム二次電池であって、(1)前記負極が、X線広角回折
における格子面(002面)の面間隔d002が3.37
Å未満の黒鉛系炭素質物(A)と、3.37Å以上の炭
素質物(B)とを含む負極材を含有し、(2)前記黒鉛
系炭素質物(A)と前記炭素質物(B)との重量比が、
99.5:0.5〜50:50であり、(3)波長51
45Åのアルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペ
クトル分析において、1570〜1620cm-1の範囲に
存在するピークの強度をIA、1350〜1370cm-1
の範囲に存在するピークの強度をIBとしたとき、前記
負極材のIB/IAで表されるR値が、0.2超、1.
5以下であり、かつ(4)前記非水系電解液が、リン酸
エステルを含む非水溶媒、前記非水溶媒に溶解されるリ
チウム塩、ビニレンカーボネート化合物及び/又はビニ
ルエチレンカーボネート化合物、並びに式(I):
【0014】
【化6】
【0015】(式中、R1は、炭素数1〜4の直鎖状若
しくは分枝状のアルキル基、ビニル基若しくはアリル
基、又は炭素数6〜8のシクロアルキル基、アリール基
若しくはアラルキル基であり、R2は、炭素数2〜8の
2価の炭化水素基である)で示される環状アミド化合
物、式(II):
【0016】
【化7】
【0017】(式中、R3は、炭素数1〜4の直鎖状若
しくは分枝状のアルキル基、ビニル基若しくはアリル
基、又は炭素数6〜8のシクロアルキル基、アリール基
若しくはアラルキル基であり、R4は、炭素数2〜8の
2価の炭化水素基である)で示される環状カーバメート
化合物、及び式(III):
【0018】
【化8】
【0019】(式中、R5は、炭素数1〜4の直鎖状若
しくは分枝状のアルキル基、ビニル基若しくはアリル
基、又は炭素数6〜8のシクロアルキル基、アリール基
若しくはアラルキル基であり、R6は、炭素数2〜8の
2価の炭化水素基である)で示される環状ヘテロ化合物
よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特
徴とするリチウム二次電池である。また、本発明は、前
記非水溶媒が、さらに環状カルボン酸エステル及び/又
は環状炭酸エステルを含み、かつ前記リン酸エステルと
前記環状カルボン酸エステル及び/又は環状炭酸エステ
ルの合計の容量に対して、前記リン酸エステルが60容
量%以上、100容量%未満の非水溶媒である、上記の
リチウム二次電池である。
【0020】また、本発明は、前記負極材の前記黒鉛系
炭素質物(A)の少なくとも一部が、前記炭素質物
(B)で被覆されている、上記のリチウム二次電池であ
る。さらに、本発明は、前記負極材のR値が、0.35
〜1.1である上記のリチウム二次電池であり、X線広
角回折において、六方晶系黒鉛層の配向に基づくピーク
の強度をAB(101)とし、菱面体晶系黒鉛層の配向
に基づくピークの強度をABC(101)としたとき、
前記負極材のABC(101)/AB(101)で表さ
れる強度比が、0.15以上である上記のリチウム二次
電池であり、前記黒鉛系炭素質物(A)と前記炭素質物
(B)とを含む前記負極材のBET法表面積が、0.5
〜25m2/gである上記のリチウム二次電池であり、ま
た、前記黒鉛系炭素質物(A)と前記炭素質物(B)と
を含む前記負極材の粒径が、4〜40μmである、上記
のリチウム二次電池を提供するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 〔非水系電解液〕本発明の非水系電解液は、リン酸エス
テル(a)を含む非水溶媒に、リチウム塩を溶解し、ビ
ニレンカーボネート化合物及び/又はビニルエチレンカ
ーボネート化合物(c)を添加し、さらに式(I)の環
状アミド化合物、及び/又は一般式(II)の環状カーバ
メート化合物、及び/又は一般式(III)の環状ヘテロ
化合物(d)を添加したものである。
【0022】本発明において、非水溶媒に含まれるリン
酸エステル(a)は、鎖状リン酸エステル、環状リン酸
エステルのいずれか、あるいはこれらを併用して用いる
ことができる。鎖状リン酸エステルとしては、好ましく
は、炭素数1〜4のアルキル基を有するリン酸トリアル
キルが挙げられ、特に好ましくは、式(IV):
【0023】
【化9】
【0024】(式中、R7〜R9は、それぞれ独立して、
非置換又はフッ素置換の、炭素数1〜4の直鎖状又は分
枝状のアルキル基である)で示される鎖状リン酸エステ
ルである。
【0025】環状リン酸エステルとしては、式(V):
【0026】
【化10】
【0027】(式中、R10は、非置換又はフッ素置換
の、炭素数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基であ
り、R11は、炭素数2〜8の直鎖状又は分枝状のアルキ
レン基である)で示される環状リン酸エステルが挙げら
れる。
【0028】式(IV)の鎖状リン酸エステルにおいて、
7〜R9が、アルキル基の場合、例えば、メチル基、エ
チル基、プロピル基及びブチル基が挙げられ、フッ素置
換のアルキル基の場合、例えば、トリフルオロエチル
基、ペンタフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプ
ロピル基及びヘプタフルオロブチル基が挙げられる。R
7、R8及びR9に含まれる炭素数の合計は、好ましくは
3〜7である。
【0029】式(IV)の鎖状リン酸エステルとしては、
例えばリン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸ジ
メチルエチル、リン酸ジメチルプロピル、リン酸ジメチ
ルブチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸ジプロピルメ
チル、リン酸ジブチルメチル、リン酸メチルエチルプロ
ピル、リン酸メチルエチルブチル、リン酸メチルプロピ
ルブチル等が挙げられる。
【0030】また、式(IV)の鎖状リン酸エステルのう
ち、フッ素置換のアルキル基を有するものとしては、例
えばリン酸トリフルオロエチルジメチル、リン酸ビス
(トリフルオロエチル)メチル、リン酸トリス(トリフ
ルオロエチル)、リン酸ペンタフルオロプロピルジメチ
ル、リン酸ヘプタフルオロブチルジメチル、リン酸トリ
フルオロエチルメチルエチル、リン酸ペンタフルオロプ
ロピルメチルエチル、リン酸ヘプタフルオロブチルメチ
ルエチル、リン酸トリフルオロエチルメチルプロピル、
リン酸ペンタフルオロプロピルメチルプロピル、リン酸
ヘプタフルオロブチルメチルプロピル、リン酸トリフル
オロエチルメチルブチル、リン酸ペンタフルオロプロピ
ルメチルブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルメチルブ
チル、リン酸トリフルオロエチルジエチル、リン酸ペン
タフルオロプロピルジエチル、リン酸ヘプタフルオロブ
チルジエチル、リン酸トリフルオロエチルエチルプロピ
ル、リン酸ペンタフルオロプロピルエチルプロピル、リ
ン酸ヘプタフルオロブチルエチルプロピル、リン酸トリ
フルオロエチルエチルブチル、リン酸ペンタフルオロプ
ロピルエチルブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルエチ
ルブチル、リン酸トリフルオロエチルジプロピル、リン
酸ペンタフルオロプロピルジプロピル、リン酸ヘプタフ
ルオロブチルジプロピル、リン酸トリフルオロエチルプ
ロピルブチル、リン酸ペンタフルオロプロピルプロピル
ブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルプロピルブチル、
リン酸トリフルオロエチルジブチル、リン酸ペンタフル
オロプロピルジブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルジ
ブチル等が挙げられる。
【0031】これらの中でも、リン酸トリメチル、リン
酸トリエチル、リン酸ジメチルエチル、リン酸ジメチル
プロピル、リン酸メチルジエチル、リン酸トリフルオロ
エチルジメチル、リン酸ペンタフルオロプロピルジメチ
ル、リン酸トリフルオロエチルメチルエチル、リン酸ペ
ンタフルオロプロピルメチルエチル、リン酸トリフルオ
ロエチルメチルプロピル、リン酸ペンタフルオロプロピ
ルメチルプロピルが好ましく、特にリン酸トリメチル、
リン酸トリフルオロエチルジメチル、リン酸ビス(トリ
フルオロエチル)メチル、リン酸トリス(トリフルオロ
エチル)が好ましい。
【0032】式(V)の環状リン酸エステルにおいて、
10は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロプロピル
基、ヘキサフルオロイソプロピル基及びヘプタフルオロ
ブチル基が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エ
チル基が好ましい。
【0033】また、R11は、例えばエチレン基、プロピ
レン基、トリメチレン基、ブチレン基、テトラメチレン
基、1,1−ジメチルエチレン基、ペンタメチレン基、
1,1,2−トリメチルエチレン基、ヘキサメチレン
基、テトラメチルエチレン基、ヘプタメチレン基、オク
タメチレン基等が挙げられる。これらの中でも、エチレ
ン基が好ましい。
【0034】式(V)の環状リン酸エステルとしては、
例えばリン酸エチレンメチル、リン酸エチレンエチル、
リン酸エチレン−n−プロピル、リン酸エチレンイソプ
ロピル、リン酸エチレン−n−ブチル、リン酸エチレン
−sec−ブチル、リン酸エチレン−t−ブチル、リン酸
プロピレンメチル、リン酸プロピレンエチル、リン酸プ
ロピレン−n−プロピル、リン酸プロピレンイソプロピ
ル、リン酸プロピレン−n−ブチル、リン酸プロピレン
−sec−ブチル、リン酸プロピレン−t−ブチル、リン
酸トリメチレンメチル、リン酸トリメチレンエチル、リ
ン酸トリメチレン−n−プロピル、リン酸トリメチレン
イソプロピル、リン酸トリメチレン−n−ブチル、リン
酸トリメチレン−sec−ブチル、リン酸トリメチレン−
t−ブチル、リン酸ブチレンメチル、リン酸ブチレンエ
チル、リン酸ブチレン−n−プロピル、リン酸ブチレン
イソプロピル、リン酸ブチレン−n−ブチル、リン酸ブ
チレン−sec−ブチル、リン酸ブチレン−t−ブチル、
リン酸イソブチレンメチル、リン酸イソブチレンエチ
ル、リン酸イソブチレン−n−ブチル、リン酸イソブチ
レン−sec−ブチル、リン酸イソブチレン−t−ブチ
ル、リン酸テトラメチレンメチル、リン酸テトラメチレ
ンエチル、リン酸テトラメチレン−n−プロピル、リン
酸テトラメチレンイソプロピル、リン酸テトラメチレン
−n−ブチル、リン酸テトラメチレン−sec−ブチル、
リン酸テトラメチレン−t−ブチル、リン酸ペンタメチ
レンメチル、リン酸ペンタメチレンエチル、リン酸ペン
タメチレン−n−プロピル、リン酸ペンタメチレンイソ
プロピル、リン酸ペンタメチレン−n−ブチル、リン酸
ペンタメチレン−sec−ブチル、リン酸ペンタメチレン
−t−ブチル、リン酸トリメチルエチレンメチル、リン
酸トリメチルエチレンエチル、リン酸トリメチルエチレ
ン−n−プロピル、リン酸トリメチルエチレンイソプロ
ピル、リン酸トリメチルエチレン−n−ブチル、リン酸
トリメチルエチレン−sec−ブチル、リン酸トリメチル
エチレン−t−ブチル、リン酸ヘキサメチレンメチル、
リン酸ヘキサメチレンエチル、リン酸ヘキサメチレン−
n−プロピル、リン酸ヘキサメチレンイソプロピル、リ
ン酸ヘキサメチレン−n−ブチル、リン酸ヘキサメチレ
ン−sec−ブチル、リン酸ヘキサメチレン−t−ブチ
ル、リン酸テトラメチルエチレンメチル、リン酸テトラ
メチルエチレンエチル、リン酸テトラメチルエチレン−
n−プロピル、リン酸テトラメチルエチレンイソプロピ
ル、リン酸テトラメチルエチレン−n−ブチル、リン酸
テトラメチルエチレン−sec−ブチル、リン酸テトラメ
チルエチレン−t−ブチル、リン酸ヘプタメチレンメチ
ル、リン酸ヘプタメチレンエチル、リン酸ヘプタメチレ
ン−n−プロピル、リン酸ヘプタメチレンイソプロピ
ル、リン酸ヘプタメチレン−n−ブチル、リン酸ヘプタ
メチレン−sec−ブチル、リン酸ヘプタメチレン−t−
ブチル、リン酸オクタメチレンメチル、リン酸オクタメ
チレンエチル、リン酸オクタメチレン−n−プロピル、
リン酸オクタメチレンイソプロピル、リン酸オクタメチ
レン−n−ブチル、リン酸オクタメチレン−sec−ブチ
ル、リン酸オクタメチレン−t−ブチル等が挙げられ
る。これらの中でも、リン酸エチレンメチル、リン酸エ
チレンエチルが好ましい。
【0035】また、式(VI)の環状リン酸エステルのう
ち、フッ素置換のアルキル基を有するものとしては、例
えばリン酸エチレントリフルオロエチル、リン酸エチレ
ンペンタフルオロプロピル、リン酸エチレンヘキサフル
オロイソプロピル、リン酸エチレンヘプタフルオロブチ
ル、リン酸プロピレントリフルオロエチル、リン酸プロ
ピレンペンタフルオロプロピル、リン酸プロピレンヘキ
サフルオロイソプロピル、リン酸プロピレンヘプタフル
オロブチル、リン酸トリメチレントリフルオロエチル、
リン酸トリメチレンペンタフルオロプロピル、リン酸ト
リメチレンヘキサフルオロイソプロピル、リン酸トリメ
チレンヘプタフルオロブチル、リン酸ブチレントリフル
オロエチル、リン酸ブチレンペンタフルオロプロピル、
リン酸ブチレンヘキサフルオロイソプロピル、リン酸ブ
チレンヘプタフルオロブチル、リン酸テトラメチレント
リフルオロエチル、リン酸テトラメチレンペンタフルオ
ロプロピル、リン酸テトラメチレンヘキサフルオロイソ
プロピル、リン酸テトラメチレンヘプタフルオロブチ
ル、リン酸ジメチルエチレントリフルオロエチル、リン
酸ジメチルエチレンペンタフルオロプロピル、リン酸ジ
メチルエチレンヘキサフルオロイソプロピル、リン酸ジ
メチルエチレンヘプタフルオロブチル、リン酸ペンタメ
チレントリフルオロエチル、リン酸ペンタメチレンペン
タフルオロプロピル、リン酸ペンタメチレンヘキサフル
オロイソプロピル、リン酸ペンタメチレンヘプタフルオ
ロブチル、リン酸トリメチルエチレントリフルオロエチ
ル、リン酸トリメチルエチレンペンタフルオロプロピ
ル、リン酸トリメチルエチレンヘキサフルオロイソプロ
ピル、リン酸トリメチルエチレンヘプタフルオロブチ
ル、リン酸ヘキサメチレントリフルオロエチル、リン酸
ヘキサメチレンペンタフルオロプロピル、リン酸ヘキサ
メチレンヘキサフルオロイソプロピル、リン酸ヘキサメ
チレンヘプタフルオロブチル、リン酸テトラメチルエチ
レントリフルオロエチル、リン酸テトラメチルエチレン
ペンタフルオロプロピル、リン酸テトラメチルエチレン
ヘキサフルオロイソプロピル、リン酸テトラメチルエチ
レンヘプタフルオロブチル、リン酸ヘプタメチレントリ
フルオロエチル、リン酸ヘプタメチレンペンタフルオロ
プロピル、リン酸ヘプタメチレンヘキサフルオロイソプ
ロピル、リン酸ヘプタメチレンヘプタフルオロブチル、
リン酸オクタメチレントリフルオロエチル、リン酸オク
タメチレンペンタフルオロプロピル、リン酸オクタメチ
レンヘキサフルオロイソプロピル、リン酸オクタメチレ
ンヘプタフルオロブチル等が挙げられる。これらの中で
も、リン酸エチレントリフルオロエチルが好ましい。
【0036】リン酸エステルは、上記で挙げられたリン
酸エステルの1種、又は2種以上を混合して使用するこ
ともできる。
【0037】また、本発明の非水系電解液は、リン酸エ
ステル(a)と環状カルボン酸エステル及び/又は環状
炭酸エステル(b)を含む非水溶媒に、リチウム塩を溶
解し、ビニレンカーボネート化合物及び/又はビニルエ
チレンカーボネート化合物(c)を添加し、さらに式
(I)の環状アミド化合物、及び/又は一般式(II)の
環状カーバメート化合物、及び/又は一般式(III)の
環状ヘテロ化合物(d)を添加したものである。
【0038】この場合、(a)成分と(b)成分の容量
の合計100容量%に対して、(a)成分が60容量%
以上、100容量%未満で、(b)成分が0容量%超、
40容量%以下であり、より好ましくは(a)成分が6
5〜95容量%で、(b)成分が35〜5容量%であ
り、特に好ましくは(a)成分が70〜90容量%で、
(b)成分が30〜10容量%である。
【0039】(b)成分の環状カルボン酸エステルは、
例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−
カプロラクトン、γ−オクタノラクトン、β−ブチロラ
クトン、δ−バレロラクトン、及びε−カプロラクトン
等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上混合し
て用いることができる。特に、γ−ブチロラクトン、δ
−バレロラクトン及びε−カプロラクトンが好ましい。
環状炭酸エステルは、例えばエチレンカーボネート、プ
ロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げ
られる。これらは単独で、又は2種以上混合して用いる
ことができる。特に、エチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネートが好ましい。
【0040】本発明の非水溶媒は、リン酸エステル
(a)からなる非水溶媒、あるいはリン酸エステル
(a)と環状カルボン酸エステル及び/又は環状炭酸エ
ステル(b)からなる非水溶媒であることが好ましい
が、非水溶媒には、さらにリチウム二次電池用電解液に
従来から用いられているその他の有機溶媒を、本発明の
目的の範囲内で含有することもできる。
【0041】これらの有機溶媒としては、酢酸メチル、
酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル
等の鎖状カルボン酸エステル類;1,2―ジメトキシエ
タン、1,2−ジエトキシエタン、1−エトキシ−2−
メトキシエタン、1,2−ジプロポキシエタン等の鎖状
エーテル類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒ
ドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、2,5−
ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の
環状エーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド等のアミド類;亜硫酸ジメチル、亜硫酸ジエチ
ル、亜硫酸エチレン、亜硫酸プロピレン等の亜硫酸エス
テル類;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸エチレン、
硫酸プロピレン等の硫酸エステル類;ジメチルスルホキ
シド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド類;アセ
トニトリル、プロピオニトリル等が挙げられる。なお、
ハロゲン原子置換の炭酸エステル、カルボン酸エステ
ル、エーテル等のハロゲン系溶媒やイミダゾリウム塩、
ピリジニウム塩等の常温型溶融塩、ホスファゼン系溶媒
等といった不燃性又は難燃性の溶媒を非水溶媒に含める
こともできる。これらは単独で、又は2種以上混合して
用いることができる。
【0042】なお、上記の容量比において、各成分の体
積比としては、25℃で測定した値を用いる。また、室
温で固体のものは、融点まで加熱して溶融状態で測定し
た値を用いる。
【0043】本発明の非水系電解液において、溶質のリ
チウムとしては、LiPF6、LiBF4から選ばれる無
機酸リチウム塩、又はLiCF3SO3、LiN(CF3
SO 22、LiN(C25SO22、LiN(CF3
2)(C49SO2)、LiPF3(C253、LiB
(CF3COO)4からなる群より選ばれる有機酸リチウ
ム塩等を用いることができる。これらの塩を用いること
により、高い導電率と電気化学的に優れた電解液を得ら
れるとともに、充放電容量及び充放電サイクル特性に優
れた電池を得ることができる。
【0044】また、リチウム塩は、非水系電解液中の溶
質濃度が、通常、0.5〜2mol/dm 3、好ましくは0.
5〜1.5mol/dm3となる範囲で使用する。リチウム塩
の溶質濃度がこの範囲にあると、好ましい導電率を有す
る非水系電解液が得られる。
【0045】本発明の非水系電解液は、上記のリチウム
塩が溶解された非水溶媒に、ビニレンカーボネート化合
物及び/又はビニルエチレンカーボネート化合物(c)
を添加し、さらに式(I)で示される環状アミド化合
物、及び/又は式(II)で示される環状カーバメート化
合物、及び/又は一般式(III)で示される環状ヘテロ
化合物(d)を添加したものである。これらを添加する
ことにより、非水系電解液を用いた電池の充放電特性
(充放電効率、充放電容量)の改善を図ることができ
る。
【0046】(c)成分のうち、ビニレンカーボネート
化合物は、例えばビニレンカーボネート、4−メチルビ
ニレンカーボネート、4−エチルビニレンカーボネー
ト、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、4,5−
ジエチルビニレンカーボネート、及び4−メチル−5−
エチルビニレンカーボネート等が挙げることができ、こ
れらは単独で、又は2種以上混合して用いることができ
る。これらの中では、ビニレンカーボネートが好まし
い。
【0047】また、(c)成分のうち、ビニルエチレン
カーボネート化合物は、例えば4−ビニルエチレンカー
ボネート、4−ビニル−4−メチルエチレンカーボネー
ト、4−ビニル−4−エチルエチレンカーボネート、4
−ビニル−4−n−プロピルエチレンカーボネート、4
−ビニル−5−メチルエチレンカーボネート、4−ビニ
ル−5−エチルエチレンカーボネート、4−ビニル−5
−n−プロピルエチレンカーボネート等が挙げることが
でき、これらは単独で、又は2種以上混合して用いるこ
とができる。これらの中では、4−ビニルエチレンカー
ボネート、4−ビニル−4−メチルエチレンカーボネー
トが好ましく、4−ビニルエチレンカーボネートが特に
好ましい。
【0048】(c)成分は、ビニレンカーボネート化合
物とビニルエチレンカーボネート化合物をそれぞれ単独
で使用することもできるが、これらの2種以上を組み合
わせて使用することもできる。本発明で使用するビニレ
ンカーボネート化合物及び/又はビニルエチレンカーボ
ネート化合物の添加量は、好ましくは、非水系電解液の
総重量に対して、0.1〜15重量%であり、より好ま
しくは、0.5〜12重量%であり、特に、1.0〜1
0重量%が好ましい。
【0049】(d)成分の式(I):
【0050】
【化11】
【0051】(式中、R1は、炭素数1〜4の直鎖状若
しくは分枝状のアルキル基、ビニル基若しくはアリル
基、又は炭素数6〜8のシクロアルキル基、アリール基
若しくはアラルキル基であり、R2は、炭素数2〜8の
2価の炭化水素基である)で示される環状アミド化合物
において、R1は、例えばメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチ
ル基、tert−ブチル基であり、これらの中でもメチル
基、エチル基が好ましく、R2は、直鎖状、又は分枝状
のアルキレン基が挙げられ、例えばエチレン基、プロピ
レン基、トリメチレン基、ブチレン基、テトラメチレン
基、1,1−ジメチルエチレン基、ペンタメチレン基、
1,1,2−トリメチルエチレン基、ヘキサメチレン
基、テトラメチルエチレン基、ヘプタメチレン基、オク
タメチレン基等であり、これらの中でも、エチレン基が
好ましい。
【0052】式(I)の環状アミド化合物の具体例とし
ては、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−
ピロリドン、1−n−プロピル−2−ピロリドン、1−
イソプロピル−2−ピロリドン、1−n−ブチル−2−
ピロリドン、1−ビニル−2−ピロリドン、1−アリル
−2−ピロリドン、1−シクロヘキシル−2−ピロリド
ン、1−フェニル−2−ピロリドン、1−ベンジル−2
−ピロリドン等のピロリドン骨格を有する化合物;1−
メチル−2−ピペリドン、1−エチル−2−ピペリド
ン、1−n−プロピル−2−ピペリドン、1−イソプロ
ピル−2−ピペリドン、1−n−ブチル−2−ピペリド
ン、1−ビニル−2−ピペリドン、1−アリル−2−ピ
ペリドン、1−シクロヘキシル−2−ピペリドン、1−
フェニル−2−ピペリドン、1−ベンジル−2−ピペリ
ドン等のピペリドン骨格を有する化合物;1−メチル−
2−カプロラクタム、1−エチル−2−カプロラクタ
ム、1−n−プロピル−2−カプロラクタム、1−イソ
プロピル−2−カプロラクタム、1−n−ブチル−2−
カプロラクタム、1−ビニル−2−カプロラクタム、1
−アリル−2−カプロラクタム、1−シクロヘキシル−
2−カプロラクタム、1−フェニル−2−カプロラクタ
ム、1−ベンジル−2−カプロラクタム等のカプロラク
タム骨格を有する化合物が挙げられる。これらは単独
で、又は2種以上混合して用いることができる。
【0053】好ましい環状アミド化合物の具体例として
は、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピ
ロリドン、1−ビニル−2−ピロリドン、1−アリル−
2−ピロリドン、1−メチル−2−ピペリドン、1−エ
チル−2−ピペリドン、1−メチル−2−カプロラクタ
ム、1−エチル−2−カプロラクタムである。特に好ま
しい、環状アミド化合物としては、1−メチル−2−ピ
ロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−ビニル−
2−ピロリドン、1−アリル−2−ピロリドン、1−メ
チル−2−カプロラクタム、1−エチル−2−カプロラ
クタムである。
【0054】(d)成分の式(II):
【0055】
【化12】
【0056】(式中、R3は、炭素数1〜4の直鎖状若
しくは分枝状のアルキル基、ビニル基若しくはアリル
基、又は炭素数6〜8のシクロアルキル基、アリール基
若しくはアラルキル基であり、R4は、炭素数2〜8の
2価の炭化水素基である)で示される環状カーバメート
化合物において、R3は、例えばメチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec
−ブチル基、tert−ブチル基であり、これらの中でも、
メチル基、エチル基が好ましい。また、R4は、直鎖
状、又は分枝状のアルキレン基が挙げられ、例えばエチ
レン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、
テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、ペン
タメチレン基、1,1,2−トリメチルエチレン基、ヘ
キサメチレン基、テトラメチルエチレン基、ヘプタメチ
レン基、オクタメチレン基等が挙げられる。これらの中
でも、エチレン基が好ましい。
【0057】式(II)の環状カーバメート化合物の具体
例としては、3−メチル−2−オキサゾリドン、3−エ
チル−2−オキサゾリドン、3−n−プロピル−2−オ
キサゾリドン、3−イソプロピル−2−オキサゾリド
ン、3−n−ブチル−2−オキサゾリドン、3−ビニル
−2−オキサゾリドン、3−アリル−2−オキサゾリド
ン、3−シクロヘキシル−2−オキサゾリドン、3−フ
ェニル−2−オキサゾリドン、3−ベンジル−2−オキ
サゾリドン等のオキサゾリドン骨格を有する化合物が挙
げられる。これらは単独で、又は2種以上混合して用い
ることができる。
【0058】好ましい環状カーバメート化合物の具体例
としては、3−メチル−2−オキサゾリドン、3−エチ
ル−2−オキサゾリドン、3−ビニル−2−オキサゾリ
ドン、3−アリル−2−オキサゾリドンが挙げられ、3
−メチル−2−オキサゾリドン、3−エチル−2−オキ
サゾリドンが特に好ましい。
【0059】(d)成分の式(III):
【0060】
【化13】
【0061】(式中、R5は、炭素数1〜4の直鎖状若
しくは分枝状のアルキル基、ビニル基若しくはアリル
基、又は炭素数6〜8のシクロアルキル基、アリール基
若しくはアラルキル基であり、R6は、炭素数2〜8の
2価の炭化水素基である)で示される環状ヘテロ化合物
において、R5は、例えばメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチ
ル基、tert−ブチル基であり、これらの中でもメチル
基、エチル基が好ましい。また、R6は、直鎖状又は分
枝状のアルキレン基が挙げられ、例えば、エチレン基、
プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、テトラメ
チレン基、1,1−ジメチルエチレン基、ペンタメチレ
ン基、1,1,2−トリメチルエチレン基、ヘキサメチ
レン基、テトラメチルエチレン基、ヘプタメチレン基、
オクタメチレン基等であり、これらの中でも、エチレン
基が好ましい。また、R6は、直鎖状又は分枝状のアル
ケニレン基が挙げられ、これらの中でも、炭素数が2の
ビニレン基が好ましい。さらに、R6は、置換又は非置
換のフェニレン基が挙げられる。
【0062】式(III)の環状ヘテロ化合物は、例えば
N−メチル−コハク酸イミド、N−エチル−コハク酸イ
ミド、N−n−プロピル−コハク酸イミド、N−イソプ
ロピル−コハク酸イミド、N−n−ブチル−コハク酸イ
ミド、N−ビニル−コハク酸イミド、N−アリル−コハ
ク酸イミド、N−シクロヘキシル−コハク酸イミド、N
−フェニル−コハク酸イミド、N−ベンジル−コハク酸
イミド等のコハク酸イミド骨格を有する化合物;N−メ
チル−フタルイミド、N−エチル−フタルイミド、N−
n−プロピル−フタルイミド、N−イソプロピル−フタ
ルイミド、N−n−ブチル−フタルイミド、N−ビニル
−フタルイミド、N−アリル−フタルイミド、N−シク
ロヘキシル−フタルイミド、N−フェニル−フタルイミ
ド、N−ベンジル−フタルイミド等のフタルイミド骨格
を有する化合物;N−メチル−マレイミド、N−エチル
−マレイミド、N−n−プロピル−マレイミド、N−イ
ソプロピル−マレイミド、N−n−ブチル−マレイミ
ド、N−ビニル−マレイミド、N−アリル−マレイミ
ド、N−シクロヘキシル−マレイミド、N−フェニル−
マレイミド、N−ベンジル−マレイミド等のマレイミド
骨格を有する化合物が挙げられる。これらは単独で、又
は2種以上混合して用いることができる。
【0063】好ましい環状ヘテロ化合物の具体例として
は、N−メチル−コハク酸イミド、N−エチル−コハク
酸イミド、N−ビニル−コハク酸イミド、N−アリル−
コハク酸イミド、N−メチル−フタルイミド、N−エチ
ル−フタルイミド、N−ビニル−フタルイミド、N−ア
リル−フタルイミド、N−メチル−マレイミド、N−エ
チル−マレイミドが挙げられ、N−メチル−コハク酸イ
ミド、N−エチル−コハク酸イミド、N−メチル−フタ
ルイミド、N−エチル−フタルイミドが特に好ましい。
【0064】(d)成分は、式(I)の環状アミド化合
物、式(II)の環状カーバメート化合物及び式(III)の
環状ヘテロ化合物をそれぞれ単独で用いることもできる
が、これらの2種以上を組み合わせて使用することもで
きる。(d)成分は、非水系電解溶液の総重量に対して
0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜12重量%、
特に1.0〜10重量%であることが好ましい。
【0065】〔リチウム二次電池〕本発明のリチウム二
次電池は、上記の電解液と、負極及び正極と組み合わせ
て構成される。
【0066】〔負極〕本発明の負極は、X線広角回折
(XRD)における格子面(002面)の面間隔d002
が3.37Å未満の黒鉛系炭素質物(A)と、3.37
Å以上の炭素質物(B)とを含む負極材を含有する。黒
鉛系炭素質物(A)の表面の一部又は全部が、炭素質物
(B)で被覆されていることが好ましい。
【0067】黒鉛系炭素質物(A)は、XRDによる
(002)面の面間隔d002が、3.37Å未満の高結
晶性の黒鉛系炭素質物が用いられる。
【0068】黒鉛系炭素質物(A)は、それらの粉体を
XRDで101面を測定したときに得られる六方晶系黒
鉛層=ABスタッキング層の配向に基づくピーク強度を
AB(101)とし、菱面体晶系黒鉛層=ABCスタッ
キング層の配向に基づくXRDのピーク強度をABC
(101)とした場合に、強度比ABC(101)/A
B(101)の値が、0.2以上であるものが好まし
い。強度比ABC(101)/AB(101)の値が、
0.3以上であるものはより好ましく、特に0.4以上
であるものが好ましい。ABCのスタッキングが多くな
ると、いわゆる乱層構造となり、黒鉛層面内部へのリチ
ウムのインターカレーションが抑制され、溶媒分解によ
る炭素層の剥離が抑制されるためである。
【0069】黒鉛系炭素質物(A)としては、具体例に
は、天然黒鉛、人造黒鉛、及びこれらの機械的粉砕品、
再熱処理品;膨張黒鉛の再熱処理品;並びに、これらの
高純度精製品から得られる粉体が挙げられる。これらは
単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。天
然黒鉛は、前記の強度比ABC(101)/AB(10
1)の値が大きいため好ましい。前記の高い結晶性の黒
鉛系炭素質物をさらに高純度精製したものがより、好ま
しい。
【0070】人造黒鉛は、好ましくは、コールタールピ
ッチ、石炭系重質油、常圧残油、石油系重質油、芳香族
炭化水素、窒素含有環状化合物、硫黄含有環状化合物、
ポリフェニレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、天
然高分子、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレ
ンオキシド、フルフリルアルコール樹脂、フェノール−
ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂から選ばれる1種以
上の有機物を2500℃以上3200℃以下の焼成温度
で黒鉛化したものを、適当な粉砕手段で粉化したもので
ある。
【0071】炭素質物(B)は、d002が、3.37Å
以上の炭素質物であれば特に限定されない。好ましく
は、3.37Å以上、3.80Å未満、より好ましく
は、3.40Å以上、3.60Å未満、特に好ましくは
3.40Å以上、3.50Å未満である。d002は、結
晶性の指標となり、前記黒鉛系炭素質物(A)のd002
は、3.37Å未満であることから、本明細書におい
て、これらの炭素質物(B)は、前記黒鉛系炭素質物よ
り結晶性が劣るということとする。
【0072】炭素質物(B)は、それらの粉体のXRD
による強度比ABC(101)/AB(101)が、
0.01以上であるものが好ましく、より好ましくは
0.15以上であり、特に好ましくは0.18以上であ
る。
【0073】炭素質物(B)は、例えば、d002
3.37Å以上である、土状黒鉛、鱗状黒鉛、及びこれ
らの粉砕物、並びに高結晶黒鉛を使用することができ
る。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用い
てもよい。この場合、炭素質物(B)は、好ましくはレ
ーザー回折法で得られる平均粒径d50が5μm以下、
より好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.5μm以
下に微粉砕した粉体として用いられる。黒鉛系炭素質物
(A)を機械的処理し、黒鉛系炭素質物(A)と炭素質
物(B)を、双方を同時に得て負極材とすることができ
る。機械的処理としては、例えばボールミル、遊星型ミ
ル、ディスクミル、インペラーミル、ジェットミル、サ
ンプルミル、アトマイザー、パルベライザー、ピンミ
ル、ターボミル、ジョークラッシャー、ハイブリダイザ
ーが挙げられる。また、黒鉛系炭素質物(A)と炭素質
物(B)をそれぞれ得た後、表面修飾の手段を用いて、
黒鉛系炭素質物(A)の少なくとも一部に炭素質物
(B)を被覆させ、負極材としてもよい。表面修飾の手
段としては、例えばジェットミル、カウンタージェット
ミル、マイクロス、ファインミル、モルダーグラインダ
ー、遊星型ミル、シータコンポーザ、メカノマイクロス
が挙げられる。適当な粉体結着剤を用いて、黒鉛系炭素
質物(A)と炭素質物(B)を結着させてもよい。
【0074】炭素質物(B)はまた、焼成後にリチウ
ムイオンを吸蔵・放出可能な性質を有する有機物を焼成
して、d002が3.37Å以上の焼成物を使用すること
ができる。これらの有機物の具体例としては、炭素化可
能な有機物として液相で炭素化が進行する軟ピッチから
硬ピッチまでのコールタールピッチや乾留液化油などの
石炭系重質油や、常圧残油、減圧残油等の直流系重質
油、原油、ナフサなどの熱分解時に副生するエチレンタ
ール等分解系重質油等の石油系重質油、あるいは上記の
ものを炭素化が進む以下の温度で蒸留、溶媒抽出等の手
段を経て固化したものが挙げられる。さらにアセナフチ
レン、デカシクレン、アントラセンなどの芳香族炭化水
素、フェナジンやアクリジンなどの窒素含有環状化合
物、チオフェンなどの硫黄含有環状化合物、30MPa以
上の加圧が必要となるがアダマンタンなどの脂環式炭化
水素化合物が挙げられる。炭素化可能な熱可塑性高分子
としては、炭素化に至る過程で液相を経るビフェニルや
テルフェニルなどのポリフェニレン、ポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラールなどのポリビニ
ルエステル類、ポリビニルアルコールが挙げられる。ま
た、上記に列挙した有機物、高分子化合物に適量のリン
酸、ホウ酸、塩酸などの酸類、水酸化ナトリウム等のア
ルカリ類を添加したものでもよい。さらにこれらのもの
を300〜600℃、好ましくは300〜400℃で酸
素、硫黄、窒素、又はホウ素から選ばれる元素により適
度に架橋処理したものでもよい。これらの有機物の1種
又は2種以上を、黒鉛系炭素質物(A)の粉体と混合
し、焼成を行い、負極材とすることができる。これら
は、黒鉛系炭素質物(A)の表面に少なくとも一部に炭
素質物(B)が被覆した負極材である。焼成温度として
は、500〜2200℃、好ましくは650〜1500
℃、より好ましくは700〜1200℃である。導電性
の点から、焼成温度がこの範囲にあることが好ましい。
【0075】負極材は、黒鉛系炭素質物(A)と炭素質
物(B)からなることが好ましいが、負極材には、さら
に本発明の目的を損なわない範囲で、従来、負極材とし
て用いられている材料を含むことができる。これらは、
例えばAg、Zn、Al、Ga、In、Ge、Sn、P
b、Ge、Sn、P、Sb、Bi等の金属、前記金属の
酸化物、硫化物、窒化物、ケイ化物及びNi、Cu、F
e等のLiに対し不活性な金属の合金、並びにこれらと
Liとの化合物が挙げられる。
【0076】負極材における、黒鉛系炭素質物(A)と
炭素質物(B)の割合は、重量比で99.5:0.5〜
50:50、好ましくは98:2〜75:25、より好
ましくは97:3〜80:15である。なお、炭素質物
(B)を有機物を焼成して得る場合は、焼成後の重量と
する。黒鉛系炭素質物(A)と炭素質物(B)の割合が
上記の範囲にあると、電流効率及び負極容量の双方が好
ましい範囲にある電池が得られる。
【0077】本発明における黒鉛系炭素質物(A)と炭
素質物(B)とを含む負極材は、解砕、または粉砕によ
り、粒径が4〜40μm、好ましくは10〜32μm、さ
らに好ましくは15〜30μmに調整することが好まし
い。
【0078】本発明における黒鉛系炭素質物(A)と炭
素質物(B)とを含む負極材は、波長5145Åのアル
ゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析に
おいて、1570〜1620cm-1の範囲に存在するピー
クの強度をIA、1350〜1370cm-1の範囲に存在
するピークの強度をIBとしたとき、その比であるR値
(=IB/IA)が、0.2超、1.5以下であるもの
が好ましい。0.35〜1.1であるものはより好まし
く、特に好ましくは0.4〜0.9である。
【0079】本発明における黒鉛系炭素質物(A)と炭
素質物(B)とを含む負極材は、XRDによる強度比A
BC(101)/AB(101)が、0.15以上が好
ましく、より好ましくは0.18以上である。
【0080】本発明における黒鉛系炭素質物(A)と炭
素質物(B)とを含む負極材は、BET法表面積が、
0.5〜25m2/g、好ましくは2〜20m2/gである。
【0081】前記負極材を用いて負極を製造する方法に
ついて説明する。本発明の電極の製造方法は、前記負極
材を負極の成分として含む限り、限定されず、従来から
公知の方法を採用することができる。例えば、前記負極
材に結着剤、溶媒等を加えて、スラリー状とし、銅箔等
の金属製の集電体の基板にスラリーを塗布・乾燥して電
極とするができる。また、該負極材をそのままロール成
形、圧縮成形等の方法で、電極の形状に成形することも
できる。
【0082】上記の目的で使用できる結着剤としては、
溶媒に対して安定な、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、セル
ロース等の樹脂系高分子、スチレン・ブタジエンゴム、
イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレ
ンゴム等のゴム状高分子、スチレン・ブタジエン・スチ
レンブロック共重合体、その水素添加物、スチレン・エ
チレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イ
ソプレン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物
等の熱可塑性エラストマー状高分子、シンジオタクチッ
ク1,2−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、プロピレン・α−オレフィン(炭素数2〜12)
共重合体等の軟質樹脂状高分子、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロ
エチレン・エチレン共重合体等のフッ素系高分子、アル
カリ金属イオン、特にリチウムイオンのイオン伝導性を
有する高分子組成物が挙げられる。
【0083】本発明の負極材と上記の結着剤との混合形
式としては、各種の形態をとることができる。即ち、両
者の粒子が混合した形態、繊維状の結着剤が負極材の粒
子に絡み合う形で混合した形態、または結着剤の層が負
極材の粒子表面に付着した形態などが挙げられる。負極
材と上記結着剤との混合割合は、負極材に対し、好まし
くは0.1〜30重量%、より好ましくは、0.5〜1
0重量%である。これ以上の量の結着剤を添加すると、
電極の内部抵抗が大きくなり、好ましくなく、これ以下
の量では集電体と負極材の粉体の結着性に劣る。
【0084】また、負極の製造においては、適当な導電
剤を添加してもよい。そのような例としては、アセチレ
ンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック
などのカーボンブラックや平均粒径が1μm以下のニッ
ケル、銅などの金属粉末が挙げられる。
【0085】正極材は、特に限定されないが、リチウム
イオンなどのアルカリ金属カチオンを充放電時に吸蔵、
放出できる金属カルコゲン化合物からなることが好まし
い。その様な金属カルコゲン化合物としては、バナジウ
ムの酸化物、バナジウムの硫化物、モリブデンの酸化
物、モリブデンの硫化物、マンガンの酸化物、クロムの
酸化物、チタンの酸化物、チタンの硫化物及びこれらの
複合酸化物、複合硫化物等が挙げられる。好ましくは、
Cr38、V25、V513、VO2、Cr25、MnO
2、TiO2、MoV28、TiS2、V25、MoS2
MoS3VS2、Cr0.250.752、Cr0.50.52
である。また、LiMY2(Mは、Co、Ni等の遷移
金属YはO、S等のカルコゲン化合物)、LiM2
4(MはMn、YはO)、WO3等の酸化物、CuS、F
0.250.752、Na0.1CrS2等の硫化物、NiP
3、FePS3等のリン、硫黄化合物、VSe2、Nb
Se3等のセレン化合物等を用いることもできる。これ
らは、上記のような負極の製造と同様の手法で、結着剤
と混合し、集電体上に塗布、乾燥して正極板とする。
【0086】こうして作製した負極板、上記電解液と正
極板を、その他の電池構成要素であるセパレータ、ガス
ケット、集電体、封口板、セルケース等と組み合わせて
二次電池を構成する。
【0087】作成可能な電池は筒型、角型、コイン型
等、特に限定されるものではないが、基本的にはセル床
板上に集電体と負極材を乗せ、その上に電解液とセパレ
ータを、さらに負極と正極を対向させ、ガスケット、封
口板と共にかしめて二次電池とする。
【0088】電解液を保持するセパレータは、一般的に
保液性に優れた材料であり、例えば、ポリオレフィン系
樹脂の不織布や多孔性フィルム等を使用して、上記電解
液を含浸させる。
【0089】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これ
らの実施例に制約されるものではない。
【0090】なお、電解液の性能、電極材料の評価、及
び電気化学的評価については以下の方法で評価した。
【0091】1.電解液の性能: (引火点の測定)電解液の引火点は、JIS K−22
65に準拠して測定した。
【0092】(電解液の導電率の測定)東亜電波工業
(株)製の導電率計CM−30S及び電導度セルCG−
511Bを用いて、25℃における導電率を測定した。
【0093】2.電極材料の評価 (X線回折)0.2mmの試料板に黒鉛粉体が配向しない
ように充填し、日本電子製X線回折装置(JDX−35
00)でCuKα線にて、出力30kV、200mAで測定
した。得られたAB(101)とABC(101)のピ
ークからバックグラウンドを差し引いた後、強度比AB
C(101)/AB(101)を算出した。
【0094】(粒径測定)粒径測定は分散媒としてポリ
オキシエチレンソルビタンラウリン酸エステル(Tween2
0)を用い、HORIBA LA−920レーザー回折
式粒径評価装置により行い、自動的に算出される中心粒
径d50を評価基準に用いた。
【0095】(ラマンスペクトル)日本分光NR-1800に
より行い、波長5145Åのアルゴンイオンレーザー光
を、30mWの強度で照射した。ここでは1570〜16
20cm-1の範囲に存在するピークの強度および、135
0〜1370cm-1の範囲に存在するピークの強度を測定
し、これらから得られるR値を求めた。
【0096】(面間隔:d002)面間隔:d002は、学術
振興会117委員会提案の方法に準拠して求め、さらに
ピーク分離法により分離されたピークから黒鉛系炭素質
物(A)及び炭素質物(B)のd002を算出した。
【0097】3.電気化学的評価 (負極の作製)負極材料サンプル粉体2gに対し、ポリ
フッ化ビニリデン(PVdF)のジメチルアセトアミド
溶液をPVdFの固形分換算で7重量%加えたものを撹
拌し、スラリーを得た。このスラリーを銅箔上に塗布
し、80℃で予備乾燥を行った。さらに圧着させたの
ち、直径12.5mmの円盤状に打ち抜き、110℃で減
圧乾燥をして電極とした。
【0098】(充放電試験)得られた電極に対し、電解
液を含浸させたポリプロピレン製セパレータをはさみ、
リチウム金属電極に対向させたコイン型セルを作製し、
充放電試験を行った。試験条件としては、電流密度0.
5mA/cm2で極間電位差が10mVになるまで充電を行い、
電流密度0.5mA/cm2で極間電位差が2.0Vになるま
で放電を行うこととした。初回充放電効率(eff.(%)
=初回放電容量/初回充電容量×100(%))、及び
放電容量(mAh/g)はコイン型セル4個の結果の平均値
で評価した。充放電効率から使用した電解液に対する負
極材料の耐性が、放電容量から初期サイクル時の放電容
量が推測可能である。具体的には、結着剤を用い集電体
とともにペレット状に成形した上記の負極材料を、セパ
レータ、電解液と共に、対極をリチウム金属とした半電
池とし、2016コインセル中に組み立て、充放電試験
機で評価したが、対極としてリチウムに変え、正極を用
いた場合も同様の効果が期待できる。
【0099】(実施例1)電解液は、リン酸トリメチル
(TMP)に、LiPF6を1.0mol/Lの割合で溶解さ
せたものを作製し、さらにビニルエチレンカーボネート
(VEC)を前記溶媒量を100としたときに重量比で
5、さらに1−メチル−2−ピロリドン(NMP)を重
量比で5を加えた溶媒を用いた。この電解液の引火点を
評価したところ、引火点はなく(不燃)、導電率は5.
0mS/cmであった。
【0100】負極材は、レーザー回折法から得られるd
50を平均粒径としたとき、これが25μmで、前記A
BC/AB比が0.25である黒鉛粒子(黒鉛系炭素質
物(A))と石油系ピッチ(三菱化学製)を、ミキサー
により70℃で、大気中で攪拌、均一混合した。得られ
た粉体を回分式加熱炉で不活性雰囲気下にて1300℃
に保ち、熱処理した。不活性雰囲気下で放冷後、得られ
た粉体を解砕し、中心粒径d50を23μmに整えサン
プル粉体とした。残炭率から計算される炭素質物(B)
の含有量は、粉体全体を100重量%としたとき、8重
量%であった。また、前述の方法でX線測定の結果から
計算されたABC/AB比は0.17であり、ラマン分
光の結果から計算されたR値は0.40であった。
【0101】電気化学的評価は、初回充放電効率88
%、初回放電容量362mAh/gであった。電解液の組
成、負極材の粉体物性パラメーターを表1に、評価結果
を表2に示す。
【0102】(実施例2)電解液に加える添加剤をVE
C(溶媒量を100とした時の重量比6)と3−メチル
−2−オキサゾリドン(NMO、溶媒量を100とした
時の重量比5)としたことを除き、実施例1と同様に行
った。電解液の組成、及び負極材の粉体物性パラメータ
ーを表1に、評価結果を表2に示す。
【0103】(実施例3)電解液に加える添加剤をVE
C(溶媒量を100とした時の重量比8)、ビニレンカ
ーボネート(VC、溶媒量を100とした時の重量比
2)及びN−メチル−コハク酸イミド(NMS、溶媒量
を100とした時の重量比5)とし、かつ、実施例1使
用の黒鉛粒子(黒鉛系炭素質物(A))と石油系ピッチ
(三菱化学製)の回分式加熱炉での熱処理を900℃で
行ったことを除き、実施例と同様に処理し、中心粒径d
50を24μmの粉体を得た。残炭率から計算される炭
素物(B)の含有量は、粉体全体を100重量%とした
とき、7重量%であった。電解液の組成、及び負極材の
粉体物性パラメーターを表1に、評価結果を表2に示
す。
【0104】(実施例4)電解液が、TMPとプロピレ
ンカーボネート(PC)の体積比で80:20の混合溶
媒に、LiPF6を1.0mol/Lの割合で溶解し、VEC
とVCを前記混合溶媒量を100としたときに重量比で
それぞれ8と2混合し、さらにNMOを重量比5で混合
したものであることを除き、実施例3と同様に行った。
電解液の組成、及び負極材の粉体物性パラメーターを表
1に、評価結果を表2に示す。
【0105】(実施例5)電解液の非水溶媒が、TM
P、γ−ブチロラクトン(GBL)及びエチレンカーボ
ネート(EC)の体積比で60:20:20の混合溶媒
であることを除き、実施例4と同様に行った。電解液の
組成、及び負極材の粉体物性パラメーターを表1に、評
価結果を表2に示す。
【0106】(実施例6)電解液のリチウム塩がLiB
4であり、添加剤がVEC(溶媒量を100とした時
の重量比8)、VC(溶媒量を100とした時の重量比
2)及びNMP(溶媒量を100とした時の重量比5)
であることを除き、かつ、実施例1使用の黒鉛粒子(黒
鉛系炭素質物(A))と石油系ピッチ(三菱化学製)の
回分式加熱炉での熱処理を700℃で行ったことを除
き、実施例1と同様に処理し、中心粒径d50を24μ
mの粉体を得た。残炭率から計算される炭素質物(B)
の含有量は、粉体全体を100重量%としたとき、8重
量%であった。電解液の組成、及び負極材の粉体物性パ
ラメーターを表1に、評価結果を表2に示す。
【0107】(実施例7)電解液が、TMPとGBLの
体積比で80:20の混合溶媒に、LiPF6を1.0m
ol/Lの割合で溶解し、VECとVCを前記混合溶媒量を
100としたときに重量比でそれぞれ5と2混合し、さ
らにNMSを重量比5で混合したものであることを除
き、実施例5と同様に行った。電解液の組成、及び負極
材の粉体物性パラメーターを表1に、評価結果を表2に
示す。
【0108】(比較例1)電解液中にNMPが含まれ
ず、かつ天然黒鉛を機械粉砕し、レーザー回折法から得
られるd50を平均粒径としたとき、これが17μm
で、X線測定の結果から計算されたABC/AB比が
0.20であり、ラマン分光の結果から計算されたR値
が0.15である黒鉛粒子を負極材料として用いたこと
を除き、実施例1と同様に行った。電解液の組成、及び
負極材の粉体物性パラメーターを表1に、評価結果を表
2に示す。
【0109】(比較例2)実施例1の電解液を用いたこ
とを除き、比較例1と同様に行った。電解液の組成、及
び負極材の粉体物性パラメーターを表1に、評価結果を
表2に示す。
【0110】(比較例3)電解液が、TMPとGBLの
体積比で20:80の混合溶媒に、LiBF4を1.0m
ol/Lの割合で溶解し、VECを前記混合溶媒量を100
としたときに重量比で5混合し、さらにNMPを重量比
で5混合したものであることを除き、比較例1と同様に
行った。電解液の組成、及び負極材の粉体物性パラメー
ターを表1に、評価結果を表2に示す。
【0111】(比較例4)電解液が、TMPとPCの体
積比で80:20の混合溶媒に、LiBF4を1.0mol
/Lの割合で溶解し、VECを前記混合溶媒量を100と
したときに重量比で5混合したものであることを除き、
実施例3と同様に行った。電解液の組成、及び負極材の
粉体物性パラメーターを表1に、評価結果を表2に示
す。
【0112】
【表1】
【0113】なお、表中の略号は下記を示す。 TMP :リン酸トリメチル GBL :γ−ブチロラクトン PC :プロピレンカーボネート EC :エチレンカーボネート VC :ビニレンカーボネート VEC :4−ビニルエチレンカーボネート NMP :1−メチル−2−ピロリドン NMO :3−メチル−2−オキサゾリドン NMS :N−メチル−コハク酸イミド
【0114】
【表2】
【0115】第2表に示すように、比較例1、2の電解
液では引火点はないが、容量が得られない。比較例3で
は引火点を明らかに有し、安全上不安があると同時に。
これに対し、実施例1〜6の電解液及び負極材料では引
火点がないと同時に良好な充放電特性が得られる。
【0116】
【発明の効果】本発明のリチウム二次電池の電解液は不
燃性(引火点なし)を有し、高い導電率及び電気化学的
安定性とを兼ね備えており、特定の負極との組合せによ
り、優れた電池充放電特性とともに、電池安全性の極め
て高い二次電池が得られる等、本発明は優れた特有の効
果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 布施 亨 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社内 (72)発明者 佐藤 秀治 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ06 AJ12 AK01 AK02 AK03 AK05 AL06 AL07 AL18 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ27 CJ02 CJ08 CJ22 DJ16 DJ17 HJ00 HJ01 HJ02 HJ05 HJ07 HJ12 HJ13 HJ14 5H050 AA02 AA12 AA15 BA17 CA01 CA02 CA05 CA08 CA09 CA11 CB07 CB08 CB29 FA17 FA18 FA19 GA02 GA10 GA22 HA00 HA01 HA02 HA05 HA07 HA12 HA13 HA14

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムの吸蔵・放出が可能な正極及び
    負極と、非水系電解液を備えたリチウム二次電池であっ
    て、(1)前記負極が、X線広角回折における格子面
    (002面)の面間隔d002が3.37Å未満の黒鉛系
    炭素質物(A)と、3.37Å以上の炭素質物(B)と
    を含む負極材を含有し、(2)前記黒鉛系炭素質物
    (A)と前記炭素質物(B)との重量比が、99.5:
    0.5〜50:50であり、(3)波長5145Åのア
    ルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析
    において、1570〜1620cm-1の範囲に存在するピ
    ークの強度をIA、1350〜1370cm-1の範囲に存
    在するピークの強度をIBとしたとき、前記負極材のI
    B/IAで表されるR値が、0.2超、1.5以下であ
    り、かつ(4)前記非水系電解液が、リン酸エステルを
    含む非水溶媒、前記非水溶媒に溶解されるリチウム塩、
    ビニレンカーボネート化合物及び/又はビニルエチレン
    カーボネート化合物、並びに式(I): 【化1】 (式中、R1は、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状
    のアルキル基、ビニル基若しくはアリル基、又は炭素数
    6〜8のシクロアルキル基、アリール基若しくはアラル
    キル基であり、R2は、炭素数2〜8の2価の炭化水素
    基である)で示される環状アミド化合物、式(II): 【化2】 (式中、R3は、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状
    のアルキル基、ビニル基若しくはアリル基、又は炭素数
    6〜8のシクロアルキル基、アリール基若しくはアラル
    キル基であり、R4は、炭素数2〜8の2価の炭化水素
    基である)で示される環状カーバメート化合物、及び式
    (III): 【化3】 (式中、R5は、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状
    のアルキル基、ビニル基若しくはアリル基、又は炭素数
    6〜8のシクロアルキル基、アリール基若しくはアラル
    キル基であり、R6は、炭素数2〜8の2価の炭化水素
    基である)で示される環状ヘテロ化合物よりなる群から
    選ばれる少なくとも1種を含む、ことを特徴とするリチ
    ウム二次電池。
  2. 【請求項2】 前記非水溶媒が、さらに環状カルボン酸
    エステル及び/又は環状炭酸エステルを含み、かつ前記
    リン酸エステルと前記環状カルボン酸エステル及び/又
    は環状炭酸エステルの合計の容量に対して、前記リン酸
    エステルが60容量%以上、100容量%未満の非水溶
    媒である、請求項1記載のリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 前記リン酸エステルが、一般式(IV): 【化4】 (式中、R7〜R9は、それぞれ独立して、非置換又はフ
    ッ素置換の、炭素数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキ
    ル基である)で示される鎖状リン酸エステル、及び/又
    は式(V): 【化5】 (式中、R10は、非置換又はフッ素置換の、炭素数1〜
    4の直鎖状又は分枝状のアルキル基であり、R11は、炭
    素数2〜8の直鎖状又は分枝状のアルキレン基である)
    で示される環状リン酸エステルである、請求項1又は2
    に記載のリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 環状カルボン酸エステルが、γ−ブチロ
    ラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、
    γ−オクタノラクトン、β−ブチロラクトン、δ−バレ
    ロラクトン、及びε−カプロラクトンからなる群より選
    ばれる少なくとも1種である、請求項2又は3に記載の
    リチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 前記ビニレンカーボネート化合物及び/
    又はビニルエチレンカーボネート化合物が、ビニレンカ
    ーボネート、4−メチルビニレンカーボネート、4−エ
    チルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレン
    カーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネー
    ト、及び4−メチル−5−エチルビニレンカーボネート
    からなる群より選ばれるビニレンカーボネート化合物の
    少なくとも1種、及び/又は4−ビニルエチレンカーボ
    ネート、4−ビニル−4−メチルエチレンカーボネー
    ト、4−ビニル−4−エチルエチレンカーボネート、4
    −ビニル−4−n−プロピルエチレンカーボネート、4
    −ビニル−5−メチルエチレンカーボネート、4−ビニ
    ル−5−エチルエチレンカーボネート、4−ビニル−5
    −n−プロピルエチレンカーボネートからなる群より選
    ばれるビニルエチレンカーボネート化合物の少なくとも
    1種であり、非水系電解液の総重量に対して0.1〜1
    5重量%である、請求項1〜4記載のリチウム二次電
    池。
  6. 【請求項6】 前記式(I)で示される環状アミド化合
    物、及び/又は前記式(II)示される環状カーバメート
    化合物、及び/又は前記式(III)で示される環状ヘテ
    ロ化合物が、非水系電解液の総重量に対して、0.1〜
    15重量%である、請求項1〜5記載のリチウム二次電
    池。
  7. 【請求項7】 前記リチウム塩が、LiPF6、LiB
    4から選ばれる無機酸リチウム塩、又はLiCF3SO
    3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22
    LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiPF3(C
    253、LiB(CF3COO)4からなる群より選ば
    れる有機酸リチウム塩である、請求項1〜6記載のリチ
    ウム二次電池。
  8. 【請求項8】 前記黒鉛系炭素質物(A)の表面の少な
    くとも一部が、前記炭素質物(B)で被覆されている、
    請求項1〜7のいずれか1項記載のリチウム二次電池。
  9. 【請求項9】 前記負極材が、前記黒鉛系炭素質物
    (A)と有機物との混合物を焼成して得られる、請求項
    1〜8のいずれか1項記載のリチウム二次電池。
  10. 【請求項10】 前記焼成を、焼成温度500℃〜22
    00℃で実施する、請求項9記載のリチウム二次電池。
  11. 【請求項11】 前記負極材のR値が、0.35〜1.
    1である、請求項1〜10のいずれか1項記載のリチウ
    ム二次電池。
  12. 【請求項12】 前記負極材のR値が、0.4〜0.9
    である、請求項1〜10のいずれか1項記載のリチウム
    二次電池。
  13. 【請求項13】 前記負極材が、X線広角回折におい
    て、六方晶系黒鉛層の配向に基づくピークの強度をAB
    (101)とし、菱面体晶系黒鉛層の配向に基づくピー
    クの強度をABC(101)としたとき、ABC(10
    1)/AB(101)で表される強度比が、0.15以
    上である、請求項1〜12のいずれか1項記載のリチウ
    ム二次電池。
  14. 【請求項14】 前記黒鉛系炭素質物(A)のABC
    (101)/AB(101)で表される強度比が0.2
    以上である、請求項1〜13記載のリチウム二次電池。
  15. 【請求項15】 前記黒鉛系炭素質物(A)と前記炭素
    質物(B)とを含む前記負極材のBET法表面積が、
    0.5〜25m2/gである、請求項1〜14のいずれか1
    項記載のリチウム二次電池。
  16. 【請求項16】 前記黒鉛系炭素質物(A)と前記炭素
    質物(B)とを含む前記負極材の粒径が、4〜40μm
    である、請求項1〜15のいずれか1項記載のリチウム
    二次電池。
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