JP2005093293A - 非水溶媒系二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】初回放電容量が大きく、高負荷放電効率及び高温充電保存特性が向上した非水溶媒系二次電池を提供する。
【解決手段】リチウムを可逆的に吸蔵・放出可能な正極活物質を含む正極と、リチウムを可逆的に吸蔵・放出可能な負極活物質を含む負極と、非水溶媒系電解液とを備えた非水溶媒系二次電池において、前記非水溶媒系電解液中に、(1)下記化学式で示す環状酸無水物、及び(2)N−アルキルスクシンイミド化合物、N−アルケニルスクシンイミド化合物、N−アリールスクシンイミド化合物から選択された少なくとも1種、を含有させる。
Figure 2005093293

(ただし、n=0〜4の整数であり、R〜Rは、同じであっても異なっていても良く、Hもしくはアルキル基、アルケニル基又はアリール基からなる炭素数1〜12の有機基を示す。また、R〜Rは互いに結合して環を形成していてもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、非水溶媒系二次電池に関し、更に詳しくは、初回放電容量が大きく、高負荷放電効率及び高温充電保存特性に優れた非水溶媒系二次電池に関する。
携帯型の電子機器の急速な普及に伴い、それに使用される電池への要求仕様は、年々厳しくなり、特に小型・薄型化、高容量でサイクル特性が優れ、性能の安定したものが要求されている。そして、二次電池分野では他の電池に比べて高エネルギー密度であるリチウム非水溶媒系二次電池が注目され、このリチウム非水溶媒系二次電池の占める割合は二次電池市場において大きな伸びを示している。
このリチウム非水溶媒系二次電池は、細長いシート状の銅箔等からなる負極芯体(集電体)の両面に負極用活物質合剤を被膜状に塗布した負極と、細長いシート状のアルミニウム箔等からなる正極芯体の両面に正極用活物質合剤を被膜状に塗布した正極との間に、微多孔性ポリプロピレンフィルム等からなるセパレータを配置し、負極及び正極をセパレータにより互いに絶縁した状態で円柱状又は楕円形状に巻回した後、角型電池の場合は更に巻回電極体を押し潰して偏平状に形成し、負極及び正極の各所定部分にそれぞれ負極リード及び正極リードを接続して所定形状の外装内に収納した構成を有している。
このような非水溶媒系二次電池に使用される非水溶媒には、電解質を電離させるために誘電率が高い必要があること、及び、広い温度範囲でイオン伝導度が高い必要があるということから、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジエチルカーボネート(DEC)等のカーボネート類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、その他、エーテル類、ケトン類、エステル類などの有機溶媒が使用されており、特にECと粘度の低い非環状炭酸エステル、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)等の混合溶媒が広く使用されているが、蒸気圧が低いために高温放置すると電池が膨れやすいという問題点を有していた。
一方、PCないしはBCを含有する非水溶媒は、蒸気圧が高く、また酸化電位も高くなるために分解し難くなるのでガスの発生量が少なく、電池が膨れ難いという優れた効果を奏すると共に、凝固点が低いために低温特性も優れているという特徴を有している。
また、負極材料として黒鉛、非晶質炭素などの炭素質材料を用いた負極は、コストが安価であり、サイクル寿命に優れていることから広く用いられているが、PCやBCを含む非水溶媒系電解液を用いた場合、充電時のPCないしはBCの還元分解により電池の容量低下が発生する。特に、黒鉛化が進んだ高容量の炭素質物(天然黒鉛、人造黒鉛)では、PCないしはBCがより激しく分解してしまい、充電が良好に進行しないという問題点が存在していた。
そこで、従来から、有機溶媒の還元分解を抑制するために、様々な化合物を非水溶媒系電解液に添加して、負極活物質が有機溶媒と直接反応しないように、不動態化層とも称される負極表面被膜(SEI:Solid Electrolyte Interface. 以下、「SEI表面被膜」という。)を制御する技術が重要となっている。例えば、下記特許文献1には、非水溶媒系二次電池の電解液中にビニレンカーボネート及びその誘導体から選択される少なくとも1種を添加し、これらの添加物により、最初の充電による負極へのリチウムの挿入前に負極活物質層上にSEI表面被膜を形成させ、リチウムイオンの周囲の溶媒分子の挿入を阻止するバリアーとして機能させるようになしたものが開示されている。
また、同様の目的で、下記特許文献2には非水溶媒系電解液中に添加剤としてビニルエチレンカーボネート化合物を添加したものが、同じく下記特許文献3にはビニレンカーボネート化合物及びビニルエチレンカーボネート化合物を添加したものが、同じく下記特許文献4にはビニルエチレンカーボネートを含み、更にビニレンカーボネート、環状スルホン酸又は環状硫酸エステル、環状酸無水物からなる少なくとも1種を添加したものが、同じく下記特許文献5には環状酸無水物を添加したものが、同じく下記特許文献6には環状酸無水物及びビニルエチレンカーボネート化合物を添加したものが、それぞれ開示されている。
このうち、環状酸無水物は、充電時における溶媒の還元分解の抑制には優れているが、単独添加ではSEI被膜の抵抗が高くなり、充放電特性が大きく低下するという欠点が存在していた。また、環状酸無水物を多量に添加すると、電解液のイオン伝導度が低下するほか、SEI被膜の抵抗がより大きくなり、充放電特性が低下すると共に、充電保存中のガス発生が顕著となり、電池の膨れが大きいという問題点も存在していた。
加えて、環状酸無水物を使用した非水系二次電池は、長期間高温保存すると、SEI被膜に多量の重合物が堆積されるとともに、多量のガスが発生し、著しい容量低下を引き起こす。特に、黒鉛化が進んだ高容量の炭素質物を負極に用いた電池において、PCやBCを含有する電解質の場合、高温での特性低下は顕著に現れる。
一方、非水溶媒系二次電池の電解液中にジオキソランとスクシンイミド化合物を添加することにより非水溶媒系二次電池の保存特性を向上させるようになしたものが下記特許文献7に開示されている。このスクシンイミド化合物は、環状酸無水物と同様に、負極で還元されて被膜を生成するが、溶媒の分解抑制能は環状酸無水物と比較して大きく劣る。
特開平08−045545号公報(特許請求の範囲、段落[0009]〜[0012]、[0023]〜[0036]) 特開2001−006729号公報(特許請求の範囲、段落[0006]〜[0014]) 特開2002−324580号公報(特許請求の範囲、段落[0008]〜[0009]) 特開2003−151623号公報(特許請求の範囲、段落[0008]〜[0009]、[0022]〜[0031]) 特開2000−268859号公報(特許請求の範囲、段落[0007]〜[0008]) 特開2002−352852号公報(特許請求の範囲、段落[0010]〜[0013]) 特開平11−045724号公報(特許請求の範囲、段落[0006]〜[0007])
本発明者は、上述のSEI表面被膜の生成機構につき種々検討を重ねた結果、非水溶媒系電解液中に環状酸無水物だけでなく、N−アルキルスクシンイミド化合物、N−アルケニルスクシンイミド化合物、N−アリールスクシンイミド化合物から選択された少なくとも1種を同時に添加すると、非水溶媒の分解を良好に防止することができ、しかもSEI表面被膜のインピーダンスを低下させ、初回放電容量を大きくでき、しかも、高負荷放電効率及び高温充電保存特性を向上させることができることを見出した。
このような結果が得られる理由は、現在のところ定かではなく、今後の研究を待つ必要があるが、おそらくは上述のようなスクシンイミド化合物の添加により負極界面における環状酸無水物の継続的な還元分解反応が抑制されているために、本発明の効果が現れたものと推察される。
したがって、本願発明の目的は、SEI表面被膜のインピーダンスを低下させ、初回放電容量が大きく、高負荷放電効率及び高温充電保存特性が向上した非水溶媒系二次電池を提供することにある。
本発明の上記目的は以下の構成により達成し得る。すなわち、本願の請求項1に係る非水溶媒系二次電池の発明は、リチウムを可逆的に吸蔵・放出可能な正極活物質を含む正極と、リチウムを可逆的に吸蔵・放出可能な負極活物質を含む負極と、非水溶媒系電解液とを備えた非水溶媒系二次電池において、前記非水溶媒系電解液中に、
(1)環状酸無水物、及び
(2)N−アルキルスクシンイミド化合物、N−アルケニルスクシンイミド化合物、N−アリールスクシンイミド化合物から選択された少なくとも1種(以下、「スクシンイミド化合物」という。)、
を含有していることを特徴とする。
非水溶媒系電解液を構成する非水溶媒(有機溶媒)としては、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、エステル類などが挙げられる。これら溶媒の2種類以上を混合して用いることもできる。これらの中ではカーボネート類、ラクトン類、エーテル類、ケトン類、エステル類などが好ましく、カーボネート類がさらに好適に用いられる。
具体例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルカーボネートなどを挙げることができ、充放電効率を高める点からはECと鎖状カーボネートが好適に用いられる。
非水溶媒系電解液を構成する電解質には、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、六フッ化砒酸リチウム(LiAsF)、トリフルオロメチルスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CFSO)などのリチウム塩が挙げられる。中でもLiPF、LiBFを用いるのが好ましく、前記非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜2.0モル/lとするのが好ましい。
正極活物質には、LiMO(但し、MはCo、Ni、Mnの少なくとも1種である)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物、すなわちLiCoO、LiNiO、LiNiCo1−y(y=0.01〜0.99)、Li0.5MnO、LiMnO、LiCoMnNi(x+y+z=1)などが一種単独もしくは複数種を混合して用いられる。
負極活物質には、リチウムを吸蔵・放出することが可能な炭素質物、珪素質物、金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種以上が用いられる。黒鉛化の進んだ炭素質物は高容量であるほか、本発明の効果がより大きく現れるために特に好ましい。
また、本願の請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の非水溶媒系二次電池において、前記環状酸無水物が下記化学式で表されることを特徴とする。
Figure 2005093293
(ただし、n=0〜4の整数であり、R〜Rは、同じであっても異なっていても良く、Hもしくはアルキル基、アルケニル基又はアリール基からなる炭素数1〜12の有機基を示す。また、R〜Rは互いに結合して環を形成していてもよい。)
また、本願の請求項3に係る発明は、前記請求項2に記載の非水溶媒系二次電池の発明において、前記環状酸無水物が、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水2,2−ジメチルコハク酸、無水グルタル酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水cis−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、無水cis−5−ノルボルネン−endo−2,3−ジカルボン酸、無水フェニルコハク酸、無水2−フェニルグルタル酸、無水ノネニルコハク酸から選択された少なくとも1種であることを特徴とする。
また、本願の請求項4に係る発明は、前記請求項1に記載の非水溶媒系二次電池において、前記非水溶媒系電解液中の環状酸無水物の含有量は0.01質量%以上10質量%以下であることを特徴とし、同じく請求項5に係る発明は、前記請求項4に記載の非水溶媒系二次電池において、前記非水溶媒系電解液中の前記環状酸無水物の含有量は0.05質量%以上5質量%以下であることを特徴とする。
係る前記環状酸無水物の含有量は、0.01質量%未満であると前記環状酸無水物添加の効果が実質的に認められず、また、10質量%を超えても、その分だけ電解質の溶解量が減って電解質濃度が低下し、非水溶媒系電解液の電気伝導度が減少するために好ましくない。より好ましくは、前記環状酸無水物の含有量は、全電解質質量の0.05〜5質量%である。
また、本願の請求項6に係る発明は、前記請求項1に記載の非水溶媒系二次電池において、前記スクシンイミド化合物におけるアルキル基、アルケニル基又はアリール基に含まれる炭素数は1以上12以下であることを特徴とする。
また、本願の請求項7に係る発明は、前記請求項6に記載の非水溶媒系二次電池において、前記N−アルキルスクシンイミド化合物がN−メチルスクシンイミド、N−エチルスクシンイミド、N−イソプロピルスクシンイミド、N−シクロヘキシルスクシンイミド、N−イソブチルスクシンイミド、N−tert−アミルスクシンイミドから選択された少なくとも1種であり、前記アルケニルスクシンイミド化合物がN−ビニルスクシンイミド、N−アリルスクシンイミドから選択された少なくとも1種であり、また、前記アリールスクシンイミド化合物がN−フェニルスクシンイミドであることを特徴とする。
また、本願の請求項8に係る発明は、前記請求項1に記載の非水溶媒系二次電池において、前記スクシンイミド化合物の含有量は、全電解質質量の0.01〜10質量%の範囲であることを特徴とし、同じく請求項9に係る発明は、前記請求項8に係る非水溶媒系二次電池において、前記スクシンイミド化合物の含有量は、全電解質質量の0.05〜5質量%の範囲であることを特徴とする。
前記スクシンイミド化合物の含有量が全電解質質量の0.01%未満であると添加の効果が表れず、また、10質量%を超えて添加してもその効果が飽和するだけでなく、その分だけ電解液溶媒の含有量が減るので、イオン伝導度が減るため好ましくない。より好ましくは、前記スクシンイミド化合物の含有量は、全電解質質量の0.05〜5質量%である。
また、本願の請求項10に係る発明は、前記請求項1に記載の非水溶媒系二次電池において、前記非水溶媒系電解液中の前記スクシンイミド化合物と前記環状酸無水物との質量比は、1:2〜2:1の範囲であることを特徴とする。
前記スクシンイミド化合物の前記環状酸無水物に対する含有割合が少ないと、SEI被膜の抵抗が高くなり、充放電特性が大きく低下するので好ましくなく、また、前記スクシンイミド化合物の前記環状酸無水物に対する含有割合が多すぎても、非水溶媒の分解抑制効果が低下するので好ましくない。
また、本願の請求項11に係る発明は、前記請求項1に係る非水溶媒系二次電池において、前記負極活物質はX線回折における格子面(002面)のd値が0.340nm以下である炭素質物であり、前記非水溶媒はPCあるいはBCを含むことを特徴とする。炭素質物質は結晶化が進むとX線回折における格子面(002面)のd値が小さくなり、結晶化が進んだ天然黒鉛や人造黒鉛等は前記d値が0.340nm以下となるが、本発明は負極がこのような高度に結晶化が進んだ炭素質物質を含む場合においても適用可能であり、この場合においては高容量の非水溶媒系二次電池が得られる。
また、本願の請求項12に係る発明は、前記請求項1に記載の非水溶媒系二次電池において、前記非水溶媒系電解液は、ゲル化されていることを特徴とする。ゲル化されている場合は、環状酸無水物の酸化分解によって発生したガスが正負極板間に滞留しやすく、有効極板面積の低下による容量低下が著しいことから、本発明の効果が大きく表れる。
更に、前記非水溶媒系電解液がゲル化されている場合は、負極活物質表面にポリマー成分が付着しているため、通常負極界面に生じるSEI被膜の抵抗が大きくなり、液状電解質を使用した非水溶媒系二次電池よりも著しく特性低下が引き起こされるが、このゲル化による抵抗増大作用は、非水溶媒系電解液中に前記環状酸無水物とスクシンイミド化合物を添加したことによるSEI被膜の抵抗低下作用と相殺されるため、良好な特性を有するゲル化された非水溶媒系二次電池が得られるようになる。
ゲル状電解質において、電解液を保持する高分子としては、アルキレンオキシド系高分子や、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体のようなフッ素系高分子等の高分子が挙げられる。このような高分子材料を用いてゲル状電解質を形成する方法は、前記電解液をポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアルキレンオキシドのイソシアネート架橋体等の重合体などに浸漬することにより得ることができる。
また、重合性ゲル化剤を含有する電解液に紫外線硬化や熱硬化などの重合処理を施す方法や、常温でゲル状電解質を形成する高分子を電解液中に高温溶解したものを冷却する方法も好ましく用いられる。重合性ゲル化剤含有電解液を用いる場合、重合性ゲル化剤としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の不飽和二重結合を有するものや、エポキシ、オキセタン、ホルマール等のカチオン重合性の環状エーテル基を有するものが挙げられる。
具体的にはアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレート、アクリロニトリル、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンアルコキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールアルコキシレートテトラアクリレート、ペンタエリスリトールアルコキシレートテトラアクリレートなどの不飽和二重結合を有するモノマー、メチルメタクリレートと(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレートの共重合ポリマー(分子量約40万)、テトラエチレングリコールビスオキセタンなどの環状エーテル基含有化合物などが挙げられる。
不飽和結合を有するモノマーは熱、紫外線、電子線などによって重合させることができるが、反応を効果的に進行させるため、電解液に重合開始剤を入れておくこともできる。重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシクメン、ラウロイルパーオキサイド、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネートなどの有機過酸化物を使用できる。また、環状エーテル基含有化合物は、電解液中のLiや微量のHによって、熱あるいは充放電により重合が開始される。
一方、常温でゲル状電解質を形成する高分子を電解液中に高温溶解したものを冷却する方法は、このような高分子としては、電解液に対してゲルを形成し電池材料として安定なものであればどのようなものであってもよい。例えば、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環を有するポリマー;ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチルなどのアクリル誘導体ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマーなどが挙げられる。また、上記の高分子などとの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用できる。これらの高分子の質量平均分子量は通常10,000〜5,000,000の範囲である。分子量が低いとゲルを形成しにくくなる。分子量が高いと粘度が高くなりすぎて取り扱いが困難となる。
また、本願の請求項13に係る発明は、前記請求項12に記載の非水溶媒系二次電池において、前記ゲル化されている非水溶媒系電解液における電解液の含有量は、ゲル化されている非水溶媒系電解液の総量に対して50質量%以上99.5質量%以下であることを特徴とし、同じく請求項14に係る発明は、前記請求項13に記載の非水溶媒系二次電池において、記ゲル化されている非水溶媒系電解液における電解液の含有量は、ゲル化されている非水溶媒系電解液の総量に対して75質量%以上99.5質量%以下であることを特徴とする。
ゲル化されている非水溶媒系電解液における電解液の含有量が50質量%未満と少なすぎるとイオン伝導度が低下して高負荷放電効率が悪化する。より好ましくはゲル状電解質の総量に対して75質量%以上である。さらに、電解液の含有量が、99.5質量%を超えると、電解液の保持が困難となり、液漏れや漏液が生じやすくなると共に、ゲル化されている非水溶媒系電解液の機械的強度が得られない。
また、本願の請求項15に係る発明は、前記請求項1に記載の非水溶媒系二次電池において、更にラミネート外装体を有していることを特徴とする。このような構成の非水溶媒系二次電池によれば、外装の質量を小さくでき、しかも厚さも薄くできるために、小型軽量の非水溶媒系二次電池を得ることができる。また、ラミネート外装体を用いる場合は、膨れの影響が顕著に現れるため、本発明の効果が大きく表れる。
本発明は、非水溶媒系二次電池において、前記非水溶媒系電解液中に、
(1)環状酸無水物、及び
(2)スクシンイミド化合物、
を含有させたため、SEI被膜のインピーダンスが非常に低くなると共に、以下に詳細に述べるように、初回放電容量が大きくなり、高負荷放電効率が向上し、かつ長期間の高温充電保存後においても容量低下の小さい非水溶媒系二次電池が得られる。
以下、本願発明を実施するための最良の形態を実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、まず最初に実施例及び比較例に共通する非水溶媒系二次電池の具体的製造方法について説明する。
<正極板の作製>
LiCoOからなる正極活物質をアセチレンブラック、グラファイト等の炭素系導電剤(例えば5質量%)と、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)よりなる結着剤(例えば3質量%)等を、N−メチルピロリドンからなる有機溶剤に溶解したものを混合して、活物質スラリーあるいは活物質ペーストとする。これらの活物質スラリーあるいは活物質ペーストを、スラリーの場合はダイコーター、ドクターブレード等を用いて、ペーストの場合はローラコーティング法等により正極芯体(例えば、厚みが15μmのアルミニウム箔あるいはアルミニウムメッシュ)の両面に均一に塗付して、活物質層を塗布した正極板を形成する。この後、活物質層を塗布した正極板を乾燥機中に通過させて、スラリーあるいはペースト作製時に必要であった有機溶剤を除去して乾燥させる。乾燥後、この乾燥正極板をロールプレス機により圧延して、厚みが0.15mmの正極板とする。
<負極板の作製>
天然黒鉛(d(002)値=0.335nm)よりなる負極活物質、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)よりなる結着剤(例えば3質量%)等と、N−メチルピロリドンからなる有機溶剤に溶解したものを混合して、スラリーあるいはペーストとする。これらのスラリーあるいはペーストを、スラリーの場合はダイコーター、ドクターブレード等を用いて、ペーストの場合はローラコーティング法等により負極芯体(例えば、厚みが10μmの銅箔)の両面の全面にわたって均一に塗布して、活物質層を塗布した負極板を形成する。この後、活物質層を塗布した負極板を乾燥機中に通過させて、スラリーあるいはペースト作製時に必要であった有機溶剤を除去して乾燥させる。乾燥後、この乾燥負極板をロールプレス機により圧延して、厚みが0.14mmの負極板とする。
<電極体の作製>
上述のようにして作製した正極板と負極板を、有機溶媒との反応性が低く、かつ安価なポリオレフイン系樹脂からなる微多孔膜(例えば、厚みが0.020mm)を間にし、かつ、各極板の幅方向の中心線を−致させて重ね合わせる。この後、巻き取り機により捲回する。この後、最外周をテープ止めして渦巻状電極体とする。上述のようにして作製した電極体をアルミラミネートにより構成された外装体にそれぞれ挿入する。ついで、電極体より延出した正極集電タブ、負極集電タブを外装体と共に溶着する。
<電解質の作製>
EC/PC/DEC(20/10/70)の質量比で混合した溶媒に、1.0MとなるようにLiPFを溶解させて電解液を作製する。添加化合物の種類と量は、表中に記載したとおりであり、全て電解液質量に対する質量比である。
ゲル状電解質の作製においては、上記電解液に、モノマーとしてテトラエチレングリコールジメタクリレート8質量%を加え、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート0.3質量%を加えてプレゲルを作製する。添加化合物の種類と量は、表中に記載したとおりであり、全て電解質質量(電解液+モノマー+重合開始剤)に対する質量比である。
<電池の作製>
次いで、各種非水溶媒系電解液を外装体の開口部より必要量注液した後シールして、実施例及び比較例の全てについて設計容量が500mAhのリチウムイオン非水溶媒系二次電池を作製した。ゲル状電解質電池の作製は、プレゲルを必要量注液した後、開口部をシールして、70℃で3時間加熱して重合させ、リチウムポリマー非水溶媒系二次電池を作製した。
(実施例1〜14、比較例1〜7)
まず、液状非水溶媒系電解質を使用し、
(1)実施例1〜8の非水溶媒系二次電池として、スクシンイミド化合物としてN−メチルスクシンイミドを使用し、環状酸無水物の種類を変えて8種類の非水溶媒系二次電池を作製し、同じく、
(2)実施例9〜12の非水溶媒系二次電池として、環状酸無水物として無水コハク酸を使用し、スクシンイミド化合物の種類を変えて4種類の非水溶媒系二次電池を作製した。
また、ゲル状非水溶媒系電解質を使用し、
(3)実施例13及び14の非水溶媒系二次電池として、環状酸無水物として無水コハク酸を使用し、スクシンイミド化合物の種類を変えて2種類の非水溶媒系二次電池を作製した。
同様に、液状非水溶媒系電解質を使用し、
(4)比較例1〜3として、スクシンイミド化合物は添加せず、環状酸無水物の種類を変えて3種類の非水溶媒系二次電池を作製し、
(5)比較例4及び5として、環状酸無水物は添加せず、スクシンイミド化合物の種類を変えて2種類の非水溶媒系二次電池を作製し、
(6)比較例6として、スクシンイミド化合物及び環状酸無水物共に添加せずに非水溶媒系二次電池を作製し、更に、
ゲル状非水溶媒系電解質を使用し、
(7)比較例7として、スクシンイミド化合物は添加せず、環状酸無水物として無水コハク酸を添加した非水溶媒系二次電池を作製した。
なお、上記実施例1〜14及び比較例1〜7の全てについて、環状酸無水物を添加する場合は全非水溶媒系電解質質量に対して1.5質量%となるように添加し、スクシンイミド化合物を添加する場合は全非水溶媒系電解質質量に対して1.0質量%となるように添加した。
<充放電条件>
上述のようにして作製した実施例1〜14及び比較例1〜7の各非水溶媒系二次電池のそれぞれについて、以下に示した充放電条件下で各種充放電試験を行った。
<初回放電容量の測定>
まず最初に、各電池について、25℃において、1It(1C)=500mAの定電流で充電し、電池電圧が4.2Vに達した後は4.2Vの定電圧で3時間充電した。その後、1Itの定電流で電池電圧が2.75Vに達するまで放電を行い、この時の放電容量を初回放電容量として求めた。結果を表1に示す。
<高負荷放電効率の測定>
初回放電容量を測定した各電池について、25℃において、1It=500mAの定電流で充電し、電池電圧が4.2Vに達した後は4.2Vの定電圧で3時間充電した。その後、0.2It=100mAの定電流で電池電圧が2.75Vになるまで放電を行い、このときの放電容量を0.2It放電容量として求めた。別途同様に充電した電池について3It=1500mAの定電流で電池電圧が2.75Vとなるまで放電させてこの時の放電容量を3It放電容量として求め、以下の計算式により高負荷放電効率を求めた。結果を表1にまとめて示す。
高負荷放電効率(%)=(3It放電容量/0.2It放電容量)×100
<高温充電保存特性の測定>
初回放電容量を測定した各電池について、25℃において、1It=500mAの定電流で充電し、電池電圧が4.2Vに達した後は4.2Vの定電圧で3時間充電した。その後、1It=500mAで電池電圧が2.75Vとなるまで放電を行い、このときの放電容量を保存前放電容量として求めた。別途同様に充電した電池について80℃の高温条件下に5日間放置し、25℃において1Itの定電流で電池電圧が2.75Vとなるまで放電を行い、このときの放電容量を保存後放電容量として求め、以下の計算式により容量維持率を求めた。結果をまとめて表1に示す。
容量維持率(%)=(保存後放電容量/保存前放電容量)×100
Figure 2005093293
表1の結果から、液状非水溶媒系電解質を使用した場合、環状酸無水物及びスクシンイミド化合物の両者共に含まない比較例6の非水溶媒系二次電池を基準とすると以下のことが分かる。
(a)スクシンイミド化合物のみを含み、環状酸無水物を含まない比較例4及び5の非水溶媒系二次電池では、初回放電容量は比較例6のものよりもわずかによい結果が得られているが、高負荷放電効率及び高温充電保存特性は比較例6のものと同程度となっている。
(b)環状酸無水物のみを含み、スクシンイミド化合物を含まない比較例1〜3の非水溶媒系二次電池では、初回放電容量は比較例6のものよりも増大しているが、高負荷放電効率及び高温充電保存特性は大幅に悪化している。
(c)環状酸無水物及びスクシンイミド化合物の両者を含む実施例1〜12の非水溶媒系二次電池では、初回放電容量は比較例6のものよりも大で比較例1〜3のものと同程度であるが、高負荷放電効率及び高温充電保存特性は比較例6のものとほぼ同程度の結果が得られている。
一方、ゲル状非水溶媒系電解質を使用した場合は、
(d)環状酸無水物のみを含み、スクシンイミド化合物を含まない比較例7の非水溶媒系二次電池では、初回放電容量は比較例6のものよりも増大しているが、高負荷放電効率及び高温充電保存特性は比較例6のものよりも大幅に悪化している。
(e)環状酸無水物及びスクシンイミド化合物の両者を含む実施例13及び14の非水溶媒系二次電池では、初回放電容量は比較例6のものよりも大で比較例7のものと同程度であり、高負荷放電効率は比較例6のものよりも劣るが比較例7のものよりは大幅に優れており、更に高温充電保存特性は、比較例6のものと同程度であって、比較例7のものと比すると大幅によい結果が得られている。
以上の(a)〜(e)の結果をまとめると、液状非水溶媒系電解質及びゲル状非水溶媒系電解質のいずれの場合であっても、
(a’)環状酸無水物のみを添加すると初回放電容量の改善につながるが、高負荷放電効率及び高温充電保存特性は悪化し、
(b’)環状酸無水物及びスクシンイミド化合物の両者を添加すると、初回放電容量、高負荷放電効率及び高温充電保存特性共に良好な結果が得られる、
ことがわかる。
(実施例15〜20)
実施例15〜18では、前記実施例3の非水電解液二次電池と同様に、環状酸無水物として無水コハク酸を全非水溶媒系電解質質量に対して1.5質量%となるように添加し、スクシンイミド化合物としてN−メチルスクシンイミドの添加量を全非水溶媒系電解質質量に対して0.1〜3.0質量%まで変化させた4種類の非水溶媒系二次電池を作製した。この実施例15〜18の電池について前記実施例1〜14と同様にして初回放電容量、高負荷放電効率及び高温充電保存特性を測定した。結果を実施例3の結果と共にまとめて表2に示した。
また、実施例19及び20の非水溶媒系二次電池では、前記実施例9の非水電解液二次電池と同様に、環状酸無水物として無水コハク酸を全非水溶媒系電解質質量に対して1.5質量%となるように添加し、スクシンイミド化合物としてN−エチルスクシンイミドの添加量を全非水溶媒系電解質質量に対して0.5及び2.0質量%添加して2種類の非水溶媒系二次電池を作製した。この実施例19及び20の電池について前記実施例1〜14と同様にして初回放電容量、高負荷放電効率及び高温充電保存特性を測定した。結果を実施例9の結果と共にまとめて表2に示した。
Figure 2005093293
表2に示した結果から、スクシンイミド化合物が0.1質量%と少ない実施例15の非水溶媒系二次電池では、実施例16〜20、実施例3及び9のものと比すると、高負荷放電効率及び高温充電保存特性がわずかに低下しているが、それでも環状酸無水物のみを含有している比較例1〜3のものと比すると良好な結果が得られている。スクシンイミド化合物含有量が0.5%以上の実施例16〜20の非水溶媒系二次電池では、初回放電容量、高負荷放電効率及び高温充電保存特性共に実施例3ないしは実施例9と同等の良好な結果が得られている。
このような環状酸無水物が添加されている非水溶媒系電解質に対してスクシンイミド化合物を添加したことによる高負荷放電効率及び高温充電保存特性の改善効果は、全非水溶媒系電解質質量に対して0.01質量%程度から見られ、0.05質量%以上で非常に良好となり、約0.5質量%以上でその効果が飽和する傾向が見られる。したがって、前記スクシンイミド化合物の含有量は、全電解質質量の0.01質量%以上が好ましく、より好ましくは0.05質量%以上である。前記スクシンイミド化合物の含有量は、10質量%程度まで添加しても所定の効果を奏するが、5質量%を超えて添加すると非水溶媒系電解質のイオン伝導率が減少しだすので、上限は5質量%とすることが好ましい。
なお、上述の実施例1〜20においては、各環状酸無水物及び各スクシンイミド化合物を1種類ずつ添加した例を示したが、それぞれを複数添加しても同様の効果が生じることは当業者にとり自明であろう。

Claims (15)

  1. リチウムを可逆的に吸蔵・放出可能な正極活物質を含む正極と、リチウムを可逆的に吸蔵・放出可能な負極活物質を含む負極と、非水溶媒系電解液とを備えた非水溶媒系二次電池において、前記非水溶媒系電解液中に、
    (1)環状酸無水物、及び
    (2)N−アルキルスクシンイミド化合物、N−アルケニルスクシンイミド化合物、N−アリールスクシンイミド化合物から選択された少なくとも1種、
    を含有していることを特徴とする非水溶媒系二次電池。
  2. 前記環状酸無水物は、下記化学式で表されることを特徴とする請求項1に記載の非水溶媒系二次電池。
    Figure 2005093293
    (ただし、n=0〜4の整数であり、R〜Rは、同じであっても異なっていても良く、Hもしくはアルキル基、アルケニル基又はアリール基からなる炭素数1〜12の有機基を示す。また、R〜Rは互いに結合して環を形成していてもよい。)
  3. 前記環状酸無水物は、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水2,2−ジメチルコハク酸、無水グルタル酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水cis−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、無水cis−5−ノルボルネン−endo−2,3−ジカルボン酸、無水フェニルコハク酸、無水2−フェニルグルタル酸、無水ノネニルコハク酸から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の非水溶媒系二次電池。
  4. 前記環状酸無水物の含有量は、全電解質質量の0.01〜10質量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の非水溶媒系二次電池。
  5. 前記環状酸無水物の含有量は、全電解質質量の0.05〜5質量%の範囲であることを特徴とする請求項4に記載の非水溶媒系二次電池。
  6. 前記N−アルキルスクシンイミド化合物、N−アルケニルスクシンイミド化合物又はN−アリールスクシンイミド化合物におけるアルキル基、アルケニル基又はアリール基に含まれる炭素数は1以上12以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水溶媒系二次電池。
  7. 前記N−アルキルスクシンイミド化合物がN−メチルスクシンイミド、N−エチルスクシンイミド、N−イソプロピルスクシンイミド、N−シクロヘキシルスクシンイミド、N−イソブチルスクシンイミド、N−tert−アミルスクシンイミドから選択された少なくとも1種であり、前記アルケニルスクシンイミド化合物がN−ビニルスクシンイミド、N−アリルスクシンイミドから選択された少なくとも1種であり、また、前記アリールスクシンイミド化合物がN−フェニルスクシンイミドであることを特徴とする請求項6に記載の非水溶媒系二次電池。
  8. 前記N−アルキルスクシンイミド、N−アルケニルスクシンイミド、N−アリールスクシンイミドから選択された少なくとも1種の含有量は、全電解質質量の0.01〜10質量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の非水溶媒系二次電池。
  9. 前記N−アルキルスクシンイミド、N−アルケニルスクシンイミド、N−アリールスクシンイミドから選択された少なくとも1種の含有量は、全電解質質量の0.05〜5質量%の範囲であることを特徴とする請求項8に記載の非水溶媒系二次電池。
  10. 前記非水溶媒系電解液中の前記N−アルキルスクシンイミド、N−アルケニルスクシンイミド、N−アリールスクシンイミドから選択された少なくとも1種と前記環状酸無水物との質量比は、1:2〜2:1の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の非水溶媒系二次電池。
  11. 前記負極活物質はX線回折における格子面(002面)のd値が0.340nm以下である炭素質物であり、前記非水溶媒はプロピレンカーボネートあるいはブチレンカーボネートを含むことを特徴とする請求項1に記載の非水溶媒系二次電池。
  12. 前記非水溶媒系電解液は、ゲル化されていることを特徴とする請求項1に記載の非水溶媒系二次電池。
  13. 前記ゲル化されている非水溶媒系電解液における電解液の含有量は、ゲル化されている非水溶媒系電解液の総量に対して50質量%以上99.5質量%以下であることを特徴とする請求項12に記載の非水溶媒系二次電池。
  14. 前記ゲル化されている非水溶媒系電解液における電解液の含有量は、ゲル化されている非水溶媒系電解液の総量に対して75質量%以上99.5質量%以下であることを特徴とする請求項13に記載の非水溶媒系二次電池。
  15. 更に、ラミネート外装体を有していることを特徴とする請求項1に記載の非水溶媒系二次電池。

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