JP2002316990A - 脂環式テトラカルボン酸二無水物、その製造法及びポリイミド - Google Patents

脂環式テトラカルボン酸二無水物、その製造法及びポリイミド

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外領域に吸収がなく光透過性が高く、
更に加工性が改善された溶媒に対する溶解性に優れたポ
リイミドの原料モノマーとなり得る脂環式テトラカルボ
ン酸二無水物の提供にある。 【解決手段】 式[1]のテトラシクロ[4.4.1.
2,5.07,10]ウンデカン−3,4,8,9−テトラ
カルボン酸−3,4:8,9−二無水物、又その製造中
間体である式[2]のテトラシクロ[4.4.1.0
2,5.07,10]ウンデカ−3,8−ジエン−3,4,
8,9−テトラカルボン酸及びテトラシクロ[4.4.
1.02,5.07,10]ウンデカン−3,4,8,9−テ
トラカルボン酸、式[3]のテトラシクロ[4.4.
1.02,5.07,10]ウンデカン−3,4,8,9−テ
トラカルボン酸テトラアルキルエステル、更にそれらの
製造法、式[10]、式[11]の繰り返し単位を有す
るポリアミック酸及びポリイミドに関する。 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、破線
部を含む炭素間結合は単結合又は二重結合を表し、R1
は2価の有機基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、式[1]
【0002】
【化20】
【0003】で表されるテトラシクロ[4.4.1.0
2,5.07,10]ウンデカン−3,4,8,9−テトラカ
ルボン酸−3,4:8,9−二無水物(以下、TCAA
と略記する。)、又その製造中間体である式[2]
【0004】
【化21】
【0005】(式中、破線部を含む炭素間結合は単結合
又は二重結合を表す。)で表されるテトラシクロ[4.
4.1.02,5.07,10]ウンデカ−3,8−ジエン−
3,4,8,9−テトラカルボン酸及びテトラシクロ
[4.4.1.02, 5.07,10]ウンデカン−3,4,
8,9−テトラカルボン酸並びに式[3]
【0006】
【化22】
【0007】(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基
を表す。)で表されるテトラシクロ[4.4.1.0
2,5.07,10]ウンデカン−3,4,8,9−テトラカ
ルボン酸テトラアルキルエステル、更にそれらの製造法
に関する。
【0008】また、前記テトラカルボン酸無水物から誘
導されるポリアミック酸及びポリイミドに関する。
【0009】TCCAは、ポリイミドやエポキシ硬化剤
等のモノマーとして溶媒に対する溶解性や光透過性等の
点で新しい用途が期待される。
【0010】
【従来の技術】TCCAは、従来合成されたことのない
新規な化合物である。一般に、ポリイミド樹脂はその特
徴である高い機械的強度、耐熱性、絶縁性、耐溶剤性の
ために、液晶表示素子や半導体における保護材料、絶縁
材料などの電子材料として広く用いられている。また、
最近では光導波路用材料等の光通信用材料としての用途
も期待されている。
【0011】近年、この分野の発展は目覚ましく、それ
に対応して、用いられる材料に対しても益々高度な特性
が要求される様になっている。即ち、単に耐熱性、耐溶
剤性に優れるだけでなく、用途に応じた性能を多数合わ
せ持つことが期待されている。
【0012】しかし、特に、全芳香族ポリイミド樹脂に
おいては、濃い琥珀色を呈し着色するため、高い透明性
を要求される用途においては問題が生じてくる。また、
全芳香族ポリイミドは有機溶剤に不溶であるため、実際
にはその前駆体であるポリアミック酸を熱による脱水閉
環によって得る必要がある。
【0013】透明性を実現する一つの方法として、脂環
式テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの重縮
合反応によりポリイミド前駆体を得て、該当前駆体をイ
ミド化しポリイミドを製造すれば、比較的着色が少な
く、高透明性のポリイミドが得られることは知られてい
る(特公平2−24294号公報、特開昭58−208
322号公報)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】近年、光を用いた電子
材料分野等にも耐熱性の高いポリイミドの使用が要望さ
れてきた。本発明の目的は、紫外線領域に吸収がなく光
透過性が高く、更に加工性が改善された溶媒に対する溶
解性に優れたポリイミドの原料モノマーとなり得る脂環
式テトラカルボン酸二無水物とそれを用いたポリイミド
の提供にある。
【0015】
【発明が解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、シクロジオレ
フィンとジアルキルアセチレンジカルボキシレートから
一挙にシクロテトラカルボン酸テトラエステルを得、新
規なテトラシクロ[4.4.1.02,5.07,1 0]ウン
デカン−3,4,8,9−テトラカルボン酸−3,4:
8,9−二無水物(TCAA)を製造できる方法を見い
出した。
【0016】即ち,本発明は、式[1]
【0017】
【化23】
【0018】で表されるテトラシクロ[4.4.1.0
2,5.07,10]ウンデカン−3,4,8,9−テトラカ
ルボン酸−3,4:8,9−二無水物(TCAA)、又
その中間体である式[2]
【0019】
【化24】
【0020】(式中、破線部を含む炭素間結合は単結合
又は二重結合を表す。)で表されるテトラシクロ[4.
4.1.02,5.07,10]ウンデカ−3,8−ジエン−
3,4,8,9−テトラカルボン酸及びテトラシクロ
[4.4.1.02, 5.07,10]ウンデカン−3,4,
8,9−テトラカルボン酸並びに式[3]
【0021】
【化25】
【0022】(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基
を表す。)で表されるテトラシクロ[4.4.1.0
2,5.07,10]ウンデカン−3,4,8,9−テトラカ
ルボン酸テトラアルキルエステルに関する。
【0023】また、本発明は、式[5]
【0024】
【化26】
【0025】(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基
を表す。)で表されるテトラシクロ[4.4.1.0
2,5.07,10]ウンデカ−3,8−ジエン−3,4,
8,9−テトラカルボン酸テトラアルキルエステルを還
元して式[3]
【0026】
【化27】
【0027】(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)で
表されるテトラシクロ[4.4.1.02,5.07,10
ウンデカン−3,4,8,9−テトラカルボン酸テトラ
アルキルエステルを得、続いて、この化合物を加水分解
して式[6]
【0028】
【化28】
【0029】で表されるテトラシクロ[4.4.1.0
2,5.07,10]ウンデカン−3,4,8,9−テトラカ
ルボン酸を得、更に、この化合物を脱水して式[1]
【0030】
【化29】
【0031】で表されるテトラシクロ[4.4.1.0
2,5.07,10]ウンデカン−3,4,8,9−テトラカ
ルボン酸−3,4:8,9−二無水物(TCAA)の製
造法に関する。
【0032】更に、式[5]
【0033】
【化30】
【0034】(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基
を表す。)で表されるテトラシクロ[4.4.1.0
2,5.07,10]ウンデカ−3,8−ジエン−3,4,
8,9−テトラカルボン酸テトラアルキルエステルを加
水分解して式[7]
【0035】
【化31】
【0036】で表されるテトラシクロ[4.4.1.0
2,5.07,10]ウンデカ−3,8−ジエン−3,4,
8,9−テトラカルボン酸を得、続いて、この化合物を
還元して式[6]
【0037】
【化32】
【0038】で表されるテトラシクロ[4.4.1.0
2,5.07,10]ウンデカン−3,4,8,9−テトラカ
ルボン酸得、更に、この化合物を脱水して式[1]
【0039】
【化33】
【0040】で表されるテトラシクロ[4.4.1.0
2,5.07,10]ウンデカン−3,4,8,9−テトラカ
ルボン酸−3,4:8,9−二無水物(TCAA)の製
造法に関する。更に本発明は、式[10]
【0041】
【化34】
【0042】(式中、R1は2価の有機基を表す。)で表
される繰り返し単位を少なくとも10モル%含有し、数
平均分子量が少なくとも5000であるポリアミック酸
及び、前記のポリアミック酸を熱または化学的に脱水閉
環することにより得られる式[11]
【0043】
【化35】
【0044】(式中、Rは2価の有機基を表す。)で
表される繰り返し単位を少なくとも10モル%含有する
ポリイミドに関する。以下本発明を詳細に説明する。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明のテトラシクロ[4.4.
1.02,5.07,10]ウンデカン−3,4,8,9−テ
トラカルボン酸−3,4:8,9−二無水物(以下TC
AA)の製造法は、下記のルートで表される。
【0046】
【化36】
【0047】(式中、Rは前記と同じ意味を表す。) 第1工程の付加反応から順に説明する。
【0048】ノルボルネル誘導体とジメチルアセチレン
ジカルボキシレートからルテニウム触媒を用いてそれら
の〔2+2〕クロス付加体を合成する方法は知られてい
る(ジヤーナル オブ オーガニック ケミストリー 44
巻 25号 4492〜4496頁(1979年)。しか
し、ここに記載の方法では、式[5]で表されるテトラ
シクロ[4.4.1.02,5.07,10]ウンデカ−3,
8−ジエン−3,4,8,9−テトラカルボン酸テトラ
アルキルエステル(TUEM化合物)の収率は非常に低
いものである。
【0049】ノルボルナジエン(NNと略す)は、市販
品をそのまま使用することができる。アセチレンジカル
ボン酸ジアルキル(DMA化合物と略す)としては、種
々の化合物が使用できる。
【0050】例えば、具体的には、ジメチルアセチレン
ジカルボキシレート、ジエチルアセチレンジカルボキシ
レート、ジプロピルアセチレンジカルボキシレート、ジ
ブチルアセチレンジカルボキシレート、ジペンチルアセ
チレンジカルボキシレート、ジヘキシルアセチレンジカ
ルボキシレート、ジシクロペンチルアセチレンジカルボ
キシレート及びジシクロヘキシルアセチレンジカルボキ
シレート等が挙げられる。
【0051】触媒として、ルテニウム、ロジウム、パラ
ジウム、白金、鉄、ニッケル及びコバルト等の周期律表
第8族金属が挙げられる。好ましいのはルテニウムであ
る。触媒の形態としては、金属錯体、金属塩、金属単
身、担持金属及び金属酸化物等が使用できる。
【0052】金属錯体としては、ヒドリドカルボニルト
リス(トリフェニルホスフィン)金属、ジヒドリドテト
ラキス(トリフェニルホスフィン)金属、ジヒドリドカ
ルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)金属、ハロ
ゲノヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィ
ン)金属、ジハロゲノトリス(トリフェニルホスフィ
ン)金属、ジハロゲノテトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)金属、ジハロゲノビスベンゾニトリル金属、トリ
ス(アセチルアセトナト)金属、ジハロゲノシクロジエ
ン金属、ホルマトジカルボニル金属、ドデカカルボニル
三金属、カルボニルビス(トリフェニルホスフィン)金
属及びテトラキストリフェニルホスフィン金属等が使用
できる。
【0053】金属塩としては、塩酸、硫酸、硝酸及び燐
酸等の鉱酸塩、蟻酸、酢酸及びプロピオン酸等の有機酸
塩が挙げられる。担持金属としては、炭素、アルミナ及
び珪藻土等の担体に担持させた金属が使用できる。
【0054】更に、具体的にはジヒドリドテトラキス
(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドカ
ルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウ
ム、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホ
スフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニル
ホスフィン)ルテニウム、ジブロモトリス(トリフェニ
ルホスフィン)ルテニウム、ジヨウドトリス(トリフェ
ニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(ト
リフェニルホスフィン)ルテニウム、トリス(アセチル
アセトナト)ルテニウム、ジクロロ(η−1,5−シク
ロオクタジエン)ルテニウム、ホルマトジカルボニルル
テニウム及びドデカカルボニル三ルテニウム、ヒドリド
カルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウ
ム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、カル
ボニルビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テト
ラキストリフェニルホスフィンパラジウム、三塩化ルテ
ニウム、三臭化ルテニウム、三沃化ルテニウム、ルテニ
ウム/活性炭、ルテニウム/アルミナ、パラジウム/活
性炭、ルテニウム黒及び酸化ルテニウム等が挙げられ
る。
【0055】これらの中で特に好ましいものは、空気中
でも安定で経済的な触媒としては、式[8]
【0056】
【化37】
【0057】(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは3
又は4を表す。)で表されるジハロゲノトリス(トリフ
ェニルホスフィン)ルテニウム、ジハロゲノテトラキス
(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、式[9]
【0058】
【化38】
【0059】(式中、Xはハロゲン原子を表す。)で表
されるトリハロゲノルテニウム、トリハロゲノルテニウ
ム、ルテニウム黒及びルテニウム/担体の中から選ばれ
る少なくとも1種の触媒が好ましい。
【0060】ジハロゲノテトラキス(トリフェニルホス
フィン)ルテニウムとしては、ジクロロトリス(トリフ
ェニルホスフィン)ルテニウム、ジブロモトリス(トリ
フェニルホスフィン)ルテニウム、ジヨウドトリス(ト
リフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロテトラキ
ス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジブロモテ
トラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びジ
ヨウドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウ
ム等が挙げられる。
【0061】トリハロゲノルテニウムとしては、三塩化
ルテニウム、三臭化ルテニウム、三沃化ルテニウムが挙
げられ、実用的には安価な三塩化ルテニウム及び三臭化
ルテニウムである。
【0062】その使用量は、原料のノルボルナジエンに
対し、0.1〜30モル%、特には、0.5〜20モル
%が好ましい。三塩化ルテニウム及び三臭化ルテニウム
等のトリハロゲノルテニウムは、トリフェニルホスフィ
ン存在下で使用することもできる。その際のトリフェニ
ルホスフィンの添加量は、トリハロゲノルテニウムに対
して1〜10モル当量が好ましく、特には3〜6モル当
量が好ましい。
【0063】本反応では溶媒を使用しなくとも、反応は
進行するが、使用する事もできる。溶媒としては例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン及びキュメン等の芳
香族炭化水素化合物及びテトラヒドロフラン、1,4−
ジオキサン、12−クラウン−4−エーテル、15−ク
ラウン−5−エーテル、18−クラウン−6−エーテ
ル、ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル及び1,
2−ジメトキシエタン等のエーテル類等が特に好ましい
が、他の溶媒例えばヘキサンやヘプタン等の脂肪族炭化
水素類でも進行する。更にこれらの溶媒を組み合わせて
使用することもできる。
【0064】その使用量は、溶媒量が多くなると反応進
行が遅くなるが、無溶媒では、反応進行に伴い高粘稠に
なることから、ノルボルナジエンに対し1〜20質量
倍、特には1〜10質量倍が経済的にも好ましい。ま
た、本反応の原料であるノルボルナジエンやジアルキル
アセチレンジカルボキシレートの反応中の重合を抑制す
るために重合禁止剤を添加することもできる。
【0065】重合禁止剤としては例えば、ジフェニルピ
クリルヒドラジン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、
N−(3−N−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチ
リデン)アニリンオキシド、p−ベンゾキノン、p−t
ert−ブチルカテコール、ニトロベンゼン、ピクリン
酸、ジチオベンゾイルジスルフィド、ヒドロキノン、p
−メトキシフェノール、2,4−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェノール及び塩化銅(II)等が挙げられる。
【0066】重合禁止剤の添加量は、ノルボルナジエン
やジアルキルアセチレンジカルボキシレートに対して
0.01〜1モル%が好ましい。
【0067】反応温度は、高温ほど反応が速いが重合等
の副反応を伴うので、通常50〜180℃の範囲、好ま
しくは60〜160℃の範囲である。
【0068】このノルボルナジエン1モルとジアルキル
アセチレンジカルボキシレート2モルの付加反応で得ら
れる目的のテトラシクロ[4.4.1.02,5
7,10]ウンデカ−3,8−ジエン−3,4,8,9−
テトラカルボン酸テトラアルキルエステル(以下TUE
M化合物と略す)とノルボルナジエン1モルとジアルキ
ルアセチレンジカルボキシレート1モルから得られるT
UEM化合物の中間体ジアルキルトリシクロ[4.2.
1.02,5]ノナ−3,7−ジエン−3,4−ジカルボ
キシレート(NBDE化合物と略す)の分離は、再結晶
やカラムクロマトグラフィーで精製した後、次の第2工
程の還元反応に用いられる。尚、分離したNBDE化合
物は、ジアルキルアセチレンジカルボキシレートと反応
させてTUEM化合物を製造することもできる。
【0069】第2工程のTUEM化合物のテトラシクロ
[4.4.1.02,5.07,10]ウンデカン−3,4,
8,9−テトラカルボン酸テトラアルキルエステル(T
UAM化合物と略す)への還元反応は、二重結合を単結
合に変換する種々の一般的還元法が適用できる。
【0070】例えば、(1)金属および金属塩による還
元(2)金属水素化物による還元(3)金属水素錯化合
物による還元(4)ジボランおよび置換ボランによる還
元(5)ヒドラジンによる還元(6)ジイミド還元
(7)リン化合物による還元(8)電解還元(9)接触
還元等を挙げることができる。
【0071】これらの中で、最も実用的方法は接触還元
方法である。本発明で採用できる接触還元法は以下の通
りである。触媒金属としては、周期律表第8族のパラジ
ウム、ルテニウム、ロジウム、白金、ニッケル、コバル
ト及び鉄、又は第1族の銅等が使用できる。これらの金
属は単独で、又は、他の元素と複合させた多元系で使用
される。それらの使用形態は、各金属単身、ラネー型触
媒、ケイソウ土、アルミナ、ゼオライト、炭素及びその
他の担体に担持させた触媒及び錯体触媒等が挙げられ
る。
【0072】具体的には、パラジウム−炭素、ルテニウ
ム−炭素、ロジウム−炭素、白金−炭素、パラジウム−
アルミナ、ルテニウム−アルミナ、ロジウム−アルミ
ナ、白金−アルミナ、還元ニッケル、還元コバルト、ラ
ネーニッケル、ラネーコバルト、ラネー銅、酸化銅、銅
クロマト、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロ
ジウム、クロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフ
ィン)ルテニウム及びヒドリドカルボニルトリス(トリ
フェニルホスフィン)イリジウム等が挙げられる。これ
らの中で特に好ましいものはパラジウム−炭素及びルテ
ニウム−炭素等である。
【0073】触媒の使用量は、5%金属担持触媒として
基質に対し0.1〜30質量%が、特には、0.5〜2
0質量%が好ましい。溶媒は、メタノール、エタノール
及びプロパノール等に代表されるアルコール類、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン及びジメトキシエタン等に代
表されるエーテル類及び酢酸エチル及び酢酸プロピル等
に代表されるエステル類等が使用できる。
【0074】その使用量は、原料に対し1〜50質量倍
の範囲が、特には、3〜10質量倍の範囲が好ましい。
水素圧は常圧から10MPa(100kg/cm2)の
範囲が、特には、常圧から3MPa(30kg/c
2)の範囲が好ましい。反応温度は、0〜150℃の
範囲が、特には、10〜100℃の範囲が好ましい。
【0075】反応は、水素吸収量によって追跡すること
ができ、理論水素量の吸収後サンプリングしガスクロマ
トグラフィーで分析し確認することができる。本反応
は、回分式でも連続反応でも可能である。反応後は、濾
過により触媒を除いた後、濃縮後、再結晶又は、カラム
クロマトグラフィー法で精製することができる。
【0076】又、第6工程のテトラシクロ[4.4.
1.02,5.07,10]ウンデカ−3,8−ジエン−3,
4,8,9−テトラカルボン酸(TUECと略記)の還
元反応も同様に行うことができTUACが高収率で得ら
れる。
【0077】次に第3工程のTUAM化合物よりTUA
Cへの加水分解反応条件は、通常のアルキルエステルを
加水分解してアルキルカルボン酸にする方法が適用でき
る。酸による方法も可能であるが、一般には、塩基によ
る方法が高収率である。塩基としては、アルカリ金属及
びアルカリ土類金属の水酸化物を用いるのが経済的に好
ましい。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム及び水酸化バリウム等であり、特
には、水酸化ナトリウムが最も好ましい。
【0078】その使用量は、基質に対し2〜3当量が、
特には2〜2.4当量が好ましい。溶媒としては、アル
コールと水の混合系が一般的である。アルコールの種類
としては、メタノール、エタノール及びプロパノール等
の低級アルコールが好ましい。その使用量は、基質に対
し、1〜20質量倍が、特には、2〜10質量倍が好ま
しい。水の添加量は、基質に対し0.1〜20質量倍が
特には、1〜10質量倍が好ましい。アルコールと水の
混合比は、質量比で1対20から20対1の間で選択で
き、特には1対5から5対1間で選択するのが好まし
い。
【0079】反応後は、アルコールを留去した後、水を
加えてから酸沈させてTUACの粗結晶が得られる。こ
れを再結晶法又は、カラムクロマトグラフィー法で精製
することにより、TUACの純品が得られる。
【0080】もう一法として、酸による方法も高収率で
TUACを与える。酸の種類としては、塩酸、硫酸及び
燐酸等の無機酸類、蟻酸、酢酸及びプロピオン酸等の脂
肪酸類、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸及びトリ
フルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸類が挙げられ
る。これらの中で、蟻酸による方法が簡便である。その
使用量は、TUAM化合物に対して4モル当量以上が好
ましく、副生する蟻酸メチルを蟻酸の一部に同伴させて
留出さることが反応促進させることから、蟻酸は10〜
50モル当量の過剰量存在させることが好ましい。生成
物のTUACは、結晶として析出するので、反応終了後
ろ過により単離することができる。あるいは、反応終了
後のTUAC・蟻酸スラリーをそのまま次の脱水工程に
ワンポットで供することができる。
【0081】又、第5工程のTUEM化合物のTUEC
への加水分解反応も同様にして行うことができ、TUE
Cが高収率で得られる。
【0082】次に、第4工程のTUACのTCAAへの
脱水法について述べる。脱水剤としては、脂肪族カルボ
ン酸無水物、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド
(DCCと略記)、2−クロロ−1,3−ジメチルイミ
ダゾリニウムクロライド(DMCと略記)が用いられる
が、好ましくは安価な脂肪族カルボン酸無水物、特に無
水酢酸が用いられる。使用量は、TUACに対し1〜2
0当量、好ましくは1〜5当量である。
【0083】溶媒は、脱水剤自身を過剰量加えて使用す
る場合もあるが、反応に直接関与しない有機溶媒を用い
ることもできる。例えば、トルエン、キシレン等の炭化
水素類、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプ
ロパン等のハロゲン化炭化水素類、更に1,4−ジオキ
サン等が挙げられる。使用量は、TUACに対し1〜2
0質量倍、好ましくは1〜10質量倍である。
【0084】反応温度は、通常脱水剤又は溶媒の沸点付
近で行うのが一般的であるが、50〜200℃間で行う
ことができる。より好ましくは、60〜150℃であ
る。反応時間は、反応温度との相関になるが、実用的に
は、1〜20時間、より好ましくは2〜10時間であ
る。本反応は、常圧又は加圧で行うこともでき、又回分
式又は連続式でも可能である。
【0085】反応後、脱水剤を場合により溶媒も一緒に
留去すると高純度のTCAAが得られる。必要に応じ、
再結晶法により精製することもできる。
【0086】又、前述した様に前工程で蟻酸を用いる場
合は、その反応混合物であるTUAC・蟻酸スラリーを
そのまま次の脱水工程に供し、蟻酸や副生する酢酸を留
去させながら転化率を上げて、目的のTCAAを得るこ
とができる。
【0087】次にTCAAの重合評価結果について述べ
る。本発明により得られるテトラカルボン酸二無水物
は、ジアミンとの重縮合反応によりポリアミック酸とし
た後、熱もしくは触媒を用いた脱水閉環反応により対応
するポリイミドとすることができる。
【0088】式[1]のテトラシクロ[4.4.1.0
2,5.07,10]ウンデカン−3,4,8,9−テトラカ
ルボン酸−3,4:8,9−二無水物(TCAA)を用
いたポリアミック酸及びポリイミドについて以下に述べ
る。
【0089】本発明のポリアミック酸において使用され
るテトラカルボン酸二無水物の全モル数のうち、少なく
とも10mol%は式[1]のTCAAでなければなら
ない。更には、本発明の目的である高い透明性と低い複
屈折を達成するためには、望ましくは、テトラカルボン
酸二無水物のうち90mol%以上はTCAAでなけれ
ばならない。
【0090】本発明において用いられる式[1]のTC
AA以外のテトラカルボン酸二無水物としては、通常の
ポリイミドの合成に使用されるテトラカルボン酸及びそ
の誘導体を用いることは、何ら差し支えない。
【0091】その具体例としては、1,2,3,4−テ
トラカルボン酸、2,3,4,5−テトラヒドロフラン
テトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサン
酸、3,4−ジカルボキシ−1−シクロヘキシルコハク
酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−1−ナフタレンコハク酸、ビシクロ[3.3.0]
オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸などの脂
環式テトラカルボン酸及びこれら二無水物並びにこれら
のジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物などが挙げられる。
【0092】更には、ピロメリット酸、2,3,6,7
−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフ
タレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレン
テトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテト
ラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカ
ルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン
酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパ
ン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2
−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラ
ン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,
6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジンな
どの芳香族テトラカルボン酸及びこれらの二無水物並び
にこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物なども挙げら
れる。
【0093】本発明において用いられるジアミン(2)
は、本発明の目的を損なわない限り、特に限定されるも
のではない。その代表例を挙げれば、p−フェニレンジ
アミン、m−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノト
ルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミ
ノビフェニル、3,3’−ジメチル −4,4’−ジア
ミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ −4,4’−
ジアミノビフェニル、ジアミノジフェニルメタン、ジア
ミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニ
ルプロパン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェ
ニル)メタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノ
ベンゾフェノン、ジアミノナフタレン、1,4−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4
−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−ア
ミノフェニル)アントラセン、1,3−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,
2’−トリフルオロメチルー4,4’−ジアミノビフェ
ニル等の芳香族ジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘ
キシル)メタン等の脂環式ジアミン及びテトラメチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン
等が挙げられる。また、これらのジアミンの1種類また
は2種類以上を混合して使用することもできる。
【0094】本発明の新規ポリイミドは、酸二無水物と
ジアミンを溶媒中で反応させたポリアミック酸を経由
し、その熱イミド化により用いることができる。また、
ポリアミック酸を溶媒中でイミドに転化させ、溶剤可溶
性のポリイミドとして用いることも可能である。
【0095】本発明のポリアミック酸をえる方法は、そ
の製造法は特に限定されるものではないが、該テトラカ
ルボン酸二無水物およびその誘導体と前記ジアミンを反
応、重合させて得ることができる。この際のテトラカル
ボン酸二無水物とジアミンのモル数の比は0.8から
1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応同様
に、このモル比が1に近いほど生成する重合体の重合度
は大きくなる。重合度が小さすぎるとポリイミド塗膜の
強度が不十分であり、また重合度が大きすぎるとポリイ
ミド塗膜形成時の作業性が悪くなる場合がある。従っ
て、本反応における生成物の重合度は、数平均分子量
で、少なくとも5000で、好ましくは7000〜10
0000である。
【0096】溶液重合に使われる溶剤の具体例として
は、m−クレゾール、N−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチルカプトラクタム、ジメチルスルホ
キシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホ
ン、ヘキサメチルホスホルアミド、およびブチルラクト
ンなどを挙げることができる。これらは、単独でも、ま
た混合して使用してもよい。さらに、ポリイミド前駆体
を溶解しない溶剤であっても、均一な溶液が得られる範
囲内で上記溶媒に加えて使用してもよい。溶液重合の反
応温度は、−20℃から150℃、好ましくは−5℃か
ら100℃の任意の温度を選択することができる。
【0097】本発明の有機溶媒可溶性ポリイミドを得る
方法は、その製造方法は特に限定されるものではない
が、該テトラカルボン酸二無水物及びその誘導体とジア
ミンを反応、重合させて得られたポリアミック酸を通常
は加熱により脱水閉環させる方法が採用される。また、
公知の脱水閉環触媒を使用して化学的に閉環する方法も
採用することができる。加熱による方法では、100℃
から300℃、好ましくは120℃から250℃の任意
の温度を選択できる。化学的に閉環する方法では、たと
えばピリジン、トリエチルアミンなどを無水酢酸など存
在下で使用することができ、このときの温度は、−20
℃から200℃の任意の温度を選択することができる。
【0098】このようにして得られたポリイミド溶液は
そのまま使用することも出来、また、メタノール、エタ
ノールなどの貧溶媒に沈殿単離させポリイミドを粉末と
して、あるいはそのポリイミド粉末を適当な溶媒に再溶
解させて使用することができる。再溶解させる溶媒は、
得られたポリイミドを溶解させるものであれば特に限定
されないが、その具体例を挙げるならば、m−クレゾー
ル、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−エチ
ルピロリドン、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−
ブチロラクトンなどが挙げられる。
【0099】また、単独ではポリマーを溶解させない溶
液であっても、溶解性を損なわない範囲であれば上記溶
媒に加えて使用することができる。その具体例として
は、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカル
ビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールア
セテート、エチレングリコール、1−メトキシ−2−プ
ロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブ
トキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロ
パノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロ
ピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール
−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレ
ングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテー
ト、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロ
ポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチ
ルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチ
ルエステル、乳酸イソアミルエステルなどが挙げられ
る。また、ポリイミド膜と基板の密着性を更に向上させ
る目的で、得られたポリイミド溶液にカップリング剤等
の添加剤を加えることはもちろん好ましい。
【0100】この溶液を基板に塗布し、溶媒を蒸発させ
ることにより基板上にポリイミド被膜を形成させること
ができる。この際の温度は通常100℃から300℃で
十分である。
【0101】以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0102】
【実施例】実施例1
【0103】
【化39】
【0104】200mlガラス製四つ口反応器に、ノル
ボルナジエン(NN)9.24g(100mmol)、
ジメチルアセチレンジカルボキシレート(DMA)2
8.4g(200mmol)、RuCl2(PPh33
2.1g(2.2mol%)、及び1,4−ジオキサン
40gを仕込んだ後、撹拌を開始しながら昇温し、10
0℃(浴温120℃)で24時間反応させた。終了後室
温まで冷却してから反応液を濃縮し、得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン
/酢酸エチル=4/1〜1/1)で精製すると、淡黄色
透明な油状物質13.8gが得られた。この油状物質を
酢酸エチル/ヘプタンから再結晶することにより白色結
晶10.0g(26.7mmol)(収率26.6%)
が得られた。構造は、下記の分析結果からテトラメチル
テトラシクロ[4.4.1.02,5.07,10]ウンデカ
−3,8−ジエン−3,4,8,9−テトラカルボキシ
レート(TUEM)であることを確認した。
【0105】MASS(FAB+,m/z):377([M+H]+,100),345(10
0),86(60).1 H-NMR(500MHz,CDCl3,δppm):1.38(s,2H),2.43(s,2H),
2.76(s,4H),3.79(s,12H). 13C-NMR(125MHz,CDCl3,δpp
m):23.59,31.70(2本分),46.06(4本分),51.95(4本分),14
2.40(4本分),161.21(4本分). mp.(℃):142〜143.
【0106】実施例2 200mlガラス製四つ口反応器に、ジメチルアセチレ
ンジカルボキシレート(DMA)3.08g(21.7
mmol)、RuCl30.90g(4.34mmo
l)、トリフェニルホスフィン3.42g(13.0m
mol)、4−tert−ブチルカテコール(TBC)
0.10g、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)28.00gを仕込んだ後、撹拌を開始しながら7
0℃まで昇温した。70℃で1時間撹拌した後、ノルボ
ルナジエン(NN)10.00g(109mmol)と
ジメチルアセチレンジカルボキシレート(DMA)1
6.97g(119mmol)の混合溶液をゆっくり滴
下し、3時間撹拌した。さらにこの溶液にジメチルアセ
チレンジカルボキシレート(DMA)18.51g(1
30mmol)を滴下した後、溶液を120℃に加熱し
3時間反応させた。終了後、減圧下で反応液を濃縮し、
得られた残渣にメタノールを加えることにより結晶を析
出させた。得られた結晶を濾別後乾燥させることによ
り、TUEMの淡黄色結晶18.03g(47.9mm
ol)(収率44.1%)が得られた。
【0107】1H-NMR(300MHz,CDCl,δppm) : 1.31(s,2
H), 2.34(s,2H), 2.69(s,4H), 3.72(s,12H).13 C-NMR(75MHz,CDCl,δppm) : 23.53, 31.65, 46.00,
51.91, 142.35, 161.16. 実施例3
【0108】
【化40】
【0109】50mlガラス製四つ口反応器に、テトラ
メチルテトラシクロ[4.4.1.02,5.07,10]ウ
ンデカ−3,4,8,9−テトラカルボキシレート(T
UEM)3.00g(8.0mmol)、5%Pd/C
(56%含水品)0.34g(5質量%)、及び1,4
−ジオキサン20gを仕込んだ後、常圧水素雰囲気下で
撹拌を開始しながら昇温し、45℃浴で10時間反応さ
せた。室温まで冷却すると結晶が出始めたので、アセト
ニトリルを加えて溶解してから、濾過により触媒を除去
してから濃縮した。その残査に酢酸エチル40mlを加
え60℃に加熱した後、溶媒を少し濃縮してから氷冷し
た。晶析させた結晶を濾過・酢酸エチル洗浄・乾燥させ
ると、ガスクロマトグラフィーで単一ピークの白色結晶
2.40g(6.32mmol)(収率79.2%)が
得られた。この結晶の構造は、下記の分析結果からテト
ラメチルテトラシクロ[4.4.1.02,5.07,10
ウンデカ−3,4,8,9−テトラカルボキシレート
(TUAM)であることを確認した。
【0110】MASS(FAB+,m/z):381([M+H]+,48),349(10
0),113(39).1 H-NMR(500MHz,CDCl3,δppm):2.14(s,2H),2.33(dd,J1=
3.06Hz,J2=6.72Hz,4H),2.91(s,2H),3.60-3.62(m,4H),3.
68(s,12H).13 C-NMR(125MHz,CDCl3,δppm):29.48,37.93(2本分),40.
11(4本分),41.73(4本分)51.38(4本分),171.29(4本分). mp.(℃):164〜165.
【0111】実施例4 200mlガラス製四つ口反応器に、テトラメチルテト
ラシクロ[4.4.1.02,5.07,10]ウンデカ−
3,4,8,9−テトラカルボキシレート(TUEM)
11.82g(31.4mmol)、5%Pd/C(5
8.97%含水品)1.44g(5質量%)、及び1,
4−ジオキサン59.1gを仕込んだ後、常圧水素雰囲
気下で撹拌を開始しながら昇温し、70℃浴で16時間
反応させた。室温まで冷却すると結晶が出始めたので、
アセトニトリルを加えて溶解させてから、濾過により触
媒を除去してから濃縮した。その残査にメタノール40
mlを加え68℃に加熱した後、氷冷した。晶析させた
結晶を濾過・メタノール洗浄・乾燥させると、淡黄色結
晶10.21g(26.8mmol)(収率85.5
%)が得られた。この結晶の構造は、下記の分析結果か
らテトラメチルテトラシクロ[4.4.1.02,5.0
7,10]ウンデカ−3,4,8,9−テトラカルボキシレ
ート(TUAM)であることを確認した。
【0112】1H-NMR(300MHz,d6-DMSO,δppm) : 1.94(s,
2H), 2.24(dd,J=2.4Hz,J=7.2Hz,4H), 2.66(s,2H),
3.55(s,12H), 3.67(dd,J=2.4Hz,J=7.2Hz,4H).13 C-NMR(75MHz, d6-DMSO,δppm) : 29.33, 37.36, 39.3
3, 41.02, 51.04, 171.17. 実施例5
【0113】
【化41】
【0114】50mlガラス製四つ口反応器に、テトラ
メチルテトラシクロ[4.4.1.02,5.07,10]ウ
ンデカ−3,4,8,9−テトラカルボキシレ−ト(T
UAM)2.09g(5.5mmol)、水酸化ナトリ
ウム1.06g(26.4mmol)、水10g及びメ
タノール10gを仕込んだ後、撹拌を開始しながら昇温
し、80℃浴で16時間還流させた。終了後反応液を濃
縮し、メタノールを除いた残渣に、水2.64gを加え
てから、冷却下で濃塩酸2.64gを加え晶析させた。
濾過後、少量の水で洗浄し(目的物は水溶性のため)、
更に乾燥させると、白色結晶0.70g(2.16mm
ol)(収率39.3%)が得られた。この結晶の構造
は、下記の分析結果からテトラシクロ[4.4.1.0
2,5.07 ,10]ウンデカ−3,4,8,9−テトラカル
ボン酸(TUAC)であることを確認した。尚、1H-N
MR及び13C−NMRから本化合物は立体異性体の混合
物と考えられる。
【0115】MASS(FAB-,m/z):323([M-H]+,100),247(1
3),183(36),171(16),155(27),74(94).1 H-NMR(500MHz,CDCl3,δppm):1.66(s,2H),2.13(dd,J1=
6.42Hz,J2=11.92Hz,2H),2.23(dd,J1=7.32Hz,J2=10.38H
z,2H),2.32(s,1H),2.54(d,J=1.83Hz,1H),2.81(dd,J 1=4.
89Hz,J2=7.33Hz,2H),3.43(dd,J1=7.95Hz,J2=10.39Hz,2
H),4.10(brs,4H).13 C-NMR(125MHz,CDCl3,δppm):27.74,36.84,40.07(2本
分),40.42(2本分)40.99(2本分),42.25,42.38(2本分),17
4.03(2本分),175.83(2本分). mp.(℃):275〜276. 実施例6
【0116】
【化42】
【0117】50mlガラス製四つ口反応器に、実施例
5の方法で得られたテトラシクロ[4.4.1.
2,5.07,10]ウンデカ−3,4,8,9−テトラカ
ルボン酸(TUAC)2.00g(6.2mmol)、
無水酢酸12.7g(124mmol)、及び1,4−
ジオキサン20gを仕込んだ後、撹拌を開始しながら昇
温し、100℃(浴温140℃)で2時間反応させた。
終了後反応液を濃縮し、得られたガム状残渣にトルエン
を加え50℃に加温溶解させると、一部不溶物が残っ
た。濾過により残差を除去した後、トルエン溶液を濃縮
した。得られた固体を酢酸エチルに溶解させ室温静置し
すると結晶が析出した。この結晶を濾取・乾燥すること
により白色結晶0.829g(2.98mmol)(収
率48.0%)が得られた。この結晶の構造は、下記の
分析結果からテトラシクロ[4.4.1.02,5.0
7,10]ウンデカ−3,4,8,9−テトラカルボン酸−
3:4,8:9−二無水物(TCAA)であることを確
認した。
【0118】MASS(FAB-,m/z):287([M-H]+,100),259(5
0),233(17),215(39).1 H-NMR(500MHz,CDCl3,δppm):1.88(s,2H),2.33(d,J=1.2
2Hz,4H),2.45(s,2H),3.14(d,J=1.83Hz,4H).13 C-NMR(125MHz,CDCl3,δppm):26.24,40.62(2本分),41.
16(4本分),42.09(4本分),173.71(4本分). mp.(℃):210〜211. 実施例7
【0119】
【化43】
【0120】50mlガラス製四つ口反応器に、テトラ
メチルテトラシクロ[4.4.1.02,5.07,10]ウ
ンデカ−3,8−ジエン−3,4,8,9−テトラカル
ボキシレ−ト(TUEM)2.00g(5.3mmo
l)、水酸化ナトリウム0.954g(23.9mmo
l)、水10g及びメタノール10gを仕込んだ後、撹
拌を開始しながら昇温し、80℃浴で6時間還流させ
た。終了後反応液を濃縮し、得られた残渣に水/1,2
−ジクロロエタンを加えてから、冷却下で濃塩酸2.4
gを加え晶析させた。濾過・水洗・乾燥させると、液体
クロマトグラフィーで単一ピークの白色結晶1.37g
(4.28mmol)(収率80.8%)が得られた。
この結晶の構造は、下記の分析結果からテトラシクロ
[4.4.1.02,5.07,10]ウンデカ−3,8−ジ
エン−3,4,8,9−テトラカルボン酸(TUEC)
であることを確認した。
【0121】MASS(FAB-,m/z):319([M-H]+,100),63(33).1 H-NMR(500MHz, CDCl3,δppm):1.32(s,2H),2.32(s,2H),
2.78(s,4H),8.16(brs,4H).13 C-NMR(125MHz, CDCl3,δppm) :23.47,30.76(2本分),4
5.28(4本分),144.78(4本分),162.93(4本分). mp.(℃):150〜151. 実施例8
【0122】
【化44】
【0123】200mlガラス製四つ口反応器に、テトラ
メチルテトラシクロ[4.4.1.02,5.07,10]ウ
ンデカ−3,4,8,9−テトラカルボキシレ−ト(T
UAM)18.14g(47.7mmol)、p−トル
エンスルホン酸0.73g(4質量%)、及びギ酸9
0.7gを仕込んだ後、撹拌を開始しながら90℃に昇
温した。撹拌を続けているうちに白色の結晶が生成して
くるが、同時にギ酸メチルが生成するので冷却器を通し
てトラップした。3時間撹拌した後、このスラリー溶液
に無水酢酸90.7gをゆっくり滴下すると還流が激し
くなり、低沸点物質を冷却器を通してトラップし、その
まま撹拌を続けながら120℃に昇温した。低沸点物質
とギ酸の混合物を留去させながら3時間撹拌した後、得
られたスラリー溶液を濾過した。これを少量のアセトニ
トリルで洗浄し、更に乾燥させると、白色結晶11.4
g(39.5mmol)(収率83.2%)が得られ
た。この結晶の構造は、下記の分析結果からテトラシク
ロ[4.4.1.02,5.07,1 0]ウンデカ−3,4,
8,9−テトラカルボン酸−3−エキソ,4−エキソ,
8−エキソ,9−エキソ−3:4,8:9−二無水物
(TCAA)であることを確認した。
【0124】1H-NMR(300MHz,d6-DMSO,δppm) : 1.60(s,
2H), 2.26(s, 2H), 2.61(dd,J=4.1Hz,J=6.5Hz,4H),
3.71(dd,J=4.1Hz,J=6.5Hz,4H).13 C-NMR(75MHz, d6-DMSO,δppm) : 27.91, 36.30, 40.7
8, 41.08, 173.01. 10%質量減少温度379℃. 分解温度431℃.
【0125】また上記の反応で、無水酢酸を滴下する前
の白色結晶を濾取・乾燥することにより白色結晶が得ら
れた。この結晶の構造は、下記の分析結果からテトラシ
クロ[4.4.1.02,5.07,10]ウンデカ−3−エ
キソ,4−エキソ,8−エキソ,9−エキソ−テトラカ
ルボン酸(TUAC)であることを確認した。
【0126】1H-NMR(300MHz, d6-DMSO,δppm):2.07(s,2
H), 2.20(dd,J=2.4Hz,J=7.2Hz,4H), 2.71(s,2H),
3.52(dd,J1=2.4Hz,J2=7.2Hz,4H).13 C-NMR(75MHz, d6-DMSO,δppm) :29.23, 37.56, 41.0
7, 50.80, 172.70. 10%質量減少温度269℃. 分解温度429℃. 実施例9
【0127】
【化45】
【0128】50mlガラス製四つ口反応器に、テトラ
シクロ[4.4.1.02,5.07,1 0]ウンデカ−3,
8−ジエン−3,4,8,9−テトラカルボン酸(TU
EC)2.20g(6.87mmol)、5%Pd/C
(56%含水品)0.50g(10質量%)、及びN,
N−ジメチルホルムアミド(DMF)20gを仕込み、
常圧水素雰囲気下、25℃で40時間撹拌した。濾過に
より触媒を除去してから濃縮した。その残査にトルエン
を加えて濃縮する操作を2回行った後、乾燥させると、
TUACの白色結晶0.90g(2.78mmol)
(収率40.4%)が得られた。 実施例10
【0129】
【化46】
【0130】50ml四つ口ガラス反応器にノルボルナ
ジエン(NN)0.92g(10mmol)、アセチレ
ンジカルボン酸ジメチル(DMA)4.26g(30m
mol)及びトリストリフェニルホスフィンルテニウム
ジクロライド(RuCl2(PPh33)0.384g
(4mmol%)を仕込み、100℃(油浴110℃)
で3時間撹拌した。得られた反応液をガスクロマトグラ
フィー分析した結果、TUEMとNBDEの面積%の和
を100%とした時、TUEM74.4面積%及びNB
DE(ジメチルトリシクロ[4.2.1.02,5]ノナ
−3,7−ジエン−3,4−ジカルボキシレート)2
5.6面積%であった。
【0131】実施例11〜19 実施例10に於て、ノルボルナジエン(NN)0.92
g(10mmol)を用い、アセチレンジカルボン酸ジ
メチル、トリストリフェニルホスフィンルテニウムジク
ロライド(RuCl2(PPh33)、溶媒、温度及び
時間を変えて反応させた反応液をガスクロマトグラフィ
ーで分析した結果を表1に示す。
【0132】
【表1】
【0133】実施例20〜27 実施例10に於て、ノルボルナジエン(NN)0.92
g(10mmol)を用い、アセチレンジカルボン酸ジ
メチル、三塩化ルテニウム・三水塩(RuCl 3・3H2
O)、溶媒、温度及び時間を変えて反応させた反応液を
ガスクロマトグラフィー分析した結果を表2に示す。
【0134】
【表2】
【0135】〔ポリアミック酸及びポリイミドの合成〕
尚、得られたポリアミック酸及びポリイミドの物性評価
は次の装置および方法を用いて行った。 1)赤外線吸収スペクトル ニコレットインストルメント製NEXUS 670FT
−IRを用い、ポリイミド膜を用いてKBrペレットを
作成し測定を行った。 2)分子量測定 センシュー科学常温GPC測定装置SSC−7200を
用い、DMFを溶離液として用い分子量の測定を行っ
た。 3)5%質量減少温度 マックサイエンス社製熱重量分析装置TG−DTA20
00SRを用い、窒素気流下、昇温速度10℃/分の条
件にて測定を行った。 実施例27
【0136】
【化47】
【0137】攪拌機、および窒素導入管を設けたフラス
コに、実施例8で得られたTCAA576mg(2.0
0mmol)、4−ビス(アミノフェノキシ)エーテル
400mg(DDE:2.00mmol)、N−メチル
ピロリドン(以下NMPと省略する)2.28gを用
い、室温で24時間攪拌し重縮合反応を行なうことによ
り、固形分30wt%のポリアミック酸溶液を得た。こ
の溶液を用い、GPC(Gel Permeratio
n Chromatography)法により分子量を
測定した結果、数平均分子量は65500であった。
【0138】上記の溶液をガラス基板上に塗布し、30
0℃で熱処理することによりポリイミド膜を形成した。 測定したデータ 1)IR:KBrにて赤外線吸収スペクトルを測定:図
1参照 1701.43, 1780.40 cm-1 (5員環イミド) 2)熱分解温度:質量減少温度にて算出。 条件:10℃/min、窒素気流下、5%の質量減少温
度を測定結果:TCAA/DDE:403℃. 以上の結果からTCAAと4−ビス(アミノフェノキ
シ)エーテルからなるポリイミドを確認した。 実施例28
【0139】
【化48】
【0140】攪拌機、および窒素導入管を設けたフラス
コに、実施例8で得られたTCAA576mg(2.0
0mmol)、 2,2’−ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕プロパン821mg(BAPP:
2.00mmol)、NMP7.92gを用い、室温で
24時間攪拌し重縮合反応を行なうことにより、固形分
15wt%のポリアミック酸溶液を得た。この溶液を用
いて、GPC(GelPermeration Chr
omatography)法により分子量を測定した結
果、数平均分子量は31000であった。
【0141】上記の溶液をガラス基板上に塗布し、30
0℃で熱処理することによりポリイミド膜を得た。 測定したデータ 1)IR:KBrにて赤外線吸収スペクトルを測定:図
2参照 1701.36, 1781.88 cm-1 (5員環イミド) 2)熱分解温度:質量減少温度にて算出。 条件:10℃/min、窒素気流下、5%の質量減少温
度を測定結果:TCAA/BAPP :444℃. 以上の結果からTCAAと2,2’−ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンからなるポリイ
ミドを確認した。
【0142】
【効果】紫外線領域に吸収がなく光透過性が高く、溶媒
に対する溶解性に優れ加工性が改善された液晶表示素子
や半導体における保護材料、絶縁材料などの電子材料、
更に光導波路等の光通信用材料としての用途が期待され
る光学材料用ポリイミドの原料モノマーとなり得る新規
脂環式テトラカルボン酸二無水物及びそのポリイミドを
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例27で得られたポリイミドの赤外線吸収
スペクトルである。
【図2】実施例28で得られたポリイミドの赤外線吸収
スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 67/347 C07C 67/347 69/753 69/753 Z C08G 73/10 C08G 73/10 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 関 健一 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社物質科学研究所内 (72)発明者 光藤 武明 京都府宇治市平尾台2丁目12番地5 Fターム(参考) 4C071 AA03 AA08 BB01 BB08 CC12 EE04 FF14 HH08 KK08 LL07 4H006 AA01 AA02 AB46 AB84 AB91 AB92 AC11 AC28 AC46 AC48 BA23 BA25 BA37 BA48 BA55 BA61 BB25 BC10 BE11 BE20 BJ30 BS20 KA34 4H039 CA40 CA65 CA66 CB10 CH30 4J043 PA01 QB26 SA54 TA11 TA22 UA11 UA12 UA13 UA23 UB01 UB05 UB12 XA03 XA11 XA13 XA16 YA05 YA06 ZA21 ZA23 ZA52 ZB21 ZB50

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式[1] 【化1】 で表されるテトラシクロ[4.4.1.02,5
    7,10]ウンデカン−3,4,8,9−テトラカルボン
    酸−3,4:8,9−二無水物。
  2. 【請求項2】 式[2] 【化2】 (式中、破線部を含む炭素間結合は単結合又は二重結合
    を表す。)で表されるテトラシクロ[4.4.1.0
    2,5.07,10]ウンデカ−3,8−ジエン−3,4,
    8,9−テトラカルボン酸、及びテトラシクロ[4.
    4.1.0 2,5.07,10]ウンデカン−3,4,8,9
    −テトラカルボン酸。
  3. 【請求項3】 式[3] 【化3】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表す。)で
    表されるテトラシクロ[4.4.1.02,5.07,10
    ウンデカン−3,4,8,9−テトラカルボン酸テトラ
    アルキルエステル。
  4. 【請求項4】 式[5] 【化4】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表す。)で
    表されるテトラシクロ[4.4.1.02,5.07,10
    ウンデカ−3,8−ジエン−3,4,8,9−テトラカ
    ルボン酸テトラアルキルエステルを還元して式[3] 【化5】 (式中、Rは前記と同じ意味を表す。)で表されるテト
    ラシクロ[4.4.1.02,5.07,10]ウンデカン−
    3,4,8,9−テトラカルボン酸テトラアルキルエス
    テルを得、続いて、この化合物を加水分解して式[6] 【化6】 で表されるテトラシクロ[4.4.1.02,5
    7,10]ウンデカン−3,4,8,9−テトラカルボン
    酸を得、更に、この化合物を脱水することを特徴とする
    式[1] 【化7】 で表されるテトラシクロ[4.4.1.02,5
    7,10]ウンデカン−3,4,8,9−テトラカルボン
    酸−3,4:8,9−二無水物の製造法。
  5. 【請求項5】 前記式[5]で表されるテトラシクロ
    [4.4.1.02,5.07,10]ウンデカ−3,8−ジ
    エン−3,4,8,9−テトラカルボン酸テトラアルキ
    ルエステルを還元することを特徴とする前記式[3]で
    表されるテトラシクロ[4.4.1.02,5.07,10
    ウンデカン−3,4,8,9−テトラカルボン酸テトラ
    アルキルエステルの製造法。
  6. 【請求項6】 前記式[5]で表されるテトラシクロ
    [4.4.1.02,5.07,10]ウンデカ−3,8−ジ
    エン−3,4,8,9−テトラカルボン酸テトラアルキ
    ルエステルを還元し、前記式[3]で表されるテトラシ
    クロ[4.4.1.02,5.07,10]ウンデカン−3,
    4,8,9−テトラカルボン酸テトラアルキルエステル
    を得、続いて、この化合物を加水分解することを特徴と
    する前記式[6]で表されるテトラシクロ[4.4.
    1.02,5.07,10]ウンデカン−3,4,8,9−テ
    トラカルボン酸の製造法。
  7. 【請求項7】 式[5] 【化8】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表す。)で
    表されるテトラシクロ[4.4.1.02,5.07,10
    ウンデカ−3,8−ジエン−3,4,8,9−テトラカ
    ルボン酸テトラアルキルエステルを加水分解して式
    [7] 【化9】 で表されるテトラシクロ[4.4.1.02,5
    7,10]ウンデカ−3,8−ジエン−3,4,8,9−
    テトラカルボン酸を得、続いて、この化合物を還元して
    式[6] 【化10】 で表されるテトラシクロ[4.4.1.02,5
    7,10]ウンデカン−3,4,8,9−テトラカルボン
    酸を得、更に、この化合物を脱水することを特徴とする
    式[1] 【化11】 で表されるテトラシクロ[4.4.1.02,5
    7,10]ウンデカン−3,4,8,9−テトラカルボン
    酸−3,4:8,9−二無水物の製造法。
  8. 【請求項8】 前記式[5]で表されるテトラシクロ
    [4.4.1.02,5.07,10]ウンデカ−3,8−ジ
    エン−3,4,8,9−テトラカルボン酸テトラアルキ
    ルエステルを加水分解することを特徴とする前記式
    [7]で表されるテトラシクロ[4.4.1.02,5
    7,10]ウンデカ−3,8−ジエン−3,4,8,9−
    テトラカルボン酸の製造法。
  9. 【請求項9】 前記式[5]で表されるテトラシクロ
    [4.4.1.02,5.07,10]ウンデカ−3,8−ジ
    エン−3,4,8,9−テトラカルボン酸テトラアルキ
    ルエステルを加水分解して前記式[7]で表されるテト
    ラシクロ[4.4.1.02,5.07,10]ウンデカ−
    3,8−ジエン−3,4,8,9−テトラカルボン酸を
    得、続いて、この化合物を還元することを特徴とする前
    記式[6]で表されるテトラシクロ[4.4.1.0
    2,5.07,10]ウンデカン−3,4,8,9−テトラカ
    ルボン酸の製造方法。
  10. 【請求項10】 式[3] 【化12】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表す。)で
    表されるテトラシクロ[4.4.1.02,5.07,10
    ウンデカン−3,4,8,9−テトラカルボン酸テトラ
    アルキルエステルと脂肪酸を反応させ、前記式[6]で
    表されるテトラシクロ[4.4.1.02,5.07,10
    ウンデカン−3,4,8,9−テトラカルボン酸を生成
    させ、この化合物を単離することなく脱水剤を加えてワ
    ンポットで脱水することを特徴とする前記式[1]で表
    されるテトラシクロ[4.4.1.02,5.07,10]ウ
    ンデカン−3,4,8,9−テトラカルボン酸−3,
    4:8,9−二無水物の製造法。
  11. 【請求項11】 ノルボルナジエンと式[4] 【化13】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表す。)で
    表されるアセチレンジカルボン酸ジアルキルとの付加反
    応において、触媒として式[8] 【化14】 (式中、Xはハロゲン原子を表し、nは3又は4を表
    す。)で表されるジハロゲノトリス(トリフェニルホス
    フィン)ルテニウム、ジハロゲノテトラキス(トリフェ
    ニルホスフィン)ルテニウム、式[9] 【化15】 (式中、Xはハロゲン原子を表す。)で表されるトリハ
    ロゲノルテニウム、ルテニウム黒及びルテニウム/担体
    の中から選ばれる少なくとも1種の触媒を用いることを
    特徴とする式[5] 【化16】 で表されるテトラシクロ[4.4.1.02,5
    7,10]ウンデカ−3,8−ジエン−3,4,8,9−
    テトラカルボン酸テトラアルキルエステルの製造法。
  12. 【請求項12】 触媒としてトリハロゲノルテニウムを
    トリフェニルホスフィン存在下で用いることを特徴とす
    る請求項11記載のテトラシクロ[4.4.1.
    2,5.07,10]ウンデカ−3,8−ジエン−3,4,
    8,9−テトラカルボン酸テトラアルキルエステルの製
    造法。
  13. 【請求項13】 反応溶媒が、なし又はテトラヒドロフ
    ラン、1,4−ジオキサン、12−クラウン−4−エー
    テル、15−クラウン−5−エーテル、18−クラウン
    −6−エーテル、ジベンゾ−18−クラウン−6−エー
    テル及び1,2−ジメトキシエタンの中から選ばれる少
    なくとも1種のエーテルである請求項11または請求項
    12に記載のテトラシクロ[4.4.1.02,5.0
    7,10]ウンデカ−3,8−ジエン−3,4,8,9−テ
    トラカルボン酸テトラアルキルエステルの製造法。
  14. 【請求項14】 反応温度が、50〜180℃である請
    求項11乃至請求項13の何れかの請求項に記載のテト
    ラシクロ[4.4.1.02,5.07,10]ウンデカ−
    3,8−ジエン−3,4,8,9−テトラカルボン酸テ
    トラアルキルエステルの製造法。
  15. 【請求項15】 反応溶媒中にルテニウム触媒を加え反
    応温度に昇温してから、ノルボルナジエンと式[4] 【化17】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表す。)で
    表されるアセチレンジカルボン酸ジアルキルの混合液を
    滴下して仕込むことを特徴とする請求項11乃至14の
    何れかの請求項に記載のテトラシクロ[4.4.1.0
    2,5.07,10]ウンデカ−3,8−ジエン−3,4,
    8,9−テトラカルボン酸テトラアルキルエステルの製
    造法。
  16. 【請求項16】 式[10] 【化18】 (式中、R1は2価の有機基を表す。)で表される繰り返
    し単位を少なくとも10モル%含有し、数平均分子量が
    少なくとも5000であるポリアミック酸。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載のポリアミック酸を
    熱または化学的に脱水閉環することにより得られる式
    [11] 【化19】 (式中、R1は2価の有機基を表す。)で表される繰り返
    し単位を少なくとも10モル%含有するポリイミド。
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