JP2002311637A - 現像方法、及びそれを用いた現像装置、画像形成方法、画像形成装置、及びそれに用いる現像剤担持体 - Google Patents

現像方法、及びそれを用いた現像装置、画像形成方法、画像形成装置、及びそれに用いる現像剤担持体

Info

Publication number
JP2002311637A
JP2002311637A JP2001120507A JP2001120507A JP2002311637A JP 2002311637 A JP2002311637 A JP 2002311637A JP 2001120507 A JP2001120507 A JP 2001120507A JP 2001120507 A JP2001120507 A JP 2001120507A JP 2002311637 A JP2002311637 A JP 2002311637A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
developer
particles
coating layer
average particle
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001120507A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002311637A5 (ja
JP4541584B2 (ja
Inventor
Naoki Okamoto
直樹 岡本
Yasuhide Goseki
康秀 後関
Masayoshi Shimamura
正良 嶋村
Kenji Fujishima
健司 藤島
Kazunori Saiki
一紀 齊木
Satoshi Otake
智 大竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001120507A priority Critical patent/JP4541584B2/ja
Publication of JP2002311637A publication Critical patent/JP2002311637A/ja
Publication of JP2002311637A5 publication Critical patent/JP2002311637A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4541584B2 publication Critical patent/JP4541584B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Magnetic Brush Developing In Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】異なる環境下においても長期に渡って、トナー
に適正な帯電量を与える。 【解決手段】現像剤の重量平均粒径が5.0乃至12.
0μm、かつ特定の円形度分布を含有しており、該現像
剤担持体は、基体106及び導電性樹脂被覆層107を
有し、且つ該導電性樹脂被覆層は、体積平均粒径が3.
0乃至15μmであり、且つ体積基準の累積値で20μ
m以上の粒子が10%以下である被覆層表面に凹凸を形
成するための粒子を含有し、被覆層表面の十点平均粗さ
Rzと凹凸形成粒子の体積平均粒径Drの関係が、2μ
m<十点平均粗さRz≦Drを満足し、且つ、被覆層表
面のユニバーサル硬さ値と凹凸形成粒子のユニバーサル
硬さ値の関係が、被覆層表面のユニバーサル硬さ値≦凹
凸形成粒子のユニバーサル硬さ値を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法におい
て、電子写真感光体或いは静電記録誘電体の如き静電潜
像保持体上に形成された静電潜像を現像して顕像化する
際に用いられる現像方法、及びそれを用いた現像装置、
画像形成方法、及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により静電潜像担持体(感光ドラム)上に電気的
潜像を形成し、次いで該静電潜像を現像剤(トナー)で
現像を行なって可視像化し、必要に応じて紙などの転写
材にトナー像を転写した後、熱・圧力等により転写材上
にトナー画像を定着して複写物を得るものである。
【0003】電子写真法における現像方式は主として一
成分現像方式と二成分現像方式に分けられる。近年、電
子写真装置の軽量・小型化等を目的として複写装置部分
を小さくする必要があるため、一成分現像方式を用いた
現像装置が使用されることが多い。
【0004】一成分現像方式は、二成分現像方式のよう
にガラスビーズや鉄粉等のキャリヤ粒子が不要なため、
現像装置自体を小型化・軽量化できる。さらには、二成
分現像方式は現像剤中のトナー濃度を一定に保つ必要が
あるため、トナー濃度を検知し必要量のトナーを補給す
る装置が必要である。よって、ここでも現像装置が大き
く重くなる。一成分現像方式では、このような装置は必
要とならないため、やはり小さく軽く出来るため好まし
い。
【0005】一成分現像方式を用いた現像装置として
は、静電潜像担持体としての感光ドラム表面に静電潜像
を形成し、現像剤担持体(現像スリーブ)とトナーとの
摩擦、及び/或いは現像スリーブ上のトナーコート量を
規制するための現像剤層厚規制部材との摩擦により、ト
ナーに正或いは負の電荷を与え、そのトナーを現像スリ
ーブ上に薄く塗布して感光ドラムと現像スリーブとが対
向した現像領域に搬送し、現像領域においてトナーを感
光ドラム表面の静電潜像に飛翔・付着させて現像し、静
電潜像をトナー像として顕像化するものが知られてい
る。
【0006】しかし、この様な一成分現像方式を用いる
場合にはトナー帯電の調整が難しく、トナーによる工夫
が種々行われているものの、トナー帯電の不均一性や帯
電の耐久安定性に関わる問題は、完全には解決されてい
ない。
【0007】特に、最近では電子写真装置のデジタル
化、また更なる高画質化のために、トナーの小粒径化及
び微粒子化が図られている。例えば、解像度や文字シャ
ープ性を向上させ潜像を忠実に再現するためには、重量
平均粒径約5〜12μmのトナーを用いるのが一般的で
ある。また、エコロジーの観点から、及び装置の更なる
軽量・小型化等を目的として、廃トナーを軽減させるた
めに、トナーの転写効率の向上が図られている。例え
ば、平均粒子径が0.1〜3μmの転写効率向上剤とB
ET比表面積50〜300m2/gの疎水性シリカ微粉
末を含有させることで、トナーの体積抵抗を低減させ、
感光ドラム上に転写効率向上剤の薄膜層を形成すること
により転写効率を向上させるとともに、更にはトナー自
身を機械的衝撃力により球形化処理し、転写効率を向上
させる方法等が知られている。また、ファーストコピー
時間の短縮化や省電力化の目的で、トナーの定着温度を
下げる傾向にある。
【0008】この様な状況下、特に低温低湿下における
トナーは、単位質量当たりの電荷量が増えるため更に現
像スリーブ上へ静電的に付着しやすくなり、高温高湿下
におけるトナーは、外部からの物理的な力や流動化しや
すい材料を用いているため変質しやすくなり、トナーに
よるスリーブ汚染やスリーブ融着が起こりやすくなって
いる。
【0009】特に、現像スリーブが繰り返し回転を行っ
ているうちに、現像スリーブ上にコーティングされたト
ナーの帯電量が現像スリーブとの接触により高くなりす
ぎ、トナーが現像スリーブ表面との鏡映力により引き合
って現像スリーブ表面上で不動状態となり、現像スリー
ブから感光ドラム上の潜像に移動しなくなる、所謂、チ
ャージアップ現象が特に低湿下で起こりやすくなる。こ
の様なチャージアップ現象が発生すると、上層のトナー
は帯電しにくくなってトナーの現像量が低下するため、
ライン画像の細りやベタ画像の画像濃度薄の如き問題点
を生じる。更に、チャージアップにより適正に帯電され
ないトナーが規制不良となってスリーブ上に流出し、斑
点状、波上のムラとなる、所謂ブロッチ現象も発生す
る。更に、画像部(トナー消費部)と非画像部とのトナ
ー層の形成状態が変わり、帯電状態が異なってしまうた
め、例えば、一度画像濃度の高いベタ画像を現像した位
置が、現像スリーブの次の回転時に現像位置に来てハー
フトーン画像を現像すると、画像上にベタ画像の跡が現
れてしまう、所謂、スリーブゴースト現象も生じやすく
なる。
【0010】この様な現象を解決する方法として、特開
平1−277256号公報や特開平3−036570号
公報等においては、樹脂中に、固体潤滑剤及びカーボン
の如き導電性微粉末を分散させた被覆層が金属基体上に
設けられている現像スリーブを現像装置に用いる方法が
提案されている。この方法を用いることにより、上記し
た現象は大幅に軽減されることが認められる。しかしな
がら、この方法では、上記粉末を多量に添加した場合に
は、チャージアップやスリーブゴーストに対しては良好
となるが、被覆層の表面が削れやすくなり、耐久を進め
ていった場合、表面粗さが不均一となり、トナーへの帯
電付与が不均一となりやすく、添加量が少量の場合に
は、チャージアップやスリーブゴーストに対して不十分
であるという問題が残る。
【0011】特開平3−200986号公報において
は、樹脂被覆層中に固体潤滑剤及びカーボンの如き導電
性微粉末、更に球状粒子を分散させた導電性被覆層を金
属基体上に設けた現像スリーブが提案されている。この
現像スリーブでは、現像スリーブ被覆層表面の形状が均
一化し、更に表面粗さの変化も少ないことから、スリー
ブ上のトナーコーティングが安定化するためトナーの帯
電が均一化し、スリーブゴースト、画像濃度、ベタ画像
等のスジ・ムラ等の画質がより安定化する。しかしなが
ら、この現像スリーブにおいても耐摩耗性は完全ではな
く、更なる長期における耐久においては、導電性被覆層
に摩耗が生じ、その場合にはトナーの帯電が不安定とな
り画像不良の原因となる。また、前記のような低温定着
トナーを用いた場合、摩耗が起因として、トナーによる
スリーブ汚染及びスリーブ融着が発生する可能性があ
り、これまた画像不良の原因となりやすい。
【0012】また、特開平8−240981号公報にお
いては、導電性被覆層中に分散された球状粒子が導電性
の球状粒子であり、更に耐摩耗性が向上されることで、
現像スリーブ表面の形状を更に安定させるとともに、ト
ナー帯電を更に向上させ、且つ被覆層が多少摩耗した際
にもトナーによるスリーブ汚染及び融着が抑制されうる
表面層を有する現像スリーブが提案されている。しかし
ながら、この現像スリーブにおいても、更なる長期にお
ける耐久においては、導電性被覆層の磨耗量と導電性球
状粒子の磨耗量との違いにより、被覆層の表面粗さの変
化が大きくなる可能性があり、耐久初期と耐久後期にお
いてのトナーコート量が変化し、画像劣化の原因となる
可能性がある。また、前記のような高転写性を有する球
形化処理されたトナーを用いる場合は、被覆層の表面粗
さの変化がトナーコート量に与える影響は、より顕著と
なり易く、これまた画像劣化の原因となり易い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、球形
化処理を行ったトナーを用いた場合に現れる、トナーの
チャージアップ現象及びブロッチを防止し、異なる環境
下においても長期に渡って、トナーに適正な帯電量を与
えることのできる現像方法、及びそれを用いた現像装
置、画像形成方法、画像形成装置を提供することであ
る。
【0014】また本発明の目的は、異なる環境下におい
ても長期間に渡って、画像濃度低下、及びカブリの如き
問題点が発生せず、高品位の画像を安定的に得ることが
でき、また現像剤担持体表面にトナーによるスリーブ汚
染及びスリーブ融着を生じず、スジ・ムラ等の不良画像
を発生しない現像方法、及びそれを用いた現像装置、画
像形成方法、画像形成装置を提供することである。
【0015】また本発明の目的は、異なる環境下におい
ても長期間に渡って、現像剤担持体表面の表面粗さの変
化を小さくすることにより、現像剤担持体上のトナーコ
ート量を一定量に制御することのできる現像方法、及び
それを用いた現像装置、画像形成方法、画像形成装置を
提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明によって達成される。
【0017】即ち本発明は、現像剤担持体表面に担持搬
送された現像剤を、該現像剤担持体と該現像剤担持体に
近接、又は圧接して配置された現像剤層厚規制部材によ
り薄層に形成された現像剤層として、該現像剤担持体に
より静電潜像担持体に対向する現像領域へと担持搬送
し、搬送された現像剤により該静電潜像担持体上に形成
されている静電潜像を現像して可視像化する現像方法に
おいて、該現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含
有し、該現像剤の重量平均粒径が5.0乃至12.0μ
mであり、かつ該現像剤の3μm以上の粒子において、
下記式(1)より求められる円形度aが0.900以上
の粒子を個数基準の累積値で90%以上有し、 円形度a=L0/L (1) [式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。]且つ、 a)カット率Zと現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下
記式(2)を満足し、 カット率Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、東亜医用電子製フロー式粒子像
分析装置FPIA−1000で測定される全測定粒子の
粒子濃度A(個数/μl)、円相当径3μm以上の測定
粒子濃度B(個数/μl)とした時、式(3)で表され
る。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
と現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下記式(4)を満
足する、 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、現像剤の重量平均粒径X:5.0乃至12.0
μm]或いは、b)カット率Zと現像剤の重量平均粒径
Xの関係が、下記式(5)を満足し、 カット率Z>5.3×X (5) 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
と現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下記式(6)を満
足することを特徴とし、 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 (6) [但し、現像剤の重量平均粒径X:5.0乃至12.0
μm] 該現像剤担持体は、少なくとも基体及び導電性樹脂被覆
層を有し、且つ該導電性樹脂被覆層は、少なくとも結着
樹脂、導電性微粉末、及び体積平均粒径が3.0乃至1
5μmであり、且つ体積基準の累積値で20μm以上の
粒子が10%以下である被覆層表面に凹凸を形成するた
めの粒子を含有し、被覆層表面の十点平均粗さRzと凹
凸形成粒子の体積平均粒径Drの関係が、下記式(7)
を満足し、 2μm<十点平均粗さRz≦Dr (7) 且つ、被覆層表面のユニバーサル硬さ値と凹凸形成粒子
のユニバーサル硬さ値の関係が、下記式(8) 被覆層表面のユニバーサル硬さ値≦凹凸形成粒子のユニバーサル硬さ値 (8) を満足することを特徴とする現像方法に関する。
【0018】更に本発明は、現像容器と、該現像容器に
収容された現像剤を担持搬送するための現像剤担持体
と、該現像剤担持体に近接、又は圧接して配置されてい
る現像剤担持体上に現像剤の薄層を形成するための現像
剤層厚規制部材を有し、上記現像剤担持体によって現像
剤を静電潜像保持体と対向する現像領域へと担持搬送
し、該静電潜像保持体上に形成された静電潜像を現像剤
により現像して可視像化する現像装置において、該現像
剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有し、該現像剤
の重量平均粒径が5.0乃至12.0μmであり、かつ
該現像剤の3μm以上の粒子において、下記式(1)よ
り求められる円形度aが0.900以上の粒子を個数基
準の累積値で90%以上有し、 円形度a=L0/L (1) [式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。]且つ、 a)カット率Zと現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下
記式(2)を満足し、 カット率Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、東亜医用電子製フロー式粒子像
分析装置FPIA−1000で測定される全測定粒子の
粒子濃度A(個数/μl)、円相当径3μm以上の測定
粒子濃度B(個数/μl)とした時、式(3)で表され
る。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
と現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下記式(4)を満
足する、 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、現像剤の重量平均粒径X:5.0乃至12.0
μm]或いは、 b)カット率Zと現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下
記式(5)を満足し、 カット率Z>5.3×X (5) 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
と現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下記式(6)を満
足することを特徴とし、 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 (6) [但し、現像剤の重量平均粒径X:5.0乃至12.0
μm]該現像剤担持体は、少なくとも基体及び導電性樹
脂被覆層を有し、且つ該導電性樹脂被覆層は、少なくと
も結着樹脂、導電性微粉末、及び体積平均粒径が3.0
乃至15μmであり、且つ体積基準の累積値で20μm
以上の粒子が10%以下である被覆層表面に凹凸を形成
するための粒子を含有し、被覆層表面の十点平均粗さR
zと凹凸形成粒子の体積平均粒径Drの関係が、下記式
(7)を満足し、 2μm<十点平均粗さRz≦Dr (7) 且つ、被覆層表面のユニバーサル硬さ値と凹凸形成粒子
のユニバーサル硬さ値の関係が、下記式(8) 被覆層表面のユニバーサル硬さ値≦凹凸形成粒子のユニバーサル硬さ値 (8) を満足することを特徴とする現像装置に関する。
【0019】更に本発明は、外部より電圧を印加した帯
電装置により帯電を行う工程;帯電した静電潜像保持体
に静電潜像を形成する工程;現像容器内に収容されてい
る現像剤を現像剤担持体で担持する工程;該現像剤担持
体に担持されている該現像剤を現像剤層厚規制部材によ
り規制する工程;該現像剤担持体に担持されている該現
像剤を該現像剤担持体と該静電潜像保持体とが対向する
現像領域へ搬送する工程;該静電潜像保持体上に形成さ
れている静電潜像を現像する工程;現像された現像画像
を転写手段により転写材に移行させて転写させる転写工
程;転写材上に転写された転写画像を加熱・定着する定
着工程;を少なくとも有する画像形成方法、及び画像形
成装置において、上記現像装置を用いる画像形成方法、
及び画像形成装置に関する。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明における好ましい実
施の形態について詳細に述べる。
【0021】まず、本発明に用いられる現像剤(トナ
ー)の形状について説明する。
【0022】本発明における円形度は、粒子の形状を定
量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本
発明では東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPI
A−1000を用いて測定を行い、測定された粒子の円
形度を下式(1)により求めた値を円形度と定義する。 円形度a=L0/L (1) [式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。]
【0023】本発明に用いている円形度はトナー粒子の
凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合
1.000を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は
小さな値となる。
【0024】従来より、トナー形状がトナーの諸特性に
影響を与えることが知られているが、本発明者らは、種
々の検討によって3μm以上のトナーの形状と遊離した
磁性酸化鉄量が転写性や現像性に大きく影響を与えてい
ることを見出した。また、本発明者らは3μm未満の円
相当径の粒子群がある一定量を超えると転写性や現像性
等の性能を悪化させる要因となることも見出した。即
ち、トナーの微紛や外部添加剤等の3μm未満の微紛が
ある量以上になった場合、3μm以上のトナーの円形度
をより高くしないと所望の性能を得にくいことが明らか
となった。
【0025】従って、本発明では3μm以上の円相当径
の粒子群についての円形度が本発明の効果を発現するた
めに重要であるが、本発明において転写性や現像性に大
きく影響を与える3μm以上のトナー粒子の円形度の作
用をより効果的に発揮するためには、以下のように3μ
m以下の微紛の存在量により3μm以上のトナー粒子の
円形度を制御する必要がある。
【0026】即ち、3μm以下の微紛の存在量により3
μm以上のトナー粒子の円形度を制御することで、転写
性と現像性の優れたトナーを得ることができる。
【0027】本発明では3μm以下の微紛の存在量を、
下記式(3)により計算されたように全測定粒子の粒子
濃度に対する3μm以上の円相当径の粒子群の粒子濃度
の割合を100%から差し引くことにより求めることで
(以下、カット率Zで表す)表している。
【0028】 カット率Z=(1−B/A)×100 (3) [式中、Aは全測定粒子の粒子濃度を示し、Bは3μm
以上の円相当径の粒子群の粒子濃度を示す。]
【0029】即ち、本発明のトナーは、該トナーの3μ
m以上の粒子における円形度aが0.900以上の粒子
を個数基準の累積値で90%以上含有し、且つ円形度a
が0.950以上の粒子が個数基準の累積値で、a)カ
ット率Zとトナー重量平均径Xの関係が カット率Z≦5.3×X(好ましくは、0<カット率Z
≦5.3×X) の式を満たす場合、 個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 を満足することが好ましい。
【0030】或いは、本発明のトナーは、該トナーの3
μm以上の粒子における円形度aが0.900以上の粒
子を個数基準の累積値で90%以上含有し、且つ円形度
aが0.950以上の粒子が個数基準の累積値で、 b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が カット率Z>5.3×X(好ましくは、95≧カット率
Z>5.3×X) の式を満たす場合、 個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 を満足することが好ましい。
【0031】但し、カット率Zは、東亜医用電子製フロ
ー式粒子像分析装置FPIA−1000で測定される全
測定粒子の粒子濃度A(個数/μl)、円相当径3μm
以上の測定粒子濃度B(個数/μl)としたとき、式
(3)で表される。 Z=(1−B/A)×100 (3) [トナー重量平均粒子径Xは5.0〜12.0μmであ
る。]
【0032】このような円形度を有する場合、トナーと
定着器部材との付着の抑制、及び帯電コントロールが容
易で帯電の均一化と帯電の耐久安定性のあるトナーを得
ることができる。さらに、上記のような円形度を有する
場合、転写効率が高くなることが判明した。これは、上
述されたような円形度を有するトナーの場合、トナー粒
子と感光体との接触面積が小さくなりファンデルワール
ス力等に起因するトナー粒子の感光体への付着力が低下
するためであると考えられる。さらに、従来の衝突式気
流粉砕機によって粉砕されたトナーと比較して、トナー
粒子の比表面積が低減されているため、トナー粒子間の
接触面積が減少し、トナー粉体の嵩密度は密となり、定
着時の熱伝導を良くすることができ定着性向上の効果も
得ることが出来る。
【0033】さらに該トナーの3μm以上の粒子におけ
る円形度aが0.900以上の粒子の存在が個数基準の
累積値で90%未満となる場合には、トナーのチャージ
のリークが遊離した磁性酸化鉄をとおして起こり易くな
り、遊離磁性酸化鉄の量を制御しても結果としてトナー
の帯電量が低下してしまうことがある。さらにトナー粒
子と現像剤担持体、定着部材等との接触面積が大きくな
るため、現像剤担持体、定着部材等への付着が起こる。
また、トナー粒子と感光体との接触面積が大きくなり、
トナー粒子の感光体への付着力が増すため、十分な転写
効率を得にくくなる。
【0034】また、該トナーの3μm以上の粒子におけ
る円形度aが0.950以上の粒子が個数基準の累積値
で、 a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が カット率Z≦5.3×X の式を満たし、 個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 を満足しない場合、即ち、 個数基準累積値Y<exp5.51×X-0.645 を満足するような場合、或いは、該トナーの3μm以上
の粒子における円形度aが0.950以上の粒子が個数
基準の累積値で、 b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が カット率Z>5.3×X の式を満たし、 個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 を満足しない場合、即ち、 個数基準累積値Y<exp5.37×X-0.545 を満足するような場合には、現像剤担持体、定着部材等
への付着を促進しやすくなり、十分な転写効率が得られ
ないだけでなくトナーの流動性も悪化傾向であり、さら
には所望の定着性能も得にくいものである。
【0035】また、特定の円形度を有するトナーを製造
する場合、重量平均径が5〜12μmであることが好ま
しい。更に好ましくは、重量平均径が5〜10μmであ
り、粒径4.0μm以下の粒子が40個数%以下であ
り、粒径10.1μm以上の粒子が25体積%以下であ
るトナーであることがよい。
【0036】重量平均径が12μmを上回るトナーを得
る場合には、粉砕機内での負荷を極力減らすか、処理量
を多くすることで粒径的には対応可能であるが、形状は
角張ったものとなり、所望の円形度にすることは難し
く、更に所望の円形度分布にすることは難しくなる。
【0037】重量平均径が5μmを下回るトナーを得る
場合には、粉砕機内での負荷を増大させるか、処理量を
極端に少なくすることで対応は可能であるが、形状は球
形に近似し所望の円形度にすることは難しく、更に所望
の円形度分布にすることは難しくなるばかりでなく、微
粉、超微粉の発生を押さえ切れなくなる。
【0038】粒径4.0μm以下の粒子が40個数%を
超えるトナーを得る場合も、粉砕機内での負荷を増大さ
せるか、処理量を極端に少なくすることで対応は可能で
あるが、形状は球形に近似し所望の円形度にすることは
難しく、更に所望の円形度分布にすることは難しくな
る。
【0039】粒径10.1μm以上の粒子が25体積%
を超えるトナーを得る場合、粉砕機内での負荷を極力減
らすか、処理量を多くすることで粒径的には対応可能で
あるが、形状は角張ったものとなり、所望の円形度にす
ることは難しく、更に所望の円形度分布にすることは難
しくなる。
【0040】このような各円形度を有する粒子のバラツ
キの一つの目安として、円形度標準偏差SDを用いるこ
ともできる。本発明においては円形度標準偏差SDが
0.030乃至0.045であれば問題は無い。
【0041】具体的な測定方法としては、予め容器中の
不純物を除去した水100〜150ml中に分散剤とし
て界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン
酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1
〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波
(50kHz,120W)を1〜3分間照射し、分散液
濃度を1.2〜2.0万個/μlとして、上記フロー式
粒子像測定装置を用い、0.60μm以上159.21
μm未満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定す
る。尚、分散液濃度を1.2〜2.0万個/μlとする
ことで、カット率が大きくなった場合でも装置の精度が
保てるだけの粒子濃度を維持することができる。
【0042】測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行
のFPIA−1000のカタログ(1995年6月
版)、測定装置の操作マニュアル及び特開平8−136
439号公報に記載されているが、以下の通りである。
【0043】試料分散液は、フラットで扁平なフローセ
ル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広が
っている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交
差して通過する光路を形成するように、ストロボとCC
Dカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置
するように装着される。試料分散液が流れている間に、
ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得る
ために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれ
の粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元
画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の
面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径とし
て算出する。それぞれの粒子の2次元画像の投影面積及
び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒
子の円形度を算出する。
【0044】次に、本発明に使用されるトナーの材料構
成について説明する。
【0045】本発明に使用されるトナーの結着樹脂の種
類としては、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポ
キシ樹脂等が挙げられる。中でもビニル系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂が好適に用いられる。
【0046】ビニル系樹脂としては、例えばスチレン;
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシル
スチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニル
スチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシル
スチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレ
ン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、
o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレ
ン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、
イソブチレンの如きスチレン不飽和モノオレフィン類;
ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化
ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの
如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブ
チル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ス
テアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの
如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリ
ル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアク
リル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエ
ーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン
類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N
−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−
ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリ
ル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
【0047】さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタ
コン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の
如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸
無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物
の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフ
エステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン
酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエ
ステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコ
ン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエ
ステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フ
マル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフ
エステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメ
チルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基
酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、
ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,
β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロ
ン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、
これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカル
ボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0048】さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメ
タクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモ
ノマーが挙げられる。
【0049】また、必要に応じて以下に例示するような
架橋性モノマーで架橋された重合体であってもよい。
【0050】芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビ
ニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキ
ル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、
エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレン
グリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ
アクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレー
ト、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペン
チルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアク
リレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エ
ーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート
化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、
テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレ
ングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレング
リコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコ
ールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートを
メタアクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及
びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合
物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレ
ート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上
の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの
が挙げられ;ポリエステル型ジアクリレート類として例
えば、商品名MANDA(日本化薬)が挙げられる。
【0051】多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、トリメチロールエタントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリ
ゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレー
トをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレ
ート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
【0052】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0質量部に対して、0.01〜10質量部(さらに好ま
しくは0.03〜5質量部)用いることができる。
【0053】これらの架橋性モノマーのうち、トナー用
樹脂に定着性や耐オフセット性の点から好適に用いられ
るものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベ
ンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を1含む鎖で結ば
れたジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0054】本発明において、ビニル系モノマーの単重
合体又は共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、エポ
キシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジ
ン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環
族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂を必要に応じて前述
した結着樹脂に混合して用いることができる。
【0055】2種以上の樹脂を混合して、結着樹脂とし
て用いる場合、より好ましい形態としては分子量の異な
るものを適当な割合で混合するのが好ましい。
【0056】結着樹脂のガラス転移温度は好ましくは4
5〜80℃、より好ましくは55〜70℃であり、数平
均分子量(Mn)は2,500〜50,000、重量平
均分子量(Mw)は10,000〜1,000,000
であることが好ましい。
【0057】ビニル系重合体又は共重合体からなる結着
樹脂を合成する方法としては、塊状重合法、溶液重合
法、懸濁重合法、乳化重合法の如き重合法が利用でき
る。カルボン酸モノマー又は酸無水物モノマーを用いる
場合には、モノマーの性質上、塊状重合法または溶液重
合法を利用することが好ましい。
【0058】一例として次のような方法が挙げられる。
ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸モノ
エステルの如きモノマーを用い、塊状重合法、溶液重合
法によりビニル系共重合体を得ることができる。溶液重
合法においては、溶媒留去時にジカルボン酸、ジカルボ
ン酸モノエステル単位を留去条件を工夫することにより
一部無水化することができる。更に、塊状重合法又は溶
液重合法によって得られたビニル系共重合体を加熱処理
することで、更に無水化を行うことができる。酸無水物
をアルコールの如き化合物により一部エステル化するこ
ともできる。
【0059】逆に、この様にして得られたビニル系共重
合体を加水分解処理で酸無水物基を閉環させ、一部ジカ
ルボン酸とすることができる。
【0060】一方、ジカルボン酸モノエステルモノマー
を用い、懸濁重合法、乳化重合法で得られたビニル系共
重合体を加熱処理による無水物及び加熱分解処理による
開環により無水物からジカルボン酸を得ることができ
る。塊状重合法又は溶液重合法で得られたビニル系重合
体を、モノマー中に溶解し、次いで懸濁重合法又は乳化
重合法により、ビニル系重合体又は共重合体を得る方法
を用いれば、酸無水物の一部は開環してジカルボン酸単
位を得ることができる。重合時にモノマー中に他の樹脂
を混合してもよく、得られた樹脂を加熱処理による酸無
水物化、弱アルカリ水処理による酸無水物の開環アルコ
ール処理によりエステル化を行うことができる。
【0061】ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物モノマ
ーは交互重合性が強いので、無水物、ジカルボン酸の如
き官能基をランダムに分散させたビニル系共重合体を得
るためには以下の方法が好ましい方法の一つである。ジ
カルボン酸モノエステルモノマーを用い溶液重合法によ
ってビニル系共重合体を得て、このビニル系共重合体を
モノマー中に溶解し、懸濁重合法によって結着樹脂を得
る方法である。この方法では溶液重合法の溶媒留去時に
処理条件により、全部又はジカルボン酸モノエステル部
を脱アルコール閉環無水化させることができ酸無水物を
得ることができる。懸濁重合時には酸無水物基が加水分
解閉環し、ジカルボン酸が得られる。
【0062】ポリマーにおける酸無水物化は、カルボニ
ルの赤外吸収が酸又はエステルのときよりも高波数側に
シフトするので酸無水物の生成又は消滅は確認できる。
【0063】この様にして得られる結着樹脂は、カルボ
キシル基、無水物基、ジカルボン酸基が結着樹脂中に均
一に分散されているので、トナーに良好な帯電性を与え
ることができる。
【0064】また、結着樹脂としては以下に示すポリエ
ステル樹脂も好ましい。
【0065】ポリエステル樹脂は、全成分中45〜55
mol%がアルコール成分であり、55〜45mol%
が酸成分である。
【0066】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル1,3−ヘキ
サンジオール、水素化ビスフェノールA、また(イ)式
で表わされるビスフェノール誘導体;
【0067】
【化1】 (式中、Rはエチレン又はプロピレン基であり、x,y
はそれぞれ1以上の整数であり、且つx+yの平均値は
2〜10である。)また(ロ)式で示されるジオール
類;
【0068】
【化2】 等のジオール類、グリセリン、ソルビット、ソルビタン
等の多価アルコール類が挙げられる。
【0069】また、全酸成分中50mol%以上を含む
2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸
類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はそ
の無水物、またさらに炭素数6〜18のアルキル基又は
アルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水
物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸
の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられ、
また、3価以上のカルボン酸としてはトリメリット酸、
ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やそ
の無水物等が挙げられる。
【0070】特に好ましいポリエステル樹脂のアルコー
ル成分としては、前記(イ)式で示されるビスフェノー
ル誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸又はその無水物、コハク酸、n−ド
デセニルコハク酸、又はその無水物、フマル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸類;トリメリ
ット酸又はその無水物のトリカルボン酸類が挙げられ
る。これらの酸成分及びアルコール成分から得られたポ
リエステル樹脂を結着樹脂として使用した熱ローラ定着
用トナーとして定着性が良好で、耐オフセット性に優れ
ているからである。
【0071】ポリエステル樹脂の酸価は好ましくは90
mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/
g以下であり、OH基は好ましくは50mgKOH/g
以下、より好ましくは30mgKOH/g以下であるこ
とが良い。これは、分子鎖の末端基数が増えるとトナー
の帯電特性において環境依存性が大きくなるためであ
る。
【0072】ポリエステル樹脂のガラス転移温度は好ま
しくは50〜75℃、より好ましくは55〜65℃であ
り、さらに数平均分子量(Mn)は好ましくは1,50
0〜50,000、より好ましくは2,000〜20,
000であり、重量平均分子量(Mw)は好ましくは
6,000〜100,000、より好ましくは10,0
00〜90,000であることが良い。
【0073】本発明のトナーを磁性トナーとして用いる
場合、磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネ
タイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び
他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのよう
な金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,
Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,C
d,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との
合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0074】具体的には、磁性材料としては、四三酸化
鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄
亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5
12)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガ
ドリニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe2
4)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル
(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe23)、
酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウ
ム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnFe
24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(F
e)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙
げられ、上述した磁性材料を単独で或いは2種以上の組
合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄又
はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
【0075】これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2
μm(より好ましくは0.1〜0.5μm)で、79
5.8kA/m(10kエルステッド)印加での磁気特
性が抗磁力1.6〜12kA/m(20〜150エルス
テッド)、飽和磁化50〜200Am2/kg(好まし
くは50〜100Am2/kg)、残留磁化2〜20A
2/kgのものが好ましい。
【0076】結着樹脂100質量部に対して、磁性体1
0〜200質量部、好ましくは20〜150質量部使用
するのが良い。
【0077】磁性体の他に、着色剤としては、カーボン
ブラック,チタンホワイトやその他の顔料及び/又は染
料を用いることができる。例えば本発明のトナーを磁性
カラートナーとして使用する場合には、染料としては、
C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッ
ド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシック
レッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダ
イレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.
I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、
C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブル
ー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレク
トグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.
I.ベーシックグリーン6等がある。顔料としては、ミ
ネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトー
ルイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエロ
ーNCG、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、
パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベ
ンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネント
レッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシ
ンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、フ
ァストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コ
バルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブル
ーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブ
ルー、インダンスレンブルーBC、ピグメントグリーン
B、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグ
リーンG等がある。
【0078】本発明のトナーを二成分フルカラー用トナ
ーとして使用する場合には、着色剤として、次の様なも
のが挙げられる。マゼンタ用着色顔料としては、C.
I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,
8,9,10,11,12,13,14,15,16,
17,18,19,21,22,23,30,31,3
2,37,38,39,40,41,48,49,5
0,51,52,53,54,55,57,58,6
0,63,64,68,81,83,87,88,8
9,90,112,114,122,123,163,
202,206,207,209、C.I.ピグメント
バイオレット19、C.I.バットレッド1,2,1
0,13,15,23,29,35等が挙げられる。
【0079】上記顔料を単独で使用しても構わないが、
染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフル
カラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染
料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,2
3,24,25,27,30,49,81,82,8
3,84,100,109,121、C.I.ディスパ
ースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,1
3,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレ
ット1等の油溶染料;C.I.ベーシックレッド1,
2,9,12,13,14,15,17,18,22,
23,24,27,29,32,34,35,36,3
7,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレッ
ト1,3,7,10,14,15,21,25,26,
27,28等の塩基性染料が挙げられる。
【0080】シアン用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントブルー2,3,15,16,17、C.I.バッ
トブルー6、C.I.アシッドブルー45又はフタロシ
アニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した
銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
【0081】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20
等が挙げられる。
【0082】非磁性の着色剤の使用量は、結着樹脂10
0質量部に対して、0.1〜60質量部、好ましくは
0.5〜50質量部である。
【0083】本発明において、必要に応じて、一種また
は二種以上の離型剤をトナー粒子中に含有させることが
できる。
【0084】本発明に用いられる離型剤としては次のも
のが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリ
プロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィ
ンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、また酸化
ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス
の酸化物、またはそれらのブロック共重合物;カルナバ
ワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワッ
クスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、
及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一
部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さら
に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽
和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、
バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコ
ール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カ
ルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルア
ルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの
多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミ
ド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレン
ビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミ
ド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビ
スステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;
エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオ
レイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミ
ド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和
脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミ
ド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳
香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグ
ネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわ
れているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレン
やアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト
化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの
脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油
脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有
するメチルエステル化合物などが挙げられる。
【0085】本発明において特に好ましく用いられるワ
ックスとしては、脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられ
る。例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるい
は低圧下でチーグラー触媒で重合した低分子量のアルキ
レンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解
して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素
を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の
蒸留残分から、あるいはこれらを水素添加して得られる
合成炭化水素ワックスがよい。さらにプレス発汗法、溶
剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワ
ックスの分別を行なったものがより好ましく用いられ
る。母体としての炭化水素は、金属酸化物系触媒(多く
は2種以上の多元系)を使用した一酸化炭素と水素の反
応によって合成されるもの[例えばジントール法、ヒド
ロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭
化水素化合物];ワックス状炭化水素が多く得られるア
ーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数
百ぐらいまでの炭化水素;エチレンなどのアルキレンを
チーグラー触媒により重合した炭化水素が、分岐が少な
くて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であるので好ま
しい。特にアルキレンの重合によらない方法により合成
されたワックスがその分子量分布からも好ましいもので
ある。
【0086】ワックスの分子量分布では、分子量400
〜2400の領域に、好ましくは450〜2000、特
に好ましくは500〜1600の領域にメインピークが
存在することが良い。このような分子量分布をもたせる
ことによりトナーに好ましい熱特性を付与することがで
きる。
【0087】離型剤は結着樹脂100質量部あたり0.
1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部使用す
るのが良い。
【0088】離型剤は通常、樹脂を溶剤に溶解し樹脂溶
液温度を上げ、撹拌しながら添加混合する方法や、混練
時に混合する方法で結着樹脂に含有される。
【0089】本発明のトナーは、その帯電性をさらに安
定化させるために必要に応じて荷電制御剤を用いること
ができる。荷電制御剤は、樹脂成分100質量部当たり
0.1〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部使用
するのが好ましい。荷電制御剤としては、以下のものが
挙げられる。
【0090】トナーを負帯電性に制御するものとして、
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効で、その例
としてはモノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯
体、芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン
酸の金属錯体又は金属塩が挙げられる。他には、芳香族
モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エス
テル類やビスフェノールなどのフェノール誘導体が挙げ
られる。
【0091】トナーを正荷電性に制御するものとして、
ニグロシン及び脂肪酸金属塩などによる変性物;トリブ
チルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフ
トスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフ
ルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、及びこれら
の類似体であるホスホニウム塩などのオニウム塩及びこ
れらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれら
のレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン
酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン
酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン
酸、フェロシアン化合物など);高級脂肪酸の金属塩;
ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、
ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズ
オキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボ
レート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガ
ノスズボレートが挙げられる。これらを単独であるいは
2種類以上組み合わせて用いることができる。これらの
中でもニグロシン系化合物、四級アンモニウム塩などの
荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
【0092】また、トナーの帯電性を更に安定化させる
ために、必要に応じて荷電制御剤樹脂等を単独で、或い
は前記荷電制御剤と組み合わせて用いることができる。
荷電制御剤樹脂としては、スチレン−アクリル系単量体
とスルホン酸含有アクリルアミド系単量体との共重合体
等が挙げられ、上述のビニル系共重合体を生成するため
のビニル系モノマーの中から適宣選択される。好ましく
はスチレンとアクリル酸エステル、又は、メタクリル酸
エステルとの組み合わせが挙げられる。
【0093】また、スルホン酸含有アクリルアミド系単
量体としては、2−アクリルアミドプロパンスルホン
酸、2−アクリルアミド−n−ブタンスルホン酸、2−
アクリルアミド−n−ヘキサンスルホン酸、2−アクリ
ルアミド−n−オクタンスルホン酸、2−アクリルアミ
ド−n−ドデカンスルホン酸、2−アクリルアミド−n
−テトラデカンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−
フェニルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−
2,2,4−トリメチルペンタスルホン酸、2−アクリ
ルアミド−2−メチルフェニルエタンスルホン酸、2−
アクリルアミド−2−(4−クロロフェニル)プロパン
スルホン酸、2−アクリルアミド−2−カルボキシメチ
ルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−(2
−ピリジン)プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド
−1−メチルプロパンスルホン酸、3−アクリルアミド
−3−メチルブタンスルホン酸、2−メタクリルアミド
−n−デカンスルホン酸、2−メタクリルアミド−n−
テトラデカンスルホン酸等を挙げることができる。好ま
しくは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸が挙げられる。
【0094】荷電制御剤樹脂を合成する際に使用される
重合開始剤としては、上述のビニル系共重合体を生成す
る際に使用される開始剤の中から適宣選択される。好ま
しくは過酸化物開始剤が使用される。
【0095】また、荷電制御剤樹脂の合成方法として
は、特に制限はなく、溶液重合、懸濁重合、塊状重合、
いずれの方法も使用可能であるが、低級アルコールを含
む有機溶剤中で共重合させる溶液重合が好ましい。
【0096】また、スチレン/アクリル系単量体とスル
ホン酸含有アクリルアミド系単量体との共重合比は9
8:2〜80:20であり、重量平均分子量が2000
〜15000の重合体であることが好ましい。スルホン
酸含有アクリルアミド系単量体の割合が2質量%よりも
少ない場合には、十分な帯電特性が得られない場合があ
り好ましくなく、20質量%よりも多い場合には、環境
安定性が不安定になる場合があり好ましくない。また、
重量平均分子量が2000未満となる場合には、耐オフ
セット性が低下する場合があり好ましくなく、1500
0を超える場合には、他材料との相溶性が悪化する場合
があり好ましくない。更に、上記荷電制御剤樹脂は、そ
のままで使用することができるが、公知の粉砕手段によ
り粉砕して粒径を揃えることが、他材料との相溶性、分
散向上となり好ましい。粉砕粒子径としては、好ましく
は300μm以下、更に好ましくは150μm以下とす
ることで、他材料との分散が良好となり、画質面で特に
カブリが抑制できる。
【0097】上記荷電制御剤樹脂を用いる場合は、結着
樹脂100質量部に対して0.5〜10質量部の割合で
含有することが好ましい。0.5質量部未満となる場合
には、十分な帯電特性が得られない場合があり好ましく
なく、10質量部を超える場合には、他材料との相溶性
が悪化したり、低湿下において帯電過剰になったりする
場合が有り好ましくない。
【0098】本発明のトナーに流動性向上剤を添加して
も良い。流動性向上剤は、トナーに添加することによ
り、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものであ
る。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフル
オロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法
シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸
化チタン、微粉末アルミナ、それらをシランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより
表面処理を施した処理シリカ,処理酸化チタン,処理ア
ルミナがある。
【0099】好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハ
ロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であ
り、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称さ
れるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔
中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎とな
る反応式は次の様なものである。 SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
【0100】この製造工程において、塩化アルミニウム
又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハ
ロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金
属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリカ
としてはそれらも包含する。その粒径は、平均の一次粒
径として、0.001〜2μmの範囲内であることが好
ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範
囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
【0101】ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により
生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の
様な商品名で市販されているものがある。 AEROSIL(日本アエロジル社) 130 200 300 380 TT600 MOX170 MOX80 COK84 Ca−O−SiL(CABOT Co.社) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社) Fransol(Fransil社)
【0102】さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相
酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処
理シリカ微粉体がより好ましい。該処理シリカ微粉体に
おいて、メタノール滴定試験によって測定された疎水化
度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を
処理したものが特に好ましい。
【0103】疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応
あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処
理することによって付与される。好ましい方法として
は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成され
たシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0104】有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチル
ジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラ
ン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラ
ン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシ
ラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチ
ルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、
α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチル
トリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラ
ン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリ
ルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビ
ニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシ
シラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニル
テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラ
メチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシ
ロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個
宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロ
キサン等がある。さらに、ジメチルシリコーンオイルの
如きシリコーンオイルが挙げられる。これらは1種ある
いは2種以上の混合物で用いられる。
【0105】流動性向上剤は、BET法で測定した窒素
吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは5
0m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー1
00質量部に対して流動性向上剤0.01〜8質量部、
好ましくは0.1〜4質量部使用するのが良い。
【0106】次に、本発明のトナーの好ましい製造方法
について説明する。
【0107】図4は、本発明のトナーの製造方法の概要
を示すフローチャートの一例である。この製造方法は、
フローチャートに示されているように、粉砕処理前の分
級工程を必要とせず、粉砕工程及び分級工程が1パスで
行われることを特徴としている。図5に、本発明のトナ
ーの製造装置システムの一例を示す。本発明のトナー製
造方法においては、結着樹脂、着色剤及び/又は磁性
体、荷電制御剤またはその他の添加剤を、ヘンシェルミ
キサー、ボールミルの如き混合機により充分混合し、ニ
ーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶
融、混練し、その溶融混練物を冷却固化後に冷却物を粗
粉砕して得られた粗粉砕物が粉砕原料として使用され
る。そして先ず、所定量の粉砕原料を、少なくとも中心
回転軸312に取り付けられた回転体314からなる回
転子と、該回転子表面と一定間隔を保持して回転子の周
囲に配置されている固定子310とを有し、且つ該間隔
を保持することによって形成される環状空間が気密状態
となるように構成されている機械式粉砕機301(図
6)に導入し、該機械式粉砕機の上記回転子を高速回転
させることによって被粗粉砕物を微粉砕する。次に、微
粉砕された粉砕原料は分級工程に導入されて、規定粒度
を有する粒子群からなる分級品が得られる。この際、分
級工程では、少なくとも粗粉領域、中粉領域及び微粉領
域を有する多分割気流式分級機1が好ましく用いられ
る。得られた分級品のうち、中粉体をそのままトナー粒
子として使用するか、又は、流動性向上剤とヘンシェル
ミキサーの如き混合機により充分混合し、トナー粒子表
面に流動性向上剤を有するトナー粒子として使用する。
【0108】次に、本発明に用いる現像剤担持体表面に
形成される導電性樹脂被覆層の材料構成について説明す
る。
【0109】まず、本発明に用いる凹凸を形成するため
の粒子について説明する。本発明に用いる凹凸を形成す
るための粒子としては、球状のものが好ましい。球状粒
子であることにより、不定形粒子に比べ、より少ない添
加量で所望の表面粗さが得られるとともに、表面形状の
均一な凹凸面が得られる。
【0110】本発明に使用される球状粒子は、体積平均
粒径が3.0〜15μmであり、且つ体積基準の累積値
で20μm以上の粒子が10%以下のものである。この
様な球状粒子を添加することによって、本発明の現像剤
担持体における導電性樹脂被覆層表面に均一な表面粗さ
を保持させると共に、導電性樹脂被覆層表面が摩耗した
場合でも、導電性樹脂被覆層の表面粗さの変化が少な
く、現像剤担持体上のトナーコート量の変化が起きにく
いことからトナーの帯電を均一化し、画像濃度・カブリ
が良好で、スジ・ムラが発生しにくく、また現像剤担持
体上でトナーによるスリーブ汚染及びスリーブ融着の発
生をしにくくするという効果を、長期に渡り発揮させる
ことができる。
【0111】本発明で使用される球状粒子体積平均粒径
が3.0μm未満の場合には、導電性樹脂被覆層表面に
均一な表面粗さを付与する効果が小さくなる傾向にあ
り、導電性樹脂被覆層の摩耗によるトナーのチャージア
ップ、トナーによるスリーブ汚染及びスリーブ融着が発
生したり、それにより、スリーブゴーストによる画像の
悪化や画像濃度低下が生じたりするため、好ましくな
い。体積平均粒径が15μmを超える場合には、導電性
樹脂被覆層の表面粗さが大きくなり、トナーコート量が
多くなることで、現像スリーブ表面のトナーコートが不
均一となり、トナーの帯電が均一に行われにくくなって
しまう傾向にある。また、体積基準の累積値で20μm
以上の粒子が10%より多く存在すると、粗い粒子が突
出することによる局所的なトナーコート不良、又は画像
スジやバイアスリークによる白ポチ・黒ポチの原因とも
なる。更に、導電性被樹脂覆層の機械的強度が低下して
しまうため、好ましくない。
【0112】本発明で使用される球状粒子における球状
とは、粒子の長径/短径の比が1.0〜1.5程度のも
のを意味しており、本発明において好ましくは、長径/
短径の比が1.0〜1.2の粒子を、特に好ましくは真
球状の粒子を使用することがよい。球状粒子の長径/短
径の比が1.5を超える場合には、導電性被覆層中への
球状粒子の分散性が低下したり、所望の表面粗さを得る
ために多目の添加量を必要とするので、導電性被樹脂覆
層表面形状が不均一となり、トナーの均一な帯電付与及
び被覆層の強度の点で好ましくない。
【0113】本発明において使用される球状粒子として
は、その個数平均粒径が3.0〜15μmであれば従来
公知の球状粒子をいずれも使用することができる。例え
ば、球状の樹脂粒子、球状の金属酸化物粒子、球状の炭
素化物粒子等が挙げられる。これらの中でも、球状の樹
脂粒子は、導電性樹脂被覆層中に添加した場合に、より
少ない添加量で好適な表面粗さが得られ、且つ均一な表
面形状が得られやすいので好ましい。本発明で使用され
うる球状の樹脂粒子は、例えば、懸濁重合、分散重合法
等によって容易に得られる。勿論、粉砕法により得られ
た樹脂粒子を、熱的な或いは物理的な球形化処理を行っ
て球状化した粒子を用いてもよい。
【0114】本発明において好適な球状樹脂粒子として
は、具体的には、例えば、ポリアクリレート、ポリメタ
クリレート等のアクリル系樹脂粒子、ナイロン等のポリ
アミド系樹脂粒子、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、フ
ェノール系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒子、スチレ
ン系樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の、一般に
公知の樹脂によって作製した球状粒子が挙げられる。
【0115】また、本発明で使用する球状粒子は、その
表面に、無機微粉体を付着させたり、あるいは固着させ
てもよい。例えば、球状の樹脂粒子表面を、下記に挙げ
るような無機微粉体で処理することにより、導電性樹脂
被覆層中への球状粒子の分散性の向上、形成される被覆
層の表面の均一性、被覆層の耐汚染性、トナーへの帯電
付与性、被覆層の耐摩耗性等を向上させることができ
る。
【0116】この際に使用する無機微粉体としては、S
iO2、SrTiO3、CeO2、CrO、Al23、Z
nO、MgOの如き酸化物、Si34の如き窒化物、S
iCの如き炭化物、CaSO4、BaSO4、CaCO3
の如き硫酸塩や炭酸塩等が挙げられる。これらの無機微
粉末は、カップリング剤によって処理してもよい。即
ち、特に、結着樹脂との密着性を向上させる目的で、あ
るいは粒子に疎水性を与える等を達成する目的で、カッ
プリング剤により処理された無機微粉体を好ましく用い
ることができる。
【0117】この際に使用されるカップリング剤として
は、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリン
グ剤、ジルコアルミネートカップリング剤等が挙げられ
る。より具体的には、例えば、シランカップリング剤と
しては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、
トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、
ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、ア
リルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシ
ラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジ
メチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラ
ン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチル
ジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタ
ン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリ
ルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジ
メチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、
ジフェニルエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサ
ン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,
3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子
当たり2〜12個のシロキサン単位を有し、且つ末端に
位置する単位に夫々1個当ての硅素原子に結合した水酸
基が含有されたジメチルポリシロキサン等が挙げられ
る。
【0118】更に、本発明において、球状粒子として真
密度3g/cm3以下の粒子を用いることが好ましく、
また、本発明においては、球状粒子として導電性のもの
を用いることが好ましい。即ち、好ましくは、真密度が
3g/cm3以下である導電性球状粒子を用いる。この
ように、球状粒子に導電性を持たせることによって、絶
縁性粒子に比べ、その導電性ゆえに粒子表面にチャージ
が蓄積しにくくできる。従って、導電性樹脂被覆層に、
このような導電性球状粒子を含有させることによって、
耐久を通じて表面粗さを均一化する効果を有するととも
に、磨耗が生じた際もトナーの粒子への付着が軽減され
ることで、トナーのスリーブ汚染及びスリーブ融着の発
生がさらに抑制されるとともに、それによって、トナー
への帯電付与性をより向上させることができる。
【0119】本発明で使用される球状粒子の真密度は、
3g/cm3以下、好ましくは2.7g/cm3以下、よ
り好ましくは0.9〜2.5g/cm3であることがよ
い。即ち、球状粒子の真密度が3g/cm3を超える場
合には、適切な表面粗さを付与するために多量の粒子添
加が必要なことと、結着樹脂との密度差が大きすぎるた
め、導電性樹脂被覆層中で球状粒子の分散性が不十分と
なり、被覆層表面に均一な粗さを付与しにくくなり、ト
ナーに均一な帯電を与えにくくなる。
【0120】また、本発明において使用される導電性球
状粒子の導電性とは、体積抵抗値が106Ω・cm以下
のものをいい、好ましくは、体積抵抗値が103〜10
-6Ω・cmの粒子を使用する。導電性球状粒子の体積抵
抗値が106Ω・cmを超える場合には、粒子を導電性
とする効果、即ち摩耗によって導電性被覆層表面に露出
した球状粒子を核として、トナーによるスリーブ汚染及
びスリーブ融着を抑制するという効果が損なわれる。
【0121】本発明で使用される導電性球状粒子を得る
方法としては、以下に述べる様な方法が好ましいが必ず
しもこれらに限定されるものではない。本発明に使用さ
れる特に好ましい導電性球状粒子を得る方法としては、
例えば、樹脂系球状粒子やメソカーボンマイクロビーズ
を焼成することにより炭素化及び/又は黒鉛化して、低
濃度且つ良導電性の球状炭素粒子を得る方法が挙げられ
る。そして、樹脂系球状粒子に用いられる樹脂として
は、例えば、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン
樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル
が挙げられる。また、メソカーボンマイクロビーズは、
通常、中ピッチを加熱焼成していく過程で生成する球状
結晶を多量のタール、中油、キノリンの如き溶剤で洗浄
することによって製造することができる。
【0122】より好ましい導電性球状粒子を得る方法と
しては、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹
脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン
−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルの
如き球状粒子表面に、メカノケミカル法によってバルク
メソフェーズピッチを被覆し、被覆された粒子を酸化性
雰囲気下で熱処理した後に焼成して炭素化及び/又は黒
鉛化し、導電性の球状炭素粒子を得る方法が挙げられ
る。
【0123】上記した方法で得られる導電性の球状炭素
粒子は、いずれの方法でも、焼成条件を変化させること
によって得られる球状炭素粒子の導電性をある程度は制
御することが可能であり、本発明において好ましく使用
される。また、上記の方法で得られる球状炭素粒子は、
場合によっては、更に導電性を高める為に導電性球状粒
子の真密度が3g/cm3を超えない程度の範囲で、導
電性の金属及び/又は金属酸化物のめっきを施していて
もよい。
【0124】本発明で使用される導電性球状粒子を得る
他の方法としては、球状樹脂粒子からなる芯粒子に対し
て、芯粒子の粒径よりも小さい導電性微粒子を適当な配
合比で機械的に混合することによって、ファンデルワー
ルス力及び静電気力の作用により芯粒子の周囲に均一に
導電性微粒子を付着させた後、例えば、機械的衝撃力を
付与することによって生ずる局部的温度上昇により芯粒
子表面を軟化させ、芯粒子表面に導電性微粒子を成膜し
て導電化処理した球状樹脂粒子を得る方法が挙げられ
る。
【0125】上記の芯粒子には、有機化合物からなる真
密度の小さい球形の樹脂粒子を使用することが好まし
く、樹脂としては、例えば、PMMA、アクリル樹脂、
ポリブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、又はこれらの共
重合体、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリ
アミド樹脂、ナイロン、フッ素系樹脂、シリコーン樹
脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。
芯粒子(母粒子)の表面に成膜する際に使用される導電
性微粒子(小粒子)としては、導電性微粒子被膜を均一
に設けるために、小粒子の粒径が母粒子の粒径の1/8
以下のものを使用するのが好ましい。
【0126】本発明に使用される導電性球状粒子を得る
更に他の方法としては、球状樹脂粒子中に導電性微粒子
を均一に分散させることにより、導電性微粒子が分散さ
れた導電性球状粒子を得る方法が挙げられる。球状樹脂
粒子中に導電性微粒子を均一に分散させる方法として
は、例えば、結着樹脂と導電性微粒子とを混練して導電
性微粒子を分散させた後、冷却固化し、所定の粒径に粉
砕し、機械的処理及び熱的処理により球形化して導電性
球状粒子を得る方法;又は、重合性単量体中に重合開始
剤、導電性微粒子及びその他の添加剤を加え、分散機に
よって均一に分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤
を含有する水相中に撹拌機によって所定の粒子径になる
様に懸濁させて重合を行い、導電性微粒子が分散された
球状粒子を得る方法が挙げられる。
【0127】これらの方法で得られた導電性微粒子が分
散された導電性球状粒子においても、前記した芯粒子よ
りも小さい粒径の導電性微粒子と適当な配合比で機械的
に混合して、ファンデルワールス力及び静電気力の作用
により導電性球状粒子の周囲に均一に導電性微粒子を付
着させた後、例えば、機械的衝撃力を付与することによ
り生ずる局部的温度上昇により導電性球状粒子の表面を
軟化させ、該表面に導電性微粒子を成膜して、更に導電
性を高めて使用してもよい。
【0128】導電性樹脂被覆層中に分散される導電性球
状粒子の含有量としては、結着樹脂100質量部に対し
て好ましくは2〜120質量部、より好ましくは2〜8
0質量部の範囲で特に好ましい結果を与える。導電性球
状粒子の含有量が2質量部未満の場合には導電性球状粒
子の添加効果が小さく、120質量部を超える場合には
トナーの帯電性が低くなり過ぎてしまう場合がある。
【0129】以上、本発明の現像剤担持体を構成する導
電性樹脂被覆層中に分散された凹凸形成粒子は、現像ス
リーブ表面の表面粗さを最適化し、更に表面形状を均一
化させることで、スリーブ上のトナー層の搬送力を均一
にするとともに、摩耗が生じた際の表面粗さ変化を抑制
することで、耐久によっての搬送力の変化を抑制し、ト
ナーによるスリーブ汚染及び融着を防止する効果をも長
期に渡って発揮させることができる。中でも球状炭素粒
子は、導電性樹脂被覆層の導電性が損なわず、粒子を核
としたトナー付着/融着を防止できるので、特に好まし
く用いられる。
【0130】また、本発明においては、導電性樹脂被覆
層中に凹凸形成粒子と併用して、更にトナーの帯電性を
安定化させるために、必要に応じて一般的に公知の帯電
付与物質を添加して使用することも可能である。
【0131】負帯電性の制御剤としては、例えば有機金
属錯体、キレート化合物が有効で、その例としてはモノ
アゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ヒド
ロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又
は金属塩が挙げられる。他には、芳香族モノ及びポリカ
ルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類やビスフ
ェノールなどのフェノール誘導体が挙げられる。
【0132】正帯電性の制御剤としては、ニグロシン及
び脂肪酸金属塩などによる変性物;トリブチルベンジル
アンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン
酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレー
トなどの四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であ
るホスホニウム塩などのオニウム塩及びこれらのレーキ
顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料
(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリ
ブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン
酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェロシ
アン化合物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズ
オキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキ
シルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;
ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシ
クロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレー
トが挙げられる。これらを単独であるいは2種類以上組
み合わせて用いることができる。これらの中でもニグロ
シン系化合物、四級アンモニウム塩などの荷電制御剤が
特に好ましく用いられる。
【0133】それらいずれも使用可能であるが、本発明
に負帯電性トナーを用いる場合、導電性樹脂被覆層中に
負帯電性制御剤を用いることが好ましく、中でも導電性
樹脂被覆層中にベンジル酸の金属化合物を含有させるこ
とが特に好ましく、例えばベンジル酸のアルミニウム化
合物を含有させることにより、トナーの帯電量を好まし
い範囲に制御できるので好ましく用いられる。本発明に
用いることのできるベンジル酸のアルミニウム化合物と
しては、下記一般式(ハ)
【0134】
【化3】 で示される未置換基又は置換基を有するベンジル酸のア
ルミニウム化合物が挙げられる。
【0135】また、前記ベンジル酸のアルミニウム化合
物は、下記一般式(ニ)で示されるベンジル酸のアルミ
ニウム化合物であることが好ましいが、ベンジル酸2m
olとアルミニウム原子1molからなる錯体及び/又
は錯塩であれば、式(ニ)に限定されるものではない。
【0136】
【化4】
【0137】以上、導電性樹脂被覆層中にベンジル酸の
アルミニウム化合物を分散することにより、帯電量の高
いネガトナーに対しては帯電量を抑制するという効果を
有し、トナーに対して適正な帯電量を均一に付与するこ
とができる。これにより、画像濃度低下、スリーブゴー
ストやカブリ等を防止し、またチャージアップによるブ
ロッチ等も防止すること効果がある。
【0138】上記に示したような本発明で使用する負荷
電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して1
〜100質量部とすることが好ましい。より好ましくは
2〜50質量部である。1質量部未満では添加による帯
電付与性の向上が見られず、100質量部を超えると結
着樹脂中への分散過多となり被膜強度の低下を招きやす
い。
【0139】トナーの帯電量を更に好ましい範囲に制御
する方法の1つとしては、特開平10−326040号
公報、特開平11−052711号公報、特開平11−
249414号公報に記載されている、第4級アンモニ
ウム塩化合物含有の樹脂被覆層を用いることが挙げられ
る。本発明者らは、従来トナーの正荷電制御剤として知
られている第4級アンモニウム塩化合物、すなわち、そ
れ自体が鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウ
ム塩化合物を用い、結着樹脂として、特に、結着樹脂の
一部又は全てが、その分子構造中に、少なくとも−NH
2基、=NH基、−NH−結合のいずれかを有するもの
を用いて摩擦帯電部材の被覆層を形成すると、第4級ア
ンモニウム塩化合物が結着樹脂中に取り込まれ、樹脂
(樹脂層)自身が強い負帯電性を示し、正帯電性トナー
に対して良好な帯電付与性を示すことを見いだし、これ
を摩擦帯電付与部材として現像装置に用いることで非常
に良好な画像が得られる旨の提案を、特開平10−32
6040号公報、特開平11−052711号公報、特
開平11−249414号公報において行っている。こ
の方法の、例えば、トナーに正帯電性を付与するために
シリカ、フッ素樹脂粉末、負帯電制御剤を添加する系と
比較して優れた点は、結着樹脂の溶媒中に第4級アンモ
ニウム塩化合物が溶け込んで樹脂中に均一に存在させる
ことができるため、樹脂層を形成した場合、樹脂層全体
が均一な負帯電性材料となり、シリカ添加系のようにマ
トリクス的に分散しているものに比較して良好な帯電付
与性を示すことと、さらには粉末添加系ではないので、
樹脂層表面の均一性が更に向上する点にある。
【0140】これらの点に鑑み、種々検討を続けた結
果、負帯電性を有し、且つ帯電性の高いトナーを用いる
現像装置に、従来トナーの正荷電制御剤として知られて
いる前記第4級アンモニウム塩化合物、すなわち、それ
自体が鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム
塩化合物を用い、且つ、結着樹脂として、特に、結着樹
脂の一部又は全てが、その分子構造中に、−NH2基、
=NH基、−NH−結合のいずれかを有するものを用い
て現像剤担持体の被覆層を形成することにより、帯電性
の高い負帯電性トナーのチャージアップやブロッチの発
生や現像剤担持体表面へのトナーの強固な付着を有効に
防止し、且つ第4級アンモニウム塩化合物の添加量を調
整することで負帯電性トナーの摩擦帯電量を好適なレベ
ルに帯電させることが可能であることを見いだした。
【0141】本発明に好適に用いられる、前記した機能
を有する第4級アンモニウム塩化合物としては、鉄粉に
対して正帯電性を有するものが用いられる。例えば、下
記一般式(ホ)で表される化合物が挙げられる。
【0142】
【化5】 (式中のR1、R2,R3、R4は、各々、置換基を有して
も良いアルキル基、置換基を有しても良いアリール基、
アルアルキル基を表し、R1〜R4は各々同一でもあるい
は異なっていてもよい。X-は酸の陰イオンを表す。)
【0143】これに対し、例えば下記式(へ)で表され
るような、それ自身が鉄粉に対して負帯電性を有する含
フッ素4級アンモニウム塩化合物についても検討を行っ
たが、該化合物の添加によっては本発明の所期の目的が
達成されないことがわかった。即ち、下記式(ヘ)で表
される化合物は、電子吸引性の強いフッ素樹脂原子が構
造中にあるので、それ自身が鉄粉に対して負帯電性を有
するが、本発明の場合と同様に、該化合物を樹脂中に分
散させた樹脂組成物を結着樹脂とし、これを加熱乾燥さ
せてキャリヤ芯材に被覆層を形成しても、それ自身が鉄
粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物
を含有させたほどには、効果は得られなかった。
【0144】
【化6】
【0145】本発明に好適に用いられる、それ自身が鉄
粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物
としては、具体的には、以下のようなものが挙げられる
が、勿論、本発明は、これらに限定されるものではな
い。
【0146】
【化7】
【0147】
【化8】
【0148】上記に示したような本発明で使用する第4
級アンモニウム塩化合物の添加量は、結着樹脂100質
量部に対して1〜100質量部とすることが好ましい。
より好ましくは2〜50質量部である。1質量部未満で
は添加による帯電付与性の向上が見られず、100質量
部を超えると結着樹脂中への分散不良となり被膜強度の
低下を招きやすい。また樹脂分に対して余剰となった正
帯電性の四級アンモニウム塩が存在してしまうため本発
明の有効な効果が低下しはじめてしまう。
【0149】本発明の被覆層に用いられる結着樹脂とし
て特に限定はされないが、結着樹脂の一部又は全部がそ
の分子構造中に少なくとも−NH2基、=NH基、もし
くは−NH−結合のいずれかの構造を有していることが
好ましい。このような樹脂を用いて被覆層を形成するこ
とで、本発明の効果が容易に発揮可能である。本発明に
おいて、現像剤担持体の樹脂層として上記のような構成
のものを用いると、自身が負帯電付与性へと変化するこ
とについての明確な理由は定かではないが、本発明で用
いる、それ自身が鉄粉に対して正帯電性である第4級ア
ンモニウム塩化合物及び、−NH2基、=NH基、もし
くは−NH−結合の少なくとも一つの構造を有している
結着樹脂を用いて樹脂被覆層を形成することにより樹脂
の構造中に第4級アンモニウム塩が取り込まれる。その
際、正極性を有する第4級アンモニウム塩の元の構造が
失われ、これらを取り込んだ樹脂の帯電性が均一且つ十
分な負帯電性を有するようになるためではないかと考え
られる。
【0150】−NH2基を有する物質としては、R−N
2で表される第1アミンもしくはそれらを有するポリ
アミン、RCO−NH2で表される第1アミドもしくは
それらを有するポリアミド等、=NH基を有する物質と
しては、R=NHで表される第2アミンもしくはそれら
を有するポリアミン、(RCO)2=NHで表される第
2アミドもしくはそれらを有するポリアミド等、−NH
−結合を有する物質としては、前述したポリアミン、ポ
リアミド等の他に−NHCOO−結合を有するポリウレ
タン等が挙げられ、以上の物質を1種又は2種以上、あ
るいは共重合体として含有し、工業的に合成された樹脂
が好適に用いられる。
【0151】それらのうち汎用性等の面から、アンモニ
アを触媒としたフェノール樹脂、ポリアミド樹脂及びウ
レタン樹脂等が好ましい。フェノール樹脂としては、本
発明者らが鋭意検討を重ねた結果、その製造工程におい
て含窒素化合物を触媒として使用したフェノール樹脂を
用いることで、加熱硬化時に該4級アンモニウム塩化合
物がフェノール樹脂の構造中に取り込まれ易いことがわ
かった。そのためこのようなフェノール樹脂を現像剤担
持体上の樹脂被覆層を構成する材料の1つとして用いる
ことで、良好な現像装置が得られる。
【0152】フェノール樹脂の製造工程において触媒と
して用いられる含窒素化合物としては、例えば酸性触媒
としては、硫酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、スル
ファミド酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アン
モニウム、マレイン酸アンモニウムといった、酸のアン
モニウムまたはアミノ塩類;また、塩基性触媒として
は、アンモニア、或いはジメチルアミン、ジエチルアミ
ン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジア
ミルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ト
リn−ブチルアミン、トリアミルアミン、ジメチルベン
ジルアミン、ジエチルベンジルアミン、ジメチルアニリ
ン、ジエチルアニリン、n,n−ジn−ブチルアニリ
ン、n,n−ジアミルアニリン、n,n−ジt−アミル
アニリン、n−メチルエタノールアミン、n−エチルエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノー
ルアミン、エチルジエタノールアミン、n−ブチルジエ
タノールアミン、ジn−ブチルエタノールアミン、トリ
イソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメ
チレンテトラアミン等のアミノ化合物、ピリジン、αピ
コリン、βピコリン、γピコリン、2,4−ルチジン、
2,6−ルチジン等のピリジン及びその誘導体、キノリ
ン化合物、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、
2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェ
ニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミ
ダゾール等のイミダゾール及びその誘導体等の含窒素複
素環式化合物等がある。
【0153】また、ポリアミド樹脂としては、例えば、
ナイロン6、66、610、11、12、9、13、Q
2ナイロン等、或いはこれらを主成分とするナイロンの
共重合体等、或いはN−アルキル変性ナイロン、N−ア
ルコキシルアルキル変性ナイロン等、いずれも好適に用
いることができる。更にはポリアミド変性フェノール樹
脂等のようにポリアミドにて変性された各種樹脂、或い
は、硬化剤としてポリアミド樹脂を用いたエポキシ樹
脂、といったように、ポリアミド樹脂分を含有している
樹脂であれば、いずれも好適に用いることができる。
【0154】また、ウレタン樹脂としてはウレタン結合
を含んだ樹脂で有れば、いずれも好適に用いることがで
きる。このウレタン結合はポリイソシアネートとポリオ
ールとの重合付加反応によって得られる。
【0155】このポリウレタン樹脂の主原料となるポリ
イソシアネートとしては、ジフェニレンメタン−4,
4’−ジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソ
シアネート(IPDI)、ポリメチレンポリフェニルポ
リイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、1,5−ナフタリンジイソ
シアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタン−
4,4’−ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレ
ンジイソシアネート、オルトトルイジンジイソシアネー
ト、ナフチレンジイソシアネート、キシレンジイソシア
ネート、パラフェニレンジイソシアネート、リジンジイ
ソシアネートメチルエステル、ジメチルジイソシアネー
ト等が使用可能である。
【0156】また、ポリウレタン樹脂の主原料となるポ
リオールとしては、ポリエチレンアジペートエステル、
ポリブチレンアジペートエステル、ポリジエチレングリ
コールアジペートエステル、ポリヘキセンアジペートエ
ステル、ポリカプロラクトンエステル等のポリエステル
ポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール等のポリエーテルポリオール等が使用
可能である。
【0157】以上、本発明の現像剤担持体を構成する導
電性樹脂被覆層に、導電性球状粒子と併用して前記第4
級アンモニウム塩化合物及び−NH2基、=NH基、も
しくは−NH−結合の少なくとも一つの構造を有してい
る、またはそれらの構造を有する群により変性されてい
る結着樹脂を用いることにより、トナーのチャージアッ
プ現象やブロッチを防止し、トナーを好適な摩擦帯電レ
ベルに制御でき、被覆層に磨耗が生じた際も、トナーに
よるスリーブ汚染及びスリーブ融着をさらに抑制できる
といった、より一層現像性を向上させる相乗効果を発揮
することができる。
【0158】また、導電性樹脂被覆層の結着樹脂材料と
しては、上記の他に一般に公知の樹脂が使用可能であ
る。例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエー
テルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニ
レンオキサイド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アク
リル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキ
ッド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、
ポリイミド樹脂等の熱可塑性樹脂、または光硬化性樹脂
等を使用することができる。なかでもシリコ−ン樹脂及
びフッ素樹脂のような離型性のあるもの、あるいはポリ
エーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレン
オキサイド、ポリエステル、スチレン系樹脂及びアクリ
ル樹脂のような機械的に優れたものがより好ましい。
【0159】だだし、帯電付与物質として第4級アンモ
ニウム塩化合物を用いる場合は、前述のごとく、−NH
2基、=NH基、もしくは−NH−結合の少なくとも一
つの構造を有している、またはそれらの構造を有する群
により変性されている結着樹脂を用いることが好まし
い。また、上記一般的な結着樹脂と混合して用いること
も可能である。
【0160】また、本発明の現像剤担持体を構成する導
電性樹脂被覆層には、導電性球状粒子と併用して固体潤
滑剤を分散させると、より本発明の効果が促進されるた
め好ましい。この固体潤滑剤としては、例えば、結晶性
グラファイト、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、雲母、
フッ化グラファイト、銀−セレン化ニオブ、塩化カルシ
ウム−グラファイト、滑石及びステアリン酸亜鉛の如き
脂肪酸金属塩からなる物質等が挙げられ、中でも結晶性
グラファイトは、導電性球状粒子と併用した場合に導電
性被覆層の導電性が損なわれないので特に好ましく用い
られる。
【0161】この固体潤滑剤は、個数平均粒径が好まし
くは0.2〜20μm程度、より好ましくは1〜15μ
mのものを使用するのがよい。固体潤滑剤の個数平均粒
径が0.2μm未満の場合には、潤滑性が十分に得られ
難く好ましくなく、個数平均粒径が20μmを超える場
合には、表面粗さに対する影響が大きくなり、且つ耐久
により削れることで表面粗さが変化しやすく、導電性樹
脂被覆層表面が不安定となり、スリーブ上へのトナーコ
ート性、及びトナーの帯電が不安定になるという点で好
ましくない。
【0162】導電性樹脂被覆層中に固体潤滑剤を導電性
球状粒子と併用させる場合には、固体潤滑剤の含有量
は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは5〜12
0質量部、より好ましくは10〜100質量部の範囲で
特に好ましい結果を与える。固体潤滑剤の含有量が12
0質量部を超える場合には、被膜強度の低下及びトナー
の帯電量の低下が認められ、5質量部未満の場合には、
導電性樹脂被覆層表面のトナーによるのスリーブ汚染の
抑制効果が小さくなる傾向がある。
【0163】また、本発明において、現像剤担持体の導
電性樹脂被覆層の体積抵抗は、好ましくは103Ω・c
m以下、より好ましくは103〜10-2Ω・cmである
ことがよい。導電性樹脂被覆層の体積抵抗が103Ω・
cmを超える場合には、トナーのチャージアップが発生
し易くなり、スリーブゴーストの悪化や濃度低下を引き
起こしやすい。
【0164】本発明においては、導電性樹脂被覆層の体
積抵抗を調整するため、導電性樹脂被覆層中に上記の導
電性球状粒子と併用して、他の導電性微粉末を分散含有
させてもよい。この導電性微粉末としては、個数平均粒
径が、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.01
〜0.8μmのものがよい。この導電性樹脂被覆層中に
導電性球状粒子と併用して分散含有させる導電性微粉末
の個数平均粒径が1μmを超える場合には、導電性樹脂
被覆層の体積抵抗を低く制御しづらくなり、トナーのチ
ャージアップ現象が発生しやすくなる。
【0165】本発明で使用することのできる導電性微粉
末としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラ
ック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャン
ネルブラックの如きカーボンブラック;酸化チタン、酸
化スズ、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリ、酸
化アンチモン及び酸化インジウムの如き金属酸化物等;
アルミニウム、銅、銀及びニッケルの如き金属;グラフ
ァイト、導電性金属繊維及び導電性炭素繊維の如き無機
系充填剤が挙げられる。
【0166】導電性樹脂被覆層中に導電性球状粒子と併
用して導電性微粉末を分散含有させる場合の1μm以下
の導電性微粉末の含有量としては、結着樹脂100質量
部に対し、好ましくは40質量部以下、より好ましくは
2〜35質量部の範囲で使用すると特に好ましい結果が
与えられる。即ち、導電性微粉末の含有量が40質量部
を超える場合には、被膜強度の低下及びトナーの帯電量
の低下が認められることが多い。
【0167】次に、本発明に用いる現像剤担持体表面に
形成される導電性樹脂被覆層の表面粗さと凹凸を形成す
るための粒子の体積平均粒径との関係、及び被覆層表面
のユニバーサル硬さ値と凹凸形成粒子のユニバーサル硬
さ値との関係について説明する。
【0168】まず、本発明において、導電性被樹脂覆層
表面の十点平均粗さ(以下、「Rz」と称す。)と凹凸
形成粒子の体積平均粒径Drとの関係は、 2μm<Rz≦Dr (7) であり、且つ、被覆層表面のユニバーサル硬さ値(以
下、「HU」と称す。)と凹凸形成粒子のHUの関係
は、 被覆層表面のHU≦凹凸形成粒子のHU (8) である。
【0169】本発明に用いられる、所謂、球状化された
トナーは、現像性、転写性、定着性等に優れる一方、い
くつかの問題点を有する。そのひとつとして球状化され
た磁性トナーを、内部に磁石を有する円筒状現像剤担持
体にトナーを担持し、これを規制部材により層厚を規制
して現像剤担持体上のトナーを担持搬送する現像方法に
用いた場合、その初期におけるトナーのコート量と耐久
後の現像剤のコート量がかなり異なるという問題であ
る。すなわち、初期のトナーコート量が、流動性が良
く、またトナー帯電の立ち上がりが早いことで、多く且
つ不安定・不均一になりがちであるという点である。さ
らにトナー粒子の表面が比較的平滑で窪みなどが少ない
ことから、外添剤が外圧・熱などによってトナー中に埋
め込まれやすく、その結果として耐久後期においては、
逆に流動性が悪く担持搬送されにくく、その結果、トナ
ーの現像量が低下するという問題が生じやすい。
【0170】一方、現像剤担持体上の樹脂被覆層の磨耗
現象について検討を重ねてきた結果、凹凸を形成するた
めの粒子の硬さと粗し粒子がない部分の樹脂被覆層の硬
さの関係において、凹凸を形成するための粒子のHUが
樹脂被覆層のHUよりも大きいものを用いた場合には、
長期にわたる耐久での磨耗により、被覆層表面の表面粗
さRzが凹凸形成粒子の体積平均粒径Drとほぼ同等に
なることがわかった。
【0171】そこで、これらの関係から、予め樹脂被覆
層表面のRzが体積平均粒径Drより小さくなるような
条件で被覆層を形成するか、あるいは図7に示すように
被覆層形成後に研磨処理を施すなどして、表面粗さRz
が体積平均粒径Drより小さくなるように設定して使用
することによって、上記問題点を解決できることがわか
った。すなわち、初期において表面粗さを低く設定する
ことによって現像剤の搬送力を弱め、現像剤の担持量の
過多や不均一化を防止する。さらに耐久により表面粗さ
が増大することにより、上記搬送性の低下したトナーを
現像剤担持体で搬送量をカバーすることになる。
【0172】ここにおいて、初期の表面粗さRzを低く
するために使用する凹凸形成粒子の体積平均粒径Drを
小さくした場合には、耐久で表面粗さが大きくなる傾向
が得られず、搬送性の低下したトナーの搬送量を補うこ
とができない。さらに本発明の凹凸形成用粒子の有する
さらに他の効果である、樹脂層の補強という効果が得ら
れないため、樹脂層の磨耗量は増大し且つ表面粗さは耐
久により低下する傾向となるため好ましくない。
【0173】さらに、初期の表面粗さを低くしすぎた場
合、具体的数値としてはRzが2μm以下となった場合
には、トナーの搬送量が過度に低下してしまうこと或い
はトナーの規制力が大きくなりすぎてしまうことと、ト
ナーの帯電量が大きくなり、ブロッチ等の不正なコーテ
ィングが生じるため好ましくない。
【0174】すなわち、本発明において、式(7)を満
足していても、式(8)を満足していない場合には、耐
久によって凹凸形成粒子の突出部から磨耗が進行するた
めに、耐久による表面粗さは減少の方向であるために上
記説明したような効果が得られない。このような場合、
表面粗さの低下による現像剤の搬送不良により、画像形
成において、画像濃度薄、白スジ現象、地カブリ、ブロ
ッチなどの不良画像を発生しやすくなる。また、式
(8)を満足していても、初期の好ましい表面粗さを得
るために小さい凹凸形成粒子を用いた場合、上記説明し
たように、耐久により表面粗さが低下するために、やは
り画像形成において、画像濃度薄、白スジ現象、地カブ
リ、ブロッチなどの不良画像を発生しやすくなる。従っ
て、体積平均粒径が3〜15μmの凹凸形成粒子を用
い、式(7)のように設定する必要がある。凹凸形成用
粒子の体積平均粒径が15μmを超える場合には、式
(7)及び式(8)を満足したとしても、耐久後に粗さ
が増大しすぎるために、画像形成において、搬送量過多
により現像剤が好適な帯電を持てなくなり、画像濃度
薄、反転カブリ等が発生してしまうのは前述の通りであ
る。
【0175】また、本発明におけるユニバーサル硬さ値
HUは、Akasi製微小硬度計MZT−4で、軸芯に
対する面角が68度の三角錐圧子を用いて測定されるも
のであり、下記式(11)で表される。
【0176】 HU=K×F/(h2)2 (11) [但し、K:係数 F:試験荷重(mN) h2:圧子
の最大押し込み深さ(μm)]
【0177】また、測定用に用意される試料は、被覆層
に関しては、アルミニウム基体上に圧子の最大押し込み
深さの10倍以上の膜厚となるよう被覆層を形成し、表
面を研磨処理を施したもので、凹凸形成粒子に関して
は、被覆層に用いる結着樹脂中に凹凸形成粒子を隙間な
く分散し、アルミニウム基体上に圧子の最大押し込み深
さの10倍以上の膜厚となるよう被覆層を形成し、表面
を研磨処理を施したものを用いた。
【0178】また、試験荷重及び圧子の最大押し込み深
さは、被覆層表面の表面粗さの影響を受けず、且つ下地
の基体の影響を受けない程度の範囲が好ましく、本発明
においては、圧子の最大押し込み深さが1〜10μm程
度の範囲で測定を行ったが、何らこの範囲に限定される
ものではない。
【0179】また、上記した様な構成の導電性樹脂被覆
層の層厚は、好ましくは25μm以下、より好ましくは
20μm以下、更に好ましくは4〜20μmであると均
一な層厚を得る為に好ましいが、特にこの層厚に限定さ
れるものではない。
【0180】また、本発明において、上記の構成で形成
される導電性樹脂被覆層を有する現像剤担持体の基体と
しては、例えば、金属、その合金またはその化合物が好
適に用いられ、特にステンレススチール及びアルミニウ
ムの円筒状に成形したものが好適に用いられる。これら
基体の表面は、ブラスト、ヤスリ、切削等で所定の表面
粗さになるように処理されていてもよく、電解・無電解
メッキ等で処理されていてもよい。また、基体はステン
レス等の金属の芯金状に成形したものでもよく、これら
基体の表面も上記のような表面処理が施されていてもよ
い。
【0181】次に、上記したような本発明のトナー及び
現像剤担持体を有する現像装置及び画像形成装置につい
て説明する。
【0182】現像装置としては、例えば図1及び図2に
示すような現像装置が知られている。図1において、公
知のプロセスにより形成された静電潜像を保持する静電
潜像保持体、例えば、電子写真感光ドラム101は、矢
印A方向に回転される。現像剤担持体としての現像スリ
ーブ108は、現像剤容器103に収容された一成分系
磁性トナーとしての現像剤104を担持して、矢印B方
向に回転することによって、現像スリーブ108と感光
ドラム101とが対向している現像領域Dに現像剤10
4を搬送する。図1に示すように、現像スリーブ108
は、基体としての金属円筒管106上に形成された導電
性樹脂被覆層107を有し、また現像スリーブ108内
には現像剤104を現像スリーブ108上に磁気的に吸
引且つ保持するために、マグネットローラー105が配
置、固着されている。現像スリーブ108とマゲネット
ローラー105とは非接触状態にある。
【0183】また現像剤容器103中には、矢印C方向
に回転することによって、現像剤104を撹拌する撹拌
翼109、110、現像剤容器103中に現像剤104
を供給するスクリュー111、現像剤容器103中の現
像剤量を調整する攪拌壁112が設けられている。
【0184】現像剤104は、磁性トナー相互間及び現
像スリーブ108上の導電性樹脂被覆層107との摩擦
により、感光ドラム101上の静電潜像を現像すること
が可能な摩擦帯電電荷を得る。図1の例では、現像領域
Dに搬送される現像剤104の層厚を規制するために、
現像剤層厚規制部材としての強磁性金属製の磁性規制ブ
レード102が、現像スリーブ108の表面から約50
〜500μmのギャップ幅を持って現像スリーブ108
に臨む様に、現像剤容器103から垂下されており、マ
グネットローラー105のN極からの磁力線が磁性規制
ブレード102に集中することにより、現像スリーブ1
08上に現像剤104の薄層が形成される。本発明にお
いては、この磁性規制ブレードにかえて図2に示すよう
な非磁性ブレード、弾性ブレードを使用することもでき
る。
【0185】この様にして現像スリーブ108上に形成
される現像剤104の薄層の厚みは、現像領域Dにおけ
る現像スリーブ108と感光ドラム101との間の最小
間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。
【0186】本発明の現像剤担持体は、以上の様な現像
剤の薄層により静電潜像を現像する方式の現像装置、即
ち、非接触型現像装置に組み込むのが特に有効である
が、現像領域Dにおいて、現像剤層の厚みが現像スリー
ブ108と感光ドラム101との間の最小間隙以上の厚
みである現像装置、即ち接触型現像装置にも本発明の現
像剤担持体を適用することができる。
【0187】説明の煩雑を避けるため、以下の説明で
は、上記したような非接触型現像装置を例に採って行
う。
【0188】上記現像スリーブ108に担持された磁性
トナーを有する一成分系現像剤104を飛翔させるた
め、上記現像スリーブ108にはバイアス手段としての
現像バイアス電源113により現像バイアス電圧が印加
される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用す
るときに、静電潜像の画像部(現像剤104が付着して
可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の
電圧を現像スリーブ108に印加するのが好ましい。
【0189】現像された画像の濃度を高め、或は階調性
を向上するためには、現像スリーブ108に交番バイア
ス電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振
動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像
画像部の電位と背景部の電位の中間の値を有する直流電
圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像スリーブ10
8に印加するのが好ましい。高電位部と低電位部を有す
る静電潜像の高電位部にトナーを付着させて可視化す
る、所謂、正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極
性に帯電するトナーを使用する。高電位部と低電位部を
有する静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化
する、所謂、反転現像の場合には、静電潜像の極性と同
極性に帯電するトナーを使用する。高電位,低電位とい
うのは、絶対値による表現である。これらいずれの場合
にも、現像剤104は少なくとも現像スリーブ108と
の摩擦により帯電する。
【0190】図1はあくまでも本発明の現像装置を模式
的に例示したものであり、現像剤容器103の形状、攪
拌翼109、110の有無、磁極の配置に様々な形態が
あることは言うまでもない。勿論、これらの装置では、
トナーとキャリアを含む二成分系現像剤を用いる現像に
使用することもできる。
【0191】次に本発明の現像剤担持体を有する現像装
置を使用した画像形成装置の一例について説明する。
【0192】画像形成装置としては、例えば図3に示す
ような画像形成装置が知られている。まず、一次帯電器
162で感光ドラム156表面を負極性又は正極性に帯
電し、アナログ露光又はレーザ光による露光164によ
り静電潜像(デジタル潜像)を形成し、上記現像装置に
より静電潜像を反転現像又は正規現像により現像する。
現像ざれたトナー像は、中間転写体を介して、又は、介
さずに転写材157へ転写される。転写材157が搬送
されて、転写部にくると転写帯電器/除電器154によ
り転写材157の背面(感光体側と反対面)から正極性
または負極性の帯電をすることにより、感光ドラム15
6表面上のトナー像が転写材157上へ静電転写され除
電される。そして、感光ドラム156から分離された転
写材157は、ヒータを内包している加熱加圧ローラ定
着器158により転写材157上のトナー像は、加熱加
圧定着される。転写工程後の感光ドラム156に残留す
るトナーは、クリーニングブレード159を有するクリ
ーニング手段160で除去される。クリーニング後の感
光ドラム156は、イレース露光161により除電さ
れ、再度、一次帯電器162により帯電工程から始まる
工程が繰り返される。
【0193】一次帯電手段、転写・除電手段としては、
ローラー、ブレード、ブラシの如き接触帯電、接触転写
・除電手段でも良く、更に非接触のコロナ放電手段でも
良い。しかしながら、コロナ放電よるオゾンの発生が少
ない点で、接触帯電、接触・除電手段の方が好ましい。
【0194】また、V1、V2及びV3はそれぞれの工
程で、バイアスを印加するための電源153、155及
び163であり、接地されている。
【0195】以下に本発明に関わる物性の測定方法につ
いて述べる。
【0196】[測定方法] 十点平均粗さRzの測定 JIS B0601の表面粗さに基づき、サーフコーダ
ーSE−3500(小坂研究所製)にて、軸方向3点×
周方向2点=6点についてそれぞれ測定し、その平均値
をとった。
【0197】(2)被覆層の膜厚測定 レーザー測長器(KEYENCE社製:コントローラL
S−5500、センサーヘッドLS5040T)で被覆
層形成前後の外径を測定した。その前後の測定値より、
30点の平均値をとって膜厚(μm)とした。
【0198】(3)被覆層の体積抵抗測定 100μmの厚さのPETシート上に、7〜20μmで
導電性樹脂被覆層を形成し、抵抗率計ロレスタAP、又
はハイレスタIP(ともに三菱油化製)にて4端子プロ
ーブを用いて体積抵抗値を測定した。なお、測定環境
は、20〜25℃,50〜60%RHとした。
【0199】(4)球状粒子の体積抵抗測定 粒状試料を40mmφのアルミリングに入れ、2500
Nで加圧成形し、抵抗率計ロレスタAP、又はハイレス
タIP(ともに三菱油化製)にて4端子プローブを用い
て体積抵抗値を測定した。なお、測定環境は、20〜2
5℃,50〜60%RHとした。
【0200】(5)球状粒子の真密度測定 本発明で使用する球状粒子の真密度は、乾式密度計アキ
ュピック1330(島津製作所製)を用いて測定した。
【0201】(6)球状粒子の粒径測定 レーザー回折型粒度分布計のコールターLS230型粒
度分布計(コールター社製)を用いて測定し、個数分布
から算出した個数平均粒径を求めた。
【0202】(7)球状粒子の長径/短径比 電子顕微鏡を用いて、6000倍程度で撮影し、写真上
で粒子の長径及び短径を測定した。これを100サンプ
ルについて測定し、その平均値を長径/短径比とした。
【0203】(8)トナーの粒径測定 コールターカウンターのマルチサイザーII(コールタ
ー社製)を用いて測定し、体積分布から算出した重量基
準の重量平均径を求めた。
【0204】
【実施例】以下、実施例をもって本発明をさらに詳しく
説明する。尚、実施例及び比較例中の「%」及び「部」
とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
【0205】 (トナー製造例1) ・ポリエステル樹脂 :100部 (Tg60℃、酸価20mgKOH/g、水酸基価30mgKOH/g、分子 量:Mp7200、Mn3200、Mw56000) ・磁性酸化鉄 : 90部 (平均粒子径0.21μm、795.5kA/m磁場での特性Hc9.4kA/ m、σs83Am2/kg、σr11.7Am2/kg) ・モノアゾ系金属錯体(負帯電性制御剤) : 2部 ・低分子量エチレン−プロピレン共重合体 : 3部 上記の材料をヘンシェルミキサーにより混合し、温度1
30℃に設定した二軸エクストルーダーで溶融混練し、
冷却した混練物をハンマーミルで1mm以下に粗粉砕し
た後、得られた粗粉砕物を機械式粉砕機により微粉砕し
た。得られた微粉砕物をコアンダ効果を利用した多分割
気流式分級機により分級し、得られた中粉体100部に
対して、疎水性シリカ微粉体(BET300m2/g)
1.0部をヘンシェルミキサーにより外添混合し、トナ
ーAとした。
【0206】トナーAは、重量平均粒径が7.5μm、
粒径4.0μm以下の粒子を15.1個数%含有し、粒
径10.1μm以上の粒子を6.7体積%含有するシャ
ープな粒度分布を有しており、円形度a=0.900以
上の粒子が95.4個数%、円形度a=0.950以上
の粒子が78.3個数%であった。トナーAの粒度分布
及び円形度を表1に示す。
【0207】(トナー製造例2〜4)トナー製造例1の
機械式粉砕機での粉砕条件を変えて微粉砕を行う以外
は、トナー製造例1と同様にして、トナーB〜Dを作製
した。トナーB〜Dの粒度分布及び円形度を表1に示
す。
【0208】 (トナー製造例5) ・スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体 :100部 (Tg63℃、分子量:Mp13000、Mn6500、Mw235000) ・磁性酸化鉄 : 90部 (平均粒子径0.22μm、795.5kA/m磁場での特性Hc5.5kA/ m、σs84Am2/kg、σr5.2Am2/kg) ・モノアゾ系金属錯体(負荷電制御剤) : 2部 ・低分子量エチレン−プロピレン共重合体 : 3部 上記の材料から、トナー製造例1と同様にして、トナー
Eを作製した。トナーEの粒度分布及び円形度を表1に
示す。
【0209】(トナー製造例6〜7)トナー製造例1及
び5において、機械式粉砕機による微粉砕を行う代わり
に、従来の衝突式気流式粉砕機を用いる以外は、トナー
製造例1及び5と同様にして、トナーF〜Gを作製し
た。トナーF〜Gの粒度分布及び円形度を表1に示す。
【0210】<実施例1>次に現像スリーブの表面に導
電性被覆層を塗布するための塗料を作製した。導電性球
状粒子としては、個数平均粒径5.5μmの球状フェノ
ール樹脂100部に、ライカイ機(自動乳鉢、石川工場
製)を用いて、個数平均粒径1.5μm以下の石炭系バ
ルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、酸
化性雰囲気下で熱安定化処理した後に2,200℃で焼
成することにより黒鉛化して得られた導電性の球状炭素
粒子を用いた。この球状炭素粒子は、個数平均粒径5.
0μm、真密度1.50g/cm3、体積抵抗7.5×
10-2Ω・cm、長径/短径比が1.15であり、ユニ
バーサル硬さ値は、被覆層の硬さ値よりも大きかった。
【0211】 ・フェノール樹脂中間体(固形分50%) :180部 ・カーボンブラック : 3部 ・結晶性グラファイト : 27部 ・個数平均粒径5.0μmの球状炭素粒子 : 9部 ・イソプロパノール :150部 上記材料を、サンドミルを用いて分散した。フェノール
樹脂中間体のメタノール溶液の一部にカーボンブラック
と結晶性グラファイトを添加し、ガラスビーズをメディ
ヤとしたサンドミル分散を行った。ここに、残りのフェ
ノール樹脂中間体のメタノール溶液、及び個数平均粒径
5μmの球状炭素粒子を添加し、さらにサンドミル分散
を進め、固形分35%の塗料とした。この塗料をスプレ
ー法にて、外径24.5mmφのアルミ製円筒基体表面
に15μm程度の導電性樹脂被覆層を形成させ、これを
熱風乾燥機にて150℃で30分間乾燥硬化させた後、
♯3000のアルミナコート研磨テープを用いて被覆層
表面に研磨処理を施して、マグネットローラー及びフラ
ンジを装着し、現像剤担持体Iとした。得られた導電性
樹脂被覆層の構成を表2に示す。
【0212】次に、上記トナーA及び現像担持体Iを用
いて、画出し評価を行った。画出しには、キヤノン製複
写機NP6350の改造機を用いて、所定の現像バイア
スを印加して、画出し評価を行った。この現像装置の概
要は図1、画像形成装置の概要は図3に示す通りであ
る。画出しは、23℃,5%RHの常温低湿(N/
L)、及び30℃,80%RHの高温高湿(H/H)環
境下にて、25万枚(250k)まで行った。以下の評
価方法による評価結果を表3〜5に示す。
【0213】[評価方法] (1)画像濃度 ベタ黒画像の濃度を、反射濃度計RD918(マクベス
社製)により反射濃度測定を行い、5点の平均値をとっ
て画像濃度とした。
【0214】(2)カブリ及び反転カブリ ベタ白画像の反射率を測定し、更に未使用の転写紙の反
射率を測定し、(ベタ白画像の反射率の最悪値−未使用
転写紙の反射率の最高値)をカブリ濃度とした。反射率
はTC−6DS(東京電色製)で測定した。ただし、測
定値を目視で判断した場合、1.5以下は目視ではほと
んど確認できないレベル、2.0〜3.0程度はよく見
ると確認できるレベル、4.0を超えると一見してカブ
リが確認できるレベルである。
【0215】(3)スリーブ上トナー帯電量(Q/M)
及びトナー搬送量(M/S) 現像スリーブ上に担持されたトナーを、金属円筒管と円
筒フィルターにより吸引捕集し、その際金属円筒管を通
じてコンデンサーに蓄えられた電荷量Q、捕集されたト
ナー質量Mと、トナーを吸引した面積Sから、単位質量
当たりの電荷量Q/M(mC/kg)と単位面積当たり
のトナー重量M/S(mg/cm2)を計算し、それぞ
れトナー帯電量(Q/M)、トナー搬送量(M/S)と
した。
【0216】(4)ブロッチ(斑点画像) ベタ黒画像及びハーフトーン(HT)画像を現像し、そ
れぞれの画像においてトナーの過剰帯電により発生しや
すいブロッチ(斑点画像)を目視により観察し、評価結
果を下記の指標で示した。 ○ :ブロッチが全くみられない。 △ :HT画像に軽微なブロッチがみられる。 ○△:HT画像にブロッチがややみられるが、実用レベ
ル下限。 △×:ベタ黒画像にもブロッチがみられ、実用不可レベ
ル。 × :ベタ黒画像にも顕著なブロッチがみられる。
【0217】(5)ゴースト ベタ白とベタ黒部が隣り合う画像を画像先端部(スリー
ブ回転1周目)で現像し、2周目以下のハーフトーン画
像上に現れるベタ白跡とベタ黒跡の濃淡差を目視により
観察し、評価結果を下記の指標で示した。 ○ :濃淡差が全く見られない。 ○△:目視で軽微な濃淡差が確認できる。 △ :濃淡差がややはっきりしているが、実用レベル下
限。 △×:濃淡差がはっきり確認でき、実用不可レベル。 × :顕著な濃淡差が確認できる。
【0218】(6)スジ・ムラ ベタ黒画像及びハーフトーン(HT)画像を現像し、そ
れぞれの画像においてスジ・ムラを目視により観察し、
評価結果を下記の指標で示した。 ○ :スジ・ムラが全くみられない。 ○△:HT画像に軽微なスジ・ムラがみられる。 △ :HT画像にスジ・ムラがややみられるが、実用レ
ベル下限。 △×:ベタ黒画像にもスジ・ムラがみられ、実用不可レ
ベル。 × :ベタ黒画像にも顕著なスジ・ムラがみられる。
【0219】(7)導電性被覆層の削れ量(削れ量) 各環境下で画出し評価した後、現像スリーブを取り外
し、レーザー測長器(KEYENCE社製:コントロー
ラLS−5500、センサーヘッドLS5040T)で
外径を測定した。この測定値と、画出し前の現像スリー
ブの外径測定値から導電性被覆層の削れ量を計算し、3
0点の平均値をとって膜削れ(μm)とした。
【0220】(8)トナーによるスリーブ汚染及び融着
(耐汚染及び耐融着) 各環境下で画出し評価した後、現像スリーブを取り外
し、電界放射型−走査型顕微鏡(FE−SEM)により
スリーブ上を観察し、評価結果を下記の指標で示した。 ○ :汚染及び融着が全くみられない。 ○△:軽微な汚染及び融着がみられる。 △ :汚染及び融着がややみられるが、実用レベル下
限。 △×:汚染及び融着がみられ、実用不可レベル。 × :顕著な汚染及び融着がみられる。
【0221】<実施例2>実施例1において、個数平均
粒径5.0μmの球状炭素粒子の代わりに、個数平均粒
径3.5μmの球状炭素粒子を用いた以外は、実施例1
と同様にして現像剤担持体IIを作製し、実施例1と同
様にして評価した。得られた導電性樹脂被服層の構成を
表2、評価結果を表3〜5に示す。
【0222】本発明で用いた個数平均粒径3.5μmの
球状炭素粒子は、個数平均粒径3.7μmの球状フェノ
ール樹脂100部に、ライカイ機(自動乳鉢、石川工場
製)を用いて、個数平均粒径1.0μm以下の石炭系バ
ルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、酸
化性雰囲気下で熱安定処理した後に2,200℃で焼成
することにより黒鉛化して得られた導電性の球状炭素粒
子であり、真密度1.52g/cm3、体積抵抗7.2
×10-2Ω・cm、長径/短径比が1.13であり、ユ
ニバーサル硬さ値は、被覆層の硬さ値よりも大きかっ
た。
【0223】<実施例3>実施例1において、トナーA
の代わりにトナーBを用いた以外は、実施例1と同様に
して評価した。評価結果を表3〜5に示す。
【0224】<実施例4>実施例1において、トナーA
の代わりにトナーCを用いた以外は、実施例1と同様に
して評価した。評価結果を表3〜5に示す。
【0225】<実施例5>実施例1において、トナーA
の代わりにトナーDを用いた以外は、実施例1と同様に
して評価した。評価結果を表3〜5に示す。
【0226】<実施例6>実施例1において、トナーA
の代わりにトナーEを用いた以外は、実施例1と同様に
して評価した。評価結果を表3〜5に示す。
【0227】<比較例1>実施例1において、トナーA
の代わりにトナーFを用いた以外は、実施例1と同様に
して評価した。評価結果を表3〜5に示す。
【0228】<比較例2>実施例1において、トナーA
の代わりにトナーGを用いた以外は、実施例1と同様に
して評価した。評価結果を表3〜5に示す。
【0229】<実施例7>実施例1おいて、帯電制御剤
として、下記式の第4級アンモニウム塩化合物を用い
た以外は、実施例1と同様にして現像剤担持体Vを作製
し、実施例1と同様にして評価した。得られた導電性樹
脂被覆層の構成を表2、評価結果を表3〜5に示す。
【0230】この下記式の第4級アンモニウム塩化合
物について、鉄粉との摩擦帯電量を摩擦帯電量測定器
TB−200型(東芝ケミカル製)を用いてブローオフ
法により測定したところ、正極性であった。
【0231】
【化9】
【0232】<実施例8>実施例1において、帯電制御
剤として、ベンジル酸のアルミニウム化合物を用いた以
外は、実施例1と同様にして現像スリーブVIを作製
し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層
の構成を表2に、評価結果を表3〜5に示す。
【0233】ベンジル酸のアルミニウム化合物として
は、未置換のベンジル酸2molとアルミニウム原子1
molからなる化合物を用いた。
【0234】<比較例3>実施例1において、導電性樹
脂被覆層の形成に用いた球状炭素粒子を用いずに作製し
た塗料を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリ
ーブIXを作製し、実施例1と同様の評価を行った。導
電性樹脂被覆層の構成を表2に、評価結果を表3〜5に
示す。
【0235】<比較例4>実施例1において、導電性樹
脂被覆層の表面処理として、研磨処理を施さなかった以
外は、実施例1と同様にして現像スリーブXIを作製
し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層
の構成を表2に、評価結果を表3〜5に示す。
【0236】<比較例5>実施例1おいて、個数平均粒
径5.0μmの球状炭素粒子の代わりに、個数平均粒径
1.5μmの球状炭素粒子を用いた以外は、実施例1と
同様にして現像剤担持体XIIIを作製し、実施例1と
同様にして評価した。得られた導電性樹脂被覆層の構成
を表2、評価結果を表3〜5に示す。
【0237】本発明で用いた個数平均粒径1.5μmの
球状炭素粒子は、個数平均粒径1.6μmの球状フェノ
ール樹脂100部に、ライカイ機(自動乳鉢、石川工場
製)を用いて、個数平均粒径0.5μm以下の石炭系バ
ルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、酸
化性雰囲気下で熱安定処理した後に2,200℃で焼成
することにより黒鉛化して得られた導電性の球状炭素粒
子であり、真密度1.53g/cm3、体積抵抗7.0
×10-2Ω・cm、長径/短径比が1.11であり、ユ
ニバーサル硬さ値は、被覆層の硬さ値よりも大きかっ
た。
【0238】<比較例6>実施例1において、個数平均
粒径5.0μmの球状炭素粒子の代わりに、個数平均粒
径5.0μmのPMMA粒子を用いた以外は、実施例1
と同様にして現像スリーブXVを作製し、実施例1と同
様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表2に、
評価結果を表3〜5に示す。
【0239】このPMMA粒子は、真密度1.24g/
cm3、体積抵抗1015Ω・cm以上、長径/短径比が
1.06であり、ユニバーサル硬さ値は、被覆層の硬さ
値よりも小さかった。
【0240】<実施例9>配合比を変えて、導電性被覆
層を塗布するための塗料を作製した。導電性球状粒子と
しては、個数平均粒径11.0μmの球状フェノール樹
脂100部に、ライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を
用いて、個数平均粒径3.0μm以下の石炭系バルクメ
ソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、酸化性雰
囲気下で熱安定化処理した後に2,200℃で焼成する
ことにより黒鉛化して得られた導電性の球状炭素粒子を
用いた。この球状炭素粒子は、個数平均粒径10.0μ
m、真密度1.48g/cm3、体積抵抗8.5×10
-2Ω・cm、長径/短径比が1.16であり、ユニバー
サル硬さ値は、被覆層の硬さ値よりも大きかった。
【0241】 ・フェノール樹脂中間体(固形分50%) :200部 ・カーボンブラック : 4部 ・結晶性グラファイト : 36部 ・個数平均粒径5.0μmの球状炭素粒子 : 10部 ・イソプロパノール :179部 上記材料を、サンドミルを用いて分散した。フェノール
樹脂中間体のメタノール溶液の一部にカーボンブラック
と結晶性グラファイトを添加し、ガラスビーズをメディ
ヤとしたサンドミル分散を行った。ここに、残りのフェ
ノール樹脂中間体のメタノール溶液、及び個数平均粒径
10.0μmの球状炭素粒子を添加し、さらにサンドミ
ル分散を進め、固形分35%の塗料とした。この塗料を
スプレー法にて、外径20.0mmφのアルミ製円筒基
体表面に15μm程度の導電性樹脂被覆層を形成させ、
これを熱風乾燥機にて150℃で30分間乾燥硬化させ
た後、♯3000のアルミナコート研磨テープを用いて
被覆層表面に研磨処理を施して、マグネットローラー及
びフランジを装着し、現像剤担持体IIIとした。得ら
れた導電性樹脂被覆層の構成を表2に示す。
【0242】次に、上記トナーA及び現像担持体III
を用いて、画出し評価を行った。画出しには、キヤノン
製プリンタLBP930EXの改造機を用いて、所定の
現像バイアスを印加して、画出し評価を行った。この現
像装置の概要は図2、画像形成装置の概要は図3に示す
通りである。画出しは、15℃,10%RHの低温低湿
(L/L)、及び32.5℃,85%RHの高温高湿
(H/H)環境下にて、3万枚(30k)まで行った。
評価方法については、上記に示したとおりで、評価結果
を表6〜8に示す。
【0243】<実施例10>実施例9おいて、個数平均
粒径10.0μmの球状炭素粒子の代わりに、個数平均
粒径15.0μmの球状炭素粒子を用いた以外は、実施
例9と同様にして現像剤担持体IVを作製し、実施例9
と同様にして評価した。得られた導電性樹脂被服層の構
成を表2、評価結果を表6〜8に示す。
【0244】本発明で用いた個数平均粒径15.0μm
の球状炭素粒子は、個数平均粒径16.5μmの球状フ
ェノール樹脂100部に、ライカイ機(自動乳鉢、石川
工場製)を用いて、個数平均粒径4.0μm以下の石炭
系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆
し、酸化性雰囲気下で熱安定処理した後に2,200℃
で焼成することにより黒鉛化して得られた導電性の球状
炭素粒子であり、真密度1.46g/cm3、体積抵抗
9.0×10-2Ω・cm、長径/短径比が1.17であ
り、ユニバーサル硬さ値は、被覆層の硬さ値よりも大き
かった。
【0245】<実施例11>実施例9において、トナー
Aの代わりにトナーBを用いた以外は、実施例9と同様
にして評価した。評価結果を表6〜8に示す。
【0246】<実施例12>実施例9において、トナー
Aの代わりにトナーCを用いた以外は、実施例9と同様
にして評価した。評価結果を表6〜8に示す。
【0247】<実施例13>実施例9において、トナー
Aの代わりにトナーDを用いた以外は、実施例9と同様
にして評価した。評価結果を表6〜8に示す。
【0248】<実施例14>実施例9において、トナー
Aの代わりにトナーEを用いた以外は、実施例9と同様
にして評価した。評価結果を表6〜8に示す。
【0249】<比較例7>実施例9において、トナーA
の代わりにトナーFを用いた以外は、実施例9と同様に
して評価した。評価結果を表6〜8に示す。
【0250】<比較例8>実施例9において、トナーA
の代わりにトナーGを用いた以外は、実施例9と同様に
して評価した。評価結果を表6〜8に示す。
【0251】<実施例15>実施例9において、帯電制
御剤として、上記式の第4級アンモニウム塩化合物を
用いた以外は、実施例9と同様にして現像剤担持体VI
Iを作製し、実施例9と同様にして評価した。得られた
導電性樹脂被覆層の構成を表2、評価結果を表6〜8に
示す。
【0252】<実施例16>実施例9において、帯電制
御剤として、ベンジル酸のアルミニウム化合物を用いた
以外は、実施例9と同様にして現像スリーブVIIIを
作製し、実施例9と同様の評価を行った。導電性樹脂被
覆層の構成を表2に、評価結果を表6〜8に示す。
【0253】ベンジル酸のアルミニウム化合物として
は、未置換のベンジル酸2molとアルミニウム原子1
molからなる化合物を用いた。
【0254】<比較例9>実施例9において、導電性樹
脂被覆層の形成に用いた球状炭素粒子を用いずに作製し
た塗料を用いた以外は、実施例9と同様にして現像スリ
ーブXを作製し、実施例9と同様の評価を行った。導電
性樹脂被覆層の構成を表2に、評価結果を表6〜8に示
す。
【0255】<比較例10>実施例9において、導電性
樹脂被覆層の表面処理として、研磨処理を施さなかった
以外は、実施例9と同様にして現像スリーブXIIを作
製し、実施例9と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆
層の構成を表2に、評価結果を表6〜8に示す。
【0256】<比較例11>実施例9おいて、個数平均
粒径10.0μmの球状炭素粒子の代わりに、個数平均
粒径20.0μmの球状炭素粒子を用いた以外は、実施
例9と同様にして現像剤担持体XIVを作製し、実施例
9と同様にして評価した。得られた導電性樹脂被覆層の
構成を表2、評価結果を表6〜8に示す。
【0257】本発明で用いた個数平均粒径20.0μm
の球状炭素粒子は、個数平均粒径22.0μmの球状フ
ェノール樹脂100部に、ライカイ機(自動乳鉢、石川
工場製)を用いて、個数平均粒径5.5μm以下の石炭
系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆
し、酸化性雰囲気下で熱安定処理した後に2,200℃
で焼成することにより黒鉛化して得られた導電性の球状
炭素粒子であり、真密度1.44g/cm3、体積抵抗
9.5×10-2Ω・cm、長径/短径比が1.18であ
り、ユニバーサル硬さ値は、被覆層の硬さ値よりも大き
かった。
【0258】<比較例12>実施例9において、個数平
均粒径10.0μmの球状炭素粒子の代わりに、個数平
均粒径10.0μmのPMMA粒子を用いた以外は、実
施例9と同様にして現像スリーブXVIを作製し、実施
例9と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を
表2に、評価結果を表6〜8に示す。
【0259】このPMMA粒子は、真密度1.22g/
cm3、体積抵抗1015Ω・cm以上、長径/短径比が
1.09であり、ユニバーサル硬さ値は、被覆層の硬さ
値よりも小さかった。
【0260】
【表1】
【0261】
【表2】
【0262】
【表3】
【0263】
【表4】
【0264】
【表5】
【0265】
【表6】
【0266】
【表7】
【0267】
【表8】
【0268】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、球形化処理を行ったトナーを用いた場合に現れる、
トナーのチャージアップ現象及びブロッチを防止し、異
なる環境下においても長期に渡って、トナーに適正な帯
電量を与えることのできる現像方法、及びそれを用いた
現像装置、画像形成方法、画像形成装置を提供すること
ができる。また本発明は、異なる環境下においても長期
間に渡って、画像濃度低下、及びカブリの如き問題点が
発生せず、高品位の画像を安定的に得ることができ、ま
た現像剤担持体表面にトナーによるスリーブ汚染及びス
リーブ融着を生じず、スジ・ムラ等の不良画像を発生し
ない現像方法、及びそれを用いた現像装置、画像形成方
法、画像形成装置を提供することができる。また本発明
は、異なる環境下においても長期間に渡って、現像剤担
持体表面の表面粗さの変化を小さくすることにより、現
像剤担持体上のトナーコート量を一定量に制御すること
のできる現像方法、及びそれを用いた現像装置、画像形
成方法、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーと導電性樹脂被覆層を有する現
像剤担持体を用いた、現像装置の模式図である。
【図2】本発明のトナーと導電性樹脂被覆層を有する現
像剤担持体を用いた、現像装置の模式図である。
【図3】本発明の現像装置が用いた、画像形成装置の模
式図である。
【図4】本発明のトナーの製造方法を示すフローチャー
トである。
【図5】本発明のトナーの製造装置システムを示す模式
図である。
【図6】本発明のトナーの粉砕工程に用いた機械式粉砕
機の模式図である。
【図7】本発明の導電性樹脂被覆層の表面粗さRzと凹
凸形成粒子の体積平均粒径Drの関係を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
101: 静電潜像保持体(感光ドラム) 102: 現像剤層厚規制部材(磁性ブレード及び弾性
ブレード) 103: 現像剤容器 104: 現像剤(トナー) 105: 磁石(マグネットローラー) 106: 円筒部材(基体) 107: 導電性樹脂被覆層 108: 現像剤担持体(現像スリーブ) 109〜110、114: 現像剤撹拌翼 111: 現像剤搬送スクリュー 112: 撹拌壁 113: バイアス電源 A: 感光ドラム回転方向 B: 現像スリーブ回転方向 C: 撹拌翼回転方向 D: 現像領域 151: 現像装置 152: 現像剤担持体(現像スリーブ) 153(V1): 現像バイアス電源 154: 転写帯電/除電装置 155(V3): 転写帯電/除電用電源 156: 静電潜像保持体(感光ドラム) 157: 転写材 158: 定着装置 159: クリーニングブレード 160: クリーニング装置 161: イレース露光装置 162: 一次帯電装置 163(V2): 一次帯電用電源 164: アナログ露光又はレーザー光 1: 多分割分級機 2: 第2定量供給機 3: 振動フィーダー 4、5、6、229: 捕集サイクロン 11a、12a、13a: 排出導管 14、15: 入気管 16: 原料供給ノズル 20: 第1気体導入調節手段 21: 第2気体導入調節手段 28、29: 静圧計 65: インジェクションフィーダー 212: 渦巻室 219: パイプ 220: デイストリビュータ 222: バグフィルター 224: 吸引フィルター 301: 機械式粉砕機 302: 粉体排出口 310: 固定子 311: 粉体投入口 312: 回転軸 313: ケーシング 314: 回転子 315: 第1定量供給機 316: ジャケット 317: 冷却水供給口 318: 冷却水排出口 319: 冷却水ホース 320: 後室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋村 正良 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 藤島 健司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 齊木 一紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大竹 智 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA15 EA05 EA10 2H031 AB02 AB03 AC02 AC08 AC10 AC11 AC30 AC31 AC34 AD03 AD09 BA03 BB01 CA11 2H077 AB02 AB03 AB15 AB18 AC02 AD06 AD13 AD18 AD23 AE03 AE05 EA13 FA01 FA13 FA25 FA26 GA02 GA03

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現像剤担持体表面に担持搬送された現像
    剤を、該現像剤担持体と該現像剤担持体に近接、又は圧
    接して配置された現像剤層厚規制部材により薄層に形成
    された現像剤層として、該現像剤担持体により静電潜像
    担持体に対向する現像領域へと担持搬送し、搬送された
    現像剤により該静電潜像担持体上に形成されている静電
    潜像を現像して可視像化する現像方法において、 該現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有し、該
    現像剤の重量平均粒径が5.0乃至12.0μmであ
    り、且つ該現像剤の3μm以上の粒子において、下記式
    (1)より求められる円形度aが0.900以上の粒子
    を個数基準の累積値で90%以上有し、 円形度a=L0/L (1) [式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
    を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。]且つ、 a)カット率Zと現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下
    記式(2)を満足し、 カット率Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、東亜医用電子製フロー式粒子像
    分析装置FPIA−1000で測定される全測定粒子の
    粒子濃度A(個数/μl)、円相当径3μm以上の測定
    粒子濃度B(個数/μl)とした時、式(3)で表され
    る。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    と現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下記式(4)を満
    足する、 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、現像剤の重量平均粒径X:5.0乃至12.0
    μm] 或いは、 b)カット率Zと現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下
    記式(5)を満足し、 カット率Z>5.3×X (5) 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    と現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下記式(6)を満
    足することを特徴とし、 形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 (6) [但し、現像剤の重量平均粒径X:5.0乃至12.0
    μm] 該現像剤担持体は、少なくとも基体及び導電性樹脂被覆
    層を有し、且つ該導電性樹脂被覆層は、少なくとも結着
    樹脂、導電性微粉末、及び体積平均粒径が3.0乃至1
    5μmであり、且つ体積基準の累積値で20μm以上の
    粒子が10%以下である被覆層表面に凹凸を形成するた
    めの粒子を含有し、被覆層表面の十点平均粗さRzと凹
    凸形成粒子の体積平均粒径Drの関係が、下記式(7)
    を満足し、 2μm<十点平均粗さRz≦Dr (7) 且つ、被覆層表面のユニバーサル硬さ値と凹凸形成粒子
    のユニバーサル硬さ値の関係が、下記式(8) 被覆層表面のユニバーサル硬さ値≦凹凸形成粒子のユニバーサル硬さ値 (8) を満足することを特徴とする現像方法。
  2. 【請求項2】 被覆層表面に凹凸を形成するための粒子
    が球状であり、且つ真密度が3g/cm3以下であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の現像方法。
  3. 【請求項3】 被覆層表面に凹凸を形成するための粒子
    が樹脂粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の現像方法。
  4. 【請求項4】 被覆層表面に凹凸を形成するための粒子
    が導電性の粒子であることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載の現像方法。
  5. 【請求項5】 導電性樹脂被覆層は、固体潤滑剤を更に
    含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに
    記載の現像方法。
  6. 【請求項6】 現像容器と、該現像容器に収容された現
    像剤を担持搬送するための現像剤担持体と、該現像剤担
    持体に近接、又は圧接して配置されている現像剤担持体
    上に現像剤の薄層を形成するための現像剤層厚規制部材
    を有し、上記現像剤担持体によって現像剤を静電潜像保
    持体と対向する現像領域へと担持搬送し、該静電潜像保
    持体上に形成された静電潜像を現像剤により現像して可
    視像化する現像装置において、 該現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有し、該
    現像剤の重量平均粒径が5.0乃至12.0μmであ
    り、かつ該現像剤の3μm以上の粒子において、下記式
    (1)より求められる円形度aが0.900以上の粒子
    を個数基準の累積値で90%以上有し、 円形度a=L0/L (1) [式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
    を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。]且つ、 a)カット率Zと現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下
    記式(2)を満足し、 カット率Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、東亜医用電子製フロー式粒子像
    分析装置FPIA−1000で測定される全測定粒子の
    粒子濃度A(個数/μl)、円相当径3μm以上の測定
    粒子濃度B(個数/μl)とした時、式(3)で表され
    る。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    と現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下記式(4)を満
    足する、 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、現像剤の重量平均粒径X:5.0乃至12.0
    μm] 或いは、 b)カット率Zと現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下
    記式(5)を満足し、 カット率Z>5.3×X (5) 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    と現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下記式(6)を満
    足することを特徴とし、 形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 (6) [但し、現像剤の重量平均粒径X:5.0乃至12.0
    μm] 該現像剤担持体は、少なくとも基体及び導電性樹脂被覆
    層を有し、且つ該導電性樹脂被覆層は、少なくとも結着
    樹脂、導電性微粉末、及び体積平均粒径が3.0乃至1
    5μmであり、且つ体積基準の累積値で20μm以上の
    粒子が10%以下である被覆層表面に凹凸を形成するた
    めの粒子を含有し、被覆層表面の十点平均粗さRzと凹
    凸形成粒子の体積平均粒径Drの関係が、下記式(7)
    を満足し、 2μm<十点平均粗さRz≦Dr (7) 且つ、被覆層表面のユニバーサル硬さ値と凹凸形成粒子
    のユニバーサル硬さ値の関係が、下記式(8) 被覆層表面のユニバーサル硬さ値≦凹凸形成粒子のユニバーサル硬さ値 (8) を満足することを特徴とする現像装置。
  7. 【請求項7】 被覆層表面に凹凸を形成するための粒子
    が球状であり、且つ真密度が3g/cm3以下であるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の現像装置。
  8. 【請求項8】 被覆層表面に凹凸を形成するための粒子
    が樹脂粒子であることを特徴とする請求項6又は7のい
    ずれかに記載の現像装置。
  9. 【請求項9】 被覆層表面に凹凸を形成するための粒子
    が導電性の粒子であることを特徴とする請求項6乃至8
    のいずれかに記載の現像装置。
  10. 【請求項10】 導電性樹脂被覆層は、固体潤滑剤を更
    に含有することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか
    に記載の現像装置。
  11. 【請求項11】 外部より電圧を印加した帯電装置によ
    り帯電を行う工程;帯電した静電潜像保持体に静電潜像
    を形成する工程;現像容器内に収容されている現像剤を
    現像剤担持体で担持する工程;該現像剤担持体に担持さ
    れている該現像剤を現像剤層厚規制部材により規制する
    工程;該現像剤担持体に担持されている該現像剤を該現
    像剤担持体と該静電潜像保持体とが対向する現像領域へ
    搬送する工程;該静電潜像保持体上に形成されている静
    電潜像を現像する工程;現像された現像画像を転写手段
    により転写材に移行させて転写させる転写工程;転写材
    上に転写された転写画像を加熱・定着する定着工程;を
    少なくとも有する画像形成方法において、 請求項6乃至10のいずれかに記載の現像装置を用いる
    画像形成方法。
  12. 【請求項12】 外部より電圧を印加した帯電装置によ
    り帯電を行う工程;帯電した静電潜像保持体に静電潜像
    を形成する工程;現像容器内に収容されている現像剤を
    現像剤担持体で担持する工程;該現像剤担持体に担持さ
    れている該現像剤を現像剤層厚規制部材により規制する
    工程;該現像剤担持体に担持されている該現像剤を該現
    像剤担持体と該静電潜像保持体とが対向する現像領域へ
    搬送する工程;該静電潜像保持体上に形成されている静
    電潜像を現像する工程;現像された現像画像を転写手段
    により転写材に移行させて転写させる転写工程;転写材
    上に転写された転写画像を加熱・定着する定着工程;を
    少なくとも有する画像形成装置において、請求項6乃至
    10のいずれかに記載の現像装置を用いる画像形成装
    置。
  13. 【請求項13】 現像剤担持体表面に担持搬送された現
    像剤を、該現像剤担持体と該現像剤担持体に近接、又は
    圧接して配置された現像剤層厚規制部材により薄層に形
    成された現像剤層として、該現像剤担持体により静電潜
    像担持体に対向する現像領域へと担持搬送し、搬送され
    た現像剤により該静電潜像担持体上に形成されている静
    電潜像を現像して可視像化する現像装置に用いられる現
    像剤担持体において、 該現像剤担持体は、少なくとも基体、及び該基体表面に
    形成された樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は、少なく
    とも結着樹脂、導電性微粉末、及び体積平均粒径が3.
    0乃至15μmであり、且つ体積基準の累積値で20μ
    m以上の粒子が10%以下である被覆層表面に凹凸を形
    成するための粒子を含有し、 被覆層表面の十点平均粗さRzと凹凸形成粒子の体積平
    均粒径Drの関係が、下記式(7)を満足し、 2μm<十点平均粗さRz≦Dr (7) 且つ、被覆層表面のユニバーサル硬さ値と凹凸形成粒子
    のユニバーサル硬さ値の関係が、下記式(8) 被覆層表面のユニバーサル硬さ値≦凹凸形成粒子のユニバーサル硬さ値 (8) を満足することを特徴とする現像剤担持体。
  14. 【請求項14】 被覆層表面に凹凸を形成するための粒
    子が球状であり、且つ真密度が3g/cm3以下である
    ことを特徴とする請求項13に記載の現像剤担持体。
  15. 【請求項15】 被覆層表面に凹凸を形成するための粒
    子が樹脂粒子であることを特徴とする請求項13又は1
    4に記載の現像剤担持体。
  16. 【請求項16】 被覆層表面に凹凸を形成するための粒
    子が導電性の粒子であることを特徴とする請求項13乃
    至15のいずれかに記載の現像剤担持体。
  17. 【請求項17】 導電性樹脂被覆層は、固体潤滑剤を更
    に含有することを特徴とする請求項13乃至16のいず
    れかに記載の現像剤担持体。
  18. 【請求項18】 該現像剤は、少なくとも結着樹脂、着
    色剤を含有し、該現像剤の重量平均粒径が5.0乃至1
    2.0μmであり、かつ該現像剤の3μm以上の粒子に
    おいて、下記式(1)より求められる円形度aが0.9
    00以上の粒子を個数基準の累積値で90%以上有し、 円形度a=L0/L (1) [式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
    を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。]且つ、 a)カット率Zと現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下
    記式(2)を満足し、 カット率Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、東亜医用電子製フロー式粒子像
    分析装置FPIA−1000で測定される全測定粒子の
    粒子濃度A(個数/μl)、円相当径3μm以上の測定
    粒子濃度B(個数/μl)とした時、式(3)で表され
    る。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    と現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下記式(4)を満
    足する、 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.654 (4) [但し、現像剤の重量平均粒径X:5.0乃至12.0
    μm]或いは、 b)カット率Zと現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下
    記式(5)を満足し、 カット率Z>5.3×X (5) 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    と現像剤の重量平均粒径Xの関係が、下記式(6) 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 (6) [但し、現像剤の重量平均粒径X:5.0乃至12.0
    μm]を満足することを特徴とする請求項13乃至17
    のいずれかに記載の現像剤担持体。
JP2001120507A 2001-04-19 2001-04-19 現像方法及び現像装置 Expired - Fee Related JP4541584B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001120507A JP4541584B2 (ja) 2001-04-19 2001-04-19 現像方法及び現像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001120507A JP4541584B2 (ja) 2001-04-19 2001-04-19 現像方法及び現像装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002311637A true JP2002311637A (ja) 2002-10-23
JP2002311637A5 JP2002311637A5 (ja) 2008-06-05
JP4541584B2 JP4541584B2 (ja) 2010-09-08

Family

ID=18970529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001120507A Expired - Fee Related JP4541584B2 (ja) 2001-04-19 2001-04-19 現像方法及び現像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4541584B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1528440A2 (en) * 2003-10-31 2005-05-04 Canon Kabushiki Kaisha Developer carrying member and developing apparatus
JP2006259286A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Canon Inc 現像装置
JP2009009162A (ja) * 2008-10-10 2009-01-15 Konica Minolta Business Technologies Inc 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像用トナーの製造方法
EP2151718A3 (en) * 2008-07-29 2011-07-06 Canon Kabushiki Kaisha Developer bearing member and process for producing same, development apparatus and development method

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02306274A (ja) * 1989-04-27 1990-12-19 Canon Inc 現像装置
JPH03200986A (ja) * 1989-10-02 1991-09-02 Canon Inc 現像剤担持体、現像装置及び装置ユニツト
JPH03274581A (ja) * 1990-03-24 1991-12-05 Ricoh Co Ltd トナー担持体の製造方法
JPH08240981A (ja) * 1994-12-28 1996-09-17 Canon Inc 現像剤担持体、現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JPH08305155A (ja) * 1995-04-28 1996-11-22 Canon Inc 現像剤担持体及びそれを用いた現像装置
JPH0950178A (ja) * 1995-08-07 1997-02-18 Canon Inc 現像装置
JPH0980814A (ja) * 1995-09-13 1997-03-28 Canon Inc 画像形成方法
JPH09185246A (ja) * 1995-12-27 1997-07-15 Canon Inc 現像剤担持体および現像装置
JPH09325597A (ja) * 1996-06-05 1997-12-16 Canon Inc 画像形成装置
JPH1031354A (ja) * 1996-07-12 1998-02-03 Canon Inc 現像剤担持体
JPH1138747A (ja) * 1997-07-17 1999-02-12 Brother Ind Ltd 現像装置およびトナー担持体
JP2000112225A (ja) * 1998-10-08 2000-04-21 Canon Inc 現像剤担持体、現像装置及び画像形成装置

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02306274A (ja) * 1989-04-27 1990-12-19 Canon Inc 現像装置
JPH03200986A (ja) * 1989-10-02 1991-09-02 Canon Inc 現像剤担持体、現像装置及び装置ユニツト
JPH03274581A (ja) * 1990-03-24 1991-12-05 Ricoh Co Ltd トナー担持体の製造方法
JPH08240981A (ja) * 1994-12-28 1996-09-17 Canon Inc 現像剤担持体、現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JPH08305155A (ja) * 1995-04-28 1996-11-22 Canon Inc 現像剤担持体及びそれを用いた現像装置
JPH0950178A (ja) * 1995-08-07 1997-02-18 Canon Inc 現像装置
JPH0980814A (ja) * 1995-09-13 1997-03-28 Canon Inc 画像形成方法
JPH09185246A (ja) * 1995-12-27 1997-07-15 Canon Inc 現像剤担持体および現像装置
JPH09325597A (ja) * 1996-06-05 1997-12-16 Canon Inc 画像形成装置
JPH1031354A (ja) * 1996-07-12 1998-02-03 Canon Inc 現像剤担持体
JPH1138747A (ja) * 1997-07-17 1999-02-12 Brother Ind Ltd 現像装置およびトナー担持体
JP2000112225A (ja) * 1998-10-08 2000-04-21 Canon Inc 現像剤担持体、現像装置及び画像形成装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1528440A2 (en) * 2003-10-31 2005-05-04 Canon Kabushiki Kaisha Developer carrying member and developing apparatus
EP1528440A3 (en) * 2003-10-31 2009-12-30 Canon Kabushiki Kaisha Developer carrying member and developing apparatus
US7727619B2 (en) 2003-10-31 2010-06-01 Canon Kabushiki Kaisha Developer carrying member and developing apparatus
JP2006259286A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Canon Inc 現像装置
EP2151718A3 (en) * 2008-07-29 2011-07-06 Canon Kabushiki Kaisha Developer bearing member and process for producing same, development apparatus and development method
US8546051B2 (en) 2008-07-29 2013-10-01 Canon Kabushiki Kaisha Developer bearing member and process for producing same, development apparatus and development method
KR101346509B1 (ko) * 2008-07-29 2013-12-31 캐논 가부시끼가이샤 현상제 담지 부재 및 그의 제조 방법, 현상 장치 및 현상 방법
JP2009009162A (ja) * 2008-10-10 2009-01-15 Konica Minolta Business Technologies Inc 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像用トナーの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4541584B2 (ja) 2010-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4771558B2 (ja) 画像形成方法、磁性トナー及びプロセスユニット
JP2010008878A (ja) 現像剤担持体及び現像装置
JP4541584B2 (ja) 現像方法及び現像装置
JP2000227678A (ja) 負摩擦帯電性トナー及び画像形成方法
JP3392001B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、画像形成方法、トナー用樹脂組成物及びトナー用樹脂組成物の製造方法
JP4464008B2 (ja) 現像方法、及びそれを用いた現像装置、画像形成方法、画像形成装置
JP3571900B2 (ja) 画像形成方法
JP2002091142A (ja) 現像装置、画像形成方法、及び画像形成用一成分系現像剤
JP4035279B2 (ja) 現像方法、現像装置および画像形成装置
JP4280602B2 (ja) 現像方法
JP4011779B2 (ja) 現像装置及び画像形成方法
JP4630619B2 (ja) 現像装置
JP2005181490A (ja) 現像方法、及びそれを用いた現像装置
JP5173127B2 (ja) 現像装置
JPH11149173A (ja) 現像方法
JP2004037602A (ja) 現像剤担持体の製造方法、現像剤担持体、該現像剤担持体を用いた現像装置
JP2004053710A (ja) トナーおよび画像形成方法
JP2002214818A (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP3087000B2 (ja) 画像形成方法
JP2004333681A (ja) 現像方法、現像装置および画像形成装置
JP2000242070A (ja) 画像形成方法
JP4498015B2 (ja) 現像剤担持体の表面特性の評価方法
JP5173122B2 (ja) 現像剤担持体および現像装置
JP2008015076A (ja) 現像剤担持体及び現像装置
JP2009025750A (ja) トナーおよびその製造方法、二成分現像剤、現像装置ならびに画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080416

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100406

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100622

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100624

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4541584

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees