JP2002307255A - パレットの位置決め固定装置および金型の位置決め固定装置 - Google Patents

パレットの位置決め固定装置および金型の位置決め固定装置

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JP2002307255A
JP2002307255A JP2001121066A JP2001121066A JP2002307255A JP 2002307255 A JP2002307255 A JP 2002307255A JP 2001121066 A JP2001121066 A JP 2001121066A JP 2001121066 A JP2001121066 A JP 2001121066A JP 2002307255 A JP2002307255 A JP 2002307255A
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Ittetsu Kuroda
一徹 黒田
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PASCAL CORP
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23QDETAILS, COMPONENTS, OR ACCESSORIES FOR MACHINE TOOLS, e.g. ARRANGEMENTS FOR COPYING OR CONTROLLING; MACHINE TOOLS IN GENERAL CHARACTERISED BY THE CONSTRUCTION OF PARTICULAR DETAILS OR COMPONENTS; COMBINATIONS OR ASSOCIATIONS OF METAL-WORKING MACHINES, NOT DIRECTED TO A PARTICULAR RESULT
    • B23Q1/00Members which are comprised in the general build-up of a form of machine, particularly relatively large fixed members
    • B23Q1/0063Connecting non-slidable parts of machine tools to each other
    • B23Q1/0081Connecting non-slidable parts of machine tools to each other using an expanding clamping member insertable in a receiving hole
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23QDETAILS, COMPONENTS, OR ACCESSORIES FOR MACHINE TOOLS, e.g. ARRANGEMENTS FOR COPYING OR CONTROLLING; MACHINE TOOLS IN GENERAL CHARACTERISED BY THE CONSTRUCTION OF PARTICULAR DETAILS OR COMPONENTS; COMBINATIONS OR ASSOCIATIONS OF METAL-WORKING MACHINES, NOT DIRECTED TO A PARTICULAR RESULT
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パレットの位置決め固定装置および金型の位
置決め固定装置において、パレットや金型をベース体に
対して水平方向と鉛直方向に高精度に位置決め可能で簡
単な構成の位置決め固定装置を提供する。 【解決手段】 パレットの位置決め固定装置1におい
て、ベース体2の上面に水平な環状の受止面14を形成
し、パレット3の下面に受止面14に当接する環状の当
接面37を設け、ベース体2とパレット3のほぼ中央部
にクランプ機構4を設け、クランプ機構4の両側にパレ
ット3を水平方向に位置決め可能な第1位置決め機構5
と、パレット3を鉛直軸回りに回動しないように位置決
め可能な第2位置決め機構6を設け、受止面14と当接
面37とでパレット3を鉛直方向に位置決めし、位置決
め機構5,6で水平方向に位置決めし、クランプ機構4
によりパレット3をベース体2に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、工作機械のテー
ブル側のベース体にワーク固定用パレットを位置決めし
た固定する装置や、成形機械の金型固定面上のベース体
に金型を位置決めして固定する装置に関し、特に位置決
め機構やクランプ機構の数を最少化し且つ構成を簡単化
したものに関する。
【0002】
【従来の技術】 工作機械のうちのマシニングセンタ等
においては、そのテーブル上にベース体を装備したり、
又はテーブル自体としてのベース体を装備したりし、そ
のベース体にワークが固定されたパレットを搬送して、
ベース体に位置決め固定した状態で、ワークに対して機
械加工を行う。また、成形機械においては、その成形機
械に装備されたベース体に金型を位置決め固定してワー
クに成形加工を施す。
【0003】最近、精密機械部品の機械加工において
は、最高1μm程度の加工精度が要求されるようになっ
てきているため、ベース体に対してパレットを位置決め
固定する精度が非常に重要になってきた。即ち、パレッ
トをベース体に位置決め固定する際の誤差に応じてワー
クの加工精度が低下するからである。また、金型を用い
た成形加工においても、高い加工精度が必要となりつつ
あり、金型についてもベース体に対して精度良い位置決
めを行う必要がある。
【0004】従来、特開2000−117572号公報
には、ワーク固定用パレットを旋回させて小角度ずつ割
り出し旋回させ得る形式の位置決め固定装置が記載され
ている。この公報の装置では、パレット支持体にパレッ
トを固定する為のクランプ機構が設けられ、パレット支
持体に対してパレットが鉛直軸心回りに回動しないよう
に規制する位置決めピンがパレット支持体に設けられ、
パレット支持体と共にパレットを割り出し旋回させ得る
ようになっている。クランプ機構は、径拡大可能なコレ
ットを下降駆動してパレットをクランプする構成である
が、パレットの高さ位置と水平位置を高精度に位置決め
する機構は何ら記載されていない。
【0005】また、特開平8−25167号公報には、
テーブル側のベース体とパレットの中央部に1組のクラ
ンプ機構が設けられ、このクランプ機構の周縁に4組の
位置決め機構が設けられた位置決め固定装置が記載され
ている。この装置において、各位置決め機構はベース体
側のテーパー軸部とパレット側のテーパーブッシュを備
え、テーパー軸部にテーパーブッシュを外嵌させてパレ
ットをベース体に対して位置決めする。
【0006】その他のパレット位置決め固定装置とし
て、4組の位置決め固定機構を設け、1組の位置決め固
定機構では 鉛直方向と水平方向に位置決めして固定可
能に構成し、これらとパレット中心に対して反対側にあ
る位置決め機構では鉛直方向とパレット中心を通る鉛直
軸回りの方向に位置決めして固定可能に構成し、残りの
2組の位置決め機構では鉛直方向に位置決めして固定可
能に構成してある。このパレット位置決め固定装置で
は、テーブル側のベース体に、筒軸部と、この筒軸部に
外嵌させたテーパーコレットと、テーパーコレットを上
方へ付勢するバネ部材と、受止面を設け、パレットに設
けたテーパーブッシュをテーパーコレットに密着状に外
嵌させ、テーパーブッシュの下面を受止面に当接させる
ことで、パレットを鉛直方向と水平方向に位置決めす
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 前記特開2000−
117572号公報に記載の装置は、1つのクランプ機
構によりパレットを固定する形式ではあるが、この装置
は、クランプ機構を改良したもので、パレット支持体に
対してパレットを水平方向と鉛直方向に高精度に位置決
めする構成は不明である。この公報の位置決めピンは、
パレット支持体に対するパレットの鉛直軸心回りの回動
位置を決める為のもので、水平方向の高精度の位置決め
用のものではない。
【0008】また、前記特開平8−25167号公報に
記載の装置は、4組の各位置決め機構において、テーパ
ー軸部をテーパーブッシュに外嵌させて位置決めしてい
るが、水平方向に高精度に位置決めするには、テーパー
軸部とテーパーブッシュには非常に高い加工精度が要求
される。さらに、鉛直方向について高精度に位置決めす
るための構成は何ら記載されていない。
【0009】また、前記の4組の位置決め固定機構を有
する装置においては、筒軸部の受止面にテーパーブッシ
ュの下面を当接させて鉛直方向に位置決めし、筒軸部と
テーパーブッシュの間にテーパーコレットを介在させて
水平方向に位置決めし、鉛直方向と水平方向に高精度な
位置決めを実現しているが、4組の位置決め固定機構に
よりパレットをベース体に位置決めして固定するため、
部品数が多く構造も複雑なクランプ機構と位置決め機構
が4組必要となり、パレット位置決め固定装置の構造が
複雑になる。
【0010】しかも、テーパーコレットをベース体側に
装備しているため、テーパーコレットの内外両面の密着
度や摩耗やヘタリなどの影響がベース体上にセットする
全てのパレットに現れるため、パレットに配設された加
工対象物の加工誤差に影響を及ぼすことになり好ましく
ない。本発明の目的は、パレットや金型をベース体に対
して水平方向と鉛直方向に高精度に位置決め可能な簡単
な構造の位置決め固定装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】 請求項1のパレットの
位置決め固定装置は、工作機械のテーブル上に又はテー
ブル自体として配設されるベース体に、ワーク固定用パ
レットを位置決めして解除可能に固定する位置決め固定
装置において、前記ベース体の上面に水平な受止面を形
成すると共に、パレットの下面に前記受止面に当接して
パレットを水平姿勢に位置決め可能な当接面を設け、前
記ベース体とパレットのほぼ中央部にパレットをベース
体側へ引き付けて固定可能な1組のクランプ機構を設
け、前記クランプ機構に対して片側にベース体に対して
パレットを水平方向に位置決めする第1位置決め機構を
設けると共に、クランプ機構に対して他側にベース体に
対してパレットが鉛直軸回りに回動しないように位置決
めする第2位置決め機構を設けたことを特徴とするもの
である。
【0012】パレットを位置決めする際には、ベース体
の上面の水平な受止面にパレットの下面に設けられた当
接面を当接させてパレットを水平姿勢に位置決めし(つ
まり鉛直方向位置を位置決めし)、第1位置決め機構で
ベース体に対してパレットを水平方向に位置決めし、第
2位置決め機構でベース体に対してパレットが鉛直軸回
りに回動しないように位置決めし、1組のクランプ機構
によりパレットをベース体に固定する。尚、受止面はベ
ース体の上面に連続して形成されたものであっても、ベ
ース体の上面の相離れた位置に形成された複数の受止面
により構成されるものであってもよい。
【0013】請求項2のパレットの位置決め固定装置は
請求項1の発明において、前記第1位置決め機構は、ベ
ース体に固定された全周テーパー軸部と、この全周テー
パー軸部に上方から密に外嵌可能にパレットに設けられ
た第1テーパーコレットを有することを特徴とするもの
である。従って、パレットを位置決めする際に、第1テ
ーパーコレットがその径を変化させながら内周面全面で
全周テーパー軸部に密着し、パレットは第1位置決め機
構でベース体に対して水平方向に高精度に位置決めされ
る。
【0014】請求項3のパレットの位置決め固定装置は
請求項2の発明において、前記第2位置決め機構は、ベ
ース体に固定された2面テーパー軸部と、この2面テー
パー軸部に上方から外嵌可能にパレットに設けられた第
2テーパーコレットを有することを特徴とするものであ
る。
【0015】2面テーパー軸部はベース体の中心を通る
鉛直軸回りの円周方向に臨む2面のテーパー面を有し、
パレットを位置決めする際に、第2テーパーコレットは
その径を変化させながらこの2面のテーパー面に密着
し、パレットは第2位置決め機構でベース体に対して鉛
直軸回りに回動しないように位置決めされる。
【0016】請求項4のパレットの位置決め固定装置は
請求項1〜3の何れかの発明において、前記受止面は、
所定の幅のある環状面であって、第1,第2位置決め機
構とほぼ交差する環状面に形成されたことを特徴とする
ものである。従って、パレットを位置決めする際に、こ
の環状面にパレットの当接面が当接し、パレットは水平
姿勢に位置決めされる。
【0017】請求項5のパレットの位置決め固定装置は
請求項3の発明において、前記第1,第2テーパーコレ
ットを夫々下方に弾性付勢する弾性部材を設けたことを
特徴とするものである。従って、第1,第2テーパーコ
レットは夫々下方へ弾性付勢されるため、パレットを位
置決めする際にその径を変化させながら全周テーパー軸
部と2面テーパー軸部に密着し、パレットはベース体に
対して水平方向に位置決めされる。
【0018】請求項6の金型の位置決め装置は、成形機
械の水平又は垂直な金型固定面上に配設されるベース体
に、金型を位置決めして解除可能に固定する位置決め固
定装置において、前記ベース体の金型固定面に水平又は
鉛直な受止面を形成すると共に、金型のベース体側の面
に前記受止面に当接して金型を水平又は鉛直姿勢に位置
決め可能な当接面を設け、前記ベース体と金型のほぼ中
央部に金型をベース体側へ引き付けて固定可能な1組の
クランプ機構を設け、前記クランプ機構に対して片側に
ベース体に対して金型を水平又は鉛直方向に位置決めす
る第1位置決め機構を設けると共に、クランプ機構に対
して他側にベース体に対して金型が鉛直軸又は水平軸回
りに回動しないように位置決めする第2位置決め機構を
設けたことを特徴とするものである。この金型の位置決
め装置は、パレットの代わりに金型を位置決め固定する
点で請求項1と異なるものの、基本的に請求項1のパレ
ットの位置決め装置と同様の作用を有する。
【0019】請求項7の金型の位置決め装置は請求項6
の発明において、前記第1位置決め機構は、ベース体に
固定された全周テーパー軸部と、この全周テーパー軸部
に先端側から密に外嵌可能に金型に設けられた第1テー
パーコレットを有することを特徴とするものである。こ
の金型の位置決め装置は、基本的に請求項2のパレット
の位置決め装置と同様の作用を有する。
【0020】請求項8の金型の位置決め装置は請求項7
の発明において、前記第2位置決め機構は、ベース体に
固定された2面テーパー軸部と、この2面テーパー軸部
に先端側から外嵌可能に金型に設けられた第2テーパー
コレットを有することを特徴とするものである。この金
型の位置決め装置は、基本的に請求項3のパレットの位
置決め装置と同様の作用を有する。
【0021】請求項9の金型の位置決め装置は請求項8
の発明において、前記第1,第2テーパーコレットを夫
々ベース体側に弾性付勢する弾性部材を設けたことを特
徴とするものである。この金型の位置決め装置は、基本
的に請求項5のパレットの位置決め装置と同様の作用を
有する。
【0022】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施形態につい
て説明する。図1〜図4に示すように、パレットの位置
決め固定装置1は、工作機械のテーブル(図示略)上に
配設されるベース板2に機械加工に供するワークを固定
する為のワーク固定用パレット3を位置決めして解除可
能に固定するものである。位置決め固定装置1には、ベ
ース体2と、パレット3のほぼ中央部にパレット3をベ
ース体2側へ引き付けて固定可能な1組のクランプ機構
4と、パレット3をベース体2に対して水平方向に位置
決めする第1位置決め機構5と、パレット3がベース体
2に対して鉛直軸回りに回動しないように位置決めする
第2位置決め機構6が設けられている。
【0023】図3〜図6に示すように、ベース体2は、
工作機械のテーブルに固定された平面視ほぼ正方形のベ
ース板10と、ベース板10の上面の中央部に配設され
た基準体11などからなる。この基準体11には防塵用
の加圧エアを供給するエア通路12も形成されている。
基準体11は、下部の大径部11aと、大径部11aか
ら上方に延びた筒状部11bと、大径部11aの下端に
突出した嵌合部11cを備えている。基準体11の内部
には、シリンダ穴42とクランプ機構4のピストンロッ
ド43bが貫通するロッド挿通孔13が形成されてい
る。
【0024】基準体11は、その嵌合部11cをベース
板10の穴10aに嵌合させた状態で、大径部11aを
貫通する複数のボルトでベース板10に固定されてい
る。大径部11aの上面には、パレット3を受け止めて
パレット3を鉛直方向に位置決めすることでパレット3
を水平姿勢に位置決めする為の水平な受止面14が形成
されている。受止面14にパレット3が当接する際に、
安定的にパレット3を受止面14に密着させる為に、受
止面14は所定の幅のある環状面であって、第1,第2
位置決め機構5,6とほぼ交差する環状面に形成されて
いる。
【0025】大径部11aの上面付近のうち軸心Cに対
して対称な2つの位置には、第1位置決め機構5の第1
テーパーピン60と第2位置決め機構6の第2テーパー
ピン66を収容するための2つの収容穴15,16が設
けられ、各収容穴15,16の下端に連なる凹穴15
a,16aも形成されている。
【0026】筒状部11bには、ロッド挿通孔13から
外周面に貫通する6つの貫通孔17が形成され、これら
貫通孔17の各々には鋼球18を保持した環状のリテー
ナ19が嵌合固定されている。尚、これら筒状部11b
と貫通孔17と鋼球18とリテーナ19は、後述のクラ
ンプ機構4の一部を構成するものである。筒状部11b
の上端部内周面には切削切粉や埃が侵入するのを防ぐダ
ストシール20が設けられている。嵌合部11cの外周
部には封止用のシール部材21が設けられている。
【0027】エア通路12はベース板10に設けられた
エア通路10bに接続され、また、エア通路12はロッ
ド挿通孔13に接続されている。筒状部11bには斜め
上方に貫通する複数のブロー孔22が形成されている。
パレット3をベース体2に固定する際に、エア通路12
に供給された加圧エアはロッド挿通孔13に流れ、複数
のブロー孔22から噴出して、パレット3側をエアブロ
ーして除塵する。
【0028】図1、図5、図6に示すように、パレット
3は、ほぼ正方形のパレット本体30と、ベース体2の
受止面14に当接する当接面37を形成したブッシュ3
1を備えている。パレット本体30の下部には、円筒状
の収容穴30aが下端開放状に形成され、この収容穴3
0aの上端中央部に連なる凹穴30bも形成されてい
る。この収容穴30aには、中央部に円形穴を有する円
板状のブッシュ31が内嵌されて複数のボルト32で固
定されている。収容穴30aの上端にはブッシュ31の
高さ位置調整の為の環状のシムプレート33が装着され
ている。
【0029】円筒状のブッシュ31の下部には軸心Cに
対称に2つの円筒状の収容穴31a,31bが下端開放
状に形成され、この2つの収容穴31a,31bには第
1位置決め機構5の第1テーパーコレット34と、第2
位置決め機構6の第2テーパーコレット35が夫々装着
されている。ブッシュ31の上端部の内周部にはクラン
プ時に鋼球18が係合する係合部36が設けられ、係合
部36は凹穴30bとシムプレート33の内周面よりも
内側に突出している。ブッシュ31の下面には大径部の
受止面14に当接する水平な環状の当接面37が設けら
れている。
【0030】図5に示すように、クランプ機構4はベー
ス体2とパレット3の中央部に設けられ、クランプ機構
4はクランプ力とクランプ解除力を発生させる油圧シリ
ンダ40と、パレット3をベース板2側に引き付ける係
合機構41を備えている。複動式の油圧シリンダ40は
基準体11の中央部の内部に配設され、油圧シリンダ4
0は、基準体11に形成されたシリンダ穴42と、クラ
ンプ力とクランプ解除力を伝達するピストン部材43
と、クランプ力を発生させるクランプ用油室44と、ク
ランプ解除力を発生させるクランプ解除用油室45と、
油圧リーク時にもクランプ状態を維持可能とする複数の
スプリング46とを備えている。
【0031】ピストン部材43はピストン43aとピス
トンロッド43bとを一体形成したものであり、ピスト
ン43aはシリンダ穴42に上下に摺動可能に装着さ
れ、ピストン43aにはシール部材47が設けられ、ピ
ストンロッド43bはロッド挿通孔13を上下に摺動可
能であり、クランプ用油室44を封止する為のシール部
材48も設けられている。ピストンロッド43bの上端
付近部には環状係合部49が設けられ、環状係合部49
の下部には環状の凹部50が設けられている。
【0032】クランプ用油室44はピストン43aの上
側に設けられ、クランプ解除用油室45はピストン43
aの下側に設けられている。シリンダ穴42の下端部に
は、ピストン43aの下限位置を規定するリング部材5
1が装着され、リング部材51は止め輪52で抜け止め
されている。油室44には油路44aから油圧を供給可
能であり、油室45には油路45aから油圧を供給可能
である。シリンダ穴42の上端に連なる複数のスプリン
グ収容穴53が形成され、各スプリング収容穴53には
スプリング46が配設され、これらのスプリング46に
よりピストン43aが下方へ弾性付勢されている。
【0033】係合機構41は、前記の筒状部11bと、
6つの貫通孔17と、6つの鋼球18と、6つのリテー
ナ19を備えており、次のように構成されている。各鋼
球18は貫通孔17に内嵌されたリテーナ19に径方向
へ可動に保持されている。クランプ時には、鋼球18が
ピストンロッド43bの環状係合部49で外側へ押動さ
れてブッシュ31の係合部36に係合し、クランプ解除
時には鋼球18が内側へ移動してピストンロッド43b
の凹部50に部分的に収容される。
【0034】図6に示すように、第1位置決め機構5は
クランプ機構4の片側に設けられ、この第1位置決め機
構5は、ベース体2に固定された第1テーパーピン60
と、第1テーパーピン60の全周テーパー軸部61に上
方から密に外嵌可能にパレット3に設けられた第1テー
パーコレット34を備えている。
【0035】第1テーパーピン60は、上半部の全周テ
ーパー軸部61と、下半部の小径軸部62とを一体形成
したものである。全周テーパー軸部61の外周面は上方
程径の小さいテーパー面61aに形成され、全周テーパ
ー軸部61の下端部は円柱状に形成されている。全周テ
ーパー軸部61の下端部は大径部11aの収容穴15に
嵌合され、小径軸部62が凹穴15aに内嵌され、小径
軸部62はボルト63で基準体11に固定されている。
【0036】図6〜図8に示すように、第1テーパーコ
レット34の外周面は円筒面に形成され、テーパーコレ
ット34の内周面は全周テーパー軸部61のテーパー面
61aに密着可能に上方程小径化するテーパー面に形成
されている。テーパーコレット34には、円周4等分位
置の各々において、上端開放溝34aと、下端開放溝3
4bと、これらの溝の間の弾性変形部34cが形成さ
れ、テーパーコレット34は、4つの弾性変形部34c
の弾性変形を介して径拡大方向へ弾性変形可能である。
尚、円周3等分位置に、上端開放溝34aと、下端開放
溝34bと、弾性変形部34cを形成してもよい。
【0037】このテーパーコレット34はブッシュ31
の収容穴31aに上下摺動可能に密着状に内嵌され、ブ
ッシュ31の収容穴31aの上端にはテーパーコレット
34の上端との間にテーパーコレット34を下方へ弾性
付勢する皿バネ64が設けられている。テーパーコレッ
ト34はブッシュ31から脱離しないように下端で止め
輪65により係止されている。
【0038】第1位置決め機構5においてベース体2に
対してパレット3を位置決めする時には、クランプ機構
4によりパレット3がベース体2へ引き付けられると、
第1テーパーコレット34の内周面が全周テーパー軸部
61のテーパー面61aに密着し、テーパーコレット3
4の外周面がブッシュ31の収容穴31aの内周面に密
着してベース体2に対してパレット3は水平方向に高精
度に位置決めされる。
【0039】図6に示すように、第2位置決め機構6は
クランプ機構4に対して第1位置決め機構5と反対側に
設けられ、この第2位置決め機構6は、ベース体2に固
定された第2テーパーピン66と、第2テーパーピン6
6の2面テーパー軸部67に上方から外嵌可能にパレッ
ト2に設けられた第2テーパーコレット35を備えてい
る。
【0040】第2テーパーピン66は、上半部の2面テ
ーパー軸部67と、下半部の軸状の小径軸部68とを一
体形成したものである。2面テーパー軸部67の外周面
には、前後に上方程径の小さい2つのテーパー面67a
と左右に夫々2つの鉛直面67bが形成され、2面テー
パー軸部67の下端部は円柱状に形成されている。2面
テーパー軸部67の下端部は大径部11aの収容穴16
に収容され、小径軸部68が凹穴16aに内嵌され、小
径軸部68はボルト69で基準体11に固定されてい
る。
【0041】第2テーパーコレット35の外周面は円筒
面に形成され、テーパーコレット35の内周面は2面テ
ーパー軸部67の2つのテーパー面67aに密着可能に
上方程径が小さいテーパー面に形成されている。第2テ
ーパーコレット35は第1テーパーコレット34と同様
の構造のものである。このテーパーコレット35はブッ
シュ31の収容穴31bに上下摺動可能に内嵌され、ブ
ッシュ31の収容穴31bの上端にはテーパーコレット
35の上端との間にテーパーコレット35を下方へ弾性
付勢する皿バネ70が装着されている。テーパーコレッ
ト35はブッシュ31から脱離しないように下端で止め
輪71により係止されている。
【0042】第2位置決め機構6においてベース体2に
対してパレット3を位置決めする時には、クランプ機構
4によりパレット3がベース体2へ引き付けられると、
第2テーパーコレット35の内周面の前側部分と後側部
分が2面テーパー軸部67の前後の2つのテーパー面6
7aに密着し、テーパーコレット35の外周面がブッシ
ュ31の内周面に密着して、第1位置決め機構5を中心
としてパレット3が前後に回動しないように、つまり、
ベース体2に対してパレット3は鉛直軸回りに回動しな
いように位置決めされる。
【0043】次に前記のパレットの位置決め固定装置1
の作用を説明する。パレット3にワークを取り付け、図
5、図6に示すように、そのパレット3をベース体2上
へ搬送して筒状部11bの先端部を凹穴30bに挿入
し、第1テーパーコレット34を全周テーパー軸部61
に合致させ且つ第2テーパーコレット35を2面テーパ
ー軸部67に合致させる。
【0044】次に、クランプ解除用油室45に油圧を供
給しない状態でクランプ用油室40に油圧を供給し、油
圧によりピストン43aを下方へ駆動させると、ピスト
ンロッド43bも下方へ移動する。そのため、環状係合
部49により凹部50に部分的に収容されていた複数の
鋼球18が外側へ押し出され、各鋼球18はブッシュ3
1の係合部36に係合してクランプ力をブッシュ31に
作用させるためパレット3はベース体2に固定される。
【0045】第1位置決め機構5において、図6のクラ
ンプ解除状態においては、第1テーパーコレット34は
皿バネ64により下方へ弾性付勢されており、テーパー
コレット34はブッシュ31に対して下限に位置してい
る。クランプ駆動時にパレット3が下降すると、テーパ
ーコレット34は弾性変形部34cの弾性変形を介して
全周テーパー軸部61のテーパー面61aに密着した状
態を保持しながらブッシュ31に対して相対的に上方へ
摺動する。ベース体2の水平な受止面14にパレット3
の当接面37が当接して、パレット3が水平姿勢に位置
決めされたときに、テーパーコレット34の内周面は全
周テーパー軸部61のテーパー面61aに密着し、テー
パーコレット34の外周面はブッシュ31の収容穴31
bの内周面に密着しているため、ベース体2に対してパ
レット3は水平方向に高精度に位置決めされる(図9、
図10参照)。
【0046】第2位置決め機構6においては、図6のク
ランプ解除状態において、第2テーパーコレット35は
皿バネ70により下方に弾性付勢されてブッシュ31に
対して下限に位置している。クランプ駆動時にパレット
3が下降すると、テーパーコレット35は弾性変形部の
弾性変形を介して2面テーパー軸部67の2つのテーパ
ー面67aに密着した状態を保持しながらブッシュ31
に対して相対的に上方へ摺動する。
【0047】このとき、テーパーコレット35は2面テ
ーパー軸部67の鉛直面67bとの間に微小の隙間を有
する。ベース体2の水平な受止面14にパレット3の当
接面37が当接して、パレット3が水平姿勢に位置決め
されたときに、テーパーコレット35の内周面の前側部
分と後側部分は2面テーパー軸部67の前後のテーパー
面67aに密着し、テーパーコレット35の外周面はブ
ッシュ31の収容穴31bの内周面に密着し、ベース体
2に対してパレット3は鉛直軸回りの回動が拘束される
(図9、図10参照)。
【0048】前記のように、パレット3は、第1位置決
め機構5でベース体2に対して水平方向に高精度に位置
決めされ、第2位置決め機構6でベース体2に対して鉛
直軸回りに回動しないように位置決めされるので、パレ
ット3はベース体2に対して水平方向に高精度に位置決
めされることになる。また、ベース体2の受止面14に
パレット3の当接面37が当接してパレット3はベース
体2に対して鉛直方向にも高精度に位置決めされる。
【0049】図9,図10に示す状態から、パレット3
の固定を解除するには、クランプ用油室44の油圧を抜
き、クランプ解除用油室45に油圧を供給すると、ピス
トン43aの下面に作用する油圧力がスプリング46の
弾性力に抗してピストン43aを上方に駆動し、ピスト
ンロッド43bも上方へ移動する。このため、環状係合
部49も上方へ移動して、環状係合部49により外側へ
押動されていた鋼球18が内側へ移動し、鋼球18は凹
部50に部分的に収容される。従って、鋼球18とブッ
シュ31の係合は解除され、パレット3はベース体2か
ら離れて上方へ外される。
【0050】以上説明したパレットの位置決め固定装置
1によれば、次の効果が得られる。ベース体2の受止面
14にパレット3の当接面37を当接させてパレット3
を水平姿勢に位置決めでき、第1位置決め機構5でベー
ス体2に対してパレット3を水平方向に高精度に位置決
めでき、第2位置決め機構6でベース体2に対してパレ
ット3を鉛直軸回りに回動しないように高精度に位置決
めできるので、パレット3をベース体2に対して水平方
向と鉛直方向に高精度に位置決めすることができ、鉛直
軸回りに回動しないように高精度に位置決めすることが
できる。
【0051】2つの位置決め機構5,6でパレット3を
ベース体2に対して水平方向に位置決めし、ベース体2
とパレット3のほぼ中央部に設けた1組のクランプ機構
4でパレット3をベース体2側に引き付けて固定できる
ので、多数の部品で構成され構造が複雑なクランプ機構
と位置決め機構の数を少なくすることができ、パレット
の位置決め固定装置1の構造を簡略化することができ
る。
【0052】第1テーパーコレット34と第2テーパー
コレット35は共にパレット3に設けられているため、
パレット3の繰り返し使用によりテーパーコレット3
4,35に摩耗やヘタリが生じた場合でも、ベース体2
はその影響を受けないため、他のパレット3を位置決め
固定した場合は、その位置に誤差が生じることがない。
ベース体2の受止面14は、所定の幅のある環状面であ
って、位置決め機構5,6とほぼ交差する環状面に形成
されているので、安定的にパレット3を受止面14に密
着させてパレット3を鉛直方向に位置決めすることがで
きる。
【0053】ブッシュ31にテーパーコレット34,3
5を夫々下方に弾性付勢する皿バネ64,70を設けた
ので、テーパーコレット34は全周テーパー軸部61の
テーパー面61aに密着し、テーパーコレット35は2
面テーパー軸部67の2つのテーパー面67aに密着し
て、パレット3をベース体2に対して水平方向に高精度
に位置決めすることができる。
【0054】次に前記実施形態を部分的に変更する種々
の変更形態について説明する。 1)テーパーコレット34,35を夫々下方に弾性付勢
する手段としては、皿バネの代わりにその他のバネ部
材、ゴム製の弾性部材、合成樹脂製の弾性部材、さらに
はガススプリングや油圧シリンダの何れかを適用するこ
とも可能である。
【0055】2)図11に示すようなパレットの位置決
め固定装置に本発明を適用してもよい。図11におい
て、前記実施形態と同様のものについては同じ符号を使
用し説明を省略する。この位置決め固定装置1Aには、
ベース体2Aと、パレット3Aのほぼ中央部にパレット
3Aをベース体2A側へ引き付けて固定可能な1組のク
ランプ機構4Aと、パレット3Aをベース体2Aに対し
て水平方向に位置決めする第1位置決め機構5と、パレ
ット3Aがベース体2Aに対して鉛直軸回りに回動しな
いように位置決めする第2位置決め機構6が設けられて
いる。
【0056】ベース体2Aの基準体11Aは上部基準体
80と下部基準体81とを備え、上部基準体80は下部
の大径部80aと大径部80aから上方に延びた筒状部
80bなどで構成され、下部基準体81は、大径部81
aと、大径部81aから上方に延びた筒状部81bと、
大径部81aの下端に突出した嵌合部81cなどで構成
されている。下部基準体81の筒状部81bは上部基準
体80の大径部80a及び筒状部80bの内部に内嵌さ
れている。基準体11Aは、下部基準体81の嵌合部8
1cにおいてベース板10に嵌合された状態で、上部基
準体80と下部基準体81を貫通するボルト(図示略)
でベース板10に固定されている。
【0057】上部基準体80の大径部80aの上面に
は、パレット3Aを受け止める水平な受止面14Aが形
成され、受止面14Aは所定の幅のある環状面であっ
て、第1,第2位置決め機構5,6とほぼ交差する環状
面に形成されている。筒状部80bの内部には鋼球18
の移動をガイドし、後述の係合機構の一部を成す環状の
ガイド部材82が装着されている。筒状部80bの上端
部には内側へ鍔部83が形成され、ガイド部材82は鍔
部83により上方への移動を係止されている。
【0058】大径部80aの上面において、軸心84に
対して対称な2つの位置には、第1位置決め機構5の第
1テーパーピン60と第2位置決め機構6の第2テーパ
ーピン66を収容するための2つの収容穴15,16が
設けられ、各収容穴15,16の下端に連なる凹穴15
a,16aも形成されている。
【0059】下部基準体81の内部には、クランプ機構
4Aのピストンロッド101bが貫通するロッド挿通孔
85が形成され、ロッド挿通孔85の上端部内周面には
切削切粉や埃が侵入するのを防ぐダストシール86が設
けられている。嵌合部81cの外周部には封止用のシー
ル部材87が設けられている。
【0060】パレット3Aは、ほぼ正方形のパレット本
体30と、ベース体2Aの受止面14Aに当接する当接
面37Aを形成したブッシュ31Aを備えている。パレ
ット本体30は前記実施形態と同様のものであり、パレ
ット本体30の下部に形成された収容穴30aにブッシ
ュ31Aが内嵌されてボルトで固定されている。
【0061】円筒状のブッシュ31Aの下部には軸心8
4に対称に第1,第2テーパーコレット34,35が装
着される2つの円筒状の収容穴31a,31bが下端開
放状に形成されている。ブッシュ31Aの下部の軸心8
4付近には上部基準体80の筒状部80bが収容される
凹穴91が下端開放状に形成され、凹穴91の中央部に
は、下方に突出する係合軸部92が形成されている。こ
の係合軸部92の上下方向途中部には首状に小径化した
小径部92aが形成され、小径部92aの先端側にはク
ランプ時にクランプ機構4Aの鋼球18が係合するテー
パー状の係合部92bが形成されている。また、ブッシ
ュ31Aの下面には上部基準体80の大径部80aの受
止面14Aに当接する水平な環状の当接面37Aが設け
られている。
【0062】クランプ機構4Aはベース体2Aとパレッ
ト3Aの中央部に設けられ、クランプ機構4Aはクラン
プ力とクランプ解除力を発生させる油圧シリンダ40A
と、パレット3Aをベース板10側に引き付ける係合機
構41Aを備えている。複動式の油圧シリンダ40Aは
下部基準体81の中央部の内部に配設され、油圧シリン
ダ40Aは、下部基準体81に形成されたシリンダ穴1
00と、クランプ力とクランプ解除力を伝達するピスト
ン部材101と、クランプ力を発生させるクランプ用油
室103と、クランプ解除力を発生させるクランプ解除
用油室104とを備えている。
【0063】ピストン部材101は環状のピストン10
1aと筒軸状のピストンロッド101bとを一体形成し
たものである。ピストン101aはシリンダ穴100に
上下に摺動可能に装着され、ピストン101aにはシー
ル部材105が設けられている。ピストンロッド101
bはロッド挿通孔85の内部に上下に摺動自在に挿通さ
れ、クランプ用油室103を封止する為のシール部材1
06も設けられている。ピストンロッド101bの上端
部付近には、内周面から外周面へ貫通する例えば6つの
貫通孔107が形成され、これら貫通孔107の各々に
は鋼球18を保持した環状のリテーナ108が嵌合固定
されている。
【0064】ピストン部材101の内部には、切削片や
塵などの侵入を防ぐために筒状のスリーブ部材111が
上下摺動自在に装着され、スリーブ部材111の内部に
はこのスリーブ部材111を上方へ弾性付勢するスプリ
ング112が配設され、スリーブ部材111の下端はス
プリング112を受けるスプリング受け部材113に当
接し、スプリング受け部材113はピストン101aの
内部に螺合されている。このスリーブ部材111は、パ
レット3Aがベース体2Aから離れている状態では、ス
プリング112によりピストンロッド101bの上端ま
で駆動され、ピストン部材101の内部に切削片や塵な
どが侵入するのを防止する。パレット2Aのアンクラン
プ状態及びクランプ状態においては、係合軸部92の下
端面がスリーブ部材111の上端面に当接し、パレット
3Aの自重によりスリーブ部材111はスプリング11
2に抗して下方へ押し下げられる。
【0065】係合機構41Aは、前記のガイド部材82
と、ブッシュ31Aに形成された係合軸部92と、ピス
トンロッド101Bに形成された6つの貫通孔107
と、6つの鋼球18と、6つのリテーナー108などに
より構成されている。ガイド部材82の上半部の内周面
にはクランプ時の鋼球18の軸心84側への移動をガイ
ドするテーパー面82aが形成され、テーパー面82a
の下端には鋼球18を軸心84側へ駆動する環状係合部
82bが形成されている。各鋼球18は貫通孔107に
内嵌されたリテーナー108に径方向へ可動に保持され
ている。クランプ時にピストンロッド101bが下降す
ると、それに伴って鋼球18はガイド部材82のテーパ
ー面82aに沿って軸心84側へ移動し、その後、環状
係合部82bに係合して軸心84側へ押動され、鋼球1
8は係合軸部92の係合部92bに係合してクランプ力
をブッシュ31Aを介してパレット3Aに伝達する。
【0066】第1位置決め機構5と第2位置決め機構6
は前記実施形態と同様のものであり、第1テーパーピン
60と第2テーパーピン66は夫々大径部80aの収容
穴15,16に収容されボルト63,69で基準体11
Aに固定されている。
【0067】この位置決め固定装置1Aの作用について
説明すると、クランプ解除用油室104に油圧を供給し
ない状態でクランプ用油室103に油圧を供給し、油圧
によりピストン101aを下方へ駆動させると、ピスト
ンロッド101bも下方へ移動する。そのため、ピスト
ンロッド101bに径方向に可動に装着された鋼球18
はガイド部材82のテーパー面82aに沿って軸心84
側へ移動し、その後、環状係合部82bと係合して軸心
84側へ押動され、鋼球18は係合軸部92に形成され
たテーパー状の係合部92bに係合する。このため、ク
ランプ力が鋼球18、ブッシュ31Aを介してパレット
3Aに伝達され、パレット3Aはベース体2A側へ引き
付けられて固定される。
【0068】このときに、ベース体2Aの受止面14A
にパレット3Aの当接面37Aが当接して、パレット3
Aはベース体2Aに対して鉛直方向に高精度に位置決め
される。第1位置決め機構5と第2位置決め機構6によ
る水平方向の位置決めについては前記実施形態と同様で
あり、説明を省略する。
【0069】このパレットの位置決め固定装置1Aによ
れば、前記実施形態と同様に、ベース体2Aの受止面1
4Aにパレットの当接面37Aを当接させてパレット3
Aを鉛直方向に位置決めでき、第1位置決め機構5と第
2位置決め機構6により、パレットを水平方向に高精度
に位置決めできる。さらに、クランプ状態で、ブッシュ
31Aの凹穴91に収容される上部基準体80の筒状部
80aは比較的短いため、パレット3Aの交換時には、
パレット3Aを少し上昇させるだけでベース体2Aから
外すことができる。
【0070】3)図12のように、パレットの位置決め
固定装置1Bのベース体2Bにおいて、クランプ機構4
Bに対してパレットを水平方向に位置決めする第1位置
決め機構5Bを設けると共に、クランプ機構4Bに対し
て他側にパレットを鉛直軸周りに回動しないように位置
決めする第2位置決め機構6Bを設け、さらにクランプ
機構4Bの両側に2つの位置決め機構120,121を
設けてもよい。各位置決め機構5B,6B,120,1
21はベース体2Bに設けられた受止面と、パレットに
設けられた当接面を有し、受止面に当接面を当接させて
夫々鉛直方向にパレットを位置決めすることができる。
尚、位置決め機構120,121はパレットを鉛直方向
にのみ位置決め可能なものであっても、第1,第2位置
決め機構5B,6Bのように鉛直方向と水平方向に位置
決め可能なものであってもよい。
【0071】4)前記実施形態及びその変更形態におい
ては、クランプ機構として、鋼球を介してクランプする
形式のクランプ機構を例として説明したが、クランプ機
構は前記のものに限定されるものではなく、既存の周知
の種々のクランプ機構を適用可能である。 5)前記実施形態及びその変更形態においては、ベース
体を工作機械のテーブルに固定する場合を例として適用
したが、テーブル自体として配設されるベース体を適用
することも可能である。
【0072】6)前記位置決め装置1やその変更形態を
成形機械(プレス機械や射出成形機など)の金型を位置
決めして固定する装置に適用してもよい。この金型の位
置決め固定装置は、成形機械の水平又は鉛直な金型固定
面上に配設されるベース体に、金型を位置決めして解除
可能に固定する位置決め固定装置である。例えば、金型
を水平な金型固定面上に固定する場合は、前記ベース体
の上面に水平な受止面を形成すると共に、金型の下面に
前記受止面に当接して金型を水平姿勢に位置決め可能な
当接面を設け、前記ベース体と金型のほぼ中央部に金型
をベース体側へ引き付けて固定可能な1組のクランプ機
構を設け、前記クランプ機構の片側にベース体に対して
金型を水平方向に位置決めする第1位置決め機構を設け
ると共に、クランプ機構の他側にベース体に対して金型
が鉛直軸回りに回動しないように位置決めする第2位置
決め機構を設けるものとする。
【0073】前記パレット3の代わりに金型を採用した
構成であるので、この金型の位置決め固定装置におけ
る、前記受止面、当接面、クランプ機構、第1位置決め
機構、第2位置決め機構は、前記実施形態のものと同様
で、同様の作用、効果を奏すものである。それ故、詳し
い説明は省略する。
【0074】
【発明の効果】 請求項1の発明に係るパレットの位置
決め固定装置によれば、ベース体の受止面とパレットの
当接面との当接を介してパレットを水平姿勢に位置決め
可能にし、ベース体とパレットのほぼ中央部に1組のク
ランプ機構を設け、クランプ機構に対する片側にパレッ
トを水平方向に位置決めする第1位置決め機構を設け、
クランプ機構に対する他側にベース体に対してパレット
が鉛直軸回りに回動しないように位置決めする第2位置
決め機構を設けたので、次の効果が得られる。
【0075】ベース体の受止面にパレットの当接面を当
接させるという簡単な構成でもってパレットを水平姿勢
に(つまり、鉛直方向位置を)位置決めできる。また、
第1位置決め機構でベース体に対してパレットを水平方
向に位置決めでき、第2位置決め機構でベース体に対し
てパレットが鉛直軸回りに回動しないように位置決めで
きるため、パレットをベース体に対して鉛直方向と水平
方向に高精度に位置決めできる。
【0076】このように、1組のクランプ機構と、2つ
の位置決め機構を設ければよいので、多数の部品で構成
され構造が複雑なクランプ機構と位置決め機構の数を最
少限まで少なくして、パレットの位置決め固定装置の構
成を簡略化し、その製作費を格段に安価にすることがで
きる。
【0077】請求項2の発明によれば、第1位置決め機
構は、ベース体に固定された全周テーパー軸部と、この
全周テーパー軸部に上方から密に外嵌可能にパレットに
設けられた第1テーパーコレットを有するので、パレッ
トの位置決め時に、第1テーパーコレットがその径を変
化させながら内周面全面で全周テーパー軸部に密着し、
パレットを第1位置決め機構でベース体に対して水平方
向に高精度に位置決めすることができる。
【0078】特に、第1テーパーコレットはパレットに
設けられているため、繰り返し使用により第1テーパー
コレットに摩耗やヘタリが生じた場合でも、ベース体は
その影響を受けないため、他のパレットを位置決め固定
する場合にその位置に誤差が生じることがない。その他
請求項1と同様の効果を有する。
【0079】請求項3の発明によれば、第2位置決め機
構は、ベース体に固定された2面テーパー軸部と、この
2面テーパー軸部に上方から外嵌可能にパレットに設け
られた第2テーパーコレットを有するので、パレットの
位置決め時に、第2テーパーコレットはその径を変化さ
せながらこの2面のテーパー面に密着し、パレットを第
2位置決め機構でベース体に対して鉛直軸回りに回動し
ないように位置決めすることができる。
【0080】特に、第2テーパーコレットはパレットに
設けられているため、パレットの繰り返し使用により第
2テーパーコレットに摩耗やヘタリが生じた場合でも、
ベース体はその影響を受けないため、他のパレットを位
置決め固定した場合には、その位置に誤差が生じること
がない。その他請求項2と同様の効果を有する。
【0081】請求項4の発明によれば、受止面は、所定
の幅のある環状面であって、第1,第2位置決め機構と
ほぼ交差する環状面に形成されたので、受止面を大きく
形成して安定的にパレットを受止めてパレットを鉛直方
向に位置決めすることができる。その他請求項1〜3の
何れかと同様の効果を有する。
【0082】請求項5の発明によれば、パレットの位置
決め固定装置に、第1,第2テーパーコレットを夫々下
方に弾性付勢する弾性部材を設けたので、第1テーパー
コレットと第2テーパーコレットは夫々下方へ弾性付勢
され、パレットの位置決め時に第1テーパーコレットは
その径を変化させながら全周テーパー軸部に密着し、第
2テーパーコレットはその径を変化させながら2面テー
パー軸部のテーパー面に密着し、パレットはベース体に
対して水平方向に高精度に位置決めされる。その他請求
項3と同様の効果を有する。
【0083】請求項6の発明の金型の位置決め固定装置
によれば、ベース体上に金型を位置決め固定する際に、
請求項1の位置決め固定装置と同様の効果を有する。請
求項7の発明の金型の位置決め固定装置によれば、請求
項2の位置決め固定装置と同様の効果を有する。その他
請求項6と同様の効果を有する。
【0084】請求項8の発明の金型の位置決め固定装置
によれば、請求項3のパレットの位置決め固定装置と同
様の効果を有する。その他請求項7と同様の効果を有す
る。請求項9の発明の金型の位置決め固定装置によれ
ば、請求項4のパレットの位置決め固定装置と同様の効
果を有する。その他請求項8と同様の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のパレットの位置決め固定装
置の分解斜視図である。
【図2】パレットの平面図である。
【図3】前記の位置決め固定装置の正面図である。
【図4】ベース体の平面図である。
【図5】位置決め固定装置(固定解除状態)の図2のA
−A線断面図である。
【図6】位置決め固定装置(固定解除状態)の図2のB
−B線断面図である。
【図7】第1、第2テーパーコレットの斜視図である。
【図8】第1、第2テーパーコレットの断面図である。
【図9】位置決め固定装置(固定状態)の図5相当図で
ある。
【図10】位置決め固定装置(固定状態)の図6相当図
である。
【図11】変更形態のパレットの位置決め固定装置の縦
断面図である。
【図12】変更形態の図4相当図である。
【符号の説明】
1,1A,1B パレットの位置決め固定装置 2,2A,2B ベース体 3,3A パレット 4,4A,4B クランプ機構 5,5B 第1位置決め機構 6,6B 第2位置決め機構 11,11A 基準体 14,14A 受止面 31,31A ブッシュ 34 第1テーパーコレット 35 第2テーパーコレット 37,37A 当接面 40,40A 油圧シリンダ 43a,101a ピストン 43b,101b ピストンロッド 61 全周テーパー軸部 64 皿バネ 67 2面テーパー軸部 70 皿バネ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作機械のテーブル上に又はテーブル自
    体として配設されるベース体に、ワーク固定用パレット
    を位置決めして解除可能に固定する位置決め固定装置に
    おいて、 前記ベース体の上面に水平な受止面を形成すると共に、
    パレットの下面に前記受止面に当接してパレットを水平
    姿勢に位置決め可能な当接面を設け、 前記ベース体とパレットのほぼ中央部にパレットをベー
    ス体側へ引き付けて固定可能な1組のクランプ機構を設
    け、 前記クランプ機構に対して片側にベース体に対してパレ
    ットを水平方向に位置決めする第1位置決め機構を設け
    ると共に、クランプ機構に対して他側にベース体に対し
    てパレットが鉛直軸回りに回動しないように位置決めす
    る第2位置決め機構を設けたことを特徴とするパレット
    の位置決め固定装置。
  2. 【請求項2】 前記第1位置決め機構は、ベース体に固
    定された全周テーパー軸部と、この全周テーパー軸部に
    上方から密に外嵌可能にパレットに設けられた第1テー
    パーコレットを有することを特徴とする請求項1に記載
    のパレットの位置決め固定装置。
  3. 【請求項3】 前記第2位置決め機構は、ベース体に固
    定された2面テーパー軸部と、この2面テーパー軸部に
    上方から外嵌可能にパレットに設けられた第2テーパー
    コレットを有することを特徴とする請求項2に記載のパ
    レットの位置決め固定装置。
  4. 【請求項4】 前記受止面は、所定の幅のある環状面で
    あって、第1,第2位置決め機構とほぼ交差する環状面
    に形成されたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに
    記載のパレットの位置決め固定装置。
  5. 【請求項5】 前記第1,第2テーパーコレットを夫々
    下方に弾性付勢する弾性部材を設けたことを特徴とする
    請求項3に記載のパレットの位置決め固定装置。
  6. 【請求項6】 成形機械の水平又は垂直な金型固定面上
    に配設されるベース体に、金型を位置決めして解除可能
    に固定する位置決め固定装置において、 前記ベース体の金型固定面に水平又は鉛直な受止面を形
    成すると共に、金型のベース体側の面に前記受止面に当
    接して金型を水平又は鉛直姿勢に位置決め可能な当接面
    を設け、 前記ベース体と金型のほぼ中央部に金型をベース体側へ
    引き付けて固定可能な1組のクランプ機構を設け、 前記クランプ機構に対して片側にベース体に対して金型
    を水平又は鉛直方向に位置決めする第1位置決め機構を
    設けると共に、クランプ機構に対して他側にベース体に
    対して金型が鉛直軸又は水平軸回りに回動しないように
    位置決めする第2位置決め機構を設けたことを特徴とす
    る金型の位置決め固定装置。
  7. 【請求項7】 前記第1位置決め機構は、ベース体に固
    定された全周テーパー軸部と、この全周テーパー軸部に
    先端側から密に外嵌可能に金型に設けられた第1テーパ
    ーコレットを有することを特徴とする請求項6に記載の
    金型の位置決め固定装置。
  8. 【請求項8】 前記第2位置決め機構は、ベース体に固
    定された2面テーパー軸部と、この2面テーパー軸部に
    先端側から外嵌可能に金型に設けられた第2テーパーコ
    レットを有することを特徴とする請求項7に記載の金型
    の位置決め固定装置。
  9. 【請求項9】 前記第1,第2テーパーコレットを夫々
    ベース体側に弾性付勢する弾性部材を設けたことを特徴
    とする請求項8に記載の金型の位置決め固定装置。
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