JP2002305965A - 植物育成培地製造装置、植物育成培地製造方法、及び植物育成培地 - Google Patents

植物育成培地製造装置、植物育成培地製造方法、及び植物育成培地

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JP2002305965A
JP2002305965A JP2001116834A JP2001116834A JP2002305965A JP 2002305965 A JP2002305965 A JP 2002305965A JP 2001116834 A JP2001116834 A JP 2001116834A JP 2001116834 A JP2001116834 A JP 2001116834A JP 2002305965 A JP2002305965 A JP 2002305965A
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sludge
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plant growing
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Hirotaka Sato
裕隆 佐藤
Shinichi Tsunoda
真一 角田
Hidekazu Kobori
英和 小堀
Kazuo Kato
和生 加藤
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Sumitomo Forestry Co Ltd
Original Assignee
SUMIRIN NOSAN KOGYO KK
Sumitomo Forestry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱水汚泥から安定的に植物育成培地を製造す
ることができる植物育成培地製造方法を提供する。 【解決手段】 脱水汚泥から植物育成培地を製造する植
物育成培地製造方法であって、脱水汚泥を所定の条件を
満たすまで1次発酵を促進させる第1の発酵過程と、1
次発酵が完了した脱水汚泥を堆積させて、2次発酵を促
進させる第2の発酵過程と、2次発酵が完了した脱水汚
泥を破砕撹拌して造粒する造粒過程と、造粒した脱水汚
泥を加熱して乾燥する乾燥過程とを有することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浄水処理を行う場
合に発生する浄水汚泥等から植物育成培地を製造する植
物育成培地製造装置及び植物育成培地製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】浄水場における通常の処理装置は、図4
に示すように原水W1から上水W2を生成するまでに、
沈砂池21、沈殿池22、急速ろ過池23が順に配置さ
れている。沈殿池22では凝集沈殿剤としてアルミニウ
ム化合物(ポリ塩化アルミニウムや硫酸アルミニウム
等)が添加され、重力により沈殿した汚泥は、濃縮槽2
4にて重力により濃縮され、さらに濃縮された汚泥を脱
水装置25にて脱水される。そして脱水して得られた発
生土A7は廃棄されるのが一般的である。この脱水した
後の発生土を脱水汚泥(浄水ケーキ、脱水ケーキ、浄水
スラッジ等とも呼ばれる)と呼ぶ。急速ろ過池23で
は、沈殿池22で十分に除去できなかった物質が取り除
かれ、特に濾過砂の触媒作用により水中からマンガンが
酸化除去される。これらは、定期的に行われる逆洗によ
り濾過砂から剥離され、初期工程へ戻され、結果として
汚泥処理工程を経て脱水汚泥として排出される。脱水汚
泥はその多くが埋め立て処分されていたが、近年、処分
用地の確保が難しくなり、植物育成培地として加工し、
農業、園芸、緑化等の分野で有効利用するケースが増加
している。
【0003】脱水汚泥の農業利用については、「浄水処
理ケーキ:特性と農業利用上の問題点」日本土壌肥料学
会編(博友社)に詳細に記載されている。脱水汚泥を植
物育成培地として利用するために、次のような問題点が
挙げられる。 浄水処理の過程で添加される、凝集剤(ポリ塩化アル
ミニウム、硫酸アルミニウム)によって、発生土中のア
ルミニウム含有量が著しく高くなり、脱水汚泥が著しい
リン酸欠乏土壌となる。 これは、土壌中の遊離アルミニウムがリン酸と容易に結
合し、リン酸アルミニウムとなり、リン酸を不可給化す
るためである。 原水中の浮遊物質に含まれる天然由来のマンガンが、
脱水汚泥中のマンガン含量を高める。 原水由来の有機物が含まれ、分解によって脱水汚泥及
び培養土中の成分が変化する。 有機物が過剰に多い場合や原水中の窒素含有量が高い
場合など、脱水汚泥中の窒素含有量が過剰となり、EC
(電気伝導度)が高くなる。 雑草の種子や病原菌が混入する。 独特の臭気がある。 脱水汚泥の物理性に変動がある。 発生量に時期的変動がある。
【0004】リン酸欠乏の問題については、リン酸吸収
係数が2000mg/リットルでマンガン含有量が低い
脱水汚泥に燐酸肥料を添加する方法(特願平8−250
463)などによって解決される。
【0005】また、マンガンを過剰に含む脱水汚泥を利
用して植物育成培地を得る方法には、脱水汚泥に牛糞堆
肥、籾殻を添加し、25〜30℃で一定期間インキュベ
ートしてから利用する方法(日本土壌肥料学会誌 第6
4巻 第4幕(1993)P.385−392)がある
が、この方法は、製造効率が悪く、工業的に大量の植物
育成培地を生産するのに適さない。脱水汚泥中に過剰量
のマンガンを含む脱水汚泥を用いて工業的に大量の植物
育成培地を製造する方法としては、ゼオライト、軽量気
泡コンクリート、コーラルなどを混合する方法(特開平
7−227144)等によってマンガン過剰障害の発生
を低減させることができる。
【0006】また、脱水汚泥中の有機物の分解による成
分の変化、雑草種子や病原菌の混入等の問題を解決する
方法として、堆積発酵処理を行う方法(特開平10−1
55358)等が知られているが、浄水発生土中の有機
物含有量は10〜20%と一般的な堆肥の原料等に比ベ
て低く、しかも時期的に変動するため、場合によっては
十分な発酵温度が得られない場合がある。これを防ぐた
めに有機物としてバーク堆肥等を添加して、発酵を促進
する方法が考えられるが、添加する有機物の種類や特性
によって発酵の程度が異なり、品質が一定の脱水汚泥を
得ることが難しい。
【0007】一方、培養土を製造した場合、含水率が高
い場合培養土中に含まれる有機物や肥料成分が微生物の
活動等によって変化し、その結果培養土の電気伝導度や
無機態窒素含有量が過剰に高くなるなどして、植物の成
育を抑制する場合がある。植物の成育を抑制しないまで
も、培養土製造後の成分変動の発生は、製品の品質安定
上好ましくない。このような弊害が発生する培養土の含
水率は一般に20%以上である。
【0008】このような変動を押さえるためには微生物
の活動を抑制するために低温で保存する方法や乾燥して
含水率を低下させる方法などがある。脱水汚泥を乾燥し
て培養土として利用する方法として、特開平7−222
997等が開示され、実用化もされているが、脱水汚泥
を直接乾燥処理した場合、造粒しにくい、培養土として
利用するときに潅水すると臭気が発生する、培養土とし
て使用し始めてから有機物が分解しその結果植物の成育
を阻害する等の問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、脱水汚
泥を植物育成培地の原料として用いるには多くの問題点
があり、この問題点を解決するために、種々の方法が提
案されている。しかしながら、前述した製造方法では、
工業的に大量の植物育成培地を安定して製造することが
できないという問題がある。特に、河川等から取水した
水を浄水処理することによって発生する汚泥の成分は、
ばらつくことが多いため、結果的に植物育成培地へ加工
した後に成分が変動する原因となり、安定した植物育成
培地を製造することができない。さらに、良い植物育成
培地を製造するには、所望の状態になるように造粒を行
う必要があるが、脱水汚泥に対して増粘剤等を添加して
造粒を行った場合であっても粒が硬く締まってしまい保
水性が不足するという問題もある。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、脱水汚泥が有する有機物による弊害、理化学
性の変動、臭気、雑草や植物病原菌の混入の問題を発生
することなく、安定的に植物育成培地を製造することが
できる植物育成培地製造装置、植物育成培地製造方法を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、脱水汚泥から植物育成培地を製造する植物育成培地
製造装置であって、前記植物育成培地製造装置は、前記
脱水汚泥を所定の条件を満たすまで発酵を促進させる発
酵槽と、前記発酵槽における発酵が完了した脱水汚泥を
破砕撹拌して造粒を行う造粒機とを備えたことを特徴と
する。
【0012】請求項2に記載の発明は、前記植物育成培
地製造装置は、前記造粒機によって造粒された脱水汚泥
を加熱して乾燥させる乾燥機をさらに備え、前記発酵槽
は、前記乾燥機から排出される排気を用いて空気圧入及
び加温する手段を有することを特徴とする。
【0013】請求項3に記載の発明は、前記植物育成培
地製造装置は、発電施設を有する浄水処理場に設置さ
れ、この浄水処理場の沈殿池から発生する浄水汚泥から
植物育成培地を製造する場合に、前記発電施設の廃熱を
前記乾燥機に供給して該乾燥機で用いる熱源とすること
を特徴とする。
【0014】請求項4に記載の発明は、脱水汚泥から植
物育成培地を製造する植物育成培地製造方法であって、
前記植物育成培地製造方法は、前記脱水汚泥を所定の条
件を満たすまで発酵させる発酵過程と、前記発酵過程に
よる発酵が完了した脱水汚泥を造粒する造粒過程とを有
することを特徴とする。
【0015】請求項5に記載の発明は、脱水汚泥から植
物育成培地を製造する植物育成培地製造方法であって、
前記植物育成培地製造方法は、前記脱水汚泥を所定の条
件を満たすまで1次発酵を促進させる第1の発酵過程
と、前記1次発酵が完了した脱水汚泥を堆積させて、2
次発酵を促進させる第2の発酵過程と、前記2次発酵が
完了した脱水汚泥を破砕撹拌して造粒する造粒過程と、
造粒した脱水汚泥を加熱して乾燥する乾燥過程とを有す
ることを特徴とする。
【0016】請求項6に記載の発明は、前記第1の発酵
過程は、必要に応じて前記乾燥過程から排出された排気
を用いて空気圧入及び加温を行うことを特徴とする。
【0017】請求項7に記載の発明は、前記植物育成培
地製造方法は、発電施設を有する浄水処理場の沈殿池か
ら発生する浄水汚泥から植物育成培地を製造する場合に
用いられ、前記発電施設の廃熱を前記乾燥機過程で用い
る熱源とすることを特徴とする。
【0018】請求項8に記載の発明は、前記第1の発酵
過程において1次の発酵をさせる脱水汚泥の含水率は、
45%以上65%以下であることを特徴とする。
【0019】請求項9に記載の発明は、前記第1の発酵
過程は、発酵させる脱水汚泥の温度を60℃以上70℃
以下に保ち、かつ、発酵開始時点の含水率を保つことを
特徴とする。
【0020】請求項10に記載の発明は、前記乾燥過程
は、造粒された脱水汚泥の温度が60℃以上100℃以
下になるように加熱することを特徴とする。
【0021】請求項11に記載の発明は、脱水汚泥から
製造する植物育成培地であって、前記植物育成培地は、
造粒物の硬さが2mm以上で、耐水性団粒が60%以上
で、保水性が60g/100ml以上であることを特徴
とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態による
植物育成培地製造装置及び植物育成培地製造方法を図面
を参照して説明する。初めに、図3を参照して、本発明
の一実施形態による植物育成培地製造装置と浄水処理装
置との関連を説明する。図3は、植物育成培地製造装置
と浄水処理装置との関連を示す説明図である。この図に
おいて、図4に示す従来の装置と同一の部分には同一の
符号を付し、その説明を省略する。図3示す装置が従来
の装置と異なる点は、濃縮槽24によって濃縮された濃
縮汚泥から植物育成培地Aを製造する植物育成培地製造
装置1が設けられている点である。この植物育成培地製
造装置1の構成を、図1を参照して説明する。
【0023】図1は、植物育成培地製造装置1の構成を
示す模式図である。この図において、符号2は、濃縮槽
24において濃縮された濃縮汚泥を加圧して脱水する加
圧脱水機である。符号3は、脱水汚泥を解砕する解砕機
である。符号4は、解砕された脱水汚泥に対して、1次
の発酵を促進させる発酵槽である。符号5は、1次の発
酵が完了した脱水汚泥を堆積させて2次の発酵を促進さ
せる堆積場である。符号6は、2次の発酵が完了した脱
水汚泥を加熱することにより乾燥させる乾燥機である。
符号7は、乾燥した脱水汚泥を粉砕する粉砕機である。
符号8は、脱水汚泥に添加する副資材を蓄積する副資材
ホッパーである。符号9,10は、粉砕された脱水汚泥
と副資材の量を計量する計量器である。符号11は、計
量器9、10によって計量された脱水汚泥と副資材を混
合するための水平回転羽根式混合機や二軸式混練機等の
混合機である。符号12は、副資材が混合された脱水汚
泥の造粒と乾燥を行う造粒・乾燥機である。
【0024】符号13は、造粒・乾燥された脱水汚泥を
冷却するとともに脱塵する冷却・脱塵機である。符号1
4は、造粒された脱水汚泥の粒を選別する振動篩機であ
る。符号15、16は、コンプレッサーであり、造粒・
乾燥機12の排気を濃縮槽24、発酵槽4へ供給するた
めに用いられる。符号17は、植物育成培地製造装置1
が設置される浄水処理場に設置された発電施設であり、
この発電施設17から発生する廃熱を乾燥機6と造粒・
乾燥機12の熱源として用いられる。符号Aは、植物育
成培地製造装置1が製造した植物育成培地である。符号
A1は、加圧脱水機2によって得られた脱水汚泥であ
り、A2〜A6は、各装置によって状態が変化した脱水
汚泥を示している。符号B1〜B4は、ベルトコンベア
である。
【0025】次に、図2を参照して、図1に示す植物育
成培地製造装置1が脱水汚泥から植物育成培地を製造す
る工程を説明する。図2は、植物育成培地を製造する工
程を示すフローチャートである。まず、沈殿池22で沈
殿した汚泥を濃縮槽へ移し、濃縮槽24において、濃縮
する。濃縮槽24では、重力によって汚泥の濃縮が行わ
れる。
【0026】次に、濃縮槽24で濃縮された汚泥を加圧
脱水機2によって脱水する(ステップS1)。このと
き、脱水によって得られる脱水汚泥A1の含水率は45
%以上65%以下、好ましくは50%以上60%以下に
なるように脱水される。ここでいう含水率とは、湿量基
準含水率のことであり、湿量基準含水率u’=(Wu−
Wo)/Wuで求められる。ここで、Wuは、測定時の
重さであり、Woは全乾時の重さである。この含水率が
45%以下では含水率が低すぎ、後工程の2次発酵工程
で発酵が十分に進まない。また、脱水汚泥が過剰に圧縮
された状態となり、脱水汚泥の保水性が低く植物育成培
地として好ましい物理性が得られない。さらに、後工程
の解砕工程で過剰に細かく粉砕されるため透水性不良等
の原因となる。一方、含水率が65%以上では、脱水汚
泥が過剰に軟らかいため後工程の解砕処理が難しい。ま
た、粘性が高く土粒子が互いに密着し易いため通気性が
不良となり、発酵が促進されない。脱水汚泥の含水率
は、汚泥の性状や水温に応じて加圧脱水機2ヘの汚泥圧
入圧力と圧入時間、圧搾工程の圧力及び処理時間により
調節する。続いて、脱水汚泥A1はべルトコンべアB1
によって解砕機3へ送られる。
【0027】なお、濃縮槽24における汚泥の濃縮過
程、あるいは濃縮槽24から加圧脱水機2へ移行する間
で汚泥を加温するようにしてもよい。一般的に汚泥の温
度が高いほど脱水効率が高まるので、冬季など水温が低
く、加圧脱水の処理条件を最適にしても目的とする物理
性を有する脱水汚泥が得難い場合、加温することによっ
て容易に脱水が可能となる。この加温処理の熱源として
は、後述する1次発酵処理の廃熱あるいは、乾燥工程の
廃熱を利用することができる。例えば、1次発酵工程あ
るいは加熱乾燥工程から排気された排ガスを濃縮汚泥中
に圧送、バブリングする方法や熱交換機を介して温水あ
るいは蒸気を生成し、濃縮汚泥槽内に配した配管を通し
て汚泥を温める方法などを用いることが可能である。
【0028】次に、解砕機2は、脱水処理された脱水汚
泥を直ちに解砕する(ステップS2)。脱水後直ちに解
砕することによって、石などの解砕に不適な異物の混入
を防ぐことができる。解砕機2は、脱水汚泥専用の解砕
機を適用することが可能であるが、通常脱水汚泥の解砕
に用いられるものならいずれのものでもよい。ここで行
われる解砕は粒度分布が12mm以下となるように行
う。これは、含水率が前述の範囲内である脱水汚泥を解
砕する場合、解砕刃のピッチが10mm以上15mm以
下のものを用いることで造成される。解砕刃のピッチが
10mm以下では、解砕された脱水汚泥が細かくなりす
ぎ、通気不良、透水不良の原因となるだけでなく、解砕
効率も低下する。15mm以上では、解砕されて得られ
た脱水汚泥の粒径が粗すぎるため培養土原料としての加
工に適さない。ここで解砕された脱水汚泥A2はべルト
コンべアB2によって発酵槽4へ送られる。
【0029】次に、発酵槽4によって脱水汚泥A2を1
次発酵させる(ステップS3)。発酵槽4では、造粒・
乾燥機12の排気をコンプレッサー16によって供給す
ることにより、脱水汚泥の加温と空気圧入が行われ、こ
れにより発酵を促進させる。すなわち、強制的に温度を
上げ、さらに微生物の活動に必要な酸素を付加すること
によって、脱水汚泥中の微生物の活動を活発にし、発酵
を確実に行うようにする。脱水汚泥の加温と通気は通常
堆肥等の発酵促進に用いられるいずれの方法で行っても
よいが、発酵槽の底に空気圧入用のパイプを配設し、造
粒・乾燥機12の排気を配設したパイプを通して脱水汚
泥中に通気する方法が望ましい。この方法によるとエネ
ルギーの浪費を防ぐだけでなく、加熱乾燥工程で発生す
る粉塵と脱水汚泥特有の臭気を脱水汚泥中に通すことに
よって取り除くことができる。
【0030】発酵槽4における脱水汚泥A3の温度は6
0℃以上70℃以下となるように行うのが好ましく、ま
た、含水率が50%以上60%以下となるように散水を
行うなどして調節する。脱水汚泥A3の発酵中に活動す
る微生物を供給するために1次発酵処理の完了した脱水
汚泥A3の一部を1次発酵工程の始めに戻し、発酵させ
ていない脱水汚泥A2と混合するようにしてもよい。ま
た、1次発酵の処理期間は3日以上2週間以下が望まし
い。なお、1次の発酵工程においては、必要に応じて空
気の圧入及び加温するものであり、加温しなくとも脱水
汚泥の温度が上昇するような場合は、加温する必要はな
い。ここで必要なのは、脱水汚泥の温度を60℃以上7
0℃以下に保ち、かつ、含水率を50%以上60%以下
に保つことである。
【0031】次に、発酵槽4において1次発酵工程が完
了した脱水汚泥A3は、堆積場5へへ送られる。この搬
送は、べルトコンべアで自動的に送る方法やショべルロ
ーダー等の機械を用いる方法、または、浄水場と堆積場
5が離れているときはトラック等で輸送する方法がとら
れる。
【0032】次に、1次発酵が完了した脱水汚泥A3
は、堆積場5において、堆積させて2次発酵させる(ス
テップS4)。堆積場5は十分な面積が得られ、施設内
での雑草の繁茂を防ぐためのコンクリート等で舗装した
土場と施設周辺からの雑草種子の飛来を防ぐための、ネ
ットや擁壁からなる。さらに、好ましくは降雨による脱
水汚泥の含水率変動を防ぐために堆積場5の一部あるい
は全部に屋根を有することが望ましい。
【0033】堆積場5の面積は、脱水汚泥の年間発生量
(Vs)、脱水汚泥の月別発生量(Vsm)、植物育成
培地製品の月別需要比率(Pm)、植物育成培地中の脱
水汚泥配合割合(Rs)、堆積高さ(H)、堆積形状係
数(Cp)、管理通路等余裕係数(Cf)から概ね計算
される。月別発生量は既存の浄水場の場合は数年間の実
績から得られ、新規浄水場の場合は同流域の他の浄水場
との比較、水質の変動等から概ね推測される。植物育成
培地製品の月別需要比率は事業計画から設定する。植物
育成培地中の脱水汚泥配合割合は事業計画から設定す
る。堆積高さはとくに制限がなく任意に設定するが2m
以上3.5m以下が望ましい。堆積形状係数は脱水汚泥
を堆積する形状によって決定され、円錐状、三角柱状、
擁壁を設けて四角柱状にする等、体積場所の設備に応じ
て設定される。管理通路等余裕係数は切返し用の機械が
通る通路や擁襞部分等脱水汚泥を配置しない部分の面積
の割合等から任意に設定する。計算式を下記に示す。 月別汚泥使用量Csm=V6×(Pm1〜Pm12) 堆積場面積Ap=Max(Csm1−Vsm1、Csm
2−Vsm2、・・・・・Csm12−Vsm12)/
H/Cp×Cf
【0034】2次発酵工程は、1次発酵工程で十分に発
酵が促進された脱水汚泥を追熟させる工程である。1次
発酵工程で60以上70℃以下の温度で発酵していた脱
水汚泥は常温にさらされることにより1次発酵工程より
低温で発酵を継続され、有機物の分解、無機態窒素の安
定化が促進する。また、2次発酵工程中には適度な頻度
で切返しを行い、堆積した脱水汚泥A4の中心部が嫌気
的になるのを防止する。2次発酵工程は1月以上行うこ
とが望ましく、1月以下では脱水汚泥中の窒素成分の硝
化が十分進まず、処理が不十分となる。なお、堆積場5
に脱水汚泥A3を堆積させる前に、脱水汚泥A3の成分
を分析して、この分析結果に応じて、堆積させる場所が
異なるようにしてもよい。例えば、肥料成分が多い脱水
汚泥と肥料成分が少ない脱水汚泥とを異なる場所に堆積
させ、2次の発酵工程が完了し、副資材を混合する時点
で、主原料となる脱水汚泥の成分が常に一定になるよう
に、肥料成分の多いものと少ないものとを混合し、この
脱水汚泥に副資材をさらに混合する。このようにするこ
とによって、製品の品質を一定に保つことが可能とな
る。
【0035】次に、2次発酵工程が完了した脱水汚泥を
乾燥機6へ送り、加熱乾燥させる(ステップS5)。乾
燥機6の熱源は、発電施設17の廃熱を用いる。そし
て、乾燥させた脱水汚泥を粉砕機7によって粉砕する
(ステップS6)。これらの工程は直径5mm以下程度
の細かい粒状物からなる培養土を得る場合に必要な工程
である。乾燥機6は、粉砕に可能な程度まで含水率を低
下させることができればいずれのものでもよく、ロータ
リードライヤーが最も一般的である。この乾燥工程によ
って脱水汚泥は、乾燥処理により含水率20%以下まで
下げられ、さらに粉砕工程によって粉砕される。粉砕工
程は、得られる粒径が4mm以下、好ましくは2mm以
下になるように粉砕する。これより大きい粒径の場合は
その後の造粒工程でその他の原料と均一に混合し難くな
り、造粒処理により得られる粒状物の粒径が揃い難い。
なお、乾燥工程(ステップS5)、及び粉砕工程(ステ
ップS6)は必要に応じて実施する工程であり、必要な
ければ行う必要はない。
【0036】次に、混合機11は、2次発酵が完了した
脱水汚泥A4または、粉砕機7によって粉砕された脱水
汚泥と、副資材の混合を行う(ステップS7)。副資材
は、堆肥、ピートモス、ココファイバー等の有機質資
材、パーライト、バーミキュライト、ベントナイト、ゼ
オライト等の無機質資材、窒素、リン酸、加里、石灰等
の肥料、廃糖蜜、PVA等の増粘剤あるいは接着剤があ
る。これらの副資材を添加するためには、添加に適した
形態に調整する必要がある。例えば、ピートモスは圧縮
成型されたブロックで梱包されているため、ほぐして篩
にかけ、粒径を調整する必要がある。また、廃糖蜜やP
VAは水で希釈し、散布、均一混合しやすく調整する必
要がある。これらの副資材は副資材ホッパー8に予めス
トックされている。
【0037】副資材の混合は、まず計量器9、10によ
って主原料である脱水汚泥と副資材とを混合したときに
所定の割合となるように計量する。計量方法として、例
えばホッパーの切り出し口の面積とベルトコンベアのス
ピードから容量を計量する方法、ロードセルを用いて重
量を測定し予め測定した比重から容量を計算する方法、
一定の計量用容器で量り取る方法等が適用できる。
【0038】そして、計量器9、10によって計量され
た主原料と副資材を混合機11へ投入して混合する。混
合方法は、混合機11によって混合する方法に加え、土
場に広げた原材料をショベルローダー等の産業用機械で
切返しながら混合するようにしてもよい。また、造粒物
を得る場合は、造粒に適度な含水率となるように水を添
加する。添加する水の量は原材料の含水率、造粒方法等
に応じて決められる。また、造粒効率を向上させたり、
粒状物の強度(崩壊し難さ)を高めたりするために、原
材料の特性に応じて増粘剤、接着剤を散布しても良い。
このとき、脱水汚泥を発酵処理してあると汚泥の粘性が
増し、増粘剤、接着剤の添加量が少なくても容易に造粒
することができる。混合機11によって副資材が混合さ
れた脱水汚泥A5はベルトコンベアB3によって造粒・
乾燥機12へ送られる。
【0039】次に、粒状物からなる培養土を製造する場
合は、造粒・乾燥機12によって造粒と(ステップS
8)、加熱乾燥を行う(ステップS9)。乾燥工程では
品温が60℃以上100℃に以下になるように保つ。こ
の結果、雑草の種子、植物病原菌が殺減される。乾燥処
理後の植物育成培地の含水率は20%以下、好ましくは
10%以下がよい。含水率が20%以上では、硝酸化が
完全に抑制できず製品保管時に植物育成培地内の肥料成
分が変化するため好ましくない。なお、ここで用いる造
粒・乾燥機12には、ロータリー型乾燥機を用いると、
造粒と乾燥を同時に行うことができる。また、造粒と乾
燥を別にして実施する場合の造粒機として、転勤型造粒
機、圧縮型造粒機、撹拌型造粒機、押し出し型造粒機が
適用可能である。また、脱水汚泥と副原料の混合物の物
理性を著しく変えることなく乾燥させる場合は、静置型
乾燥機を用いるのが望ましい。
【0040】この乾燥工程で発生する排気は1次発酵工
程及び、あるいは汚泥の加温に用いられる。排気と同時
に発生する粉塵と臭気は汚泥中に通気させることによっ
て汚泥に吸着され除去することが可能である。
【0041】次に、造粒・乾燥機12によって造粒され
た混合物A6は、ベルトコンベアB4によって、冷却・
脱塵機13へ送られる。冷却・脱塵機13は、混合物A
6の冷却及び脱塵を行う(ステップS10)。冷却・脱
塵機13は、混合物A6に対して強制的に通気すること
によって、同時に粉塵の除去を行う。粉塵の除去にはス
クリーン式除塵装置なども用いることが可能である。冷
却工程は加熱乾燥後の混合物A6を冷却する工程である
ため、常温に曝して品温を気温程度まで低下させるよう
にしてもよい。
【0042】次に、冷却・脱塵された混合物を振動篩機
14によって粒径の選別を行う(ステップS11)こと
によって、製品である植物育成培地Aが完成する。振動
篩機14を通過させることによって粒径の著しく大きな
粒状物や透水性不良の原因となる粉塵を除去して、植物
育成培地として好ましくない粒状物を取り除く。振動篩
機14によって得られる粒状物の粒径は、目開き12m
mの篩を通過するものが好ましく、さらに目開き1mm
以下を取り除くのが好ましい。
【0043】最後に、振動篩機14によって選別された
植物育成培地Aを袋等に詰め、配達に適した荷姿に梱包
する(ステップS12)。そして、梱包された製品は、
出荷されるまで、出荷先や製品の種類別に区別されて保
管する。前述した工程を経て製造された植物育成培地
は、培養土が乾燥しているため、微生物による分解が起
きず、製品の品質が安定し、長期の保管が可能となる。
【0044】
【実施例】<堆積発酵処理が造粒と植物育成培地の品質
に及ぼす影響>加圧脱水直後の脱水汚泥と脱水後4週間
の1次及び2次の発酵処理を行った脱水汚泥の2種類を
供試した。含水率は脱水のみの脱水汚泥が52%、堆積
発酵処理済み脱水汚泥が51%で、それぞれ目開き8m
mの篩に通したものを用いた。それぞれの脱水汚泥に対
して副資材としてビートモス、パーライトを10容量%
混合したものを供試し、増粘剤として廃糖蜜を3重量%
添加する区を設けた。それぞれの脱水汚泥をパン造粒機
で造粒したときの造粒の可否及び造粒物を通風乾燥機を
使用して105℃で24時間乾燥した後の造粒物の物理
性(硬さ、耐水性団粒、保水性)について評価した結果
を図5に示す。
【0045】ここでいう「硬さ」とは、山中式土壌硬度
計(平型)で造粒物を押し潰したときの指示値である。
また「耐水性団粒」とは、絶乾した造粒物20gを、1
00mlの水を入れたビーカーに入れ、200rpm、
1時間振とうする。振とうした造粒物を含む水を2mm
の篩に通し、篩上に残った粒状物の乾燥重量を測定し、
その割合を百分率で表した値である。また、「保水性」
とは、100mlの試料円筒に粒状物を充填し、下部が
ら飽和水分量まで水を浸透させ、重量を測定する。乾燥
重量を測定し、その減量から保水分量を算出した値であ
る。また、「硬さ」、「耐水性団粒」、「保水性」をそ
れぞれ上記の値に基づいて3段階(−不良、+可、++
良好)で評価した。
【0046】図5に示すように、1次及び2次の発酵工
程を経た脱水汚泥については、増粘剤を添加しない区に
おいてもいずれも造粒が可能であった。また、造粒物の
物理性についても植物育成培地をしての十分な性能を有
していた。これに対して、脱水のみの脱水汚泥は増粘剤
を添加しない場合、著しく造粒性が劣った。増粘剤を添
加した区では造粒は著しく良好であったが、硬く締まる
傾向があり、その結果保水性が劣り、植物育成培地とし
てはやや好ましくない結果が得られた。これから好まし
い造粒物の性状範囲は、「硬さ」が2mm以上15mm
以下 好ましくは、3mm以上10mm以下、「耐水性
団粒」が60%以上 好ましくは80%以上、「保水
性」が60以上90g/100ml 好ましくは70以
上80g/100ml以下という結果が得られる。
【0047】<脱水汚泥の含水率と発酵に関する調査>
発生時の含水率の異なる脱水汚泥について、堆積山の内
部温度を調査した。発生してすぐに堆積し、2週間後、
4週間後の堆積山頂上から60cmの内部温度を測定し
た。2、4週間後に切り返しを行い、その時の作業性を
調査した。さらに、8週間経過後の脱水汚泥について、
透水性を測定した。200ml容量のプラスチックポッ
トに供試汚泥を充填し、100mlの潅水を3回繰り返
し、3回目の潅水が土壌表面より完全に透水するまでに
要した時間を計測した。計測結果を図6に示す。
【0048】図6に示すように、含水率42%、含水率
68%では十分な発酵温度が得られなかった。含水率4
2%では発酵に必要な水分が不足していること、含水率
68%では粘性が高く、十分な通気が得られないことが
原因と思われる。また、含水率が高い区では、切り返し
の作業性が著しく劣った。堆積発酵終了後の脱水汚泥の
透水性は、含水率42%で悪く、これは含水率が低い汚
泥が堆積、切り返し過程で細かく砕かれその微塵が不透
水層を形成したことによるものと思われる。逆に含水率
が高い場合も透水性が悪かった。これは、汚泥が十分な
硬さに脱水されず粘土分が融けやすく泥状を呈したこと
による。
【0049】<堆積発酵処理の有無と植物育成培地の保
存性、植物の生育に関する調査>加圧脱水直後の脱水汚
泥と4週間の発酵工程を経た脱水汚泥の2種類を供試し
た。含水率は脱水のみの脱水汚泥が52%、発酵処理済
み脱水汚泥が51%で、それぞれ目開き8mmの篩に通
したものを用いた。それぞれの汚泥にリン酸肥料(リン
スター)をリン酸成分で2500mg/リットル、窒素
肥料(CDU)を100mg/リットル添加した後、パ
ン造粒機で造粒した。造粒物の一部を、直射日光のあた
らない室内に広げ12時間放置する方法(風乾)、通風
乾燥機で105℃、3時間乾燥する方法(通風乾燥)に
より乾燥した。試験開始時と25℃の恒温室に3週間イ
ンキュベートしたあとの培地の電気伝導度(EC)を測
定した。3週間インキュベートしたあとの培地にキュウ
リをは種し、2週間栽培したときの生体重を測定した。
測定結果を図7に示す。
【0050】図7に示すように、含水率は、乾燥なしで
は堆積発酵無し、堆積発酵処理、それぞれ48%、46
%。風乾処理ではそれぞれ22、21%、通風乾燥では
それぞれ8、9%であった。試験開始時のECは堆積発
酵無しが0.2〜0.3、堆積発酵処理済みが0.6〜
0.7であった。3週間後では、いずれの汚泥でも乾燥
無しで試験開始時に比ベて高くなり、とくに堆積発酵処
理なしでは1.4dS/mと著しく高くなった。風乾あ
るいは通風乾燥処理を行うことでECの上昇が抑制さ
れ、培地中の化学性の変化が抑えられ、通風乾燥処理に
より含水率が10%以下に低下させた区ではほとんどE
Cが変化しなかった。キュウリを用いた幼植物試験で
は、堆積発酵処理無しの乾燥なし、風乾処理で子葉の菜
緑の褐変する等の発芽障害が観察された。一方、生育は
堆積発酵処理を行ったもので大きくなり、とくに風乾、
通風乾燥処理を行い含水率を低くした区で生体重が大き
くなった。堆積発酵処理無しの汚泥を乾燥処理した区で
は、汚泥中の有機物の分解がほとんど進まず植物が養分
として十分吸収できなかったものと思われる。
【0051】<堆積発酵工程が植物育成培地の成分に及
ぼす影響>発酵槽にて2週間1次発酵(最高温度63
℃)のみさせた脱水汚泥と、この1次発酵後にさらに1
ヶ月堆積させることにより2次発酵させた脱水汚泥と、
加圧脱水直後の脱水汚泥について、有機物、腐植酸、硝
酸態窒素、アンモニア態窒素の含有量を測定した。測定
結果を図8に示す。図8に示すように、全炭素中に占め
る腐植酸含有量は、脱水直後の脱水汚泥、1次発酵の
み、1次及び2次発酵、それぞれ4.5重量%、16.
3重量%、41.2重量%であった。これは、発酵処理
によって有機物が分解し、腐植酸が生成したものであ
り、この腐植酸の生成によって、脱水汚泥の粘性が増し
て造粒性が高まったものと思われる。また、有機物の分
解によって生成された無機態窒素については、1次発酵
処理のみでは、アンモニア態窒素が高く、この脱水汚泥
を材料として使用した場合、製造後あるいは消費者が使
用中に窒素が急激に硝化してしまい好ましくない。さら
に2次発酵処理を施すことで、硝酸態窒素の割合が高く
なり、窒素成分が安定する。
【0052】なお、前述した説明では、浄水過程で発生
する汚泥を用いて、植物育成培地を製造する装置及び製
造方法について述べたが、本発明は、浄水汚泥に限ら
ず、以下の2つの条件のいずれか一方を満たす汚泥であ
れば、植物育成培地を製造することが可能である。第1
の条件は、「水中に溶解及び浮遊している不純物(粒径
が0.02mm以下)を、凝集剤を用いて沈殿させた汚
泥を脱水して得られる固形物のうち、分解性有機物の含
有量が5以上30重量%以下であるもの」である。第2
の条件は、「粒径が0.02mm以下の微粒子が鉄やア
ルミニウムイオンを核に凝集、圧着した固形物で分解性
有機物の含有量が5以上30重量%以下であるもの」で
ある。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、脱水汚泥から植物育成培地を製造する場合に、所定
の条件を満たすまで発酵を促進させる工程を設けたの
で、有機物による弊害、理化学性の変動、臭気、発生量
の時期変動の問題を発生することなく、浄水場等から発
生する脱水汚泥から安定的に植物育成培地を製造するこ
とができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の構成を示す模式図であ
る。
【図2】 製造工程を示すフローチャートである。
【図3】 浄水処理装置と植物育成培地製造装置1との
関連を示す説明図である。
【図4】 従来の浄水処理装置の構成を示す説明図であ
る。
【図5】 植物育成培地の評価結果を示す説明図であ
る。
【図6】 植物育成培地の評価結果を示す説明図であ
る。
【図7】 植物育成培地の評価結果を示す説明図であ
る。
【図8】 植物育成培地の評価結果を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1・・・植物育成培地製造装置、 2・・・加圧脱水機、 3・・・解砕機、 4・・・発酵槽、 5・・・堆積場、 6・・・乾燥機、 7・・・粉砕機、 8・・・副資材ホッパー、 9、10・・・計量器、 11・・・混合機、 12・・・造粒・乾燥機、 13・・・冷却・脱塵機、 14・・・振動篩機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角田 真一 大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号 住友林業株式会社内 (72)発明者 小堀 英和 大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号 住友林業株式会社内 (72)発明者 加藤 和生 愛知県海部郡飛島村木場2−59 スミリン 農産工業株式会社内 Fターム(参考) 2B022 BA01 BB01 4D059 AA03 BA01 BA44 BD22 BK09 BK11 CA01 CB04 CC10 DA03 DA52 DA53 DA55 DA70 DB13 DB31

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱水汚泥から植物育成培地を製造する植
    物育成培地製造装置であって、 前記植物育成培地製造装置は、 前記脱水汚泥を所定の条件を満たすまで発酵を促進させ
    る発酵槽と、 前記発酵槽における発酵が完了した脱水汚泥を破砕撹拌
    して造粒を行う造粒機と、 を備えたことを特徴とする植物育成培地製造装置。
  2. 【請求項2】 前記植物育成培地製造装置は、 前記造粒機によって造粒された脱水汚泥を加熱して乾燥
    させる乾燥機をさらに備え、 前記発酵槽は、 前記乾燥機から排出される排気を用いて空気圧入及び加
    温する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の
    植物育成培地製造装置。
  3. 【請求項3】 前記植物育成培地製造装置は、 発電施設を有する浄水処理場に設置され、この浄水処理
    場の沈殿池から発生する浄水汚泥から植物育成培地を製
    造する場合に、前記発電施設の廃熱を前記乾燥機に供給
    して該乾燥機で用いる熱源とすることを特徴とする請求
    項2に記載の植物育成培地製造装置。
  4. 【請求項4】 脱水汚泥から植物育成培地を製造する植
    物育成培地製造方法であって、 前記植物育成培地製造方法は、 前記脱水汚泥を所定の条件を満たすまで発酵させる発酵
    過程と、 前記発酵過程による発酵が完了した脱水汚泥を造粒する
    造粒過程と、 を有することを特徴とする植物育成培地製造方法。
  5. 【請求項5】 脱水汚泥から植物育成培地を製造する植
    物育成培地製造方法であって、 前記植物育成培地製造方法は、 前記脱水汚泥を所定の条件を満たすまで1次発酵を促進
    させる第1の発酵過程と、 前記1次発酵が完了した脱水汚泥を堆積させて、2次発
    酵を促進させる第2の発酵過程と、 前記2次発酵が完了した脱水汚泥を破砕撹拌して造粒す
    る造粒過程と、 造粒した脱水汚泥を加熱して乾燥する乾燥過程と、 を有することを特徴とする植物育成培地製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の発酵過程は、必要に応じて前
    記乾燥過程から排出された排気を用いて空気圧入及び加
    温を行うことを特徴とする請求項5に記載の植物育成培
    地製造方法。
  7. 【請求項7】 前記植物育成培地製造方法は、 発電施設を有する浄水処理場の沈殿池から発生する浄水
    汚泥から植物育成培地を製造する場合に用いられ、前記
    発電施設の廃熱を前記乾燥機過程で用いる熱源とするこ
    とを特徴とする請求項5または6に記載の植物育成培地
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の発酵過程において1次の発酵
    をさせる脱水汚泥の含水率は、45%以上65%以下で
    あることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記
    載の植物育成培地製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の発酵過程は、発酵させる脱水
    汚泥の温度を60℃以上70℃以下に保ち、かつ、発酵
    開始時点の含水率を保つことを特徴とする請求項8に記
    載の植物育成培地製造方法。
  10. 【請求項10】 前記乾燥過程は、造粒された脱水汚泥
    の温度が60℃以上100℃以下になるように加熱する
    ことを特徴とする請求項5ないし9のいずれかに記載の
    植物育成培地製造方法。
  11. 【請求項11】 脱水汚泥から製造する植物育成培地で
    あって、 前記植物育成培地は、 造粒物の硬さが2mm以上で、耐水性団粒が60%以上
    で、保水性が60g/100ml以上であることを特徴
    とする植物育成培地。
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