JP2001086854A - 培養土および緑化基盤材 - Google Patents

培養土および緑化基盤材

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JP2001086854A
JP2001086854A JP26879299A JP26879299A JP2001086854A JP 2001086854 A JP2001086854 A JP 2001086854A JP 26879299 A JP26879299 A JP 26879299A JP 26879299 A JP26879299 A JP 26879299A JP 2001086854 A JP2001086854 A JP 2001086854A
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sludge
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culture soil
water
soil
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Hiroshi Ogiya
浩 扇谷
Haruhiko Kawabata
治彦 川端
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】排泥、製紙スラッジ、家畜糞尿といった廃棄物
を培養土や緑化基盤材として再利用するためには植物に
有効な成分や形態となっていることが要求される。 【解決手段】排泥に製紙スラッジを混合して脱水し、家
畜糞尿と混合、堆積して発酵させた発酵物に、電解質を
含有しない物質を混合することで、植物の生育を促進す
る培養土や緑化基盤材を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上水または工業用
水を製造する過程で発生する浄水排泥や工業用水排泥、
紙パルプを製造する過程で発生する製紙スラッジ、及び
肉牛、乳牛、豚、鶏等を飼育する際に発生する家畜糞尿
等の各種廃棄物を再利用する技術に関し、上記排泥に製
紙スラッジを混合、脱水処理した後、畜産廃棄物を混合
して堆積、発酵させることにより製造した発酵物におい
て、pHと電気伝導率を調整した培養土または緑化基盤
材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、主に一般家庭より出される一般廃
棄物や事業所から出される産業廃棄物の量は増加の一途
をたどり、その処分方法をめぐり、環境や人体に与える
影響が問題視されている。浄水排泥や工業用水排泥は多
量の水に懸濁した状態で排出されるため、適当な薬品を
添加して凝集、脱水後、多くは埋め立て処分されてい
る。また、紙パルプ製造工程より排出される製紙スラッ
ジはパルプ繊維や填料、デンプン等の製紙原料からな
り、凝集、脱水後、多くは焼却処分されている。さら
に、牛、豚、鶏等を飼育する畜産業から排出される家畜
糞尿の一部は堆肥や肥料として利用されているものの、
大部分については有効な処分方法が無く、素堀や野積み
による処分が問題になっているのが現状である。これら
排泥、製紙スラッジ、家畜糞尿はいずれも産業廃棄物で
あり、処分には多大な経費を要すると共に、最終処分場
の用地不足や焼却施設の不備等によるダイオキシンの発
生、不完全な処分による環境汚染の懸念等が深刻な問題
となっている。
【0003】一般に、農業、園芸の分野において、鉢植
えや苗床用の土や農地の土壌改良の目的での客土などに
天然の土が大量に用いられている。また近年、土木工事
現場や自然災害発生現場での植生や景観の修復、土壌浸
食や流出の防止等環境保全の目的で、緑化が盛んに行わ
れている。その際、目的の場所が工事後のコンクリート
面であったり、砂地や岩盤、火山灰等で覆われていたり
して、植物の生育に適さない場所であれば、緑化基盤材
として天然の土や、これに代わる各種資材を客土した
り、吹き付けたりして植物の生育基盤を造成することが
必要となる。
【0004】天然の土は、主に山林等から採取されてい
るが、これに伴う環境破壊が問題となっている。また土
壌表層付近の良質な山土を大量に入手することは困難で
あり、必ずしも植物の生育には適さない土を、土壌改良
するなどして手間と時間をかけて利用している例が多
い。そのため、天然の山土等に代わるものとして、用途
に応じ各種の培養土や緑化基盤材が考案されている。
【0005】本来浄水排泥や工業用水排泥は山林や緑
地、田畑等の土壌に由来するものであり、再び自然環境
中に還元しうるものとの考えから、浄水排泥や工業用水
排泥を植物の培養土等として再利用する試みがなされて
いる。その際、排泥を植物の生育に適した状態にする必
要がある。中でも、水に懸濁した状態の浄水排泥や工業
用水排泥を、適当な水分率まで脱水、乾燥することが重
要である。一般的な加圧脱水装置等を用いた場合、土壌
鉱物からなる粘土やシルトを含んだ排泥では、目詰まり
や濾砕の形成等が原因で脱水が非常に困難となるため、
遠心脱水装置等の限られた装置でしか脱水ができない。
また、脱水前に硫酸バンドやポリ塩化アルミニウム等の
凝集剤を添加し、脱水を容易にすることも可能だが、こ
れら凝集剤の過剰な添加は、リンの不溶化を招き、植物
の生育を阻害するため、培養土や緑化基盤材としての利
用には不都合となる。
【0006】特開平9−216000号公報には、排泥
に古紙粉砕物を混和して脱水する方法が開示されている
が、培養土や緑化基盤材として用いた場合、古紙中の炭
素分が窒素分に比べ過剰なため、古紙を栄養源として微
生物が繁殖する際、窒素飢餓状態を生じ、植物の生育を
阻害することが懸念され、十分な肥培管理が要求され
る。また、古紙中に、インク等に由来する重金属等が残
留していると植物の生育を阻害すると共に、環境汚染を
引き起こす恐れがある。
【0007】特開平5−207816号公報には、脱水
後粒状に粉砕した高水分の浄水ケーキに低水分のバーク
等有機質素材を添加して浄水ケーキの水分を低下させ、
さらに動植物性有機肥料を添加、混合して発酵させたぼ
かし培養土の製造方法が開示されているが、粒状に粉砕
するための加工装置やエネルギーが必要となる他、浄水
ケーキの水分調整のために、水分を予め調整した有機質
素材が必要となり、実現するためには多くの制約が課せ
られてしまう。
【0008】排泥、製紙スラッジ、畜産廃棄物をそれぞ
れ単独または、2種類以上を混合した資材をそのまま培
養土や緑化基盤材として用いると、排泥や製紙スラッジ
では時間と共に微生物の活動による窒素欠乏のため、ま
た、畜産廃棄物では腐敗が起こるため、いずれの場合も
植物の生育が抑制される。そこで、これらの廃棄物に含
まれる易分解性有機物を、発酵等により分解した後に培
養土や緑化基盤材として用いることが考えられる。しか
しながら、廃棄物処理を目的として、大量の製紙スラッ
ジや畜産廃棄物を混合して発酵させた発酵物は、肥料成
分を含む電解質を大量に含有すると共に、多量のアルカ
リ分のためpHが高くなり、発酵物を何の調整もせずに
培養土や緑化基盤材として用いた場合、塩類障害のため
植物の生育が抑制されてしまう。そのため、混合できる
製紙スラッジや畜産廃棄物の量は制限されてしまう。
【0009】特開平9−195278号公報には、下水
処理の際に発生する汚泥をコンポスト化し、緑化基材と
して用いることが開示されているが、下水汚泥コンポス
トは有機物の割合が高い点を利用して、従来の有機質緑
化基盤材に改良資材として一部添加する方法で使用され
ており、多量の塩類を蓄積していることなどから、下水
汚泥コンポストのみで培養土や緑化基盤材を形成させる
ことは極めて困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
実状を鑑みたものであって、排泥、製紙スラッジ、家畜
糞尿といった産業廃棄物を再利用するとともに、加工、
製造、取り扱いが容易で、植物の生育に適した、天然の
土に代わる培養土または緑化基盤材を供給することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
検討した結果、排泥脱水時に製紙スラッジを混合して脱
水することにより製紙スラッジ中のパルプ繊維が脱水助
剤となって、脱水効率が向上することを見いだした。さ
らに、この脱水した排泥と製紙スラッジの複合体に家畜
糞尿を混合、堆積することによりパルプ繊維の主成分に
由来する炭素分と家畜糞尿中の窒素分とを栄養源として
微生物が活発に繁殖し、発酵により植物の生育に悪影響
を及ぼす有機物を分解できることを見いだした。また、
発酵物は植物の生育に有効な肥料成分を含む他、脱水時
に混合したパルプ繊維が分解されているために、特別な
機械装置を用いることなく容易に粉砕が可能となること
を見いだした。発酵により、炭素分は二酸化炭素として
空気中に放出されるため、窒素に対する炭素の割合が低
くなり、培養土や緑化基盤材として用いても窒素飢餓状
態になる恐れが無いことを見いだした。排泥脱水時に製
紙スラッジ由来のパルプ繊維を用いることは、他の植物
性繊維を用いるのと比べ、植物や菌に対して有害な成分
が含まれておらず、また発酵による分解が早く、製造期
間を短縮できる等有利であることを見いだした。また、
この発酵物は排泥中の土砂由来の無機物と、分解されず
に残存した有機物との複合物となり、両者の特徴を兼ね
備えた植物の生育に理想的な物理性を有していることを
見出した。さらに、多量の電解質やアルカリ分を含む発
酵物であっても、電解質を含有しない物質を混合して、
pHおよび電気伝導率を調整することで、植物の生育に
理想的な化学性を付与することが可能であることを見出
した。
【0012】本発明における排泥とは、河川や湖沼等か
ら取水した土砂や土壌、浮遊物質等の固形物が混入した
水から、飲料水や工業用水を製造する際に除去されるこ
れらの固形物と水との混合物であり、その含水率は一般
に80〜99.9重量%である。
【0013】本発明における製紙スラッジとは、製紙工
程において排出された製紙原料を含む懸濁液であり、パ
ルプ繊維、填料の他、紙力増強剤、填料歩留まり向上
剤、サイズ剤等の製紙用各種薬品等を含有する。その成
分や濃度は一定ではないが、本発明で用いる製紙スラッ
ジは、パルプ繊維を含有し、植物の生育を阻害する有害
物を含んでいないものに限られる。
【0014】本発明における畜産廃棄物とは、養牛、養
豚、養鶏業等を営む農場において排出される牛糞尿や豚
糞尿、鶏糞といった家畜糞尿を主体とした廃棄物であ
る。これらの家畜糞尿は窒素分を含む易分解性の有機物
を含有し、畜産廃棄物の量を調節することで、温度上昇
を伴う、原料の急速な発酵を促進する。また、植物の生
育を促進する窒素、リン、カリなどの肥料成分を含有
し、植物の生育促進効果を有する培養土や緑化基盤材を
製造することが可能である。
【0015】本発明におけるpH4.0以上8.0以下
かつ電気伝導率3.0dS/m以下とは、固形分に対し
て2.5倍の重量の蒸留水に懸濁し、1時間振とうした
後の水層において、電極法により測定したpHが4.0
以上8.0以下であり、かつ固形分に対して5倍の重量
の蒸留水に懸濁し、1時間振とうした後の水層におい
て、電極法により測定した電気伝導率が3.0dS/m
以下であることをいう。一般に、このpHおよび電気伝
導率の範囲では植物が成長可能であるが、pHが4.0
未満または8.0を越える値であったり、電気伝導率が
3.0dS/mを越える値であるような培養土または緑
化基盤材では植物の生育が著しく阻害されるか、もしく
は枯死してしまう。何らかの目的を有したり、特定の植
物を生育させる場合を除き、一般にはpHが5.0以上
7.5以下であることが好ましい。また、電気伝導率
は、培養土または緑化基盤材中のイオン濃度を反映した
値だが、このイオン中には、植物の肥料成分として働く
ものも含まれるため、0.1dS/m以上3.0dS/
m以下であることが好ましい。本発明において製造され
た発酵物のpH及び電気伝導率の調整は、水洗やイオン
交換、pH調整剤や各種吸着剤の使用等の手法で当業者
が適宜行うことができる。
【0016】本発明における電解質を含有しない物質と
は、固形分に対して5倍の重量の蒸留水に懸濁し、1時
間振とうした後の水層において、電極法により測定した
電気伝導率が0.1dS/m以下であるような物質であ
り、有機物、無機物いずれでも良いが、栽培中に変質す
るなどして植物の生育を阻害したり、有害物を含んでい
ないものに限られる。また、物質の形状は植物の根の伸
長を妨げないような粉状か顆粒状、もしくは繊維状であ
ることが望ましい。本発明における電解質を含有しない
物質を用いることで、容易にpHを5.0以上7.5以
下かつ電気伝導率を3.0dS/mに調整することがで
きる。
【0017】本発明における培養土とは、農業や園芸に
おいて、農作物や園芸用花卉、植物を生産するための資
材で、田畑等の耕作地で用いられる他、植木鉢やプラン
ター、苗箱等に詰めて、植物の種子を播種したり、苗等
を植えるなどして植物の生育基盤となる資材である。生
産する植物の種類や栽培方法により、様々な理化学性が
要求される。
【0018】本発明における緑化基盤材とは、緑化に際
して植物の種子を播種したり、苗を植える等して植物の
生育の土台を形成する資材である。農業、園芸用の培養
土とは異なり、収穫や植物体の販売を伴う植物生産を目
的として利用されることは無く、植物相を成立させるた
めの、植物の健全な生育を促す基材として用いられる。
また、土木工事に伴う緑化では、地盤の安定性や施工時
の作業性の良さが要求されることもある。
【0019】本発明におけるピートモスとは、主に水苔
が土中で炭化したいわゆる草炭と呼ばれる物質で、腐植
物質に由来すると思われる有機酸により、ピートモスを
懸濁した水は弱酸性を示す。本発明における発酵物は、
製紙スラッジ中の炭酸カルシウムや家畜糞尿中のアルカ
リ分により、一般に弱アルカリ性を示すため、ピートモ
スの混合により容易にpHを低下させることが可能であ
る。また、ピートモスは高い保水性を有するため、調製
された培養土や緑化基盤材の保水性を向上させると共
に、かさ密度が低いために培養土や緑化基盤材の軽量化
を図ることができる。
【0020】本発明における砂とは、河川付近で採取さ
れるいわゆる川砂と呼ばれる砂で、電解質がほとんど含
有されていない砂である。海底から採取されるいわゆる
海砂は、海水由来の電解質を多量に含有しているため、
そのままでは用いることができないが、除塩等の処理を
行えば、使用することは可能である。
【0021】本発明における培養土または緑化基盤材
は、単独で用いる他、生育する植物の種類や栽培方法お
よび、緑化の目的や工法等に合わせて、当業者が随意選
択し、他の資材と混合するなどして用いることが可能で
ある。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、排泥、製紙スラッジ、
家畜糞尿等の廃棄物を発酵させて製造した発酵物におい
て、pHと電気伝導率を調整した培養土または緑化基盤
材を提供する。
【0023】本発明に用いられる排泥とは浄水または工
業用水を製造する際に河川や湖沼等の水から分離された
固形物と水との混合物であり、例えば浄水場や製紙工場
で発生する産業廃棄物である。
【0024】本発明に用いられる製紙スラッジとは製紙
工程において排出される、スラッジ状懸濁液であり、固
形分の90%以上は製紙原料に由来する。中でもパルプ
繊維の含有率が高く、このパルプ繊維が脱水助剤となる
と共に、発酵の際の炭素源として微生物に資化される。
このような製紙スラッジとしてパルプ精選工程における
スクリーンリジェクト、クリーナーリジェクトや抄紙工
程における白水等が挙げられる。
【0025】本発明に用いられる畜産廃棄物とは、畜産
業を営む施設において排出される主に家畜の糞尿からな
る廃棄物であり、この様なものとして、牛糞尿、豚糞
尿、鶏糞等が挙げられる。本発明における培養土や緑化
基盤材の原料として用いる場合には、家畜糞尿単独でも
使用可能だが、畜産農家での飼育方法に応じ、敷きわら
等と混合された状態であってもよい。
【0026】本発明に用いられる電解質を含有しない物
質とは、固形分に対して5倍の重量の蒸留水に懸濁し、
1時間振とうした後の水層において、電極法により測定
した電気伝導率が0.1dS/m以下であるような物質
である。また、形状は植物の根の伸長を阻害しないよう
粉状、顆粒状もしくは繊維状であることが望ましい。こ
の様なものとして、本発明におけるピートモスや砂の
他、ナイロン繊維やポリエステル繊維等の化学繊維、ロ
ックウールや焼成土等の鉱物や土壌を加工したもの等が
挙げられる。
【0027】本発明における発酵物を製造する場合に
は、排泥と製紙スラッジとを攪拌装置付のタンク内等で
混合するなどした後、凝集沈殿や圧搾等により水分を除
去し、さらに家畜糞尿を混合して屋外や堆肥舎等に積み
上げ発酵させればよい。排泥や製紙スラッジの脱水時に
は、稲わらや樹木のバーク、チップダスト等の繊維状の
農産、林産各種廃棄物を混合するとさらに効率的に脱水
することができる。また、発酵時に一般廃棄物である生
ゴミや、水産廃棄物である魚介類の粕や、その他の有機
質の廃棄物を適宜混合することが可能であるが、家畜糞
尿やその他の混合物中の易分解性の窒素化合物の量によ
り、発酵時の温度上昇が変化するため、充分な発酵温度
が得られるだけの家畜糞尿等の量が必要である。一般的
には排泥中の固形物量に対して、家畜糞尿の固形物量が
5%以上であることが必要である。発酵期間は原料によ
り異なるが、およそ1ヶ月から2年程度である。発酵
中、適宜攪拌や水分調整、通気等を行うとより効率的に
発酵を行うことが可能で、発酵期間を短縮することがで
きる。発酵物の完成の目安は、一般に堆肥の製造等で用
いられている評価方法により、植物の生育に悪影響を及
ぼさないことを確認すればよい。
【0028】本発明により製造された発酵物は、難分解
性の有機物のみを原料として用いない限り、発酵により
有機物の大半が分解されており、排泥中の土砂由来の無
機物に、残存した有機物が混合された土壌様資材とな
る。発酵終了後、適当な装置を用いて容易に粉砕、造粒
することが可能で、必要に応じて加工後利用する。
【0029】本発明による培養土または緑化基盤材の製
造には、上記発酵物完成後に水洗や電解質を含有しない
物質を混合するなどして、pHと電気伝導率を調整す
る。砂やピートモス等の電解質を含有しない物質は、適
当な装置を用いて発酵物に混合すれば良く、その混合量
は一般に、発酵物の固形物量に対して、電解質を含有し
ない物質の固形物量が25%から1000%程度であ
る。電解質を含有しない物資としてピートモスを混合す
る場合には、調整された培養土または緑化基盤材の軽量
化が図れると共に、保水性を良くすることができ、原料
として用いた排泥の砂含量が高い場合に有効である。電
解質を含有しない物質として砂を混合する場合には、調
整された培養土または緑化基盤材の透水性を良くするこ
とができ、原料として用いた排泥の粘土含量が高い場合
に有効である。さらに、ピートモスと砂の両方を混合す
る場合には、透水性と保水性の両性質を兼ね備えた培養
土または緑化基盤材を調整することが可能である。
【0030】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。また、各実施例
における%はいずれも重量%である。
【0031】実施例1 工業用水製造時に発生した水分95%の排泥1000L
に水分99%のパルプ精選工程より排出された製紙スラ
ッジを、排泥の固形分に対して、パルプ繊維の固形分が
20%となるように混合、攪拌した後、ベルトプレスを
用いて水分55%となるまで脱水した。
【0032】上記脱水物に水分40%の鶏糞を脱水物の
固形分に対して5%の割合となるように混合し、屋外に
て堆積、発酵させた。堆積物を適宜切り返し、約1ヶ月
後に発酵物が製造された。発酵物は直径3cm以下の土
塊状であり、この土塊は手で握ることにより容易に粉砕
でき、顆粒状または粉状となった。この発酵物のpHは
7.5、電気伝導率は2.3dS/mであった。
【0033】顆粒状とした発酵物を培養土として、5号
サイズの植木鉢に詰め、小松菜種子を播種し適宜散水し
ながら、30日間培養した。培養中、肥料の添加は全く
行わなかった。その結果、小松菜は順調に生育し、肥料
成分の欠乏や塩類障害等の影響は全く見られなかった。
【0034】比較例1 実施例1で用いた排泥、製紙スラッジ、家畜糞尿の混合
物を発酵させずに、5号サイズの植木鉢に詰めた。実施
例1と同様、小松菜種子を播種し、適宜散水しながら、
30日間培養した。その結果、発芽後子葉の展開は見ら
れたものの、その後成長が止まり、やがて培地の腐敗が
始まり、幼植物体は枯死した。
【0035】実施例2 工業用水製造時に発生した水分95%の排泥1000L
に水分99%のパルプ精選工程より排出された製紙スラ
ッジを、排泥の固形分に対して、パルプ繊維の固形分が
30%となるように混合、攪拌した後、ベルトプレスを
用いて水分55%となるまで脱水した。
【0036】上記脱水物に水分40%の鶏糞を脱水物の
固形分に対して10%の割合となるように混合し、屋外
にて堆積、発酵させた。堆積物を適宜切り返し、約1ヶ
月後に発酵物が製造された。発酵物は直径3cm以下の
土塊状であり、この土塊は手で握ることにより容易に粉
砕でき、顆粒状または粉状となった。この発酵物のpH
は8.0、電気伝導率は3.5dS/mであった。
【0037】顆粒状とした発酵物に市販の川砂を体積比
で0:1、1:1、1:0の割合で混合し、培養土を製
造した。それぞれの培養土のpHは6.9、7.4、
8.0であり、電気伝導率はそれぞれ0.036、1.
3、3.5dS/mであった。
【0038】製造した培養土を、それぞれ5号サイズの
植木鉢に詰めた。それぞれの植木鉢に小松菜種子を播種
し適宜散水しながら、30日間培養した。培養中、肥料
の添加は全く行わなかった。培養後の小松菜の地上部を
収穫し、重量を測定した。その結果、発酵物:川砂が
0:1で培養した小松菜の重量に比べ、1:1では約8
0倍、1:0では約3倍の重量にまで成長した。このこ
とは、培養土が植物に対して成長促進効果があることを
示している。また、川砂を混合しなかった培養土は本発
明において調整すべき電気伝導率の範囲外にあり、砂を
混合した培養土に比べ成長が著しく抑制された。また、
発酵物を含んだ培養土においては、天然の土壌を用いた
場合に見られるような、乾燥による固結が全く起こらな
かった。これは、本発明による培養土が、適度な有機物
を含有していることによると思われた。さらに、小松菜
の根が培養土の顆粒中に進入しているのが多数観察され
た。これは、発酵時にパルプ繊維等の有機物が分解さ
れ、多孔性の顆粒となっており、その孔に根が進入した
ものであると思われた。
【0039】実施例3 実施例2で製造した発酵物にピートモスを体積比1:
0、1:1、1:3、0:1の割合で混合し、緑化基盤
材を製造した。それぞれの緑化基盤材のpHは8.0、
7.6、7.0、4.6であり、電気伝導率はそれぞれ
3.5、1.6、0.8、0.069であった。
【0040】製造した緑化基盤材によもぎ種子0.1g
を混合した。それぞれの混合物を内径46cm×31c
m、深さ7cmの底に穴の空いた育苗用プラスチック製
容器につめた。容器を水平から45度の角度に傾斜して
設置し、各容器に1時間当たり300mmの降水量に相
当する水量を1時間連続してシャワー状に散水し、流出
する緑化基盤材量とその後のよもぎ発芽数を評価した。
その結果、いずれの容器においても流出量は、絶乾状態
で8〜10gであり、大きな緑化基盤材の崩壊、大量の
流出等は観察されなかった。このことは、本発明におけ
る緑化基盤材を傾斜地において用いることも可能である
ことを示している。この時、一般的に法面緑化工事で用
いられる土壌浸食防止剤等を予め混合しておけば、さら
に流出量を減少させることが可能であることはいうまで
もない。また、よもぎの発芽数は発酵物:ピートモスが
1:0および0:1の緑化基盤材で10本以下であった
他は、20〜30本となり、pHが5.0未満であるか
7.5を越え、電気伝導率が3.0dS/mを越える緑
化基盤材でよもぎ種子の発芽が抑制された。
【0041】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、排
泥、製紙スラッジ、家畜糞尿といった廃棄物と砂やピー
トモス等の資材から特別な装置を用いることなく培養土
または緑化基盤材を製造することが可能である。この培
養土または緑化基盤材は、肥料成分を含有しているの
で、植物の生育を促進する効果がある。また、従来から
培養土または緑化基盤材として用いられている資材の一
部、または全部を代替することが可能であり、資材の節
約を図ることが可能である。また、各種廃棄物を再利用
することで、廃棄物を処分する必要がなく環境に悪影響
を及ぼさないばかりか、培養土または緑化基盤材として
環境保全の用に供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B022 AB02 AB11 AB20 BA02 BA13 BA16 BA18 4D059 AA01 AA03 AA30 BA04 BE08 BE16 BE31 BE54 BF13 BJ00 CC10 DA51 DA60 DB32 DB33 EB05 EB20 4H061 AA10 CC36 CC51 DD14 EE52 GG29 GG43 GG48 HH13 HH14 KK09 LL22 LL30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上水または工業用水製造時に排出される
    排泥に製紙スラッジを混合して脱水し、その脱水物に家
    畜糞尿を主体とする畜産廃棄物を混合、堆積して間欠的
    に攪拌しながら発酵させた発酵物で、pHを4.0以上
    8.0以下かつ電気伝導率を3.0dS/m以下に調整
    した培養土または緑化基盤材。
  2. 【請求項2】 上記発酵物に、電解質を含有しない物質
    を混合することにより、pHを5.0以上7.5以下か
    つ電気伝導率を3.0dS/m以下に調整した培養土ま
    たは緑化基盤材。
  3. 【請求項3】 上記電解質を含有しない物質がピートモ
    スである請求項2に記載の培養土または緑化基盤材。
  4. 【請求項4】 上記電解質を含有しない物質が砂である
    請求項2に記載の培養土または緑化基盤材。
  5. 【請求項5】 上記電解質を含有しない物質がピートモ
    スと砂の混合物である請求項2に記載の培養土または緑
    化基盤材。
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