JP2012029586A - 培養土 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生ゴミ等と土と微生物の混合物を球状化した培養土として提供する。例えば、生ゴミと米糠の乾燥物からなる有機性廃棄物と黒土とを造粒機に投入して混合し、更に任意の水を加えながら混合して球状体にする。この球状の培養土によれば、有機物は鳥の餌や虫の発生による被害を起こさない。良い土とされる団粒構造になるので保肥性・排水性・通気性に優れると共に、適度な保水性が持続される。有機物は土に守られながら時間をかけて徐々に、最終的に植物の養分として必要な物に変化するので、途中で腐敗や臭気発生が無い。ゆっくりと植物に吸収されていくので、土壌からの流出する量は限られる。
【選択図】 図1
Description
而して、堆肥化には、人里離れた広大な場所で数カ月(3ヶ月〜1年程度)の長期に渡る発酵期間が必要になる。良く発酵させる為に切り返しと呼ばれる攪拌作業を頻繁に行う必要がある。食品残渣を堆肥化する施設は、環境面において地球に優しい施設であるが、発酵中に大量の臭気(アンモニアガス・亜硝酸ガス・低級脂肪酸類・メチルメルカプタン・アルデヒド類等)を発生させる。特に腐敗臭を好むカラスや蝿・虫等が集まり堆肥化工場の衛生状態は、大きな問題がある。
このような単純に固めただけの発酵が未熟な肥料をそのまま土耕やプランターに施肥すると、水分によって元の生ごみや有機物に戻り、糊状となって土粒子間を埋めて土の排水性・通気性を低下させる。腐敗が起きて、腐敗臭が発生しカラスや蝿・虫が集まり植物に被害を与える。蝿や虫は、この土の中で卵を産むためにさらに問題が大きくなり植物が病気にもなる。特に田畑では発酵をしないで、雨などによってそのまま溶けて肥料の役目をせずに、流れ出て行ってしまうこともあるので、生育に大きなばらつきが出てしまう事もある。
なお、特許文献1には、草炭を主成分にした粒状培養土が記載されているが、これは、1,000年〜15,000年前の有機物(泥炭)を、圧縮しながら糊で固めたペレットであり、本発明とは、本質的に異なる発明である。
A.原材料
(1)有機物・有機肥料
微生物によって最終的に植物の養分として必要な無機物や有機態窒素を含むものであれば特に限定されず、例えば、特殊肥料に分類される乾燥生ごみ、米糠、汚泥、堆肥や、普通肥料に分類される油粕類、魚粕粉末類、骨粉類が挙げられる。これらは1種類でも2種類以上を併用してもよい。いずれも乾燥し粉体化させると土と混合させ球状化する事に適する原料になる。
土であれば、通常水が加えられると団粒化するので、特に限定されないが、粘土質の土が好ましい。具体例としては、黒土や赤土が挙げられる。Φ5mm以下の細かいものを使用することで、有機物と土を球状に混合された培養土を作る事が簡単になるが、大きさが不揃いでも製造に問題はない。
有機物を微生物によって、さまざまな発酵や分解過程に利用して、最終的に植物の養分として必要な無機物や有機態窒素に変えるので、微生物の存在が欠かせない。一般的な畑では1ha当り生体重量約6tの土壌微生物が生息していると考えられている。土を使用することで微生物も加える事ができるが、有機物の分解に適した嫌気性微生物若しくは好気性微生物、またはその両方を別途加える事で、確実に植物の養分として必要な無機物や有機態窒素に変化させる。
有機物と土を、造粒機、例えばロータリーキルンに投入して十分に混合した後に、水を加えながら更に混合すると、有機物と土の混合物が球状体になる。なお、微生物を加える場合には、ゼオライト等に担持させた状態で有機物や土と共に造粒機に投入することになる。
球状体の大きさは、プランターではΦ1〜20mm程度が適当であるが、土耕(田畑)ではΦ20〜50mm程度の物が良い。
この球状の培養土1は、上記したようにプランターに投入してもよいが、土耕に施工してもよい。
また、球状体なので、土中には球状体どうしの間に隙間が生まれており、雨が降っても崩壊することはなく、その場に留まる。従って、保肥性・排水性・通気性に優れており、植物の根が深く強く張り易くなっている。
さらに、球状体になっており、表面が乾燥しても芯をなす有機物の部分まで乾燥することは殆ど無いので、適度な保水性が持続される。
さらに、副原材料として、吸湿性の良いパーライト(真珠岩・黒曜石を高温で焼成したもの)バーミキュライト(蛭石を高温で焼成したもの)を加えることで、製造直後の水分を吸っている球状の培養土の水分を適度に減らして球状に保形し易くできる。
従って、球状の培養土だけではなく、それと赤玉土・パーライト・バーミキュライトなどの副資材を加えた培養土として使用することが好ましい。
赤玉土・パーライト・バーミキュライトは、上記した有機物3と土5とからなる球状の培養土ができたあとに混合する。
赤玉土等を混合しても球状の培養土は崩壊することは無く、球状の培養土と粒状の赤玉土等が機械的に混在した状態となり、それぞれの間には隙間が形成されている。
(1)生ゴミを乾燥させて15%程度にした。
(2)米糠を乾燥させた。(あまり体積の変化は無い)
(3)生ゴミ:4割、米糠:6割の割合で混合させて、有機混合物(a)とした。
(4)混合物を粉砕機にかけてφ5mm以下の粉にした。
(5)黒土を篩分けして、φ5mm以下のもの(b)を取り出した。
(6)有機混合物(a)4Lと黒土(b)16Lとを、造粒機に投入した。
(7)嫌気性・好気生微生物を担持したゼオライト200ccを、造粒機に投入した。
(8)造粒機を作動させて5分間混合させた。
(9)さらに、任意量の水を投入しながら、造粒機を運転した。
(10)球状になってきたら、水の投入を止めた。
(11)さらに、造粒機を20分間運転した。これで、球状の培養土ができている。
(12)乾燥した赤玉土(φ5mm)14Lとパーライト(φ5mm)14Lを、造粒機に投入した。
(13)さらに、造粒機を10分間運転した。
(14)上記(13)までの工程で乾燥培養土ができているので、それを造粒機から取り出して、一連の製造工程を終了した。
そして、プランター容器にそれぞれの培養土を入れておき、図7に示すように、それにオクラ、ピーナッツ、モロヘイヤのそれぞれの苗を植えた。そして、14日後(途中、雨が降った)に、それぞれの培養土をプランターから掘り出してみたところ、図8に示すように、本発明の培養土はバラバラしており、臭気は殆ど無く、臭いセンサー(メーカー名:新コスモス電機、型番:XP−329IIIR)で測定したところ、レベル値は24であり、虫も数匹確認できただけであった。一方、混合培養土は固まっており、腐敗臭がすごく、上記と同じ臭いセンサーで測定したところ、レベル値は745であり、虫も沢山確認され、更には金蝿までも確認された。
また、植物の根の生育状況を比較したところ、図9に示すように、本発明の培養土に植えたものは根がしっかり成長していたが、混合培養土に植えたものは根が殆ど成長していなかった。
Claims (7)
- 培養土の製造において、有機物及び/または有機肥料と土の混合物であり、球状になっていることを特徴とする培養土。
- 請求項1に記載した培養土において、土が粘土質であることを特徴とする培養土。
- 請求項2に記載した培養土において、粘土質の土として、黒土を利用することを特徴とする培養土。
- 請求項1から3のいずれかに記載した培養土において、嫌気性微生物若しくは好気性微生物、またはその両方が加えられていることを特徴とする培養土。
- 請求項1から4のいずれかに記載した培養土において、さらに、赤玉土が加えられて、球状になった培養土と赤玉土が混在していることを特徴とする培養土。
- 請求項1から5のいずれかに記載した培養土において、さらにパーライト及び/またはバーミキュライトが加えられて球状になった培養土とパーライト及び/またはバーミキュライトが混在していることを特徴とする培養土。
- 請求項1から4のいずれかに記載した球状化した培養土の製造方法において、土等の原材料を造粒機に投入し、水を与えながら混合することで球状に製造することを特徴とする培養土。
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