JP2000041479A - 脱水ケーキの処理法とこれによって得られた植生資材 - Google Patents

脱水ケーキの処理法とこれによって得られた植生資材

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JP2000041479A
JP2000041479A JP10220258A JP22025898A JP2000041479A JP 2000041479 A JP2000041479 A JP 2000041479A JP 10220258 A JP10220258 A JP 10220258A JP 22025898 A JP22025898 A JP 22025898A JP 2000041479 A JP2000041479 A JP 2000041479A
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俊博 広瀬
Masakatsu Nakatani
正勝 中谷
Kenichi Sato
健一 佐藤
Shigeo Kawasaki
繁雄 川崎
Shinya Fukuno
慎也 福埜
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Sato Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】脱水ケーキを自然界の作用により植生資材とし
て有効な物理的構造に変え、しかも再汚泥化することの
ない状態で自然のサイクルに還元してその有効利用を図
る、脱水ケーキの処理法とこれによって得られる植生資
材を提供する。 【解決手段】脱水ケーキに有機質資材を混入する。この
混合粘性物を攪拌するとともに混合粘性物に送気を行な
って有機質資材中に含まれている微生物資材の活動環境
を整備しつつ水分供給を行なって混合粘性物を養生す
る。当該養生期間中に上記微生物資材の働きによって混
合粘性物中の脱水ケーキを団粒化して植生資材とする。
脱水ケーキに有機質資材を混合する前または混合中に、
凝集材を添加して脱水ケーキの一時的な団粒化処理を行
うようにしても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土木工事で発生する各
種建設汚泥を有効利用するための脱水ケーキの処理法と
これによって得られる植生資材に関するものである。
【0002】
【従来技術】例えばダム建設工事現場では、コンクリー
ト骨材生産プラントで汚濁水が発生する。この汚濁水は
処理プラントで沈降分離処理処理される。沈殿物は加圧
脱水されて多量の建設汚泥(以下脱水ケーキ)を生じ
る。こうした脱水ケーキは、粘土・シルト分の多い緻密
な汚泥塊である。また、水分と接触すると容易にもとの
泥状に戻り、水質汚濁などの環境汚染の原因となり易
い。このため、従来の脱水ケーキ処理手段としては、乾
燥後、焼成(焼結)加工して軽量骨材とするか、固化剤
によって処理して埋戻し材として利用するなどの手法が
採られる。また、建設残土などに有機質資材を容量比
3:7で混入して植生資材とする技術も実施されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、軽量骨材とす
る方法では、多量に発生する脱水ケーキをまかないきれ
ない。また、埋戻し材にした場合にも廃棄場所に制約が
ある。更に、十分な結合力をもって固化されない限り、
再汚泥化して外部に流出したりする。建設残土を利用す
る場合には、混入される有機質資材の量が極めて多く、
処理できる残土の量が少ない。また、pH値が高い場合
には、その値が改善されず、植生資材として不充分な利
用しかできない。本発明の目的は、脱水ケーキを自然界
の作用により植生資材として有効な物理的構造に変え、
しかも再汚泥化することのない状態で自然のサイクルに
還元してその有効利用を図る、脱水ケーキの処理法とこ
れによって得られる植生資材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するために、次の構成を備える点に特徴がある。す
なわち、本発明は、脱水ケーキに有機質資材を混入し、
この混合粘性物を攪拌するとともに混合粘性物に送気し
て有機質資材に含まれている微生物資材の活動環境を整
備しつつ水分を供給して、混合粘性物を養生し、当該養
生期間中に上記微生物資材の働きによって混合粘性物中
の脱水ケーキを団粒化して植生資材とする、ものである
(請求項1)。脱水ケーキに有機質資材を混合する前ま
たは混合中に、凝集材を添加して脱水ケーキの一時的な
団粒化処理を行うようにしても良い(請求項2)。
【0005】本発明の対象となる脱水ケーキは、ダム建
設工事現場に限らず土木工事で発生する各種建設汚泥
(濁水処理の濃縮汚泥、泥水シールド余剰汚泥、地下連
続壁施工に伴う余剰汚泥など)を含む。本発明では、脱
水ケーキ10に対して有機質資材が1から3(容量比)
混入される。したがって、上記した残土処理の場合に比
べて少ない量の有機質資材で多量の脱水ケーキを処理で
き、しかも植物の生育に問題のない程度のpH値に改善
できる。こうした脱水ケーキは各種の下水汚泥で問題と
されるような有害金属を含むことはないものの粘土・シ
ルト分の多い緻密な汚泥塊であるために、通気性、透水
性、あるいは保水性が極端に乏しい。また、生成される
環境いかんでは例えばセメント粒子が混入されるなどし
てpH値の高いものもある。
【0006】脱水ケーキの成分と物理学的特性の一例を
示す。本脱水ケーキは富山県下新川郡の宇奈月ダム工事
現場の濁水プラントより採取されたものである。 1.汚泥ケーキの成分(単位は乾物量当たり) 窒素全量 0.03% リン全量 0.28% 水溶性カリ 0.00% 石灰全量 6.66% ケイ酸全量 62.09% 苦土全量 2.42% 酸化アルミニウム 17.34% 有機物量 1.43% (強熱減量) 2.物理化学的特徴 (1)物理的性質 透水係数 3.0×10−5cm/s 容積比重 1.05 三相分布 固相 60.30% 液相 35.60% 気相 4.10% (2)化学的性質 CEC(保肥力) 2.80meq/乾物100g EC 0.12mS/cm pH 9.38
【0007】以上から明らかなように濁水プラントより
採取された汚泥ケーキは、植物の三大栄養素といわれる
窒素、リン酸、カリの含有比率が極めて低い上、有機物
量も極めて低い値を示している。また、透水係数、容積
比重、三相分布を見ても、植物の根が伸長しにくい緻密
な構造であることが分かる。更に、ECが低い値を示し
ているので、植物の根に与える浸透圧の心配は無視でき
るが、CECも低い値を示しているので、陽イオン交換
能力も低いこと、即ち、肥料成分を蓄える力が弱いこと
が分かる。本汚泥ケーキは、水分が10〜20%のシル
ト質の塊であることが分かる。
【0008】脱水ケーキに混入される有機質資材は、こ
うした無機質汚泥塊の物理的構造を植生に適した状態に
改良する。植生する植物の種類によって混合される有機
質資材の種類も異なるが、一般的には醗酵堆肥、バーク
堆肥、稲藁、籾殻、雑草、その他土壌微生物含有資材が
選択される。醗酵堆肥は家畜糞尿を醗酵させて乾燥させ
た資材が代表的なものである。未完熟の場合には二次醗
酵やアンモニアなどのガスを放出するために取扱いの注
意を要するが、本発明を実施する上では完熟が好ましい
が、未完熟であっても良い。バーク堆肥などの木質系有
機資材の場合、資材そのものが粗孔隙量、保水性といっ
た植生に適する物理的構造を含む。その他の土壌微生物
含有資材としては、腐敗性の廃棄物をカルシウム処理し
て得られる資材などが選ばれる。勿論、これらの有機質
資材は有害物質を含まないことが条件となる。
【0009】有機質資材は、脱水ケーキに上記した有機
質資材を単独であるいは2種以上を組み合わせて混合さ
れる。脱水ケーキと有機質資材との混合割合は、本発明
方法を実施して得られた植生資材の用途に応じて異なる
が、総体的には脱水ケーキ100容量部に対して10〜
30容量部が望ましい。例えば、水田に供する場合、醗
酵堆肥を5容量部、バーク堆肥を5容量部、微生物含有
資材を1〜5容量部混合する。畑地の場合、醗酵堆肥を
10容量部、バーク堆肥を10容量部、微生物含有資材
を1〜5容量部混合する。また、樹園地の場合、醗酵堆
肥を10容量部、バーク堆肥を15容量部、微生物含有
資材を1〜5容量部混合する。
【0010】脱水ケーキと有機質資材は、適度に混合攪
拌された後、醗酵槽などに堆積して所定期間養生され
る。この間、脱水ケーキと有機質資材との混合粘性物
は、有機質資材に含まれている土壌微生物が活性化する
環境となるように、頻繁な攪拌が行われると共に、水分
と空気が供給される。養生期間は、脱水ケーキの具体的
な物理構造や混入される有機質資材の質や量などによっ
ても異なるが、一般的には約1か月程度を目安とする。
養生中、有機質資材内の微生物が急速に繁殖し、粘液物
質を生産して有機質と脱水ケーキの無機成分とを結合さ
せ、混合粘性物の団粒化を図る。したがって、攪拌は、
毎日あるいは週に2〜3回行うことで、混合粘性物中に
空気を入りやすくするばかりでなく、混合粘性物の組成
粒子と上記粘液物質との接触機会を増やす。水分は、混
合粘性物に適度の湿り気を与え、上記微生物の活性を高
める程度の量が時間をおいて散布される。空気は、混合
粘性物の底部などから常時連続してあるいは間欠的に供
給される。この空気供給(送気)は、混合粘性物内を好
気的な環境に整え、同様に微生物資材の活性を促す。混
合物粘性は攪拌されるものの堆積状態にあることから、
圧密によって嫌気化し易い。送気はこうした事態を防
ぐ。また、養生初期には脱水ケーキの含有水分によって
攪拌時に塊状化し易い傾向にあるが、送気によってこれ
も回避される。攪拌と送気と水分供給の三処理が並行し
て行われることにより、単独処理による弊害を互いに除
去し合って、微生物の急速な増殖と代謝産物生成を行わ
せる。団粒化を促進された混合粘性物は、脱水ケーキの
上記した物理的構造が変化しており、通気性、透水性、
保水性、保肥性に富んだ土壌(植生資材)になる。この
土壌は微生物の棲み易い環境を呈しており、植物の成育
に必要な栄養分も豊富に含有する。
【0011】請求項8に係る発明は、こうして得られた
植生資材であって、粒径組成のうち、250μm以下の
微小粒子の占有率が脱水ケーキにおける占有率よりも低
い一方、1000μm以上の大粒子の占有率が脱水ケー
キにおける占有率よりも高くなっていて、三相分布にお
ける気相が25%以上ある、点に特徴を有する。脱水ケ
ーキは、前記した物理的特性からして通常の畑土などと
比べると小粒径の粒子成分を多量に含んでいる(例えば
粒径250μm以下のものが65〜70%程度を占め
る)が、大粒径の粒子成分は微量(例えば粒径1000
μm以上のものが2〜3%程度を占める)である。この
ために、こねるとべたべたで団子状になり易く、乾燥す
ると固くなり壊れにくい反面、水を加えると再泥化す
る。本発明に係る植生資材は、微生物の働きによって小
粒径の粒子が結合して耐水性を持つ大径の粒子に変換さ
れ、これによって団粒構造が確保され、脱水ケーキ時に
は一桁台であった気相が25%以上に向上する。
【0012】本植生資材の団粒構造は、通常の畑土の団
粒構造と粒塊の構造が異なる。これを比較したものを図
1に示す。Aは小径の無機粒子の集合体を示している。
この集合体は、畑土での団粒化の場合、一旦Bに示す小
さな団粒が形成された後、これが複数集まってCに示す
ような二次団粒となる。一方、本発明に係る植生資材で
は、Aの集合体が攪拌と混合により細片化され(b)、
養生期間中にこの細片化されたものが微生物の代謝産物
等による結合材によって集合あるいは合体し(c)、そ
れが更に大きく成長してdに見られる粒塊を形成する。
したがって、通常の畑土の団粒構造における粒塊と比べ
て粒塊の径が大きいものが多くなり、必然的に粒塊同士
の隙間などからなる気相形成部も多くなる。このため、
畑土に比べて気相割合が高くなることが予想される。し
かし、三相分布において、植物の成育に支障をきたすよ
うな片寄りを示すわけではない。
【0013】本発明では、場合によって前処理として脱
水ケーキに凝集材が添加される。凝集材は、脱水ケーキ
を事前に物理的に団粒化し、三相分布の中の気相の占め
る割合を高くするためのもので、シルト塊として製造さ
れた汚泥ケーキを粗砂位の粒状体に形成できるものであ
れば有機・無機いずれも使用可能である。ポリアクリル
アミドのように微生物の固定化単体としても使用できる
ものが望ましい。ポリアクリルアミド系凝集材の添加量
は、汚泥ケーキ1m当たり1Kg以上あることが望ま
しい。ポリアクリルアミド系凝集材を添加することによ
り、脱水ケーキは高分子凝集材の架橋中に取り込まれる
ため、それ自身が物理的に団粒化し、通気性及び排水性
が良好となる。
【0014】しかしながら、ポリアクリルアミドの架橋
構造にシルトが包含された場合、圧力等、物理的衝撃に
弱くなる。そこで、凝集材に砂礫あるいは汚泥焼成骨材
等の粒状体を更に添加するようにしても良い。これらの
粒状体は、汚泥ケーキに混合されたときに破砕されるこ
となく間隙を形成して(圧密による通気性、排水性の悪
化の防止となる)団粒化を促す。例えば汚泥焼成骨材
は、濁水プラントで脱水・圧縮された汚泥ケーキを焼成
炉の回転ロータリードライヤ内に収容し、乾燥・焼成さ
せることによって製造される。ロータリードライヤの回
転中に汚泥ケーキは破砕され、乾燥・焼成された製品
は、数ミリから2〜3cm程度の球状体となる。焼成を
行う炉内の温度は、焼成品の硬度の調整のため、300
℃〜1100℃内で調整される。
【0015】上記のような前処理は、前記した有機質資
材中の微生物の働きを更に活発化させるもので、事前に
物理的団粒化を図ることで脱水ケーキの生物的かつ恒久
的な団粒化をスムースに行わせる要因となる。なお、上
記のようにして生成された処理物には必要に応じて不足
の肥効性成分を添加しても良い。
【0016】
【実施の最良の形態】図1は、本発明方法を実施するプ
ラントの要部を示す説明図である。搬入された脱水ケー
キは受け入れホッパで計量された後、第一搬送コンベア
に供出される。第一搬送コンベアには所望の有機質資材
が同様に計量されて供出される。脱水ケーキと有機質資
材とは第一コンベアによって混合機に送られ、混合機内
で十分に混合攪拌される。混合機から排出された混合粘
性物は第二搬送コンベアを介して処理槽に堆積される。
処理槽にはその下部に送気菅が敷設されており、槽内の
混合粘性物にコンプレッサを介して空気を常時供給す
る。醗酵槽の上方には自走式の切返し機と散水機が配設
されており、必要に応じて混合粘性物の切返しによる攪
拌と散水とを行う。
【0017】実施例1 前記した宇奈月ダムの建設現場から生じた脱水ケーキに
本発明を実施した結果を表1に示す。なお、以下の各種
試験は、主として、土質工学会発行の「土試験実習書」
に記載の各種試験法に準拠して行なった。試料1〜試料
4はいずれも脱水ケーキ100部に対して有機質資材と
して醗酵鶏糞を10部、バーク堆肥を10部(配合量は
容量比)それぞれ混合したもので、試料1から試料4は
いずれも醗酵鶏糞の種類を異にし、バーク堆肥を同じも
のにしてある。養生には、17%含水率とした後56日
間、空気を常時、また水分を必要に応じ供給し、3日間
毎に切返しを行った。なお、比較例として表2に良好畑
土と脱水ケーキのデータを記す。
【0018】
【表1】
【表2】
【0019】表2の脱水ケーキのデータと比較すると明
らかなように、本発明に係る試料1〜4はいずれも気相
割合が増えており(1.6%から32%以上)、特に試
料1、2、4は液相も25%程度確保され、三相のバラ
ンスがほどよく調和している。また、耐水性団粒分布を
見るに、脱水ケーキの場合、表2に見られるように25
0μm以下の粒子が68.6%もあり、反対に1000
μm以上の粒子が2.3%しかない。ところが、試料1
では250μm以下の粒子が15.0%に低下し、10
00μm以上の粒子が63.9%と飛躍的に多くなって
いる。このことは、試料2から4でも同様であり、25
0μm以下の粒子は、試料2の場合11.5%に、試料
3の場合17.1%に、また試料4の場合24.9%に
それぞれ低下しており、1000μm以上の粒子は逆
に、試料2で76.4%に、試料3で49%に、また試
料4で33.4%にそれぞれ増加している。こうした団
粒分布の変化は、微小あるいは小粒子が本発明方法によ
って大粒子に変換され、団粒化が促進されたことを示す
ものである。また、大粒子の占有率は、表2の畑土の場
合と比べても顕著に多く、このことは上記した気相割合
が高くなっていることに少なからず影響を与えているも
のと思われる。
【0020】更に、繰返し水中浸漬による再泥化粒子の
流出試験では、脱水ケーキの場合、流出が多く測定不能
であるのに対して、試料1と3と4は畑土と同様な程度
を維持し、再泥化を生じない程度の結合力をもって団粒
が維持されていることが解る。試料2も3.3%であっ
て、脱水ケーキとは比較にならない結果を維持してい
る。以上の点を総合すると、本来植生土壌としての利用
を全く期待できなかった脱水ケーキが、本発明の処理を
経ることによって、根張りや透水性など植生に適した資
材に変換されているといえる。
【0021】実施例2 上記試料4について、「ハッカダイコン」と「コマツ
ナ」を供試植物とする発芽率と成長率に関する植生ポッ
ト試験を試みたところ、次の結果が得られた。「ハッカ
ダイコン」では、播種後7日の発芽率は70%、播種後
15日の二葉形成率は100%であった。また播種後2
1日の根張りの状態は良好であった。また、「コマツ
ナ」では、播種後7日の発芽率は同様に70%、播種後
15日の二葉形成率は40%であった。「ハッカダイコ
ン」に関しては、本試料でのほぼ確実な発芽率と成育率
とが確認できた。「コマツナ」で成育率に優れない結果
が出たのは、本試料の滲出水のpH値が8.04とやや
高い点に原因があると思われる。しかしながら、本試料
のpH値を中和させる手段を採用することで、「コマツ
ナ」についても十分な成育が期待できる。いずれにし
ろ、本試料が育成する植物の種類に若干の限定はあるも
ののそのまま植生土壌として利用できる物理的構造を持
つことに変わりはない。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、脱水
ケーキに有機質資材を混入して養生し、この養生期間中
に攪拌と水分供給並びに通気を行って微生物の増殖環境
を整備するようにしているので、シルト状の圧密状態に
ある脱水ケーキを微生物の生産する粘性物質によって風
化あるいは崩壊の起こりにくい団粒構造に変えることが
でき、これによって肥沃な自然の土と遜色のない植生用
資材を得ることができる。
【0023】また、本発明によれば、多量に発生する脱
水ケーキに比較的に安定供給可能な有機質資材を混入す
るものであるから、容易かつ経済的に処理を行うことが
できる。しかも、脱水ケーキと有機質資材には、各種の
有用ミネラル成分が多く含まれているので、植生用資材
として作物の成育と品質向上に極めて有効である。
【0024】更に本発明によれば、脱水ケーキを植生土
壌として自然に還元するものであり、廃棄物を自然のサ
イクルの中で有効利用できる。特に表土の不足が叫ばれ
ている今日、本発明の処理物は表土の代用あるいは表土
そのものとして利用でき、その有効性は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る植生資材の団粒構造を通常の畑土
の団粒構造との違いを示す模式図
【図2】本発明方法を実施するためのプラントの一例を
示す説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 596136707 株式会社サトーマシーナリ 富山県富山市桜木町1番11号 (72)発明者 広瀬 俊博 富山県黒部市天神新173番地 建設省北陸 地方建設局黒部工事事務所内 (72)発明者 中谷 正勝 富山県黒部市天神新173番地 建設省北陸 地方建設局黒部工事事務所内 (72)発明者 佐藤 健一 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内 (72)発明者 川崎 繁雄 東京都中央区日本橋本町4丁目4番20号 佐藤工業株式会社内 (72)発明者 福埜 慎也 富山県富山市桜木町1番11号 株式会社サ トーマシーナリ内 Fターム(参考) 2B022 AA05 BA13 BA14 BA18 BA21 BB01 4D059 AA09 BA03 BA25 BA42 BA44 BB02 BB14 BD00 BE15 BE31 BE56 BF13 BF15 BF17 BJ00 BK09 BK11 CB01 CB04 CB09 CC10 DB24 DB31 DB32 DB33 DB40 EB01 EB06 EB11 4H026 AA07 AA08 AA15 AA18 AB03 AB04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱水ケーキに有機質資材を混入し、 この混合粘性物を攪拌するとともに混合粘性物に送気を
    行なって上記有機質資材に含まれている微生物資材の活
    動環境を整備しつつ、水分供給を行なって混合粘性物を
    養生し、 当該養生期間中に上記微生物資材の働きによって混合粘
    性物中の脱水ケーキを団粒化して植生資材とする、 脱水ケーキの処理法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の脱水ケーキの処理法におい
    て、 脱水ケーキに有機質資材を混合する前または混合中に、
    凝集材を添加して脱水ケーキの一時的な団粒化処理を行
    う、 脱水ケーキの処理法。
  3. 【請求項3】前記脱水ケーキが建設工事で発生する汚泥
    から生じる無機質脱水ケーキである、 請求項1もしくは請求項2に記載の脱水ケーキの処理
    法。
  4. 【請求項4】前記送気は、前記混合粘性物内を微生物資
    材の活性を高めるに必要な好気性環境に保ち、かつ、微
    生物の発生させる炭酸ガスと共に混合粘性物を中性化さ
    せる程度の量が給送される、 請求項1もしくは請求項2記載の脱水ケーキの処理法。
  5. 【請求項5】前記水分は、前記攪拌と送気などにより混
    合粘性物中の水分が低下して微生物資材の活性が損なわ
    れるのを防止する程度の量が散水もしくは噴霧される、 請求項1もしくは請求項2記載の脱水ケーキの処理法。
  6. 【請求項6】前記有機質資材が堆肥である、 請求項1もしくは請求項2記載の脱水ケーキの処理法。
  7. 【請求項7】前記脱水ケーキ100容量部に対して前記
    有機質資材を10乃至30容量部混合する、 請求項1もしくは請求項2記載の脱水ケーキの処理法。
  8. 【請求項8】請求項1記載の方法によって得られる植生
    資材であって、 粒径組成のうち、250μm以下の微小粒子の占有率が
    脱水ケーキにおける占有率よりも低い一方、1000μ
    m以上の大粒子の占有率が脱水ケーキにおける占有率よ
    りも高く、三相分布における気相が25%以上ある、 植生資材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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