JP4514290B2 - 建設汚泥のリサイクルシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設汚泥のリサイクルシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
工事現場で発生する濁水は、一般的に濁水処理設備によって処理され、その処理の結果、建設汚泥が排出される。
建設汚泥は、フィルタープレスによってある程度脱水処理された脱水ケーキの形態で排出されるが、この汚泥の脱水は不充分であり、また、再利用に適した状態にまで処理されているわけではない。このため、この汚泥は産業廃棄物として処理しなくてはならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
産業廃棄物としての建設汚泥は最終処分場で処理しなくてはならないため、工事現場の近くに最終処分場を確保しなくてはならず、また、最終処分場を確保したとしても建設汚泥を最終処分場に運送するための輸送コストがかかるという問題がある。
また、建設汚泥を単に産業廃棄物として処理することは資源を有効に活用しているとはいえず、これらの建設汚泥をリサイクルすることが要請されている。
本発明は、上記のような事情のもとになされたもので、その目的は、工事現場などの濁水処理施設から排出される建設汚泥を有効にリサイクルすることができる建設汚泥のリサイクルシステムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の建設汚泥のリサイクルシステムは、工事現場などの濁水処理施設から排出された汚泥をフィルターでろ過し高圧脱水する脱水手段と、前記脱水処理手段で脱水された汚泥に高分子系固化剤を混合することによって団粒化された汚泥を得る第1混合手段と、前記第1混合手段で団粒化された汚泥を粉砕する第1粉砕手段と、前記第1粉砕手段で粉砕された汚泥に植物の発芽と生育を助長する添加材料を混合する第2混合手段と、前記第2混合手段で混合された汚泥と前記添加材料の混合物を発酵させるとともに攪拌することで前記混合物自身から発生する熱によって前記混合物の水分を蒸発させる発酵手段と、前記発酵手段により含水率が減少した前記混合物を粉砕して緑化基盤材を生成する第2粉砕手段とを備え、前記緑化基盤材と種子と肥料と接合剤とを混合して混合材料とする第3混合手段と、一端が前記第3混合手段に連通され、他端が吹出し口として開口される圧送ホースと、前記第3混合手段で混合された前記混合材料を圧縮空気を用いて前記圧送ホースの一端から他端に向けて圧送する圧送手段と、水源からの水を揚水する揚水ポンプと、一端が前記揚水ポンプに連通され、他端が前記圧送ホースの吹出し口近傍の箇所に連通された水ホースとを有し、前記第3混合手段で混合された前記混合材料が前記圧送手段によって前記圧送ホースの一端から他端に向けて圧送されるととともに、前記揚水ポンプで揚水された水が前記水ホースの一端から他端に圧送されることにより、前記吹出し口の箇所で前記混合材料と前記水とが混合されつつ前記吹出し口から施工面に吹出されるように構成された吹き付け装置を設けたことを特徴とする。
【0005】
そのため、本発明の建設汚泥のリサイクルシステムによれば、工事現場の濁水処理施設から排出される汚泥が脱水手段により脱水され、その脱水された汚泥が第1混合手段によって高分子系固化剤と混合されて団粒化され、団粒化された汚泥が第1粉砕手段によって粉砕され、粉砕された汚泥に添加材料が第2混合手段によって混合され、汚泥と添加材料の混合物が発酵手段によって発酵、攪拌されて水分が蒸発され、含水率が減少した混合物が第2粉砕手段によって粉砕されることで緑化基盤材として生成される。
このような緑化基盤材は、植物の発芽、生育に適したものとなるため、従来と違って、汚泥を産業廃棄物として最終処分場で処理する必要がなく、種々の緑化工法に使用することができ、建設汚泥を有効にリサイクルすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の建設汚泥のリサイクルシステムについて説明する。
図1は本発明の建設汚泥のリサイクルシステムの実施の形態の構成を示す全体構成図、図2は本実施の形態の建設汚泥のリサイクルシステムの一部をなす吹き付け装置の構成を示す構成図である。
【0009】
まず、図1を参照して建設汚泥のリサイクルシステムの全体構成について説明する。
建設汚泥のリサイクルシステム(以下、単にリサイクルシステムという)1000は、濁水処理施設100、中圧フィルタープレス200(特許請求の範囲の脱水手段に相当)、ショベルカー300、400、500、1次発酵ヤード600A、2次発酵ヤード600B、3次発酵ヤード600C、袋詰めヤード600D、吹き付け装置700などを備えて構成されている。
【0010】
以下、各建設汚泥の処理工程の順序に従って説明する。
濁水処理施設100は、工事現場で発生する濁水を沈澱水槽に導き、所定の薬剤を混合して攪拌することで浮遊物を沈下させ、濁水を沈下堆積物、すなわち汚泥と処理水とに分離する濁水処理工程を実行する。
分離された汚泥はポンプなどによって中圧フィルタープレス200に搬送される。処理水は環境基準を満たすように適切な処理がなされ、河川に再放流される。
なお、上記濁水は、コンクリート注入時に発生するグラウト排水やコンクリート養生水などのセメント分が含まれているため、アルカリ性を呈している。したがって、後述するように種子の発芽を阻害させないように上記濁水に炭酸ガスなどを吹き込むことで濁水を中和してアルカリ性から中性に処理することが好ましい。
【0011】
中圧フィルタープレス200は、濁水処理施設100で分離された汚泥を例えば袋状のフィルターに入れてろ過し、高圧脱水をかけ汚泥から水分を除去し、脱水ケーキ10の形態にする脱水工程を実行する。
この中圧フィルタープレス200によって脱水された汚泥は、その含水量が約40%以下となり、コーン指数で概ね400kN/m2以上の強度を有する、つまり第3種建設発生土に該当するものとなる。
したがって、上記脱水ケーキ10は、第3種建設発生土(例えば構造物の裏込土、すなわち埋め戻しに使用される土)として使用することができる。
【0012】
ショベルカー300は、自走式の車体310と、車体310に設けられたアーム320と、アーム先端に設けられた第1スクリーンバケット330によって脱水ケーキ10と高分子系固化剤とを混合、攪拌することで団粒化された汚泥12を得る第1混合工程を実行する。ここでは、上記ショベルカー300が特許請求の範囲の第1混合手段に相当している。第1スクリーンバケット330はふるい状に形成されている。
高分子系固化剤は、脱水ケーキ10の土粒子表面を被覆することで土粒子を互いに架橋・団粒化する作用を果たす。土粒子が架橋・団粒化されることによって次に述べる団粒化された汚泥12の粉砕が効率よく行なわれる。
【0013】
次いで、ショベルカー300のアーム先端に装着されたこの第1スクリーンバケット330に団粒化された汚泥12を入れて上記団粒化された汚泥12をその直径が約40mm以下となるように粉砕する第1粉砕工程を実行する。第1スクリーンバケット330は汚泥12をその直径が約40mm以下に粉砕できるように構成されている。ここでは、上記ショベルカー300が特許請求の範囲の第1粉砕手段に相当している。
【0014】
ショベルカー400は、自走式の車体410と、車体410に設けられたアーム420と、アーム先端に設けられた第1スクリーンバケット430(前述した第1スクリーンバケット330と同じ機能を有するもの)を有している。
そして、ショベルカー400は、アーム420と第1スクリーンバケット430を駆動することによって、団粒化された汚泥12と添加材料14とを混合、攪拌することによって混合物16を得る第2混合工程を実行する。ここでは、ショベルカー400が特許請求の範囲の第2混合手段に相当している。
上記添加材料14は、植物の発芽と生育を助長するものであり、活性鶏糞と、土壌改良剤と、基盤材とを含んで構成されている。
活性鶏糞は、汚泥と混合されて後述する発酵が行なわれることによって、汚泥に含まれるアルミナ成分、すなわち植物の発芽を阻害する成分を分解する作用を有している。土壌改良剤は、植物に必要なミネラル分を含み、肥料分に相当するものである。基盤材は堆肥を含むものである。
また、団粒化された汚泥12と添加材料14の混合比率は例えば50:50(容積比)である。
【0015】
混合物16は、ショベルカー400によって1次発酵ヤード600Aに運搬され、ここで1次の発酵熟成がなされる。
混合物16は発酵する過程で熱を発し、その発酵の過程でショベルカー400の第1スクリーンバケット430などによって適宜混合、攪拌が行なわれることで水分が蒸発され、含水量調整が行なわれる。
【0016】
1次発酵ヤード600Aでの発酵熟成が終了した混合物18は、ショベルカー400によって2次発酵ヤード600Bに運搬され、ここで2次の発酵熟成がなされる。
混合物18は発酵する過程で熱を発し、その発酵の過程でショベルカー400の第1スクリーンバケット430などによって適宜混合、攪拌が行なわれることで水分が蒸発され、含水量調整が行なわれることは前述と同様である。
【0017】
さらに、2次発酵ヤード600Bでの発酵熟成が終了した混合物20は、ショベルカー400によって3次発酵ヤード600Cに運搬され、ここで3次の発酵熟成がなされる。
混合物20は発酵する過程で熱を発し、その発酵の過程でショベルカー400の第1スクリーンバケット430などによって適宜混合、攪拌が行なわれることで水分が蒸発され、含水量調整が行なわれた結果、含水量が25%以上乃至35%以下程度に減少された混合物22が得られる。
上述した1次乃至3次の発酵熟成が特許請求の範囲の発酵工程に相当している。また、上述した1次発酵ヤード600A乃至第3発酵ヤード600Cと、ショベルカー400とによって特許請求の範囲の発酵手段が構成されている。
【0018】
3次発酵ヤード600Cで含水量が調整された混合物22は、ショベルカー400によって袋詰めヤード600Dに運搬される。
袋詰めヤード600Dにはショベルカー500が用意されている。
ショベルカー500は、自走式の車体510と、車体510に設けられたアーム520と、アーム先端に装着された第2スクリーンバケット530を有している。第2スクリーンバケット530はふるい状に形成されている。
そして、ショベルカー500は、アーム先端に装着された第2スクリーンバケット530に混合物22を入れて上記混合物22をその直径が約20mm以下となるように粉砕することで緑化基盤材24を得る第2粉砕工程を実行する。第2スクリーンバケット530は上記混合物22をその直径が約40mm以下に粉砕できるように構成されている。
次いで、緑化基盤材24は、運搬や保管のため袋26に袋詰めされる。袋26は例えば1400リットル程度の容量を有する。
【0019】
このようにして生成された緑化基盤材24は、後述するような吹き付け装置700を用いた緑化工法に用いることができるだけでなく、肥料として用いることも可能である。
【0020】
次に、図2を参照して、吹き付け装置700を使用して緑化基盤材24を斜面(5)に吹き付けることで緑化を行なう緑化工法について説明する。
まず、吹き付け装置700の構成について説明する。
吹き付け装置700は、計量器702、ベルトコンベア704、配電盤706、発動発電機708、電線709、空気圧縮機710、揚水ポンプ712、水タンク714、水ホース716、エアホース718、モルタル吹き付け機720、材料圧送ホース722などを備えて構成されている。
【0021】
計量器702は、緑化基盤材24を所定量計量するために使用される。
発動発電機708は、配電盤706を介してベルトコンベア704、空気圧縮機710、揚水ポンプ712にそれぞれ電線709を介して電源を供給するためのものである。
ベルトコンベア704は緑化基盤材24をモルタル吹き付け機720に搬送するためのものである。
空気圧縮機710はモルタル吹き付け機720にエアホース718を介して圧縮空気を供給するためのものである。
揚水ポンプ712は水源、例えば河川713や水タンク714の水を揚水して水ホース716を介して以下に説明するモルタル吹き付け機720の材料圧送ホース722の他端722Bに供給するためのものである。
水ホース716は一端716Aが揚水ポンプ712に連通され、他端716Bが圧送ホース722の吹出し口722C近傍の箇所(他端722B)に連通されている。
【0022】
モルタル吹き付け機720は、本体720A(特許請求の範囲の第3混合手段、圧送手段に相当)と、本体720に一端722Aが連通され他端722Bが吹出し口722Cとして開口された材料圧送ホース722とを備えている。
他端722Bには水ホース716の他端716Bが連通されており、水ホース716を介して圧送される水が供給されるようになっている。
本体720Aは、ベルトコンベア704で供給された緑化基盤材24と種子と緩効性の肥料と接合剤とを混合して混合材料を生成し、この混合材料を空気圧縮機710から供給される空気圧によって材料圧送ホース722に送り込んで圧送するように構成されている。なお、図2において、種子、緩効性の肥料、接合剤については図示を省略している。
材料圧送ホース722の一端722Aに供給された混合材料は、材料圧送ホース722内を圧送され他端722Bの吹出し口722Cから吹出されるようになっている。
【0023】
緑化される対象である斜面50(特許請求の範囲の施工面に相当)上には該斜面50を覆うように金網52がアンカーピン54などの保持部材によって取付けられている。
【0024】
次に上述のように構成された吹き付け装置700を用いた緑化工法の手順について説明する。
袋26につめられた緑化基盤材24は、緑化する斜面50がある緑化現場に運搬される。
袋26から取り出された緑化基盤材24は、計量器702によって所定量分計量され、ベルトコンベア704によってモルタル吹き付け機720へ運搬される。
ベルトコンベア704によって運搬される緑化基盤材24は、本体720Aの内部に所定量の種子と緩効性の肥料と接合剤と共に投入され、本体720A内で混合されて混合材料74となる。本体720Aによって生成された混合材料74は、材料圧送ホース722を介して圧送される。これと同時に、揚水ポンプ712で揚水された水が水ホース716の一端716Aから他端716Bに圧送される。したがって、吹出し口722Cの箇所で混合材料と水とが混合されつつ吹出し口722Cから斜面50に向かって吹き付けられる。
水と混合された混合材料74は、斜面50と金網52の上に吹き付けられることで種子を含んだ生育基盤60を形成する。これにより、斜面50の緑化が行なわれる。
なお、上述した緑化基盤材と種子と緩効性の肥料と接合剤と水とを混合して吹き付けることによって厚層を形成する緑化工法は周知の工法であり、厚層基材吹き付け工法という。
【0025】
また、発明者らは、団粒化された汚泥12と添加材料14の混合比率(容積比)の値を変えて緑化基盤材24を作って植木鉢に入れて発芽試験を行ない、発芽比率を調査した結果に基づいて、上記実施の形態で説明した汚泥12と添加材料14の混合比率(容積比)を適宜設定して作成した緑化基盤材24を用いて実際の斜面(法面)を緑化し、発芽状況を試験し、発芽および生育が良好であることを実証した。上記混合比率は限定されないが、例えば50:50でも施工可能である。
【0026】
以上説明したように本実施の形態による汚泥のリサイクルシステムによれば、建設汚泥から緑化基盤材を生成することができ、この緑化基盤材は、植物の発芽、生育に適したものとなるため、種々の緑化工法に使用することができ、従来と違って、汚泥を産業廃棄物として最終処分場で処理する必要がなく、建設汚泥を有効にリサイクルすることができる。
また、汚泥処理に石灰やセメント系の添加物を使用していないので、コストも掛からない。
また、活性鶏糞、土壌改良材、基盤材を含む添加材料を脱水ケーキに混合して緑化基盤材が生成されるため、植物の病害に対して生態的な防除がなされ、病気に強く、永続性の高い緑化が可能となる効果がある。
また、緑化基盤材は、その形態や性状が種々の緑化工法で使用されている緑化基盤材と変わらないため、従来の緑化基盤材と同じ扱いで施工でき、作業者の負担も従来と全く変わらない。
【0027】
なお、本発明のリサイクルシステムによって生成された緑化基盤材24は、上述した実施の形態で説明した厚層基材吹き付け工法に使用することに限定されるものではなく、種々の緑化工法で使用できることはもちろんである。
また、上述した実施の形態では、発酵工程を1次乃至3次の3段階としたが、発酵工程の回数はこれに限定されない。
また、第1粉砕工程における汚泥の粉砕は直径が40mm以下となるように、第2粉砕工程における混合物の粉砕は直径が20mm以下となるようにしたが、これらの寸法は変更可能である。
また、脱水工程で脱水された汚泥の含水率を40%以下として、発酵工程で水分が蒸発された混合物の含水率を25%以上35%以下としたが、これら含水率も変更可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の建設汚泥のリサイクルシステムは、工事現場などの濁水処理施設から排出された汚泥をフィルターでろ過し高圧脱水する脱水手段と、前記脱水処理手段で脱水された汚泥に高分子系固化剤を混合することによって団粒化された汚泥を得る第1混合手段と、前記第1混合手段で団粒化された汚泥を粉砕する第1粉砕手段と、前記第1粉砕手段で粉砕された汚泥に植物の発芽と生育を助長する添加材料を混合する第2混合手段と、前記第2混合手段で混合された汚泥と前記添加材料の混合物を発酵させるとともに攪拌することで前記混合物自身から発生する熱によって前記混合物の水分を蒸発させる発酵手段と、前記発酵手段により含水率が減少した前記混合物を粉砕して緑化基盤材を生成する第2粉砕手段とを備え、前記緑化基盤材と種子と肥料と接合剤とを混合して混合材料とする第3混合手段と、一端が前記第3混合手段に連通され、他端が吹出し口として開口される圧送ホースと、前記第3混合手段で混合された前記混合材料を圧縮空気を用いて前記圧送ホースの一端から他端に向けて圧送する圧送手段と、水源からの水を揚水する揚水ポンプと、一端が前記揚水ポンプに連通され、他端が前記圧送ホースの吹出し口近傍の箇所に連通された水ホースとを有し、前記第3混合手段で混合された前記混合材料が前記圧送手段によって前記圧送ホースの一端から他端に向けて圧送されるととともに、前記揚水ポンプで揚水された水が前記水ホースの一端から他端に圧送されることにより、前記吹出し口の箇所で前記混合材料と前記水とが混合されつつ前記吹出し口から施工面に吹出されるように構成された吹き付け装置を設けた構成とした。
【0029】
そのため、本発明の建設汚泥のリサイクルシステムによれば、工事現場の濁水処理施設から排出される汚泥が脱水手段により脱水され、その脱水された汚泥が第1混合手段によって高分子系固化剤と混合されて団粒化され、団粒化された汚泥が第1粉砕手段によって粉砕され、粉砕された汚泥に添加材料が第2混合手段によって混合され、汚泥と添加材料の混合物が発酵手段によって発酵、攪拌されて水分が蒸発され、含水率が減少した混合物が第2粉砕手段によって粉砕されることで緑化基盤材として生成される。
このような緑化基盤材は、植物の発芽、生育に適したものとなるため、従来と違って、汚泥を産業廃棄物として最終処分場で処理する必要がなく、種々の緑化工法に使用することができ、建設汚泥を有効にリサイクルすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建設汚泥のリサイクルシステムの実施の形態の構成を示す全体構成図である。
【図2】本実施の形態の建設汚泥のリサイクルシステムの一部をなす吹き付け装置の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
1000 建設汚泥のリサイクルシステム
10 脱水ケーキ
12 汚泥
14 添加材料
16、18、20、22 混合物
24 緑化基盤材
100 濁水処理施設
200 中圧フィルタープレス
300、400、500 ショベルカー
600A 1次発酵ヤード
600B 2次発酵ヤード
600C 3次発酵ヤード

Claims (7)

  1. 工事現場などの濁水処理施設から排出された汚泥をフィルターでろ過し高圧脱水する脱水手段と、
    前記脱水処理手段で脱水された汚泥に高分子系固化剤を混合することによって団粒化された汚泥を得る第1混合手段と、
    前記第1混合手段で団粒化された汚泥を粉砕する第1粉砕手段と、
    前記第1粉砕手段で粉砕された汚泥に植物の発芽と生育を助長する添加材料を混合する第2混合手段と、
    前記第2混合手段で混合された汚泥と前記添加材料の混合物を発酵させるとともに攪拌することで前記混合物自身から発生する熱によって前記混合物の水分を蒸発させる発酵手段と、
    前記発酵手段により含水率が減少した前記混合物を粉砕して緑化基盤材を生成する第2粉砕手段とを備え、
    前記緑化基盤材と種子と肥料と接合剤とを混合して混合材料とする第3混合手段と、一端が前記第3混合手段に連通され、他端が吹出し口として開口される圧送ホースと、前記第3混合手段で混合された前記混合材料を圧縮空気を用いて前記圧送ホースの一端から他端に向けて圧送する圧送手段と、水源からの水を揚水する揚水ポンプと、一端が前記揚水ポンプに連通され、他端が前記圧送ホースの吹出し口近傍の箇所に連通された水ホースとを有し、前記第3混合手段で混合された前記混合材料が前記圧送手段によって前記圧送ホースの一端から他端に向けて圧送されるととともに、前記揚水ポンプで揚水された水が前記水ホースの一端から他端に圧送されることにより、前記吹出し口の箇所で前記混合材料と前記水とが混合されつつ前記吹出し口から施工面に吹出されるように構成された吹き付け装置を設けた、
    ことを特徴とする建設汚泥のリサイクルシステム。
  2. 前記第1粉砕手段による前記団粒化された汚泥の粉砕は前記汚泥の直径が約40mm以下となるように行なわれることを特徴とする請求項記載の建設汚泥のリサイクルシステム。
  3. 前記第2粉砕手段による前記混合物の粉砕は前記混合物の直径が約20mm以下となるように行なわれることを特徴とする請求項または記載の建設汚泥のリサイクルシステム。
  4. 前記脱水手段による前記汚泥の高圧脱水は、前記脱水された汚泥の含水率が約40%以下となるように行なわれることを特徴とする請求項1乃至に何れか1項記載の建設汚泥のリサイクルシステム。
  5. 前記脱水手段による前記汚泥の高圧脱水は、前記脱水された汚泥が第3種建設発生土に相当するコーン指数で概ね400kN/m以上の強度を有するように行なわれることを特徴とする請求項1乃至に何れか1項記載の建設汚泥のリサイクルシステム。
  6. 前記発酵手段による前記混合物の水分の蒸発は、前記混合物の含水率が25%以上乃至35%以下程度となるように行なわれることを特徴とする請求項1乃至に何れか1項記載の建設汚泥のリサイクルシステム。
  7. 前記第2混合手段によって前記汚泥に混合される前記添加材料は、前記汚泥に含まれるアルミナ成分の分解を行なうための活性鶏糞と、ミネラル分を含む土壌改良剤と、堆肥を含む基盤材との少なくとも1つを含んで構成されていることを特徴とする請求項1乃至に何れか1項記載の建設汚泥のリサイクルシステム。
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