JP3959157B2 - 汚泥の脱水処理装置 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、土木建築工事、浚渫工事等で発生する汚泥の脱水処理工法及びその脱水処理装置の改良に関し、たとえば、高含水比の浚渫汚泥を他の工事の盛土などに再利用する目的で、第3種建設発生土(通常の施工性が確保される粘性土及びこれに準ずるもの。コーン指数qc=4 kgf/cm2 以上)、又は第4種建設発生土(粘性土及びこれに準ずるもので第3種建設発生土を除く)になるよう簡単かつ低コストで脱水処理する汚泥の脱水処理装置に関する。
【0002】
【従来技術と課題】
土木建築工事、浚渫工事等において、特に浚渫工事における高含水比の浚渫土を広大な排泥地に揚泥し、天日乾燥などの土木的脱水工法で処理し、6ケ月〜1年位の期間を要しても、第4種建設発生土(コーン指数 概ね2以上)まで脱水し得る否かという程度であったり、或いは同発生土まで脱水し得ないため、やむをえず、砂などの良質土を混合し改良して運搬処分していた。
又近年、土木建築工事現場などには、機械による強制脱水方法として、フィルタープレス、ベルトプレス、遠心脱水機などを使用した脱水方法が普及しているが、そのなかでも、脱水ケーキを最も低含水比に脱水できるフィルタープレス使用の強制脱水方法が広く普及している。
処が、フィルタープレスを使用した強制脱水方法においても、河川、湖沼などの底泥、ヘドロの浚渫泥水の脱水については、第4種建設発生土程度までは脱水できるが、第3種建設発生土まで脱水アップするには脱水時間が極めて長くなり、同時に脱水処理量が著しく低下するといった難点があった。
そこで、通常5〜7 kgf/cm2 の加圧力で脱水する標準のフィルタープレスに対し、40 kgf/cm2 の高い加圧力で脱水する高圧型フィルタープレス、高圧流体で膨らませるダイヤフラムを加圧室内にセットし、濾室内の脱水ケーキをさらに圧搾する方式のフィルタープレスなどが開発されたが、それら両者は、装置の構造が複雑で取扱いがなかなか難しく、かつ概して高価な装置であるため、土木建築分野では普及していない。
本出願人は前記問題点を解決するために特願平8−87967号を既に出願している。
この提案は弾性部材からなる濾枠を有する第1濾板、第2濾板を前後方向に交互に配置してフィルタープレス本体を構成し、該第2濾板に金枠を設け、その金枠と第1濾板の対向面との間に差し込んで押圧スペースを確保する可動ストッパーを抜き差し可能に設け、汚泥の加圧脱水に先立ってその可動ストッパーを金枠と第1濾板の対向面との間に差し込み且つフィルタープレス本体を押圧スペース分だけ押圧して圧縮する濾枠で濾室を形成して汚泥の圧入を可能とし、該濾室に圧入された汚泥の対する加圧脱水終了後に前記可動ストッパーを原点位置まで復動(抜き取る)させて濾室内の汚泥に対する圧搾脱水を可能にしている。
そして、第1濾板、第2濾板は両側端部位中途部からアームを突設し、そのアームの下端に設けたローラをレールに載承して第1濾板を前後方向に摺動可能に案内して前記のように押圧可能にすると共に、アームを開枠装置(チェーンとそのチェーンに所定間隔をおいて設けた引っ掛け部とからなる周知構造)で牽引して圧搾脱水後に開枠して脱水ケーキを落下するようになっている。
この技術は弾性部材からなる濾枠を有する第1濾板、第2濾板を押圧手段で近付く方向に圧縮(押圧)する時に、差し込まれている可動ストッパーに金枠が当接するまで圧縮されることによって圧縮する濾枠で所定厚さの濾室を形成して加圧脱水し、その可動ストッパーを抜き取ることによる更なる圧縮で圧搾脱水させて、簡単な構造で低含水比の脱水ケーキを能率的に得ることを可能にしている。
しかし、前記可動ストッパーがピン状であるため、加圧脱水時の圧力が繰り返されると変形してしまったり、ズレる虞れがあり、耐久性の面及び所定厚の濾室を常時確保する信頼性の面で改良の余地がある。
この問題を解決するために例えば前記可動ストッパーを板状にして押圧時の圧力が分散できるようにすることが提案されるが、必然的に濾板がその分重量化して、開枠時の抵抗が大きくなり、高トルクな駆動源を必要としてしまう。
本発明は、上述した従来技術に着目してなしたものであるが、殊に前記高圧型フィルタープレス、高圧流体で膨らませるダイヤフラムを加圧室内にセットして脱水ケーキをさらに圧搾する方式の前記フィルタープレスなどに着目してなしたもので、低含水比の脱水ケーキを能率的に得ることが可能な構造簡単で耐久性に優れ、しかも安価な脱水処理手段を提供することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明は、叙上の目的を達成するため講じた技術的手段は、弾性部材からなる濾枠を前後両面に設けた第1濾板、第2濾板を前後方向に交互に配置して構成したフィルタープレス本体と、前記第2濾板における濾枠外周の前後両面部分に設けられた固定ストッパーと、その固定ストッパーと第1濾板における濾枠外周の前後両面との間に抜き差しするスライド可能な面板状の可動ストッパーとを備え、該可動ストッパーを差し入れて固定ストッパーと第1濾板における濾枠の前記前面部分、後面部分との間に濾枠の押圧スペースを確保し且つ抜き取りによって濾枠を更に圧縮可能に構成し、前記可動ストッパーは左右側端部上下複数箇所から左右両側方に突設した支持腕に湾曲状の引っ掛け用凹部を下側から凹設した構成として濾枠よりも外周の第1濾板前後面部分に設けたガイド部にスライド可能に遊嵌挿され、且つ該可動ストッパーは引っ掛け用凹部各々を、左右両側方に配置されて同フィルタ−プレス本体に接近・離間動する平行ロッドに引っ掛けて支承し、且つその引っ掛け用凹部を、フィルタープレス本体と離間する側の平行ロッド周面部分との間にクリアランスを確保する大きさに形成していることを要旨とする。
【0004】
本発明は下記の作用を奏する。
第2濾板における濾枠外周の前後両面の両側部分には第1濾板の濾枠外周の前面部分、後面部分と対向する固定ストッパーを設け、可動ストッパーを、その固定ストッパーと第1濾板における濾枠外周の前記前面部分、後面部分との間に差し入れて押圧スペースを確保する。この押圧スペースは加圧脱水に先立ってフィルタープレス本体を押圧することよって圧縮される濾枠で濾室を形成する。
この押圧スペースは可動ストッパーの前後面が第1濾板、固定ストッパーに当接するまでの隙間であり、この隙間分で互いに衝合する濾枠が圧縮されて所定厚さの濾室を形成する。
この濾室に汚泥を圧入して加圧脱水し、加圧脱水終了後にその面板状の可動ストッパーを引き抜き、フィルタープレス本体を押圧して圧搾脱水する。
これにより、面板状の可動ストッパーの抜き差しだけで加圧脱水と加圧脱水後の圧搾脱水が可能になる。
また、可動ストッパーはその支持腕を濾枠よりも外周の第1濾板前後面部分に設けたガイド部に遊嵌挿すると共に、左右両側方からフィルタ−プレス本体に接近・離間動する平行ロッドにその支持腕を引っ掛けて支承して、可動ストッパーの全荷重が開枠時の負荷力として開枠装置(チェーンとそのチェーンの所定間隔をおいて設けた引っ掛け部とからなる周知構造)に作用するのを小さく抑制する。
そして、その支持腕に設けた引っ掛け用凹部のクリアランスで、平行ロッドに噛み込むことなく摺動案内され、且つそのクリアランスが前記開枠装置の初期牽引誤差(左右のチェーンの初期牽引誤差)による濾板の踊りを促す。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に本発明汚泥の脱水処理装置の実施の形態を説明する。
図1乃至図9において汚泥の脱水処理装置の概略構成は、弾性部材からなる濾枠11、12を有する第1濾板1と第2濾板2とからなるフィルタープレス単体多数で構成したフィルタープレス本体Aと、第2濾板2に取り付けられた固定ストッパー3と、その固定ストッパー3と第1濾板1との間に出入りする可動ストッパー4と、その可動ストッパー4の駆動手段5等を備えている。
【0006】
フィルタープレス単体を構成する第1濾板1、第2濾板2はともに前後両面に弾性部材からなる濾枠11、12を周設し、その第1濾板1と第2濾板2とを前後方向に交互に配設して前記フィルタープレス本体Aを構成し、第1濾板1、第2濾板2共に濾枠11、12で囲繞される前後面部分に水切りネット21、22を取り付け、且つその上に更に濾布8を添接している。
【0007】
第1濾板1、第2濾板2は共に、両側端部中途高さから左右方向に突設したアーム41、42の下端に設けた案内ローラ(図示せず)を左右に平行に設置したレール100 、100 で走行可能に支承させてある。
尚、第1濾板1、第2濾板2の下部には濾液排出路51、52を複数形成配列して濾液の排出を可能に構成してある(図1、図2等参照)。
【0008】
また、第1濾板1は、そのアーム41を第2濾板2のアーム42よりも若干長めにし、その先端に開枠装置(チェーンb1とそのチェーンb1に所定間隔をおいて設けた引っ掛け部bとからなる周知構造)Bのその引っ掛け部bに掛止される掛止部61を設け、開枠する時に開枠装置Bの引っ掛け部bで掛止部61が掛止されて第1濾板1が開枠方向に移動するようにしてある(図1、図2参照)。
【0009】
このフィルタープレス本体Aの端部、即ち後端部には油圧シリンダー、油圧ジャッキ等の押圧機構Cが連結されている。
【0010】
固定ストッパー3は、濾枠11、12、可動ストッパー4などは共に所定厚さの濾室6の形成に関与する部材であり、その固定ストッパー3は第2濾板2の前後両面の両側部分に第1濾板1外周位置の前面部分、後面部分と対向するように左右一対配置固定し、前記フィルタープレス本体Aが押圧機構Cで押圧されると互いに衝合する濾枠11、12を圧縮させながら第1濾板1、第2濾板2が相互に近付き、固定ストッパー3と第1濾板1の対向面間に出し入れされる可動ストッパー4にその固定ストッパー3が当接するまで濾枠11、12相互を圧縮させて所定厚さの濾室6を多数形成するようになっている(図5、図6参照)。
前記濾枠11、12は例えばネオプレンゴム等で成形されており、その断面形状は図1、図3乃至図7に示すように第1濾板1、第2濾板2に固定されたもの双方ともに濾板1、2との固定部に臨む部分の適所複数箇所に円弧状の環状空隙11a、12aを設けて、その環状空隙11a、12aで吸収して永久歪みが起きないように配慮してある。
【0011】
可動ストッパー4は図示するように帯板状とされ、長手一方縁の上下複数箇所から支持腕14を突設している(図1、図2参照)。
【0012】
この可動ストッパー4は第1濾板1の前後面左右縁部分に上下に対向して設けたガイド部71に前記支持腕14を外側に向けた状態でスライド可能に遊嵌挿されている。
このガイド部71は本実施の形態では図示するようなL型片であり、L型片における可動ストッパー4の上下端面との対応面、即ち底面71a、71a間隔を、その上下端面間隔よりも若干大きい間隔を確保するようにして上下対向状に取り付けてある(図2参照)。
【0013】
その各支持腕14には下側から湾曲状の引っ掛け凹部14aが凹設してある。
【0014】
この可動ストッパー4は前記支持腕14、14の引っ掛け凹部14a、14aをフィルタープレス本体Aの左右両側に配置した接近・離間動する左右上下一対の平行ロッド15…に引っ掛けて支承させてあり、その左右上下一対の平行ロッド15…を油圧シリンダ等の所望の駆動手段5でフィルタープレス本体Aに接近・離間させることによって固定ストッパー3と第1濾板1との間に前記ガイド部71をガイドとして差し入れ、且つ抜き取り可能になっている。
【0015】
また、前記引っ掛け凹部14aは図2に示すようにフィルタープレス本体Aと離間する側(遠い側)の各平行ロッド15…周面部分との間にクリアランス14bを確保する大きさをもって凹設してある。
【0016】
この引っ掛け凹部14aは前記開枠装置(チェーンb1とそのチェーンb1に所定間隔をおいて設けた引っ掛け部bとからなる周知構造)Bで第1濾板1を牽引して開枠する時にそのチェーンb1の初期牽引誤差が生じて前記レール100 、100 を支点として第1濾板1、第2濾板2が踊ることになってもそのクリアランス14bで平行ロッド15…に噛み込むことがないようにするためである。
【0017】
尚符号81、82は汚泥を各第1濾板1、第2濾板2に汚泥を圧入するための連絡孔であり、中央部分に開孔させてある。
【0018】
次に上記構成の脱水処理装置を使用した脱水処理工法を説明する。
図3、図4などのように第1濾板1と第2濾板2を前後交互にして多数並設してフィルタープレス本体Aとし、汚泥の加圧脱水に先立って駆動手段(たとえば、油圧ジャッキ又は油圧シリンダーなど)5を作動させて左右上下一対の平行ロッド15、15を接近させ、面板状の可動ストッパー4をガイド部71をガイドとしてスライドさせる。
【0019】
この状態で押圧機構Cを作動させ、多数並設された第1濾板1、第2濾板2を押圧する。
すると、濾枠11、12が弾性部材で構成され、固定ストッパー3が剛体(金属)で構成されているため、第1濾板1と第2濾板2の対向面間の寸法をl1、固定ストッパー3の厚さ寸法l2を、可動ストッパー4厚さ寸法l3を、固定ストッパー3と可動ストッパー4との対向面間の寸法をl4とした場合(図4参照)、濾板1、2がl4の分だけ押圧されて接近し、その分濾枠11、12が圧縮して所定厚さの濾室6が多数形成され、汚泥の圧入が可能になる(図6参照)。前記押圧量、即ちL4が押圧スペースである。
【0020】
このように所定厚さの濾室6が多数形成されるということは、同じ脱水条件で均一な脱水ケーキDをつくるために重要な要件であって、脱水効果を著しく向上せしめる。
ついで、前記多数の所定厚さの濾室6に汚泥を圧入する(図5、図6参照)。
その圧入手段は周知の送泥ポンプ7を使用し、圧入圧は圧入用遠心ポンプの回転数をインバータで回転制御して調整した。
【0021】
上記圧入圧は、0.5 kgf/cm2 →3 kgf/cm2 →7 kgf/cm2 というように順次上げたが、この加圧タイミングは、濾液量を測定し、それぞれの定圧濾過において、濾液量が所定割合より低下した時点で加圧操作を行う。
この加圧タイミングを身近な例にたとえれば、水を十分に含んだ濡れタオルを絞ると、最初は多量に排水されるが、最初のしぼり力のままだと、やがて排水量が減じる。(図8のa点参照。)そうなると力を込めて再び絞り、一時的に排水量が増加するが、絞り力を強くしない限り、排水量が減少する。(図8のb点参照。)こうなるとさらに強い力で絞る…という繰り返しになる。そこで、排水量が減少した頃合を見計らって絞り力を強くするタイミングのことを前記加圧タイミングと称する。
【0022】
前記した加圧タイミングで加圧操作を行うと、脱水時間の短縮と、汚泥が噴出する事故を防止する上とで頗る効果的である。
実験では、圧入圧が7 kgf/cm2 で濾液量が所定割合より低下した時点で、圧入用遠心ポンプを停止し、加圧脱水操作を終了した。
次いで、第1濾板1、第2濾板2を押圧していた押圧機構Cの作動を停止すると、前記圧縮量(押圧スペース)だけ戻って原位置に復帰する。
【0023】
次に前記駆動手段5を復動させて前記ガイド部71をガイドとして可動ストッパー4を各フィルタープレス単体a間から抜き取る。
この時、可動ストッパー4はガイド部71に遊嵌挿されたままその先端が固定ストッパー3と第1濾板1との間から引き抜かれることになる。
ここで前記押圧機構Cを押圧(前進)せしめると、外圧で更に濾枠11、21を圧縮し、汚泥粒子間の液を搾ることになり、極めて低含水比の脱水ケーキDを圧搾脱水でつくることができる。(図7。)
実験では、圧搾脱水のための圧搾圧が14 kgf/cm2 となるように押圧機構Cの押圧力を制御した。
【0024】
処で固定ストッパー3は、可動ストッパー4と協働して濾室6内が詰まった場合、前段の加圧脱水が不十分なことに起因して脱水ケーキDが十分形成されないまま圧搾脱水された場合などにおいて、濾枠11、12が弾性限度を越えて圧縮され、復元困難に陥ることを防止したり、破壊されることを防止したりする機能と、加圧脱水及び圧搾脱水の際に濾枠11、12が外方へ膨らむ力を軽減して破損することを防止する機能とを発揮する。
上記したように汚泥を加圧脱水→圧搾脱水と順次に脱水すれば、河川又は湖沼などの底泥、ヘドロといった難脱水性の汚泥に対しても、第3種建設発生土(コーン指数 4 kgf/cm2 以上)なみに短時間で脱水することが可能になり、頗る有用性のたかい汚泥の脱水処理手段となし得る。
【0025】
また、濾室6の厚さ(幅のこと)を20mmにした場合と、32mmにした場合とにおける圧搾脱水効果を調べるために、たとえば、圧搾脱水なしの標準加圧脱水を40分、圧搾操作のある場合には加圧脱水を30分及び圧搾脱水を10分行って脱水すると、後記の表1に示すように圧搾脱水のほうが脱水ケーキ含水比の値が小さくなり、同ケーキのコーン指数の値が大きくなることがわかり、殊に、濾室6の厚さ(幅)が32mmのほうが20mmの場合に比して著しい効果を発揮し、圧搾操作の有と無とでは、コーン指数が10.1と2.6ということであり、約3.9倍も異なることがわかった。
このことから、単一処理量に対しては、濾室の厚さが厚い程濾室6の配設数を少くすることが可能になり、フィルタープレス単体aを小型化し得ることになるので、汚泥の脱水処理手段を廉価に提供するうえで有益である。
【0026】
【表1】
Figure 0003959157
【0027】
ただし、濾室6の厚さを無際限に厚くすると、加圧脱水時間が長くなるので、濾室の厚さとしては、50mm位が限度であると思われる。
従って、濾室6の厚さは、25〜50mm程度とするのが好適である。
【0028】
そして、本発明で使用するフィルタープレスにおいて、汚泥の脱水前にセメント系固化材を汚泥に添加混合し、この場合の圧搾脱水と、無添加の場合の圧搾脱水との機能、効果などを調べた。
表2及び図9に示すように固化材を11%添加した場合のほうが濾液量が増大し、脱水ケーキ含水比の値が小さくなり、コーン指数(1日)が加圧脱水16分、圧搾脱水4分において固化材無添加の場合の0.8 kgf/cm2 に対し、固化材添加の場合7.2 kgf/cm2 と9倍も増大し、加圧脱水に対しても、圧搾脱水に対しても、顕著な脱水効果を有することが判明した。
【0029】
固化材は、脱水効果を向上させ、脱水直後の脱水ケーキ強度を改善させるばかりでなく、その後の本来の固化作用によって長期にわたる強度発現を可能にするという有利さがある。
処で、前記した11%という固化材添加量は、乾燥土量に対して11%添加と固定したものであるので、処理される汚泥量に増減が生じても変わることはない。
【0030】
【表2】
Figure 0003959157
【0031】
本発明は以上のように構成したから下記の利点がある。
可動ストッパーを面板状にしているから、ピン状のものと比較して、局部的に押圧力が集中しても変形することなく全体に押圧力が分散することから耐久性が大幅に向上し、常時所定厚さの濾室を構成して所定の加圧脱水、圧搾脱水効果が期待できる。
しかも、可動ストッパーを、濾枠よりも外側の第1濾板左右側面部分に設けたガイド部にスライド可能に遊嵌挿すると共に外端部上下複数箇所から左右両側方に突設した支持腕に湾曲状の引っ掛け用凹部を下側から凹設した構成とし、その引っ掛け用凹部各々を、フィルタープレス本体の左右両側方に配置され同フィルタープレス本体に接近・離間動する平行ロッドに引っ掛けて支承しているから、開枠時には上下の平行ロッドで支承されたまま摺動することで可動ストッパーの全重量が開枠時の負荷力として大きく作用することを防止し、開枠装置(チェーンとそのチェーンに所定間隔をおいて設けた引っ掛け部とからなる周知構造)の駆動源の負荷を軽減して耐久性の向上に寄与することができる。
その上、その引っ掛け用凹部を、平行ロッドにおけるフィルタープレス本体と離間する側(遠い側)の周面部分との間にクリアランスを確保する大きさに形成したから、そのクリアランスを利用して可動ストッパーは、平行ロッドに噛み込むことなしに平行ロッドをガイドにして第1濾板に追随し、また開枠装置の左右のチェーンの初期牽引誤差が生じて仮に濾板が踊ることになってもそのクリアランスで噛み込むことなく摺動させてその左右のチェーンの初期牽引誤差による濾板の踊りを脱水ケーキの脱型に有効利用することができる。
【0032】
その時、その濾板1の重量にプラスして面板状の可動ストッパー(10キログラム程度)4の重量が加算されて開枠装置Bに負荷をかけるものと予想されるが、可動ストッパー4は平行ロッド15、15に上下2点で引っ掛けによって支承された状態でその平行ロッド15、15上を摺動案内されるをもってその可動ストッパー4の全重量が開枠装置Bに作用することがなく、開枠装置Bへの負担を極力小さく抑制することができる(図2参照)。
そして、仮に開枠装置Bの左右のチェーンb1、b1に初期牽引誤差が生じて前記レール100 、100 を支点として第1濾板1が踊る(左右、前後にぶれる)ことがあっても前記クリアランス14bで平行ロッド15、15との噛み込みを防止した上にその踊りを脱水ケーキDの脱型に有効利用することが可能となる。
【0033】
本発明は以上のように構成したから下記の利点がある。
可動ストッパーを面板状にしているから、ピン状のものと比較して、局部的に押圧力が集中しても変形することなく全体に押圧力が分散することから耐久性が大幅に向上し、常時所定厚さの濾室を構成して所定の加圧脱水、圧搾脱水効果が期待できる。
しかも、可動ストッパーを、濾枠よりも外側の第1濾板左右側面部分に設けたガイド部にスライド可能に遊嵌挿すると共に外端部上下複数箇所から左右両側方に突設した支持腕に湾曲状の引っ掛け用凹部を下側から凹設した構成とし、その引っ掛け用凹部各々を、フィルタープレス本体の左右両側方に配置され同フィルタープレス本体に接近・離間動する平行ロッドに引っ掛けて支承しているから、開枠時には上下の平行ロッドで支承されたまま摺動するをもって可動ストッパーの全重量が開枠時の負荷力として大きく作用することを防止し、開枠装置(チェーンとそのチェーンに所定間隔をおいて設けた引っ掛け部とからなる周知構造)の駆動源の負荷を軽減して耐久性の向上に寄与することができる。
その上、その引っ掛け用凹部を、平行ロッドにおけるフィルタープレス本体と離間する側(遠い側)の周面部分との間にクリアランスを確保する大きさに形成したから、そのクリアランスを利用して可動ストッパーは、平行ロッドに噛み込むことなしに平行ロッドをガイドにして第1濾板に追随し、また開枠装置の左右のチェーンの初期牽引誤差が生じて仮に濾板が踊ることになってもそのクリアランスで噛み込むことなく摺動させてその左右のチェーンの初期牽引誤差による濾板の踊りを脱水ケーキの脱型に有効利用することができる。
また、濾枠が永久歪みを起こさない断面形状に形成されていると、濾枠の耐久性が大幅に向上して常に所定厚みの濾室を形成する上で有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1濾板、第2濾板、濾枠、水切りネット、固定ストッパー、可動ストッパー、平行ロッド等の関係を示す分解斜視図。
【図2】フィルタープレス本体の縦断正面図で、一半部は第1濾板部分を、他半部は第2濾板部分を示す。
【図3】図2の(X)−(X)線断面図で、加圧脱水の前段階の状態を示す。
【図4】同図2の(Y)−(Y)線断面図で、加圧脱水の前段階の状態を示す。
【図5】同図2の(X)−(X)線断面図で、濾枠を圧縮して所定厚さの濾室を形成して、加圧脱水している状態を示す。
【図6】同図2の(Y)−(Y)線断面図で、濾枠を圧縮して所定厚さの濾室を形成して、加圧脱水している状態を示す。
【図7】同図2の(Y)−(Y)線断面図で、圧搾脱水している状態を示す。
【図8】汚泥圧入の加圧タイミング説明図。
【図9】固形材添加による濾液量への影響を表すグラフ。
【符号の説明】
1 …第1濾板 2 …第2濾板
A …フィルタープレス本体 3 …固定ストッパー
4 …可動ストッパー 11、12 …濾枠
6 …濾室 14 …支持腕
14a…引っ掛け用凹部 14b…クリアランス
71 …ガイド部

Claims (1)

  1. 弾性部材からなる濾枠を前後両面に設けた第1濾板、第2濾板を前後方向に交互に配置して構成したフィルタープレス本体と、前記第2濾板における濾枠外周の前後両面部分に設けられた固定ストッパーと、その固定ストッパーと第1濾板における濾枠外周の前後両面との間に抜き差しするスライド可能な面板状の可動ストッパーとを備え、該可動ストッパーを差し入れて固定ストッパーと第1濾板における濾枠の前記前面部分、後面部分との間に濾枠の押圧スペースを確保し且つ抜き取りによって濾枠を更に圧縮可能に構成し、前記可動ストッパーは左右側端部上下複数箇所から左右両側方に突設した支持腕に湾曲状の引っ掛け用凹部を下側から凹設した構成として濾枠よりも外周の第1濾板前後面部分に設けたガイド部にスライド可能に遊嵌挿され、且つ該可動ストッパーは引っ掛け用凹部各々を、左右両側方に配置されて同フィルタ−プレス本体に接近・離間動する平行ロッドに引っ掛けて支承し、且つその引っ掛け用凹部を、フィルタープレス本体と離間する側の平行ロッド周面部分との間にクリアランスを確保する大きさに形成していることを特徴とする汚泥の脱水処理装置。
JP21758597A 1997-08-12 1997-08-12 汚泥の脱水処理装置 Expired - Lifetime JP3959157B2 (ja)

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