JP2002112629A - 法面吹付材料の製造方法及びその材料を使用した空気圧送法面吹付工法 - Google Patents

法面吹付材料の製造方法及びその材料を使用した空気圧送法面吹付工法

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JP2002112629A
JP2002112629A JP2000307535A JP2000307535A JP2002112629A JP 2002112629 A JP2002112629 A JP 2002112629A JP 2000307535 A JP2000307535 A JP 2000307535A JP 2000307535 A JP2000307535 A JP 2000307535A JP 2002112629 A JP2002112629 A JP 2002112629A
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spraying
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JP2000307535A
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Kazuyuki Tamaki
和之 玉木
Tatsuya Sasaya
達也 笹谷
Shigeru Saito
茂 斎藤
Shoichi Hori
昭一 堀
Shusuke Hayashida
秀典 林田
Takanori Miyano
隆徳 宮野
Koutai Terao
好太 寺尾
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Rasa Industries Ltd
Nittoc Constructions Co Ltd
Original Assignee
Rasa Industries Ltd
Nittoc Constructions Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、粘土・シルト等の細粒分含有率が
3%以上であり、自然状態では空気圧送方法による吹付
工法では不可能な現地発生土を、当該現地発生土の種類
や状態等を問わず吹き付け可能な材料として提供するも
のである。また、その材料を使用することにより圧送す
る際に材料ホースに当該材料が付着することなく速やか
に吹き付けすることの出来る空気圧送法面の吹付工法を
提供するものである。 【解決手段】 粘土、シルト等の細粒分含有率が3%以
上の現地発生土に、植物性繊維を粉末状或いは0.5c
m以下に破砕した短繊維を混合し、必要に応じて水を加
えてミキサー等により液状化するまで撹拌して成ること
を特徴とする法面吹付材料の製造方法及びその法面吹付
材料を、ミキサー等より排出し、ベルトコンベア等の運
搬手段により吹付装置に供給し、該吹付装置より材料ホ
ースを介して所定の法面に吹き付けて成ることを特徴と
する空気圧送法面吹付工法。

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、法面を形成する施工に
於いて、当該施工場所の切土土工やトンネル掘削等から
生じた現地発生土を空気圧送や法面材料に適するように
改良した法面吹付材料の製造方法及びその材料を法面施
工場所へ材料ホース等を通して速やかに圧送することを
可能とした空気圧送法面吹付工法に関する。
【0002】
【従来の技術】客土の場合、土に含まれる礫含有率40
%以下、粘土・シルト等の粒径0.075mm以下の細
粒分含有率が20%以上のいわゆる粘性土(表土)を吹
付材料の対象とし、細粒分に凝集反応する団粒剤を適量
添加し改良した土(スラリー状の物性も含む)をポンプ
式や高速ベルトコンベア式で法面へ吹き付け撒き出しで
付着させている。
【0003】他方、現地発生土の砂質系発生土は、細粒
分含有率3%以下の場合、ふるい粒度調整や水洗い等を
行い、従来のコンクリート・モルタル吹付工事に使用す
る骨材として使用している。しかし、細粒分含有率3%
以上の場合は、その材料に於ける含水比が6%以上と成
ると材料ホースによる空気圧送時に、当該材料の粘土分
が材料ホースに付着し、材料ホース内で閉塞状態を起こ
すため、吹付材料として施工することは困難であった。
そのため上記のような細粒分含有率3%以上の砂質系発
生土は、乾燥・吸水土質改良剤及びバーク堆肥等を適量
配合し、細粒分等の小間隙以外に含まれる自由水等の水
分を除いてその材料に於ける全体の含水比を低下させ、
単位体積当たりの比重を軽くすることにより吹付圧送工
法で施工していた。
【0004】また、石灰等のセメント系の材料の場合
は、水溶性高分子化合物の団粒剤と生石灰を加えて砂壌
土に近い状態に物性を変化させてから使用している。上
記現地発生土を10〜15mm程度までふるいにかけ、
団粒剤の添加により粒状に土を変化させ、生石灰を加え
て乾燥硬化させた改良土を緑化基盤用の吹付材料として
使用している。
【0005】上記のように、従来の現地発生土は、微粒
分含有率が3%以下のものしか自然状態で空気圧送吹付
方法に使用することが出来なかった。また、改良を加え
たものも、対象と成る土の性質や機械施工に制限があっ
た。更に、法面緑化基盤として使用する場合は、生石灰
を使用する工法が行われているが、改良土はアルカリ性
反応を示すため植物生理から判断して好ましく無く、そ
の使用に限界があり、耐浸食性についても物理的効果が
曖昧で、剥き出し人工斜面である法面に当該材料を使用
するためには棚を形成する必要があった。
【0006】また、吸水土質改良剤+バーク堆肥を用い
た工法では、上記同様、法面上での耐浸食性の物理的効
果が定かで無く、小段(高所の平地)に使用する実例が
あるのみであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、客土の
場合、礫含有率40%以下、粘土・シルト等の細粒分含
有率が20%以上のいわゆる粘性土(表土)しか吹付材
料としての対象にならないため、その採取には大きな制
限を受けている。また、材料特性や施工装置による制限
もあり、ポンプ式ではスラリー状にした土しか施工出来
ないので、厚く造成することが困難で、法面上の造成厚
さは3cm以下と薄く成り、浸食の影響を受け易い。更
に、植物の基盤として長期間保持出来ないので、植物の
生育のためには法面地山が植物の根が侵入出来る比較的
軟らかい土質である必要があり、使用に当たってはそれ
らの大きな制限を受けていた。また、高速ベルトコンベ
ア式では、機械装置の重量が1トン以上と成り、機械化
施工しか出来ない現状では、法面の規模や施工可能な高
さ(直高約7m)に制限があり、施工対象と成る場所が
限定されている。
【0008】更に、上記砂質系発生土は、改良前にふる
い粒度調整が必要と成り、その工程のために工期が延
び、且つそのための設備も必要であった。また、バーク
堆肥を使用して自由水の含水比を低下させて単位体積当
たりの比重を軽くすることにより吹付圧送を可能とさせ
ているため、含水比や細粒分の比率が増加するのに比例
して乾燥・吸水土質改良剤と、体積の大きいバーク堆肥
の増量が必要であった。このため、吹付圧送工法に採用
出来る現地発生土は砂質土のみが対象と成り、且つ土の
含水比の状態により計画使用量の決定等を特定すること
が出来ず、一定品質の材料を所定規模で確保することは
困難であった。
【0009】更に、吹付施工を行う場所についても、法
面上の小段植栽が主用途と成り、法面上への緑化基盤と
して採用するには、吹き付け時の跳ね返り損失率が高い
こと及び耐浸食性等の問題点があった。それらの材料を
法面上で使用するためには、耐浸食性の向上及び細粒分
含有率を低くする必要があり、繊維質の多い体積カサの
大きいバーク堆肥を大量に使用することとなり、現地発
生土の使用量が相対的に減少し、現地発生土のリサイク
ル率が低下する欠点があった。
【0010】また、石灰等のセメント系の材料を使用し
た場合は、現地発生土を10〜15mm程度まで細かく
ふるいにかけ、その材料の改良後に乾燥させるために大
型の専用装置が必要と成り、且つ工期の長期化及び広い
ストックヤードが必要と成り、この材料を採用して経済
的に見合うには大規模と成る施工現場が必要であった。
更に、吹き付け時に於ける材料の跳ね返り損失率が大き
いこと、及び法面緑化基盤として使用した場合に生石灰
によるアルカリ性反応が植物の生育に影響を与えること
に成る。また、水溶性高分子化合物の団粒剤のポリアク
リルアマイトによる凝集効果及び生石灰のポゾラン反応
が現地発生土に化学的に作用して改良を行うことに成る
ので、現地発生土の成分によっては、改良が困難と成る
場合も多かった。
【0011】本発明は、粘土・シルト等の細粒分含有率
が3%以上であり、自然状態では空気圧送方法による吹
付工法では不可能な現地発生土を、当該現地発生土の種
類や状態等を問わず吹き付け可能な材料として提供する
ものである。また、当該材料を使用することにより圧送
する際に材料ホースに付着することなく、速やかに法面
に吹き付けすることの出来る空気圧送法面の吹付工法を
提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の通りの
法面吹付材料の製造方法及びその材料を使用した空気圧
送法面吹付工法を提供するものである。粘土、シルト等
の細粒分含有率が3%以上の現地発生土に、植物性繊維
を粉末状或いは0.5cm以下に破砕した短繊維を混合
し、必要に応じて水を加えてミキサー等により液状化す
るまで撹拌して成る法面吹付材料の製造方法を特徴とす
る。
【0013】また、粘土、シルト等の細粒分含有率が3
%以上の現地発生土に、植物性繊維(例えばケナフやヨ
シ)又は合成繊維のいずれかを粉末状或いは0.5cm
以下に破砕した短繊維を混合し、必要に応じて水を加え
てミキサー等により液状化するまで撹拌して成る法面吹
付材料の製造方法を特徴とする。
【0014】更に、粘土、シルト等の細粒分含有率が3
%以上で且つ含水比率の高い現地発生土に、植物性繊維
(例えばケナフやヨシ)又は合成繊維のいずれかを粉末
状或いは0.5cm以下に破砕した短繊維と、高分子吸
収剤を混合し、ミキサー等により液状化するまで撹拌し
て成る法面吹付材料の製造方法を特徴とする。
【0015】また、粘土、シルト等の細粒分含有率が3
%以上の現地発生土1m3に対して、必要に応じて水を
加えてミキサー等により液状化するまで撹拌し、植物性
繊維(例えばケナフやヨシ)又は合成繊維のいずれかを
粉末状或いは0.5cm以下に破砕した短繊維を50〜
200kg、高分子吸収剤を0〜20kgの割合で混合
し、て成る法面吹付材料の製造方法を特徴とする。
【0016】更に、上記法面吹付材料に種子、肥料及び
接合剤のいずれか或いは全てを混合して成る法面吹付材
料の製造方法を特徴とする。
【0017】また、上記のいずれかによって製造された
法面吹付材料を、ミキサー等より排出し、ベルトコンベ
ア等の運搬手段により吹付装置に供給し、該吹付装置よ
り材料ホースを介して所定の法面に吹き付けて成る空気
圧送法面吹付工法を特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明を実施例に基づいて以下に
説明する。吹き付けを施工する場所より切土土工やトン
ネル掘削等により発生した土(以下、現地発生土とい
う)には、様々な成分や状態の土が存在し、その中には
前記のように従来の吹付工法によっては施工困難な土も
多数存在する。
【0019】本発明は、土を採取したままの自然状態で
は空気圧送方法による吹付工法を採用することが困難で
あった細粒分含有率が3%以上の現地発生土に於いても
法面吹付材料として利用することが出来るように創案し
たものである。まず、適宜植物のセルロースを粉末状或
いは0.5cm以下に破砕して短繊維を形成する。細粒
分含有率が3%以上の現地発生土に、上記短繊維を混入
して撹拌する。上記短繊維の混入により、現地発生土の
細粒分の小間隙に含まれる水分の吸水機能、締まり力の
低下等の結合阻害機能或いは空隙量増加機能等を物理的
に変化させることが可能と成る。上記各機能は、現地発
生土の構成成分やその状態によってその機能を変化させ
ることに影響を与えることは無い。
【0020】上記現地発生土に於いて、含水比が高けれ
ば細粒分間に含まれる以上の水を高分子吸収剤で吸水す
れば良い。また、細粒分含有率が高ければ、植物のセル
ロースを粉末状或いは0.5cm以下に破砕した短繊維
が物理的に細粒分間に行き渡るように添加量を増加させ
れば良い。従って、大幅に現地発生土の使用量を削減す
る必要は無い。また、空隙率についても、土の単位体積
量に対して、植物のセルロースを粉末状或いは0.5c
m以下に破砕した短繊維の添加量で決定されるため、土
壌の種類や細粒分含有率によって影響を受けることは無
い。
【0021】上記現地発生土は、液状化するまで含水比
を高めミキサー等で撹拌する。この撹拌により転石ろ過
等の土の粒度調整や物性を均一にしてから改良を行うこ
とが出来る。細粒分間に含まれる以上の水分を高分子吸
収剤で吸水して植物のセルロースを粉末状或いは0.5
cm以下に破砕した短繊維を細粒分の間に混合するのみ
で現地発生土を吹き付け可能な材料に改良することが出
きるため、現地発生土が石や砂等のように液状化しない
ものを除いてその種類や状態によらず均質な材料を得る
ことが可能と成る。
【0022】また、水の添加のみにより液状化すること
は、土の種類、細粒分含有率、現地発生土の含水状態の
違い等とは関係すること無く再現が可能である。上記の
ような状態で材料の改良をすることは、土の異なる各施
工場所毎に於いて特殊な乾燥手段、ふるい装置等を配設
する必要が無く、同一の簡易なシステムで施工すること
が可能と成る。従って、特別な機械設備や工期の長期化
及び広いストックヤードを必要とすることが無くなっ
た。
【0023】上記繊維は、植物のセルロースを粉末状或
いは0.5cm以下に破砕した短繊維を使用するとして
説明したが、上記植物性繊維は綿等で布地に使用されず
に廃棄されるものや切地や古着等のものを粉末状或いは
0.5cm以下に破砕して使用することができる。ま
た、古紙等を粉末状或いは0.5cm以下に破砕して短
繊維として使用することも可能である。更に、絹やウー
ル製品に使用されずに廃棄される動物性繊維や絹製、ウ
ール製等の切地や古着、絹布、毛布等の使い古したもの
等を粉末状或いは0.5cm以下に破砕して使用するこ
ともできる。また、ポリエステル等の合成繊維製の古着
や布地等を粉末状或いは0.5cm以下に破砕して使用
することも可能である。
【0024】上記方法によって製造された法面吹付材料
は、ベルトコンベア等の搬送手段によって吹付装置に供
給される。液状化した土に、粉末状或いは0.5cm以
下に破砕した短繊維と細粒分間に含まれる以上の水分を
吸水するための高分子吸収剤で、瞬時に水分を吸水する
のみで吹付材としての施工が可能と成る。これにより吸
水された水分は外部に流出しにくく、更に、粉末状或い
は0.5cm以下に破砕した短繊維が微粒分の間で結合
防止効果を発揮して、水分を多く含むが空隙率が高く、
且つ締まり力の無い乾燥したパラパラ崩れ易い空気圧送
式の吹き付けに適した材料に数秒で変化する。
【0025】上記法面吹付材料は、空気圧送方式による
吹き付け時に於いても、乾式吹付機、湿式吹付機等の種
類によらず、材料ホース内で当該材料による付着で該材
料ホースが閉塞されること無く連続搬送が可能と成る。
また、上記法面吹付材料に種子、肥料及び接合剤のいず
れか或いは全てを混合することにより、その後の法面の
環境対策のための手段を同時に達成させておくことが可
能である。
【0026】図1は現地発生土から施工場所と成る法面
に吹き付ける状態までを示した略全体図である。現地発
生土1をタイヤショベル2等により材料貯蔵ホッパー3
内に貯蔵し、適量をベルトコンベア4より計量器5へ移
送する。計量器5より現地発生土1の所定量を排出し、
それをベルトコンベア6よりミキサー等の撹拌装置7へ
移送する。当該撹拌装置7に於いて、現地発生土1に短
繊維粉末剤8及び必要に応じて高分子吸収剤9並びに水
10を混合し、液状化するまで撹拌する。上記撹拌装置
7により改良された現地発生土1は材料貯蔵ホッパー1
1に一時的に貯え、該材料貯蔵ホッパー11より吹き付
け量に応じてベルトコンベア12より乾式吹付機13或
いは湿式吹付機14等より材料ホース15により所定場
所へ移送する。材料ホース15より移送された現地発生
土1を施工法面16に吹き付けることに成る。
【0027】
【実施例】細粒分含有率10.5%の風化花崗岩堆積土
(マサ土)で連続運転テストを行う。一定吐出量(2.
0m3/h)の材料ホース長120m(平地)で約4時
間連続施工を行う。
【表1】 その結果、材料ホース内や吹付装置内での吹付材料の付
着は確認されなかった。
【0028】また、当該法面吹付材料が吹き付けられた
施工後の法面の状態は以下の通りであった。 土壌の構造;吹き付け後の現地発生土は、現地発生土の
自然状態より土壌構造の固相、液相、気相の三相が植物
の育成土壌として理想値に近く成った。その結果、現地
発生土の改良前と比較して全体体積に対して気相が約1
0%、液相が約8%程度増加した。逆に、固相の割合が
約17%程度減少した。これにより、土壌構造の三相が
改良前に比較して土壌の理想値に近く成った。
【0029】
【表2】
【0030】耐浸食性;細粒分含有率10.5%の風化
花崗岩堆積土(マサ土)を、材料ホース長120m(平
地)に於いて、縦1.5m、横0.8m、深さ0.1mに
供試体を作成し、法勾配1割に設置した。人工降雨機で
1時間当たり100mmの雨を降らせ、その浸食量を1
2当たりの平均厚さに換算した。その結果、吹き付け
後の現地発生土の耐浸食性試験では、降雨浸食により法
面上に造成された材料の流出は少なかった。改良した現
地発生土の浸食量の推移は、時間経過に関係無く、ほぼ
一定量の状態であった。また、1時間後の総浸食厚さ
は、0.8mmと非常に少なかった。
【表3】
【0031】PH;植物を粉末状或いは0.5cm以下
に破砕した短繊維と高分子系吸収剤を主として使用して
いるため、PHは中性で植物の生育は良好であった。
【0032】土壌硬度と初期生育観察;細粒分含有率1
0.5%の風化花崗岩堆積土(マサ土)を材料ホース長
120m(平地)にて、縦0.85m、横0.85m、深
さ0.1mに供試体を作成し、法勾配1割に設置した。
自動噴霧散水で朝夕30分づつ散水し、材料改良時に播
種した植物の初期の生育状況と土壌硬度の測定を行っ
た。なお,従来工法は有機質系バーク堆肥を配合した材
料で行った。その結果、改良した現地発生土の方が従来
工法の有機質系バーク堆肥を配合した材料のものと比
べ、土壌硬度が約7mm程度低く、植物の根の侵入発達
に適した適度な硬さであることが判明した。また、発芽
本数では、10日後に於いては在来工法の約1/3程度
であったが、15日後には約2/3程度まで増加してい
る。
【0033】従って、締め固まり力が弱い土質に変化し
た土を吹付材料として使用しているため、強力な圧縮空
気により空気圧送して吹き付けているが、土壌硬度は植
物の根の侵入発達に影響を与えていないことがわかっ
た。
【表4】
【表5】
【0034】上記実施例の結果、下記のことが証明され
た。吹き付け後の造成基盤を調査した結果、改良した現
地発生土は、土壌構造も改良前に比較して三相分布の値
が土壌の理想値に改善され、降雨等に対する耐浸食性も
自然状態の降雨で極めて小さい値を示した。また、植物
の生育基盤としての硬さが適度で、従来工法より低く、
発芽についても若干従来工法より下回るものの植物の発
芽生理を阻害するものでは無かった。上記のように、法
面緑化基盤として適した品質を有する要因は、植物を粉
末状或いは0.5cm以下に破砕した短繊維と高分子吸
収剤によって現地発生土を改良したことに起因する。
【0035】具体的に説明すると、改良した現地発生土
は短繊維と高分子吸収剤とが吸水した水分を吹き付け後
も土中に保持しているため液相率が増加している。ま
た、植物を粉末状或いは0.5cm以下に破砕した短繊
維は、細粒分に対し吹き付け後につなぎ効果を発揮して
耐浸食性を向上させたものと判断される。更に、植物の
生育については一般に土壌硬度は25mm以下で最適と
されているが、改良した現地発生土は吹付圧送時に於け
る強力な圧縮空気による圧密が加わっても、植物を粉末
状或いは0.5cm以下に破砕した短繊維の効果で締め
固まり力が低下しているため、締め固まらず土壁状態に
成らずに適度な硬さを有する生育基盤と成っている。ま
た、改良剤の原料に植物原料と高分子を使用しているた
め、セメント系改良剤と異なり中性であり、PH等で生
理的に植物の発芽生育に影響を与えることが無いため、
従来工法に近い発芽生育が可能と成ったことが証明され
た。
【0036】
【発明の効果】本発明の法面吹付材料は、現地発生土を
再利用し、その法面吹付材料を法面吹付工法によって使
用することが出来るので、その現地発生土の場外移動費
やその処分費等を低減することが可能と成った。
【0037】本発明の法面吹付材料及びその工法は、従
来の工法の凝集効果、生石灰のポゾラン反応等の化学的
効果や自由水の吸水効果で含水比の低減をはかり、比重
の軽いバーク堆肥等を混合する方法に比較し、土の中性
を維持することが出来、また、細粒分に空隙率の増加、
水分の吸水及び繋ぎ効果等を促進する改良を行うため、
適切な配合量で土の性質や状態に関係無く一定の品質の
改良が可能である。また、物理的効果で浸食性の向上や
土壌構造の改善を行っているので、空気圧送可能な法面
材料として最適である。
【0038】更に、本発明の法面吹付材料及びその工法
は、単位体積当たりの使用量を粉末状或いは0.5cm
以下に破砕した短繊維を添加し、細粒分の間に十分行き
渡るまで混合しているので、微粒分同士の結合を防止
し、締め固まり力の低下した粘土が材料ホース内に付着
閉塞しない状態で当該材料を搬送することが出来る。以
上から、本発明は、現地発生土を空気圧送方法の吹き付
けに適した材料を得ることが可能と成り、粉末状或いは
0.5cm以下に破砕した短繊維の利用方法を拡大する
ことが可能と成った。
【0039】また、吹き付け後の材料の状態も、粉末状
或いは0.5cm以下に破砕した短繊維が法面材料とし
て浸食性に優れた繋ぎ効果を発揮する点、土壌三相構造
を内包した水分や細粒分への空隙率増加効果で植物の生
育に優れている材料に土を改良する点、締め固まり力の
低下により強力な圧縮空気による圧密でも土壌硬度を維
持出来る点、中性材料であるため植物の生理に悪影響を
与えない点が確認され、法面緑化材料としても適してい
ることが合わせて判明した。
【0040】法面緑化基盤として使用する場合は、従来
のバーク堆肥を大量に混合する材料コストに比較し、現
地発生土を使用するため、材料コストを大幅に削減する
ことが可能と成った。更に、地球環境の観点から現地発
生土のリサイクルに大きく貢献することが出来ることに
成った。
【図面の簡単な説明】
【図1】 法面吹付材料を使用した空気圧送法面吹付工
法を示す全体側面図。
【符号の説明】
1・・現地発生土 2・・タイヤショベル 3・・材料貯蔵ホッパー 4、6、12・・ベルトコンベア 5・・計量器 7・・撹拌装置 8・・短繊維粉末剤 9・・高分子吸収剤 10・・水 11・・材料貯蔵ホッパー 13、14・・吹付機 15・・材料ホース 16・・施工法面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹谷 達也 東京都中央区銀座8丁目14番14号 日特建 設株式会社内 (72)発明者 斎藤 茂 東京都中央区銀座8丁目14番14号 日特建 設株式会社内 (72)発明者 堀 昭一 東京都中央区銀座8丁目14番14号 日特建 設株式会社内 (72)発明者 林田 秀典 東京都中央区銀座8丁目14番14号 日特建 設株式会社内 (72)発明者 宮野 隆徳 東京都中央区京橋1丁目1番1号 ラサ工 業株式会社内 (72)発明者 寺尾 好太 東京都中央区京橋1丁目1番1号 ラサ工 業株式会社内 Fターム(参考) 2B022 AB02 BA02 BA14 2D044 DA32

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘土、シルト等の細粒分含有率が3%以上
    の現地発生土に、植物性繊維を粉末状或いは0.5cm
    以下に破砕した短繊維を混合し、必要に応じて水を加え
    てミキサー等により液状化するまで撹拌して成ることを
    特徴とする法面吹付材料の製造方法。
  2. 【請求項2】粘土、シルト等の細粒分含有率が3%以上
    の現地発生土に、植物性繊維又は合成繊維のいずれかを
    粉末状或いは0.5cm以下に破砕した短繊維を混合
    し、必要に応じて水を加えてミキサー等により液状化す
    るまで撹拌して成ることを特徴とする法面吹付材料の製
    造方法。
  3. 【請求項3】粘土、シルト等の細粒分含有率が3%以上
    で且つ含水比率の高い現地発生土に、植物性繊維又は合
    成繊維のいずれかを粉末状或いは0.5cm以下に破砕
    した短繊維と、高分子吸収剤を混合し、ミキサー等によ
    り液状化するまで撹拌して成ることを特徴とする法面吹
    付材料の製造方法。
  4. 【請求項4】粘土、シルト等の細粒分含有率が3%以上
    の現地発生土1m3に対して、必要に応じて水を加えて
    ミキサー等により液状化するまで撹拌し、植物性繊維又
    は合成繊維のいずれかを粉末状或いは0.5cm以下に
    破砕した短繊維を50〜200kg、高分子吸収剤を0
    〜20kgの割合で混合して成ることを特徴とする法面
    吹付材料の製造方法。
  5. 【請求項5】種子、肥料及び接合剤のいずれか或いは全
    てを混合して成ることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか1に記載の法面吹付材料の製造方法。
  6. 【請求項6】上記請求項1〜5のいずれかによって製造
    された法面吹付材料を、ミキサー等より排出し、ベルト
    コンベア等の運搬手段により吹付装置に供給し、該吹付
    装置より材料ホースを介して所定の法面に吹き付けて成
    ることを特徴とする空気圧送法面吹付工法。 【0001】
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