JPH0670634A - 吹き付け工法に用いる植物生育基盤造成用土 - Google Patents

吹き付け工法に用いる植物生育基盤造成用土

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JPH0670634A
JPH0670634A JP4248922A JP24892292A JPH0670634A JP H0670634 A JPH0670634 A JP H0670634A JP 4248922 A JP4248922 A JP 4248922A JP 24892292 A JP24892292 A JP 24892292A JP H0670634 A JPH0670634 A JP H0670634A
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JP
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soil
water
plant growth
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growth base
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JP4248922A
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Inventor
Kazuyuki Sato
一行 佐藤
Yuji Nakano
裕司 中野
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Hymo Corp
Raito Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Hymo Corp
Raito Kogyo Co Ltd
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Publication date
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  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吹き付け工法により法面等に植物生育基盤を
造成する時、用土中の粗大粒子同士を微粒土分によって
うまくつなぎ合わせることにより植物の生育に適する良
い骨格構造を持った植物生育基盤を形成させることがで
きるような用土を開発する。 【構成】 砂状(粒状)無機物材、粗大有機質を主とす
る骨格成分と、粘土等の微細成分及び水溶性高分子化合
物を主とするバインダー成分とからなる用土を用いる
と、骨格成分がバインダー成分によってつなぎ合わせら
れた、保水性、通気性、法面上での自立安定性などに優
れ、空隙分布の良好な骨格構造を持った植物生育に適す
る人工土壌基盤を造成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は法面等の表層に吹き付け
工法により植物生育基盤を造成するために用いる用土に
関するものであり、更に詳しくは該用土に含有される砂
状(粒状)無機物材と粗大有機物を主とする骨格成分、
及び粘土等の微細成分と水溶性高分子化合物を主とする
バインダー成分を適度に管理・配合することで、該用土
中の骨格成分をバインダー成分によってうまくつなぎ合
わせることにより、強度が大きく、法面上での自立安定
性に優れ、且つ保水性、排水性、通気性などに優れる空
隙分布のバランスが良い、植物の生育に適する良い骨格
構造を持った植物生育基盤を形成させることができる用
土に関するものである。本発明の植物生育基盤造成用土
中の骨格成分である砂状(粒状)無機物材やバインダー
成分としての粘土等の微細成分として、産業廃棄物であ
る製紙工業の排パルプの焼成砂、火力発電の際に生じる
石炭灰(砂)などの砂分、コンクリート材料として不適
な山砂、海砂など、浄水場の泥土分、砕石場のスラッジ
などを用い、人工的に泥土として配合して用いることに
より有効利用を計り、リサイクルの面からも有利にしよ
うとするものである。
【0002】
【従来の技術】山を切取り造成された法面は、表土が剥
ぎ取られているため、一般に硬質でかつ土壌養分を含ま
ず植物の生育に適さないところが多い。そこで、従来、
この種の法面を緑化するために、黒土などの粘土分の多
い自然土壌と水を混合したスラリーをポンプを用いて吹
き付ける方法が用いられてきた。しかしこの方法では、
吹き付け基盤の含水率が高いために、塑性変形が大きく
ダレを生じるために極めて薄い植物生育基盤の造成が行
える程度のものであった。この点を改良するために、吹
き付け基盤の素材その物を見直し、砂に粗大有機物を混
合したもの、または粗大有機物を結合剤(粘結剤)とと
もにエアーを用いて吹き付ける方法が開発され、ポンプ
方式を踏襲したものでは、自然土壌スラリーに団粒形成
剤として高分子凝集剤を混合する方法が開発された。
【0003】前者の場合、一般的には、自然土壌の粘
土、肥料及び種子等を水によりスラリー化したものを吹
き付けノズルから対象法面に吹き付けるようにしてい
る。造成された植物生育基盤中の種子は、吹き付け時の
水分とその後の雨水による水分を受けて生育するのみ
で、人為的なその後の散水養生は行われないのが通常で
ある。このため、良好な植生を造成・維持するには高い
保水性を持つ植物生育基盤とともに十分な厚さを確保す
ることが必要不可欠なものとなる。
【0004】植物生育基盤の保水能力、通気性の点から
は、土壌が団粒状態であるのが適当とされており、ポン
プ方式による場合、このような状態の植物生育基盤を造
成する方法として、粘土分を主体とした自然土壌スラリ
ー中に無機、または高分子凝集剤を添加し吹き付け、団
粒状の植物生育基盤を造成することが知られている。
【0005】すなわち、(1)特公昭48−11604
号公報では、スラリー状の自然土壌と凝集剤とをパイプ
内において混合して吹き付ける技術が、(2)特開昭5
9−74908号公報では、無機凝集剤をスラリー中に
添加する一方で、これを吐出口から噴出させた直後にお
いて高分子凝集剤を添加する技術が、(3)特開昭60
−241826号公報では、吐出口先端に取り付けられ
た攪拌筒においてスラリー、空気、ポリアクリルアミド
加水分解物等の保水剤を混合攪拌させて噴出させる技術
がそれぞれ開示されている。
【0006】また、(4)特公昭63−277321号
公報には、凝集剤と吸水性高分子凝集剤を吹出口付近で
添加した泥状材を対象面へ吹き付ける技術が開示されて
いる。これらの吹き付け用土に用いる材料は、黒ボクや
ローム等の粘土を主成分とする自然土壌を主体とし、こ
れにバーク堆肥やピートモス等の土壌改良材を少量混合
したものであり、それを水と混合攪拌し、泥状にして用
いることが従来の通例であった。
【0007】しかしながら、凝集剤を加えた上記の従来
方法によると、法面などへの吹き付けができ且つ法面へ
の付着も良いが、粘土分が主材料のために吹き付け基盤
の強度が弱く、吹き付け厚さが厚くなると自重により塑
性変形を起こしてダレが生じ、急勾配法面では自立安定
性が不良である。又、乾燥後の空隙バランスが不良で、
空隙が多いため乾燥が激しく、植物の生育に適する良好
な生育基盤を造成することは困難であった。また、上記
の従来方法によると、粘土を主成分とする自然土壌は、
産地により化学成分が異なるため、使用する際に適正な
管理が困難であり、適正でない場合、用土を吹き付ける
時に凝集剤を添加しても適度の団粒構造を形成しなかっ
たり、団粒反応にバラツキがあり均一な団粒構造が得ら
れないなどという欠点があった。
【0008】吹き付け直後に塑性変形を起こし易い、凝
集剤を添加する従来工法により造成された生育基盤の自
立安定性を向上させるために短繊維を用いたホートク緑
化工法(特公平4−33327号公報など)、連続長繊
維を用いたテクソル・グリーン工法(特開平1−310
019公報など)、ロービングショット工法(特開平4
−120315号公報など)などが開示されている。し
かし、吹き付け直後は含水率が高く、最も塑性変形し易
いので、自立安定性の向上を計りたいが、この時点にお
いて、上記繊維の補強効果は少なく、後の二者はむし
ろ、連続長繊維によって生育基盤が一体化した面となっ
ているために、団粒反応にバラツキがあり強度の弱い場
合は、連続長繊維によって、部分の塑性変形(だれ)が
連鎖的に拡大し、生育基盤全面が滑動するという欠点が
認められた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、砂・
粗大有機物の噛み合わせによる強固な骨格構造を、粘土
・水溶性高分子化合物により適度な空隙を保持した状態
で結合し、構造化された植物生育基盤を造成するための
品質の安定した用土を供給することにある。このような
用土を用いて造成される構造化された植物生育基盤は、
均一性に優れ、強度(せん断力)が高く、かつ吹き付け
直後の余剰水の排水性が良好であるために、塑性(ダ
レ)変形を起こすことなく、良好な空隙バランスを保持
し、かつ厚みのある状態となる。したがって、吹き付け
後も、自立安定性に富み、乾燥による収縮は少なく厚み
を保持でき、かつ大、小の空隙バランスが優れるため
に、通気性・余剰水の排水性・保水性も優れた状態の植
物生育基盤を保持できるものである。また、これに要す
る材料は、品質面を安定させるために、自然物を避け、
工業的に大量に供給されるものであることが望ましい。
この点で、産業廃棄物、および未利用素材を主材料とす
ることが適当であり、未利用資源、産業廃棄物の有効利
用も本発明が解決しようとする課題の一つである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、産業廃棄物の砂
分、コンクリート材料として不適な山砂、海砂などの粗
大粒子から成る粒状無機物材および堆肥となる粗大有機
質を主体とする骨格成分と、粘土等の微細成分及び水溶
性高分子化合物を主体とするバインダー成分とを配合し
て用土とし、それを水スラリーとすると通常の吹き付け
工法を用いることができ、法面などに、骨格成分がバイ
ンダー成分によってつなぎ合わせられた、余剰水の排水
性に優れ、強固な骨格構造を有し、法面上での自立安定
性に優れ、空隙分布が良好で保水性、通気性の優れた、
構造化された植物生育基盤を造成することができること
を見い出し本発明を成すに至った。
【0011】本発明の請求項1の発明は、砂状(粒状)
無機物材と粗大有機物を主とする骨格成分、及び粘土等
の微細成分と水溶性高分子化合物を主とするバインダー
成分から成る植物生育基盤造成用土であって、該骨格成
分を該バインダー成分によってつなぎ合わせることによ
り強固な骨格構造を有する構造化された植物生育基盤を
造成することができることを特徴とする吹き付け工法に
用いる植物生育基盤造成用土である。
【0012】本発明の請求項2の発明は、該用土の水ス
ラリー1m3 あたり該バインダー成分を300〜500
Kg、該骨格成分を400〜1600リットル含有する
ように両成分を配合することを特徴とする請求項1に記
載の吹き付け工法に用いる植物生育基盤造成用土であ
る。該バインダー成分が300Kg以下であると骨格成
分が分離・沈殿してしまい、500Kg以上であると粘
性が増しポンプ圧送しにくくなる。骨格成分が1600
リットル以上であるとスラリータンク中で骨格成分が分
離・沈殿し、搬送性が不良となるので施工性が著しく劣
り、且つ侵食を受け易く乾燥の激しいものとなる。
【0013】本発明の請求項3の発明は、該用土の水ス
ラリーから該骨格成分を除去した泥水のファンネル粘度
が21〜26秒になるように該バインダー成分を配合し
たことを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の
吹き付け工法に用いる植物生育基盤造成用土である。フ
ァンネル粘度が21秒以下であると、低濃度のため骨格
成分が分離・沈殿してしまい、搬送性が不良となり、ま
た塑性変形が大きく、だれ易く、厚みのある強固な骨格
構造を有する構造化された植物生育基盤ができない。一
方、ファンネル粘度が26秒以上であると、高濃度とな
り、搬送性が不良となり、バインダー成分が過剰のため
余剰水の排水が不良となり塑性変形が大きく、且つ乾燥
後の収縮も大きなものとなり、強固な骨格構造を有する
構造化された植物生育基盤ができない。
【0014】本発明の請求項4の発明は、該砂状(粒
状)無機物材と粗大有機物を主とする骨格成分、及び該
粘土等の微細成分が産業廃棄物のリサイクル物であるこ
とを特徴とする請求項1から請求項3に記載の吹き付け
工法に用いる植物生育基盤造成用土である。
【0015】本発明で用いる骨格成分としての砂状(粒
状)無機物材としては、例えば産業廃棄物である砂分、
発電の際に生じる焼成灰(砂)や、製紙工業の排パルプ
の焼成灰(砂)、コンクリート材料として不適な山砂、
海砂などを挙げることができる。天然の砂、砂利などを
用いてもよいが、上記の産業廃棄物を適当に処理して各
種の形状、寸法、粒度としたものを用いることが経済的
にも、地球環境的にもよい。形状、寸法、粒度などは特
に限定されるものではないが、搬送性を考慮すると1m
m〜2mmフルイ通過物などを好ましく用いることがで
きる。
【0016】本発明で用いる骨格成分としての粗大有機
物としては、例えばバーク(木の皮)その他の堆肥、ピ
ートモス、下水コンポストなどを挙げることができ、各
種の形状、寸法、粒度を有する天然品、加工品などがあ
る。形状、寸法、粒度などは特に限定されるものではな
いが、搬送性を考慮すると10mm〜15mmフルイ通
過物などを好ましく用いることができる。
【0017】本発明で用いるバインダー成分としての粘
土等の微細成分としては、例えば、一般に広く流通して
いるベントナイト等の粘土鉱物類、産業廃棄物である浄
水場の沈砂池などの脱水ケーキやスラッジ等の粘土分や
泥土分、砕石場のスラッジ、建設工事によって生じる泥
土、製紙工業の排パルプの焼成砂などを挙げることがで
きる。天然の黒ぼく、ロームなどの自然の粘土を主体と
するものを用いてもよいが、これらは選別されておらず
品質の点で問題であり、上記の流通粘土鉱物、および上
記の産業廃棄物を適当に処理して用いることが好まし
い。形状、寸法、粒度などは特に限定されるものではな
いが、活性度の高い粘土であることが好ましい。
【0018】本発明で用いるバインダー成分としての水
溶性高分子化合物としては、ポリアクリルアミド、ポリ
アクリルアミド部分加水分解物、アクリルアミド・アク
リル酸共重合物、アクリルアミド・アクリルアミド2メ
チルプロパンスルフォン酸塩共重合物などのアクリル系
水溶性高分子などをあげることができる。これらの種
類、形状、寸法、粒度などは特に限定されるものではな
い。
【0019】本発明の植物生育基盤造成用土を含む水ス
ラリーを吹き付ける方法、各成分を混合・攪拌する方法
などは特に限定されるものではなく、従来から行われて
いる方法や装置を用いることができる。
【0020】本発明の植物生育基盤造成用土の配合は、
ポンプ圧送可能な濃度範囲となるように骨格成分とバイ
ンダー成分を組み合わせ、且つ、粒子間の空隙の充填が
効率的にできるように濃度調整することが肝要である。
従来は、スラリー方式を用いると粒状のもの(比重の高
い砂など)は沈殿し、搬送することができないのでスラ
リー法を避けてきたが、適度な粘性を付与することによ
り、これらが沈殿することなくポンプ圧送が可能になる
のである。
【0021】
【作用】本発明の植物生育基盤造成用土から造成される
植物生育基盤は、砂、および粗大有機物の粒子が直接接
し、粒子同志が噛み合うことにより強度が発現し、この
ため、乾燥による収縮を防ぐことができる。この噛み合
った粒子間の間隙・接点を粘土・高分子による複合体が
埋め、粒子を結合・固定する。適度な濃度のスラリーで
あると表面張力により、空隙の小さな部分に集まり充填
することとなる。これにより、噛み合わせの際に生じた
大きな空隙は、余剰水の排泄と、通気性を確保すること
となり、小さな空隙は毛管水を保持し保水する部分とし
て作用し、粘土・高分子複合体は、粒子の固定と共に保
水性に対し寄与するものとなる。粒子間に充填されると
共に空隙を残すような粘土・高分子複合体の濃度が本発
明においては重要である。
【0022】これに対して、粘性土を団粒剤で凝集させ
る従来の方法の場合は、細かな空隙を多数作ることはで
きても、大小の空隙を作ることはできなかった。例え粗
大粒子が混入されても粗大粒子の間が完全に充填される
ため、空隙バランスは不良なものとなり、余剰水が抜け
にくく、かつ乾燥により収縮してしまうこととなる。
【0023】図1の本発明の構造化された植物生育基盤
概念図に示したように、砂1、粗大有機物2を主とする
骨格成分を粘土等の微細成分と水溶性高分子化合物を主
体とするバインダー成分3によってつなぎ合わせること
により、大小の空隙4ができ、空隙分布のバランスに優
れた、強固な骨格構造を有する構造化された人工土壌で
ある植物生育基盤を造成することができる。この時、上
記のように、目的とする効果を持つ植物生育基盤を造成
するためには、スラリー中の骨格成分やバインダー成分
の濃度割合が一定であるように配合されていることが必
須であり、これによって品質的にも安定した基盤を造成
できる。天然物あるいは人工物、産業廃棄物のリサイク
ル物である、砂状(粒状)無機物材と粗大有機物とを主
とする骨格成分、及び粘土等の微細成分と水溶性高分子
化合物を主とするバインダー成分を用いて人工的に管理
して適宜配合し、水スラーとした後、法面などに吹き付
けると、吹き付け直後の余剰水の排水が速やかに行わ
れ、塑性変形(だれ)が生ぜず、自立安定性に優れ、乾
燥後の収縮が少ない、適度の強度を有する、急勾配法面
においても厚さの厚い植物生育基盤を作ることができ
る。また、造成された厚い植物生育基盤は、大小の空隙
バランスが適当であって、保水性、通気性が良好である
ため、良好な植物の生育が期待できる。
【0024】
【実施例】以下に本発明による植物生育基盤造成用土を
用いて吹き付け工法により植物生育基盤造成を作る実施
例を詳細に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り
これらの実施例に限定されるものではない。 (実施例1) (骨格成分) 1.砂分(山砂) 2.粗大有機質 バーク堆肥とピートモスを1:1で混合したもの (バインダー成分) 3.微粒土(粘土)分 採石場の砕石洗浄水の沈殿スラッジ(乾燥したもの) 4.団粒化剤 水溶性高分子(1)(アクリルアマイド
系ポリマー) 5.団粒化剤 水溶性高分子(2)(アクリルアマイド
系ポリマー) 6.水
【0025】骨格成分として砂分と粗大有機質、バイン
ダー成分として微粒土(粘土)分とを用い、水を混合し
たもの1m3 に対して、微粒土(粘土)分が(表1)の
様に含まれるよう調整した人工吹付け用土に、バインダ
ー成分として水溶性高分子(1)を9Kg/m3 の割合
で添加攪拌し、人工吹付け用スラリーを造った。上記ス
ラリー1000ccをビーカーに取り、水溶性高分子
(2)の0.1%水溶液100ccを添加し、攪拌して
構造化させ、底を取り去り40メッシュの網を取り付け
た1000ccのビーカーに移したところ、粘土分、水
は抜けて用土の体積は850ccとなり、人工土壌の排
水性は良好であった。だれ、成形収縮などはなく、強
度、自立安定性、空隙分布のバランスは植物生育に適す
るものであった。この用土をビーカーを逆さにして取り
出して、その形をビーカーの形と比べ自立変形状況によ
り構造化の状況(構造化効果)を判断した。また、水溶
性高分子(1)を添加攪拌したスラリーを2.5mmと
1.2mmのフルイを通して骨格成分である粗大分を除
去した泥水のファンネル粘度を測定した。結果をまとめ
て表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】(実施例2) A.(従来の方法) 自然土壌A(黒土) 3.25 リットル 土壌改良材 水 2.5 リットル 水溶性高分子(1)(アクリルアマイド系ポリマー) 9g 水溶性高分子(2)(アクリルアマイド系ポリマー) 1g B.(従来の方法) 自然土壌B(Aと産地の異なるもの)および土壌改良材 3.25 リットル 土壌改良材 水 2.5 リットル 水溶性高分子(1)(アクリルアマイド系ポリマー) 9g 水溶性高分子(2)(アクリルアマイド系ポリマー) 1g
【0028】 C.人工土壌(本発明品) 砂状(粒状化)無機分(山砂) 1.0 リットル 粗大有機質分(富士見資材株式会社製、バーク堆肥) 2.0 リットル 微粒土分(採石場廃水スラッジ) 1200g (混合後3.25リットル) 水 2.5 リットル 水溶性高分子(1)(アクリルアマイド系ポリマー) 9g 水溶性高分子(2)(アクリルアマイド系ポリマー) 1g
【0029】A、BおよびCの各用土を上記の割合で配
合し、以下の項目について試験し、比較した結果をまと
めて(表2)に示す。 構造化反応性:各土壌スラリー1000ccについて水
溶性高分子(1)、水溶性高分子(2)を加えた際の構
造化反応状態を観察する。 排水性:構造化後の各土壌を40メッシュの網を取り付
けたビーカーに移した際、網の下に抜けた水の量を測定
した。
【0030】
【表2】
【0031】自然土壌Aは構造化反応性が弱く、スラリ
ー中の粘土分と余剰水は網の下に抜ける傾向がある。自
然土壌Bは構造化反応性は認められるものの、構造化発
達は不良で且つ微小で、余剰水を土壌中に保持する傾向
があり、排水性が低く、塑性変形を起こし易い。本発明
の人工土壌は自然土壌A、Bに対して構造化反応が良好
で、構造化された土壌が造成され、網付きビーカーに移
した直後の余剰水の排水性は良好で、その後、土壌中に
水を保持することができた。
【0032】さらに以下の項目について試験し、比較し
た結果をまとめて(表3)および表(4)に示す。 強度 :40メッシュの金網付きビーカーに土壌を移し
て3分後、余剰水を抜いた状態での各土壌のせん断力を
測定した。 保水性:各土壌を面積1/35m2 、25mmの厚さで
アルミ容器に敷き詰め、屋外に放置して水分の蒸発量を
測定した(水分の蒸発による重量変化)。 体積変化 :排水性の測定後40メッシュの網の上に残
った土壌を屋外に放置し体積の変化を測定した。
【0033】
【表3】
【0034】本発明の人工土壌は骨格構造を有している
ため、余剰水分分離後の体積変化は少なく、強度測定で
は良好な結果が得られた。自然土壌AおよびB(従来の
方法の用土)は水分が急激に蒸発し、28時間後にそれ
ぞれスタート時の29.1%および30.7%に減少し
たが、本発明の人工土壌は緩やかに乾燥して行き、同時
間で42.4%であり、人工土壌の保水性は良好であっ
た。
【0035】
【表4】
【0036】自然土壌AおよびB(従来の方法の用土)
は水分が急激に蒸発するとともに、用土の体積が減少し
ていき、用土が乾燥した5日後にスタート時の55.0
%、および65.0%に減少したが、本発明の人工土壌
は緩やかに乾燥して行き、同日で85.0%であり、人
工土壌の乾燥による体積の収縮は緩やかであった。
【0037】
【発明の効果】本発明は吹き付け工法により法面等に植
物生育基盤を造成する時、本発明の用土を用いて水スラ
ーとした後、法面などに吹き付けると水の流下と共に吹
き付け物がだれず、乾燥後の収縮が少なく、厚さの厚い
基盤を作ることができる。本発明の用土に含有されるバ
インダー成分の微粒土分および水溶性高分子化合物、お
よび骨格成分である粗大粒子を適度に管理・配合するこ
とで、該用土中の骨格成分である粗大粒子同士をバイン
ダー成分によってうまくつなぎ合わせることにより、強
度が大きく、空隙分布のバランスが良い、保水性、排水
性、通気性、法面上での自立安定性などに優れる、植物
の生育に適する良い骨格構造を持った植物生育基盤で且
つ均一品質のものを形成することができる。産業廃棄物
の砂分、コンクリート材料として不適な山砂、海砂、下
水ケーキ、砕石洗浄残さ粘土などの粘土分などを骨格成
分やバインダー成分として人工的に配合する事により有
効利用が計れ、リサイクルの面からも有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の用土を用いて造成された植物生育基盤
の骨格構造を示す概念図である。
【符号の説明】 1 砂 2 粗大有機物 3 大小の空隙 4 バインダー成分

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砂状(粒状)無機物材と粗大有機物を主
    とする骨格成分、及び粘土等の微細成分と水溶性高分子
    化合物を主とするバインダー成分から成る植物生育基盤
    造成用土であって、該骨格成分を該バインダー成分によ
    ってつなぎ合わせることにより強固な骨格構造を有する
    構造化された植物生育基盤を造成することができること
    を特徴とする吹き付け工法に用いる植物生育基盤造成用
    土。
  2. 【請求項2】 該用土の水スラリー1m3 あたり該バイ
    ンダー成分を300〜500Kg、該骨格成分を400
    〜1600リットル含有するように両成分を配合するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の吹き付け工法に用いる
    植物生育基盤造成用土。
  3. 【請求項3】 該用土の水スラリーから該骨格成分を除
    去した泥水のファンネル粘度が21〜26秒になるよう
    に該バインダー成分を配合したことを特徴とする請求項
    1あるいは請求項2に記載の吹き付け工法に用いる植物
    生育基盤造成用土。
  4. 【請求項4】 該砂状(粒状)無機物材と粗大有機物を
    主とする骨格成分、及び該粘土等の微細成分が産業廃棄
    物のリサイクル物であることを特徴とする請求項1から
    請求項3に記載の吹き付け工法に用いる植物生育基盤造
    成用土。
JP4248922A 1992-08-26 1992-08-26 吹き付け工法に用いる植物生育基盤造成用土 Pending JPH0670634A (ja)

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