JP2003143944A - 植生基盤固化材 - Google Patents

植生基盤固化材

Info

Publication number
JP2003143944A
JP2003143944A JP2001342040A JP2001342040A JP2003143944A JP 2003143944 A JP2003143944 A JP 2003143944A JP 2001342040 A JP2001342040 A JP 2001342040A JP 2001342040 A JP2001342040 A JP 2001342040A JP 2003143944 A JP2003143944 A JP 2003143944A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vegetation base
soil
solidifying material
slope
greening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001342040A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3608164B2 (ja
Inventor
Yoshiyuki Uno
良幸 宇野
Heiichi Uno
平一 宇野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GIFU OYO SHIZAI KK
Original Assignee
GIFU OYO SHIZAI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GIFU OYO SHIZAI KK filed Critical GIFU OYO SHIZAI KK
Priority to JP2001342040A priority Critical patent/JP3608164B2/ja
Publication of JP2003143944A publication Critical patent/JP2003143944A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3608164B2 publication Critical patent/JP3608164B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】道路や造成地等の法面保護と環境保全、及び土
木工事現場の最終景観向上を目的として、土と植栽物の
種を含む緑化材料とともに法面に吹付けできる植生基盤
固定材を提供すること。 【解決手段】硫酸カルシウムと、アルミナ若しくはアル
ミナセメントを含む、pH8.0〜10.0のものであ
り、必要に応じて、フライアッシュ、製紙スラッジ灰、
鉱滓、キラ、及び鋳物砂等の産廃土を混合したり、クエ
ン酸三ナトリウム又はショ糖が固化反応遅延剤として配
合されるところに構成特徴があり、法面20の法面緑化
あるいは法面浸食防止を目的として、法面20にガン吹
付することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産廃土等の有効利
用、道路や造成地等の法面保護と環境保全、及び土木工
事現場の最終景観の向上を目的として、種子や肥料等を
含む緑化材料とともに法面吹付けに使用される植生基盤
固化材に関するものである。
【0002】ところで、本明細書において、”アルミ
ナ”とは、β−アルミナ(Na2O・11Al23を基
本としたもの)並びにγ−アルミナ(立方晶系スピネル
型のAl23化合物)のことであり、三方晶系鋼玉型の
格子構造を持ったα−アルミナ(酸化アルミニウム:A
23 )は含まないものと定義する。α−アルミナは
水に溶けないからである。γ−アルミナは格子定数αが
0.77〜0.81nmの間にあり、化学反応性が高
く、水に溶けて両性を示すものである。なお、β−アル
ミナ並びにγ−アルミナのいずれかを主たる成分として
含有するものも使用可とする。
【0003】
【従来の技術】従来、道路脇の傾斜面等の面保護のため
に、この面を緑化することが行われている。面の保護方
法としては、モルタル吹付けによる表面の固化等もある
が、モルタルの劣化による破壊、落下等が生じる危険性
があり、緑化に劣る。また、周囲環境に対する影響、景
観等の点からも緑化の方が断然勝っており、面保護のた
めに緑化帯を設ける場合が多くなってきている。
【0004】この緑化には各種の工法が提案されている
が、通常、繊維に種子を混合して吹き付ける種子吹き、
バーク堆肥のみを吹き付けるバーク吹き、及び、水、
土、バーク堆肥、肥料、緑化用植物(例えば、芝)の種
子、及び固化材などを混練して泥状となしコンプレッサ
ーで法面に吹き付ける客土吹きが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記種子吹き
とバーク吹きのように単に土壌と種子だけを吹き付けて
も、種子を法面上に固定できない。特に種子が法面に定
着する前に雨が降った場合には、土壌とともに種子が流
失するために吹付け作業をやり直さなければならないと
いう問題点があった。
【0006】一方、客土吹きは、土が配合されている
分、種子吹きやバーク吹きよりも発芽率,定着率におい
て良好であるものの、通常、固化材として有機系高分子
樹脂を使用しているので、つぎの問題がある。
【0007】固化材は一種の接着剤であり、微細な土
壌粒子を接着させて団粒化させるものである。法面に土
を活着させるものもこの接着剤の作用であるが、吹付け
後、接着剤が乾いて土壌を安定させるまでに、平均して
3日間程度の時間を要する。安定化するまでは水に弱
く、雨等が降ると吹付け面全体が流亡してしまうことに
なる。
【0008】雨に流させずに活着した土壌は、有機系
高分子樹脂の硬化物の硬度が高く、硬化時に法面全体に
亀裂が入り、この亀裂の間からしか植栽物の種子は発芽
できない。すなわち、法面全面にわたり発芽させた状況
になりえない。
【0009】固化して安定化するまでに3日間程度の
時間を要するために、吹付けた客土を法面に固定させる
手段が必要である。そのため、一般的には、ラス網と呼
ばれるネットを吹付け面全体を覆うように張っておくこ
とが必要になる。
【0010】岩盤への客土吹付け等する場合には、植
栽物の根が伸長することを考慮して、要求される吹付け
厚が1〜5cmの厚さとなるように吹付けることになる
が、安定化するまでに時間を要し、この間土やバーク堆
肥等の重量を支持できないため、一気に要求する厚さと
なるように吹付けることはできない。そのため、1〜
1.5cm厚で、2度吹きしたり度吹きすることが必要
になる。
【0011】例えば吹付け施工した面が積雪の下に閉
じ込められる場合、固化材による土壌の団粒化や活着は
その接着性能に依存するから、その接着成分が凍上劣化
し、春の雪解け時には既に土壌粒子をつなぎ止められ
ず、当初の微細な土壌粒子に戻った表土が雪解けと共に
流亡してしまう。
【0012】高分子系樹脂という固化材の性格から、
法面表面に吹付けられた厚さ数cmの表土部分は本物の
表土でなく、土が混ぜ込まれたある種のプラスチック状
であって本来の表土を形成していないために、恒久的に
緑化するという観点からはその目的を充分に達すること
ができない。
【0013】一方、特開平8−23766号公報には、
フライアッシュ等の粒状の無機材からなる焼却灰と、カ
ルシウム化合物と、酸性物質とを含む植生基盤固化材が
提案されており、特開平10−36836号公報には、
産廃土等、ポルトランドセメント、硫酸アルミニウム、
硫酸カルシウム、二酸化ケイ素、硫酸ナトリウム、酸化
マグネシウムを均一に配合混合した酸性植生基盤固化材
が提案されている。
【0014】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
のであって、その目的は、産廃土等の有効利用、道路や
造成地等の法面保護と環境保全、及び土木工事現場の最
終景観向上を目的として、土と植栽物の種を含む緑化材
料とともに法面に吹付けできるアルカリ性植生基盤固定
材を提供せんとするものであり、これを使用した法面緑
化方法の提供は他の目的とするところである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が採った手段は、請求項1の発明は、植物の種
子、土壌、水と混合した後、混合物を地面上に散布し、
散布地面を緑化するために使用される植生基盤固化材で
あって、硫酸カルシウム70〜50重量部と、アルミナ
若しくはアルミナセメントのいずれか一方30〜50重
量部とを含む植生基盤固化材を、その要旨とするもので
ある。
【0016】請求項2の発明は、請求項1の植生基盤固
化材おいて、前記植生基盤固化材40〜60重量部に対
して、フライアッシュ、製紙スラッジ灰、鉱滓、キラ、
及び鋳物砂を含む産廃土群より選ばれた1種又2以上の
混合物を60〜40重量部の割合で配合してなるもの
を、その要旨とするものである。
【0017】請求項3の発明は、請求項1又は2の植生
基盤固化材おいて、そのpHが8.0〜10.0の範囲
に調整されているものを、その要旨とするものである。
【0018】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの植生基盤固化材において、前記植生基盤固化材10
0重量部に対して、クエン酸三ナトリウム又はショ糖を
固化反応遅延剤として0.05〜0.5重量部の割合に
配合してなるものを、その要旨とするものである。
【0019】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
かの植生基盤固化材において、当該植生基盤固化材を、
緑化資材に対して、0.5〜5容積%の割合で混合した
後、所望する所定量の水を加えてなるものを、その要旨
とするものである。
【0020】なお、各請求項の発明に係る植生基盤固化
材において、例えば六価クロム含有量が0.05mg/
L以下であり且つ他の重金属類含有量もまた法規制値を
満足するものであることは無論のことである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の植生基盤固化材は、特
に、硫酸カルシウム自体で硬化する特性、アルミナ
若しくはアルミナセメント中の酸化アルミニウムを加水
分解させ水和ゲル化させることによって生成する編み目
構造をもった水酸化アルミニウム水和ゲルの強い吸着特
性、並びに、他の電解質や粘土質、ケイ酸塩あるいは産
廃土等を、緩い粒子間結合により抱き込み凝集して団粒
化するという凝集特性、水や土等と混合され吹付けノ
ズルから噴射される段階では運動エネルギーを得てゾル
状であり法面上では運動エネルギーを失って直ちにゲル
化するというチクソトロピー特性、を相乗的に作用させ
るところに構成特徴がある。
【0022】アルミナに水を加えると溶け水酸化アルミ
ニウム水和物ゲルが生成する。このゲル体は強い吸着特
性を有しているため、様々な無機化合物や粘土質、土壌
等を抱き込み、緩い粒子間結合によって凝集し全体が粒
子化するという特性がある。
【0023】硫酸カルシウムは、硫酸カルシウムの0.
5水和物のことであり、密度が2.76g/cm3 のα
型と、密度が2.62〜2.64g/cm3 のβ型があ
り、いずれも使用でき、水を吸収して二水和物に戻る性
質がある。水を加えてかき混ぜると発熱し、体積を増し
て固化する。これは、溶解度の大きいβ型が溶解して二
水和物として再結晶し、微結晶同士が絡み合って繊維状
の組織を有するものに硬化するためである。
【0024】また、アルミナと硫酸カルシウムの混合物
にを加えると、水和反応によって、網目状エトリンガイ
ト(3CaO・Al23・3CaSO4.32H2O)が
生成する。この際に、混合されている土壌等や地面側の
土も若干取り込まれるため、各種物質が複雑に関係しあ
って、種々の固化反応を土壌等を取り込みながら地面上
に網目状となるため、種子などを保持したままの状態で
緑化地面上に強固に固定できる。すなわち、吹付け作業
の後、すぐに雨が降っても吹付け面の流亡は非常に少な
く、法面土壌とともに硬化させることができ、法面上に
堅牢な植生基盤を形成でき、法面の緑化を効果的に行う
ことができる。
【0025】エトリンガイトの生成に当たって水和反応
により、水を消費する。この際に、フライアッシュ、製
紙スラッジ焼却灰、鉱滓、キラ、及び鋳物砂等の産廃土
が配合されていると、これらの中に含まれるアルミニウ
ムが水酸化アルミニウム水和物ゲルになるとともに、硫
酸カルシウムと速やかに反応して上記網目状エトリンガ
イトを生成させることができ、産廃土の有効利用が図れ
る。
【0026】また、例えば煤煙脱硫時に生成する消石灰
を配合すると、エトリンガイド結晶の生成や植栽物の発
芽に好適なアルカリ条件(pH8.0〜10.0)を維
持することができ、エトリンガイド生成反応の活性化、
硬化速度の調整、急傾斜角法面への活着増大、吹付面の
硬度高揚などが図れるようになる。
【0027】緑化材料には、植生基盤固化材が、0.5
〜5容積%の割合で配合され、ついで所望量の水が加え
られる。緑化材料に、植生基盤固化材が0.5容積%以
下の割合で配合されると、硬化し難くなり、5容積%以
上の割合で配合されると、pHが上昇するとか、硬化物
が硬くなり過ぎて発芽しない等の問題が生じる。
【0028】ところで、飽和量を越えた水分は、三次元
的立体構造のうちミクロな網目を浸透若しくはミクロな
網目を介して排水されることになるため、保水性のみな
らず透水性にも優れる。加えて、表土全体が優れた通気
特性を備えることになるから、特には土壌中の好気性菌
群を活性化し、曳いては窒素固定反応を高揚させること
ができる。つまり、緑化の対象土壌が仮に痩せた土壌で
あったとしても、三大栄養素を添加しさえすれば、恒久
緑化に必要な栄養供給ができる。
【0029】活着した土壌塊には、肥料,種子の他、前
述した様々な無機薬品類が同時混合されており、活着後
にアッシュ成分,カルシウム,アルミニウム,シリカ等
の成分が相互に反応し、更に硫酸塩とアルカリ成分によ
る刺激が加わり、エトリンガイト等が絡み合って三次元
的立体構造を生成し、土壌粒子を巻き込んだ本当の団粒
化が起こる。すなわち、接着成分による土壌粒子の接着
による団粒化だけでなく、無機物質の水和物から構成さ
れた団粒化が起き、また、その内部には同時混合した肥
料成分が内包されており、それが徐々に浸み出てくるの
で、良好な保肥性も確保できる。
【0030】また、上述した各植生基盤固化材全量に対
して、クエン酸三ナトリウム又はショ糖が0.0.5〜
0.5%の割合で配合すると、硬化反応遅延剤として機
能するから、硬化反応時間の調整ができる。
【0031】つぎに、チクソトロピー特性とは、例えば
静置している間にある種の構造を作って流動し難くなっ
ており、これを例えば振動すると前記構造が壊れ、流動
性を増すために流れやすくなる現象のことである。すな
わち、このチクソトロピー的回復をできるだけ早くする
ことによって、つまり、タンク内部水や土等と共に撹拌
されたり、またコンプレッサーで吹付けられノズルから
放射される段階では、運動エネルギーを得てゾルであ
り、法面に固着することで運動エネルギーが奪われ直ち
にゲル化する、ということになる。アルミナが水酸化ア
ルミニウムゾルとなり、そこに硫酸ナトリウムの電解質
が添加されて凝固する現象等が、代表的に見られるチク
ソトロピーの例である。
【0032】これらの代表的チクソトロピー物質が全て
同一のタンク内で混合させるとそれ自体が単発でも起こ
るチクソトロピー特性を有しているので、同時に複合効
果によってチクソトロピー的回復を速める作用が発生す
る。この急速かつ驚異的なゲル化が、様々な傾斜角の法
面への確実な活着性をもたらし、ラス網なしの施工を可
能にしているのである。同時に、このゲル化した土壌塊
は、活着後の雨水は吸収し難いため、事後の降雨や、雨
中の施工時においても流失し難い性格として付加される
のである。
【0033】なお、例えば肥料,種子等の植栽資材を含
まない基盤材料と、本発明の固化材との混合物を法面な
どに吹き付けると法面の浸食防止ができる。すなわち、
基盤の浸食防止材としても使用できる。
【0034】
【実施例】本発明を実施例に基いてさらに詳細に説明す
るが、これは代表的なものを示したものであり、その要
旨を越えない限り、以下の実施例によって本発明が限定
されるものではない。
【0035】第1実施例の植生基盤固化材は、硫酸カル
シウム70〜50重量部と、β−アルミナ(若しくはγ
−アルミナ)30〜50重量部とを混合し、そのpHが
8.0〜10.0の範囲にあるものである。
【0036】第2実施例の植生基盤固化材は、第1実施
例の植生基盤固化材40〜60重量部と、フライアッシ
ュ、製紙スラッジ灰、鉱滓、キラ、及び鋳物砂を含む産
廃土の群から選ばれた1種又2以上の混合物60〜40
重量部の割合で混合し、そのpHが8.0〜10.0の
範囲にあるものである。
【0037】なお、第2実施例の植生基盤固化材を使用
すると、フライアッシュまたは製紙パルプ灰などの産廃
土は、その多孔質(ポーラス)の表面によって土壌中の
水分を急速に吸収すると共に固化が開始される。硫酸カ
ルシウムはフライアッシュ等の固化反応を一層促進する
作用がある。
【0038】第3実施例の植生基盤固化材は、第1また
は第2実施例の植生基盤固化材100重量部に対して、
クエン酸三ナトリウム又はショ糖を固化反応遅延剤とし
て0.05〜0.5重量部の割合に混合し、そのpHが
8.0〜10.0の範囲に調整したものである。
【0039】つぎに、各実施例の植生基盤固化材を使用
した、客土吹付工法とガン吹付工法による法面緑化
工法について説明する。
【0040】[客土吹付工法]まず、タンク内に、第1
実施例の植生基盤固化材、種子、客土用の土、バーク堆
肥、化成肥料などを投入すると共に適量の水を添加し、
機械攪拌してこれらの混合物を得た後、ポンプにより、
緑化対象地面上に散布する。吹付け混合物の厚みは、1
〜5cm程度とする。
【0041】[ガン吹付工法]ついで、ガン吹付工法に
ついて図面を参照して説明する。
【0042】図1において、植生基盤材、種子、肥料、
浸食防止材、その他材料は、コンベヤ1に積載されてモ
ルタルガン機2に運ばれる。このモルタルガン機2は容
量200〜300Lのタンクを有しており、ここで植生
基盤材、種子、肥料、侵食防止材等は混合される。含水
率は60%以下である。
【0043】混合された植生基盤材等は、発電機3によ
り駆動されたコンプレッサ4により加圧されてホース5
内に圧送される。このホース5の先端部には吐出ノズル
10が取付けられている。この吐出ノズル10は、図2
に示すように、中央の混合部11を挟んで、一方にホー
ス5に接続される接続部12が設けられ、他方に吹付部
13が設けられている。接続部12の内周部12aを前
記植生基盤材等が通過する。
【0044】混合部11は二重構造になっており、内周
部12aの外側に同心状に中空部11aが形成されてい
る。また、この中空部11aから内周部12aに連通す
る放射状の複数個の孔11bが形成されている。
【0045】動力噴霧器14は、発電機3により駆動さ
れ水槽15から供給された水を5〜7気圧に加圧して混
合部11に取着されたエルボ16を介して中空部11a
に供給する。この水は、孔11bを通して矢印方向に内
周部12aに吹付けられ、ここを通過する植生基盤材等
に混合されて、吹付部13から法面20に吹付けられ
る。
【0046】上記各実施例の植生基盤固化材を使用して
客土吹付工法並びにガン吹付工法にて法面緑化を行った
ところ、網目構造になるため、吹付け全面から発芽が得
られ、さらに、固着力が非常につよいため、いずれの場
合でも、従来の吹付けの際に使用していたラス網が不要
となった。例えば傾斜30度の法面に対し、ラス網なし
の吹付けを行い一切流れ落ちないことが確認できた。
【0047】さらに、緑化吹付けの面の形成は、土粒子
そのものを巻き込んだ水和反応によって、エトリンガイ
ト等の鉱物質硬化物を作り上げることに起因している。
この鉱物質硬化物は、微細土粒子そのものを核として形
成された鉱物質団粒化である。そこで、団粒化された鉱
物質はその能力一杯の水を保持する。この保水効果が発
芽を促進させ、さらにその後の雨を長時間保持すること
によって、植物の成長を助け、いつも青々とした緑化面
を維持することができる。非常に効果的に緑化できた。
例えば、施工終了後、1時間程度経過した場合、通常の
雨では吹付けられた客土が一切流亡しなかった。
【0048】また、これら鉱物質生成物は蔦が絡み合う
ように生成されるため、ミクロ的には施工面に微細なネ
ットの層が何層にも重なり合うような状態になる。この
ため、土壌の通気性が何時までも保たれ、水と空気とい
う植物が必要とする条件を常に保つことができる。
【0049】さらにまた、施工時にはバーク堆肥などの
肥料を一緒に混合されて吹付けられ、これが団粒化した
大きな粒子中に取り込まれるため肥料そのものの保持力
が非常に大きくなる。さらに、通気性がよいため、透水
性もよく、つねに適度の水分を保持し、通気性と透水性
に優れたた施工面を実現することができる。
【0050】なお、上記各実施例の植生基盤固化材にお
いて、当該アルミナに代えて、アルミン酸カルシウムを
主成分とするアルミナセメントを使用しても、以下と同
様に取扱いできかつ同様の作用効果を得ることができ
る。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る植生
基盤固化材によれば、土壌、水等と混合した場合、水和
反応等によって、エトリンガイトを生成し、これによっ
て吹付け土壌等を地面上に保持する。従って、吹付け作
業の後、すぐに雨が降っても吹付け面の流亡は非常に少
なく、地面の緑化を効果的に行うことができる。特に、
本発明では、植生基盤固化材のpHがアルカリ性である
ため、エトリンガイトの生成能力が高く、緑化吹付け資
材の成分として非常に好ましい。
【0052】また、硫酸カルシウムを利用することによ
って、カルシウムを補充できると共に、硫酸カルシウム
自体にも固化能力があるため、固化反応を促進できる。
【0053】また、種子、土壌、水および上述のような
緑化吹付け資材を混合した後、この混合物を地面上に散
布し、散布地面を効果的に緑化することができるとい
う、実効性に優れた植生基盤固化材として提供できるの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の植生基盤固化材を使用したガ
ン吹付工法を概略的に説明するための模式概略図であ
る。
【図2】図2(a)は、図1における吐出ノズルの側面
図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A線に沿っ
た断面図である。
【符号の説明】
1…コンベヤ 2…モルタルガン機 3…発電機 4…コンプレッサ 5…ホース 10…吐出ノズル 11…混合部 11a…中空部 11b…孔 12…接続部 12a…内周部 13…吹付部 14…動力噴霧器 15…水槽 16…エルボ 20…法面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物の種子、土壌、水と混合した後、混
    合物を地面上に散布し、散布地面を緑化するために使用
    される植生基盤固化材であって、 硫酸カルシウム70〜50重量部と、アルミナ若しくは
    アルミナセメントのいずれか30〜50重量部を含むこ
    とを特徴とする植生基盤固化材。
  2. 【請求項2】前記植生基盤固化材40〜60重量部に対
    して、フライアッシュ、製紙スラッジ灰、鉱滓、キラ、
    及び鋳物砂を含む産廃土群より選ばれた1種又2以上の
    混合物を60〜40重量部の割合で配合してなることを
    特徴とする請求項1記載の植生基盤固化材。
  3. 【請求項3】pHが、8.0〜10.0の範囲に調整さ
    れていることを特徴とする請求項1又は2に記載の植生
    基盤固化材。
  4. 【請求項4】前記植生基盤固化材100重量部に対し
    て、クエン酸三ナトリウム又はショ糖を固化反応遅延剤
    として0.05〜0.5重量部の割合に配合してなるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の植生基
    盤固化材。
  5. 【請求項5】前記植生基盤固化材を、緑化資材に対し
    て、0.5〜5容積%の割合に混合した後、所望する所
    定量の水を加えてなることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の植生基盤固化材。
JP2001342040A 2001-11-07 2001-11-07 植生基盤固化材 Expired - Fee Related JP3608164B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001342040A JP3608164B2 (ja) 2001-11-07 2001-11-07 植生基盤固化材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001342040A JP3608164B2 (ja) 2001-11-07 2001-11-07 植生基盤固化材

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004230044A Division JP2004346739A (ja) 2004-08-06 2004-08-06 植生基盤固化材の吹付け装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003143944A true JP2003143944A (ja) 2003-05-20
JP3608164B2 JP3608164B2 (ja) 2005-01-05

Family

ID=19155970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001342040A Expired - Fee Related JP3608164B2 (ja) 2001-11-07 2001-11-07 植生基盤固化材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3608164B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100766080B1 (ko) 2006-11-02 2007-10-12 세원산업개발 주식회사 사면녹화용 식생기반재
WO2010126310A2 (ko) * 2009-04-29 2010-11-04 Kim Deog Seoup 토양을 고화시키는 친환경의 토양도포액, 토양도포액의 제조 및 이를 이용한 토양도포방법
KR101366971B1 (ko) * 2013-11-15 2014-02-24 주식회사 전주페이퍼 제지 슬러지를 이용한 고화제, 그 제조방법 및 이를 포함하는 고화물
JP2021067082A (ja) * 2019-10-23 2021-04-30 日鉄エンジニアリング株式会社 植生基材

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109362529B (zh) * 2018-09-05 2021-03-02 上海城建职业学院 应用于矿山高边坡的防护材料

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100766080B1 (ko) 2006-11-02 2007-10-12 세원산업개발 주식회사 사면녹화용 식생기반재
WO2010126310A2 (ko) * 2009-04-29 2010-11-04 Kim Deog Seoup 토양을 고화시키는 친환경의 토양도포액, 토양도포액의 제조 및 이를 이용한 토양도포방법
KR101008178B1 (ko) * 2009-04-29 2011-01-13 김덕섭 분진 비산방지, 황사방지 및 사막녹지화를 위해 토양을 고화시키는 토양도포액, 토양도포액의 제조 및 이를 이용한 토양도포방법
WO2010126310A3 (ko) * 2009-04-29 2011-03-24 Kim Deog Seoup 토양을 고화시키는 친환경의 토양도포액, 토양도포액의 제조 및 이를 이용한 토양도포방법
KR101366971B1 (ko) * 2013-11-15 2014-02-24 주식회사 전주페이퍼 제지 슬러지를 이용한 고화제, 그 제조방법 및 이를 포함하는 고화물
JP2021067082A (ja) * 2019-10-23 2021-04-30 日鉄エンジニアリング株式会社 植生基材
JP7282330B2 (ja) 2019-10-23 2023-05-29 日鉄エンジニアリング株式会社 植生基材

Also Published As

Publication number Publication date
JP3608164B2 (ja) 2005-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2935408B2 (ja) 緑化・土壌安定化用無機質材料、それを用いた厚層基材種子吹付け工法または土壌安定化方法
JP3729673B2 (ja) 緑化基盤およびその造成法
JP3608164B2 (ja) 植生基盤固化材
JPH1036836A (ja) 緑化吹付け用土壌安定剤
JP2001115454A (ja) 自然植生導入法面保護壁および自然植生導入法面保護工法
KR20070112919A (ko) 녹화ㆍ토양안정화용 무기질재료, 그것을 이용한두께층기재종자 분무공법 또는 토양안정화방법
JP2002012479A (ja) 軽量ポーラスコンクリート材
JP3073392B2 (ja) 緑化吹付け資材および緑化吹付け方法
JP2717222B2 (ja) アルカリ硬化体空隙の植生用充填材
JP2002070022A (ja) 植生基盤材組成物と法面緑化方法
JP2004346739A (ja) 植生基盤固化材の吹付け装置
JP2003147773A (ja) 法面の緑化工法
JP3343710B2 (ja) 植生基材の吹付工法
KR20030081983A (ko) 단립화 식생기반재
JP2004044378A (ja) 伐採樹木を植物成育基盤材として用いた客土吹付工法または厚層基材吹付工法
JP2004044378A5 (ja)
JPH06228967A (ja) 緑化基盤コンクリートの製造方法
JPH0559713A (ja) 表土流出防止工法
JP5999482B2 (ja) 法面緑化用組成物の吹付方法
JPS59233023A (ja) 地表面の安定化工法
JP3171440B2 (ja) 吹付け用の植物育成基盤材
JP2981071B2 (ja) 緑化基盤コンクリート
JPH08333178A (ja) 緑化用コンクリート
JP2003129049A (ja) 酸性土壌の改良材及びそれを用いた改良方法
JPH05280057A (ja) マルチ層の造成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040413

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040510

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040806

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040930

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071022

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081022

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091022

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101022

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees