JP2717222B2 - アルカリ硬化体空隙の植生用充填材 - Google Patents

アルカリ硬化体空隙の植生用充填材

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JP2717222B2
JP2717222B2 JP6155260A JP15526094A JP2717222B2 JP 2717222 B2 JP2717222 B2 JP 2717222B2 JP 6155260 A JP6155260 A JP 6155260A JP 15526094 A JP15526094 A JP 15526094A JP 2717222 B2 JP2717222 B2 JP 2717222B2
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zeolite
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和人 吉森
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日本セメント株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内部に連続空隙を有す
るポーラスコンクリート等のようなアルカリ硬化体の空
隙内にスラリー状にして充填し、広範囲の植物を良好に
生育させることのできるアルカリ硬化体空隙の植生用充
填材に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、土砂掘削により形成される地山
面や、堤防や、造成地の盛土の法面等を保護するため
に、これらの表面をコンクリートをもって被覆する工事
が古くから施工されている。
【0003】これらのコンクリート硬化体表面に植生を
施すには、従来、硬化体の構造を、例えば凹状や段状と
したり、表面に作条したり、或いは、表面及び内部に大
空隙を持った構造とし、それらの凹部や、大空隙中に土
壌等を充填し、適宜流出防止策を講ずることで、コンク
リート硬化体表面緑化の需要に応えてきた。
【0004】しかし、例えば河川の堤防の法面や、頂面
等のように保護すべき面を可能な限り表面を平らにすべ
き場合が多く、また、そうでなくてもコスト及び維持管
理の点から、表面が平らなコンクリート硬化体により保
護される場合が多かった。このような平らなコンクリー
ト硬化体の表面を緑化し、しかも法面等の表面を確実に
保護しつつも優れた景観を安価で、かつ、平易に提供で
きるものとして、内部に植生用の連続空隙を分散させた
コンクリート硬化体(通称、ポーラスコンクリート)内
に植生用の培土を充填したものがある。
【0005】このようなポーラスコンクリートの空隙充
填材として、土、或いは必要に応じてパーライト等の土
壌物理性改良材や、肥料を混合したもの(特開昭53−
72304号公報)や、高吸水性樹脂或いはパルプファ
イバーを用いるもの(特開昭63−532号公報)、更
に速やかな植生を促すため硬化体に中和処理を施した
り、低アルカリセメントを使用した上で、粉砕したピー
トモスを肥料とともにスラリー状にして充填するもの
(日経コンストラクションP.78,1994.2.2
5)等が知られている。
【0006】一方、植物育生用として、一種の産業廃棄
物である浄水場発生土が注目されつつあり、これは上水
道に供する目的で浄水処理する過程において排出される
ものであり、均質で良質な粘土粒子及び良質の腐植、及
び肥料分として有為な水生プランクトンの遺骸等が多く
含まれているものであり、これにゼオライトを混合させ
て園芸用土とするもの(特開平4−197110号公
報)や、浄水場発生土とゼオライト、(粗粒の)繊維
材、肥料、種子及び侵食防止剤の混合物を用いた法面等
の緑化工法(特開平5−247943号公報)が提案さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述したポー
ラスコンクリートの空隙充填材として、土にパーライト
等の土壌物理性改良材や肥料を混入させたもの(特開昭
53−72304号公報)は、流水に対しての安定性に
欠け、植物根が旺盛に伸長する程度の空隙に充填された
状態であれば流亡しやすく、細かな空隙であれば充填さ
れにくい。また、土を主体として使用するため、基材と
しての質的安定性に欠け、その都度、窒素・燐酸・カリ
の3要素の肥料を用いる必要があり、雑草種子や害虫、
病原菌の除去根絶も必要となる場合もある等の問題があ
った。
【0008】また、従来の高吸水性樹脂やパルプファイ
バーを用いるもの(特開昭63−532号公報)では、
ポーラスコンクリートの細かな空隙にも十分な充填を行
うに必要な量を注入しようとすれば、空隙上部で閉塞を
起こし、充填材としての機能を果たし得ないとともに、
特にパルプファイバーの場合は、ある程度乾燥すると繊
維の絡みが強化され、植物根の伸長が大いに妨げられる
害も発生する。その上、このような充填材では、窒素・
燐酸・カリの3要素の肥料以外に、場合によっては微量
要素肥料を用いる必要も生じてくることから効率的でな
い等の問題があった。
【0009】更に、前述した従来のピートモスを主材料
として肥料とともにスラリー状にして用いる方法では、
ピートモスを微粉砕して注入を容易にしたとしても、ピ
ートモス自体がある程度の乾燥に遭うと撥水性となるた
め、実際的には親水処理を施す等の必要があるし、3要
素肥料の添加は必須となり、また硬化体に中和処理を施
す等の必要もあり、経済的でないという問題があった。
【0010】また、従来の浄水場発生土を用いるものの
内、前述した特開平4−197110号公報に開示され
たものは、園芸用土・育苗培養土等として優れた機能を
持つものであるが、ポーラスコンクリートの空隙充填材
として開発されたものではなかったため、空隙充填に必
要な懸濁液を得ようとしても発生土中に多量に含まれる
粘土が強固な粘着性を示し、なかなか水中にて分散せ
ず、均質な懸濁状態が得られない上、強力に攪拌しても
ゼオライトが多量に含まれるため、ゼオライト粒子が浄
水場発生土中の懸濁状態とならない部分、即ち、強固に
結着した粒状をなす粘土集合とともに分離沈降をきた
し、空隙充填材として使用することができないという問
題があった。
【0011】なお、この従来品を乾燥・粉砕したとして
も多量に含まれるゼオライトの多くは、水中にて浄水場
発生土部分と分離し、速やかに沈降してしまい、均質な
懸濁液が得られず、これをポーラスコンクリートの空隙
に充填したとしても、特に粘土部分が緻密となり、植物
根の伸長を妨げるばかりか、灌水・流水に対して安定性
が悪いという問題があった。
【0012】更に、特開平5−247943号公報に開
示されたものは、浄水場発生土を用いた緑化基材に関す
るものであるが、その緑化基材は粗い材料からなり、特
に繊維材として掲げているものは、全て粗いものである
ため吹き付け用混合物とするならよいが、懸濁状態にし
てポーラスコンクリートの空隙充填材として適用するこ
とはできない。また繊維材が粗いため、当該緑化基材
(吹き付け用混合物)の流水等に対する安定性は小さ
く、そのために改めて侵食防止剤を添加しなければなら
ないのが非効率的であった。
【0013】更にまた、浄水場発生土中には、50〜1
000ppmもの多量の2価マンガンが含まれているた
め、これが異常吸収されて著しい生育阻害が生じること
と、多量の有機態窒素が含まれており、これが無機化、
アンモニア態窒素となったものが更に硝酸化成作用を受
け、それに伴い多量の硝酸態窒素が生成し、生育が害さ
れることとなる。このため、従来は、アンモニア態窒素
及び2価マンガンの吸着剤として高価なゼオライトを多
量に使用せざるを得ず、コスト高となるとともに、前述
したようにスラリー状とする際に沈降してしまい、必要
なスラリーが得られなくなるという問題があった。
【0014】本発明はこのような従来の問題にかんが
み、植生用に連続空隙を分散させたポーラスコンクリー
ト等のアルカリ硬化体の、かなり細かな空隙をも十分、
かつ均質に充填でき、更に固化後は植物根の伸長を妨げ
ることなく、親水性及び透水性を損なうこともなく、そ
の必要部分は灌水によっても流失することがなく、しか
も硬化体の底・側面からの水の吸い上げをも良好にし、
そして硬化体には通常のセメントを使用しても直接的な
中和処理等は一切必要なく、充填部分が植物の培養基と
して好適な植生用充填材の提供を目的としてなされたも
のである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題を
解決し、初期の目的を達成するための本発明の特徴は、
アルミニウム系凝集剤を用いて沈降分離させた浄水場発
生土を主体とし、これに沸石質凝灰岩及び/または合成
ゼオライトからなるゼオライト(以下単にゼオライトと
記す)及び土壌物理性改良材を混合してなる基材混合物
に、添加物としてパルプ、アルギン酸ナトリウムを添加
し、前記基材混合物の2〜4倍容量の水と、pH調整の
ための燐酸液を加え、スラリーとなすアルカリ硬化体空
隙の植生用充填材(請求項1)にある。尚、本発明でい
う土壌物理性改良材とは、主として土壌の透水性や、通
気性を改良するものであり、パーライトの他、珪藻土・
焼成珪藻土・活性炭・石炭灰等の天然または人工の多孔
質物質や、バーミキユライト、細粒状酸性白土等の天然
又は合成粘土粒状物であり、これらを適宜組み合わせて
使用できる。
【0016】また、混合物の配合が浄水場発生土60〜
80部、ゼオライト10〜20部、土壌物理性改良材1
0〜30部であることが好ましく(請求項2)、添加物
は、加水される水1リットル当り、パルプ1〜10g、
アルギン酸ナトリウム1〜10gを含むものであること
が好ましい(請求項4)。更に燐酸液は、充填前のスラ
リーがpH5〜7となるように添加することが好ましく
(請求項5)、更にpH6.5程度となるように添加す
ることがより好ましい。
【0017】
【作用】本発明の植生用充填材は、工場又は施工現場に
おいて加水し、均質に混合し、pH6程度に調整したも
のを、予め成形されたpH12程度の多孔質のアルカリ
硬化体内に自然流下によって注入させ、空隙に充填す
る。充填後、一定時間経過すると、充填材はアルカリ硬
化体と反応してpH9.5程度となるとともに、空隙内
で固化する。
【0018】ゼオライトについては、空隙充填材が充填
後あまり緻密にならないような粒度であること、また逆
に、充填時に目詰まりを起こす粗粒でないこと、入手が
容易であること、ゼオライトとして比較的余剰気味で安
価な部分であること等を考慮し、粒径1mm以下の細粒
状のものを用いるのが望ましい。この場合、ゼオライト
の配合割合が20部を超えると充填材の加水調整時に、
特に粒径1〜0.1mmの範囲のものが他の基材と分離
・沈降を起こし、空隙充填材としての組成の均質性を保
てなくなるとともに、充填時に空隙内で閉塞を生じるこ
とがあり、10部未満では浄水場発生土中に含まれてい
る及び/または逐次発生するアンモニア態窒素を肥料成
分として合理的に吸着することができない。
【0019】尚、ゼオライトの粒径が0.5mm以下の
粉状のものを用いると、充填固化後かなり緻密な状態と
なり、植物根の伸長を妨げることがあるので空隙充填材
としては適さない。しかもこの場合もゼオライトの配合
割合が20部を超えると充填材加水調整時に、特に粒径
0.5〜0.1mmの範囲のものが他の基材と分離・沈
降を起こし、空隙充填材としての組成の均質性を保てな
くなる。
【0020】浄水場発生土には天然河川(土壌)由来の
優れた粘土と有機質、更には植物生育に必要な各種養分
が含まれ、その組成は季節により若干の変化はあるもの
の、河川により概ね安定し、いずれの場合も保水性は高
い。また浄水場で大量に処理・廃棄される浄水場発生土
には、浄水の前段階の各処理によって、水中から礫や
砂、塵埃の主だったもの等は除かれ、然る後に沈降分離
されたものであるため、礫、砂、塵埃、種子等は殆ど混
入しておらず、例えば浄水場発生土を用いてのヨシ栽培
を行った際にも所謂雑草は全く発生せず、この点からも
用土材として優れたものであるといえる。
【0021】但し、本発明における充填材の基材として
用いる場合には、ポリ塩化アルミニウム、硫酸礬土等の
アルミニウム系凝集剤を用いて粘土粒子等を沈降分離せ
しめたものでなければならない。これ以外に消石灰等を
添加したものは中和に莫大な量の酸や資材を必要とし
て、効率の良い浄水場発生土の利用ができないばかり
か、場合によっては電気伝導度が2.0ms/cm 以上とな
り、植生に適さなくなる。
【0022】更に、本発明においては、混合・充填等の
操作性を高めるため、乾燥炉にて50〜105℃の範囲
で適宜加熱し、ボールミル等の粉砕機にかけて粉砕し、
粒度の調整を行ったものを用いることが望ましい。
【0023】また、アルカリ硬化体の空隙中に充填され
た後の充填材は、通常良好とされる土壌条件よりアルカ
リ側(pH9.5程度)にあるため、浄水場発生土に含
まれるやや過剰気味の、例えばマンガン等は充填材が空
隙に充填された後に溶出・吸収されにくい状態となり、
植物に対しての過剰害はほとんど発生しない。因みにマ
ンガンはpH8以上で植物に吸収されにくくなる。
【0024】また、多量に含まれる粘土や腐植粘土複合
体の持つ緩衝能及び植物根の養分の接触吸収等により、
アルカリ硬化体の空隙及び充填部分がpH9.5程度の
アルカリ条件下にあっても多くの植物に対する害は発生
しにくい。植物栽培に適したpHの上限が9.5とする
説(輿水肇:建築空間の緑化手法:彰国社・1985)
もあるが、本発明の充填材においては、充填後の初期p
H(H2 O)が9.8であっても、少なくとも芝、アイ
ビー、アルファルファ、キュウリ、トウモロコシ、トマ
ト、ピーマンについて障害は認められなかった。浄水場
発生土の高いアルミニウム性は燐酸の添加により矯正さ
れる。
【0025】更に、根の伸長をより速やかに促すために
は、空隙充填材は緻密な構造でなく適度な通気・透水性
を維持できることが必要で、土壌物理性改良材、例えば
パーライトを10〜30部の範囲で基材の一部として混
合すれば、非混合の場合に比べ根の伸長が促進される。
この場合パーライトの粒径は1.2mm以下が適してい
る。パーライトの配合割合が10部未満ではこの効果が
十分に発現せず、30部を超えた場合には他の基材と分
離・浮遊を起こし、空隙充填材としての組成の均質性を
保てなくなり、また充填時に空隙上部で閉塞を生ずるこ
とがある。これらの条件は他の土壌物理性改良材も同じ
である。
【0026】パルプは少量使用のため単価あたりで安価
であり、しかも繊維径は0.1mm以下で繊維長が1m
m以下のものがほとんどであるため、例えば微細粒のピ
ートモス等より遥かに分散・充填性に富み、かつ、充填
後の基材間分離及び空隙充填材の空隙よりの脱落・流亡
を抑止できるので、主として空隙充填材の安定材、所謂
バインダーとして用いるが、親水性のある保水材として
もその効果は大きい。
【0027】尚、空隙充填材調整時の加水1リットルあ
たりに添加するパルプが10gを超えると充填時に空隙
上部を閉塞し、充填を妨げるばかりでなく、仮にやや大
きな空隙には充填できたとしてもパルプの絡み合いが過
剰となり、特にやや乾燥した場合において植物根の伸長
・生育を著しく妨げてしまう。一方、加水1リットルあ
たりに添加するパルプが1gより少ないと空隙充填材の
空隙よりの脱落、流亡を十分に抑止することができな
い。
【0028】また、アルギン酸ナトリウムは、加水・懸
濁状態とした空隙充填材が、充填後経時的に固化してい
くよう添加するものであるが、この他、懸濁状態におい
て比重及び粒径の異なる2種以上の基材を、ある程度の
混合割合範囲までは均質に混合できるといった効果、即
ち基材の分離防止効果がある。アルギン酸ナトリウムは
高純度品ではあっても少量で効果が発現するため、きわ
めて合理的に使用でき、単位あたりの価格は安価とな
り、その上、天然の海藻から抽出された食品高分子であ
るため、使用現場における周囲の環境に悪影響を及ぼさ
ない。
【0029】尚、本発明において、加水1リットルあた
りに添加するアルギン酸ナトリウムが1gより少ないと
充填後の経時的固化が得られないばかりか、混練を長時
間行っても均質な懸濁液(スラリー)が得られず、基材
は速やかに分離してしまう。また、このようなものを空
隙に充填しても、上面限定開放で注入しなければ流出す
る部分が多く、仮に充填できても固化までにかなりな時
間も要するため、空隙充填材としては経済的でなく汎用
性にも欠ける。一方、加水1リットルあたりに添加する
アルギン酸ナトリウムが10gを超えると混練中に固化
或いは使用可能な時間が1分以内となる等、極端に汎用
性に欠けることとなる。
【0030】燐酸液は、例えば試薬特級(H3 PO4
を用いることができ、これを適宜添加して反応固化前の
充填材pHを5〜7、特に6.5とすることにより、充
填材スラリーに接した苗の根や、種子の発芽に障害を与
えることなく生育させ、かつ基材の浄水場発生土のアル
ミニウム性を抑制することもできる。その上、アルカリ
硬化体に直接pH3以下の燐酸を作用させるのではない
ので、硬化体に及ぼす影響も比較的小さい。
【0031】尚、本発明でいうアルカリ硬化体とは、ポ
ーラスコンクリート、透水性モルタル、セメント硬化体
等の無機質硬化体をいう。
【0032】基材混合物への加水量が2倍量未満の場合
には固型物量が多く、空隙に十分な充填ができず、加水
量が4倍量を超える場合には充填部分の固化に支承をき
たし、充填材としての使用に耐えない。
【0033】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。 〈実施例1〉 1.配合例a 浄水場発生土 67.3部 208リットル ゼオライト 13.3部 41リットル パーライト 19.4部 60リットル パルプ 2kg アルギン酸ナトリウム 3.7kg 燐酸液(H3 PO4 )(試薬特級) 2kg 水 1,000kg 上記配合材料をパン型強制練りミキサーにて約3分間混
練後本発明品を得る。尚、供試材料の詳細は次の通りで
ある。 浄水場発生土:北千葉浄水場にて発生し、ケーキ状に加
圧脱水処理されたものを、60℃熱乾燥後ボールミルに
て粉砕して使用した。尚、これは石灰等を添加せず、ア
ルミニウム系凝集剤のみを用いた、所謂無薬注の浄水場
発生土である。 ゼオライト:奥多摩工業株式会社製タマライトTZ01
00(商標) パーライト:アサノパーライト株式会社製アサノパーラ
イトP−1(商標) アルギン酸ナトリウム:君津化学工業株式会社製・アル
ギテックス(商標) 2.配合例aによる本発明品調整時(充填固化前)の基本性状 1)混練後の使用可能時間 約20分間 (固化は約10分経過後より始まるが、播種は固化前に行っても良い。) 2)混練後10分の基材分離量 0.1%未満 3)空隙充填率 85〜95% 4)pH 6.5 5)電気伝導度(ms/cm) 1.5 3.配合例aによる本発明品を予め作製したpH(H2 O)12.1〜12. 7、空隙率30%、圧縮強度180kgf/cm2 のポーラスコンクリート空隙内 に充填し、固化した後の基本性状(充填後15日間、室温20℃の乾燥条件 にて保管) 1)灌水流亡率(上面50cmよりシャワー灌水を5分間行った) 3%以内 2)乾燥後再吸水性 1秒以内に吸水開始 3)透水性(cm・s-1) 2〜3 4)充填材を注入した硬化体の空隙pH(H2 O) 9.3〜9.8 5)電気伝導度(ms/cm) 1.0 〈実施例2〉 1.配合例b 浄水場発生土 67.3部 208リットル ゼオライト 13.3部 41リットル 珪藻土 19.4部 60リットル パルプ 2kg アルギン酸ナトリウム 3.7kg 燐酸液(H3 PO4 )(試薬特級) 2kg 水 1,000kg 上記配合材料をパン型強制練りミキサーにて約3分間混
練後本発明品を得る。尚、供試材料の詳細は次の通りで
ある。 浄水場発生土:北千葉浄水場にて発生し、ケーキ状に加
圧脱水処理されたものを、60℃熱乾燥後ボールミルに
て粉砕して使用した。尚、これは石灰等を添加せず、ア
ルミニウム系凝集剤のみを用いた、所謂無薬注の浄水場
発生土である。 ゼオライト:奥多摩工業株式会社製タマライトTZ01
00(商標) 珪藻土:日鉄鉱業株式会社製 アルギン酸ナトリウム:君津化学工業株式会社製・アル
ギテックス(商標) 2.配合例bによる本発明品調整時(充填固化前)の基本性状 1)混練後の使用可能時間 約20分間 (固化は約10分経過後より始まるが、播種は固化前に行っても良い。) 2)混練後10分の基材分離量 0.1%未満 3)空隙充填率 85〜95% 4)pH 6.0 5)電気伝導度(ms/cm) 1.5 3.配合例bによる本発明品をpH(H2 O)12.1〜12.7、空隙率3 0%、圧縮強度180kgf/cm2 のポーラスコンクリート空隙内に充填した固 化後の基本性状(充填後15日間、室温20℃の乾燥条件にて保管) 1)灌水流亡率(上面50cmよりシャワー灌水を5分間行った) 5%以内 2)乾燥後再吸水性 1秒以内に吸水開始 3)透水性(cm・s-1) 2〜3 4)充填材を注入した硬化体の空隙pH(H2 O) 9.2〜9.5 5)電気伝導度(ms/cm) 1.0 〈流動性試験〉土木学会基準に準じた方法によりJ−1
4ロートを使用し、前記配合例a及びbの本発明品と、
二つの比較例A,Bについて加水混合後1分〜60分に
おける流動性を試験した。結果は第1表に示す如くであ
った。尚、比較例Aは、水1リットルあたりのアルギン
酸ナトリウムを0.85gとし、Bは同じく11.0g
とし、他の成分は前記配合例1と同じとした。
【0034】また、流動性試験による目標値は、 作業手順上から、混練後20分間の使用が可能である
こと。 速やかな固化定着の必要から、混練後60分間で空隙
への充填(注入)が困難となり、固化が進行すること。
【0035】
【表1】 表中の値はJ−14ロート流下時間(単位秒)を表して
おり、この内、下線(二重線)部分が注入の容易な範囲
であり、下線(一重線)部分が注入の可能な範囲であ
る。
【0036】〈植生試験〉配合例a及びbで得た本発明
品を、5号砕石を骨材として比較的細かな連続空隙を2
5〜30%有する、pH12.1〜12.7で圧縮強度
が約180kgf/cm2 のポーラスコンクリートに、
特別の操作なしに上面より自然流下注入により充填した
後、生食用・牧畜用・緑化用の全てに適用可能な植物で
あるアルファルファを播種し、育苗試験を行った。同時
に比較区を2区、対照区を1区設け、生育の比較を行っ
た。
【0037】更に、土耕区を1区設け、これはポーラス
コンクリートを使用せずに植物にとって最も良好な条件
を備えた調整土壌のみでの栽培を行った。この調整土壌
は各供試体下部に敷いたものと共通で、窒素100pp
m、燐酸750ppm、カリ100ppmを添加し、p
H6.5である。
【0038】尚、試験方法は、本発明品、比較区、対照
区の全てについて、図1に示すように、底部に透水孔2
を有する透水性容器1内に調整土壌3を詰め、その上に
厚さ80mmのポーラスコンクリート供試体4を置き、
播種後、その上に調整土壌5を5mm厚さに載せた状態
で行った。また播種後3日(発芽)以降、底面及び側面
からのみの『吸上げ灌水』に切り換えた。
【0039】各比較区はそれぞれ懸濁・充填結果が良好
であった配合の充填材から選抜し用いたものであり、各
々の空隙充填材の内容は、 比較区1:浄水場発生土72部(容量部以下同じ)+ゼ
オライト20部+パーライト8部。 比較区2:浄水場発生土52部+ゼオライト8部+ピー
トモス10部+珪藻土30部とし、パルプ、アルギン酸
ナトリウムの添加量等は全て本発明品の処方に準じた。 また、対照区は充填材を充填しないポーラスコンクリー
ト供試体を使用した。
【0040】種子100粒を播種後15日目の発芽、生
育状態は第2表の如くであった。
【0041】
【表2】 (注)表中、葉の大きさの指数については、“大きいも
の”を3、“中くらいのもの”を2、“小さいもの”を
1の3段階で評価した。
【0042】この結果、本発明品は順調な生育が得られ
たが、比較区1は、一部に葉緑白変が生じ、生育もふる
わず、比較区2は全体に生育不良となり、対照区は乾燥
により枯死した。尚、土耕区の生育は極めて順調であっ
た。
【0043】
【発明の効果】上述したように本発明の植生用充填材
は、スラリー状にしてポーラスコンクリート等のアルカ
リ硬化体の細かな空隙内へも均質な充填が容易、かつ、
充分に行われ、流水に対しての安定性が良く、しかもア
ルカリ硬化体に対して特別な中性化のための処理を直接
施すことなく、植生が可能になる。更に、一種の産業廃
棄物である浄水場発生土を使用しているので、廃棄物の
有効利用になり、しかも、これに含まれている過剰のマ
ンガンやアルミニウムを低コストで無害化できるもので
ある。しかも肥料としての有効成分を効果的に植物の生
育に役立たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の植生試験方法を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 透水性容器 2 透水孔 3 調整土壌 4 ポーラスコンクリート供試体 5 調整土壌
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 修一 東京都江東区清澄1−2−23 日本セメ ント株式会社中央研究所内 (72)発明者 伊藤 弘樹 東京都江東区清澄1−2−23 日本セメ ント株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平4−197110(JP,A) 特開 昭53−72304(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム系凝集剤を用いて沈降分離
    させた浄水場発生土を主体とし、これに沸石質凝灰岩及
    び/または合成ゼオライトからなるゼオライト(以下単
    にゼオライトと記す)及び土壌物理性改良材を混合して
    なる基材混合物に、添加物としてパルプ、アルギン酸ナ
    トリウムを添加し、前記基材混合物の2〜4倍容量の水
    と、pH調整のための燐酸液を加え、スラリーとなすア
    ルカリ硬化体空隙の植生用充填材。
  2. 【請求項2】 基材混合物の配合が浄水場発生土60〜
    80部(容量部、以下同じ)、ゼオライト10〜20
    部、土壌物理性改良材10〜30部である請求項1に記
    載のアルカリ硬化体空隙の植生用充填材。
  3. 【請求項3】 土壌物理性改良材がパーライトである請
    求項1もしくは2に記載のアルカリ硬化体空隙の植生用
    充填材。
  4. 【請求項4】 添加物は、加水される水1リットル当
    り、パルプ1〜10g、アルギン酸ナトリウム1〜10
    gを含む請求項1,2もしくは3に記載のアルカリ硬化
    体空隙の植生用充填材。
  5. 【請求項5】 燐酸液の添加により、スラリーをpH5
    〜7に調整してなる請求項1〜3もしくは4に記載のア
    ルカリ硬化体空隙の植生用充填材。
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