JP6991726B2 - 藻類増殖促進用資材 - Google Patents

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Description

本発明は、藻類増殖促進用資材に関する。
海域や淡水域等において、水中のケイ酸及びカルシウムが不足した場合、これらを栄養成分とする藻類(例えば、珪藻)が減少することで、赤潮が発生する場合がある。
また、赤潮が発生することによって、藻場と呼ばれる海草及び海藻等の繁茂する群落が衰退あるいは消失して、水棲生物の餌場や住処が減少し、水棲生物の成育環境が悪化するという問題があった。
一方、ケイ酸及びカルシウムを供給できる資材として、ケイ酸カルシウム水和物を主成分とする軽量気泡コンクリート(ALC)が知られている。
例えば、特許文献1には、軽量気泡コンクリートを炭酸化処理することによって、pHが9.6以下である石英含有の無機質多孔体を得る方法が記載されている。通常、ALCのpHは10以上であり、強アルカリ性のため、ALCは周囲の環境に悪影響を及ぼす場合があるが、該方法によれば、ALCに含まれるケイ酸カルシウムを炭酸化することで、pHを下げることができる。
特開平6-141671号公報
ケイ酸カルシウムは、炭酸化した場合、炭酸カルシウムとシリカゲルになる。このような炭酸化したケイ酸カルシウムを水中に供給した場合、シリカゲルから溶出するケイ酸は、水中の塩化物イオン等の成分によって、ゲル化して、再析出することがある。この場合、藻類(例えば、珪藻)の栄養成分となる水中のケイ酸の量が低減する。
また、シリカゲルなどの非晶質シリカから水中に溶出するケイ酸量は、pH10.0以上では多くなるが、pH10.0未満では少なくなる。このため、シリカゲルを水中に供給しても、藻類(例えば、珪藻)の栄養成分となる水中のケイ酸の量は不足する場合がある。そのため、水中のpHが10.0未満でも安定したケイ酸供給能を持つ資材は重要視されている。
一方、ケイ酸及びカルシウムを供給する資材を大量に供給した場合、ケイ酸及びカルシウムの過剰供給によって、藻類の生育阻害や、水中の環境悪化が起こることがある。例えば、水中のカルシウム量が多い場合、石灰化した硬い細胞壁を持つ紅藻類(例えば、珊瑚藻)が水底を覆うことによって磯焼けが起こり、水中の環境が悪化する。
本発明の目的は、藻類を増殖させるための水のpHが強アルカリ性(例えば、10.5以上)になることを防ぎ、該水中にケイ酸及びカルシウムを安定的に供給でき、かつ、回収等が不要で、管理が容易な資材を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ケイ酸カルシウム含有材料および腐植物質を含む藻類増殖促進用資材によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[6]を提供するものである。
[1] ケイ酸カルシウム含有材料および腐植物質を含むことを特徴とする藻類増殖促進用資材。
[2] 上記ケイ酸カルシウム含有材料が、トバモライト、ゾノトライト、CSHゲル、フォシャジャイト、ジャイロライト、ヒレブランダイト、およびウォラストナイトからなる群より選ばれる1種以上を含み、かつ、上記腐植物質が、フミン酸、フルボ酸、およびヒューミンからなる群より選ばれる1種以上を含む前記[1]に記載の藻類増殖促進用資材。
[3] 上記ケイ酸カルシウム含有材料100質量部に対する上記腐植物質の量が、1~50質量部である前記[1]又は[2]に記載の藻類増殖促進用資材。
[4] 上記藻類増殖促進用資材が、粉粒状の形態を有する前記[1]~[3]のいずれかに記載の藻類増殖促進用資材。
[5] 前記[1]~[4]のいずれかに記載の藻類増殖促進用資材を用いた藻類の増殖方法であって、上記藻類を増殖させるための水の中に、上記藻類増殖促進用資材を供給して、上記藻類を増殖させることを特徴とする藻類の増殖方法。
[6] 上記藻類が、珪藻である前記[5]に記載の藻類の増殖方法。
本発明の藻類増殖促進用資材によれば、藻類を増殖させるための水(以下、「藻類増殖水」ともいう。)のpHが強アルカリ性(例えば、10.5以上)になることを防ぎ、かつ、水中にケイ酸及びカルシウムを安定的に供給できる。
また、本発明の藻類増殖促進用資材は、徐々に溶けて最終的には消滅することから、回収や除去が不要であり、管理が容易である。
本発明の藻類増殖促進用資材は、ケイ酸カルシウム含有材料および腐植物質を含むものである。
ケイ酸カルシウム含有材料とは、ケイ酸とカルシウムを含む化合物である。具体的にはトバモライト、ゾノトライト、CSHゲル、フォシャジャイト、ジャイロライト、ヒレブランダイト、ウォラストナイト等からなる群より選ばれる1種以上を含むものである。
トバモライトとは、結晶性のケイ酸カルシウム水和物であり、Ca・(Si18)・4H2O(板状の形態)、Ca・(Si18)(板状の形態)、Ca・(Si18)・8H2O(繊維状の形態)等の化学組成を有するものである。
ゾノトライトとは、結晶性のケイ酸カルシウム水和物であり、Ca・(Si17)・(OH)2(繊維状の形態)等の化学組成を有するものである。
CSHゲルとは、αCaO・βSiO2・γH2O(ただし、α/β=0.7~2.3、γ/β=1.2~2.7である。)の化学組成を有するものである。具体的には、3CaO・2SiO2・3H2Oの化学組成を有するケイ酸カルシウム水和物等が挙げられる。
フォシャジャイトとは、Ca(SiO(OH)等の化学組成を有するものである。
ジャイロライトとは、(NaCa)Ca14(Si23Al)O60(OH)・14HO等の化学組成を有するものである。
ヒレブランダイトとは、CaSiO(OH)等の化学組成を有するものである。
ウォラストナイトとは、CaO・SiO(繊維状又は柱状の形態)等の化学組成を有するものである。
また、ケイ酸カルシウム含有材料として、トバモライトを主成分とする軽量気泡コンクリート(ALC)や、ゾノトライトを含む保湿材等の、ケイ酸カルシウムを含む建築材料(特に、端材や廃材)を用いてもよい。
中でも、入手の容易性および経済性の観点から、トバモライトを主成分とする軽量気泡コンクリート(ALC)を用いることが好ましい。また、廃棄物の利用促進の観点から、軽量気泡コンクリートの製造工程や建設現場で発生する軽量気泡コンクリートの端材を用いることが、より好ましい。
ここで、軽量気泡コンクリートとは、トバモライト、および、未反応の珪石からなるものであり、かつ、80体積%程度の空隙率を有するものである。ここで、空隙率とは、コンクリートの全体積中の、空隙の体積の合計の割合をいう。
軽量気泡コンクリート中のトバモライトの割合は、軽量気泡コンクリートの内部の空隙部分を除く固相の全体を100体積%として、65~80体積%程度である。
軽量気泡コンクリートは、例えば、珪石粉末、セメント、生石灰粉末、発泡剤(例えば、アルミニウム粉末)、水等を含む原料(例えば、これらの混合物からなる硬化体)をオートクレーブ養生することによって得ることができる。
また、ケイ酸カルシウム含有材料は多孔質であることが好ましい。ケイ酸カルシウム含有材料が多孔質である場合、該材料を水中に添加した際に、該材料の多孔質部分に存在する空気が、水中に連行されることによって、水中の溶存酸素量の低下を防ぐことができる。
本発明で用いられるケイ酸カルシウム含有材料は、粉粒状物であることが好ましい。
ここでで、本明細書中、「粉粒状」とは、粉状の材料(0.1mm未満の粒度を有するもの;粉体)の集合体、粒状の材料(0.1mm以上の粒度を有するもの;粒体)の集合体、または、粉状の材料および粒状の材料を含む集合体の形態を有することを意味する。また、「粉粒状物」とは、粉体の集合体、粒体の集合体、または、粉体および粒体を含む集合体を意味する。
ケイ酸カルシウム含有材料の粒度は、該材料に含まれる水溶性SiOの溶出量をより多くする観点から、好ましくは6mm以下、より好ましくは5mm以下、特に好ましくは4.5mm以下である。該粒度の下限値は、粉砕に要するエネルギーの削減の観点から、好ましくは0.05mm、より好ましくは0.1mm、特に好ましくは0.5mmである。
なお、水溶性SiOの溶出量が多くなれば、藻類(特に、珪藻)の成育がより安定し、その増殖がより促進される。
ケイ酸カルシウム含有材料の粒度分布は、水溶性SiOの溶出量を多くする観点から、好ましくは6mm以下の粒度を有する粒体を70質量%以上の割合で含むものであり、より好ましくは5mm以下の粒度を有する粒体を70質量%以上の割合で含むものであり、特に好ましくは4mm以下の粒度を有する粒体を70質量%以上の割合で含むものである。
本明細書中、粒度の値は、篩の目開き寸法に対応する値である。
本明細書中、「腐食物質」とは、土壌中の動植物等の遺体が、微生物による分解を経て形成された最終生成物をいい、様々な有機化合物を含むものである。
具体的には、フミン酸、フルボ酸、およびヒューミンからなる群より選ばれる1種以上を含むものである。中でも、藻類の生育性の観点から、フミン酸およびフルボ酸が好ましく、フミン酸がより好ましい。
なお、フミン酸とは、腐植物質を構成する成分の中でも、アルカリに溶け、酸に溶けない成分をいう。フルボ酸とは、腐植物質を構成する成分の中でも、アルカリ及び酸に溶ける成分をいう。ヒューミンとは、腐植質を構成する成分の中でも、アルカリ及び酸に溶けない成分をいう。
藻類増殖促進用資材において、ケイ酸カルシウム含有材料100質量部に対する腐植物質の量は、好ましくは1~50質量部、より好ましくは3~45質量部、さらに好ましくは6~42質量部、特に好ましくは8~37質量部である。該量が1質量部以上であれば、水中へのカルシウム及びケイ酸の供給量を、長期に亘って安定にすることができる。また、藻類増殖水のpHが強アルカリ性(pH10.5以上)になることを防ぐことができる。該量が50質量部以下であれば、水のpHが強酸性(pH3.5未満)になることを防ぐことができる。
なお、本明細書中、強アルカリ性とは、pHが10.5以上であり、強酸性とは、pHが3.5未満であるものとする。
また、腐植物質の量が多くなるほど、水中へのカルシウム及びケイ酸の供給量が多くなる傾向にあることから、腐植物質の量を調整することによって、水中へのカルシウム及びケイ酸の供給量を調整することが可能である。
本発明の藻類増殖促進用資材は、ケイ酸カルシウム含有材料を含むため、水中へケイ酸及びカルシウムを供給して、水中の藻類(例えば、珪藻)の増殖を安定化および促進できる。その結果、水域において、アオコ等の発生を抑えることができ、水質の悪化を抑制できる。
また、本発明の藻類増殖促進用資材は、腐植物質を含むため、藻類増殖水のpHを好ましくは10.5未満、より好ましくは10.0未満、さらに好ましくは3.5~9.5、さらに好ましくは4.5~9.0、特に好ましくは5.0~8.6にすることができる。なお、該pHは、長期に亘って藻類増殖水が強アルカリ性になることを防ぐ観点から、本発明の藻類増殖促進用資材を供給後、好ましくは1日以上、より好ましくは2日以上、特に好ましくは6日以上経過した時点の数値である。
また、本発明の藻類増殖促進用資材は、腐植物質を含むため、水中へのカルシウム及びケイ酸の単位時間当たりの供給量を、長期に亘って安定的に維持することができる。
藻類増殖促進用資材の形態は、特に限定されるものではなく、ケイ酸カルシウム含有材料と腐植物質を混合してなる粉粒状の形態(粉粒状の混合物の形態)、該混合物を造粒してなる造粒物の形態、該混合物をペレット状に成形してなるペレット状物の形態等が挙げられる。
中でも、ケイ酸およびカルシウムの供給量をより大きくする観点からは、好ましくはケイ酸カルシウム含有材料と腐植物質を混合してなる粉粒状の形態である。
また、ケイ酸カルシウム含有材料と腐植物質が水中において分離しないようにする観点からは、好ましくは造粒物の形態又はペレット状物の形態である。ケイ酸カルシウム含有材料と腐植物質が水中において分離した場合、本発明の効果が低下することがある。
ケイ酸カルシウム含有材料と腐植物質を混合する方法は、特に限定されるものではなく、公知のミキサーを用いればよい。
ケイ酸カルシウム含有材料と腐植物質を混合してなる粉粒状の混合物を造粒する方法としては、例えば、該混合物と水を混合してペースト状にし、次いで、ペースト状の混合物を造粒した後、乾燥する方法や、該混合物をパンペレタイザー等の造粒機を用いて、散水しながら造粒する方法等が挙げられる。散水しながら造粒する方法において、混合物の添加及び散水を繰り返すことで、得られる造粒物の粒径を調整することができる。また、造粒物の粒径を調整することで、水中におけるケイ酸及びカルシウムの供給量を調整し、また、造粒物を水の中に沈降し易くすることができる。
ケイ酸カルシウム含有材料と腐植物質を混合してなる粉粒状の混合物をペレット状物に成形する方法としては、例えば、該混合物、または、該混合物と水を混練してなる混練物を加圧して成形する方法等が挙げられる。
上記方法によって得られた造粒物やペレット状物は、水中において沈降することが好ましい。このため、造粒物やペレット状物の比重は、好ましくは1g/cm以上、より好ましくは1.2g/cm以上である。
本発明の藻類増殖促進用資材を、藻類を増殖させるための水(藻類増殖水)の中に供給することで、該水の中の藻類を増殖させることができる。
藻類としては、本発明の藻類増殖促進用資材によって、その増殖が促進されるものであればよく、例えば、珪藻が挙げられる。
藻類増殖水としては、特に限定されるものではなく、淡水、汽水および海水のいずれでも良い。また、藻類増殖水とは、上述した淡水等の水を収容した養殖池若しくは養殖槽、または、自然界における海水域若しくは河川域等であって、上記藻類が存在している水をいう。該藻類は、自然に存在するものであっても、人為的に投入されたものであってもよい。
本発明の藻類増殖促進用資材は、好ましくは、藻類が減少した海水域若しくは河川域、または、藻類の少ない養殖池若しくは養殖槽に投入する。
藻類増殖促進用資材を、藻類増殖水の中に供給する方法としては、藻類増殖促進用資材を、そのまま水中に散布する方法や、藻類増殖促進用資材を収容することができ、かつ、通水性を有する収容手段に、藻類増殖促進用資材を収容した後、水中に沈める方法等が挙げられる。
ケイ酸カルシウム含有材料と腐植物質を混合してなる粉粒状の形態の藻類増殖促進用資材を、そのまま水中に散布する場合、ケイ酸カルシウム含有材料と腐植物質が水中で分離しないようにする観点から、水深が浅い場所に藻類増殖促進用資材を投入することが好ましい。また、該資材を養殖池や養殖槽に投入する場合において、養殖池等に水を入れる前に、あるいは、養殖池等に水を入れ始めた後に、まだ水深が浅いときに、藻類増殖促進用資材を投入することが好ましい。
ここで、通水性を有する収容手段とは、例えば、セルロース繊維、ポリアミド合成繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、レーヨン繊維、アラミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等の有機繊維や、ガラス繊維、セラミック繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ロックウール、スラグウール等の無機繊維等の繊維を用いた、織布または不織布からなる袋;鉄、プラスチック、木材、石材、陶磁器、または、セメント等の水硬性組成物を原料として形成した、収納スペースを有する容器等が挙げられる。
収容手段における通水性を有する部分は、収容手段の一部分(一領域)でもよいし、全体(全領域)であってもよい。
通水性を有する部分の目開きの寸法は、藻類増殖促進用資材の流出を防ぐ観点から、収容手段に収容された藻類増殖促進用資材が通過することができない寸法であることが好ましい。例えば、粒径が30mmである造粒物からなる藻類増殖促進用資材を収容する収容手段として、目開きの寸法が10mmであるネット状の袋を使用することができる。
収容手段に収容した藻類増殖促進用資材を、増殖用の水の中に供給した後、該資材は、ケイ酸及びカルシウムが水中に供給されるに従って、徐々に小さくなる。該資材の粒径が、収容手段の通水性を有する部分の目開き寸法よりも小さくなった場合、該資材は、該部分から落下する。該資材が収容手段の中で無くなった場合、新しい資材を収容手段の中に供給すればよい。新しい資材を供給すべき時期は、収容手段の中の藻類増殖促進用資材の目視等によって判断できる。
なお、収容手段の内部または水底に、小さくなった藻類増殖促進用資材が残存していても、時間が経てば自然に消滅するので、除去する必要はない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
(1)ケイ酸カルシウム含有材料:トバモライトを含む軽量気泡コンクリートを破砕および粉砕した粒粉状のもの(以下、「ALC粉粒状物」ともいう。)、粒径:1~4mm
(2)腐植物質A:フミン酸(和光純薬工業株式会社製)
(3)腐植物質B:フルボ酸(日本フミン化学株式会社製)
(4)腐植物質C:ヒューミン(土壌から抽出した腐植物質を酸およびアルカリに混合し、酸およびアルカリの両方に溶解せずに残存したもの)
[実施例1]
ケイ酸カルシウム含有材料100質量部に対して、表1に示す量のフミン酸を混合して、藻類増殖促進用資材を得た。蒸留水330ミリリットルに、得られた資材を、1.2g/リットルとなる量で投入した後、振とう機を用いて、70rpmの条件で攪拌して混合し、該資材と水の混合物を得た。
混合後、3時間、1日、2日、3日、7日、14日経過後の各時点における、混合物のpH、カルシウム(Ca)濃度、ケイ素(Si)濃度を測定した。なお、カルシウム濃度、ケイ素濃度は、ICPを用いて測定した。
[実施例2~6]
ケイ酸カルシウム含有材料100質量部に対して、表1に示す量のフミン酸を混合して、藻類増殖促進用資材を得る以外は、実施例1と同様にして、混合物を得た。
得られた混合物のpH等を実施例1と同様にして測定した。
[実施例7]
ケイ酸カルシウム含有材料100質量部に対して、表1に示す量のフルボ酸を混合して、藻類増殖促進用資材を得る以外は、実施例1と同様にして、混合物を得た。
得られた混合物のpH等を実施例1と同様にして測定した。
[実施例8]
ケイ酸カルシウム含有材料100質量部に対して、表1に示す量のヒューミンを混合して、藻類増殖促進用資材を得る以外は、実施例1と同様にして、混合物を得た。
得られた混合物のpH等を実施例1と同様にして測定した。
[比較例1]
藻類増殖促進用資材の代わりにケイ酸カルシウム含有材料を用いる以外は、実施例1と同様にして、混合物を得た。
得られた混合物のpH等を実施例1と同様にして測定した。
結果を表1~3に示す。
Figure 0006991726000001
Figure 0006991726000002
Figure 0006991726000003
表1から、本発明の藻類増殖促進用資材を用いた場合(実施例1~8)と、ケイ酸カルシウム含有材料のみを用いた場合(比較例1)と比較すると、実施例1~8の各時点におけるpHは、比較例1の各時点におけるpHよりも低いことがわかる。例えば、比較例1の1日経過時におけるpHが10.0であるのに対して、実施例1~8の1日経過時におけるpHは4.1~7.4である。比較例1の7日経過時におけるpHが10.2であるのに対して、実施例1~8の7日経過時におけるpHは4.6~9.5である。
また、実施例1~8の各時点におけるpHは、強酸性(pHが3.5未満)と強アルカリ性(pHが10.5以上)のいずれでもないことがわかる。
また、比較例1のpHが、1日経過時以降、10.0以上であるのに対し、実施例1~8のpHは、少なくとも7日経過時までは10.0未満であることがわかる。特に、実施例2~8の14日経過時におけるpHは、5.4~9.7であり、10.0未満であることがわかる。中でも、実施例4~7における14日経過時のpHは、6.0~7.4であり、排水基準値であるpH5.8~8.6の範囲内であることがわかる。
また、表2から、本発明の藻類増殖促進用資材を用いた場合(実施例1~8)と、ケイ酸カルシウム含有材料のみを用いた場合(比較例1)を比較すると、実施例1~8では、14日経過時におけるカルシウムの供給量は、20.9~85.6mg/リットルであり、比較例1(20.5mg/リットル)よりも多いことがわかる。特に、実施例2~8では、1日経過時以降のすべての測定時点において、比較例1に比べてカルシウムの供給量が多いことがわかる。
また、表3から、本発明の藻類増殖促進用資材を用いた場合(実施例1~8)、3時間経過時から14日経過時までの期間に亘って、安定的にケイ素の供給量が増大していることから、長期に亘って安定的に、ケイ酸を水中に供給できることがわかる。特に、実施例2~8では、14日経過時におけるケイ素の量は、7.4~20.1mg/リットルであり、比較例1(7.0mg/リットル)よりも多いことがわかる。
また、表2~3の実施例1~6から、腐植物質(フミン酸)の量が増加すると、pHが低下し、かつ、カルシウムおよびケイ素の各供給量が増加することがわかる。
さらに、実施例1~8より、配合する腐植物質の種類(フミン酸、フルボ酸、ヒューミン)、及び、配合量によって、pH、及び、カルシウムとケイ素の各供給量を調整することができることがわかる。

Claims (3)

  1. ケイ酸カルシウム含有材料および腐植物質を含む藻類増殖促進用資材であって、
    上記ケイ酸カルシウム含有材料が、軽量気泡コンクリートからなる粉粒状物であり、
    上記腐植物質が、フミン酸およびフルボ酸からなる群より選ばれる1種以上であり、
    上記ケイ酸カルシウム含有材料100質量部に対する上記腐植物質の量が、20~37質量部であることを特徴とする藻類増殖促進用資材。
  2. 請求項に記載の藻類増殖促進用資材を用いた藻類の増殖方法であって、
    上記藻類を増殖させるための水の中に、上記藻類増殖促進用資材を供給して、上記藻類を増殖させることを特徴とする藻類の増殖方法。
  3. 上記藻類が、珪藻である請求項に記載の藻類の増殖方法。
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