JPH0819774A - 水質並びに底質の苦土系改善剤 - Google Patents

水質並びに底質の苦土系改善剤

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JPH0819774A
JPH0819774A JP6177581A JP17758194A JPH0819774A JP H0819774 A JPH0819774 A JP H0819774A JP 6177581 A JP6177581 A JP 6177581A JP 17758194 A JP17758194 A JP 17758194A JP H0819774 A JPH0819774 A JP H0819774A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、悪化した閉鎖性水域の水質並びに
底質の改質をはかることができる改善剤を提供する。 【構成】 苦土系粉粒体の1種又は2種以上の材料によ
って構成され、そのMgO換算含有率が30%以上で水分率
が20%以下であり、且つ水中に投入後自己崩壊すること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、この苦土系改善剤を散
布することにより、悪化した閉鎖性水域の水質並びに底
質の改質をはかる改善剤に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、後背地に大きな汚濁源を有する内
海,内湾,湖沼等の閉鎖性水域は、流入する汚濁負荷が
大きい上に汚濁物質が蓄積し易いために、富栄養化が進
み、水質及び底質の汚濁が進んでいる。これに対処する
ために、水質汚濁防止法,瀬戸内海環境保全特別措置
法,湖沼水質保全特別措置法,湖沼に係わる窒素及び燐
の排水規制等が制定実施されている。
【0003】瀬戸内海を代表とする閉鎖性海域では流入
したリン及び窒素が停滞し、赤潮が発生することにより
漁業被害を起こす等、漁業環境に多大な影響を与えてい
る。また、飲料水の取水源となっている湖沼においては
淡水赤潮やアオコが異常に発生し、これによって上水道
施設のろ過障害や異臭の問題を生じている。
【0004】更に養殖場では、赤潮や貧酸素水塊の発生
に起因して、底質より有毒な硫化水素が発生し、この為
に養殖魚の大量へい死による被害が報告されている。従
って養殖場においては、養殖魚の大量へい死を防ぐ為
に、硫化水素の発生防止が急務な問題とされている。
【0005】これらの問題に対し、耕運,曝気,薬剤散
布(石灰,粘土),覆砂,浚渫等の具体的方法が改良技
術として実施されている。
【0006】耕運は、底質の表層を耕運機を曳航して強
制的に攪拌,反転,拡散させ、貧酸素あるいは無酸素状
態にある未分解有機物を物理的に酸素と接触させる方法
である。曝気は、海底にエアーを強制的に送り込み、溶
存酸素濃度を高める方法である。石灰散布は、生石灰を
散布し、pHをアルカリ側に維持し、汚濁物質を難溶性
化合物として固定除去する方法である。粘土散布は、粘
土鉱物(モンモリロナイト系粘土で主成分はSiO2,Al2O3)を散布
し、水中有機懸濁物を凝集沈澱させ、あわせて底質を被
覆する方法である。覆砂は、底質を完全に砂で覆い汚濁
底質表面と水相とを遮断する方法である。浚渫は、汚濁
底質そのものを回収して、他所に廃棄する方法である。
【0007】以上の改良技術の適用に際しては、実施時
に発生する問題(汚濁物質の拡散,水域の汚濁,一時的
な生産行為の中止,二次的に発生した汚泥の処理)や実
施費用を含めて改良技術の選択をすることが必要とな
る。
【0008】粘土や石灰を散布する薬剤散布方法は、そ
の他の改良技術に対し実施費用が極めて安価であり、作
業中に周辺水域の汚染が少なく、簡便に実施できる利点
がある。
【0009】しかしながら、従来の薬剤散布法で最も実
施費用が安価とされる石灰散布方法においては、投与す
る生石灰について、特開平2-218488では以下の点に留意
するように指摘している。1)生石灰は水に触れると発熱
し、火災や火傷を引き起こす可能性があり、取扱いには
かなり注意を要する。2)生石灰は水にふれると崩壊粉化
するので、散布区域の水が白濁して、水質汚濁などの弊
害を引き起こす可能性がある。3)生石灰は比較的柔らか
く、機械衝撃やすりへりで粉化し易いので、空中広域散
布の場合、スモーキングが発生しやすく付近に害を与え
やすい。このため近年では、生石灰の替わりに取扱いの
容易な消石灰を散布する方式も提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする問題点】石灰散布で投与され
た生石灰は、酸化物から水酸化物に水和する。岩下,下
元は石膏と石灰,234巻,(1991),102頁,33〜38行におい
て、「石灰の主成分は、海底で速やかに水酸化カルシウ
ムに変化する。海水中にはマグネシウムイオンが1300pp
m程度含まれているためにカルシウムイオンがマグネシ
ウムイオンと置換し、水酸化マグネシウムが生成す
る。」と報告している。
【0011】ここで生成する水酸化マグネシウムは新生
水酸化マグネシウムであり、その粒径はサブミクロンで
コロイド状を呈する超微粒子である。このため水中で
は、対流により容易に拡散し、白濁(スモーキング)を
生ずる。関は、石灰,337巻,(1984),34頁17行〜35頁1行
において、「生石灰でも海水にはいれば消石灰になるの
で、消石灰を散布しても同じことになるが、粉末の消石
灰では海水が濁る。濁ること自体望ましくないが、微粒
子が海水中に浮遊していれば、他への影響が大きい。」
と、微粒子の影響を指摘している。従って、改善剤はこ
の様なスモーキングを起こさないことが必要である。
【0012】硫化水素の毒性について岩下らは石膏と石
灰,234巻,(1991),102頁,10〜15行において、「水中に溶
け込んだ硫化水素は、pH7以下で未解離の状態(H2S)で
存在するために魚介類に対して急性毒性を有する。例え
ば、マス,無脊椎動物,猫に対する半数致死濃度は、そ
れぞれ0.0087ppm,0.20ppm,25μg/kgであり、生物への
影響は極めて大きい。」と報告している。
【0013】底質における硫化水素発生について、発生
する環境水のpHを要因に、硫酸塩還元菌と硫化水素の
関係として、その発生メカニズムの説明がなされてい
る。斉藤は石灰,359巻,(1985),17頁,5〜11行において、
「海底に堆積した有機物が腐敗分解するとき酸素を消費
し底部は無酸素の状態となり嫌気性細菌である硫酸塩還
元菌が活動を開始する。この活動は有機物表面で活発で
あり、この菌が硫酸塩を還元して硫化水素を排出する。
底泥から発生する硫化水素はほとんどこの菌の働きによ
る。しかしこの菌にも弱点がある。それはある程度海水
が酸性にならないと増殖しない。逆に云えば弱アルカリ
性では増殖せずpHが8.5以上になると生存できない事
である。このため海底に散布された石灰は海水中のpH
をアルカリ性に保ち長期間硫酸塩還元菌の増殖を阻害し
硫化水素の大量発生を防止することになる。」と報告し
ている。
【0014】関は石灰,337巻,(1984),33頁,7〜9行にお
いて、「また、それぞれの細菌には増殖に適した環境の
pH値の範囲が決まっている。硫酸塩還元菌の場合には
6.5から7.5、すなわち中性であり、8.5以上のアルカリ
性では生存できない。海水のpHは8.2〜8.3の弱アルカ
リ性であるから、通常の状態では硫酸塩の還元は起こら
ない。結局、有機物の腐敗によって有機酸の生成、pH
の低下、無酸素などの条件が揃えば、いくらでも硫化水
素は発生してくる。これを阻害するには、有機物を減ら
すか、酸素を供給するか、pHをあげてやらなければな
らない。」と報告している。従って、硫化水素の発生を
防止するためには、長期に渡ってpHを弱アルカリ性に
保持することが必要である。
【0015】閉鎖性淡水域における藻類の増殖要因につ
いて岩下は、石膏と石灰,234巻,(1991),107頁26〜108頁
6行において、「閉鎖性水域の富栄養化現象とこれによる
藻類の増殖には、光,適度な水温,窒素,リン,ミネラ
ルなどが必要である。これらの要素のうち一つでも欠け
た場合には藻類の増殖が抑制されることになる。換言す
れば、藻類の異常増殖はリン濃度を低下させることによ
って抑制されることを示唆するものである。」と報告し
ている。また岩下は石膏と石灰,234巻,(1991),108頁,2
〜4行において、水酸化マグネシウムを含めた物質を用
いた藻類抑制効果の実験結果について、「検討した物質
は重質炭酸カルシウムを除いていずれも抑制効果が認め
られている。」と報告している。従ってリンと反応して
難溶性化合物を形成する改善剤が必要である。苦土系の
難溶性化合物としては、リン酸マグネシウム、リン酸マ
グネシウムアンモニウムがある。
【0016】更に松村は淡水域の浄化について石膏と石
灰,229巻,(1990),111頁,15〜25行において、「底泥中の
有機物の分解により溶出するアンモニア性窒素は、溶存
酸素により硝酸性窒素に変化する。水中の溶存酸素が消
費されるとアンモニア性窒素の状態で溶存する。この水
中の窒素はアンモニウムイオンまたは魚類に毒性がある
アンモニアガスとして溶存するものが大部分で、NH4 +
NH3↑+H+の反応がpH7から12の間で平衡し、pHが高
いほど右辺に移行する。」と報告している。従って淡水
中において、魚毒性のあるアンモニアガス溶存濃度の低
減をはかるためには、弱アルカリ性に保持して気散させ
ることが必要である。
【0017】二重谷らは淡水魚の養殖における、水変わ
り現象と養殖水質pHについて石灰,419巻,(1990),5頁,
6〜12行において、「水変わり現象が起きると、通常は日
中pH9.0〜9.6のものが、軽度の場合でもpH7.5〜7.9
に、へい死を伴う場合にはpH7.1〜7.4にも低下す
る。」と報告している。従って淡水魚の養殖において
も、水質pHを弱アルカリ性に保持することが必要であ
る。
【0018】次に、水中には50ppm〜90ppmの範囲で炭酸
イオンが存在するために、消石灰は炭酸化が進行し炭酸
カルシウムとなる。岩下,下元は石膏と石灰,234巻,(199
1),109頁,8〜10行において、「水中に散布された石灰
は、炭酸ガスと反応して次第に炭酸カルシウムに変化
し、1ヶ月から2ヶ月で完了する。」と報告している。
また、下元は石灰,417巻,(1990),21頁,17〜20行におい
て、「いずれにしてもこれまで海洋に散布された生石灰
は海水中のマグネシウムイオンと置換し、水酸化マグネ
シウムになると言われてきたが、実際は、散布された石
灰の一部は、海水中のCO2と反応し、炭酸カルシウム
(アラゴナイト)になる。」と報告している。
【0019】また石灰の反応性について特開平4ー200788
では、「カルシウムイオンと炭酸イオンとの反応性は、
カルシウムイオンとリン酸イオンの反応性より大きい」
と指摘しており、水中における炭酸化の反応性は極めて
高いことが示されている。従って石灰系の改善剤につい
ては、炭酸イオンとの反応が進行する為に、副産物とし
ての炭酸カルシウムを生成する欠点がある。この結果、
水酸化物の表面が炭酸化物で被膜されるために、pH維
持効果及び難溶性化合物を形成する反応性は消失するこ
とになる。
【0020】消石灰は苦土に対し溶解度が大きいため
に、水中投入時の指示pHは高い特徴を有する。従って
改善剤を水中に投与する場合、改善剤に期待するpH維
持効果も重要であるが、投与によって上昇する環境水の
pHの変動について考慮する必要がある。特に、pH緩
衝能の小さい淡水系では、慎重に投与する必要がある。
高島らは、環境用水の浄化及び水処理技術の高度技術,
(1994),61頁,21〜22行において、「石灰投与においては
pHに留意し、添加量を再検討する必要性がある」と指
摘している。一般的に水酸化物を水域に投与する場合、
過剰に投与するとpHの影響が大きくなるため注意が必
要である。
【0021】水質並びに底質環境の改善を実施する上
で、石灰散布法は最も安価で有効な方法である。その効
果は水質並びに底質環境を弱アルカリ性に保持すること
で達成される。しかしながら、その石灰系改善剤は強ア
ルカリであり,水との反応により発熱する,等の取扱い
に注意が必要であること、炭酸化反応の進行によりpH
維持効果,難溶性化合物生成反応が持続できないこと、
更に水域に対してpH変動要因が多い等の問題点があ
る。従って水質並びに底質改善のために、環境や作業者
に対して安全で、且つ長期に渡り弱アルカリ性を保持す
る安価な改善剤が必要とされる。
【0022】そこで本発明者らは鋭意研究の結果、前記
諸問題点を解決すると同時に、薬剤散布法に提供できる
安価で効果的な水質及び底質苦土系改善剤を発明するに
至った。
【0023】
【問題点を解決するための手段】本発明の目的は、上記
問題を解決し、且つ水質並びに底質苦土系改善剤のため
の組成範囲及び材料特性の範囲を見いだすことにある。
【0024】上記目的は、本発明の特許請求範囲に記載
した苦土系粉粒体によってのみ達成される。すなわち、
水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネサイ
ト、ドロマイト等の苦土系粉粒体の1種又は2種以上の
材料によって構成され、MgO換算含有率が30%以上で,
且つ水分率が20%以下であり、水中に投入後自己崩壊す
ること苦土系粉粒体の粒径が5μm〜100μmで、比重
が2.2g/cm3以下であること可溶性マグネシウム塩の含
有量が0.01%〜5%であることの全ての範囲に入るもの
が好ましい。上記範囲の粉粒体は水中で容易に崩壊し、
pHを長期に渡ってアルカリ側に保持することができ
る。苦土系粉粒体とは、上記範囲で限定されるものに限
られる。
【0025】苦土系MgO換算含有率が30%以下では、水
質及び底質でのpH維持効果が効率良く達成されず、改
質剤の投入量の増量が必要となり好ましくない。よっ
て、苦土系成分のMgO換算含有率は30%以上が好まし
く、更には30%〜70%の範囲が好ましい。水分率が20%
以上の場合、粉粒体の形成が困難となり好ましくない。
よって、水分率は20%以下が好ましい。また、苦土系に
よる改善剤であるために、石灰系にみられる炭酸化反応
の進行による効果の消失という現象はない特徴を有す
る。
【0026】本発明の改善剤は水中投入後、崩壊,分
散,溶解することで弱アルカリ性を呈し、更にこの効果
が長期に渡って持続することで効果が得られる。この効
果は、粉粒体の比重,粒径,比表面積によって左右され
る。
【0027】改善剤の崩壊性は、比重に左右される。水
中に投入した粉粒体は、主として毛細管現象によって、
細孔に水が進入し崩壊が始まる。この細孔の分布の程度
は、粉粒体の比重を測定することによって間接的に推察
できる。粉粒体の比重が2.3g/cm3以上の場合は、高強度
粉粒体を形成するために水中での崩壊性及び分散性が低
下すると同時に、コストが上昇するのみで経済的でな
い。よって、粉粒体の形状を維持するためには比重が2.
2g/ cm3以下が好ましく、更には1.0g/cm3〜1.9g/cm3
範囲が好ましい。
【0028】改善剤の分散性は粒径によって左右され
る。粒子の粒径が5μm以下の場合、水流によって拡散
されやすくなり、スモーキングが起こりやすい。また10
0μm以上の場合は崩壊後の分散範囲が狭くなると共に
反応性が低下するために、投入量の増量が必要となるの
で好ましくない。よって、粒径は5μm〜100μmの範囲
が好ましい。
【0029】改善剤の溶解性は比表面積によって左右さ
れる。比表面積が5m2/g以下の場合、溶解性が低下する
為に指示pHが低くなり好ましくない。よって比表面積
は5m2/g以上であることが好ましく、更には5μm〜50μ
mの範囲が好ましい。
【0030】可溶性マグネシウム塩の存在は、粉粒体を
成形する際のバインダー的効果がある。また、可溶性マ
グネシウム塩は溶解度が高いために、水中に投入した場
合、粉粒体の崩壊性を促進する。この場合の可溶性マグ
ネシウム塩とは、塩化マグネシウム,硫酸マグネシウ
ム,硝酸マグネシウム等に代表される全ての可溶性マグ
ネシウム化合物であれば如何なるものでも制限は受けな
い。
【0031】粉粒体の成形性の効果を期待する場合、可
溶性マグネシウム塩の存在は0.01%以上が好ましい。ま
た、存在量が5%以上では可溶性マグネシウム塩が粉粒
体表面で乾燥硬化するために、水中での崩壊性を低下さ
せる。よって、可溶性マグネシウム塩の好ましい含有量
の範囲は0.01%〜5%となる。
【0032】以上のような範囲の設定により、改善剤と
して取扱いも容易で、環境水に対しpH変動が少なく、
長期に渡ってpH維持効果があり、且つ安価な改善剤の
提供が可能となる。なお、本文中に記載した粒子径,比
表面積,細孔容積の測定数値は、それぞれ以下の方法で
測定したものである。 粒子径 :土木工学会基準JSF-T-131によって測定。 比表面積:窒素吸着法によるBET比表面積1点法で測
定。 細孔容積:水銀圧入法による水銀ポロシメーターで測
定。
【0033】
【実施例】
実施例1〜5 表1に示す水酸化マグネシウム及び酸化マグネシウムを
用いて、ブリケットマシンで比重の異なる5種類のアー
モンド状(20×40mm)造粒物を各々10個用意した。これを
2000μmの篩上に均一並べ、10l容器に静置した。造粒
物に直接水をあてないように、造粒物が沈むまで水を注
いだ。24時間放置後の崩壊造粒物の状態及び上澄みの状
態(スモーキング)を観察した。結果を表2に示す。造粒
物は、水を投入すると造粒物内から空気を放出しながら
崩壊を初めた。崩壊開始時に上澄みは若干白濁するが、
微細粒子の沈降と溶解で液面の清澄性は保たれた。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】実施例6 水槽(450×250×250)に車海老養殖場のヘドロを50mmの
厚さで敷き、車海老の稚エビを12匹入れて海水をみたし
た。苦土系改善剤として実施例2を用い、水槽面積に対
し400g/m2の割合で投与した。なお、海水は3日に一
度、全海水量の一割を入れ換えて、pH推移と車海老の
成長過程を観察した。pH推移の結果を表3に示す。苦
土系改善剤は添加後90日を経過してもpH8.45を示し、
炭酸化反応もなく長期に渡りpH維持効果があることが
確認された。水槽に入れた車海老は脱皮を繰り返して生
育し、苦土系改質剤に魚毒性がないことが確認された。
【0037】実施例7 水道水を満たした3lビーカーに、アオコの発生している
生活排水溝より採取したヘドロを20mm敷き詰め、実施例
2の改善剤を100g/m2の割合で添加しアオコの発生状況
を観察した。苦土系改質剤の入ったビーカーではアオコ
の発生は見られず、ケイ藻類の増殖が見られた。16日経
過後の透視度計による透視度の変化は、改善剤を入れた
直後の透視度50cmが48cmに低下したに留まった。
【0038】
【表3】
【0039】比較例1〜2 実施例6と同じ車海老の入った水槽において、苦土系改
善剤の変わりに石灰系改善剤と改善剤を添加しない水槽
を用意し、pH推移と車海老の成長過程を観察した。な
お、海水は3日に一度、全海水量の一割を入れ換えた。
pH推移の結果を表4に示す。比較例1の石灰系は添加
後30日目において、無添加海水pH付近にまで降下し
た。経過30日目の石灰系改質剤の鉱物組成をX線回折で
分析したところ、炭酸カルシウム(カルサイト,アラコ゛ナイト),水酸
化カルシウム,水酸化マグネシウムの混合物で、炭酸化
反応の進行が確認された。水槽に入れた車海老は脱皮を
繰り返して生育した。
【0040】
【表4】
【0041】比較例3 水道水を満たした3lビーカーに、アオコの発生している
生活排水溝より採取したヘドロを20mm敷き詰め、改善剤
を添加せずにアオコの発生状況を観察した。観察開始3
日めからビーカー内でアオコが発生した。16日経過後の
透視度計による透視度の変化は、開始時の50cmから25cm
まで低下した。
【0042】参考例 実施例2で崩壊した分散粒子の沈降速度は1.8m/hあっ
た。次に生石灰を海水に添加して新生マグネシウムを生
成した。この新生マグネシウムを分取し、実施例2の割
合で水槽に添加したところ、槽内は白濁した。沈降管で
測定したこの新生マグネシウムの沈降速度は8×10-4m/h
であった。以上の結果から、石灰系で生成する新生マグ
ネシウムはスモーキングの問題が発生し、改質剤として
好適でないことがわかる。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明の改善剤を悪化し
た水質並びに底質に投与することで、改善剤の自己崩
壊,分散,溶解が長期に渡って持続し、水質並びに底質
を弱アルカリ性に維持することができる。弱アルカリ性
に保つことによって、次の効果が得られる。1)底質での
硫化水素発生源となる硫酸塩還元菌の増殖を 抑制で
き、硫化水素によるへい死を防ぐことができる。2)有機
物の腐敗分解で生成するアンモニウムオンをアン モニ
アガスに平衡移動させることができ、曝気によ る大気
拡散が進行しやすくなる。3)養殖水質の酸性化によるへ
い死の抑制ができる。4)また、水質中のリンと難溶性化
合物を形成することで リン濃度の低減がはかれ、アオ
コの異常増殖が防げる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例6、比較例1及び比較
例2におけるpH推移の経時変化を示す線図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 苦土系粉粒体の1種又は2種以上の材料
    によって構成され、そのMgO換算含有率が30%以上で水
    分率が20%以下であり、且つ水中に投入後自己崩壊する
    ことを特徴とする水質並びに底質改善剤。
  2. 【請求項2】 苦土系粉粒体の粒子径が5μm〜100μ
    m、粉粒体の比重が2.2g/cm3以下であることを特徴とす
    る請求項1記載の水質並びに底質改善剤。
  3. 【請求項3】 苦土系粉粒体において、可溶性マグネシ
    ウム塩を0.01%〜5%含むことを特徴とする請求項1及
    び2記載の水質並びに底質改善剤。
JP6177581A 1994-07-06 1994-07-06 水質並びに底質の苦土系改善剤 Expired - Lifetime JP2917096B2 (ja)

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