JP2021153538A - 藻類の増殖促進用の液体、及び藻類の増殖方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭酸ガスの量が大きくかつpHが中性領域内で安定しており、藻類の増殖を促進することができる、藻類の増殖促進用の液体を提供する。【解決手段】炭酸ガス含有水、及び、ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体を含む、藻類の増殖促進用の液体であって、炭酸ガス含有水の中の炭酸ガスの量が、500mg/リットル以上である藻類の増殖促進用の液体。ケイ酸カルシウム含有材料は、好ましくは多孔質ケイ酸カルシウム水和物である。ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体は、好ましくは1〜4mmの範囲内の粒度を有する粒体を50質量%以上の割合で含むものであり、かつ、炭酸ガス含有水に対するケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体の量は、好ましくは、1g/リットル以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、藻類の増殖促進用の液体、及び藻類の増殖方法に関する。
エビ等の水棲生物の養殖において、養殖地や養殖槽等で繁茂する珪藻等の藻類は、水棲生物の餌等として利用されている。
ケイ酸、カルシウム、及びマグネシウムを、長期に亘って安定的に水中に供給でき、かつ、藻類の増殖を促進できる藻類増殖用資材として、特許文献1には、ケイ酸カルシウム含有材料、および、マグネシウム含有材料の組わせてなることを特徴とする珪藻増殖用資材が記載されている。
特開2017−169537号公報
藻類は、光合成を行う際に、水中に溶解した炭酸ガス(二酸化炭素)を利用している。水中に炭酸ガスを溶解させる方法として、連続的に炭酸ガスを水中に送り込む方法が知られている。しかし、該方法の場合、水のpHが酸性になることで、炭酸ガスの溶解量が小さくなったり、藻類(例えば、アルソスピラ属藻類)の生長阻害が起こるという問題がある。
本発明の目的は、炭酸ガスの量及びマグネシウムの量が大きくかつpHが中性領域内で安定しており、藻類の増殖を促進することができる、藻類の増殖促進用の液体を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、炭酸ガスの量が500mg/リットル以上である炭酸ガス含有水、ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体、及び、マグネシウム含有材料を含み、炭酸ガス含有水の中の炭酸ガスの量が、500mg/リットル以上であり、炭酸ガス含有水に対するケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体の量が、5〜100g/リットルであり、炭酸ガス含有水に対するマグネシウム含有材料の量が、1.0〜20g/リットルであり、マグネシウム含有材料に対する上記ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体の質量比が、3〜10である、藻類の増殖促進用の液体によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]を提供するものである。
[1] 炭酸ガス含有水、ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体、及び、マグネシウム含有材料を含む、藻類の増殖促進用の液体であって、上記炭酸ガス含有水の中の炭酸ガスの量が、500mg/リットル以上であり、上記炭酸ガス含有水に対する上記ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体の量が、5〜100g/リットルであり、上記炭酸ガス含有水に対する上記マグネシウム含有材料の量が、1.0〜20g/リットルであり、上記マグネシウム含有材料(M)に対する上記ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体(S)の質量比(S/M)が、3〜10であることを特徴とする藻類の増殖促進用の液体。
[2] 上記ケイ酸カルシウム含有材料が、多孔質ケイ酸カルシウム水和物であり、かつ、上記マグネシウム含有材料が、酸化マグネシウムである前記[1]に記載の藻類の増殖促進用の液体。
[3] 上記ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体が、1〜4mmの範囲内の粒度を有する粒体を50質量%以上の割合で含むものである前記[1]又は[2]に記載の藻類の増殖促進用の液体。
[4] 前記[1]〜[3]のいずれかに記載の藻類の増殖促進用の液体を用いた、藻類の増殖方法であって、藻類の生長可能な水と、藻類を、貯水可能な収容手段に収容して、藻類増殖部を形成させる藻類増殖部形成工程と、上記藻類の生長可能な水を補充するための補充水、ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体、及び、マグネシウム含有材料を、貯水可能な収容手段に収容して、補充水収容部を形成させ、上記補充水収容部に、炭酸ガスを供給して、炭酸ガスの量が500mg/リットル以上である炭酸ガス含有水を得る炭酸ガス含有水調製工程と、上記炭酸ガス含有水調製工程で得た上記炭酸ガス含有水を、上記藻類増殖部形成工程で形成した上記藻類増殖部に供給する炭酸ガス含有水供給工程、
を含むことを特徴とする藻類の増殖方法。
本発明の藻類の増殖促進用の液体は、液体中の炭酸ガス及びマグネシウムの量が大きいことから、藻類の増殖を促進することができ、また、液体のpHが中性領域内で安定していることから、pH調整を不要とする、又は、pH調整を行う頻度を低減することができる。
本発明の藻類の増殖促進用の液体は、炭酸ガス含有水、ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体、及び、マグネシウム含有材料を含む、藻類の増殖促進用の液体であって、炭酸ガス含有水の中の炭酸ガスの量が、500mg/リットル以上であり、炭酸ガス含有水に対するケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体の量が、5〜100g/リットルであり、炭酸ガス含有水に対するマグネシウム含有材料の量が、1.0〜20g/リットルであり、マグネシウム含有材料(M)に対するケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体(S)の質量比(S/M)が、3〜10であるものである。
本発明における増殖促進の対象である藻類とは、海域、汽水域、淡水域を問わず広く生息する藻類である。中でも、水棲生物の栄養源として優れ、かつ、水棲生物(特に、水棲動物)の成長に必要な酸素を、水中に溶解した炭酸ガス(二酸化炭素)を利用して、光合成により作り出すことができる観点から、珪藻、及び、アルソスピラ属藻類(例えば、アルソスピラ プラテンシス)が好ましい。
炭酸ガス含有水とは、炭酸ガス(二酸化炭素)を含む水である。
炭酸ガス含有水中の炭酸ガスの量は、500mg/リットル以上、好ましくは600mg/リットル以上、より好ましくは700mg/リットル以上、さらに好ましくは1,000mg/リットル以上、さらに好ましくは1,200mg/リットル以上、特に好ましくは1,500mg/リットル以上である。上記量が500mg/リットル未満であると、藻類の増殖を促進する効果が小さくなる。上記量の上限値は、製造の容易性等の観点から、好ましくは5,000mg/リットル、より好ましくは4,500mg/リットル、特に好ましくは4,200mg/リットルである。
炭酸ガス含有水は、通常、水に、炭酸ガス(二酸化炭素)を供給すること(後述の炭酸ガス含有水調製工程参照)によって得られたものである。
上記水としては、藻類の生長が可能な水であれば特に限定されるものではなく、淡水、汽水、又は海水である。また、上記水として、自然界に存在する海水、河川水、又は湖沼水等を用いてもよい。
ケイ酸カルシウム含有材料とは、ケイ酸カルシウム水和物等のケイ酸とカルシウムを含む化合物を含有する材料である。
ケイ酸カルシウム含有材料の存在下で、水(藻類の生長可能な淡水、海水等)に炭酸ガスを供給することで、水中の炭酸ガスの量をより多くし、かつ、水のpHを7.0〜8.0の範囲内にすることができる。また、水中において、ケイ酸カルシウム含有材料は、該材料に含まれているケイ酸及びカルシウムを溶出する。ケイ酸及びカルシウムは藻類(特に、珪藻)の増殖や生長に重要な成分であるため、ケイ酸及びカルシウムが水中に溶出されることで、藻類(特に、珪藻)の生長をより安定させて、増殖をより促進させることができる。
ケイ酸とカルシウムを含む化合物の例としては、トバモライト、ゾノトライト、CSHゲル、フォシャジャイト、ジャイロライト、ヒレブランダイト、及びウォラストナイト等が挙げられる。
トバモライトとは、結晶性のケイ酸カルシウム水和物であり、Ca・(Si18)・4HO(板状の形態)、Ca・(Si18)(板状の形態)、Ca・(Si18)・8HO(繊維状の形態)等の化学組成を有するものである。
ゾノトライトとは、結晶性のケイ酸カルシウム水和物であり、Ca・(Si17)・(OH)(繊維状の形態)等の化学組成を有するものである。
CSHゲルとは、αCaO・βSiO・γHO(ただし、α/β=0.7〜2.3、γ/β=1.2〜2.7である。)の化学組成を有するものである。具体的には、3CaO・2SiO・3HOの化学組成を有するケイ酸カルシウム水和物等が挙げられる。
フォシャジャイトとは、Ca(SiO)3(OH)等の化学組成を有するものである。
ジャイロライトとは、(NaCa)Ca14(Si23Al)O60(OH)・14HO等の化学組成を有するものである。
ヒレブランダイトとは、CaSiO(OH)等の化学組成を有するものである。
ウォラストナイトとは、CaO・SiO(繊維状又は柱状の形態)等の化学組成を有するものである。
ケイ酸カルシウム含有材料は、上述した化合物を単独で含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
また、ケイ酸カルシウム含有材料として、トバモライトを主成分とする軽量気泡コンクリート(ALC)や、ゾノトライトを含む保温材等の、ケイ酸カルシウムを含む建築材料(特に、端材や廃材)を用いてもよい。
中でも、入手の容易性および経済性の観点から、トバモライトを主成分とする軽量気泡コンクリート(ALC)を用いることが好ましい。また、廃棄物の利用促進の観点から、軽量気泡コンクリートの製造工程や建設現場で発生する軽量気泡コンクリートの端材を用いることが、より好ましい。
ここで、軽量気泡コンクリートとは、トバモライト、および、未反応の珪石からなるものであり、かつ、80体積%程度の空隙率を有するものである。ここで、空隙率とは、コンクリートの全体積中の、空隙の体積の合計の割合をいう。
軽量気泡コンクリート中のトバモライトの割合は、軽量気泡コンクリートの内部の空隙部分を除く固相の全体を100体積%として、65〜80体積%である。
軽量気泡コンクリートは、例えば、珪石粉末、セメント、生石灰粉末、発泡剤(例えば、アルミニウム粉末)、水等を含む原料(例えば、これらの混合物からなる硬化体)をオートクレーブ養生することによって得ることができる。
また、ケイ酸カルシウム含有材料は多孔質であることが好ましい。ケイ酸カルシウム含有材料が多孔質である場合、該材料を水中に添加した際に、該材料の多孔質部分に存在する空気が、水中に連行されることによって、水中の溶存酸素量の低下を防ぐことができる。
本発明で用いるケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体の粒度は、より多くのケイ酸を水中に溶出させる観点から、好ましくは6mm以下、より好ましくは5mm以下、特に好ましくは4mm以下である。該粒度の下限値は、粉砕に要するエネルギー削減の観点や、ケイ酸カルシウム含有材料の流出や水面への浮き上がりを防ぐ観点から、好ましくは0.01mm、より好ましくは0.05mm、特に好ましくは0.1mmである。
ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体の粒度分布は、より多くのケイ酸を水中に溶出させる観点から、好ましくは1〜4mm範囲内の粒度を有する粒体を50質量%以上(好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上)の割合で含むものである。
なお、本明細書中、粒度の値は、篩の目開き寸法に対応する値である。
炭酸ガス含有水に対するケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体の量は、5〜100g/リットル、好ましくは6〜80g/リットル、より好ましくは7〜50g/リットル、さらに好ましくは8〜30g/リットル、特に好ましくは9〜20g/リットルである。上記量が5g/リットル未満であると、水に炭酸ガス(二酸化炭素)を供給しても、炭酸ガス含有水中の炭酸ガスの量が大きくならず、該量が頭打ちになる。上記量が100g/リットルを超えると、材料にかかるコストが過大となる。
マグネシウム含有材料とは、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム等からなる群より選ばれる1種以上を含むものである。中でも、入手の容易性等の観点から、酸化マグネシウムが好ましい。
マグネシウム含有材料としては、各種試薬、軽焼マグネシアまたはその部分水和物、純水製造工程で用いるRO膜からの濃縮水等が挙げられる。
なお、軽焼マグネシアは、炭酸マグネシウムと水酸化マグネシウムのいずれか一方または両方を含む固形原料を、好ましくは600〜1,300℃の温度で焼成することによって得ることができる。
ここで、固形原料としては、例えば、マグネサイト、ドロマイト、ブルーサイト、海水中のマグネシウム成分を消石灰等のアルカリで沈殿させることで得られる水酸化マグネシウム等の、塊状物または粉粒状物等が挙げられる。
水中において、マグネシウム含有材料は、該材料に含まれているマグネシウムを溶出する。マグネシウムは藻類(特に、珪藻)の増殖や生長に重要な成分であるため、マグネシウムが水中に溶出されることで、藻類(特に、珪藻)の生長をより安定させて、増殖をより促進させることができる。
炭酸ガス含有水に対するマグネシウム含有材料の量は、1.0〜20g/リットル、好ましくは1.2〜15g/リットル、より好ましくは1.4〜12g/リットル、さらに好ましくは1.6〜8g/リットル、特に好ましくは1.8〜6g/リットルである。上記量が1.0g/リットル以上であれば、液体中のマグネシウムの量をより多くすることができる。上記量が20g/リットルを超えると、材料にかかるコストが過大になる。
マグネシウム含有材料(M)に対するケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体(S)の質量比(S/M)は、炭酸ガス含有水中の炭酸ガスの量をより大きくする観点から、3〜10、好ましくは3.5〜8、より好ましくは4.5〜7、特に好ましくは5〜6である。
本発明の藻類の増殖促進用の液体によれば、炭酸ガス含有水中の炭酸ガスの量をより大きくすることができる。また、炭酸ガス含有水中の炭酸ガスの量が大きくなっても、上記液体のpHを安定化させることができる。
上記液体のpHは、藻類の種類によっても異なるが、藻類の増殖をより促進する観点から、通常、好ましくは6.0〜8.0、より好ましくは6.5〜7.9、さらに好ましくは7.0〜7.8である。また。
また、藻類がアルソスピラ属藻類である場合、該藻類の増殖をより促進する観点から、上記pHは、好ましくは7.0〜7.9、より好ましくは7.2〜7.8、特に好ましくは7.3〜7.8である。
本発明の藻類の増殖促進用の液体を用いた、藻類の増殖方法の例としては、藻類の生長可能な水と、藻類を、貯水可能な収容手段に収容して、藻類増殖部を形成させる藻類増殖部形成工程と、藻類の生長可能な水を補充するための補充水、ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体、及び、マグネシウム含有材料を、貯水可能な収容手段に収容して、補充水収容部を形成させ、補充水収容部に、炭酸ガスを供給して、炭酸ガスの量が500mg/リットル以上である炭酸ガス含有水を得る炭酸ガス含有水調製工程と、炭酸ガス含有水調製工程で得た炭酸ガス含有水を、藻類増殖部形成工程で形成した藻類増殖部に供給する炭酸ガス含有水供給工程を含む方法が挙げられる。
炭酸ガス含有水調製工程において、藻類の生長可能な水を補充するための補充水、ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体、及び、マグネシウム含有材料を、貯水可能な収容手段に収容する方法は特に限定するものではなく、各材料を同時に収容手段に投入することで収容してもよく、収容手段に上記補充水を収容した後、ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体、及び、マグネシウム含有材料を、上記補充水に添加してもよい。
また、ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体、及び、マグネシウム含有材料は、取り扱いを容易にし、流出等を防ぐ観点から、予め、造粒又はプレス成形して、造粒物又はプレス成形物として、上記補充水に添加してもよい。
造粒方法としては、例えば、各材料をパンペレタイザー等の造粒機を用いて、散水しながら造粒する方法が挙げられる。また、各材料と水を混合してペースト状にし、次いで、ペースト状の混合物を造粒した後、乾燥してもよい。
炭酸ガス含有水調製工程において、補充水収容部に炭酸ガスを供給する方法としては、例えば、上記補充水収容部内に設置された炭酸ガス供給手段(例えば、炭酸ガスを供給するための排気管等)を用いて、上記補充水収容部内に収容された補充水中に炭酸ガスを吹き込む方法等が挙げられる。得られる炭酸ガス含有水中の炭酸ガスの量を多くしたり、処理効率の向上等の観点から、上記吹き込みは加圧下で行ってもよい。
炭酸ガスを供給する際に、炭酸ガスのみからなる気体を供給してもよいが、入手の容易性等の観点から、通常、炭酸ガスを、好ましくは2体積%以上、より好ましくは4体積%以上、さらに好ましくは5体積%以上、さらに好ましくは20体積%以上、さらに好ましくは40体積%以上、さらに好ましくは60体積%以上、特に好ましくは80体積%以上の割合で含む気体を供給してもよい。該割合が5体積%以上であれば、より短時間で炭酸ガス含有水を得ることができる。
炭酸ガスを含む気体の例としては、セメント製造工程において発生した排ガス(炭酸ガス濃度:約20体積%)、または、該排ガスからの分離回収ガス(炭酸ガス濃度:約100体積%)等が挙げられる。なお、このようなガスを用いる場合、該ガスに含まれる不純物の藻類への悪影響を防ぐ観点から、上記補充水収容部内に、不純物除去用資材(例えば、石膏、活性炭)を投入してもよい。
また、藻類増殖部に、さらに、ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体、及び、マグネシウム含有材料を収容してもよい。
炭酸ガス含有水調製工程において、マグネシウム含有材料から上記補充水に溶解したマグネシウムの量は、好ましくは300mg/リットル以上、より好ましくは500mg/リットル以上、さらに好ましくは600mg/リットル以上、さらに好ましくは800mg/リットル以上、さらに好ましくは1,000mg/リットル以上、特に好ましくは1,200mg/リットル以上である。上記量が100mg/リットル未満であると、藻類の増殖を促進する効果が小さくなる。上記量の上限値は、製造の容易性等の観点から、好ましくは3,000mg/リットル、より好ましくは2,500mg/リットル、特に好ましくは2,000mg/リットルである。
なお、上記量は、マグネシウム含有材料の粒度や供給量、炭酸ガスの供給時間等によって調整することができる。
また、本発明の藻類の増殖促進用の液体を用いた藻類の増殖方法の他の例としては、藻類の生長可能な水と、藻類と、ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体と、マグネシウム含有材料を、貯水可能な収容手段に収容した藻類増殖部において、上記水に炭酸ガスを供給して、上記水中の炭酸ガスの量を500mg/リットル以上に維持しながら、藻類を生育する方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜2]
蒸留水1リットルに、Sigma社製の海塩30gを添加して、人工海水を得た後、ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体(表1中、「ケイ酸カルシウム」と示す。)として、 軽量気泡コンクリート(ALC)を粉砕した粒体(1〜4mmの範囲内の粒度を有する粒体を95質量%以上の割合で含むもの)、 及び、マグネシウム含有材料として、酸化マグネシウム(試薬)を、表1に示す量で、予め混合した後、得られた混合物を人工海水に加えて、炭酸ガス供給前の藻類の増殖促進用の液体を得た。
上記液体に、炭酸ガス(二酸化炭素)の濃度が6体積%である気体を、エアポンプを用いて、0.5リットル/分間の量で供給した。炭酸ガス供給前(表1〜4中、「0」と示す。)、1時間後、3時間後、6時間後、24時間後、48時間後の藻類の増殖促進用の液体のpH、炭酸ガスの量、及び、マグネシウムの量を測定した。なお、炭酸ガスの測定は、東亜DKK社製のポータブル炭酸ガス濃度計を用いて測定した。
液体のマグネシウム量から、炭酸ガス供給前のマグネシウムの量を差し引いて、混合物から溶解したマグネシウムの量を算出した。
[比較例1]
マグネシウム含有材料を使用しない以外は、実施例1と同様にして、藻類の増殖促進用の液体に炭酸ガスを供給し、液体のpH、炭酸ガスの量、及び、マグネシウムの量を測定した。
[比較例2]
ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体、及び、マグネシウム含有材料を使用しない以外は、実施例1と同様にして、藻類の増殖促進用の液体に炭酸ガスを供給し、液体のpH、炭酸ガスの量を測定した。
結果を表2〜4に示す。
Figure 2021153538
Figure 2021153538
Figure 2021153538
Figure 2021153538
表2から、実施例1〜2における、炭酸ガス供給後1〜48時間後の、藻類の増殖促進用の液体のpHは6.38〜7.72であり、中性領域内で安定しているのに対して、比較例2(ケイ酸カルシウム含有材料およびマグネシウム含有材料を使用しないもの)における、pHは5.85〜6.03であり、pHが酸性側に小さくなっていることがわかる。
また、表3から、炭酸ガス含有水中の炭酸ガスの量は、実施例1では1時間経過後、500mg/リットル以上になっており、その後、時間の経過に伴って、炭酸ガスの量は大きくなっていることがわかる。また、実施例2では3時間経過後、500mg/リットル以上になっており、その後、6時間経過時をピークとして、上記量は小さくなっていることかわかる。
一方、比較例2(ケイ酸カルシウム含有材料およびマグネシウム含有材料を使用しないもの)では、炭酸ガス含有水中の炭酸ガスの量は、210〜275mg/リットルであり、6時間経過時をピークとして、その後、上記量は小さくなっていることかわかる。
また、表4から、実施例1〜2の炭酸ガス含有水中のマグネシウムの量(24時間後:1,840〜2,530mg/リットル、48時間後:1,970〜2,720mg/リットル)から、本発明の藻類の増殖促進用の液体によれば、液中のマグネシウムの量を安定的に大きくすることができることがわかる。

Claims (4)

  1. 炭酸ガス含有水、ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体、及び、マグネシウム含有材料を含む、藻類の増殖促進用の液体であって、
    上記炭酸ガス含有水の中の炭酸ガスの量が、500mg/リットル以上であり、
    上記炭酸ガス含有水に対する上記ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体の量が、5〜100g/リットルであり、
    上記炭酸ガス含有水に対する上記マグネシウム含有材料の量が、1.0〜20g/リットルであり、
    上記マグネシウム含有材料(M)に対する上記ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体(S)の質量比(S/M)が、3〜10であることを特徴とする藻類の増殖促進用の液体。
  2. 上記ケイ酸カルシウム含有材料が、多孔質ケイ酸カルシウム水和物であり、かつ、上記マグネシウム含有材料が、酸化マグネシウムである請求項1に記載の藻類の増殖促進用の液体。
  3. 上記ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体が、1〜4mmの範囲内の粒度を有する粒体を50質量%以上の割合で含むものである請求項1又は2に記載の藻類の増殖促進用の液体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の藻類の増殖促進用の液体を用いた、藻類の増殖方法であって、
    藻類の生長可能な水と、藻類を、貯水可能な収容手段に収容して、藻類増殖部を形成させる藻類増殖部形成工程と、
    上記藻類の生長可能な水を補充するための補充水、ケイ酸カルシウム含有材料からなる粒体、及び、マグネシウム含有材料を、貯水可能な収容手段に収容して、補充水収容部を形成させ、上記補充水収容部に、炭酸ガスを供給して、炭酸ガスの量が500mg/リットル以上である炭酸ガス含有水を得る炭酸ガス含有水調製工程と、
    上記炭酸ガス含有水調製工程で得た上記炭酸ガス含有水を、上記藻類増殖部形成工程で形成した上記藻類増殖部に供給する炭酸ガス含有水供給工程、
    を含むことを特徴とする藻類の増殖方法。
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