JP6711662B2 - 藻類増殖用資材 - Google Patents

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Description

本発明は、藻類増殖用資材に関する。
エビ等の水棲生物の養殖において、養殖池や養殖槽等で繁茂する珪藻等の藻類は、水棲生物の餌等として利用されている。
珪藻の増殖を促進することができる培養液として、特許文献1には、水、及び、ケイ酸カルシウム水和物を主成分として含む粉粒状のケイ酸質材料を含み、かつ、上記ケイ酸質材料の量が、水100質量部当たり0.001〜2質量部であることを特徴とする珪藻の増殖促進用の培養液が記載されている。
特開2015−167538号公報
珪藻等の藻類の成長に必要なケイ酸、カルシウム及びマグネシウムを、一度に大量に水中に供給した場合、これらの濃度が過剰になることによって、藻類の増殖や水質に悪影響を及ぼす場合があった。
そこで、本発明の目的は、ケイ酸、カルシウム、及びマグネシウムを、長期に亘って安定的に水中に供給でき、かつ、藻類の増殖を促進できる藻類増殖用資材を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ケイ酸カルシウム含有材料、および、マグネシウム含有材料を組み合わせてなる藻類増殖用資材によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1] ケイ酸カルシウム含有材料、および、マグネシウム含有材料を組み合わせてなることを特徴とする藻類増殖用資材。
[2] 上記藻類増殖用資材は、(a)上記ケイ酸カルシウム含有材料および上記マグネシウム含有材料を含む粉粒状の形態、(b)上記ケイ酸カルシウム含有材料および上記マグネシウム含有材料を含むスラリー状の形態、および、(c)上記ケイ酸カルシウム含有材料を含む粉粒状またはスラリー状の形態と、上記マグネシウム含有材料を含む粉粒状、スラリー状または液状の形態の組み合わせ、の中から選ばれる形態を有する前記[1]に記載の藻類増殖用資材。
[3] 上記マグネシウム含有材料は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、および、硝酸マグネシウムからなる群より選ばれる1種以上を含む前記[1]又は[2]に記載の藻類増殖用資材。
[4] 上記ケイ酸カルシウム含有材料は、トバモライト、ゾノトライト、CSHゲル、フォシャジャイト、ジャイロライト、ヒレブランダイト、およびウォラストナイトからなる群より選ばれる1種以上を含む粉粒状物である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の藻類増殖用資材。
[5] 前記[1]〜[4]のいずれかに記載の藻類増殖用資材を用いた藻類の増殖方法であって、上記藻類増殖用資材を浸漬させた増殖用の水の中で、上記藻類を増殖させることを特徴とする藻類の増殖方法。
[6] 上記藻類が、珪藻である前記[5]に記載の藻類の増殖方法。
本発明の藻類増殖用資材によれば、ケイ酸、カルシウム、及びマグネシウムを、長期に亘って安定的に水中に供給でき、かつ、藻類の増殖を促進できる。
本発明の藻類増殖用資材は、ケイ酸カルシウム含有材料、および、マグネシウム含有材料を組み合わせてなるものである。
ケイ酸カルシウム含有材料とは、トバモライト、ゾノトライト、CSHゲル、フォシャジャイト、ジャイロライト、ヒレブランダイト、ウォラストナイト等からなる群より選ばれる1種以上を含むものである。
トバモライトとは、結晶性のケイ酸カルシウム水和物であり、Ca・(Si18)・4H2O(板状の形態)、Ca・(Si18)(板状の形態)、Ca・(Si18)・8H2O(繊維状の形態)等の化学組成を有するものである。
ゾノトライトとは、結晶性のケイ酸カルシウム水和物であり、Ca・(Si17)・(OH)2(繊維状の形態)等の化学組成を有するものである。
CSHゲルとは、αCaO・βSiO2・γH2O(ただし、α/β=0.7〜2.3、γ/β=1.2〜2.7である。)の化学組成を有するものである。具体的には、3CaO・2SiO2・3H2Oの化学組成を有するケイ酸カルシウム水和物等が挙げられる。
フォシャジャイトとは、Ca(SiO(OH)等の化学組成を有するものである。
ジャイロライトとは、(NaCa)Ca14(Si23Al)O60(OH)・14HO等の化学組成を有するものである。
ヒレブランダイトとは、CaSiO(OH)等の化学組成を有するものである。
ウォラストナイトとは、CaO・SiO(繊維状又は柱状の形態)等の化学組成を有するものである。
中でも、入手の容易性および経済性の観点から、トバモライトが好適である。トバモライトとしては、天然の鉱物を用いてもよいが、入手の容易性の観点から、トバモライトを主成分とする軽量気泡コンクリート(ALC)を用いることが好ましい。また、廃材の利用促進の観点から、軽量気泡コンクリートの製造工程において生じる端材や、工場内の試製品や、建設現場で発生する軽量気泡コンクリートの端材を用いることが、より好ましい。
軽量気泡コンクリートとは、トバモライト、および、未反応の珪石からなるものであり、かつ、80体積%程度の空隙率を有するものである。ここで、空隙率とは、軽量気泡コンクリートの全体積中の、空隙の体積の合計の割合をいう。
軽量気泡コンクリート中のトバモライトの割合は、軽量気泡コンクリートの内部の空隙部分を除く固相の全体を100体積%として、65〜80体積%程度である。
軽量気泡コンクリートは、例えば、珪石粉末、セメント、生石灰粉末、発泡剤(例えば、アルミニウム粉末)、水等を含む原料(例えば、これらの混合物からなる硬化体)をオートクレーブ養生することによって得ることができる。
本発明で用いられるケイ酸カルシウム含有材料は、粉粒状物であることが好ましい。
本明細書中、「粉粒状」とは、粉状の材料(0.1mm未満の粒度を有するもの;粉体)の集合体、粒状の材料(0.1mm以上の粒度を有するもの;粒体)の集合体、または、粉状の材料および粒状の材料を含む集合体の形態を有することを意味する。また、「粉粒状物」とは、粉体の集合体、粒体の集合体、または、粉体および粒体を含む集合体を意味する。
ケイ酸カルシウム含有材料中の可溶性ケイ酸の含有率は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、特に好ましくは18質量%以上である。該含有率の上限値は、特に限定されないが、ケイ酸カルシウム含有材料として軽量気泡コンクリート(ALC)の廃材や端材を用いる場合、通常、25質量%である。
ケイ酸カルシウム含有材料中の可溶性石灰の含有率は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、特に好ましくは18質量%以上である。該含有率の上限値は、特に限定されないが、ケイ酸カルシウム含有材料として軽量気泡コンクリート(ALC)の廃材や端材を用いる場合、通常、25質量%である。
可溶性ケイ酸及び可溶性石灰の各含有率は、0.5モル/リットルの塩酸水溶液(液温:30℃)に溶解する可溶性成分(ケイ酸または石灰)の質量割合であり、独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)が監修した「肥料試験法(2013)」に準拠して、測定することができる。
また、ケイ酸カルシウム含有材料は多孔質であることが好ましい。ケイ酸カルシウム含有材料が多孔質である場合、該材料を水中に添加した際に、該材料の多孔質部分に存在する空気が、水中に連行されることによって、水中の溶存酸素量の低下を防ぐことができる。
ケイ酸カルシウム含有材料の粒度は、該材料に含まれるケイ酸(特に、水溶性SiO)の溶出量をより多くする観点から、好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm以下、特に好ましくは5mm以下である。該粒度の下限値は、粉砕に要するエネルギーの削減の観点から、好ましくは0.001mm、より好ましくは0.005mm、特に好ましくは0.01mmである。
なお、ケイ酸(特に、水溶性SiO)の溶出量が多くなれば、藻類(特に珪藻)の成育がより安定し、その増殖がより促進される。
ケイ酸カルシウム含有材料の粒度分布は、ケイ酸(特に、水溶性SiO)の溶出量を多くする観点から、好ましくは5mm以下の粒度を有する粒体を70質量%以上の割合で含むものであり、より好ましくは4mm以下の粒度を有する粒体を70質量%以上の割合で含むものであり、さらに好ましくは3mm以下の粒度を有する粒体を70質量%以上の割合で含むものであり、特に好ましくは2mm以下の粒度を有する粒体を70質量%以上の割合で含むものである。
本明細書中、粒度の値は、篩の目開き寸法に対応する値である。
藻類増殖用資材中のケイ酸カルシウム含有材料の含有率は、好ましくは70〜99.99質量%、より好ましくは80〜99.95質量%、特に好ましくは85〜99.92質量%である。該含有率が70質量%以上であれば、藻類の増殖をより促進することができる。該含有率が99.99質量%以下であれば、マグネシウム含有材料の含有率が大きくなるので、ケイ酸及びカルシウムに加えて、マグネシウムを長期に亘ってより安定的に供給できる。
マグネシウム含有材料とは、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム等からなる群より選ばれる1種以上を含むものである。
マグネシウム含有材料としては、各種試薬、軽焼マグネシアまたはその部分水和物、純水製造工程で用いるRO膜からの濃縮水等が挙げられる。
なお、軽焼マグネシアは、炭酸マグネシウムと水酸化マグネシウムのいずれか一方または両方を含む固形原料を、好ましくは600〜1,300℃の温度で焼成することによって得ることができる。
ここで、固形原料としては、例えば、マグネサイト、ドロマイト、ブルーサイト、海水中のマグネシウム成分を消石灰等のアルカリで沈殿させることで得られる水酸化マグネシウム等の、塊状物または粉粒状物等が挙げられる。
藻類増殖用資材中のマグネシウム含有材料の含有率は、好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.05〜20質量%、特に好ましくは0.08〜15質量%である。該含有率が0.01質量%以上であれば、ケイ酸及びカルシウムに加えて、マグネシウムを長期に亘ってより安定的に供給できる。特に、マグネシウムは、カルシウムよりもイオン化傾向が小さいことから、マグネシウムの含有率が大きいほど、カルシウムのイオン化を促進することができる。該含有率が99.99質量%以下であれば、ケイ酸カルシウム含有材料の含有率が大きくなるので、水中へのケイ酸及びカルシウムの供給量が大きくなり、その結果、藻類の増殖をより促進することができる。
本発明の藻類増殖用資材は、(a)ケイ酸カルシウム含有材料およびマグネシウム含有材料を含む粉粒状の形態、(b)ケイ酸カルシウム含有材料およびマグネシウム含有材料を含むスラリー状の形態、および、(c)ケイ酸カルシウム含有材料を含む粉粒状またはスラリー状の形態と、マグネシウム含有材料を含む粉粒状、スラリー状または液状の形態の組み合わせ、の中から選ばれる形態を有する。
また、水中において、本発明の藻類増殖用資材が分離せずに水底に沈降できるようにする観点から、ケイ酸カルシウム含有材料およびマグネシウム含有材料を含む粉粒状物や、粉粒状のケイ酸カルシウム含有材料またはマグネシウム含有材料(以下、これらを「粉粒状材料」ともいう。)を、造粒またはプレス成形して用いてもよい。
粉粒状材料を造粒する方法としては、例えば、粉粒状材料をパンペレタイザー等の造粒機を用いて、散水しながら造粒する方法が挙げられる。該方法において、粉粒状材料の添加及び散水を繰り返すことで、得られる造粒物の粒径を調整することができる。
また、粉粒状材料と水を混合してペースト状にし、次いで、ペースト状の混合物を造粒した後、乾燥してもよい。
上記方法によって得られた造粒物や、プレス成形によって得られたプレス成形物は、水中において沈降することが好ましい。このため、造粒物やプレス成形物の比重は、好ましくは1g/cm以上、より好ましくは1.2g/cm以上である。
ケイ酸カルシウム含有材料およびマグネシウム含有材料を含むスラリー状の形態のものや、スラリー状の形態のケイ酸カルシウム含有材料またはマグネシウム含有材料(以下、これらを「スラリー状材料」ともいう。)は、粉粒状材料と水を混合することで得ることができる。
スラリー状材料は、水中においてケイ酸カルシウムとマグネシウムが分離しないようにする観点から、その粘度を調整することが好ましい。スラリー状材料の粘度は、水中において、スラリー状材料に含まれているケイ酸カルシウムとマグネシウムが分離せずに、水底に沈降できるようにする観点から、好ましくは5Pa・s以上である。粘度が高すぎる場合、ポンプ等の装置を用いてスラリー状材料を供給することができなくなるため、ポンプ等の装置の性能に応じて、粘度の上限を定めることが好ましい。
スラリー状材料によれば、ポンプ等を用いて、養殖池等に本発明の藻類増殖用資材を供給することができる。
マグネシウム含有材料が液状の形態の場合、液状のマグネシウム含有材料と、ケイ酸カルシウム含有材料を混合することによって、粉粒状またはスラリー状の形態にしてもよい。
より詳しく説明しますと、まず、液状のマグネシウム含有材料とケイ酸カルシウム含有材料の濃度や温度等を調整することで、得られる混合物を、固体状、ペースト状、またはスラリー状にする。次いで、得られた混合物について、必要に応じて、冷却、乾燥、粉砕等を行うことで、粉粒状またはスラリー状の形態にすることができる。
本発明の藻類増殖用資材を増殖用の水の中に浸漬することで、増殖用の水の中において、藻類(例えば、珪藻)の成育を安定させ、その増殖を促進させることができる。
増殖用の水としては、特に限定されるものではなく、淡水、汽水および海水のいずれでも良い。増殖用の水として、自然に存在する海水、河川水、湖沼水等を用いる場合、これらの増殖用の水には、窒素、リン酸、カリウム、鉄、各種ビタミン等の、藻類の増殖に必要な栄養成分が適度に含まれるため、そのまま使用することができる。
上記栄養成分を含まない水道水等の上水を用いる場合や、増殖用の水の中の栄養成分を調整したい場合には、本発明の藻類増殖用資材と共に用いる追加の材料として、追加の栄養成分を用いることができる。
追加の栄養成分としては、例えば、窒素、リン酸、カリウム、ホウ素、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、各種のアミノ酸、各種のビタミン(例えば、ビタミンB1、ビタミン12等)等が挙げられる。このような各種の栄養成分を含む培養液の市販品として、例えば、第一製網社製の「KW21」(商品名)が挙げられる。
ケイ酸カルシウム含有材料、マグネシウム含有材料、及び追加の栄養成分を混合して用いる場合、その混合方法は特に限定されるものではなく、ケイ酸カルシウム含有材料とマグネシウム含有材料を混合し、次いで、得られた混合物と追加の栄養成分を混合してもよく、あるいは、ケイ酸カルシウム含有材料、マグネシウム含有材料、及び追加の栄養成分を同時に混合してもよい。
本発明の藻類の増殖方法によって増殖させる藻類としては、特に限定されるものではないが、エビ等の水棲生物を養殖する際に、水棲生物の餌として好適である観点から、好ましくは珪藻である。
上記藻類が増殖することで、養殖池や養殖槽における水が、養殖の対象である水棲生物(例えば、甲殻類、魚類、及び貝類等)にとって好ましい環境となる。
具体的には、水中の珪藻が増殖することで、養殖池等において、アオコ等の発生を抑えることができ、養殖用の水の水質の悪化を抑制できる。
また、珪藻は栄養価が高いため、珪藻を餌とする水棲生物(例えば、エビ等の甲殻類)の成長を促進できる。また、水を適度に濁らせることで、水棲生物のストレスを緩和して、水棲生物の生存率を向上できる。
さらに、水棲生物がエビ等の甲殻類である場合、甲殻類の外骨格等の形成を促進させ、甲殻類の成長を促進し、生存率を向上できる。
本発明において、藻類増殖用資材を水の中に浸漬する量は、水1リットル当たり、好ましくは0.1〜15g、より好ましくは0.5〜10g、特に好ましくは1.0〜8gである。該量が0.1g以上であれば、ケイ酸、カルシウム、及びマグネシウムを長期に亘って安定的に供給できる。該量が15g以下であれば、藻類増殖用資材の過剰供給による水質の低下を防ぐことができる。
本発明の藻類増殖用資材に用いられるケイ酸カルシウム含有材料とマグネシウム含有材料は、増殖用の水の中に各材料を同時に浸漬してもよく、別々に浸漬してもよい。ただし、ケイ酸カルシウム含有材料とマグネシウム含有材料を別々に浸漬した場合、あるいは、浸漬後、水中において分離した場合、本発明の効果が低下する場合がある。したがって、これらの材料は、同時に浸漬することが好ましい。
また、藻類増殖用資材がケイ酸カルシウム含有材料およびマグネシウム含有材料を含む粉粒状の形態である場合等、該資材を養殖用の水の中に供給する際に、ケイ酸カルシウム含有材料とマグネシウム含有材料が水中において分離しないようにする観点から、養殖池等に水を入れる前に、あるいは、養殖池に水を入れ始めた後、まだ水深が浅いときに、養殖池等に投入することが好ましい。
また、粉粒状の藻類増殖用資材(ただし、造粒してなるものを除く)、または、造粒若しくはプレス成形してなる藻類増殖用資材を、通水性を有する袋やかご等の収容手段に収容して、増殖用の水の中に浸漬してもよい。
本発明の藻類増殖用資材によれば、水中の適所に浸漬するという簡易な方法によって、水中にケイ酸、カルシウム、及びマグネシウムを長期に亘って安定的に供給でき、一度に大量供給しても、ケイ酸等の濃度が過剰になることによる悪影響が起こりにくい。
本発明の藻類増殖用資材を増殖用の水の中に浸漬して、藻類を増殖させた水は、水棲生物の養殖用として好適に利用することができる。
水棲生物を養殖する場合において、藻類増殖用資材を浸漬する時期は、特に限定されるものではなく、水棲生物を増殖用の水に入れる前でも後でも良いが、増殖用の水の中で藻類を十分に増殖させて、微生物相を安定化させる観点から、水棲生物を増殖用の水に入れる前に、藻類増殖用資材を増殖用の水の中に浸漬させて、好ましくは5日以上、より好ましくは10日以上、特に好ましくは15日以上静置することが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
使用材料は、以下に示すとおりである。
(1)ケイ酸カルシウム含有材料;軽量気泡コンクリートを粉砕した粉粒状のもの(以下、「ALC粉粒状物」ともいう。)、可溶性ケイ酸:21質量%、可溶性石灰:21質量%、粒径:0.02〜4mm、BET比表面積:50〜70m/g、平均細孔直径:0.07μm
(2)マグネシウム含有材料;酸化マグネシウム(試薬、関東化学、特級)
(3)水ガラス;3号水ガラス
(4)珪砂
(5)人工海水の原料;マリンテック社製、商品名「シーライフ」
(6)珪酸培養液;第一製鋼社製、商品名「KW21」、窒素(N換算で36g/リットル)、リン酸(P換算で4g/リットル)、ホウ素、マンガン、鉄、亜鉛、コバルト、EDTA、複合アミノ酸、複合ビタミン(B、B12、ビオチン等)を成分として含むもの
[実施例1]
人工海水の原料34gを、蒸留水1リットルに添加して、人工海水を得た。次いで、得られた人工海水に、珪藻培養液0.5ミリリットルを加えて混合して、培養液を調製した。
得られた培養液に、ALC粉粒状物と酸化マグネシウムを表1に示す含有率で含む藻類増殖用資材を、表1に示す配合量で加えて、珪藻の増殖促進用の培養液を得た。その後、該培養液に、該培養液中の珪藻の細胞数が0.7×10細胞/リットルとなる量の珪藻(キートセロス族に属する種類の珪藻)を添加し、エアポンプを用いて空気を供給することによって、珪藻を培養した。
珪藻の添加後、0日(添加時)、7日、14日、21日、28日、56日の各時点において、培養液中のケイ素(Si)濃度、カルシウム(Ca)濃度、マグネシウム(Mg)濃度、及び、珪藻の細胞数を測定した。
[実施例2〜4]
ALC粉粒状物と酸化マグネシウムを表1に示す含有率で含む藻類増殖用資材を、表1に示す配合量で加えた以外は実施例1と同様にして、珪藻を培養した。実施例1と同様にして、培養液中のケイ素(Si)濃度等を測定した。
[比較例1]
ALC粉粒状物と酸化マグネシウムを含む藻類増殖用資材の代わりに、ALC粉粒状物のみを用いた以外は実施例1と同様にして、珪藻を培養した。実施例1と同様にして、培養液中のケイ素(Si)濃度等を測定した。
[比較例2]
ALC粉粒状物と酸化マグネシウムを含む藻類増殖用資材の代わりに、水ガラスのみを用いた以外は実施例1と同様にして、珪藻を培養した。実施例1と同様にして、培養液中のケイ素(Si)濃度等を測定した。
[比較例3]
ALC粉粒状物と酸化マグネシウムを含む藻類増殖用資材の代わりに、水ガラスの含有率が99.0質量%であり、酸化マグネシウムの含有率が1.0質量%である資材を用いた以外は実施例1と同様にして、珪藻を培養した。実施例1と同様にして、培養液中のケイ素(Si)濃度等を測定した。
[比較例4]
ALC粉粒状物と酸化マグネシウムを含む藻類増殖用資材の代わりに、珪砂の含有率が99.0質量%であり、酸化マグネシウムの含有率が1.0質量%である資材を用いた以外は実施例1と同様にして、珪藻を培養した。実施例1と同様にして、培養液中のケイ素(Si)濃度等を測定した。
結果を表2〜5に示す。
Figure 0006711662
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表2〜3から、本発明の藻類増殖用資材を用いた場合(実施例1〜4)と、比較例1〜4を比較すると、14日後以降において、本発明の藻類増殖用資材を用いた場合の水中のSi濃度は、比較例1〜4よりも大きいことから、本発明の藻類増殖用資材によれば、長期間に亘って、水中にケイ酸を安定的に供給できることがわかる。
また、21日後以降において、本発明の藻類増殖用資材を用いた場合の水中のCa濃度は、比較例1〜4よりも大きいことから、本発明の藻類増殖用資材によれば、長期間に亘って、水中にCaを安定的に供給できることがわかる。
また、表5から、本発明の藻類増殖用資材を用いた場合(実施例1〜4)と、ALC粉粒状物を用いていない場合(比較例2〜4)を比較すると、7日後以降の、本発明の藻類増殖用資材を用いた場合における珪藻の細胞数が顕著に大きいことがわかる。また、本発明の藻類増殖用資材を用いた場合(実施例1〜4)と、酸化マグネシウムを用いていない場合(比較例1)を比較すると、28日後以降の、本発明の藻類増殖用資材を用いた場合における珪藻の細胞数が大きいことがわかる。このことから、本発明の藻類増殖用資材によれば、長期に亘って、珪藻の増殖を促進できることがわかる。

Claims (4)

  1. ケイ酸カルシウム含有材料、および、マグネシウム含有材料を組み合わせてなる藻類増殖用資材であって、
    上記ケイ酸カルシウム含有材料は、トバモライト、ゾノトライト、CSHゲル、フォシャジャイト、ジャイロライト、ヒレブランダイト、およびウォラストナイトからなる群より選ばれる1種以上を含む粉粒状物であり、
    上記マグネシウム含有材料は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、および、硝酸マグネシウムからなる群より選ばれる1種以上を含むものであり、
    上記藻類増殖用資材中の上記マグネシウム含有材料の含有率が、1.0〜15質量%であることを特徴とする藻類増殖用資材。
  2. 上記藻類増殖用資材は、(a)上記ケイ酸カルシウム含有材料および上記マグネシウム含有材料を含む粉粒状の形態、(b)上記ケイ酸カルシウム含有材料および上記マグネシウム含有材料を含むスラリー状の形態、および、(c)上記ケイ酸カルシウム含有材料を含む粉粒状またはスラリー状の形態と、上記マグネシウム含有材料を含む粉粒状、スラリー状または液状の形態の組み合わせ、の中から選ばれる形態を有する請求項1に記載の藻類増殖用資材
  3. 請求項1又は2に記載の藻類増殖用資材を用いた藻類の増殖方法であって、上記藻類増殖用資材を浸漬させた増殖用の水の中で、上記藻類を増殖させることを特徴とする藻類の増殖方法。
  4. 上記藻類が、珪藻である請求項に記載の藻類の増殖方法。
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