JPH09107789A - コンクリート成型物空隙の植栽用充填土壌材および 該植栽用充填土壌材の充填方法 - Google Patents

コンクリート成型物空隙の植栽用充填土壌材および 該植栽用充填土壌材の充填方法

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JPH09107789A
JPH09107789A JP8201498A JP20149896A JPH09107789A JP H09107789 A JPH09107789 A JP H09107789A JP 8201498 A JP8201498 A JP 8201498A JP 20149896 A JP20149896 A JP 20149896A JP H09107789 A JPH09107789 A JP H09107789A
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soil
filling
planting
voids
concrete
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JP8201498A
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English (en)
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Atsushi Yatagai
敦 谷田貝
Kazuto Yoshimori
和人 吉森
Masayuki Ueno
雅之 上野
Shogo Jin
省吾 神
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Nihon Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いアルカリ性を示すポーラスコンクリート
内に植栽を施すために充填するに好適な植栽用充填土壌
材を提供する。 【解決手段】 石灰等を添加せずにアルミニウム系凝集
剤を用いて沈降分離させた浄水場発生土を加熱乾燥し、
造粒もしくは粉砕して得た粉粒状の浄水場発生土乾燥処
理物に、粉粒状の乾燥土、天然及びまたは合成のゼオラ
イト、パーライト、及びバーミキュライトの各基材を混
合した基材混合物に対し、粉砕パルプ及びアルギン酸ナ
トリウムを添加混合する。配合は浄水場発生土乾燥処理
物30〜60容量部、乾燥土10〜20容量部、ゼオラ
イト5〜20容量部、パーライト5〜20容量部、バー
ミキュライト10〜20容量部からなる基材混合物10
00リットルに対し、粉砕パルプ3〜10kg、アルギン
酸ナトリウム6.5〜13kgとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続空隙を有する
ポーラスコンクリートのような植物の根の伸長が物理的
に可能な空隙を有するコンクリート成型物に対して植栽
を可能にするための浄水場発生土を主体とした充填土壌
材、および該充填土壌材の充填方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、土砂掘削により形成される地山
面や、堤防や、造成地の盛土の法面等を保護するため
に、これらの表面をコンクリートをもって被覆する工法
が古くから知られている。
【0003】これらのコンクリート硬化体表面に植栽を
施すには、従来、硬化体の構造を、例えば凹状や段状と
したり、表面に作条したり、或いは、表面及び内部に大
空隙を持った構造とし、それらの凹部や、大空隙中に土
壌等を充填し、適宜流出防止策を講ずることで、コンク
リート硬化体表面緑化の要求に応えてきた。
【0004】しかし、例えば河川の堤防の法面や、頂面
等のように保護すべき面を可能な限り表面を平らにすべ
き場合が多く、また、そうでなくてもコスト及び維持管
理の点から、表面が平らなコンクリート硬化体により保
護される場合が多かった。
【0005】このような平らなコンクリート硬化体の表
面を緑化し、しかも法面等の表面を確実に保護しつつも
優れた景観を安価で、かつ、平易に提供できるものとし
て、内部に植生用の連続空隙を分散させたコンクリート
成型物(通称、ポーラスコンクリート)内に植生用の培
地を充填したものがある。
【0006】この種のコンクリート成型物は、通常は強
いアルカリ性であり、これが地上における多くの植物の
順調な生育を妨げることから、そのアルカリ性を低減す
るための化学的処理、例えば二酸化炭素もしくは燐酸化
合物等による中和処理が求められていた。
【0007】また、従来、ポーラスコンクリート空隙の
植生用充填土壌材として応用できるものとして、土或い
は必要に応じてパーライト等の土壌改良材や肥料を混合
したもの(特開昭53−72304号公報)や、高吸水
性樹脂或いはパルプファイバーを用いる方法(特開昭6
3−532号公報)等が提案されている。この他、速や
かな植生を促すためコンクリート成型物に中和処理を施
し及び/または低アルカリセメントを使用した上で、粉
砕ピートモスを肥料とともにスラリー状にして充填する
方法等(日経コンストラクションP.78,1994.
2.25)が知られている。
【0008】一方、浄水場発生土を使用したものとして
は、これにゼオライト等を混合し園芸用土等を得る方法
(特開平4−197110号公報)や、浄水場発生土、
ゼオライト、(粗粒の)繊維材、肥料、種子及び侵食防
止剤の混合物を用いた法面等の緑化工法(特開平5−2
47943号公報)が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の特開昭53−72304号公報に開示された発明は、
流水に対しての安定性に欠け、植物根が旺盛に伸長する
程度の空隙に充填された状態であれば流亡しやすく、細
かな空隙であれば充填されにくい。また、種類を限定し
ない不特定の土を中心に使用するため原料としての質的
安定性に欠け、その都度、窒素・燐酸・カリの3要素の
肥料は用いる必要があり、雑草種子や害虫・病原菌の除
去根絶も必要となる場合もあるといった難点もあった。
【0010】また前述した従来の特開昭63−532号
公報に開示された発明は高吸水性樹脂或いはパルプファ
イバーを用いているが、細かな空隙の場合、パルプファ
イバーでは十分な充填を行うに必要な量を注入しようと
すれば空隙上部で閉塞を起こし、高吸水性樹脂では空隙
は満たせても吸水時に膨脹し、空隙全体を閉塞してしま
い、充填材としての機能を果たし得ないとともに、特に
パルプファイバーの場合はある程度乾燥すると繊維の絡
みが強化され、植物根の伸長が大いに妨げられる害も発
生する。その上、このような充填材では、窒素・燐酸・
カリの3要素の肥料以外に、場合によっては微量要素肥
料を用いる必要も生じてくることから効率的な材料とは
いい難かった。
【0011】更に前述した日経コンストラクションに示
されたピートモスを主材料として肥料とともにスラリー
状にして用いる方法では、ピートモスを微粉砕して注入
を容易にしたとしても、ピートモス自体がある程度の乾
燥に遭うと撥水性となるため、実際的には親水処理を施
す等の必要があるし、3要素肥料の添加は必須であり、
硬化体に中和処理を施す等の必要がある等の問題があっ
た。
【0012】更に前述した従来の特開平4−19711
0号公報に開示された浄水場発生土を用いた発明は、園
芸用土・育苗培養土等としては優れた機能を持つもので
あるが、ポーラスコンクリートの空隙充填材として考案
されたものではなかったため、空隙充填に必要な懸濁液
(スラリー)を得ようとしても粗粒の浄水場発生土中に
多量に含まれる粘土が強固に結着性を示し、なかなか水
中にて分散せず均質な懸濁状態が得られない上、強力に
攪拌してもゼオライトが多量に含まれるため、ゼオライ
ト粒子が懸濁状態とならない部分の浄水場発生土、即ち
強固に結着し粒状をなす粘土集合とともに分離沈降をき
たし、空隙充填材としての使用には困難があった。な
お、この発明のものを乾燥・粉砕したとしても多量に含
まれるゼオライトの多くは水中に懸濁・分散する粘土部
分と分離し、速やかに沈降してしまい、均質な懸濁液
(スラリー)が得られないし、このようなもので空隙を
充填したとしても特に粘土部分が灌水・流水に対する安
定性はあまりないものであった。
【0013】更に前述した従来の特開平5−24794
3号公報に開示された浄水場発生土を用いた緑化基材は
粗い材料からなり、特に繊維材として掲げているものは
全て粗いので吹き付け用混合物とするならよいが、懸濁
状態にしてポーラスコンクリートの空隙充填材として適
用することはできないし、これを細かい状態にしたとし
ても、この組成では、コンクリート成型物空隙充填のた
めの良好なスラリーは得られず分離沈降し、空隙充填材
としては不適当なものであった。
【0014】このような従来の問題を解決するものとし
て、本発明者らは、特に窒素成分については肥料添加を
必要とせず、充填・安定性・親水性にも富んだ操作性の
高い充填土壌材を開発した(特願平6−155260
号)が、これは、硬化体自体のpH調整は一切不要であ
ったものの、充填材スラリーについては燐酸を用いたp
H調整を行い、かつ原料の1つである浄水場発生土の高
いアルミニウム性により発生する植物の燐酸欠乏を、p
H調整用燐酸のもう1つの作用により防止する必要があ
った。
【0015】本発明は、上述した本発明者らの充填土壌
材の持つ優れた特性に加え、充填土壌材スラリーのpH
調整及び燐酸添加が必ずしも必要でない、より操作性に
優れた配合のコンクリート成型物空隙の植栽用充填土壌
材、および該植栽用充填土壌材の充填方法の提供を目的
としてなされたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題を
解決し、所期の目的を達成するための本発明の特徴は、
石灰等を添加せずにアルミニウム系凝集剤を用いて沈降
分離させた浄水場発生土を加熱乾燥し、造粒もしくは粉
砕して得た粉粒状の浄水場発生土乾燥処理物に粉粒状の
乾燥土、天然及びまたは合成のゼオライト、パーライ
ト、及びバーミキュライトを混合した基材混合物に対
し、粉砕パルプ及びアルギン酸ナトリウムを添加混合し
てなるコンクリート成型物空隙の植栽用充填土壌材にあ
る。
【0017】なお、基材混合物は粒径が3.0mm以下で
あることが好ましく、更に、浄水場発生土乾燥処理物3
0〜60容量部、乾燥土10〜20容量部、ゼオライト
5〜20容量部、パーライト5〜20容量部、バーミキ
ュライト10〜20容量部からなる基材混合物1000
リットルに対し、粉砕パルプ3〜10kg、アルギン酸ナ
トリウム6.5〜13kgの配合が好ましい。
【0018】浄水場発生土乾燥処理物は、浄水場発生土
を80〜200℃の温度で、水分を35%以下に加熱乾
燥したもの、乾燥土は、火山灰土壌の下層土等、粘土を
多く含み組成のなるべく安定した土壌を加熱乾燥したも
のであること及びアルギン酸ナトリウムは純度90%以
上の精製アルギン酸ナトリウムであることが好ましい。
【0019】また、本発明の特徴は、植栽用充填土壌材
に水を添加混練して土壌材スラリーを形成し、植物の根
の伸長が物理的に可能な空隙を有するコンクリート成型
物を前記土壌材スラリー中に浸漬して、前記空隙中に土
壌材スラリーを充填する植栽用充填土壌材の充填方法に
ある。
【0020】なお、土壌材スラリーは、J−14ロート
に満たして完全流下時間を測定する土木学会基準に準じ
た粘性評価方法において、前記完全流下時間が2.00
〜5.00秒であることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を作用と
ともに説明する。
【0022】浄水場発生土には天然河川(懸濁土壌)由
来の優れた粘土と有機質、更には植物生育に必要な各種
養分が含まれ、その組成は季節により若干の変化はある
ものの河川により概ね安定している。含まれる粘土成分
により保水性は高い。
【0023】また、浄水場発生土を80〜200℃で加
熱乾燥することにより、植生に有効な有機または無機態
窒素成分がある程度残存し、しかも雑草種子の発芽の危
険性や病原菌密度等を極めて少なくすることができる。
加熱温度が80℃以下では乾燥効率が極めて悪く、20
0℃を越えれば浄水場発生土中に含まれる「窒素の肥効
を期待できる有機成分」の大部分が非有効化または揮散
してしまうため、可能な限りこの乾燥温度で操作するこ
とが望ましい。
【0024】なお、加熱を行う方式により、上記の範囲
で加熱温度を選択できるが、望ましくはまんべんなく浄
水場発生土の乾燥ができる回転乾燥方式が好ましい。例
えば90℃程度の、外周スチーム回転方式(スチームド
ライヤー)で加熱乾燥した浄水場発生土の場合、「窒素
の肥効を期待できる有機成分」の多くが浄水場発生土中
に残っているが、そのような場合、特に水分は35%以
下に抑えないと製品保管中にカビの発生がおこる。ま
た、水分が多いと、粉体混合時に混合機の内壁に浄水場
発生土成分が固着し、清掃にかなりの経費がかかる場合
もあるので、やはり水分は35%以下に減じる必要があ
る。
【0025】浄水場発生土の配合量が60容量部を越え
ると、スラリー調整時に分離沈降をきたし、30容量部
より少ないと「窒素の肥効を期待できる有機成分」の良
好な供給が難しくなる。また、ポーラスコンクリート空
隙中は、通常、植栽に良好とされる土壌条件よりアルカ
リ性側にあることから、浄水場発生土に含まれるやや過
剰気味の、例えばマンガン等は浄水場発生土が空隙に充
填された後に溶出され難く、植物に吸収されにくい状態
となり、植物に対しての過剰害はほとんど発生しない。
更に、粒径を3.0mm以下とすることにより、特にスラ
リー充填の際はスラリーの懸濁流動性が優れたものとな
る。
【0026】ゼオライトについては、空隙充填材が充填
後あまり緻密にならないような粒度であること、入手が
容易であること等を考慮し、粒径3.0mm以下の細粒状
のものを用いることが好ましいが、その場合、ゼオライ
トの配合割合が20容量部を超えるとスラリー充填の場
合スラリー調整時に特に粒径3.0〜0.1mmの範囲の
ものが他の基材と分離・沈降を起こし空隙充填材として
の組成の均質性を保てなくなり、また5容量部未満では
80〜200℃で加熱乾燥した浄水場発生土中に含まれ
る及び/または有機物より逐次発生するアンモニア態窒
素を肥料成分として合理的に吸着することができない。
また、粒径が0.5mm以下の細かなゼオライトであって
も、その配合割合が20容量部を超えるとスラリー調整
時に他の基材と分離・沈降を起こし空隙充填土壌剤とし
ての組成の均質性を保てなくなる。
【0027】パーライト、バーミキュライトを配合する
ことによって本発明の空隙充填土壌材は乾燥時も緻密な
構造となることがなく、適度な通気・透水性を維持でき
るので根の伸長をより速やかに促すことかできる。この
場合、粒径3.0mm以下のパーライトを5〜20容量部
の範囲、粒径3.0mm以下のバーミキュライトを10〜
20容量部の範囲で基材の一部として配合すれば非配合
の場合に比べ根の伸長が促進され、また、スラリー調整
の際、短時間の混練及び少量の糊材で基材スラリーに優
れた均質性・懸濁流動性を与えることができる。
【0028】なお、パーライトの配合割合が5容量部未
満ではこれらの効果が十分に発現しないばかりか、特に
スラリー調整時に目視にてスラリーの不均質状態を簡単
に確認することが困難となる。この現象は、スラリー調
整時に混合が不十分であれば嵩比重の大きい基材が混合
機底部に分離沈降し、嵩比重の小さい基材が分離浮遊す
る性質に基づくものである。
【0029】またパーライトは白色軽量で分離浮遊した
場合に目立ち、土壌材に通気性を付与できることからこ
れを配合することにより、施工上も植物生育上も、いわ
ゆる使い勝手の良い充填土壌材が得られる。但し、パー
ライトの配合が20容量部を超えると、浮遊部分が常に
多くなってしまい、均質なスラリーが得られないばかり
か、「均質混合の目印」の役割をも果たせなくなる。
【0030】更に、バーミキュライトはパーライトより
良好な保水性を土壌材に付与するだけでなく、スラリー
調整時に嵩比重の違いの大きい基材同士を均質に懸濁混
合させ易くする性質がある。その性質はバーミキュライ
ト配合量が10容量部未満では発現し難い。バーミキュ
ライトを20容量部を超えて配合した場合、その粒度が
0.1mm以下のものであれば充填土壌材は固結しやすく
なり根の伸長を妨げる。
【0031】以上の効果はパーライトとバーミキュライ
トを前掲の配合量において基材として併用することで特
に得られるが、それぞれ単体で用い、どちらか一方を欠
いてもある程度の効果は期待できる。「均質混合の目
印」にしても、バーミキュライトの金色でパーライトの
白色を置き換えることは可能であるが、両者の併用が望
ましい。
【0032】乾燥土の原料としては原則として比較的品
質の安定する火山灰土壌の下層土が好ましい。乾燥方法
は、まんべんなく内容土を加熱できる、キルンによる方
法が望ましく、温度は100〜300℃程度の、粘土鉱
物を破壊しない程度で十分な乾燥が得られる範囲が望ま
しい。乾燥土を配合することにより、火山灰土壌下層土
の持つ強力な保水性を充填土壌材に付与することができ
るし、含まれる粘土(非晶質)により或る程度の緩衝能
を充填土壌材に付与することができる。また、粒径を
3.0mm以下とすることにより、特にスラリー充填の際
の懸濁流動性が優れたものとなる。乾燥土を20容量部
より多く配合するとスラリー調整時に分離沈降をきたす
ことがあり、10容量部より少ない配合であれば保水性
の向上には寄与しない。
【0033】粉砕パルプは少量使用のため単位あたりで
安価であり、しかも繊維径は0.1mm以下、繊維長も1
mm以下のものが殆どであるため、例えば微細粒のピート
モス等より遥かに分散・充填性に富み、かつ充填後の基
材間分離及び空隙充填材の空隙よりの脱落・流亡を比較
的抑止できるので、主として空隙充填土壌材の安定材と
して用いるが、親水性・復水性のある保水材としてもそ
の効果は大きい。
【0034】一方、空隙充填土壌材のスラリー調整時
に、基材混合物1,000リットル当たり粉砕パルプが
3kg未満では、充填後に空隙充填土壌材が灌水又は流水
によってあまりにも容易に流亡し安定性に欠け、また基
材混合物1,000リットル当たり粉砕パルプが10kg
をを超えると、充填時に空隙上部を閉塞し充填を妨げる
ことがあるばかりでなく、仮にやや大きな空隙には充填
できたとしてもパルプの絡み合いが過剰となり、特にや
や乾燥した場合において土壌材内部に伸長した植物根の
生育を著しく妨げてしまう。
【0035】精製アルギン酸ナトリウムは空隙充填土壌
材がスラリー充填後経時的に固化していきやすいよう添
加するものであるが、スラリー調整時に嵩比重の異なる
基材間の分離を防ぎ均質な懸濁状態を得られるよう添加
する意義も大きい。なお、この効果はバーミキュライト
の配合により強化される。
【0036】なお、アルギン酸ナトリウムは必ずしも工
場で同時混合する必要はなく、本発明品を充填使用する
場所(現場)におけるスラリー調整時(希釈混合時)に
別途添加する方法もあり、この方法であれば現場の水質
によって糊材(アルギン酸ナトリウム)量を随時変更す
ることによって良好なスラリーを得ることができる。
【0037】この方法はアルギン酸ナトリウムが水の介
在によりカルシウムイオンと反応してゲル化する性質に
基づいており、使用水中のカルシウムイオンの多少によ
りアルギン酸ナトリウム量を加減できるばかりでなく、
本発明品が使用前に吸湿したような場合でもアルギン酸
ナトリウムが含まれていなければ基材中のカルシウムイ
オンと反応して糊材としての品質が低下してしまうこと
もないのでより確実に土壌材スラリーの調整が可能とな
る。
【0038】また、純度90%以上の精製されたアルギ
ン酸ナトリウムを用いることにより、高純度品であるた
め品質が安定し、かつ少量で前掲効果が発現するため合
理的に使用でき、単位あたりの価格は低純度品よりかえ
って安価となり、その上天然の海藻から抽出された飼料
用食品高分子であるため、多くの合成糊材で問題となる
ような、生物や周囲の環境に悪影響を及ぼすようなこと
はない。
【0039】また、基材混合物1,000リットル当た
り6.5〜13kgの範囲でアルギン酸ナトリウムを添加
することが望ましく、6.5kgより少ないとスラリー充
填後の経時的固化が得られないばかりか混練を長時間行
っても均質な基材スラリーが得られず、基材は速やかに
分離してしまう。更に、このようなものを空隙に充填し
ても、流出部分が多く、仮に充填できても固化までにか
なりな時間も要するため、空隙充填土壌材としては経済
的でなく汎用性にも欠ける。また13kgを超えるとスラ
リー混練中に固化あるいは可使時間が1分以内となるな
ど極端に汎用性に欠けることとなる。充填前に固化或い
は粘度の高い状態になってしまっては空隙には殆ど充填
できず、これらは空隙充填土壌材としては使用できな
い。
【0040】本発明による空隙充填土壌材を用いれば、
コンクリート部分(空隙内)のpH調整を行う必要はな
く、土壌材自体のpH調整も必要ない。それは本土壌材
の緩衝能が高く、かつその土壌材が連続空隙内を殆ど確
実に覆ってしまうため、ペーストからのアルカリの溶出
が低減・抑制されることによる(後記の参考試験1,2
及び図3)。なお、本発明によるコンクリート成型物空
隙の植栽用充填土壌材の、スラリー調整時のpHは概ね
pH6.5〜7.0の範囲に入っている。
【0041】本発明のコンクリート成型物空隙の植栽用
充填土壌材は、スラリー充填後徐々に収縮し、スラリー
調整時の希釈倍率及び周辺雰囲気の違いにより異なる
が、空隙中に占める土壌固形分の割合はその多くが25
%〜60%の範囲となり、他の部分即ち、真に空隙の部
分は空気・水の最も大きな通り道となる。なお、根につ
いては空隙壁を厚く覆っている形の土壌固形分の表面も
しくは内部を伝わり、コンクリート成型物中の空隙を、
アルカリ害を甚大に被ることなく容易に伸長できる(後
記参考試験2および図3)。また、充填物なしのコンク
リート空隙内壁に比べ根の付着性も良い。これらの効果
についても、バーミキュライト及び乾燥土を配合したこ
とにより、先に開発した本発明者らの特願平6−155
260号に係る発明より優れたものとなっている。
【0042】本発明の充填土壌材の製造方法は以下に限
定されるものではないが、浄水場発生土乾燥処理物、乾
燥土、ゼオライト、パーライト、バーミキュライト、粉
砕パルプをレーディゲミキサーで混合した後、アルギン
酸ナトリウムを加え更に混合して本発明品を得る。
【0043】また、本発明品の使用法方としては以下に
限定されるものではないが、パン型強制練りミキサーの
排出部に漏水防止加工したものや緑化用の吹付け混合機
を混練機として用い、同機に水を入れた後、本発明品を
加え混練し、土壌材スラリーを調整後コンクリート成型
物中の空隙に充填する。或いは本発明品を乾燥(粉体)
のまま、テーブルバイブレータ等で振動を与えながらコ
ンクリート成型物中の空隙に充填する。
【0044】そして、本発明品を土壌材スラリーにして
コンクリート成型物中の空隙に充填する場合には、土壌
材スラリー中にコンクリート成型物を浸漬することによ
り好適に充填することができ、この際、コンクリート成
型物に振動を与えることにより更に充填率が向上する。
また、土壌材スラリーの粘性の範囲は、J−14ロート
に満たして完全流下時間を測定する土木学会基準に準じ
た粘性評価方法において、完全流下時間が2.00〜
5.00秒であることが好ましい。
【0045】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。
【0046】実施例1 本発明品の各基材と粉砕パルプの配合 容量部(リットル) 重量部 浄水場発生土乾燥処理物 638 523kg(嵩比重0.82) 乾燥土 206 196kg(嵩比重0.95) ゼオライト 153 130kg(嵩比重0.85) パーライト 118 13kg(嵩比重0.11) バーミキュライト 203 130kg(嵩比重0.64) 小 計 1,318 992kg 粉砕パルプ(基材合計容量1,000リットル当たり6.45kg) 8.5kg 合 計 重 量 1,000.5kg(バッチ配合) 上記配合のものをレーディゲミキサーで3分間混合した
後、得られた混合物にアルギン酸ナトリウム10kg(基
材合計容量1,000リットル当たり7.59kg)を加
え、さらに1分間混合して本発明の充填土壌材を得た。
【0047】実施例2 本発明の各基材と粉砕パルプの配合 容量部(リットル) 重量部 浄水場発生土乾燥処理物 300 246kg(嵩比重0.82) 乾燥土 200 190kg(嵩比重0.95) ゼオライト 200 170kg(嵩比重0.85) パーライト 100 11kg(嵩比重0.11) バーミキュライト 200 128kg(嵩比重0.64) 小 計 1,000 745kg 粉砕パルプ(基材合計容量1,000リットル当たり3kg) 3.0kg 合 計 重 量 748kg(バッチ配合) 上記配合のものをレーデイゲミキサーで3分間混合した
後、得られた混合物にアルギン酸ナトリウム6kg(基材
合計容量1,000リットル当たり6kg)を加え、さら
に1分間混合して本発明の充填土壌材を得た。
【0048】実施例3 本発明の各基材と粉砕パルプの配合 容量部(リットル) 重量部 浄水場発生土乾燥処理物 600 492.0kg(嵩比重0.82) 乾燥土 100 95.0kg(嵩比重0.95) ゼオライト 150 127.5kg(嵩比重0.85) パーライト 50 5.5kg(嵩比重0.11) バーミキュライト 100 64.0kg(嵩比重0.64) 小 計 1,000 784.0kg 粉砕パルプ(基材合計容量1,000リットル当たり10kg) 10.0kg 合 計 重 量 794.0kg(バッチ配合) 上記配合のものをレーディゲミキサーで3分間混合した
後、得られた混合物にアルギン酸ナトリウム13kg(基
材合計容量1,000リットル当たり13kg)を加え、
さらに1分間混合して本発明の充填土壌材を得た。
【0049】実施例4 本発明の各基材と粉砕パルプの配合 容量部(リットル) 重量部 浄水場発生土乾燥処理物 450 369kg(嵩比重0.82) 乾燥土 125 119kg(嵩比重0.95) ゼオライト 125 106kg(嵩比重0.85) パーライト 200 22kg(嵩比重0.11) バーミキュライト 100 64kg(嵩比重0.64) 小 計 1,000 680kg 粉砕パルプ(基材合計容量1,000リットル当たり6.5kg) 6.5kg 合 計 重 量 686.5kg(バッチ配合) 上記配合のものをレーディゲミキサーで3分間混合した
後、得られた混合物にアルギン酸ナトリウム9.5kg
(基材合計容量1,000リットル当たり9.5kg)を
加え、さらに1分間混合して本発明の充填土壌材を得
た。
【0050】実施例5 本発明の各基材と粉砕パルプの配合 容量部(リットル) 重量部 浄水場発生土乾燥処理物 525 430.5kg(嵩比重0.82) 乾燥土 150 142.5kg(嵩比重0.95) ゼオライト 50 42.5kg(嵩比重0.85) パーライト 125 14.0kg(嵩比重0.11) バーミキュライト 150 96.0kg(嵩比重0.64) 小 計 1,000 725.5kg 粉砕パルプ(基材合計容量1,000リットル当たり5kg) 7.5kg 合 計 重 量 733.0kg(バッチ配合) 上記配合のものをレーディゲミキサーで3分間混合した
後、得られた混合物にアルギン酸ナトリウム8kg(基材
合計容量1,000リットル当たり8kg)を加え、さら
に1分間混合して本発明の充填土壌材を得た。
【0051】上述した本実施例に使用した浄水場発生土
壌乾燥処理の分析値は次の通りであった。 水 13.5% 強熱原料 21.8% pH(H2 O,1:5) 6.8 pH(KC1) 6.5 EC(1:5) 2.1ms/cm NH3 −N 226mg/100g NO3 −N 1mg/100g未満 燐酸全量 0.19% カリ全量 0.11% 石灰全量 0.25% 苦土全量 0.20% 交換性石灰(CaO) 184mg/100g 交換性苦土(MgO) 208mg/100g 交換性カリ(K2 0) 17.5mg/100g 陽イオン交換容量 11.5mg/100g 可給態ケイ酸 141mg/100g 可溶性アルミニウム 3.29%
【0052】なお、上記各実施例における供試材料の詳
細は次の通りである。 浄水場発生土乾燥処理物:荒川水系浄水場発生土乾燥物
・90℃、2時間加熱乾燥品 乾燥土:栃木県産火山灰土壌下層土・100℃加熱乾燥
品 ゼオライト:日東粉化工業社飯坂鉱山産・日東ゼオライ
ト#70(商標) パーライト:アサノパーライト社製・アサノパーライト
P−1(商標) バーミキュライト:福島バーミ社製・1mm以下品 アルギン酸ナトリウム:君津化学工業社製・アルギテッ
クス(商標)
【0053】使用例1 100リットル容パン型強制練りミキサーの排出部に漏
水防止加工したものを混練機として用い、同機に水道水
を60kg入れた後、実施例1の各基材と粉砕パルプの配
合による混合物20kgにアルギン酸ナトリウム0.2kg
を加え、約3〜5分間混練し、土壌材スラリーを調整
後、コンクリート成型物中の空隙に充填した。
【0054】また、用いたコンクリート成型物は粗骨材
である5号砕石に、7号珪砂を細骨材としたモルタルを
まんべんなく被覆させ、振動成型して得た、比較的細か
な連続空隙を20〜25%有する、圧縮強度が約180
kgf/cm 2 のポーラスコンクリートの平板であった。
【0055】本使用例による本発明品スラリー調整時の
基本性状は次の通りであった。 1)混練後の可使時間 約60分間 2)混練後静置30分の基材分離量 5%未満 3)pH 6.5〜7.0 4)電気伝導度(ms/cm) 1.5程度
【0056】使用例1による本発明品充填固化後の基本
性状(充填後15日間、乾燥条件にて保管)は次の通り
であった。 1)灌水流亡率(上面50cmよりのシャワー灌水を10分間行った) 3%以内 2)乾燥後再吸水性 1秒以内に吸水開始 3)透水性(cm・s-1) 2〜3 4)充填材を注入した硬化体の空隙pH(H2 O) 9.0内外 対照・5)充填材注入なしの硬化体の空隙pH(H2 O)12.0内外 6)電気伝導度(ms/cm ) 1.0程度
【0057】植栽試験 前記使用例1で得た本発明品のスラリーを、使用例1の
コンクリート成型物と同様の成型物に充填した後、トウ
モロコシ、アルファルファ、コスモス、アリッサムを播
種し生育試験を行った。いずれも屋外の試験であり、灌
水はその多くを雨水に頼った。
【0058】試験1 トウモロコシ(カクテルコー
ン)の栽培試験 試験場所:栃木県茂木町・駐車場際 試験区 :短辺45cm×長辺50cm×深さ10cmの木枠
1を、図1に示すように地表より掘り下げて設置し、そ
の型枠1内の硬土2上に地表高さより下1cmの厚さで7
号珪砂3を固く敷き詰め、植物根の土中への容易な侵入
を妨げるようにしてからその上に15cmの厚さに前出の
ポーラスコンクリート4を打設した。固化後、使用例1
で得た本発明品のスラリーをその空隙中へ充填した。
【0059】 耕種概要:播種/ 平成6年5月20日(覆土は約3m
m) 発芽/ 5月27日 35株植に整理/6月10日 6株植に整理/7月 5日
【0060】生育結果: 根圏が限定されている上に密植にも拘らず、旺盛な生育
を示した。
【0061】試験2 アルファルファの栽培試験 試験場所:栃木県茂木町・駐車場際 試験区 :短辺45cm×長辺50cm×深さ10cmの木枠
1を、図1に示すように地表より掘り下げて設置し、そ
の型枠1内の硬土2上に地表高さより下1cmの厚さで7
号珪砂3を固く敷き詰め、植物根の土中への容易な侵入
を妨げるようにしてからその上に15cmの厚さに前出の
ポーラスコンクリート4を打設した。固化後、使用例1
で得た本発明品のスラリーをその空隙中へ充填した。
【0062】 耕種概要:播種/平成6年5月20日(覆土は約3mm) 発芽/ 5月24日
【0063】生育結果: 根圏が限定されている上に密植にも拘らず、旺盛な生育
を示した。
【0064】試験3 コスモス(センセーショナル)の
栽培試験 試験場所:東京都江東区・ビル5階屋上 試験区 :前出のポーラスコンクリートを1辺が30cm
の正方形で厚さが10cmの平板状のポーラスコンクリー
ト板として作成し、図2に示すように、屋上コンクリー
ト5上に防水ゴムマット6を敷き、その上に厚さ1〜2
cmの人工軽量培養土7を敷いた後、その上に上記ポーラ
スコンクリート板8に使用例1で得た本発明品のスラリ
ーを充填したポーラスコンクリート板8を設置した。
【0065】 耕種概要:播種/平成6年7月 8日(覆土は約3mm) 発芽/ 7月12日 開花始め/ 9月10日 開花盛期/ 10月15日〜11月5日
【0066】生育結果:
【0067】試験4 アリッサムの栽培試験 試験場所:東京都江東区・ビル5階屋上 試験区 :試験3と同様に作成し設置した人工軽量培養
土上に使用例1で得た本発明品のスラリーを充填したポ
ーラスコンクリート板8を設置した。
【0068】 耕種概要:播 種/平成6年7月 8日(覆土は約3mm) 発 芽/ 7月14日 発芽率 65% 生育調査/ 8月22日 平均草丈 15.2cm 標準偏差 1.86 開花盛期/ 9月 3日〜9月20日 (当年秋季) 根の貫通/ 9月10日 開花盛期/平成7年4月15日〜5月15日 (翌年春季) 生育調査/ 5月 8日 平均草丈 22.0cm 標準偏差 2.35
【0069】参考試験1 pH変化 上記試験3,4に使用したポーラスコンクリート板自体
と、これに本発明品を充填したものとのpHの相違を測
定した。なお、使用したポーラスコンクリート板は打
設、養生、脱型、材令等及び試験条件に関しては全て同
一とした。
【0070】また、試験はそれぞれの供試体上部より、
pH7.2の水道水を5.4リットル/分の流量で流下
させ、底部より流出した透過水を約150ミリリットル
回収してpHを測定した。
【0071】結果は次の通りであった。 本発明品充填物 :pH 9.3 ポーラスコンクリートのみ:pH11.7
【0072】参考試験2 根の伸長状況 試験1〜4による植栽後のポーラスコンクリートを破壊
して根の伸長状況を調べた結果、図3に示すように、粗
骨材10を覆ったモルタル11の外周に本発明品の土壌
材層12があり、植物根13は土壌材層12の表面を伝
いもしくは内部を貫きつつ伸長していた。
【0073】充填性能確認試験 試験条件: ポーラスコンクリート成型物の空隙率は試験体質量から
算出した。
【0074】 土壌材スラリーの粘性は、土木学会基準に準じて、J−
14ロートに土壌材スラリーを満たして完全流下時間を
測定した。
【0075】 浸漬の場合(1〜4,6〜9)は、土壌材スラリーを収
容した容器内に試験体を浸して充填し、注入の場合
(5,10)は、試験体の上面に土壌材スラリーを注ぎ
掛けて充填した。また、振動の場合(1〜3,6〜8)
は、テーブルバイブレーター上に試験体を載置して行っ
た。
【0076】試験結果: 土壌材スラリーの充填作業停止後しばらくの間は、試験
体から土壌材スラリーが漏出するが、浸漬の場合(1〜
4,6〜9)は、注入の場合(5)に比して短時間で漏
出が停止するため、充填作業が効率化され、充填設備の
汚れも少ない。
【0077】 充填作業終了から1時間経過後は、試験体からの土壌材
スラリーの漏出が停止した安定した状態であり、この状
態において、浸漬の場合(1〜4,6〜9)の充填率
は、注入の場合(5,10)よりも高く、植生に必要な
充填率(60%以上)を上回るものであった。また、振
動を与えた場合(1〜3,6〜8)には、無振動の場合
(4,9)に比して更に充填率が向上した。
【0078】
【発明の効果】上述したように本発明による植栽用充填
土壌材は、植物根の伸長が物理的に可能な空隙を有する
コンクリート成型物への以下の効果を有する。 充填土壌そのものが植物の培養基として適し、多くの
場合肥料の添加を必要としない。 本土壌材には高い緩衝能があるため、コンクリート成
型物に対して特別な中性化のための処理を直接施すこと
なく、植生が可能となる。 充填土壌材スラリーのpH調整及び浄水場発生土のア
ルミニウム性を抑制する燐酸添加を必ずしも必要としな
い。 一種の産業廃棄物である浄水場発生土を使用している
ので、廃棄物の有効利用となる。 空隙への均一な充填が速やかにできる。 保水性に富み、流水に対しての安定性が高い。 充填材が空隙を満たしたとしても透水性を損なうこと
なく植物根の伸長を妨げることもないので生育が順調に
行われる。
【0079】また、本発明による植栽用充填土壌材の充
填方法は、コンクリート成型物の空隙に植生用充填土壌
材を、植生に十分な充填率で好適に充填することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明品を用いた植栽試験の一例を示す断面図
である。
【図2】本発明品を用いた植栽試験の一例を示す他の例
の断面図である。
【図3】本発明品を用いた植栽試験における根の伸長状
況を示す断面図である。
【符号の説明】
1 木枠 2 硬土 3 珪砂 4 ポーラスコンクリート 5 屋上コンクリート 6 防水ゴムマット 7 人工軽量培養土 8 ポーラスコンクリート板 10 粗骨材 11 モルタル 12 土壌材層 13 根
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神 省吾 東京都江東区清澄1丁目2番23号 日本セ メント株式会社中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石灰等を添加せずにアルミニウム系凝集
    剤を用いて沈降分離させた浄水場発生土を加熱乾燥し、
    造粒もしくは粉砕して得た粉粒状の浄水場発生土乾燥処
    理物に粉粒状の乾燥土、ゼオライト、パーライト、及び
    バーミキュライトの各基材を混合した基材混合物に対
    し、粉砕パルプ及びアルギン酸ナトリウムを添加混合し
    てなるコンクリート成型物空隙の植栽用充填土壌材。
  2. 【請求項2】 基材混合物の各基材の粒径が3.0mm以
    下である請求項1に記載のコンクリート成型物空隙の植
    栽用充填土壌材。
  3. 【請求項3】 浄水場発生土乾燥処理物30〜60容量
    部、乾燥土10〜20容量部、ゼオライト5〜20容量
    部、パーライト5〜20容量部、バーミキュライト10
    〜20容量部からなる基材混合物1000リットルに対
    し、粉砕パルプ3〜10kg、アルギン酸ナトリウム6.
    5〜13kgを混合してなる請求項1もしくは2に記載の
    コンクリート成型物空隙の植栽用充填土壌材。
  4. 【請求項4】 浄水場発生土乾燥処理物は、浄水場発生
    土を80〜200℃の温度で、水分35%以下に加熱乾
    燥したものである請求項1,2もしくは3に記載のコン
    クリート成型物空隙の植栽用充填土壌材。
  5. 【請求項5】 乾燥土は、火山灰土壌の下層土等、粘土
    を多く含む土壌を加熱乾燥したものである請求項1〜3
    もしくは4に記載のコンクリート成型物空隙の植栽用充
    填土壌材。
  6. 【請求項6】 アルギン酸ナトリウムは純度90%以上
    の精製アルギン酸ナトリウムである請求項1〜4もしく
    は5に記載のコンクリート成型物空隙の植栽用充填土壌
    材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5もしくは6に記載の植栽用
    充填土壌材に水を添加混練して土壌材スラリーを形成
    し、植物の根の伸長が物理的に可能な空隙を有するコン
    クリート成型物を前記土壌材スラリー中に浸漬して、前
    記空隙中に土壌材スラリーを充填する植栽用充填土壌材
    の充填方法。
  8. 【請求項8】 土壌材スラリーは、J−14ロートに満
    たして完全流下時間を測定する土木学会基準に準じた粘
    性評価方法において、前記完全流下時間が2.00〜
    5.00秒である請求項7に記載の植栽用充填土壌材の
    充填方法。
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