JPH09182526A - 人工土とその製造法 - Google Patents

人工土とその製造法

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JPH09182526A
JPH09182526A JP7353217A JP35321795A JPH09182526A JP H09182526 A JPH09182526 A JP H09182526A JP 7353217 A JP7353217 A JP 7353217A JP 35321795 A JP35321795 A JP 35321795A JP H09182526 A JPH09182526 A JP H09182526A
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JP
Japan
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particles
particle size
coarse particles
industries
soil
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JP7353217A
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Inventor
Yasuyuki Miyamoto
保之 宮本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】利用目的や用途などに応じて、その工学的な性
質を自由自在に調製できる人工土を提供する。 【解決手段】天然土の粘土とシルトに代る細粒分とし
て、製造業や鉱業、建設業、その他のあらゆる産業や一
般家庭などから排出される粒径−約74ミクロン以下の
汚泥を採用する一方、同じく天然土の砂とレキに代る粗
粒分として、上記あらゆる産業や一般家庭などから排出
される各種材質の固形廃棄物を粒径−約74ミクロン以
上に解砕したチツプ、又は/及びそのチツプと同視し得
る籾殻や鋳物廃砂、キユポラスラグなどの固有粒子を採
用して、上記細粒分と粗粒分とを所定の粘性や強度、重
量、保水性、透水性、その他の工学的性質が得られるよ
うに混合調製した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は利用目的や用途など
に応じて、その工学的な性質を自由自在に調製可能な人
工土と、その製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に土質工学上、土とは細粒分(粘土
・シルト)と粗粒分(砂・レキ)との混合物(集合体)
であると定義されており、その細粒分と粗粒分の粒径が
JIS規格において、図のように区分されている。これ
によれば、その細粒分と粗粒分との何れか一方を欠いた
物は、もはや土であると言うことができない。
【0003】このような土は従来から天然生成物である
と考えられており、地層そのものを農地や宅地などとし
て利用したり、或いは地層から部分的に採取してセメン
トや土器、その他の各種材料や製品などに利用したりし
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
現状では利用目的や用途などに応じた粘性、透水性、強
度、重量、保水性、その他の工学的性質を備えた天然土
が、その採取上次第に無くなるほか、自然破壊や農地の
荒廃などを招く結果となる。
【0005】又、地震での経験や法令上の制限、その他
の社会的な変化により、土に要求される工学的な性質が
多岐に亘りつつあるにも拘らず、上記地層からの採取や
その宿命的な土地利用にとどまる限りでは、天然の条件
に左右されてしまうため、上記要求に応じることも困難
である。
【0006】尚、最近では所謂リサイクル法の施行に鑑
み、例えば宅地の解体材や土木工事現場から発生する抜
根材などの廃棄物を炭化させて、その粉炭を住宅用の調
湿剤や肥料に利用したり、或いは鋳物の廃砂を焼却固化
し、土壌改良材として利用したりすることが提案されて
もいるが、これらは本発明の対象とする人工土と言うこ
とができない。
【0007】蓋し、天然土の上記定義に徴して、その廃
棄物の粉炭や鋳物廃砂は約74ミクロン以上の粒径を備
えた粗粒分に該当し、上記粘土並びにシルトに相応する
細粒分との混合物(集合体)ではないからである。
【0008】何れにしても、利用目的や用途などに応じ
て、そのその粘性や透水性、耐水性、強度、重量、その
他の各種工学的な性質を自由自在に調製できる人工土
は、未だ提供されていない現状である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
の抜本的な解決を企図しており、そのために役立つ人工
土としての構成上天然土の粘土とシルトに代る細粒分と
して、製造業や鉱業、建設業、その他のあらゆる産業や
一般家庭などから排出される粒径−約74ミクロン以下
の汚泥を採用する一方、同じく天然土の砂とレキに代る
粗粒分として、上記あらゆる産業や一般家庭などから排
出される各種材質の固形廃棄物を粒径−約74ミクロン
以上に解砕したチツプ、又は/及びそのチツプと同視し
得る籾殻や鋳物廃砂、キユポラスラグなどの固有粒子を
採用して、上記細粒分と粗粒分とを所定の粘性や強度、
重量、保水性、透水性、その他の工学的性質が得られる
ように混合調製したことを特徴とするものである。
【0010】又、上記人工土の製造方法として、天然土
の粘土とシルトに代る細粒分として、製造業や鉱業、建
設業、その他のあらゆる産業や一般家庭などから排出さ
れる粒径−約74ミクロン以下の汚泥を採用する一方、
同じく天然土の砂とレキに代る粗粒分として、上記あら
ゆる産業や一般家庭などから排出される各種材質の固形
廃棄物を粒径−約74ミクロン以上に解砕したチツプ、
又は/及びそのチツプと同視し得る籾殻や鋳物廃砂、キ
ユポラスラグなどの固有粒子を採用して、上記細粒分の
脱水ケーキを解砕・分粒した後、回転ドラムに投入する
と共に、その細粒分の表面に上記粗粒分を被着させる如
く混合することを第1の特徴とし、
【0011】同じく天然土の粘土とシルトに代る細粒分
として、製造業や鉱業、建設業、その他のあらゆる産業
や一般家庭などから排出される粒径−約74ミクロン以
下の汚泥を採用する一方、同じく天然土の砂とレキに代
る粗粒分として、上記あらゆる産業や一般家庭などから
排出される各種材質の固形廃棄物を粒径−約74ミクロ
ン以上に解砕したチツプ、又は/及びそのチツプと同視
し得る籾殻や鋳物廃砂、キユポラスラグなどの固有粒子
を採用して、上記細粒分の脱水ケーキを解砕・分粒した
後、上記粗粒分と一緒にミキサーへ投入・混練して、そ
の細粒分の内部に粗粒分を埋入させる如く結合一体化す
ることを第2の特徴とし、
【0012】更に、天然土の粘土とシルトに代る細粒分
として、製造業や鉱業、建設業、その他のあらゆる産業
や一般家庭などから排出される粒径−約74ミクロン以
下の汚泥を採用する一方、同じく天然土の砂とレキに代
る粗粒分として、上記あらゆる産業や一般家庭などから
排出される各種材質の固形廃棄物を粒径−約74ミクロ
ン以上に解砕したチツプ、又は/及びそのチツプと同視
し得る籾殻や鋳物廃砂、キユポラスラグなどの固有粒子
を採用して、上記細粒分と粗粒分とを混合調製した後、
目的とする形状に成形すると共に、その成形品を焼結固
化することを第3の特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を具体的に説
明すると、その人工土は下記の表1に例示した組成分か
ら明白なように、天然土の粘土とシルトに代る細粒分と
して、製造業や建設業などのあらゆる産業上並びに生活
上排出される豆腐粕・魚貝類の残渣汚泥やその他の食品
汚泥、製紙汚泥、生活汚泥水、砕石汚泥、砂利プラント
汚泥、生コンクリート汚泥、ダム湖底汚泥、その他の粒
径が約74ミクロン以下の各種汚泥を採用する。
【0014】又、同じく天然土の砂とレキに代る粗粒分
として、やはりあらゆる産業並びに生活上排出されるゴ
ム・竹・紙・木・瓦・ガラス・金属・コンクリート・合
成樹脂、その他の各種材質の固形廃棄物から、約74ミ
クロン以上の粒径に加工されたチツプを採用する。但
し、その解砕や分粒、その他の人為的な加工を施した上
記チツプのみならず、それ自身として上記粒径を備えた
籾殻や炭粉、オガ屑、鋳物廃砂、キユポラスラグなどの
固有粒子も、本発明の粗粒分として採用することができ
る。
【0015】
【表1】
【0016】そして、上記のような粒径−約74ミクロ
ン以下の細粒分と粒径−約74ミクロン以上の粗粒分と
を、希望する粘性や強度、重量、密着力、耐水性、透水
性、保水力、その他の工学的性質が得られるように混合
調整し、その利用目的や用途などに最適の人工土として
製造するのである。
【0017】(1) 即ち、上記工学的性質のうち、粘性
は細粒分の混合比率を増す程向上し、逆に粗粒分の混合
比率を増す程低下するので、例えば農芸用や建築用の人
工土として製造するに当っては、下記表2に示す組成分
を採用する。
【0018】
【表2】
【0019】そして、その粗粒分の約70%と細粒分の
約30%とを混合させることにより、水や空気が流通し
やすいサラサラした畑地用の人工土を得ることができ、
同じく粗粒分の約40〜50%と細粒分の約50〜60
%とを混合させることにより、粘性の高いネバネバした
水田用の人工土や壁材などの建築資材用人工土を得るこ
とができるのである。その粘性度は手で握り持った時の
ベタツキ具合いにより、簡単に判断することができる。
又、上記粗粒分としての固形廃棄物である貝殻やカニ
殻、魚・獣骨、木皮、ホダ木、樹根、コンクリート、陶
芸品、印鑑、石、土管、ブロツク、タイル、タイヤ、ゴ
ザ、絨毯、瓦、ガラス、建具、建築資材などの解砕チツ
プ、キユポラスラグは圧力変化し難いため、その混合比
率を増すと粘性が低下しやすい。他方、上記粗粒分とし
ての鋳物廃砂は粘性の向上にとって、顕著な効果を発揮
し得る。蓋し、ベントナイトや水酸化ナトリウムによる
コロイド成分が、その砂に付着しているからである。
【0020】(2) 更に、細粒分として食品汚泥以外の
各種産業汚泥を採用すると共に、粗粒分として上記鋳物
廃砂とキユポラスラグを併用し、その細粒分の約30%
と粗粒分の約70%とを混合させるならば、壁材や屋根
葺き材などの建築資材用に最適な優れた密着力の人工土
を得ることができる。つまり、密着力は高い粘性と小さ
な収縮率との二極調和によって達成される関係上、上記
鋳物廃砂によって粘性を向上させる一方、その鋳物廃砂
の粒径範囲が表3のように狭く、収縮率の大きい点を、
これと相反する性質のキユポラスラグによって補償すれ
ば、その密着力を向上させることができるからである。
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】上記の表3は本発明者から三重県生コンク
リート工業組合、伊賀支部共同試験場に搬入した鋳物廃
砂について、その粒度試験を受けた結果の成績表であ
り、又表4は同じくキユポラスラグについて、その粒度
試験を受けた結果の成績表である。上記キユポラスラグ
は多数の気孔を有し、これに含まれた水分が蒸発する
時、引張り合う如く収縮作用して、大きな密着力を発揮
するため、その水分量の多い程密着力も強くなる。但
し、粒径範囲が広く、収縮率の小さな粗粒分である限
り、上記キユポラスラグに代るオガ屑を初め、粉砕した
籾殻や発泡スチロールなどを採用しても、ほぼ同等の密
着力を得ることができる。その結果、強い密着力を備え
た人工土は従来の化学薬品から成る接着材に代る新しい
接着材として、建物の屋根葺き材や内装材に適用するこ
とができ、その内装材としての使用により、人体のアレ
ルギーや喘息などの予防に役立つ。
【0024】(3) 一般に、埋立地盤や法面などには強
度が要求されるが、その強度のある人工土を製造する場
合には、上記細粒分として食品汚泥以外の各種産業汚泥
を採用すると共に、粗粒分として鋳物廃砂やキユポラス
ラグを採用し、その粗粒分の約60%と細粒分の約40
%とを混合させれば良い。尚、茲に強度は焼結や炭化な
どの加工を施すことにより、人為的に向上させることが
できるが、その加工については後述する。
【0025】(4) 河川や雨水などにさらされるも流失
しない力を耐水力と言うが、その耐水力のある人工土を
製造するに当っては、細粒分として食品汚泥以外の各種
産業汚泥を採用し、その約40%に対して粗粒分の鋳物
廃砂を約60%だけ混合させれば良い。密着力について
上記したように、鋳物廃砂ではベントナイトや水酸化ナ
トリウムによるコロイド成分が、その砂に付着している
ため、雨水などに侵蝕されない人工土を得ることがで
き、その人工土を田畑の漏水防止や建物の土蔵、土塀
(擁壁)、室内の水廻り個所などに使用し得るのであ
る。但し、上記鋳物廃砂の粒度分布は悪く、その粒径範
囲が狭いので、これを補償するために、ゴム・コンクリ
ート・陶芸品・石・土管・ブロツク・タイル・瓦・ガラ
ス・発泡スチロールなどの廃棄物を解砕したチツプやキ
ユポラスラグ、その他の吸水性がない粗粒分を、上記鋳
物廃砂の混合量に対する約20%だけ更に混入すること
が効果的である。
【0026】(5) 天然土の比重はその含有鉱物粒子の
平均として、一般に2.55〜2.75であり、その重
いことが労働者の高齢化や車両の過積載規制、建物の耐
震性などに不利を生じている。この点、本発明では下記
の表5−Aと表5−Bの組成分から明白なように、重い
細粒分に対しては軽い粗粒分を、逆に軽い細粒分に対し
ては重い粗粒分を各々混合させることにより、全体とし
て軽量な人工土を製造することができる。特に、軽量な
細粒分と粗粒分は、その焼結した場合に灰化するため、
その人工土の軽量化に大変役立つ。上記細粒分と粗粒分
との混合比率については、利用目的とする密着力や耐水
性、その他の工学的性質に応じた各別に選定すれば良
い。
【0027】
【表5−A】
【0028】
【表5−B】
【0029】(6) 保水力については、粒子自身の吸水
性能による保水力と、粒子同志の表面張力による保水力
との2種が考えられるが、前者の保水力に富む人工土を
製造するに場合には下記の表6−Aに示す組成分を採用
し、後者の保水力に優れた人工土を得る場合には表6−
Bの組成分を採用して、その何れも細粒分と粗粒分との
約50%づつを混合すれば良い。
【0030】
【表6−A】
【0031】
【表6−B】
【0032】つまり、吸水し難い粒子であればある程、
一旦吸水すると排水し難いため、その吸水性能による保
水力を昂める場合には、表6−Aの組成分から明白なよ
うに、その細粒分と粗粒分との何れも吸水し難い物を採
用する。他方、表面張力による保水力を昂める場合に
は、表6−Bの組成分から示唆される通り、その粒子同
志の相互間隙が表面張力の働く限りにおいて大きく確保
されるような細粒分と粗粒分を採択するのである。そし
て、上記保水力に富む人工土は日照り続きに作物を守る
と共に、肥料分の流失を防ぐ培地として、又庭園や公
園、植物観賞室の壁材や床材などとして利用することが
できる。
【0033】(7) 上記保水力の高くなり過ぎること
は、余分な水までも保持することを意味するため、その
人工土の用途次第では逆に病害などの起りやすい問題が
ある。このような場合には、透水性が要求されることに
なるが、その透水性に富む人工土を製造するに当って
は、下記の表7に示す組成分を採用すれば良い。
【0034】
【表7】
【0035】つまり、その細粒分と粗粒分との何れも吸
水し難い物を採択して、余分な水を保持しない飽和状態
に保つのである。又、保水性について上記した表面張力
を働かせない粗粒分の採用により、透水性を維持するこ
とも可能である。その何れにしても、透水性に富む人工
土は通気性や保温性にも役立つため、例えば作物の根に
酸素を多く供給できる培地として、歩行しやすい歩道と
して、更には乾燥しやすい建物の壁材や床材などとして
利用することができる。
【0036】(8) 上記細粒分として臭いの発散しない
産業汚泥を採用すると共に、粗粒分として多孔質な籾殻
燻炭やヤシ殻炭などの炭化物、キユポラスラグを採用し
て、その細粒分の約30〜50%と粗粒分の約50〜7
0%とを混合することにより、吸臭性に富む人工土を製
造することも可能である。これによれば、田畑に混入し
た有機物が醗酵時に悪臭を放つ問題の解決に役立つ培地
として、又愛玩動物などの臭気を抑える建築資材とし
て、有効に利用できることとなる。
【0037】(9) 又、同じく細粒分として臭いの発生
しない産業汚泥を採用する一方、粗粒分としてオガ屑や
カンナ屑、製材チツプを採用すると共に、その粗粒分を
約70%の比率として細粒分に混合させることにより、
芳香性に富む人工土を製造することもできる。このよう
な人工土から成る壁材を建物の寝室などに採用すれば、
森林浴効果を発揮させることができることになり、居住
性を昂め得るのである。
【0038】(10) 上記人工土の軽量化は、その組成分
に有機物を採用することによって、一層向上させること
ができる。その有機性に富む人工土を製造するに当って
は、下記の表8−Aや表8−Bに示す組成分を採用し
て、その何れも細粒分と粗粒分とを約50%づつ混合す
れば良い。
【0039】
【表8−A】
【0040】
【表8−B】
【0041】つまり、その細粒分として有機物の食品汚
泥を採用する場合には、粗粒分として鉱物を採用する一
方、細粒分として非有機物の産業汚泥を採用する場合に
は、粗粒分として有機物を採用するのである。このよう
な有機人工土を培地として使用すれば、その有機物が肥
料として、作物に吸収されるため、施肥量を節約できる
ほか、土壌微生物の繁殖を活発化し得る利点もあり、更
には軽量性を利用して輸送することにより、砂漠のよう
に荒廃した土地の緑化にも役立つと言える。
【0042】(11) 熱を吸収しやすいこと、熱を放出し
難いこと或いは外部温度に影響され難いことを総称し
て、保温性ありと言うことができるが、その保温性に富
む人工土を製造する場合には、下記の表9に示す組成分
を採用して、その粗粒分の約60%を残る約40%の細
粒分と混合させれば良い。
【0043】
【表9】
【0044】このような人工土を培地として使用すれ
ば、植物の開花時期や作物の収穫時期を人工的に変える
ことができるため、その高価な取引が可能となり、又生
育の促進によって、その栽培管理の省力化に役立つ。更
に、建物の壁材として使用すれば、太陽熱の確保によ
り、生活費の節減にもなると言える。
【0045】(12) 上記細粒分としての食品汚泥やその
他の産業汚泥は、すべて含水率が高いので、これに含水
率の低い乾燥した粗粒分を混合させることにより、その
人工土を骨材化又は岩石化できると共に、その粒度の大
小調整も行なえる。その製造上の組成分としては、表1
に記載のそれを採用することができるが、殊更粗粒分と
して鋳物廃砂を採用して、その約30〜40%を残る6
0〜70%の細粒分と混合させるならば、その鋳物廃砂
の砂にはベントナイトや水酸化ナトリウムによるコロイ
ド成分が付着しているため、その固形化と粒度の調整を
一層容易に行なうことができる。
【0046】即ち、その製造装置は図示省略してある
が、細粒分としての食品汚泥やその他の各種産業汚泥を
フイルタープレスや遠心分離機により脱水して、その固
形化した脱水ケーキを解砕・分粒した上、変速運転可能
な回転ドラムのホツパーに投入する一方、その表面に粗
粒分である廃棄物のチツプをふりかけて、その回転ドラ
ムの回転作用により被着状態に混合一体化するのであ
る。
【0047】そうすれば、一定粒度に骨材化した人工土
として、回転ドラムから取り出すことができる。しか
も、上記脱水ケーキの含水率を予じめ散水量により調整
したり、上記粗粒分のふりかけ量を加減したり、或いは
回転ドラムの回転速度を変速したりすることによって、
その人工土の大きさ(粒度)を人為的に調整することも
できる。上記散水量を増せば、脱水ケーキの含水率は高
く、粒度が大きくなる。又、粗粒分のふりかけ量を増し
たり、回転ドラムを速く回転させたりすると、やはり粒
度は大きくなるからである。
【0048】但し、上記回転ドラムに代るミキサーを用
いて、これに上記細粒分と粗粒分とを一緒に投入・混練
し、その細粒分の内部に至るまで粗粒分が埋入する如
く、その両者の結合一体化した骨材状態の人工土とし
て、そのミキサーから取り出す製造法も採用することが
できる。その場合、上記ミキサーから取り出した人工土
を粒度調整スクリーンなどに押し出し通過させた後、回
転カツターなどで切断することにより、その粒度を大小
調整すれば良い。
【0049】何れにしても、上記人工土はその回転ドラ
ムやミキサーから取り出した後に乾燥させることによ
り、更には焼結硬化することにより、庭園や公園の玉石
を初め、コンクリート二次製品の骨材、団粒化した土壌
などとして有効に利用することができる。
【0050】(13) 又、下記の表10−Aから明白なよ
うに、約600〜1200℃の経済的な温度では焼結又
は炭化しやすい細粒分と、その焼結又は炭化し難い粗粒
分とを混合して、目的とする各種形状に成形し、その成
形品を上記温度のもとで焼結固化することも可能であ
る。
【0051】
【表10−A】
【0052】このようにして作られた人工土では、その
内部に上記焼結又は炭化による空洞が生ずるため、上記
吸水性や通気性、保温性、重量などの各種工学的性質を
改善することができ、又その焼結硬化により耐水性や強
度も著しく向上することになり、天然土では考えられな
い軽量・高強度な人工土を得られるのである。 その結
果、上記人工土を例えばブロツクやレンガ、タイルなど
に形作れば、乾式の貼り壁や積み壁、壁パネルなどの建
築資材、路盤材、公園の手摺りなどとして活用でき、そ
の通気性により建物からダニやカビなどの発生も防止し
得ることになる。そして、上記効果を有する人工土は下
記の表10−Bに示すように、やはり約600〜120
0℃の温度下において、焼結又は炭化し難い細粒分と、
その焼結又は炭化しやすい粗粒分とを混合して、同様に
成形と焼結を行なうことによっても、容易に製造するこ
とができる。その粗粒分は容易に灰化してしまうため、
上記焼結温度としても低く設定でき、実益大である。
【0053】
【表10−B】
【0054】(14) 尚、先には粘性や強度、重量、耐水
性、密着力などの各種工学的性質を個々に説明したが、
その各種性質を重畳的又は相乗的に備えた人工土として
調製することもできることは、勿論である。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の人工土は天然土
の粘土とシルトに代る細粒分として、製造業や鉱業、建
設業、その他のあらゆる産業や一般家庭などから排出さ
れる粒径−約74ミクロン以下の汚泥を採用する一方、
同じく天然土の砂とレキに代る粗粒分として、上記あら
ゆる産業や一般家庭などから排出される各種材質の固形
廃棄物を粒径−約74ミクロン以上に解砕したチツプ、
又は/及びそのチツプと同視し得る籾殻や鋳物廃砂、キ
ユポラスラグなどの固有粒子を採用して、上記細粒分と
粗粒分とを所定の粘性や強度、重量、保水性、透水性、
その他の工学的性質が得られるように混合調製した構成
であるため、冒頭に述べた従来技術の課題を抜本的に解
決できる効果がある。
【0056】即ち、本発明の上記構成によれば、天然土
の砂とレキに代る粗粒分の選定と、その粗粒分と細粒分
との混合比率の人為的な調整によって、利用目的や用途
などに応じた最適の工学的性質を備えた人工土を容易に
得ることができ、各種用途に広く活用し得るのである。
【0057】しかも、上記細粒分は各種産業や一般家庭
などから排出される食品汚泥、その他の各種産業汚泥で
あり、又粗粒分も固形廃棄物のチツプを初め、これと同
視し得る固有粒子としての籾殻やキユポラスラグ、鋳物
廃砂、オガ屑などの言わば廃棄物であるため、容易に入
手することができ、これらの廃棄物から安価な人工土と
して再生し得る効果がある。
【0058】上記粗粒分としての産業廃棄物には、人体
にとっての有害物も無しと言えないが、そのうち特に籾
殻や炭粉、オガ屑、鋳物廃砂、キユポラスラグを採用す
るならば、有害性に問題がないばかりでなく、大量に入
手しやすく、又取扱いやすいため、一層効果的であると
言える。
【0059】又、上記人工土を製造するに当り、請求項
2又は3に記載の方法を採用するならば、その目的とす
る粒度の人工土をありふれた装置の使用により、安価に
大量生産することができ、回転ドラムの回転速度、脱水
ケーキの含水率或いは粗粒分のふりかけ量などによっ
て、その人工土の粒度を人為的に調整し得る効果があ
る。
【0060】更に、請求項4の製造法によれば、目的と
する形状の人工土をやはり容易に焼結硬化することがで
き、その粗粒分の選定とも相俟って、上記人工土の利用
目的や用途などをますます広め得る効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図】天然土の粒径区分と呼び名を示す説明図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然土の粘土とシルトに代る細粒分とし
    て、製造業や鉱業、建設業、その他のあらゆる産業や一
    般家庭などから排出される粒径−約74ミクロン以下の
    汚泥を採用する一方、 同じく天然土の砂とレキに代る粗粒分として、上記あら
    ゆる産業や一般家庭などから排出される各種材質の固形
    廃棄物を粒径−約74ミクロン以上に解砕したチツプ、
    又は/及びそのチツプと同視し得る籾殻や鋳物廃砂、キ
    ユポラスラグなどの固有粒子を採用して、 上記細粒分と粗粒分とを所定の粘性や強度、重量、保水
    性、透水性、その他の工学的性質が得られるように混合
    調製したことを特徴とする人工土。
  2. 【請求項2】天然土の粘土とシルトに代る細粒分とし
    て、製造業や鉱業、建設業、その他のあらゆる産業や一
    般家庭などから排出される粒径−約74ミクロン以下の
    汚泥を採用する一方、 同じく天然土の砂とレキに代る粗粒分として、上記あら
    ゆる産業や一般家庭などから排出される各種材質の固形
    廃棄物を粒径−約74ミクロン以上に解砕したチツプ、
    又は/及びそのチツプと同視し得る籾殻や鋳物廃砂、キ
    ユポラスラグなどの固有粒子を採用して、 上記細粒分の脱水ケーキを解砕・分粒した後、回転ドラ
    ムに投入すると共に、その細粒分の表面に上記粗粒分を
    被着させる如く混合することを特徴とする人工土の製造
    法。
  3. 【請求項3】天然土の粘土とシルトに代る細粒分とし
    て、製造業や鉱業、建設業、その他のあらゆる産業や一
    般家庭などから排出される粒径−約74ミクロン以下の
    汚泥を採用する一方、 同じく天然土の砂とレキに代る粗粒分として、上記あら
    ゆる産業や一般家庭などから排出される各種材質の固形
    廃棄物を粒径−約74ミクロン以上に解砕したチツプ、
    又は/及びそのチツプと同視し得る籾殻や鋳物廃砂、キ
    ユポラスラグなどの固有粒子を採用して、 上記細粒分の脱水ケーキを解砕・分粒した後、上記粗粒
    分と一緒にミキサーへ投入・混練して、その細粒分の内
    部に粗粒分を埋入させる如く結合一体化することを特徴
    とする人工土の製造法。
  4. 【請求項4】天然土の粘土とシルトに代る細粒分とし
    て、製造業や鉱業、建設業、その他のあらゆる産業や一
    般家庭などから排出される粒径−約74ミクロン以下の
    汚泥を採用する一方、 同じく天然土の砂とレキに代る粗粒分として、上記あら
    ゆる産業や一般家庭などから排出される各種材質の固形
    廃棄物を粒径−約74ミクロン以上に解砕したチツプ、
    又は/及びそのチツプと同視し得る籾殻や鋳物廃砂、キ
    ユポラスラグなどの固有粒子を採用して、 上記細粒分と粗粒分とを混合調製した後、目的とする形
    状に成形すると共に、その成形品を焼結固化することを
    特徴とする人工土の製造法。
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JP2002112630A (ja) * 2000-10-10 2002-04-16 Teruyoshi Nakao 瓦及び瓦廃材を利用した植物床材
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JP2002238348A (ja) * 2001-02-21 2002-08-27 Nobuo Karasawa 軽量植栽土
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JPH06279145A (ja) * 1993-03-23 1994-10-04 Murakami Giken Kk 多孔質構造物およびその製造方法並びにその利用方法

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