JP3017961B2 - 法面緑化工法 - Google Patents

法面緑化工法

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JP3017961B2
JP3017961B2 JP9196102A JP19610297A JP3017961B2 JP 3017961 B2 JP3017961 B2 JP 3017961B2 JP 9196102 A JP9196102 A JP 9196102A JP 19610297 A JP19610297 A JP 19610297A JP 3017961 B2 JP3017961 B2 JP 3017961B2
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裕 原
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物の生育が可能
な法面や斜面などを構築するための法面緑化工法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】法面や斜面などの地盤構築工事における
盛土や埋戻しなどに用いられる材料としては、土砂やソ
イルセメントなどが使用されてきた。しかし、これらの
材料は比重が大きいため、地盤構築工事の完了後、地盤
のすべり破壊や圧密沈下などが生じるという問題があっ
た。
【0003】そこで、このような問題を解決する地盤構
築用資材として、特開平7−10653号公報に開示さ
れている止水性軽量発泡硬化体、特開平7−30093
8号公報に開示されている透水性軽量ブロックなどがあ
る。
【0004】特開平7−10653号公報に開示されて
いる止水性軽量発泡硬化体は、水硬性硬化剤、起泡剤、
急結剤、水、アスファルト乳剤を混合、硬化させたもの
である。この止水性軽量発泡硬化体は、軽量性・強度を
有し、乾燥によるひび割れが発生せず、かつ地下水や雨
水が浸透しないなどの性質を備えている。
【0005】一方、特開平7−300938号公報に開
示されている透水性軽量ブロックは、無機発泡ビーズ類
を接着剤により部分接着して形成したものである。この
透水性軽量ブロックは、排水性(透水性)が良く、また
強度、施工性などに優れているため、軟弱地盤上でも安
定で強固に構築することができる。
【0006】また、傾斜した岩盤法面などを緑化するた
め、岩盤面に土砂崩落防止用のネットや各種補助資材な
どを係止して客土を施す法面緑化工法などが開発され、
各地において施工されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平7−10653
号公報に開示されている止水性軽量発泡硬化体は、硬化
体からの水の散逸、硬化体内部への水の浸透が極めて少
なく、保水性もないため、止水性軽量発泡硬化体を用い
て法面や斜面などを形成した場合、その内部は植物の生
育に適した状態とならない。このため、止水性軽量発泡
硬化体を用いて緑化法面を構築することは困難である。
【0008】また、特開平7−300938号公報に開
示されている透水性軽量ブロックは施工後、長期間経過
すると地下水や雨水が浸透して湿潤密度が大きくなり、
初期の軽量性が失われていく傾向が大である。このた
め、地盤構築工事の完了後、地盤のすべり破壊や圧密沈
下などを招来するおそれがある。また、この透水性軽量
ブロックは、何らかの固定手段を用いないと急傾斜面に
固定することができないため、透水性軽量ブロックを用
いて、傾斜した岩盤上などに緑化法面を形成することは
極めて困難である。
【0009】一方、土砂崩落防止用のネットや各種補助
資材を使用する法面緑化工法の場合、工程が複雑であ
り、工事完了後、土壌が安定するまでに長期間を要す
る。このため、硬化剤などを使用して短期間で土壌を安
定化する技術も開発されているが、このようにして形成
された土壌は硬くて、通気性や透水性なども低いため、
植物が生育し難い。
【0010】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、構築後の地盤崩落や地盤沈下などが発生せず、植物
の成長に適した法面を形成することができる法面緑化工
法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の法面緑化工法は、連続気泡を有する発泡ガ
ラスで形成された粒状体と、堆肥と、植物種子と、粘着
材とを含有する基盤材を地盤上に吹き付けて硬化させる
ことを特徴とする。
【0012】発泡ガラスで形成された粒状体と、堆肥
と、植物種子と、粘着材とを含有する基盤材を地盤上に
吹き付けることによって地盤上に客土層が形成され、こ
の場合、基盤材に含有される粘着材により、粒状体、堆
肥、植物種子などが互いに固結して団粒化構造を形成す
るため、降雨などによる客土層の浸食、風による基盤材
の飛散などを防止することができる。
【0013】ここで、堆肥とは、落ち葉、藁、塵芥、野
草などを積み重ね、腐らせて作った有機物質の混合物で
あり、客土層に含有される植物種子が成長する際の養分
供給源となるほか、保肥力の増強、保水性や通気性の改
善、土壌微生物の活動促進などの作用があるため、良好
な植物生育基盤を形成することができる。この場合、基
盤材に各種化学肥料を添加しておくことにより、植物の
さらなる成長促進を図ることができる。
【0014】一方、基盤材が発泡ガラスの粒状体を含有
していることにより、客土層の内部に植物の根や芽など
の生育に必要とされる間隙を保持することができるた
め、工事完了後、植物種子は発芽した後、堆肥などの養
分を吸収しながら成長し、客土層の表面から外へ現れ、
緑豊かな緑化法面を構築することができる。
【0015】また、粒状体は、微小な多数の連続気泡を
有する発泡ガラスで形成されているため軽量であり、地
下水や雨水などを適度に吸収し、余分な水分は透過する
性質を備えている。このため、工事完了後、長期間経過
しても、初期の軽量性が失われることがなく、客土層の
崩落なども発生しない。
【0016】さらに、発泡ガラスの粒状体の内部は外部
と連続した構造であるため、客土層中において有益な土
壌微生物などの住処となり、これらの土壌微生物の働き
により植物の生育を活性化することができる。また、粒
状体はガラス質で化学的に安定しており、有害物質の溶
出や腐食などが発生しないため、環境破壊のおそれもな
く、耐久性に優れている。なお、粒状体は、新たなガラ
ス材は勿論、廃棄された空ビンやガラス廃材などを原料
として製造することができるため、自然環境の保護、資
源の有効活用に寄与することができる。
【0017】このように、法面、斜面などの地盤上に基
盤材を吹き付けて硬化させることにより、その表面は、
植物の成長が可能な適度な硬さとなり、工事完了後も長
期間に渡り、その硬さが保たれるため、雨水などによる
浸食や風による飛散などが発生せず、耐久性に優れた緑
化法面を構築することができる。また、乾燥期において
も適切な保水性を保ち、植物の成長を促すことができ
る。
【0018】また、本発明の法面緑化工法は、連続気泡
を有する発泡ガラスで形成された粒状体と、堆肥と、植
物種子と、粘着材とを含有する基盤材を用いて地盤上に
盛土構造物を形成し、盛土構造物の表面に粘着材を吹き
付けて硬化させることを特徴とする。
【0019】発泡ガラスで形成された粒状体と、堆肥
と、植物種子と、粘着材とを含有する基盤材を地盤上に
堆積させて盛土構造物を形成すると、基盤材中の粘着材
の働きにより、粒状体、堆肥、植物種子などが固結さ
れ、団粒化構造を形成するため、盛土構造物は適度な通
気性、透水性を備え植物の生育に適した硬さとなり、降
雨などによる浸食や風による飛散を防止することができ
る。
【0020】また、盛土構造物の表面に粘着材を吹き付
けることにより、その表面には、植物の成長が可能で崩
落の発生しない硬化層が形成され、工事完了後も長期間
に渡り、その硬さが保持されるため、植物が順調に成長
し、雨水などによる浸食や風による飛散などが発生せ
ず、耐久性に優れた緑化法面を構築することができる。
この場合、盛土構造物を形成する基盤材に含有される粒
状体、堆肥、植物種子は前述した客土層の場合と同様の
働きをする。
【0021】さらに、本発明の法面緑化工法では、堆肥
としてバーク堆肥を使用することができる。ここで、バ
ーク堆肥とは、完熟広葉樹皮、ピートモス、牛糞、黒土
などを混合した有機物質であり、基盤材中において、塩
基置換容量の向上、保肥力の増強、保水性や通気性の改
善、土壌微生物の活動促進という働きをするため、植物
の生育に適した土壌を形成することができる。
【0022】ここで、ピートモスとはミズゴケなどが堆
積してできた泥炭であり、酸性で透水性や保水性が高い
という性質がある。また、塩基置換容量とは、陽イオン
交換能力、すなわち、カルシウムイオン、マグネシウム
イオン、アンモニウムイオン、カリウムイオンなどの保
持能力を表すものであり、塩基置換容量が向上すると肥
料分の保持能力が増大するため、雨水や地下水などによ
り肥料分が流出しなくなり、植物に有効に吸収される。
【0023】また、本発明の法面緑化工法では、基盤材
に含有させる粘着材、盛土構造物に吹き付ける粘着材と
して、合成樹脂エマルジョンを使用することができる。
合成樹脂エマルジョンとは合成樹脂を水に乳化分散させ
たものであり、これを使用することにより、土粒との結
合が迅速に行われ、保水性や通気性に富む団結した客土
層あるいは盛土構造物表面の硬化層を形成することがで
きるため、降雨による浸食や風による飛散を防止するこ
とができる。
【0024】一方、本発明の法面緑化工法では、基盤材
において、粒状体、堆肥、粘着材の含有比率(体積比)
を5〜30:94.6〜69.6:0.4とすることが
望ましい。このような含有比率することにより、客土層
や盛土構造物内部では、高温期における温度上昇が防止
されるとともに低温期における保温作用が高まり、保水
性も向上するため、植物の発芽、生育が促進されるとい
う効果がある。
【0025】また、本発明の法面緑化工法では、粒状体
の粒径を5〜20mmとすることが望ましい。粒径がこ
のような範囲内に分布した粒状体を使用することによ
り、基盤材中に粒径の異なる粒状体が混在した状態とな
るため、法面や斜面に吹き付けたとき、吹き付けた基盤
材が良く締まり、適度な土中間隙が形成され、通気性や
保水性がより向上するという効果がある。この場合、粒
状体の粒径は、法面などからの湧水の有無、地山の硬軟
程度、日照などの諸条件によって選定することが望まし
い。
【0026】なお、粒状体の粒径が5mmより小さい場
合は見掛け比重が大きくなってガラス成分に近くなり、
連続気泡が少なくなるため保水性や保温性が劣るように
なり、20mmより大きい場合は吹き付け装置のノズル
などに詰まりやすくなり、作業効率を低下させる原因と
なる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は第1実施形態である法面緑
化工法の工程説明図、図2は図1に示す法面緑化工法で
構築した法面の部分断面図である。
【0028】本実施形態の法面緑化工法においては、ま
ず図1(a)に示すように、連続気泡を有する発泡ガラ
スで形成された粒状体10と、堆肥11と、植物種子1
2と、粘着材とを含有する基盤材14を、吹き付け装置
13を用いて地盤15上に吹き付けた後、硬化させて、
図1(b)に示すように客土層16を形成する。
【0029】工事完了後、適度な期間が経過すると、図
1(c)に示すように、客土層16中の植物種子12が
発芽、成長して、客土層16の表面に植物17となって
現れるため、緑豊かな緑化法面18を形成することがで
きる。
【0030】この場合、基盤材14に含有される粘着材
により、粒状体10、堆肥11、植物種子12などが互
いに固結して団粒化構造を形成するため、降雨などによ
る客土層16の浸食や、風による基盤材14の飛散を防
止することができる。
【0031】ここで、堆肥11は、落ち葉、藁、塵芥、
野草などを積み重ね、腐らせて作った有機物質の混合物
であり、客土層16に含有される植物種子12が成長す
る際の養分供給源となるほか、保肥力の増強、保水性や
通気性の改善、土壌微生物の活動促進などの作用がある
ため、良好な生育基盤を形成することができる。本実施
形態では、基盤材14に各種化学肥料を添加することに
より、植物17の成長促進を図っている。
【0032】一方、図2に示すように、客土層16に発
泡ガラスの粒状体10が存在していることにより、客土
層16の内部では、植物17の根や芽などの生育に必要
とされる間隙を保持することができるため、工事完了
後、植物17に適した季節が訪れると、植物種子12は
発芽して、堆肥11などの養分を吸収して成長してい
き、客土層16の表面から外へ現れ、緑豊かな緑化法面
となる。
【0033】また、粒状体10は、微小な多数の連続気
泡10aを有する発泡ガラスで形成されているため軽量
であり、地下水や雨水などを適度に吸収し、余分な水分
は透過する性質を備えている。このため、工事完了後、
長期間経過しても、初期の軽量性が失われることがな
く、客土層16の崩落なども発生しない。
【0034】さらに、発泡ガラスの粒状体10の内部は
外部と連続した構造であるため、客土層16中におい
て、有益な土壌微生物などの住処となり、これらの土壌
微生物などの働きによっても植物17の生育が活性化さ
れる。また、粒状体10はガラス質で化学的に安定して
おり、有害物質の溶出や腐食などが発生しないため、環
境破壊のおそれもなく、耐久性に優れている。なお、粒
状体10は、新たなガラス材は勿論、廃棄された空ビン
やガラス廃材などを原料として製造することができるた
め、自然環境の保護、資源の有効活用にも寄与すること
ができる。
【0035】このように、法面、斜面などの地盤15上
に基盤材14を吹き付けて硬化させることにより、その
表面は、植物17の成長が可能な適度な硬さとなり、工
事完了後も長期間に渡り、その硬さが保たれるため、雨
水などによる浸食や風による飛散などが発生せず、耐久
性に優れた緑化法面を構築することができる。また、乾
燥期においても適切な保水性を保ち、植物の成長を促す
ことができる。
【0036】次に、図3,4を参照して、本発明の第2
実施形態について説明する。図3は第2実施形態である
法面緑化工法の工程説明図、図4は図3に示す法面緑化
工法で構築した法面の部分断面図である。
【0037】本実施形態の法面緑化工法においては、ま
ず図3(a)に示すように、連続気泡を有する発泡ガラ
スで形成された粒状体20と、堆肥21と、植物種子2
2と、粘着材とを含有する基盤材24を地盤25上に堆
積させて、図3(b)に示すような盛土構造物26を形
成する。この場合、後述する植物28の成長促進を図る
ため、基盤材24には各種化学肥料を添加している。
【0038】次に、図3(c)に示すように、盛土構造
物26の表面に粘着材27を吹き付けて硬化させること
により、硬化層29を形成する。
【0039】図3(a)〜(c)に示す工程によって構
築工事が完了した後、期間が経過すると、盛土構造物1
6中にある植物種子12が発芽、成長していき、硬化層
29の表面から外へ植物28として現れるため、図3
(d)に示すように、緑豊かな緑化法面30が形成され
る。
【0040】このように、粒状体20、堆肥21、植物
種子22、粘着材、化学肥料などを含有する基盤材24
を地盤25上に堆積させて盛土構造物26を形成した場
合、基盤材24中の粘着材は、粒状体20、堆肥21、
植物種子22を固着させるという作用があるため、降雨
による浸透水に対しても流動するおそれがない。
【0041】また、堆肥11は、盛土構造物16中にお
いて植物種子12が発芽、成長していく際の養分供給源
となるが、そのほか堆肥11は、植物28の根に対し
て、適切な温度を与えたり、必要な酸素や水分の供給を
行うことにより、成長を促進する作用がある。
【0042】さらに、図3(c)に示すように、盛土構
造物26の表面に粘着材27を吹き付けて硬化層29を
形成することにより、その表面は植物28の成長が可能
な適度の硬さとなり、工事完了後も長期間に渡ってその
硬さが保たれるため、雨水などによる浸食や風による飛
散などが発生せず、耐久性に優れた緑化法面30を構築
することができる。
【0043】一方、盛土構造物26の内部には発泡ガラ
スの粒状体22が分散して、植物28の根や芽などの生
育に必要とされる間隙が保持されているため、工事完了
後、植物種子22は堆肥21や化学肥料などに含まれる
養分を吸収して発芽、成長していき、緑豊かな緑化法面
30を形成することができる。
【0044】また、図4に示すように、粒状体22は微
小な多数の連続気泡20aを有する発泡ガラスで形成さ
れているため、軽量であり且つ地下水や雨水などを適度
に吸収し、余分な水分は透過する。このため、工事完了
後、長期間経過しても、初期の軽量性が失われることが
なく、湿潤密度の増大に起因する地盤25のすべり破壊
や圧密沈下などが発生しない。
【0045】さらに、この粒状体20の内部は外部と連
続した構造であるため、盛土構造物26内において、有
益な土壌微生物の活動が促進され、植物28の生育が良
好となる。また、粒状体20はガラス質で化学的に安定
しており、腐食や有害物質の溶出がないため、環境破壊
のおそれもなく、耐久性に優れている。
【0046】なお、本実施形態において、粒状体20
は、廃棄された空ビンやガラス廃材などを原料として製
造しているため、自然環境の保護、資源の有効活用など
にも寄与することができる。
【0047】ところで、第1,2実施形態において、粒
状体10,20の粒径は5〜20mmであり、異なる粒
径が混在した状態であるため、基盤材14,24が良く
締まり、客土層16や盛土構造物26内に適切な土中間
隙が形成され、植物17,28の生育に適した通気性や
保水性が得られる。
【0048】また、堆肥11としてバーク堆肥を使用し
ているため、基盤材14,24中において、塩基置換容
量の向上、保肥力の増強、保水性や通気性の改善、土壌
微生物の活動促進などの効果が顕著である。
【0049】さらに、粘着材として、合成樹脂エマルジ
ョンを使用しているため、土粒との迅速な結合により、
保水性や通気性に優れた団結した客土層16、盛土構造
物26あるいは硬化層29を形成することができ、降雨
による浸食や風による飛散を防止することができる。
【0050】一方、基盤材14,24において、粒状体
10,20、堆肥11,21、粘着材の含有比率(体積
比)を20:79.6:0.4としたところ、高温期に
おける温度上昇が少なく、低温期における保温性が高
く、保水性も良好となり、植物17,28の成長状態が
順調となった。なお、粒状体10,20、堆肥11,2
1、粘着材の含有比率(体積比)は、湧水の有無、地山
の硬軟程度、日照などの諸条件に応じ、5〜30:9
4.6〜69.6:0.4の範囲内で変更することがで
きる。
【0051】
【発明の効果】本発明により、以下の効果を奏すること
ができる。
【0052】(1)連続気泡を有する発泡ガラスで形成
された粒状体と、堆肥と、植物種子と、粘着材とを含有
する基盤材を地盤上に吹き付けて硬化させることによ
り、地盤上に、植物種子の発芽、生育に適した条件を備
えた客土層が形成され、基盤材に含まれる植物種子が堆
肥などの養分を吸収しながら発芽、成長するため、緑豊
かな緑化法面を構築することができる。
【0053】(2)連続気泡を有する発泡ガラスで形成
された粒状体と、堆肥と、植物種子と、粘着材とを含有
する基盤材を用いて地盤上に盛土構造物を形成し、この
盛土構造物の表面に粘着材を吹き付けて硬化させること
により、植物生育に必要な条件を備えた盛土構造物が構
築され、基盤材に含まれる植物種子が堆肥中の養分を吸
収しながら発芽、成長するため、緑豊かな緑化法面を構
築することができる。また、粘着材の吹き付けにより盛
土構造物の表面は植物が成長可能な適度の硬さとなり、
工事完了後も長期間に渡ってその硬さが保たれるため、
雨水などによる浸食や風による飛散などが発生せず、耐
久性に優れた緑化法面となる。
【0054】(3)基盤材に含有される粘着材が、粒状
体、堆肥、植物種子などを互いに固結して団粒化構造を
形成するという働きをするため、降雨などによる客土層
や盛土構造物の浸食や、風による基盤材の飛散を防止す
ることができる。
【0055】(4)基盤材に含有される堆肥は、植物種
子が成長する際の養分供給源となるほか、保肥力の増
強、保水性や通気性の改善、土壌微生物の活動促進など
の作用があるため、良好な植物生育基盤を形成すること
ができる。
【0056】(5)基盤材が発泡ガラスの粒状体を含有
することにより、客土層や盛土構造物の内部に、植物の
根や芽などの生育に必要な間隙を保持することができる
ため、工事完了後、植物種子は堆肥などの養分を吸収し
て発芽、成長し、客土層などの表面から外へ現れ、緑豊
かな緑化法面を構築することができる。
【0057】(6)粒状体は、微小な多数の連続気泡を
有する発泡ガラスで形成されているため軽量で、地下水
や雨水などを適度に吸収し、余分な水分は透過する性質
を備えている。このため、工事完了後、長期間経過して
も、初期の軽量性が失われることがなく、湿潤密度の増
大に起因する地盤のすべり破壊や圧密沈下あるいは客土
層や盛土構造物の崩落などが発生しない。
【0058】(7)発泡ガラスの粒状体の内部は外部と
連続した構造であるため、客土層や盛土構造物中におい
て、有益な土壌微生物などの住処となり、これらの土壌
微生物によって植物の生育が活性化される。また、粒状
体はガラス質で化学的に安定しており、有害物質の溶出
や腐食などが発生しないため、環境破壊のおそれもな
く、耐久性に優れている。
【0059】(8)堆肥としてバーク堆肥を使用するこ
とにより、化学的な作用や微生物の働きで、植物に対し
必要な養分を安定供給することができるため、植物の生
育が良好となる。
【0060】(9)粘着材として合成樹脂エマルジョン
を使用することにより、粒状体や堆肥などを互いに固結
して団粒構造にする作用が高まるため、降雨による浸食
や風による飛散を防止する効果が向上する。
【0061】(10)基盤材における粒状体、堆肥、粘
着材の含有比率(体積比)を5〜30:94.6〜6
9.6:0.4とすることにより、緑化法面を形成すべ
き地盤の状況に対応して、植物の生育に適した通気性、
保水性、保温性、養分供給機能を確保することができ
る。
【0062】(11)粒状体の粒径を5〜20mmとす
ることにより、基盤材中に粒径の異なる粒状体が混在し
た状態となるため基盤材の締まりが良くなり、また、適
度な土中空隙が形成されるため通気性、保水性なども向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態である法面緑化工法の工程説明図
である。
【図2】図1に示す緑化法面の部分断面図である。
【図3】第2実施形態である法面緑化工法の工程説明図
である。
【図4】図3に示す緑化法面の部分断面図である。
【符号の説明】 10,20 粒状体 11,21 堆肥 12,22 植物種子 13 吹き付け装置 14,24 基盤材 15,25 地盤 16 客土層 17,28 植物 18,30 緑化法面 10a,20a 連続気泡10 26 盛土構造物 29 硬化層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 17/20 102

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続気泡を有する発泡ガラスで形成され
    た粒状体と、堆肥と、植物種子と、粘着材とを含有する
    基盤材を地盤上に吹き付けて硬化させることを特徴とす
    る法面緑化工法。
  2. 【請求項2】 連続気泡を有する発泡ガラスで形成され
    た粒状体と、堆肥と、植物種子と、粘着材とを含有する
    基盤材を用いて地盤上に盛土構造物を形成し、前記盛土
    構造物の表面に粘着材を吹き付けて硬化させることを特
    徴とする法面緑化工法。
  3. 【請求項3】 前記堆肥として、バーク堆肥を使用した
    請求項1,2記載の法面緑化工法。
  4. 【請求項4】 前記粘着材として、合成樹脂エマルジョ
    ンを使用した請求項1,2記載の法面緑化工法。
  5. 【請求項5】 前記粒状体の粒径が、5〜20mmであ
    る請求項1,2記載の法面緑化工法。
  6. 【請求項6】 前記基盤材において、前記粒状体、堆
    肥、粘着材の含有比率(体積比)が、5〜30:94.
    6〜69.6:0.4である請求項1〜5記載の法面緑
    化工法。
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