JP5207496B1 - 補強土壁 - Google Patents

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Abstract

【課題】有効な凍上対策を図りつつ、緑化植物の生育環境を長期間に亘って維持できる補強土壁を提供すること。
【解決手段】擁壁を構成する複数の壁面材20と、壁面材20の裏面側に階層的に形成した盛土層11の中に補強材12を敷設して補強するとともに、補強材12の一端を壁面材20の裏面に接続した補強盛土10とを具備した補強土壁であって、壁面材20の裏面と補強盛土10の前面との間に、硬質粒体と堆肥との混合物よりなる凍上抑制層30を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、寒冷地における盛土地盤の凍上抑制と擁壁の破損防止を図り、併せて良好な植生環境を確保できる補強土壁に関する。
壁面材と補強盛土を組み合せた補強土壁は、壁面材の材質によりコンクリート製のパネルタイプと、エキスパンドメタルをL字形に折曲した鋼製タイプに大別され、前者は法面を緑化しない急勾配の施工に適し、後者は法面の緑化に適している。
両タイプは壁面材の背面に接続したジオグリッド等の補強材を盛土層に敷設して盛土層を補強するとともに、補強材と盛土層の間の摩擦抵抗を利用して壁面材の裏面に作用する土圧を支持する点で共通する。
寒冷地においては、盛土地盤が凍結して凍上現象を引き起す。盛土地盤が凍上すると、盛土地盤の乱れや沈下等を生じるだけでなく、壁面材の孕み出し、破損等を生じるおそれがある。
一般的な補強土壁の凍上対策としては、壁面材の裏面の盛土地盤を砕石に置換して砕石層を形成することや(特許文献1)、壁面材の表面または裏面に断熱材を付設すること(特許文献2)が知られている。
特開2004−250980号公報(図1,2) 特開2003−306954号公報(図1,3)
上記した従来技術にはつぎのような問題点がある。
<1>壁面材の裏面に砕石層を形成する方法にあっては、砕石層の層厚を最大凍結深さ以上の厚さにする必要がある。
極寒地では砕石層が2m以上となる場合もあり、コスト高の大きな要因となっている。
<2>壁面材が鋼製タイプの補強土壁では、凍上対策の開発が遅れていて、好適な凍上抑制技術が確立されていない。
例えば、壁面材の裏面に砕石層を形成する凍上対策を鋼製タイプに適用した場合には、パネルタイプと比べて砕石層の層厚が増大して不経済となるだけでなく、細粒分が少ない砕石層は緑化植物の生育環境として不適であるため、緑化が困難となるといった問題点がある。
<3>壁面材に断熱材を付設した特許文献2の技術にあっては、壁面材がパネルタイプに限定されることと、法面緑化ができないという問題がある。
<4>上記した理由から、壁面材が鋼製タイプの補強土壁を寒冷地に適用するには、凍上対策にくわえて、緑化植物の生育環境を長期間に亘って維持できる新たな技術の開発が課題となっている。
<5>一般に緑化に用いる緑化植物は、肥料の少ない貧栄養の生育環境を好むことから、施工時には必要最小量の肥料を付与している。
しかしながら、時間の経過に伴い肥料が消失することから、短期間の間に養分が欠乏して緑化植物が枯死するため、数年に亘り長期緑化をすることが難しい。
養分の長期補給をするため大量の肥料を一度に付与すると、緑化植物が富栄養の生育環境を嫌うために種子の発芽や緑化植物の活着が阻害されて、十分な緑化ができない。
<6>緑化期間を延ばすには、定期的に緑化植物の植生環境をチェックし、必要に応じて追肥や散水等を行う必要があり、緑化植物の維持管理コストが高くつく。
本発明は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところは、有効な凍上対策を図りつつ、緑化植物の生育環境を長期間に亘って維持できる補強土壁を提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、寒冷地の緑化に適した補強土壁を提供することにある。
本発明は、擁壁を構成する複数の壁面材と、該壁面材の裏面側に階層的に形成した盛土層の中に補強材を敷設して補強するとともに、該補強材の一端を壁面材の裏面に接続した補強盛土と、前記壁面材の裏面と補強盛土の前面との間に形成した凍上抑制層とを具備した補強土壁であって、前記凍上抑制層をそれぞれ単独で断熱性を有する硬質粒体と堆肥との混合物で構成し、前記凍上抑制層を植生基盤として壁面材の前面を緑化したことを特徴とする。
前記硬質粒体と堆肥との混合物を転圧して、通気性を有したまま堆肥を前記硬質粒体の間に介在させている。
前記肥料としてはバーク堆肥が好適である。
前記硬質粒体は粒度の異なる非凍結性の粒体であることが望ましい。
前記壁面材に植生シートを付設して緑化することが望ましい。
本発明は少なくともつぎのひとつの効果を奏する。
<1>凍上抑制層をそれぞれ単独で断熱性を有する硬質粒体および堆肥で構成することで、凍上抑制層の断熱性能を大幅に改善できるだけでなく、凍上抑制層を植生基盤として緑化することができる。
<2>凍上抑制層の断熱性能が格段に向上するので、従来の砕石層と比べて凍上抑制層を薄層にできる。
したがって、補強土壁を経済的に施工できる。
<3>凍上抑制層が断熱材と植生基盤を兼用しているので、寒冷地であっても、壁面材が鋼製タイプの補強土壁に対して緑化することができる。
<4>凍上抑制層が貧栄養状態を長期間に亘って持続するので、緑化植物の維持管理を省略しても複数年に亘る長期緑化を実現できる。
本発明に係る補強土壁を背面盛土側から見た斜視図 一部を省略した補強土壁の縦断面図 凍上抑制材の製法の説明図 補強土壁の施工法の説明図 凍上抑制層の拡大図 温度センサーより推定した補強土壁背面盛土内の凍結深さの説明図 メチレンブルー凍結深度計による補強土壁背面盛土内の凍結深さの説明図 壁面材の凍上による変位の説明図
以下図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
[実施形態1]
<1>補強土壁の概要
図1に本発明に係る補強土壁を背面盛土側から見た斜視図を示し、図2にその縦断面図を示す。
本発明が前提とする補強土壁は、階層的に形成した複数の盛土層11の間に補強材12を敷設して形成した補強盛土10と、補強盛土10の法面側に位置する壁面材20とを有していて、各補強材12の一端が壁面材20の一部に接続してある。
補強盛土10の法面側と壁面材20の裏面との間には、後述する凍上抑制層30が位置する。
以下に主要な資材について説明する。
<2>盛土材料
補強盛土10を構成する盛土材料としては、一般的な土砂や、現場で発生する掘削土を用いることも可能である。凍上抑制効果を高めるには非凍上性材料を用いることが好ましい。
<3>補強材
補強材12は、複数の盛土層11内に敷設して盛土全体の安定性を高め、併せて補強材12の上下面と盛土層11との間の摩擦に起因した引き抜き抵抗により壁面材20の裏面に作用する土圧を支持するために機能する面状補強材である。
補強材12としては、例えば、ジオテキスタイル、ジオグリッド、ジオネット又は防錆処理した金網材等の可撓性を有する公知の面状補強材を使用できる。
<4>壁面体
壁面材20は、凍上抑制層30の変形と崩落を抑えるための壁面材で、本例では起立部21と水平部22を有するように断面略L字形に折り曲げて形成した鋼製タイプについて説明する。
壁面材20の素材としては、エキスパンドメタル、溶接金網、織製金網、有孔鋼板等を使用できる。
水平部22に対する起立部21の交差角度は、法面の勾配(0〜8分勾配)に対応して形成してある。
起立部21と水平部22の間に補強用の斜材23を取り付けてあるが、起立部21が土圧に対抗し得るだけの十分な強度を有していれば斜材23は不要である。
本例では鋼製タイプの壁面材20がL字形を呈する場合について説明するが、起立部21のみで壁面材20を構成するものや、公知の段積み用布団篭を含む。
<5>シート
また、必要に応じて壁面材20の起立部21の裏側には、必要に応じて植生シート、植生マット又は土木シート等のシート24を取り付ける。
<6>凍上抑制層
凍上抑制層30は、断熱作用による補強盛土10の凍上抑制機能と、栄養分の過剰供給抑制作用および保水作用を有する植生基盤材としての機能を併有した層であり、少なくとも硬質粒体31と堆肥32との混合物で構成する。
図3に示すように、硬質粒体31と堆肥32とを撹拌手段40で以て均質となるように撹拌混合して凍上抑制材33を製造する。
撹拌手段40としては、例えば公知のミキサー等の撹拌混練機の他に、バックホー等の建機を使用できる。
硬質粒体31と堆肥32の組み合わせを採用したものは、凍上抑制作用を高めて凍上抑制層30の層厚を薄くすることと、緑化植物の良好な生育環境を長期間に亘って持続させるためである。
<6.1>硬質粒体
硬質粒体31は通気性、排水性に優れた非凍結性の粒体で、例えば砕石、骨材、各種廃棄物の造粒体等を単独で、または複数の組み合わせにより使用可能である。
硬質粒体31の粒度については特に制約がないが、粒度の異なる複数の粒体の組み合わせが望ましい。
硬質粒体31は、凍上抑制効果を発揮するだけでなく、堆肥32に含まれる養分の過剰供給を抑制する緩和剤として機能する。
<6.2>堆肥
堆肥32は植生基盤材であり、保水性、通気性、および保肥力を有する公知の有機堆肥や有機肥料等の土壌改良材である。
堆肥32としては、例えば製材、チップ工場で発生する丸太樹皮を粉砕し、堆積腐熟させて製造した市販のバーク堆肥が好適である。
バーク堆肥は植物繊維を多量に含み、その組成は短冊体と粉体を含んだマット層を形成していて、保水性は高いものの養分は少ない。
<6.3>配合比
硬質粒体31と堆肥32の配合比は、硬質粒体31の粒径や粒度分布、堆肥32の種類等を考慮して適宜選択する。
[施工方法]
つぎに図4を参照しながら補強土壁の施工方法について説明する。
<1>壁面材と補強材の敷設工
図4(A)に示すように、地盤G上に鋼製タイプの壁面材20を設置するとともに、水平に補強材12を敷設する。
壁面材20の水平部22に補強材12の左端を重合し、その重合部に固定ピン25を打設して連結する。
壁面材20の少なくとも起立部21の裏側には、植生シート、植生マット等のシート24を取り付けておく。
<2>盛土工
図4(B)は壁面材20から離れた位置に盛土層11を形成する工程を示していて、補強材12の上面に盛土材料を撒き出し、盛土材料を転圧して壁面材20の起立部21の高さまで盛土層11を構築する。
<3>凍上抑制層の形成工
図4(C)は壁面材20の裏面に凍上抑制層30を形成する工程を示していて、壁面材20の起立部21の裏面と盛土層11の前面との間に、硬質粒体31と堆肥32との混合物である凍上抑制材33を転圧しながら投入して、壁面材20の起立部21の高さまで凍上抑制層30を形成する。
凍上抑制材33を十分に転圧するのは、凍上抑制層30の変形防止を図るためと、養分の溶出をし難くするためである。
凍上抑制層30の水平方向の層厚は最大凍結深さ以上の厚さがあればよい。
前面側から順次、壁面材20、凍上抑制層30、および盛土層11を位置させて一段目の施工を完了する。
凍上抑制層30を拡大した図5を参照して転圧後の凍上抑制層30について説明すると、粒度の異なる硬質粒体31は相互に噛み合って高剛性の骨格を形成しており、堆肥32は硬質粒体31の相互間に形成される空隙内に圧縮状態で収容されている。
堆肥32は大量の繊維質を含むことから、圧縮されても通気性を失わない。
<4>工程の繰り返し
一段目の凍上抑制層30および盛土層11の上面に、既述した工程を繰り返して二段目以降の壁面材20、凍上抑制層30、および盛土層11を順次構築して所定の高さの補強土壁を得る。
図2は壁面材20、凍上抑制層30、および盛土層11を階層的に構築した補強土壁の断面図を示す。
尚、本例では盛土層11を先行して構築した後に凍上抑制層30を形成する場合について説明したが、壁面材20の裏面側に凍上抑制層30を先行して構築した後に盛土層11を構築してもよく、要は壁面材20の起立部21の裏面と盛土層11の前面との間に凍上抑制層30を形成していればよい。
<5>壁面緑化
擁壁を構成する各壁面材20の起立部21は有孔構造を呈しており、その裏面側に形成した凍上抑制層30は堆肥32を含む植生基盤として機能する。
したがって、凍上抑制層30を植生基盤として各種の植物を植生することで、各壁面材20の起立部21を緑化することができる。
なお、緑化植物の生育環境については後述する。
[補強土壁の特性]
つぎに図2,4を参照して補強土壁の特性について説明する。
<1>凍上抑制
図2において、壁面材20を構成する起立部21の裏面に位置する凍上抑制層30は、それぞれ単独で断熱性を有する硬質粒体31および堆肥32の組み合わせで構成するため、全体として高い断熱性能を有する。
したがって、凍上抑制層30の背面に位置する補強盛土10の凍上を効果的に抑制できる。
さらに、補強盛土10の表層を高断熱性能の凍上抑制層30で覆うことで、補強盛土10の最大凍上深度が小さくなる。
硬質粒体31および堆肥32を組み合わせた凍上抑制層30と、従来の凍上抑制手段である砕石層を同厚にして断熱性能の比較試験を行った結果、凍上抑制層30の断熱性能が大幅に卓越していることが確認できた。
したがって、従来の砕石層と比較して凍上抑制層30を薄厚にすることができる。
一般に凍上とは土、水、温度の三条件が揃うことで凍結する現象である。
凍上抑制層30は水を含んでいても、非凍上性材料であることや堆肥の断熱効果により、凍上抑制層30の内部で凍上は起こらない。
<2>緑化植物の生育環境
つぎに凍上抑制層30に植生した緑化植物50の植生環境について説明する。
緑化植物50の根系は、凍上抑制層30を構成する硬質粒体31の間に成長しながら進入する。
凍上抑制層30は施工初期の散水や降雨等を硬質粒体31の間の間隙と堆肥32で十分な量の水を保水しているから、緑化植物50の生育に必要な水分を長期間に亘って提供できる。
肥料のみを塊状にすると、富栄養状態となって緑化植物は短期間のうちに枯死する。
本発明ではこの点を考慮して、養分の供給量が少ない貧栄養状態を長期間に亘って持続し得るように、凍上抑制層30の構成材として硬質粒体31に堆肥32を混入させた。
元々、堆肥32が貧栄養分質であることにくわえて、硬質粒体31が堆肥32を加圧して富栄養化することを緩和する。
したがって、凍上抑制層30に大量の肥料32を含んでいても、凍上抑制層30は初期段階から貧栄養状態にあるため、緑化植物50に対して生育に必要最低限の貧栄養分を長期間に亘って供給し続けることになる。
このように本発明の補強土壁では、緑化植物50にとって必要最小限の栄養分と水分の供給を持続できるので、従来技術では困難であった複数年に亘る長期緑化が可能となる。
また緑化植物50は壁面材20の前面を覆うことになるので、植生による断熱効果も期待できる。
<1>補強土壁
3分の法面勾配で壁面材一段当たりの高さ60cmの盛土を3段積み上げ、ジオテキスタイルによる補強土壁を構築した。
<2>盛土材料の基本物性値
盛土材料の基本物性値はつぎのとおりである。
Figure 0005207496
背面の盛土材料はトラフィカビリティ試験によるコーン指数が3000kN/m2以上あり、施工性の良好な火山灰である。
この補強土壁について凍上を抑制する方法として、上記した礫材を壁面から1mの厚さで設置した。
<3>堆肥の性状
また礫材の凍結深さを低減する目的で、以下に示す肥料を凍上を補強盛土10の法面側と壁面材20の裏面との間には、体積比で12.5%,25%,50%混合した材料を壁面から1mの厚さで設置した。
Figure 0005207496
なお、壁面からのみ冷却させるため、盛土の上部を厚さ10cmの断熱材で覆い、その上を覆土した。
<4>測定項目
各補強土壁について、中段(2段目)の盛土中央付近に法面に対して垂直に、温度センサとメチレンブルー凍結深度計を設置し、地中温度、凍結深さ、凍上量を測定した。
温度センサは壁面から10cm間隔で混合率0%、12.5%は深さ110cmまで、混合率25%、50%は深さ100cmまで設置した。
また補強土壁前面で地表面から1mの位置で温度を測定した。地表温度は1時間ごとに自動計測し、この値から凍上深さを推定した。
またメチレンブルー凍結深度計による凍上深さと凍上量は人力により1週間ごとに測定した。
<5>試験結果
(a)補強土壁背面盛土の凍結深さ
温度センサにより推定した補強土壁面からの凍結深さを求めた(図6参照)。
混合率12.5%では、12月中旬から1月中旬にかけてと2月中句以降、堆肥を混合していない箇所よりも凍結深さが大きくなった時期もあったが、これ以上の混合率では、堆肥を入れることにより凍結深さは小さくなる傾向にあることが確認できた。
メチレンブルー凍結深度計による凍結深さを図7に示す。
施工時に凍結した位置よりも凍結深さが大きくなると、堆肥混合率が大きくなるにしたがい凍結深さが小さくなる傾向が見られた。
混合率50%では、堆肥を混合しない場合よりも10cm程度凍結深さが小さくなっていることが確認できた。
(b)壁面材の凍上による変位
測定期間中の壁面の凍上最を図8に示す。気温が低いとき、凍上量に変化がある。
堆肥を混合していない補強土壁は、施工当初凍結深さが小さい時期にはほとんど凍上しなかったが、その後時間の経過とともに、若干ではあるが壁面の凍上が見られた。
ただし、全体として凍上量は小さいため、読み取りの誤差である場合が考えられる。
<6>まとめ
ジオテキスタイルによる補強土壁について礫材に堆肥を混合することにより、凍結深さが低減されることが確認できた。
[実施形態2]
実施形態1では壁面材20が鋼製タイプである場合について説明したが、本発明は壁面材20がパネルタイプの補強土壁に適用してもよい。
本例にあっても、補強土壁の前面側から順次パネルタイプの壁面材20、凍上抑制層30、および盛土層11が位置することと、各盛土層に敷設した補強材の一端をパネルタイプの壁面材20に接続することは、先の実施形態1と同様である。
本例においては、パネルタイプの壁面材20が鋼製タイプと比べて高い断熱性を有することから、凍上抑制層30をさらに薄層に形成できるといった利点がある。
10・・・・・補強盛土
11・・・・・盛土層
12・・・・・補強材
20・・・・・壁面材
21・・・・・壁面材の起立部
22・・・・・壁面材の水平部
23・・・・・斜材
24・・・・・シート
25・・・・・固定ピン
30・・・・・凍上抑制層
31・・・・・硬質粒体
32・・・・・堆肥

Claims (5)

  1. 擁壁を構成する複数の壁面材と、該壁面材の裏面側に階層的に形成した盛土層の中に補強材を敷設して補強するとともに、該補強材の一端を壁面材の裏面に接続した補強盛土と、前記壁面材の裏面と補強盛土の前面との間に形成した凍上抑制層とを具備した補強土壁であって、
    前記凍上抑制層をそれぞれ単独で断熱性を有する硬質粒体と、堆肥との混合物で構成し、
    前記凍上抑制層を植生基盤として壁面材の前面を緑化したことを特徴とする、
    補強土壁。
  2. 前記硬質粒体と堆肥との混合物を転圧して、通気性を有したまま堆肥を前記硬質粒体の間に介在させたことを特徴とする、請求項1に記載の補強土壁。
  3. 前記肥料がバーク堆肥であることを特徴とする、請求項1または2に記載の補強土壁。
  4. 前記硬質粒体が粒度の異なる非凍結性の粒体であることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の補強土壁。
  5. 前記壁面材に植生シートを付設して緑化したことを特徴とする、請求項1乃至4の何れか一項に記載の補強土壁。
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