JP5511327B2 - 法面および法面の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成形した法面上に、多数のセルからなりハニカム構造をしたハニカム状立体補強材を展帳して設置し、該セルに火山灰を充填した火山灰ハニカム層を設置した法面およびその形成方法に関する。
以前より高分子材料からなるストリップ材をハニカム構造にしたハニカム状立体補強材が知られており、ハニカム状立体補強材のセルに土砂・砕石などからなる充填材を充填して法面を構築(以下、ハニカム状立体補強材を用いた法面を「ハニカム補強法面」という。)することで表面浸食を防止する目的に用いられている。特に充填材に土砂などを用いる場合には法面を植生させて、法面緑化することができる。
一方で、ハニカム補強法面は表面浸食に対しては有効であるが、ハニカム状立体補強材を構成するセル内に雨水や湧水などの水が溜まるという問題があった。この溜まった水を放っておくと、冬季には凍結融解を繰り返して充填材の凍上が発生した。ハニカム補強法面の充填材で凍上が発生すると、凍着凍上により充填材とハニカム状立体補強材が分離してしまい、法面を崩壊させる恐れがあった。この溜まり水の対策として、特許文献1ではハニカム状立体補強材のストリップ材に孔を設けることを提案している。しかしストリップ材に孔を設ける排水対策のみでは、充填材中に閉じ込められた水分を十分に除去できず、とりわけ寒冷地においては凍上対策として十分ではなかった。
充填材中に水分を含ませない対策として、ハニカム状立体補強材のセルに充填する充填材に砕石などの粒度の大きな充填材を用いることも行われている。しかし、この場合には法面を植生する事ができなかった。
一方、特許文献2においては、凍上を抑制し、さらに法面の緑化が出来る方法として、ハニカム状立体補強材を設置後に透水性コンクリートを吹き付け、さらにその上から植生基盤材を設置する方法を提案した。
特許出願公開平2−229303号公報 特開2005−9146号公報
しかし、コンクリート吹き付けを行い、さらにその上から植生基盤材を設置することは多くの手間を要し、施工が大規模になるため、簡単に表面浸食に強い法面を施工できることが長所であるはずの「ハニカム状立体補強材を用いた法面」の長所を生かすことができない。
本発明の目的は、凍上によって崩壊せず、法面が植生可能で、簡単に施工できるハニカム状立体補強材を用いた法面およびその形成方法を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
すなわち、本発明は、ハニカム状立体補強材のセルに充填する充填材に火山灰を採用し、さらにその上に植生層を積層することを、その要旨とする。
請求項1記載の発明は、
複数枚ストリップ材を一定間隔の結合部位にて結合した多数のセルからなハニカム構造をしたハニカム状立体補強材を展帳して、成形した法面上に杭を打つことなく当該ハニカム状立体補強材を設置し、該セルに非凍上性火山灰を充填した火山灰ハニカム層を含む非凍上性ハニカム補強法面である。
火山灰粒子には微細な孔が多数存在するために、火山灰は透水性が高い。そのため、ハニカム状立体補強材に火山灰を充填した火山灰ハニカム層は透水性がよく、充填材中に水が溜まらないため、凍上が起こりにくい。また、コンクリート吹き付けのような面倒な作業が不要である。
請求項2記載の発明は、
複数枚ストリップ材を一定間隔の結合部位にて結合した多数のセルからなるハニカム構造をしたハニカム状立体補強材を展帳して、成形した法面上に当該ハニカム状立体補強材を設置し、当該セルに非凍上性火山灰を充填した火山灰ハニカム層を含む非凍上性ハニカム補強法面であって、
当該ストリップ材は排水性を向上させるために孔を有し、当該孔が当該ストリップ材の面積の40%以下である、非凍上性ハニカム補強法面である。
ハニカム状立体補強材に充填する火山灰は、非凍上性火山灰がよい。非凍上性火山灰とは、「凍上試験で非凍上性であると認められる火山灰」、もしくは「粗粒で、風化の兆候がなく、排水性が良好で、74μふるいの通過量が20%以下であり、強熱減量が4%以下の火山灰」を指す。非凍上性火山灰を用いると、ハニカム構造体の中で凍上が発生しない。
請求項3記載の発明は、
前記火山灰ハニカム層の上に植生可能な土砂または植生マットからなる植生層を有する請求項1または2のいずれかに記載の非凍上性ハニカム補強法面である。
火山灰ハニカム層は、透水性良好なために水持ちが悪く、植生に適さない。そのため、火山灰ハニカム層の上に植生層を設ける。植生層としては、植生に適した土壌や植生マットなどである。
請求項4記載の発明は、
複数のストリップ材からなり、当該ストリップ材の各々には排水性を向上させるための孔を有し、当該孔が当該ストリップ材の面積の40%以下であり、
当該複数枚のストリップ材を一定間隔の結合部位にて結合した多数のセルからなりハニカム構造をしたハニカム状立体補強材を展帳する工程と、
成形した法面上に杭を打つことなく当該ハニカム状立体補強材を設置する工程と、
該セルに非凍上性火山灰を充填し火山灰ハニカム層を作製する工程と、
該火山灰ハニカム層の上に植生可能な土砂または植生マットからなる植生層を設置する工程と、
からなる非凍上性ハニカム補強法面の形成方法である。
本発明による、成形した法面上に、多数のセルからなりハニカム構造をしたハニカム状立体補強材を展帳して設置し、該セルに火山灰を充填した火山灰ハニカム層を設置したハニカム補強法面を用いることで、凍上によって破壊されず、法面の植生ができ、簡単に施工できるハニカム補強法面を提供できる。
ハニカム状立体補強材の展張前の斜視図である。 ハニカム状立体補強材を展張した際の斜視図である。 成形後の法面上にハニカム状立体補強材を設置した際の斜視図である。 法面に敷設されたハニカム状立体補強材に火山灰を充填した際の断面図である。 法面上に設置された火山灰ハニカム層の上に植生層を設置した際の断面図である。 法面上に排水層、火山灰ハニカム層、排水層、植生層の順に積層した際の断面図である。 実施例1〜2及び比較例1〜2の法面の正面図である。 熱電対15の設置位置の断面図である。 凍上量の測定の手順を示した断面図である。 日平均気温及び気温の積算寒度グラフである。 実施例1の地表面及び地中の日平均温度グラフである。 実施例1の地表面及び地中の積算寒度グラフである。 実施例1の上・中・下段の凍結深度のグラフである。 実施例1の上・中・下段の凍上量のグラフである。 実施例1〜2、比較例1〜2の中段の凍上量のグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
本発明は、成形した法面上に、多数のセルからなりハニカム構造をしたハニカム状立体補強材を展帳して設置し、該セルに火山灰を充填した火山灰ハニカム層を設置したハニカム補強法面である。
以下、本発明に用いるハニカム状立体補強材を、図を用いて説明する。
図1は、ハニカム状立体補強材1の展張前の斜視図である。ハニカム状立体補強材1は、複数枚ストリップ材2を一定間隔の結合部位4にて結合したものである。このハニカム状立体補強材1は展張方向5に展張してハニカム状のセル構造を形成する。
ハニカム状立体補強材に利用される素材は樹脂や金属などどのようなものでもよいが、特に好ましいのは樹脂である。樹脂の中でも高密度ポリエチレンが好適である。
ストリップ材2には排水性を向上させるために孔3を設ける。孔の大きさや形状はどのようなものでもよい。孔の数は多い方が良いが、多すぎるとストリップ材の強度が低下するため、ストリップ材の面積の40%を越えない程度の数がよい。また孔の配置は直列でも千鳥配置でもよい。
図2は、図1で示したハニカム状立体補強材を展張した際の斜視図である。ハニカム状立体補強材1を展張すると、ハニカム状のセル6が形成される。セル6内に充填材7を充填して締め固めを行うことにより、剛性のあるハニカム構造体を形成させる。
本発明では、ハニカム状立体補強材充填する充填材として火山灰を採用した。火山灰粒子には微細な孔が多数存在するために、火山灰は透水性が高い。そのため、ハニカム状立体補強材に火山灰を充填した火山灰ハニカム層は、透水性がよく、充填材中に水が溜まらないため、凍上が起こりにくい。ハニカム状立体補強材に充填材を充填するだけの作業であるために、コンクリート吹き付けのような面倒な作業が不要である。
本発明に用いる火山灰は、非凍上性火山灰がよい。非凍上性火山灰とは、「凍上試験で非凍上性であると認められる火山灰」、もしくは「粗粒で、風化の兆候がなく、排水性が良好で、74μふるいの通過量が20%以下であり、強熱減量が4%以下の火山灰」を指す。非凍上性火山灰を用いると、ハニカム構造体の中で凍上が発生しない。一方で、風化が進んだ火山灰や細粒分の多い火山灰は凍上性が高く、本発明には利用できない。
前述の「凍上試験」とは、例えば地盤工学会規準『JGS 0172 凍上性判定のための土の凍上試験方法』が挙げられ、この試験方法の場合には、凍上速度 Uが 0.1mm/h以下であれば、非凍上性と認められる。
火山灰ハニカム層は、透水性良好で、保水性が悪く、植生に適さない。そのため、火山灰ハニカム層の上に植生層が設置される。植生層としては、植生に適した土壌や植生マットなどが挙げられる。
以下、本発明のハニカム補強法面の施工手順を、図を用いて説明する。
図3は、成形後の法面上にハニカム状立体補強材を設置した際の斜視図である。盛土や切土の法面を成形後、ハニカム状立体補強材を展帳しながら、設置する。法面にハニカム状立体補強材を設置する際には、アンカーピンなどで仮止めを行うとよい。必要に応じてハニカム状立体補強材を敷設する前に、ジオテキスタイル(例えばスパンポンド不織布)などからなる吸出防止材を法面に敷設しても良い。
図4は、法面に敷設されたハニカム状立体補強材に火山灰を充填した際の断面図である。法面に敷設されたハニカム状立体補強材のセル6に火山灰を充填し、火山灰ハニカム層8を構築する。充填の際には、適度に転圧を行う。
図5は、法面上に設置された火山灰ハニカム層の上に植生層を設置した際の断面図である。法面上に設置された火山灰ハニカム層8の上に植生層9を設置する。植生層は、植生可能な土砂などから構築してもよいし、植生マットなどを敷設しても良い。火山灰ハニカム層8を構成する火山灰は、植生層9を構成する土砂と比較しても十分粒度が小さいため、土砂による植生層の構築は火山灰ハニカム層の上に直接行っても良い。また、さらに排水性を向上させるために、火山灰ハニカム層と植生層の間に、不織布などからなる排水材層を設けても良い。
図6は、法面上に吸出防止材層、火山灰ハニカム層、排水材層、植生層の順に積層した際の断面図である。成形した法面の上に、ジオテキスタイル(例えばスパンポンド不織布)などの吸出防止材からなる吸出防止材層10、火山灰ハニカム層8、ジオテキスタイル(例えばスパンポンド不織布)などの排水材からなる排水材層11、植生層9の順に施工を行うと、より凍上対して強いハニカム補強法面を構築できる。
以下に実施例、比較例を挙げて説明する。
実施例1〜2及び比較例1〜2の施工を行った場所は、北海道北見市公園町165番地 北見工業大学敷地内の約40年前に築堤された安定した盛土の北東向法面であり、高さ3m、勾配は1:1.2である。本試験は、2008年7月末〜8月初旬にかけて本試験の法面施工を行い、各評価項目の測定は2008年11月より2009年6月まで実施した。表1に、実施例1〜2及び比較例1〜2に供された火山灰土、凍上性土、及び法面地山の物性値を示した。
表1
地盤工学会規準『JGS 0172 凍上性判定のための土の凍上試験方法』によれば、非凍上性火山灰は、凍上速度Uが0.1mm/hour以下であるために凍上性が低いと判断される。一方、法面地山は凍上速度Uが0.1〜0.3mm/hourの範囲に入るため中位の凍上性、凍上性土は凍上速度Uが0.3mm/hour以上であるため凍上性が高いと判定される。
実施例1では、高さ3mの盛土の法面(勾配1:1.2)上にストリップ材の幅が15cmのハニカム状立体補強材を展帳し、該ハニカム状立体補強材の各セルに表1に示した非凍上性火山灰を充填し、勾配が1:1.2の火山灰ハニカム層を設置した。さらに該火山灰ハニカム層の上に、堆肥およびメタン発酵消化液を散布し、さらにその後種子吹付けを行い、該火山灰ハニカム層と平行に植生層を設置した。
実施例2では、高さ3mの盛土の法面(勾配1:1.2)上にストリップ材の幅が15cmのハニカム状立体補強材を展帳し、該ハニカム状立体補強材の各セルに表1に示した非凍上性火山灰を充填し、勾配が1:1.2の火山灰ハニカム層を設置した。さらに該火山灰ハニカム層の上に、メタン発酵消化液及び種子散布し、該火山灰ハニカム層と平行に植生層を設置した。
比較例1では、高さ3mの盛土の法面(勾配1:1.2)上にストリップ材の幅が15cmのハニカム状立体補強材を展帳し、該ハニカム状立体補強材の各セルに表1に示した凍上性土を充填し、勾配が1:1.2の凍上性土ハニカム層を設置した。さらに該凍上性土ハニカム層の上に、メタン発酵消化液及び種子散布し、該凍上性土ハニカム層と平行に植生層を設置した。
比較例2では、高さ3mの盛土の法面(勾配1:1.2)上に表1に示した物性の凍上性土を前記ハニカム状立体補強材のストリップ材の幅と同じ厚さ(15cm)分積層し、勾配が1:1.2の凍上性土層を設置した。さらに凍上性土層の上に、メタン発酵消化液及び種子散布し、凍上性土層と平行に植生層を設置した。
実施例1〜2及び比較例1〜2の法面は隣接して造成し、各法面の境界は厚さ10cmの発泡スチロール製の断熱材を目地材として施工した。
図7は、実施例1〜2及び比較例1〜2の法面を正面から見た図であり、以下に述べる測定に必要な測定点である、不動点12、ターゲット13、凍結深度計14、熱電対15の設置位置を示した。
不動点12は、各法面の中心線上の盛土天端部の不動点(上)12aと、盛土法尻の基礎地盤部の不動点(下)12bの2点設置した。ターゲット13は、当該法面の中心線上に3点設置され、それぞれの点は、当該法面の高さ方向での中点であるターゲット(中)13b、13bより上に当該法面と平行に1m移動させた点であるターゲット(上)13a、13bより下に当該法面と平行に1m移動させた点であるターゲット(下)13cよりなる。
凍結深度計14は、各法面の中心線上から当該法面を正面に見て左側に60cm平行移動した直線上に3点設置し、それぞれの点は、当該法面の高さ方向での中点である凍結深度計(中)14b、14bより上に当該法面と平行に1m移動させた点である凍結深度計(上)14a、14bより下に当該法面と平行に1m移動させた点である凍結深度計(下)14cよりなる。
熱電対15は、ターゲット13aより当該法面を正面に見て左側に30cm平行移動した位置に設置した。
評価方法及び評価結果は以下の通りである。
1)気温の測定
試験期間中の気温は実験を行った法面にほど近い場所に設置された百葉箱内に、銅―コンスタンタン熱電対を用いて、1時間毎に気温を自動計測した。この計測結果より、日平均気温を算出した。さらに日平均気温の値を積算して積算寒度を算出した。
図10に試験期間中の日平均気温及び気温の積算寒度を示した。
図10に示した気温の積算寒度のグラフ中で、上凸の頂点の最大積算寒度から下凸の底点の最小積算寒度との差である凍結指数FIは565.3(℃・days)であり、北見地方においては例年に比較して暖かい冬であった(北見地方の例年のFI値:600〜800(℃・days))。
2)地表面温度及び地中温度の測定
地表面温度及び地中温度は、実施例1〜2及び比較例1〜2の各法面に図7で示した熱電対15の位置に銅―コンスタンタン熱電対を設置し、これをセンサーとして温度を測定した。
図8に、熱電対15の設置位置の断面図を示した。図8のように、熱電対15は、当該法面に対して垂直差し込まれた塩化ビニールパイプ16内に、法面より深さ1cmの位置に設置した熱電対(上)15a、法面より深さ11cmの位置に設置した熱電対(中)15b、深さ31cmの位置に設置した熱電対(下)15cの3点からなり、3点の熱電対設置後にパイプ内の空気対流を防止するために、パイプ内に標準砂17を充填した。
熱電対(上)15aの測定値を地表面温度、熱電対(中)15b及び熱電対(下)15cの測定値を地中温度とし、1時間毎に温度を自動計測した。この計測結果より、日平均地表面温度及び日平均地中温度を算出した。さらに日平均地表面温度及び日平均地中温度を積算してそれぞれの積算寒度を算出した。
代表例として、図11に実施例1の法面における日平均地表面温度(15aの位置の温度)、深さ10cmの日平均地中温度(15bの位置の温度)、深さ30cmの日平均地中温度(15cの位置の温度)を示した。
また、図12に試験期間中の実施例1の法面における地表面の積算寒度(15aの位置の温度)、深さ10cmの地中積算寒度(15bの位置の温度)、深さ30cmの地中積算寒度(15cの位置の温度)を示した。
3)凍結深度の測定
凍結深度の測定は、実施例1〜2及び比較例1〜2の各法面に図7で示した凍結深度計14a〜14cの位置に凍結深度計を設置し測定した。凍結深度計は、メチレンブルー凍結深度計を用いた。
メチレンブルー凍結深度計は、地中に差し込まれた塩化ビニールパイプ中にメチレンブルー水溶液を満たし、該塩化ビニールパイプにアクリル製の内管を差し込んだ構造をしている。水は、氷に変わる時に不純物を排出しながら変化する性質を有するため、水のままの部分は青色のまま変化せず、凍結した部分は透明になる。該メチレンブルー凍結深度計の内管を3日ごとに引き抜き、透明部分の位置を測定することで、凍結深度を測定した。
代表例として、図13に実施例1の法面における上段(14a)、中段(14b)、下段(14c)の凍結深度を示した。
4)凍上量の測定
凍上量の測定は、実施例1〜2及び比較例1〜2の各法面に図7で示した3つのターゲット13、すなわちターゲット(上)13a、ターゲット(中)13b、ターゲット(下)13cの位置において、凍上量を測定した。
図9には、凍上量の測定の際の断面図を示した。各法面において、天端の不動点12aと法尻の不動点12bの間にピアノ線18を固定し、このピアノ線を基準線とした。測定の際には、ピアノ線の位置とターゲット13の頂上との距離を測定する。図9に示すように凍上量19は、凍上後Bの基準線とターゲット13B頂上の距離と、凍上前Aの基準線とターゲット13A頂上の距離との差である。以上のように凍上量を測定した。
代表例として、図14に実施例1の法面における上段(13a)、中段(13b)、下段(13c)の凍上量を示した。図12のように凍上量は、同条件の法面においては、法面の下に行くほど大きくなった。
図14に実施例1〜2及び比較例1〜2における中段(13b)の凍上量を示した。実施例1〜2は、比較例1〜2に比して凍上量が小さかった。
本発明の成形した法面上に、多数のセルからなりハニカム構造をしたハニカム状立体補強材を展帳して設置し、該セルに火山灰を充填した火山灰ハニカム層を設置したハニカム補強法面を用いることにより、表面浸食に強く、凍上が起きず、施工手間が少ない、ハニカム補強法面を形成できる。
1 ハニカム状立体補強材
2 ストリップ材
3 孔
4 結合部位
5 展帳方向
6 セル
7 充填材
8 火山灰ハニカム層
9 植生層
10 吸出防止材
11 排水材
12 不動点
12a 不動点(上)
12b 不動点(下)
13 ターゲット
13a ターゲット(上)
13b ターゲット(中)
13c ターゲット(下)
13A ターゲット(凍上前)
13B ターゲット(凍上後)
14 凍結深度計
14a 凍結深度計(上)
14b 凍結深度計(中)
14c 凍結深度計(下)
15 熱電対
15a 熱電対(上)
15b 熱電対(中)
15c 熱電対(下)
16 塩化ビニールパイプ
17 標準砂
18 ピアノ線
19 凍上量
50 盛土天端
51 盛土法面
52 基礎地盤
A 凍上前
B 凍上後

Claims (4)

  1. 複数枚ストリップ材を一定間隔の結合部位にて結合した多数のセルからなハニカム構造をしたハニカム状立体補強材を展帳して、成形した法面上に杭を打つことなく当該ハニカム状立体補強材を設置し、該セルに非凍上性火山灰を充填した火山灰ハニカム層を含む非凍上性ハニカム補強法面。
  2. 複数枚ストリップ材を一定間隔の結合部位にて結合した多数のセルからなるハニカム構造をしたハニカム状立体補強材を展帳して、成形した法面上に当該ハニカム状立体補強材を設置し、当該セルに非凍上性火山灰を充填した火山灰ハニカム層を含む非凍上性ハニカム補強法面であって、
    当該ストリップ材は排水性を向上させるために孔を有し、当該孔が当該ストリップ材の面積の40%以下である、非凍上性ハニカム補強法面。
  3. 前記火山灰ハニカム層の上に植生可能な土砂または植生マットからなる植生層を有する請求項1または2のいずれかに記載の非凍上性ハニカム補強法面。
  4. 複数のストリップ材からなり、当該ストリップ材の各々には排水性を向上させるための孔を有し、当該孔が当該ストリップ材の面積の40%以下であり、
    当該複数枚のストリップ材を一定間隔の結合部位にて結合した多数のセルからなりハニカム構造をしたハニカム状立体補強材を展帳する工程と、
    成形した法面上に杭を打つことなく当該ハニカム状立体補強材を設置する工程と、
    該セルに非凍上性火山灰を充填し火山灰ハニカム層を作製する工程と、
    該火山灰ハニカム層の上に植生可能な土砂または植生マットからなる植生層を設置する工程と、
    からなる非凍上性ハニカム補強法面の形成方法。
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