JP7046037B2 - ハニカム補強法面 - Google Patents
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Description
複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材を当該ストリップ材の厚さ方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合し、これを前記厚さ方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状立体補強材に充填材を充填してなるハニカム層を法面形成面上に当該法面形成面に対して略平行に設置するハニカム補強法面であって、
当該ハニカム補強法面は積層された複数のハニカム層で構成され、
前記複数のハニカム層のうち少なくとも2層のハニカム層は性質の異なる充填材で充填され、
前記ハニカム層のうちの1層は充填材として砕石、クラッシャーラン、グリズリアンダー材のいずれかが充填されてなる排水性ハニカム層であり、
前記ハニカム層のうちの他の1層は、ハニカム補強法面の表面に配置され、充填材として土砂、砂質土、植生土嚢、植生吹付のいずれかが充填されてなる植生ハニカム層であるハニカム補強法面である。
前記複数のハニカム層の層間に不織布からなる層がある請求項1に記載のハニカム補強法面である。
前記複数のハニカム層を前記ハニカム補強法面に対してほぼ垂直に貫き、地山法面に食い込む垂直杭が配置されてなる請求項1または2のいずれかに記載のハニカム補強法面である。
前記ハニカム層に当該ハニカム層とほぼ平行に法面の天端から法尻まで貫く縦筋が配置されてなる請求項1から3のいずれかに記載のハニカム補強法面である。
前記ハニカム層中に略等標高レベルの法面延長方向に延設される横筋が配置されてなる請求項1から4のいずれかに記載のハニカム補強法面である。
前記複数のハニカム層の最上層のハニカム層上に植生シート、植生注入マット、植生吹付のいずれかからなる植生形成層が配置されてなる請求項1から5のいずれかに記載のハニカム補強法面である。
本発明は、法面形成面にハニカム補強法面を構築する際に、法面形成面上に、当該法面形成面と略平行の複数のハニカム層を積層して設置することで、激しい表面浸食に耐え、また、各ハニカム層におのおの異なる性質の充填材を充填することにより、複数の性能を有するハニカム補強法面を構築することを発明の要旨としているが、このような事例はこれまで知られていない。
複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材を幅方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合し、これを前記幅方向と直交する方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状立体補強材に充填材を充填してなるハニカム層を法面形成面上に当該法面形成面に対して略平行に設置するハニカム補強法面であって、当該法面形成面と略平行に複数のハニカム層が配置されてなるハニカム補強法面である。
図1は、本願発明に使用するハニカム状立体補強材(3セル)の展張前の斜視図である。図1では3セルのハニカム状立体補強材1を例示したが、ハニカム状立体補強材のセル数は3セルに限らず何セルあってもよい。以下、当該ハニカム状立体補強材1から作製されるハニカム層やハニカム補強法面についても同様である。ハニカム状立体補強材1は、複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材2を幅方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に一定間隔の結合部位4にて結合したものである。このハニカム状立体補強材1は展張方向aに展張してハニカム状のセル構造を形成する。ハニカム状立体補強材に利用される素材は樹脂が好ましく、樹脂の中でも高密度ポリエチレンが好適である。
図4には、法面形成面6上で展帳したハニカム状立体補強材1に充填材8を充填し、ハニカム層7を作成した際の斜視図を示した。
第1ハニカム層7Aと第2ハニカム層7Bに充填する充填材に性質の異なる充填材を充填することで、第1ハニカム層7Aと第2ハニカム層7Bに異なる機能を分担することができる。例えば、第1ハニカム層7Aに砕石8Bを充填し第2ハニカム層7Bに土砂8Aを充填した場合には、第1ハニカム層7Aには排水機能を有し、第2ハニカム層7Bの表面には植生をさせることができる。この場合、第2ハニカム層7Bの充填材(土砂)が第1ハニカム層7Aの充填材(砕石)よりも粒度が細かい成分(土や粘土)を含むため、第2ハニカム層7Bから第1ハニカム層7Aへの充填材の細粒分の移動を防止するため、細粒分より目の細かい不織布9を第1ハニカム層7Aと第2ハニカム層7Bとの間に挟むことが望ましい。
第2ハニカム層7Bと第1ハニカム層7Aを法面勾配に対してほぼ垂直に貫き、法面形成面6に到達し法面形成面6に食い込むように垂直杭10を設置することで、第2ハニカム層7Bと第1ハニカム層7Aと法面形成面6を一体化させて、ハニカム層の剥離崩壊を起こしにくくすることが可能である。垂直杭10はどのような材料の杭でも利用可能である。具体的には、金属製や樹脂製、コンクリート製のものなどが挙げられる。とりわけ金属製の鋼製鉄筋などが好適である。
第ハニカム層7Aと第2ハニカム層7Bの法面勾配とほぼ平行に法面の天端から法尻まで貫く縦筋11をハニカム層に設置することで、ハニカム層を構成するセルの変形やハニカム層のずり落ちなどを抑止できる。縦筋はどのような材料ものでも利用可能である。具体的には、金属製の鉄筋や樹脂製のロープなどが挙げられる。とりわけ金属製の鋼製鉄筋が好適である。
縦筋11は、ハニカム層構築時に於いてハニカム状立体補強材1を展帳しながら法面上に設置する際に充填材8を充填する前にハニカム層のストリップ材2を貫き、セルを法面方向に縦断するような形で設置される。縦筋設置後に充填材8を充填し、ハニカム層7を構築する。
ハニカム層7中の略等標高レベルの法面延長方向に延設される横筋12を配置することで、ハニカム層7を構成するセルの変形やハニカム層のずり落ちなどを抑止できる。横筋12はどのような材料ものでも利用可能である。具体的には、金属製の鉄筋や樹脂製のロープなどが挙げられる。とりわけ金属製の鋼製鉄筋が好適である。
横筋12は、ハニカム層構築時に於いてハニカム状立体補強材1を展帳しながら法面上に設置する際に充填材8を充填する前にハニカム層7のストリップ材2を貫き、セルを法面の延長方向にほぼ等標高レベルに縦断するような形で設置される。横筋設置後に充填材を充填し、ハニカム層を構築する。
第2ハニカム層7Bの上に植生形成層13を設置すると、ハニカム補強法面に植生を促すことができる。植生形成層13としては、植生シートや植生注入マットが好適である。
2 ストリップ材
3 孔
4 結合部位
5 セル
6 法面形成面
7 ハニカム層
7A 第1ハニカム層
7B 第2ハニカム層
8 充填材
8A 土砂からなる充填材
8B 砕石からなる充填材
8C 植生吹きつけ土からなる充填材
9 不織布
10 垂直杭
11 縦筋
12 横筋
13 植生形成層
14 既設コンクリート法面
a 展張方向
b 視線方向
z 断面図断面
Claims (6)
- 複数の長片状の樹脂又は繊維シートからなるストリップ材を当該ストリップ材の厚さ方向に並設し互いに所定の間隔で千鳥状に繰り返し部分的に接合し、これを前記厚さ方向に展張することによってハニカム状のセルを形成するハニカム状立体補強材に充填材を充填してなるハニカム層を法面形成面上に当該法面形成面に対して略平行に設置するハニカム補強法面であって、
当該ハニカム補強法面は積層された複数のハニカム層で構成され、
前記複数のハニカム層のうち少なくとも2層のハニカム層は性質の異なる充填材で充填され、
前記ハニカム層のうちの1層は充填材として砕石、クラッシャーラン、グリズリアンダー材のいずれかが充填されてなる排水性ハニカム層であり、
前記ハニカム層のうちの他の1層は、ハニカム補強法面の表面に配置され、充填材として土砂、砂質土、植生土嚢、植生吹付のいずれかが充填されてなる植生ハニカム層であるハニカム補強法面。 - 前記複数のハニカム層の層間に不織布からなる層がある請求項1に記載のハニカム補強法面。
- 前記複数のハニカム層を前記ハニカム補強法面に対してほぼ垂直に貫き、地山法面に食い込む垂直杭が配置されてなる請求項1または2のいずれかに記載のハニカム補強法面。
- 前記ハニカム層に当該ハニカム層とほぼ平行に法面の天端から法尻まで貫く縦筋が配置されてなる請求項1から3のいずれかに記載のハニカム補強法面。
- 前記ハニカム層中に略等標高レベルの法面延長方向に延設される横筋が配置されてなる請求項1から4のいずれかに記載のハニカム補強法面。
- 前記複数のハニカム層の最上層のハニカム層上に植生シート、植生注入マット、植生吹付のいずれかからなる植生形成層が配置されてなる請求項1から5のいずれかに記載のハニカム補強法面。
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