JP3073182B2 - 法面緑化用部材および法面緑化工法 - Google Patents

法面緑化用部材および法面緑化工法

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JP3073182B2 JP09213478A JP21347897A JP3073182B2 JP 3073182 B2 JP3073182 B2 JP 3073182B2 JP 09213478 A JP09213478 A JP 09213478A JP 21347897 A JP21347897 A JP 21347897A JP 3073182 B2 JP3073182 B2 JP 3073182B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物が生育可能な
法面を構築するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】山間地や新規な造成地の傾斜地盤におい
ては、景観の向上などを目的として、法面の緑化工事が
施工されている。このような法面緑化工事では、地盤面
に土砂崩落防止用の補助部材やネットなどを固定して、
これらの上に客土層を形成する法面緑化工法が実施され
ている。また、このような法面緑化工法において使用す
るため、従来より、様々な形状、構造をした補助部材や
ネットなどが開発されている。
【0003】例えば、従来の法面緑化技術として、特開
平6−257157号公報、特開平9−119136号
公報などに開示されているものがある。
【0004】特開平6−257157号公報に開示され
ている法面緑化工法においては、施工面に固定した土留
め用ストッパ上に、苗木根の貫通が可能な植生袋に混合
土壌を詰めたものを設置固定し、この植生袋に苗木を植
えることによって緑化法面を構築する。
【0005】一方、特開平9−119136号公報に開
示されている法面緑化工法においては、法面上に多数の
柵状体を連結固定して複数の堰を構成し、これらの堰の
上方を網状体で覆い、さらに、その上に肥料や植物種子
などを含む客土などを施して着根層を形成することによ
り緑化法面を構築する。
【0006】また、これら以外の法面緑化工法として、
法面上に網状の土留め用ストッパを複数配置し、その上
を金網などで覆い、さらに、これらの上に植物種子など
を混入させた客土層を形成することによって緑化法面を
構築する工法などがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−25715
7号公報に開示されている法面緑化工法の場合、施工面
に固定した複数の土留め用ストッパ上に、混合土壌を詰
めた植生袋をそれぞれ設置固定しなけらばならないの
で、混合土壌の詰め込み作業や植生袋の運搬、設置作業
などに多大な労力と時間を要し、工期が長期化する。
【0008】また、特開平9−119136号公報に開
示されている法面緑化工法の場合、多数の柵状体を連結
固定して堰を構成するため、各々の柵状体は連結機構を
備える必要があり構造が複雑で製作に手間を要する。ま
た、柵状体を横方向に連結固定して連続した堰を構成す
るため、凹凸の多い法面においては採用することが困難
である。
【0009】さらに、法面上に網状の土留め用ストッパ
を複数配置し、その上を金網などで覆い、さらに、これ
らの上に植物種子などを混入させた客土層を形成する法
面緑化工法の場合、網状の土留め用ストッパは保水性が
ないため、植物が必要とする水分や養分を充分に保持で
きず、降雨量の少ない地方では苗木などの生育状態が悪
化することがある。
【0010】本発明が解決すべき課題は、客土層の流出
や崩落が発生せず、保水性に優れ、植物の生育状態が良
好な緑化法面を構築する技術を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の法面緑化用部材は、連続気泡を有する発泡
ガラスで形成された塊状体がコンクリート成形体中に分
散され、塊状体の一部がコンクリート成形体の表面に露
出した構造を備えたことを特徴とする。発泡ガラスで形
成された塊状体は多数の連続気泡を有し、地下水や雨水
などを適度に吸収し、過剰な水分を透過する性質を備え
ているため、この塊状体の一部がコンクリート成形体の
表面に露出するように分散された構造を備えた法面緑化
用部材は、水分を吸収する機能を有しており、水分吸収
後は適量の水分を保持することができる。
【0012】したがって、本発明の法面緑化用部材を傾
斜地盤上に固定し、その上に客土層を形成した場合、客
土層の流出や崩落が防止されるとともに、植物の成長に
必要な量の水分およびその中に含まれる養分などを長期
間保持することができ、植物の生育に適した緑化法面を
構築することができる。なお、塊状体は、新たなガラス
材は勿論、廃棄された空ビンやガラス廃材などを原料と
して製造することができるため、自然環境の保護、資源
の有効活用に寄与することができる。
【0013】なお、コンクリート成形体については、そ
の形状やサイズなどを特に限定するものではないが、法
面緑化工事現場の平均的条件を考慮した場合、縦100
mm〜200mm、横200〜1000mm、厚さ10
mm〜30mm程度の板状体であることが望ましい。
【0014】また、発泡ガラスで形成された塊状体につ
いてもその形状やサイズなどを特に限定するものではな
いが、前記平均的条件を考慮すると、外径5mm〜35
mm程度の大きさの不定形状体であって、コンクリート
中への配合率が5〜50重量%であることが望ましい。
【0015】また、本発明の法面緑化用部材では、塊状
体がコンクリート成形体の表面から突出した構造とする
ことができる。このような構造とすることにより、塊状
体の露出部分の表面積が増加するため、水分吸収性が向
上し、保持可能な水分量も増大する。また、法面緑化用
部材の表面が凹凸状態となるため、法面緑化用部材を傾
斜地盤上に固定し、その上に客土層を形成した場合、客
土層の流出や崩落を防止する機能が向上する。
【0016】さらに、本発明の法面緑化用部材では、コ
ンクリート成形体に貫通孔を設けた構造とすることがで
きる。このような構造とすることにより、客土層で成長
する植物の根が貫通孔を通過して伸長し、客土層中に強
く固定されるため、植物の脱落が発生せず、客土層自体
の流出や崩落を防止する機能も向上する。この場合、貫
通孔のサイズや個数は、工事現場の条件や植物の種類な
どに応じて定めることができるが、平均的な条件下で使
用する場合、内径10mm〜20mm程度のサイズで、
その個数は100cm2 当たり5〜7個程度であること
が望ましい。
【0017】次に、本発明の法面緑化工法は、前述した
法面緑化用部材を、地盤上に棚状または千鳥状に配置
し、法面緑化用部材を覆うように客土層を形成すること
を特徴とする。ここで、棚状に配置するとは、法面緑化
用部材が地盤上で横方向に連なった棚を形成するように
配置することをいい、千鳥状に配置するとは、複数の法
面緑化用部材を地盤上で縦横方向に所定間隔ごとに配置
する場合、上下方向に隣接する法面緑化用部材の列にお
いて、法面緑化用部材とその間の空間とが上下の列で交
互の位置関係となるように配置することをいう。これに
よって、客土層は、地盤上に配置された法面緑化用部材
で強固に固定されるため客土層の流出や崩落が発生しな
い。また、法面緑化用部材には、連続気泡を有する発泡
ガラスで形成された塊状体が分散され、適度の保水性を
有しているため、客土層中において、植物の成長に必要
な量の水分およびその中に含まれる養分などを長期間保
持することができ、植物の生育に適した緑化法面を構築
することができる。
【0018】さらに、発泡ガラス塊状体の内部は、外部
と連続した構造であるため、客土層中において有益な土
壌微生物などの住処となり、これらの働きによって植物
の生育を活性化することができる。また、塊状体はガラ
ス質で、化学的に安定であり、有害物質の溶出や腐食な
どが発生しないため、環境破壊のおそれもなく、耐久性
にも優れている。なお、塊状体は、新たなガラス材は勿
論、廃棄された空ビンやガラス廃材などを原料として製
造することができるため、自然環境の保護、資源の有効
活用に寄与することができる。
【0019】また、本発明の法面緑化工法は、前述した
法面緑化用部材を、地盤上に棚状または千鳥状に配置
し、地盤および法面緑化用部材を覆う状態に網状体を敷
設し、さらに、法面緑化用部材および網状体の上に客土
層を形成することを特徴とする。地盤上に配置された法
面緑化用部材を覆うように網状体を敷設し、その上に客
土層を形成するので、客土層の固定状態はさらに強固な
ものとなり、そこで生育する植物の根は網状体に絡むよ
うに伸長するため、客土層の流出や崩落、植物の脱落な
どを防止する機能が向上する。
【0020】さらに、本発明の法面緑化工法では、前記
客土層を、連続気泡を有する発泡ガラスで形成された粒
状体と堆肥と植物種子と粘着材とを含有する基盤材を地
盤上に吹き付けて硬化させることにより形成することが
できる。
【0021】発泡ガラスで形成された粒状体と、堆肥
と、植物種子と、粘着材とを含有する基盤材を地盤上に
吹き付けることによって地盤上に客土層が形成され、こ
の場合、基盤材に含有される粘着材により、粒状体、堆
肥、植物種子などが互いに固結して団粒化構造を形成す
るため、降雨などによる客土層の浸食、風による基盤材
の飛散などを防止することができる。
【0022】ここで、堆肥とは、落ち葉、藁、塵芥、野
草などを積み重ね、腐らせて作った有機物質の混合物で
あり、客土層に含有される植物種子が成長する際の養分
供給源となるほか、保肥力の増強、保水性や通気性の改
善、土壌微生物の活動促進などの作用があるため、良好
な植物生育基盤を形成することができる。この場合、基
盤材に各種化学肥料を添加しておくことにより、植物の
さらなる成長促進を図ることができる。
【0023】一方、基盤材が発泡ガラスの粒状体を含有
していることにより、客土層の内部に植物の根や芽など
の生育に必要とされる間隙を保持することができるた
め、工事完了後、植物種子は発芽した後、堆肥などの養
分を吸収しながら成長し、客土層の表面から外へ現れ、
緑豊かな緑化法面を構築することができる。
【0024】また、粒状体は、微小な多数の連続気泡を
有する発泡ガラスで形成されているため軽量であり、地
下水や雨水などを適度に吸収し、余分な水分は透過する
性質を備えている。このため、工事完了後、長期間経過
しても、初期の軽量性が失われることがなく、客土層の
流出や崩落なども発生しない。
【0025】さらに、発泡ガラス粒状体の内部は、外部
と連続した構造であるため、客土層中において有益な土
壌微生物などの住処となり、これらの働きによって植物
の生育を活性化することができる。また、粒状体はガラ
ス質で、化学的に安定であり、有害物質の溶出や腐食な
どが発生しないため、環境破壊のおそれもなく、耐久性
にも優れている。なお、粒状体は、新たなガラス材は勿
論、廃棄された空ビンやガラス廃材などを原料として製
造することができるため、自然環境の保護、資源の有効
活用に寄与することができる。
【0026】このように、基盤材を吹き付け硬化させる
ことにより、客土層の表面は、植物の成長が可能な適度
の硬さとなり、工事完了後も長期間に渡り、その硬さが
保持されるため、雨水などによる浸食や風による飛散な
どが発生せず、耐久性に優れた緑化法面を形成すること
ができる。また、乾燥期においても適度の保水性を維持
することができるため、植物の生育を促すことができ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1(a)は法面緑化部材の実施
形態を示す斜視図、同(b)は他の実施形態を示す斜視
図である。
【0028】図1(a)に示すように、本実施形態の法
面緑化用部材10は、連続気泡11aを有する発泡ガラ
スで形成された複数の塊状体11をコンクリート板12
中に分散させるとともに、塊状体11の一部を表面から
突出させた構造を備えており、コンクリート板12には
複数の貫通孔13が設けられている。発泡ガラスで形成
された塊状体11は多数の連続気泡11aを有している
ため、地下水や雨水などを適度に吸収し、過剰な水分を
透過する性質を備え、水分吸収後は適量の水分を保持す
ることができる。
【0029】また、図1(b)に示す法面緑化用部材1
4のように、貫通孔13を設けず、連続気泡11aを有
する発泡ガラスで形成された複数の塊状体11をコンク
リート板12中に分散させるとともに、塊状体11の一
部を表面から突出させた構造とすることもできる。
【0030】本実施形態の法面緑化用部材10,14を
傾斜地盤上に固定し、その上に客土層を形成した場合、
客土層の流出や崩落が防止されるとともに、植物の成長
に必要な量の水分およびその中に含まれる養分などを長
期間保持することができ、植物の生育に適した緑化法面
を構築することができる。なお、塊状体11は、新たな
ガラス材は勿論、廃棄された空ビンやガラス廃材などを
原料として製造することができるため、自然環境の保
護、資源の有効活用に寄与することができる。
【0031】なお、コンクリート成形体12について
は、その形状やサイズなどを特に限定するものではない
が、本実施形態では、縦150mm、横600mm、厚
さ15mmとしたところ、平均的な条件の法面緑化工事
において好適に使用することができた。
【0032】また、発泡ガラスで形成された塊状体11
についても、その形状やサイズなどを特に限定するもの
ではないが、本実施形態では、外径5mm〜35mm程
度の大きさの不定形状体であって、コンクリート中への
配合率を20重量%としたところ前記平均的条件におい
て好適に使用することができた。
【0033】一方、本実施形態の法面緑化用部材10,
14では、塊状体11をコンクリート板12の表面から
突出させた構造としているので、発泡ガラスで形成され
た塊状体11の露出部分の表面積が増加するため、水分
吸収性が向上し、保持可能な水分量も増大する。また、
法面緑化用部材10,14の表面が凹凸状態となるた
め、傾斜地盤上に固定し、その上に客土層を形成した場
合、客土層の流出や崩落を防止する機能が向上する。
【0034】さらに、法面緑化用部材10では、コンク
リート板12に複数の貫通孔13を設けた構造としてい
るため、客土層で成長する植物の根が貫通孔13を通過
して伸長することが可能となり、客土層中に強く固定さ
れるため、植物の脱落が発生せず、客土層自体の流出や
崩落を防止する機能も向上する。この場合、貫通孔13
のサイズは、工事現場の条件や植物の種類などに応じて
定めることができるが、本実施形態では内径10mm
で、その個数を100cm2 当たり6個としたところ、
平均的な条件の法面緑化工事において、好適に使用する
ことができた。
【0035】次に、図2〜4を参照して、法面緑化工法
の実施形態について説明する。図2は法面緑化工法の実
施の形態を示す工程説明図、図3は前記法面緑化工法の
工程途中の説明図、図4は完成した緑化法面の縦断面図
である。
【0036】本実施形態の法面緑化工法においては、ま
ず、図2(a)に示すように、ピン21を傾斜した地盤
20に打ち込んで図1(a)の法面緑化用部材10を固
定する。この場合、図3に示すように、法面緑化用部材
10を地盤20に千鳥状に配置するが、地盤20の硬度
に応じて、縦横方向に0.5〜2.0m間隔で配置する
ことが望ましい。
【0037】法面緑化用部材10の配置、固定が完了し
たら、図2(b)に示すように、地盤20および法面緑
化用部材10を覆うようにラス金網22を敷設し、ピン
23で地盤20に固定する。ここで、ラス金網22と
は、亜鉛めっき鉄線を素材とする菱形金網のことであ
り、一定のピッチで山形に曲げられた列線を互いに絡ま
せた平行四辺形の網目を形成したものである。
【0038】そして、図2(c)に示すように、法面緑
化用部材10およびラス金網22を覆うように、地盤2
0に対し基盤材24を吹き付けて硬化させることにより
客土層25を形成する。この場合、基盤材24は、連続
気泡を有する発泡ガラスで形成された粒状体26、堆
肥、植物種子、粘着材および化学肥料などを含有してい
るため、工事完了後時間が経過すると、図4に示すよう
に、客土層25から外へ植物27が成長し、緑豊かな緑
化法面を構築することができる。
【0039】このように、地盤20上に千鳥状に配置、
固定された法面緑化用部材10を覆うようにラス金網2
2を敷設し、その上に基盤材24を吹き付けて客土層2
5を形成するので、客土層25の固定状態は極めて強固
なものとなり、生育する植物27はラス金網22に絡む
ように成長していくため、客土層25の流出や崩落、植
物の脱落などを防止することができる。
【0040】また、法面緑化用部材10には、連続気泡
を有する発泡ガラスで形成された塊状体11が分散さ
れ、適度の保水性を有しているため、客土層25中にお
いて、植物27の成長に必要な量の水分や養分などを長
期間保持することができ、植物27の生育に適した緑化
法面30を構築することができる。
【0041】さらに、植物27の根27rは、法面緑化
用部材10の貫通孔13を通過して伸長していくことが
可能であるため、客土層25中に強く固定され、植物2
7の傾斜や脱落が発生せず、客土層25自体の流出や崩
落も有効に防止することができる。
【0042】さらに、本実施形態の法面緑化工法では、
客土層25を、連続気泡を有する発泡ガラスで形成され
た粒状体26、堆肥、植物種子、粘着材などを含有する
基盤材24を地盤20上に吹き付けることによって形成
しているため、基盤材24に含有される粘着材により、
粒状体26、堆肥、植物種子などが互いに固結して団粒
化構造を形成し、降雨などによる客土層25の浸食、風
による基盤材24の飛散などを防止することができる。
【0043】基盤材24に含まれる堆肥は、落ち葉、
藁、塵芥、野草などを積み重ね、腐らせて作った有機物
質の混合物であり、客土層25に含有される植物種子が
成長する際の養分供給源となるほか、保肥力の増強、保
水性や通気性の改善、土壌微生物の活動促進などの作用
があるため、良好な植物生育基盤を形成することができ
る。また、本実施形態では、基盤材24に各種化学肥料
を添加しているため、植物27の成長促進を図ることが
できる。
【0044】一方、基盤材24は、発泡ガラスの粒状体
26を含有しているため、客土層25の内部に植物27
の根27rや芽などの生育に必要とされる間隙を保持す
ることができ、工事完了後、季節が訪れると植物種子は
発芽して、堆肥などの養分を吸収しながら成長し、客土
層25の表面から外へ現れ、緑豊かな緑化法面30を構
築することができる。
【0045】また、粒状体26は、微小な多数の連続気
泡を有する発泡ガラスで形成されているため、地下水や
雨水などを適度に吸収し、余分な水分は透過する性質を
備えている。このため、工事完了後、長期間経過して
も、初期の軽量性が失われることがなく、客土層25の
流出や崩落なども発生しない。
【0046】さらに、発泡ガラスで形成された粒状体2
6および塊状体11の内部は、外部と連続した構造であ
るため、客土層25中において、有益な土壌微生物など
の住処となり、これらの働きによって植物27の生育を
活性化することができる。また、粒状体26および塊状
体11はガラス質で、化学的に安定であり、有害物質の
溶出や腐食などが発生しないため、環境破壊のおそれも
なく、耐久性にも優れている。なお、粒状体26および
塊状体11は、新たなガラス材は勿論、廃棄された空ビ
ンやガラス廃材などを原料として製造することができる
ため、自然環境の保護、資源の有効活用に寄与すること
ができる。
【0047】このように、基盤材24を吹き付けて硬化
させることによって、客土層25の表面は植物27の成
長が可能な適度の硬さとなり、工事完了後も長期間に渡
って、その硬さが保持されるため、雨水などによる浸食
や風による飛散などが発生せず、耐久性に優れた緑化法
面30を形成することができる。また、乾燥期において
も適度の保水性を維持することができるため、植物27
の生育を促すことができる。
【0048】
【発明の効果】本発明により、以下の効果を奏すること
ができる。
【0049】(1)連続気泡を有する発泡ガラスで形成
された塊状体がコンクリート成形体中に分散され、塊状
体の一部がコンクリート成形体表面に露出した構造を備
えていることにより、地下水や雨水などを適度に吸収
し、過剰な水分を透過する性質を具備するため、法面緑
化用部材を用いて傾斜地盤上に客土層を形成した場合、
客土層の流出や崩落が防止され、植物の成長に必要な水
分や養分などを長期間保持することができ、植物の生育
に適した緑化法面を構築することができる。
【0050】(2)連続気泡を有する発泡ガラスで形成
された塊状体がコンクリート成形体の表面から突出した
構造を備えていることにより、塊状体の露出部分の表面
積が増すため、水分吸収性が向上するとともに、保持可
能な水分量も増大し、表面が凹凸形状となるため客土層
の流出や崩落を防止する機能が向上する。
【0051】(3)コンクリート成形体に貫通孔を設け
た構造とすることにより、客土層で成長する植物の根が
貫通孔を通過して伸長することが可能となり、客土層中
に強く固定されるため、植物の脱落が発生せず、客土層
自体の流出や崩落を防止する機能も向上する。
【0052】(4)請求項1〜3記載の法面緑化用部材
を、地盤上に棚状または千鳥状に配置し、法面緑化用部
材を覆うように客土層を形成することにより、客土層は
法面緑化用部材の作用で地盤上に強固に固定されるた
め、客土層の流出や崩落が発生しない。また、法面緑化
用部材には、連続気泡を有する発泡ガラスで形成された
塊状体が分散され、適度の保水性を有しているため、客
土層中において、植物の成長に必要な水分や養分などを
長期間保持することができ、植物の生育に適した緑化法
面を構築することができる。
【0053】(5)発泡ガラス塊状体の内部は、外部と
連続した構造であるため、客土層中において有益な土壌
微生物などの住処となり、これらの働きによって植物の
生育を活性化することができる。また、塊状体はガラス
質で、化学的に安定であり、有害物質の溶出や腐食など
が発生しないため、環境破壊のおそれもなく、耐久性に
も優れている。
【0054】(6)請求項1〜3記載の法面緑化用部材
を、地盤上に棚状または千鳥状に配置し、地盤および法
面緑化用部材を覆う状態に網状体を敷設し、さらに、法
面緑化用部材および網状体の上に客土層を形成すること
により、客土層の固定状態はさらに強固なものとなり、
植物の根や茎などは網状体に絡むように伸長するため、
客土層の流出や崩落、植物の脱落などを防止する機能が
向上する。
【0055】(7)客土層を、連続気泡を有する発泡ガ
ラスで形成された粒状体と堆肥と植物種子と粘着材とを
含有する基盤材を地盤上に吹き付けて硬化させて形成す
ることにより、基盤材に含有される粘着材の作用で、粒
状体、堆肥、植物種子などが互いに固結して団粒化構造
を形成するため、降雨などによる客土層の浸食、風によ
る基盤材の飛散などを防止することができる。
【0056】(8)基盤材が堆肥を含有することによ
り、客土層に含有される植物種子が成長する際の養分供
給源となり、保肥力の増強、保水性や通気性の改善、土
壌微生物の活動促進などの作用があり、良好な植物生育
基盤を形成することができる。
【0057】(9)基盤材が発泡ガラスの粒状体を含有
することにより、客土層の内部に植物の根や芽などの生
育に必要とされる間隙を保持することができるため、工
事完了後、植物種子は発芽して、堆肥などの養分を吸収
しながら成長し、客土層の表面から外へ現れ、緑豊かな
緑化法面を構築することができる。
【0058】(10)粒状体は、微小な多数の連続気泡
を有する発泡ガラスで形成されているため軽量であり、
地下水や雨水などを適度に吸収し、余分な水分は透過す
る性質を備えている。このため、工事完了後、長期間経
過しても、初期の軽量性が失われることがなく、客土層
の流出や崩落なども発生しない。
【0059】(11)発泡ガラス粒状体の内部は、外部
と連続した構造であるため、客土層中において有益な土
壌微生物などの住処となり、これらの働きによって植物
の生育を活性化することができる。また、粒状体はガラ
ス質で、化学的に安定であり、有害物質の溶出や腐食な
どが発生しないため、環境破壊のおそれもなく、耐久性
にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】法面緑化部材の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図2】法面緑化工法の実施の形態を示す工程説明図で
ある。
【図3】図2に示す法面緑化工法の工程途中の説明図で
ある。
【図4】完成した緑化法面の縦断面図である。
【符号の説明】
10,14 法面緑化用部材 11a 連続気泡 11 塊状体 12 コンクリート板 13 貫通孔 21,23 ピン 20 地盤 22 ラス金網 24 基盤材 25 客土層 26 粒状体 27 植物 27r 根 30 緑化法面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 17/20

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続気泡を有する発泡ガラスで形成され
    た塊状体がコンクリート成形体中に分散され、前記塊状
    体の一部が前記コンクリート成形体表面に露出した構造
    を備えた法面緑化用部材。
  2. 【請求項2】 前記塊状体が前記コンクリート成形体の
    表面から突出した構造を備えた請求項1記載の法面緑化
    用部材。
  3. 【請求項3】 前記コンクリート成形体に貫通孔を設け
    た請求項1,2記載の法面緑化用部材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の法面緑化用部材を、
    地盤上に棚状または千鳥状に配置し、前記法面緑化用部
    材を覆うように客土層を形成することを特徴とする法面
    緑化工法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3記載の法面緑化用部材を、
    地盤上に棚状または千鳥状に配置し、前記地盤および前
    記法面緑化用部材を覆う状態に網状体を敷設し、さら
    に、前記法面緑化用部材および前記網状体を覆うように
    客土層を形成することを特徴とする法面緑化工法。
  6. 【請求項6】 前記客土層を、連続気泡を有する発泡ガ
    ラスで形成された粒状体と堆肥と植物種子と粘着材とを
    含有する基盤材を前記地盤上に吹き付けて硬化させるこ
    とにより形成することを特徴とする請求項4,5記載の
    法面緑化工法。
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